JP2020066839A - 鋼矢板継手部及び鋼矢板継手嵌合部の止水方法 - Google Patents

鋼矢板継手部及び鋼矢板継手嵌合部の止水方法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工手間を軽減しつつ、確実に継手嵌合部の止水性能を確保することが可能な、鋼矢板継手部及び鋼矢板継手嵌合部の止水方法を提供する。【解決手段】先行継手13Aの嵌合空間の下端に閉塞部材50を設置する閉塞部材設置ステップと、前記嵌合空間の内部にシーリング材20を充填するシーリング材充填ステップと、前記閉塞部材設置ステップ及び前記シーリング材充填ステップを経た先行鋼矢板10を地中に打設する先行鋼矢板打設ステップと、後行鋼矢板を地中に打設するとともに、前記シーリング材20が充填された前記先行継手13Aの嵌合空間に後行継手13Bを挿入して嵌合させる継手嵌合ステップと、を少なくとも備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼矢板継手部及び鋼矢板継手嵌合部の止水方法に関する。
従来から、鋼矢板は護岸工事や埋立工事における遮水護岸構造に用いられ、特に廃棄物の埋立処分場などの工事においては、埋立地内の廃棄物汚染物質が、鋼矢板の継手部分を通じて外海に漏出してしまうことがないよう、当該継手部分の止水性は極めて重要となる。
例えば図7には、特許文献1に開示された鋼矢板の継手嵌合部における止水構造が図示されている。当該特許文献1に記載の発明は、図7(c)に示されるようにU型鋼矢板1の継手嵌合部5を吸水膨潤性止水材3によって止水するものであり、具体的には、図7(a)に示されるように、先行打設される先行鋼矢板の先行継手部2に予め吸水膨潤性止水材3を塗布し、その上に発砲ウレタンフォーム4を充填することによって、後行打設される後行鋼矢板の継手部と嵌合する前に、吸水膨潤性止水材3が吸水して膨張してしまうことを防止しようとしたものである。そして、図7(b)に示されるように後行鋼矢板の打設にともなって互いの継手部2が嵌合する際、上記発砲ウレタンフォーム4が除去され、この時、吸水膨潤性止水材3が吸水することによって膨張し、図7(c)に示される態様で継手嵌合部5の止水を行おうとするものである。
特開2002−363974号公報
しかし、上記特許文献1に記載された発明においては、先行継手に後行継手を嵌合させる際、発砲ウレタンフォーム4が十分除去されずに残存してしまう可能性がある上、吸水膨潤性止水材3が薄く塗られているだけであり、その結果、吸水膨潤性止水材3が吸水することができず、継手嵌合部5において、必要な止水性能が得られないという問題がある。
そこで、本願発明は、施工手間を軽減しつつ、確実に継手嵌合部の止水性能を確保することが可能な、鋼矢板継手部及び鋼矢板継手嵌合部の止水方法を提供することを目的とする。
(1)先行継手(13A)の嵌合空間(14)の下端に閉塞部材(50)を設置する閉塞部材設置ステップと、
前記嵌合空間(14)の内部にシーリング材(20)を充填するシーリング材充填ステップと、前記閉塞部材設置ステップ及び前記シーリング材充填ステップを経た先行鋼矢板(10A)を地中に打設する先行鋼矢板打設ステップと、後行鋼矢板(10B)を地中に打設するとともに、前記シーリング材(20)が充填された前記先行継手(13A)の嵌合空間(14)に後行継手(13B)を挿入して嵌合させる継手嵌合ステップと、を少なくとも備えたことを特徴とする鋼矢板継手嵌合部(60)の止水方法。
(2)さらに、前記シーリング材充填ステップの後に、前記先行継手(13A)の延長方向に形成されて前記嵌合空間(14)に通じる継手開口部に保護カバー部材(30)を設置して充填された前記シーリング材(20)を保護する保護カバー部材設置ステップを備え、前記継手嵌合ステップは、前記先行継手(13A)の前記嵌合空間(14)への前記後行継手(13B)の挿入にともなって前記保護カバー部材(30)による前記シーリング材(20)の保護状態を解除する保護状態解除ステップを備えている上記(1)に記載の鋼矢板継手嵌合部(60)の止水方法。
(3)さらに、前記保護カバー部材設置ステップは、前記保護カバー部材(30)の延長方向の一方の端部(31)を前記継手開口部の一方の端部(15)に接着し、前記保護カバー部材(30)の延長方向の他方の端部(32)を前記継手開口部の他方の端部(16)に接着する保護カバー接着ステップを備えている上記(2)に記載の鋼矢板継手嵌合部(60)の止水方法。
(4)さらに、前記継手嵌合ステップは、前記先行継手(13A)と前記後行継手(13B)を嵌合する際、前記保護カバー部材(30)の一方の端部(31)を前記継手開口部の一方の端部(15)から剥離させて前記後行継手(15B)の外側面(17)を覆い、前記シーリング材(20)の漏洩を抑制するシーリング材漏洩抑制ステップを備えている上記(3)記載の鋼矢板継手嵌合部(60)の止水方法。
(5)継手(13A)の嵌合空間(14)の下端に閉塞部材(50)が設置され、前記嵌合空間(14)の内部にはシーリング材(20)が充填されて成ることを特徴とする鋼矢板(10)の継手部。
(6)さらに、前記継手(13A)の延長方向に形成される前記嵌合空間(14)に通じる継手開口部には前記シーリング材(20)を保護する保護カバー部材(30)が設置されて成る上記(5)に記載の鋼矢板(10)の継手部。
(7)さらに、前記保護カバー部材(30)の延長方向の一方の端部(31)は前記継手開口部の一方の端部(15)に接着され、前記保護カバー部材(30)の延長方向の他方の端部(32)は前記継手開口部の他方の端部(16)に接着されて成る上記(6)に記載の鋼矢板(10)の継手部。
(8)さらに、前記継手(13A)と他方の継手(13B)との嵌合状態において、前記保護カバー部材(30)の一方の端部(31)が前記継手開口部の一方の端部(15)から剥離し、前記他方の継手(13B)の外側面(17)を覆って前記シーリング材(20)の漏洩を抑制するよう構成された上記(7)に記載の鋼矢板(10)の継手部。
上記(1)、(5)の構成によれば、先行継手(13A)の嵌合空間(14)の下端に閉塞部材(50)が設置されるとともに、嵌合空間(14)の内部にはシーリング材(20)が充填されるため、閉塞部材(50)による効果により、先行鋼矢板10Aの打設にともなう嵌合空間(14)への土砂等の浸入を効果的に抑えることができ、嵌合空間(14)内に充填されたシーリング材(20)を適切に保護することが可能となる。これにより、先行継手(13A)と後行継手(13B)の鋼矢板継手嵌合部(60)における高い止水性能を確保することが可能となる。
また、従来使用されていた吸水膨潤性止水材とは異なり、シーリング材(20)は止水性能を発揮するために吸水する必要がないことから、地下水位が低く、水が存在しない状況下においても鋼矢板継手嵌合部(60)内に当該シーリング材(20)が行きわたり、確実に必要な止水性能を発揮することが可能である。加えて、シーリング材(20)は長期間にわたって柔軟性を有しているため、地震などによって鋼矢板継手嵌合部60に変位が生じても、それに追随して止水性能を維持することが可能である。
上記(2)、(3)、(6)、(7)の構成によれば、上記した効果に加え、先行継手(13A)の延長方向に形成される嵌合空間(14)に通じる継手開口部に、シーリング材(20)を保護する保護カバー部材(30)が設置されることにより、鋼矢板10の打設中に、シーリング材(20)が漏洩することを抑制できるとともに、特に、鋼矢板10の土中部においては、嵌合空間(14)内への土砂等の浸入を確実に防ぐことができ、嵌合空間(14)内に充填されたシーリング材(20)を適切に保護することが可能となる。これにより、先行継手(13A)と後行継手(13B)の鋼矢板継手嵌合部(60)において、高い止水性能を確保することが可能となる。
上記(4)、(8)の構成によれば、上記した効果に加え、先行継手(13A)と後行継手(13B)とが嵌合する際、保護カバー部材(30)の一方の端部(31)が継手開口部の一方の端部(15)から剥離し、後行継手部(13B)の外側面(17)を覆うように構成されているため、嵌合時に嵌合空間(14)から漏洩するシーリング材(20)を保護カバー部材(30)の一方の端部(31)と後行継手部(13B)の外側面(17)との間で押さえ込むことが可能となる。これにより、シーリング材(20)を長期的に保護して土砂などの異物の侵入や、シーリング材(20)の漏洩を抑制することが可能となり、長期的に鋼矢板継手嵌合部(60)の止水性能を維持することが可能となる。
本発明の実施例における、鋼矢板の先行継手の一例を示す斜視図である。 本発明の実施例における、鋼矢板の先行継手の一例を示す断面図である。 本発明の実施例における、先行継手の下端部の一例を示す底面図である。 本発明の実施例における、複数の鋼矢板による嵌合態様の一例を示す斜視図である。 本発明の実施例における、鋼矢板継手嵌合部の一例を示す断面図である。 本発明の実施例における、施工フローの一例である。 従来技術である特許文献1に開示された継手部の断面図及び斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の「鋼矢板継手部及び鋼矢板継手嵌合部の止水方法」について説明する。
本発明の一実施例として、図1には本実施例における鋼矢板10(本実施例ではU型鋼矢板を使用。)の斜視図が図示されている。以降、図中13Aを「先行継手」、13Bを「後行継手」として説明するが、「先行継手13A」とは1つの継手嵌合部において先行して打設される鋼矢板10の継手であり、「後行継手13B」とは当該継手嵌合部において後行して打設される鋼矢板10の継手である。
図1に図示されるように、鋼矢板10の先行継手13Aの下端部には、嵌合空間14を閉塞する閉塞部材50が設置されており、本実施例では先行継手13Aの延長方向の下端部の形状に対応した鉄板が、図3の底面図に図示される態様で溶接接合にて鋼矢板10に設置されている。このような構成により、鋼矢板10の打設にともなう嵌合空間14への土砂等の侵入を抑制することが可能となり、さらに、後述する、嵌合空間14に充填された止水材20を適切に保護することが可能となっている。
また、図1の斜視図及び図2の断面図に示されるように、先行継手13Aの延長方向に形成される嵌合空間14の内部には、止水材20が充填されている。本実施例では止水材20として、耐久性に優れ、止水性能の高いシーリング材が嵌合空間14内に隙間無く充填されている。したがって、従来使用されていた吸水膨潤性止水材などとは異なり、止水材20が長期間にわたって柔軟性を有しているため、地震などによって鋼矢板継手嵌合部60に変位が生じても、それに追随して止水性能を維持することが可能となっている。なお、先行継手13Aの嵌合空間14に充填される止水材20は、少なくとも後行継手13Bに接触する程度に充填されていることが好ましい。
さらに、先行継手13Aの延長方向に形成される嵌合空間14と通じる継手開口部には、図2の断面図に示されるように、嵌合空間14内に充填された止水材20を保護する保護カバー部材30が設けられている。すなわち、当該保護カバー部材30の一方の端部31が接着材40を介して継手開口部の一方の端部15に接着され、加えて、保護カバー部材30の他方の端部32が接着材41を介して継手開口部の他方の端部16に接着されている。これにより、例えば鋼矢板を砂礫地盤内に打設した場合に止水材20が礫により削り落とされることを防止するとともに、嵌合空間14内の止水材20への土砂などの浸入、および、止水材20の漏洩を防止するように構成されている。
そして本実施例では、上記保護カバー部材30としてプラスチック製の成形板を使用し、接着材40、41として金属及びプラスチックの接着に適した構造用両面テープを使用している。
続いて、図4には、先行鋼矢板10Aと後行鋼矢板10Bとの嵌合態様を示した斜視図が、図5には、先行継手13Aと後行継手13Bとの鋼矢板継手嵌合部60の断面図が図示されている。以降、図中10Aを「先行鋼矢板」、10Bを「後行鋼矢板」として説明するが、「先行鋼矢板10A」とは1つの継手嵌合部において先行して打設される鋼矢板10であり、「後行鋼矢板10B」とは当該継手嵌合部において後行して打設される鋼矢板10である。
図4及び図5に図示されるように、先行継手13Aと後行継手13Bとが嵌合することによって、先行継手13Aの嵌合空間14内に充填されていた止水材20は、後行継手13Bの嵌合空間14内に行きわたり、鋼矢板継手嵌合部60における止水性能が確保されるように構成されている。
さらに、図5の断面図に図示されるように、後行鋼矢板10Bの打設にともない、先行継手13Aの継手開口部の一方の端部15から剥離した保護カバー部材30の一方の端部31は、後行継手13Bの外側面17を覆うように位置し、先行継手13Aの嵌合空間14から漏洩した止水材20を、後行継手13Bの外側面17と保護カバー部材30の一方の端部31とで押さえ込むことができるように構成されている。このような構成によって、止水材20を長期的に保護して土砂などの異物の侵入や、止水材20の漏洩を抑制することが可能となり、長期的に鋼矢板継手嵌合部60の止水性能を維持することが可能となる。
[施工手順]
以下では、上記した本実施例における鋼矢板継手部および鋼矢板継手嵌合部の施工手順について、図6に示される施工フローにもとづいて説明する。
(S100:先行継手の下端への閉塞部材の設置)
まず、図1の鋼矢板10の斜視図に示されるように、先行継手13Aの下端部に、嵌合空間14を閉塞するための閉塞部材50を設置する。すなわち、図3の底面図に示されるように、先行継手13Aの下端部の形状に対応した鉄板を溶接接合にて設置する。設置作業は鋼矢板10の打設現場において設置することも可能であるが、鋼矢板10を打設現場に搬入する前に閉塞部材50を設置することが好ましく、このようにすることで、打設現場における作業負担を軽減することが可能となる。
なお、本実施形態では閉塞部材50として鉄板を使用しているが、プラスチック性のものなど、鋼矢板10の打設にともなって破壊しないものであれば閉塞部材50として利用することが可能である。また、取り付け方法に関しても、必ずしも溶接によるものである必要はなく、先行継手13Aの下端部に嵌合させるような取り付け方法を採用することも可能である。このような構成によれば、閉塞部材50の設置手間を大幅に削減することが可能となる。
(S110:先行継手の嵌合空間への止水材の充填)
続いて、図1の鋼矢板10の斜視図及び図2の先行継手13Aの断面図に図示されるように、先行継手13Aの延長方向に形成される嵌合空間14の内部に止水材20を充填する。本実施形態では、耐久性に優れ、止水性能の高いシーリング材を止水材20として使用し、コーキングガンなどの充填機材を用いて充填している。なお、先行継手13Aの嵌合空間14に充填される止水材20は、少なくとも後行継手13Bに接触する程度に充填されていることが好ましい。また、充填作業は鋼矢板10の打設現場において行うことも可能であるが、当該打設現場に搬入する前に止水材20の充填を行うことが好ましく、このようにすることで、打設現場における作業負担を軽減することが可能となる。
(S120:継手開口部への保護カバー部材の設置)
続いて、図1の鋼矢板10の斜視図及び図2の先行継手13Aの断面図に図示されるように、先行継手13Aの延長方向に形成されるとともに、嵌合空間14と通じる継手開口部に、嵌合空間14内に充填された止水材20を保護する保護カバー部材30を設置する。保護カバー部材30の設置に際しては、当該保護カバー部材30の一方の端部31を接着材40を介して継手開口部の一方の端部15に接着し、さらに、保護カバー部材30の他方の端部32を接着材41を介して継手開口部の他方の端部16に接着する。
使用される上記保護カバー部材30としては、少なくとも鋼矢板10の打設時に破損しない程度の強度を有するものであればよく、本実施例では上記保護カバー部材30としてプラスチック製の成形板を使用している。また、使用される接着材40、41についても、少なくとも鋼矢板10の打設時に上記保護カバー部材30や鋼矢板10の表面から剥がれてしまうことのない程度の接着力を有するものであればよく、本実施例では特に金属及びプラスチックの接着に適した構造用両面テープを使用している。なお、鋼矢板10の打設時に上記保護カバー部材30が離脱してしまうことがないよう、接着材40、41の接着対象面は十分に清掃し乾燥した状態で接着されることが好ましい。これにより、嵌合空間14内に充填された止水材20に対する土砂などの浸入を抑制することが可能となる。
(S130:先行鋼矢板の打設)
続いて、先行継手13Aに止水材20およびその保護カバー部材30が設置された先行鋼矢板10Aを打設現場の所定の位置に打設機械を使用して打設する。なお、最初に打設する先行鋼矢板10Aは起点となり、先行して打設された鋼矢板が他に存在しない状態であるので、両方の継手が先行継手13Aとなる。したがって、起点となる先行鋼矢板10Aにおいては、両方の先行継手13Aに対し、前述した閉塞部材50の設置、止水材20の充填およびその保護カバー部材30の設置が必要となる。
(S140:後行鋼矢板の打設及び先行継手と後行継手の嵌合)
続いて、先行鋼矢板10Aの打設後、図4に示される態様で後行鋼矢板10Bを打設する。後行鋼矢板10Bの打設によって、先行鋼矢板10Aの先行継手13Aに、後行鋼矢板10Bの後行継手13Bを嵌合させる際は、図5の断面図に示されるよう、先行継手13Aにおける保護カバー部材30の一方の端部31を、継手開口部の一方の端部15から一部剥離させておき、先行継手13Aに後行継手13Bを嵌合させる。なお、保護カバー部材30の端部31の剥離作業は先行継手13Aの上端部付近のみでよく、残りの部分は後行継手13Bが打設されるのにともなって剥離される。
[他の実施態様]
以上、本発明の鋼矢板継手部及び鋼矢板継手嵌合部の止水方法の一実施例について、図面にもとづいて説明したが、具体的な構成は上記した実施形態に必ずしも限定されるものではない。
上記実施例では、嵌合空間14内に充填された止水材20を保護するため、保護カバー部材30を設置した実施態様を説明したが、必ずしもこのような実施態様に限定されるものではなく、例えば鋼矢板10を砂層や粘土層等の礫の少ない地盤内に打設する場合等、礫により止水材20が削り落とされる虞がない場合には、保護カバー部材30は用いなくても良い。
また、上記実施例では、止水材20としてシーリング材を先行継手13Aの嵌合空間14に充填したが、止水性能を十分に発揮する他の止水材料を充填するようにしてもよく、例えば、吸水膨潤性止水材を使用することも可能である。すなわち、本願発明の保護カバー部材30及び閉塞部材50によって、嵌合空間14内への水や土砂などの侵入を抑えることにより、先行継手13Aと後行継手13Bとが嵌合する前に、吸水膨潤性止水材が吸水して膨張してしまうことを防ぐことが可能となる。
さらに、止水材20として、上記したシーリング材に代えて水中硬化型の弾性シーリング材を使用することも可能であり、このような材料を止水材20として使用することにより、より耐久的に継手嵌合部の止水性能を確保することが可能である。
また、上記実施例では、保護カバー部材30として、プラスチック製の成形板を使用し、接着材40、41として金属及びプラスチックの接着に適した構造用両面テープを使用したが、必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、鋼矢板10の打設中に破損するようなものでなければ、接着材を予め備えたテープ状のものを保護カバー部材30として使用することも可能である。また、接着材40、41として、塗布型の接着材を使用することも可能である。
また、前述した実施形態は、U型鋼矢板を使用した例にもとづいて説明したものであるが、本発明は必ずしも上記U型鋼矢板の継手嵌合部に限定して使用されるものではなく、ハット型鋼矢板や直線型鋼矢板等の継手嵌合部にも適用することが可能である。
以上、本発明の別実施例について説明したが、本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施例に記載された具体的な材質、寸法形状等は本発明の課題を解決する範囲において、変更が可能である。
10A 先行鋼矢板
10B 後行鋼矢板
13A 先行継手
13B 後行継手
14 嵌合空間
15 継手開口部の一方の端部
16 継手開口部の他方の端部
17 後行継手の外側面
20 止水材(シーリング材等)
30 保護カバー部材
31 保護カバー部材の延長方向の一方の端部
32 保護カバー部材の延長方向の他方の端部
50 閉塞部材
60 鋼矢板継手嵌合部

Claims (8)

  1. 先行継手の嵌合空間の下端に閉塞部材を設置する閉塞部材設置ステップと、
    前記嵌合空間の内部にシーリング材を充填するシーリング材充填ステップと、
    前記閉塞部材設置ステップ及び前記シーリング材充填ステップを経た先行鋼矢板を地中に打設する先行鋼矢板打設ステップと、
    後行鋼矢板を地中に打設するとともに、前記シーリング材が充填された前記先行継手の嵌合空間に後行継手を挿入して嵌合させる継手嵌合ステップと、を少なくとも備えた
    ことを特徴とする鋼矢板継手嵌合部の止水方法。
  2. さらに、前記シーリング材充填ステップの後に、前記先行継手の延長方向に形成されて前記嵌合空間に通じる継手開口部に保護カバー部材を設置して充填された前記シーリング材を保護する保護カバー部材設置ステップを備え、
    前記継手嵌合ステップは、前記先行継手の前記嵌合空間への前記後行継手の挿入にともなって前記保護カバー部材による前記シーリング材の保護状態を解除する保護状態解除ステップを備えている
    請求項1に記載の鋼矢板継手嵌合部の止水方法。
  3. さらに、前記保護カバー部材設置ステップは、前記保護カバー部材の延長方向の一方の端部を前記継手開口部の一方の端部に接着し、前記保護カバー部材の延長方向の他方の端部を前記継手開口部の他方の端部に接着する保護カバー接着ステップを備えている
    請求項2に記載の鋼矢板継手嵌合部の止水方法。
  4. さらに、前記継手嵌合ステップは、前記先行継手と前記後行継手を嵌合する際、前記保護カバー部材の一方の端部を前記継手開口部の一方の端部から剥離させて前記後行継手の外側面を覆い、前記シーリング材の漏洩を抑制するシーリング材漏洩抑制ステップを備えている
    請求項3に記載の鋼矢板継手嵌合部の止水方法。
  5. 継手の嵌合空間の下端に閉塞部材が設置され、
    前記嵌合空間の内部にはシーリング材が充填されて成る
    ことを特徴とする鋼矢板の継手部。
  6. さらに、前記継手の延長方向に形成される前記嵌合空間に通じる継手開口部には前記シーリング材を保護する保護カバー部材が設置されて成る
    請求項5に記載の鋼矢板の継手部。
  7. さらに、前記保護カバー部材の延長方向の一方の端部は前記継手開口部の一方の端部に接着され、前記保護カバー部材の延長方向の他方の端部は前記継手開口部の他方の端部に接着されて成る
    請求項6に記載の鋼矢板の継手部。
  8. さらに、前記継手と他方の継手との嵌合状態において、前記保護カバー部材の一方の端部が前記継手開口部の一方の端部から剥離し、前記他方の継手の外側面を覆って前記シーリング材の漏洩を抑制するよう構成された
    請求項7に記載の鋼矢板の継手部。
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