JP7165022B2 - 鋼製矢板継手部の遮水方法及び遮水構造 - Google Patents

鋼製矢板継手部の遮水方法及び遮水構造 Download PDF

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Description

本発明は、鋼製矢板継手部の遮水方法及び遮水構造に関する。
従来から、鋼管矢板、鋼矢板などの鋼製矢板は、護岸工事や埋立工事における遮水護岸構造に用いられ、特に廃棄物の埋立処分場などの工事においては、埋立地内の廃棄物汚染物質が鋼製矢板の継手部分を通じて外海に漏出してしまうことがないよう極めて高い遮水性能が要求されている。
例えば、図11には特許文献1に開示された鋼管矢板の継手構造が図示されている。当該実施例では、所謂「P-T継手」による実施の態様が開示されており、鋼管矢板本体鋼管5に設けられた継手鋼管8内には、鋼管矢板本体鋼管5の打設前に予めアスファルトを主成分とする粘弾性充填材11が充填され、当該粘弾性充填材11が充填された鋼管矢板本体鋼管5が打設現場にて打設される。その後、T型継手10が設けられた鋼管矢板本体鋼管5が打設され、当該T型継手10がスリット7を介して継手鋼管8内に挿入されて嵌合するように構成されている。
また、上記引用文献1に開示された鋼管矢板本体鋼管5には、上記T型継手10の他、モルタル拘束用鋼板21が設けられており、2つの鋼管矢板本体鋼管5が打設された後、モルタル拘束用鋼板21と、継手鋼管8および鋼管矢板本体鋼管5とによって囲われた部分にモルタルジャケット30が挿入され、当該モルタルジャケット30内にモルタル23が充填されている。
上記のような構成により、長期間経過することによってスリット7から漏出する粘弾性充填材11を、モルタル23によって小空隙部に閉じ込め、外部に漏洩することを防ぐことで継手構造全体の遮水性能の維持を図った発明である。
また、図12および図13には別の従来技術が示され、図12(a)には従来技術による鋼管矢板の水平断面図が図示されている。図中のA部はP-T継手によって構成され、図12(b)には土中部におけるA部の継手構造が、図12(c)には水中部におけるA部の継手構造が図示されている。図示されるように、各鋼管矢板本体鋼管5が打設現場にて打設された後、継手鋼管8内部の洗浄により土砂等の除去が行われ、当該継手鋼管8内にモルタル11が充填されている。特に水中部においてはモルタル11のスリット7からの漏洩を防止する観点から、T型継手10には図示されるような態様で漏洩防止ゴム9が設けられている。
さらに、図12(a)に図示されるように、A部のP-T継手の遮水性能を補完するために、遮水用鋼矢板4がさらに打設され、当該遮水用鋼矢板4と鋼管矢板本体鋼管5との間に変形追随性遮水材12が打設されている。図13(a)には、B部の土中部における遮水用鋼矢板4と継手鋼管8との継手構造が、図13(b)には、水中部における遮水用鋼矢板4と継手鋼管8との継手構造が図示されているが、土中部の継手鋼管8内にはモルタル11が打設され、水中部ではモルタルの漏洩を防ぐため、ジャケット式モルタル11aが打設されている。
すなわち上記した技術は、特に遮水用鋼矢板4を打設し、さらに変形追随性遮水材12を打設することによって、鋼管矢板本体鋼管5の継手部分における遮水性能の向上を図った従来技術である。
特開2003-278149号公報
しかし、前述特許文献1に記載された発明のように、打設前の継手鋼管8内に予め粘弾性充填材11などを充填した場合、T型継手10を継手鋼管8内に挿入して鋼管矢板本体鋼管5を打設する際に大きな抵抗となり、鋼管矢板本体鋼管5を容易に打設することができないという問題がある。
また、図12および図13に示されたような従来技術においては、各鋼管矢板本体鋼管5を打設した後、継手鋼管8内部を洗浄して土砂等の除去を行い、当該継手鋼管8内にモルタル11を充填するが、上記のように洗浄したところで、スリット7における隙間から常に土砂等が入り込むことから、モルタル11を継手鋼管8内に十分に打設することができないという問題があった。加えて、P-T継手の遮水性能を補完するために遮水用鋼矢板4がさらに打設され、当該遮水用鋼矢板4と鋼管矢板本体鋼管5との間に変形追随性遮水材12を打設する必要があることから、手間や材料コストが増加してしまうという問題もあった。
そこで、本願発明は、施工手間を軽減しつつ、遮水性能を向上することが可能な鋼製矢板継手部の遮水方法及び遮水構造を提供することを目的とする。
(1)P継手(120)とT継手(110)とを嵌合する鋼製矢板継手部(100)の遮水方法であって、前記P継手(120)と前記T継手(110)との嵌合状態において、前記P継手(120)の内部に、当該P継手(120)の内側面と当該T継手(110)のフランジ部およびウェブ部とによって囲われた第1遮水空間を確保するため、当該T継手(110)にスペーサ(41)を設置するスペーサ設置ステップと、前記P継手(120)のスリット(51)を介して前記T継手(110)と当該P継手(120)とを嵌合する継手部嵌合ステップと、前記第1遮水空間に第1の遮水材(71)を設置して前記スリット(51)を前記P継手(120)の内側から閉塞する内側スリット閉塞ステップと、前記P継手(120)の内側面と前記T継手(110)の前記フランジ部とによって囲われた第2遮水空間に第2の遮水材(70)を設置するステップと、を少なくとも備えたことを特徴とする鋼製矢板継手部の遮水方法。
上記(1)の構成によれば、T継手(110)にスペーサ(41)が設置されることにより、鋼製矢板継手部(100)においてT継手(110)とP継手(120)とが嵌合する際、P継手(120)の内側面と、T継手(110)のフランジ部およびウェブ部とによって囲われた第1遮水空間を確保することが可能となる。このようにして形成された前記第1遮水空間に対し、第1の遮水材(71)を確実に設置することが可能となって、P継手(120)の内側から確実にスリット(51)を閉塞することができる。これにより、P継手(120)の内側面と、T継手(110)のフランジ部とによって囲われた第2遮水空間の内部に第2の遮水材(70)を設置した後、当該第2の遮水材(70)がP継手(120)のスリット(51)から外部に流出してしまうことを確実に抑制することが可能となる。また、P継手(120)の内部において、上記を第2の遮水材(70)と上記第1の遮水材(71)とによる二重遮水構造が形成されるため、従来の遮水方法に比べ、長期的に高い遮水性能を維持することが可能となるとともに、施工手間の削減による工期短縮や材料コストの低減を図ることが可能となる。
(2)さらに、前記T継手(110)の両側に空間形成部材(31)を設けるとともに、当該空間形成部材(31)と前記P継手(120)の外側面とによって囲われたスリット閉塞空間に閉塞材(72)を設置して前記スリット(51)を前記P継手(120)の外側から閉塞する外側スリット閉塞ステップを備えた上記(1)に記載の鋼製矢板継手部の遮水方法。
上記(2)の構成によれば、上記(1)の構成によって得られる効果に加え、P継手(120)のスリット(51)を当該P継手(120)の外側から閉塞材(72)を設置することによって閉塞するので、スリット(51)を介した遮水材(第1の遮水材(71)や第2の遮水材(70))の流出をさらに抑制することが可能となり、より長期的に高い遮水性能を維持することが可能となる。また、空間形成部材(31)は長手方向全長にわたって取り付ける必要はなく、一部にのみ取り付けることもできる。例えば、長手方向で遮水方法や材料が変わる場合、その境界面での漏水リスクが高まる可能性があるので、境界面付近のみ取り付けることで、境界面からの遮水安全性を高めることができる。
(3)さらに、前記スリット(51)に対し、水中で経時的に硬化するパテ状材料を前記P継手(120)の外側から塗布して閉塞する外側スリット閉塞ステップを備えた上記(1)に記載の鋼製矢板継手部の遮水方法。
上記(3)の構成によれば、上記(1)の構成によって得られる効果に加え、スリット(51)に対し、水中で経時的に硬化するパテ状材料をP継手(120)の外側から塗布して当該スリット(51)を閉塞するので、空間形成部材(31)である平鋼の取り付けを省略できるとともに、当該空間内に設置したグラウトジャケット721内に水中でモルタルを充填する作業を省くことができて上記平鋼の材料コスト及び作業工程の削減を図ることが可能となる。
(4)さらに、鋼製矢板(20)の打設に先立って、土中部に対応する前記P継手(120)の内部に粒状ベントナイト(60)を設置する粒状ベントナイト設置ステップを備えた上記(1)~(3)のいずれかに記載の鋼製矢板継手部の遮水方法。
上記(4)の構成によれば、上記(1)~(3)のいずれかの構成によって得られる効果に加え、鋼製矢板(20)の打設に先立って、土中部に対応するP継手(120)の内部に遮水材として粒状ベントナイト(60)が設置されるので、上記鋼製矢板(20)が打設される際に、P継手(120)の内部に土砂等が入り込むことを抑制できる他、水に触れてゲル化した粒状ベントナイト(60)は、P継手(120)のスリット(51)が閉塞材(72)によって閉塞されているので、外部に流出することなくP継手(120)内部の隅々まで行きわたり、長期的に高い遮水性能を維持することが可能となる。
(5)P継手(120)とT継手(110)とが嵌合される鋼製矢板継手部(100)の遮水構造であって、前記P継手(120)の内部には、当該P継手(120)のスリット(51)を介して前記T継手(110)と当該P継手(120)とが嵌合される状態において、前記P継手(120)の内側面と前記T継手(110)のフランジ部およびウェブ部とによって囲われた第1遮水空間と、前記P継手(120)の内側面と前記T継手(110)のフランジ部とによって囲われた第2遮水空間と、が形成され、前記T継手(110)は、前記第1遮水空間を確保するためのスペーサ(41)を備え、前記第1遮水空間には前記スリット(51)を前記P継手(120)の内側から閉塞する第1の遮水材(71)が設置され、前記第2遮水空間には第2の遮水材(70)が設置されることを特徴とする鋼製矢板継手部の遮水構造。
上記(5)の構成によれば、T継手(110)に備えられたスペーサ(41)により、T継手(110)とP継手(120)とが嵌合する際、P継手(120)の内側面と、T継手(110)のフランジ部およびウェブ部とによって囲われた第1遮水空間を確保することが可能となる。このようにして形成された上記第1遮水空間に対し、第1の遮水材(71)を確実に設置することが可能となって、P継手(120)のスリット51をP継手(120)の内側から閉塞することができる。これにより、P継手(120)の内側面と、T継手(110)のフランジ部とによって囲われたP継手(120)の第2遮水空間に第2の遮水材(70)を設置した後、当該第2の遮水材(70)がP継手(120)のスリット(51)から外部に流出してしまうことを確実に抑制することが可能となる。また、P継手(120)の内部において、上記を第1の遮水材(71)と上記第2の遮水材(70)とによる二重遮水構造が形成されるため、従来の遮水方法に比べ、長期的に高い遮水性能を維持することが可能となるとともに、施工手間の削減による工期短縮や材料コストの低減を図ることが可能となる。
(6)さらに、前記T継手(110)の両側に空間形成部材(31)が設けられるとともに、当該空間形成部材(31)と前記P継手(120)の外側面とによって囲われたスリット閉塞空間に前記スリット(51)を前記P継手(120)の外側から閉塞する閉塞材(72)が設置される上記(5)に記載の鋼製矢板継手部の遮水構造。
上記(6)の構成によれば、上記(5)の構成によって得られる効果に加え、P継手(120)のスリット(51)を当該P継手(120)の外側から閉塞材(72)を設置することによって閉塞するので、スリット(51)を介した遮水材(第1の遮水材(71)や第2の遮水材(70))の流出を抑制することが可能となり、より長期的に高い遮水性能を維持することが可能となる。
(7)前記第1の遮水材(71)と前記第2の遮水材(70)は、同じ遮水材である上記(5)または(6)に記載の鋼製矢板継手部の遮水構造。
上記(7)の構成によれば、上記(5)または(6)の構成によって得られる効果に加え、第1の遮水材(71)と第2の遮水材(70)とを同じ遮水材、例えば、P継手(120)の内側面と、T継手(110)のフランジ部とによって囲われたP継手(120)の第2遮水空間にも第1の遮水材(71)であるモルタル入り遮水袋(71)を使用して高い遮水性能を確保するとともに、複数種類の遮水材を取り扱う手間を軽減することが可能となる。
(8)前記スペーサ(41)は、前記T継手(110)のウェブ部およびフランジ部のうち少なくともいずれか一方に設けられ、前記P継手(120)の内側面に当接して前記第1遮水空間を確保する鋼材である上記(5)~(7)のいずれかに記載の鋼製矢板継手部の遮水構造。
上記(8)の構成によれば、上記(5)~(7)のいずれかの構成によって得られる効果に加え、上記スペーサ(41)は、T継手(110)のウェブ部およびフランジ部のうち少なくともいずれか一方に設けられ、P継手(120)の内側面に当接して上記第1遮水空間を確保する鋼材を利用することが可能であり、実施形態に記載されるように、例えば、汎用性の高い山形鋼や溝形鋼のほか、鉄筋や丸鋼、角鋼、平鋼を組み合わせたものなどをスペーサ(41)として使用することができ、スペーサ(41)の材料コストや施工手間を低減することが可能となる。
(9)前記第2遮水空間に設置される前記第2の遮水材(70)は、変形追随性を有する土質系遮水材である上記(5)~(8)のいずれかに記載の鋼製矢板継手部の遮水構造。
上記(9)の構成によれば、上記(5)~(8)のいずれかの構成によって得られる効果に加え、第2の遮水材(70)として、長期的遮水性能に優れた変形追随性を有する土質系遮水材を使用することにより、長期間に亘って極めて高い遮水性能を維持することが可能となる。
本発明の実施例におけるP継手とT継手の嵌合構造の断面図の一例である。 本発明の実施例における継手部の縦断面図である。 本発明の実施例における図2の水中部1-1断面図である。 本発明の実施例における図2の水中部2-2断面図である。 本発明の実施例における図2の水中部3-3断面図である。 本発明の実施例における図2の土中部4-4断面図である。 本発明に実施例における施工フローである。 本発明の別実施形態における図2の水中部1-1断面図である。 本発明の別実施形態におけるスペーサ(等辺山形鋼)の設置態様を示す断面図である。 本発明の別実施形態におけるスペーサ(鉄筋)の設置態様を示す断面図である。 従来技術である特許文献1に開示された継手部の断面図である。 別の従来技術における継手部の断面図である。 図12に示された従来技術における遮水用鋼矢板の継手部の断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の「鋼製矢板継手部の遮水方法」について説明する。
本発明の一実施例として、図1には本実施例における継手部100の構造断面図が図示されている。本実施例は図示されるように所謂「P-T継手」を基本構成としており、以下では、図示左側の鋼管矢板20に形成された継手を「T継手110」、図示右側の鋼管矢板20に形成された継手を「P継手120」と称して説明を行う。
上記T継手110にはT型鋼40が設けられ、上記P継手120には中空の鋼管継手50が設けられている。そして、図1に図示されるように、鋼管継手50に形成されたスリット51を介してT型鋼40が鋼管継手50と嵌合することによって継手部100が構成されている。
なお、本実施例におけるP継手120の鋼管継手50は、外径165.2mm、厚さ9mmの円形形状の鋼管が使用され、T型鋼40のウェブ部分が挿通される箇所には、幅30±5mmのスリット51が形成されている。
一方、本実施例におけるT継手110のT型鋼40は、ウェブ幅76mm、フランジ幅85mm、厚さ9mmの寸法を有し、図1に図示されるように左側の鋼管矢板20に溶接接合にて取り付けられている。
加えて本実施例では、T型鋼40のウェブ部分の両側に、図示されるような等辺山形鋼(25mm×25mm、t=3mm、L=100mm)によるスペーサ41が所定の間隔で設けられている。当該スペーサ41が取り付けられることにより、スペーサ41の一方の端部が鋼管継手50の内側面に当接し、T型鋼40のフランジ部分およびウェブ部分と鋼管継手50の内側面によって囲まれた空間に一定のスペース(本実施例では図1に示されるよう34mmとしている)が確保されるように構成されている。なお、図示される本実施形態では、スペーサ41として等辺山形鋼を使用しているが、必ずしも等辺山形鋼に限定されるものではなく、山形鋼を使用することも可能である。
さらに、T型鋼40のウェブ部分から90mm離間した位置には、図1に図示されるように2つの平鋼(75mm、t=9mm)が、鋼管矢板20に溶接接合にて取り付けられている。上記平鋼は空間形成部材31として機能し、具体的には、当該空間形成部材31と、鋼管矢板20の外側面と、鋼管継手50の外側面とによって囲われる空間を確保するものである。
続いて、図2には、本実施例の鋼管矢板20における継手部100の縦断面図が図示されている。図示されるように、海底地盤部から下方が土中部、上方が水中部となり、深さ位置に応じて異なる断面構成を有している。なお、海底地盤高は必ずしも一定ではなく、誤差を生じるのが一般的であるが、本実施例では、平均的な海底地盤高に対して上方誤差および下方誤差を想定し、図示「h3」を300mmに設定している。
また、図2に図示されるように、本実施例では土中部に対応するP継手120の鋼管継手50内には、粒状ベントナイト入り袋60が設置されており、平均的な海底地盤高から図示「h2」の高さまで当該粒状ベントナイト入り袋60が設置されている。なお、本実施例では、前述の海底地盤高の上方誤差300mmに、余裕分200mmを加え、「h2」を500mmに設定している。
さらに、上記粒状ベントナイト入り袋60から上方の鋼管継手50内には、図示されるように変形追随性に優れ、透水性の低いアクアソイル70が充填されている。また、鋼管継手50内における、T型鋼40のウェブ部分およびフランジ部分と、鋼管継手50の内側面とによって囲われた空間には、モルタル入り遮水袋71が設置されている。
また、図1に図示された構造断面図にもとづいて前述したように、本実施例では、空間形成部材31と、鋼管矢板20の外側面と、鋼管継手50の外側面とによって囲われる空間に、モルタル入りジャケット72が設置されている。本実施例では、図2に図示されるように、平均的な海底地盤高から図示「h1」の高さまで当該モルタル入りジャケット72が設置されている。なお、本実施例では、前述の粒状ベントナイト入り袋60の充填範囲に、余裕分500mmを加え、「h1」を1000mmに設定している。
以下では、図2に図示される1-1断面、2-2断面、3-3断面、4-4断面の各断面構成に対応する図3~図6に図示された各断面図にもとづいて、継手部100の断面構成について説明する。
(水中部1-1断面)
図3には、図2における水中部1-1断面の断面図が図示されている。本実施例では図示されるように、P継手120の鋼管継手50の内部は、変形追随性遮水材としてアクアソイル70が充填されている。
一方、T継手110のT型鋼40のフランジ部分およびウェブ部分と、鋼管継手50の内側面とによって囲われた空間には、鋼管継手50のスリット51を閉塞する態様で、モルタル入り遮水袋71が設置されている。本実施例では、ゴム素材から成り、伸縮性に富む遮水袋711が使用され、空間内に配置された遮水袋711にモルタルを充填することにより、当該遮水袋711を空間内の各壁面に密着させるとともに、スリット51を閉塞することによって、経年により鋼管継手50内部のアクアソイル70が外部へ漏洩して、継手部100の遮水性能が低下することがないよう構成されている。なお、モルタル入り遮水袋71が、T型鋼40のフランジ部分およびウェブ部分と、鋼管継手50の内側面とによって囲われた空間に確実に収まるようにするため、T型鋼40の全延長あるいはその一部区間においてフランジ幅を大きくするようにしてもよい。すなわち、フランジ幅を大きくすることで、フランジの端部と鋼管継手50の内側面との隙間を小さくすることにより、モルタル入り遮水袋71が当該隙間から鋼管継手50内に飛び出すことを抑制することが可能となる。この他、モルタル入り遮水袋71が上記隙間から鋼管継手50内に飛び出すことを抑制するために、T型鋼40のP継手120側のフランジ面上に後述する遮水袋飛び出し防止材111(図8参照)を、T型鋼40の全延長あるいはその一部区間に取り付けるようにしてもよい。
(水中部2-2断面)
図4には、図2における水中部2-2断面の断面図が図示されている。図示されるように、P継手120の鋼管継手50の内部構成は、前述した水中部1-1断面と同様の構造となっている。
一方、T継手110のT型鋼40の中心から90mm離間した位置には、前述した一対の空間形成部材31が鋼管矢板20に溶接接合にて接合されている。当該空間形成部材31の自由端側は、鋼管継手50と僅かな隙間を有する程度に鋼管矢板20から延設されており、空間形成部材31と、鋼管矢板20の外側面と、鋼管継手50の外側面とによって囲われた空間にはモルタル入りジャケット72が設置されている。本実施例では、空間内にグラウトジャケット721を配置し、当該グラウトジャケット721にモルタルを充填している。
このような構成により、モルタル入りジャケット72が鋼管継手50のスリット51を当該鋼管継手50の外側から塞ぎ、鋼管継手50内の各種設置材料が漏洩することを防いでいる。なお、図示されるようにスリット51の内側からは前述のモルタル入り遮水袋71が当該スリット51を塞ぎ、さらにスリット51の外側からはモルタル入りジャケット72が当該スリット51を塞ぐ構成となっていることで、継手部100における遮水性能を一層高めている。なお、本実施例では、図2のh1の区間において空間形成部材31およびモルタル入りジャケット72を設置してスリット51を鋼管継手50の外側から塞いでいるが、必ずしもこのような態様に限定されるものではなく、1-1断面に代表される水中部においても空間形成部材31およびモルタル入りジャケット72を設置してスリット51を鋼管継手50の外側から塞ぐようにしてもよい。
(水中部3-3断面)
図5には、図2における水中部3-3断面の断面図が図示されている。本実施例では図示されるように、P継手120の鋼管継手50内部には粒状ベントナイト入り袋60が設置されている。粒状ベントナイトは水分に触れるとゲル化するため、鋼管継手50内部の隅々まで行きわたって遮水性能を発揮する他、鋼管継手50内にT型鋼40を挿入する際の摩擦抵抗が小さく、容易に当該T型鋼40を挿入することが可能である。
また、鋼管継手50のスリット51から上記粒状ベントナイトが漏洩することを防ぐため、前述した水中部2-2断面と同様、空間形成部材31と、鋼管矢板20の外側面と、鋼管継手50の外側面とによって囲われた空間にはモルタル入りジャケット72が設置されている。このような構成により、モルタル入りジャケット72が2-2断面と3-3断面の間に設置されることとなり、鋼管継手50内の遮水材(粒状ベントナイトとアクアソイル)が変化する境界面において、遮水安全性を高めることが可能となっている。
なお、前述したように、本実施例では海底地盤高の上方誤差300mmに、余裕分200mmを加え、h2=500mmとして鋼管継手50内に粒状ベントナイト入り袋60を設置している。
粒状ベントナイト入り袋60の設置範囲を上記のように設定することにより、海底地盤高に多少の誤差があったとしても、土中部に対応する鋼管継手50内には確実に粒状ベントナイト入り袋60が設置されることとなり、鋼管矢板20を打設する際に、鋼管継手50内に土砂が侵入することを確実に防ぐことが可能となる。
(土中部4-4断面)
図6には、図2における土中部4-4断面の断面図が図示されている。本実施例では図示されるように、P継手120の鋼管継手50内部に粒状ベントナイト入り袋60が設置されている。前述の3-3断面の説明と同様、鋼管矢板20の打設前に予め鋼管継手50内部に設置され、当該鋼管矢板20を打設する際、鋼管継手50内に土砂が侵入することを防いでいる。
また、本実施例では、土中部に対応するT型鋼40のウェブ部分に、前述したスペーサ41が取り付けられている。本実施例のスペーサ41は縦方向に100mmの長さを有しており、深さ方向の所定間隔で複数のスペーサ41が取り付けられている。これにより、モルタル入り遮水袋71の設置空間が確保され、継手部100全体で均一且つ高い遮水性能が得られるように構成されている。
[施工手順]
以下では、上記した本実施例における施工手順について、図7に示される施工フローにもとづいて説明する。
(S100:先行P継手への粒状ベントナイト入り袋の挿入)
まず、鋼管矢板20の現場における打設作業に先立って、P継手120の鋼管継手50内に粒状ベントナイト入り袋60を設置する。当該粒状ベントナイト入り袋60の設置範囲は、前述したように主に土中部を対象とし、海底地盤高の誤差等を考慮した余裕のある範囲で粒状ベントナイト入り袋60を設置する。その後、打設現場において鋼管矢板20を打設する。
上記のように鋼管矢板20の打設作業に先立って粒状ベントナイト入り袋60を設置することにより、鋼管矢板20の打設にともなう鋼管継手50内への土砂の浸入を防止することが可能となる。したがって、従来行われていたような鋼管継手50内の洗浄作業が不要となり、工期短縮と工費低減を図ることが可能となる。さらに、鋼管継手50のスリット51から、土砂が浸入することを抑制できるため、土中部における継手部100の遮水性能を均一に確保することが可能となる。
(S110:後行T継手へのスペーサの設置と、空間形成部材とグラウトジャケットの設置)
続いて、後行の鋼管矢板20の打設に先立ち、本実施例では図2に示されるh1の範囲において、前述した一対の空間形成部材31をT継手110近傍の鋼管矢板20に設置する。併せて、前述したスペーサ41を土中部における任意の複数箇所に設置する。
さらに、上記空間形成部材31またはその近傍にグラウトジャケット721予め取り付けておき、後行の鋼管矢板20を打設する。これにより、P継手120とT継手110とが嵌合することとなる。
(S120:グラウトジャケット内へのモルタルの充填)
各鋼管矢板20の打設により、P継手120とT継手110とが嵌合すると、続いて、ダイバーが潜水し、予め取り付けておいたグラウトジャケット721内にモルタルを充填する。これにより、図5の水中部3-3断面図に図示されるように、鋼管継手50のスリット51がモルタル入りジャケット72によって塞がれ、鋼管継手50内でゲル化した粒状ベントナイトの流出を防止することが可能となる。
(S130:P継手内へのモルタル入り遮水袋の設置)
続いて、図3および図4の水中部1-1断面図および水中部2-2断面図に図示されるように、T型鋼40のフランジ部分およびウェブ部分と、鋼管継手50の内側面に囲われた空間内に遮水袋711を挿入し、当該遮水袋711内にモルタルを充填することにより、モルタル入り遮水袋71の設置を行う。モルタルの充填によって、ゴム素材から成り、伸縮性のある遮水袋711は、空間内壁面にしっかりと密着するとともに、スリット51を確実に塞ぐことが可能となっている。
(S140:P継手内への変形追随性遮水材(アクアソイル)の打設)
続いて、図3および図4の水中部2-2断面図および水中部2-2断面図に図示されるように、T型鋼40のフランジ部と鋼管継手50の内側面に囲われた空間内に変形追随性遮水材であるアクアソイル70の打設を行う。本実施例では、土質系遮水材のうち長期的遮水性能に優れた砂質土系の変形追随性遮水材をP継手120の鋼管継手50内に打設しているため、継手部100を前述のモルタル入り遮水袋71と当該変形追随性遮水材とによる二重遮水構造となっている。したがって、従来の遮水方法に比べ、長期的に高い遮水性能を得ることが可能となっている。
[他の実施態様]
以上、本発明の鋼製矢板継手部の遮水方法の一実施例について、図面にもとづいて説明したが、具体的な構成は、上記した実施形態に必ずしも限定されるものではない。
例えば、上記実施例では、P継手120に円形の鋼管継手50を使用しているが、必ずしも鋼管継手50は円形形状に限定されるものではなく、例えば、角型形状の鋼管を使用することも可能である。
また、上記実施例では、スペーサ41として、等辺山形鋼(25mm×25mm、t=3mm、L=100mm)を使用したが、必ずしもこのような材質および形状寸法に限られるものではなく、T型鋼40のフランジ部分およびウェブ部分と、鋼管継手50の内側面とによって囲われた所定の空間を確保できるのであれば、他の材質および形状寸法のものをスペーサ41として使用することが可能である。
例えば、図1の断面図に示されるように等辺山形鋼をスペーサ41としてT型鋼40のウェブ部分に取り付けた場合、隣接する鋼管矢板20の距離が互いに離れる方向に引張嵌合状態となるときに、スペーサ41が鋼管継手50の内側面に当接し、鋼管継手50の内側面とT型鋼40のフランジ部分およびウェブ部分とによって囲われた空間を確保することができる一方、隣接する鋼管矢板20の距離が近づく圧縮嵌合となる場合、上記T型鋼40のウェブ部分に取り付けたスペーサ41は鋼管継手50の内側面に当接することがないため、鋼管継手50の内側面とT型鋼40のフランジ部分およびウェブ部分とによって囲われた空間が広くなってしまう。当該空間には、ゴム素材から成る伸縮性のある遮水袋711にモルタルを充填させ、当該空間内側面に遮水袋711を密着させるが、ゴムの伸縮能力によっては引張嵌合時と圧縮嵌合時とでその空間断面積の差が大きくなると、当該空間への密着性が低下することが懸念される。
このような場合に対処するため、圧縮嵌合時にも鋼管継手50の内側面に当接できるようなスペーサを取り付けることで引張嵌合時と圧縮嵌合時とにおける上記空間断面積の差を小さくすることが有効であり、例えば図9の断面図に示されるように、T型鋼40のフランジ部分のP継手120側の面に等辺山形鋼をスペーサ411として取り付けるとよい。このように構成することで、圧縮嵌合時には等辺山形鋼の先端部4111を鋼管継手50の内側面に当接させる一方、引張嵌合時には等辺山形鋼の隅角部4112を鋼管継手50の内側面に当接させることができ、引張嵌合時と圧縮嵌合時とにおける上記空間断面積の差を小さくして、遮水袋711を空間内側面にしっかりと密着させることが可能となる。
加えて、図1に示されるようにスペーサ41をT型鋼40のウェブ部分に取り付けるには、狭小箇所での溶接作業が必要となり、加工手間がかかって部材の生産性が低下する。一方、図9の実施例にもとづいて上記したように、T型鋼40のフランジ部分のP継手120側の面にスペーサを取り付けることで、スペーサの取り付け作業の負担を軽減することが可能となるとともに、輸送時や保管作業時にスペーサが外れるような事態が発生しても、施工現場において容易に修正作業を行うことが可能となる。
なお、図9にはT型鋼40のフランジ部分に1対の等辺山形鋼をスペーサ411として取り付けた例を示したが、必ずしも等辺山形鋼に限定されるものではなく、等辺山形鋼の代わりに鋼管継手50内に挿入可能な大きさの山形鋼や、溝形鋼をT型鋼40のフランジ部分に取り付けてもよく、さらに、角鋼や、平鋼を組み合わせた部材をスペーサとして設置してもよい。
また、図9に示された別実施形態では、1対の等辺山形鋼をスペーサ411として設け、単独で、引張嵌合時と圧縮嵌合時に対応できる構造仕様としているが、図1に示されるT型鋼40のウェブ部分に取り付けられたスペーサ41と上記スペーサ411とを併用し、当該スペーサ411を圧縮嵌合時専用のスペーサとして機能させてもよい。
さらに、スペーサ41の別実施形態として、鉄筋や角鋼を適用することも可能である。すなわち、スペーサは鋼管継手50の内側面と当接しながら打設されるため、磨耗による損傷や、鋼管継手50との溶着が発生してしまうことが懸念される。特に、スペーサとして薄肉部材を用いた場合は、磨耗による変形が発生しやすく、特に等辺山形鋼においては、先端部が集中的に擦れ摩擦が蓄積してしまう。そこで、摩擦・変形対策として、図10に示されるように、スペーサ412に鉄筋を代用することも可能である。鉄筋の断面形状は円形であることから、鋼管継手50の内側面との接触部分が曲面上で広がり、集中的な磨耗を回避できるほか、等辺山形鋼に比べて肉厚であることから、施工時における変形を大幅に抑制することが可能となる。なお、肉厚部材を用いるという観点から、鉄筋の代わりに角鋼や丸鋼などを用いることも可能である。
また、上記実施例では、鋼管矢板20の打設に先立って、グラウトジャケット721が予め取り付けられていたが、必ずしもこのような方法に限定されるものではなく、鋼管矢板20の打設後にグラウトジャケット721を挿入してもよい。
また、上記実施例では、P継手120の外側からスリット51を閉塞するため、空間形成部材31としてT型鋼40の両側に平鋼を取り付けたが、これに替えて、ダイバーが潜水し、直接スリット51に水中で経時的に硬化する水中硬化型パテを塗布して当該スリット51を閉塞するようにしてもよい。このような方法によれば、平鋼の取り付けを省略できるとともに、海底面付近に平鋼を取り付ける方法で必要であった、当該空間内に設置したグラウトジャケット721内に水中でモルタルを充填する作業を省くことができるほか、上記平鋼の材料コスト及び作業工程の削減を図ることが可能となる。
また、上記実施例では、変形追随性遮水材としてアクアソイル70を使用したが、必ずしもアクアソイル70に限定されるものではなく、他の変形追随性遮水材を使用することも可能である。なお、鋼管継手50内に充填される遮水材としてアスファルト系材料を使用することも可能ではあるが、長期的な遮水性能を確保する観点から、上記変形追随性遮水材を使用することが好ましい。
また、上記実施例では、P継手120の鋼管継手50内において、変形追随性遮水材(実施例ではアクアソイル70)と、モルタル入り遮水袋71とによる二重遮水構造を構成したが、必ずしもこのような断面構成に限定されるものではなく、例えば、モルタル入り遮水袋71に替えて、モルタル入りジャケット72を設置し、さらに変形追随性遮水材(実施例ではアクアソイル70)に替えて、モルタル入り遮水袋71を設置することも可能である。
また、上記実施例に対する追加的な実施態様として、モルタル入り遮水袋71を鋼管継手50の内側面とT型鋼40のフランジ部分およびウェブ部分とによって囲われた空間に留め、当該モルタル入り遮水袋71がT型鋼40のフランジ部分と鋼管継手50の内側面に囲われた空間内に飛び出してしまうことを防止するため、図8の断面図に示されるように、モルタル入り遮水袋71を設置する水中部において、遮水袋飛び出し防止材111を取り付けるようにしてもよく、例えば、図示されるようにT型鋼40のP継手120側のフランジ面上に平鋼(例えば、125mm×6mm)を遮水袋飛び出し防止材111として取り付けることができる。T型鋼40の全延長あるいはその一部区間に取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施例では、土中部におけるP継手120の鋼管継手50内部に粒状ベントナイト入り袋60を設置し、水中部にあっては変形追随性遮水材(実施例ではアクアソイル70)を打設したが、必ずしもこのような形態に限られるものではなく、例えば、水中部においても遮水機能を有する粒状ベントナイト入り袋60を設置することが可能である。その場合、空間形成部材31(実施例では平鋼を使用)を上方に延長して設置して、モルタル入りジャケット72またはモルタル入り遮水袋71を上記空間形成部材31で形成された空間に設置して、粒状ベントナイトのスリット51からの流出を抑制するように構成するとよい。
また、上記した各実施例では、鋼管矢板における継手部を例に説明したが、本願発明における鋼製矢板継手部の遮水方法及び遮水構造は、上記鋼管矢板の継手部に限定されるものではなく、例えば、鋼矢板などの継手部においても適用することが可能である。
以上、本発明の別実施例について説明したが、本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施例に記載された具体的な材質、寸法形状等は本発明の課題を解決する範囲において、変更が可能である。
20 鋼管矢板
31 空間形成部材
41 スペーサ
51 スリット
60 粒状ベントナイト入り袋
70 アクアソイル
71 モルタル入り遮水袋
100 継手部
110 T継手
120 P継手

Claims (9)

  1. P継手とT継手とを嵌合する鋼製矢板継手部の遮水方法であって、
    前記P継手と前記T継手との嵌合状態において、前記P継手の内部に、当該P継手の内側面と当該T継手のフランジ部およびウェブ部とによって囲われた第1遮水空間を確保するため、当該T継手に、当該T継手の打設方向に所定間隔で複数のスペーサを設置するスペーサ設置ステップと、
    前記P継手のスリットを介して前記T継手と当該P継手とを嵌合する継手部嵌合ステップと、
    前記第1遮水空間に、遮水袋を設置するとともに当該遮水袋にモルタルを充填して第1の遮水材を設置し前記スリットを前記P継手の内側から閉塞する内側スリット閉塞ステップと、
    前記P継手の内側面と前記T継手の前記フランジ部とによって囲われた第2遮水空間に第2の遮水材を設置するステップと、を少なくとも備えた
    ことを特徴とする鋼製矢板継手部の遮水方法。
  2. さらに、前記T継手の両側に空間形成部材を設けるとともに、当該空間形成部材と前記P継手の外側面とによって囲われたスリット閉塞空間に閉塞材を設置して前記スリットを前記P継手の外側から閉塞する外側スリット閉塞ステップを備えた
    請求項1に記載の鋼製矢板継手部の遮水方法。
  3. さらに、前記スリットに対し、水中で経時的に硬化するパテ状材料を前記P継手の外側から塗布して閉塞する外側スリット閉塞ステップを備えた
    請求項1に記載の鋼製矢板継手部の遮水方法。
  4. さらに、鋼製矢板の打設に先立って、土中部に対応する前記P継手の内部に粒状ベントナイトを設置する粒状ベントナイト設置ステップを備えた
    請求項1~請求項3のいずれかに記載の鋼製矢板継手部の遮水方法。
  5. P継手とT継手とが嵌合される鋼製矢板継手部の遮水構造であって、
    前記P継手の内部には、
    当該P継手のスリットを介して前記T継手と当該P継手とが嵌合される状態において、
    前記P継手の内側面と前記T継手のフランジ部およびウェブ部とによって囲われた第1遮水空間と、
    前記P継手の内側面と前記T継手のフランジ部とによって囲われた第2遮水空間と、が形成され、
    前記T継手は、前記第1遮水空間を確保するための複数のスペーサを当該T継手の打設方向に所定間隔で備え、
    前記第1遮水空間には前記スリットを前記P継手の内側から閉塞する遮水袋にモルタルが充填された第1の遮水材が設置され、前記第2遮水空間には第2の遮水材が設置される
    ことを特徴とする鋼製矢板継手部の遮水構造。
  6. さらに、前記T継手の両側に空間形成部材が設けられるとともに、当該空間形成部材と前記P継手の外側面とによって囲われたスリット閉塞空間に前記スリットを前記P継手の外側から閉塞する閉塞材が設置される
    請求項5に記載の鋼製矢板継手部の遮水構造。
  7. 前記第1の遮水材と前記第2の遮水材は、同じ遮水材である
    請求項5または請求項6に記載の鋼製矢板継手部の遮水構造。
  8. 前記スペーサは、前記T継手のウェブ部およびフランジ部のうち少なくともいずれか一方に設けられ、前記P継手の内側面に当接して前記第1遮水空間を確保する鋼材である
    請求項5~請求項7のいずれかに記載の鋼製矢板継手部の遮水構造。
  9. 前記第2遮水空間に設置される前記第2の遮水材は、変形追随性を有する土質系遮水材である
    請求項5~請求項8のいずれかに記載の鋼製矢板継手部の遮水構造。


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