JP2007076389A - 車速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
物体検出手段25によって車両10の進行方向に物体が検出されなかった場合、または、この物体が追従対象判定手段32により追従対象であると判定されなかった場合に、目標車速を維持するための駆動力を発生するように駆動源11を制御する巡航制御を実行する巡航走行制御手段34と、追従対象判定手段32により物体が追従対象であると判定されなかった場合であって且つ所定の加速規制条件が満たされた場合に、巡航制御の実行よりも優先的に、車両10の加速を規制するように駆動源11を制御する加速規制制御を実行する加速規制手段37とをそなえて構成する。
【選択図】 図1
Description
ところで、一般的に、追従走行制御において、その追従対象となるのは、レーザレーダによる検出物が自車両の走行している車線内にあり、且つ、レーザレーダによる検出物の移動方向が自車両と同じであり、且つ、この検出物との相対速度が所定速度以内(例えば、検出物の速度が自車両の車速の10%程度以内)といった条件が全て満たされた場合である。
ここで、クルーズコントロールから追従走行制御への移行、そして、追従走行制御からクルーズコントロールへの移行について、具体例を挙げて説明する。なお、クルーズコントロールおよび追従走行制御は、ECU(電子制御ユニット;Electronic Controlled Unit)により実行されるようになっており、また、ドライバが追従走行制御の実行スイッチを予めオンにすることで作動する。
ここで、レーザレーダが何も検出していないと仮定する。すると、ECUは、クルーズコントロールを実行し、目標時速(時速100km)で走行するためのトルクを出力するようにエンジンを制御する。
つまり、このとき、ECUは、時速80kmで走行するためのトルクを出力していたエンジンに対し、目標車速として設定された時速100kmで走行するためのトルクを出力するように指示する。そして、車速が時速100kmに至るまで加速されると、ECUは、この目標車速(時速100km)を維持するようにエンジンを制御する。
つまり、追従走行制御が解除される場合とは、大きく分けて、レーザレーダが何も検出しない場合、或いは、レーザレーダによる検出物が追従対象に該当しない場合である。
このうち、レーザレーダによる検出物が追従対象に該当しない場合とは、上述のように、レーザレーダによる検出物が自車両の走行している車線以外の場所に位置している場合、或いは、レーザレーダによる検出物の移動方向が自車両と同じではない場合、或いは、レーザレーダによる検出物との相対速度が所定範囲内ではない場合などが挙げられる。
より具体的には、上述のように、追従走行制御において追従対象とされていた検出物(先行車両)が車線変更をした結果、自車両の走行する車線に極めて低速で走行する車両が現れたような場合、或いは、自車両の走行する車線に静止物体が存在したような場合、レーザレーダはこれらの低速走行車両や静止物体を検出するものの、自車両と低速走行車両または静止物体との相対速度が所定範囲内ではないため、ECUはレーザレーダによる検出物を追従対象としては認識しない。
なお、このような低速走行先行車両や静止物体などに自車両が衝突することを回避するため、ドライバがブレーキペダルを踏み込んだ場合や、他のシステムによりブレーキ装置が作動した場合には、追従走行制御がキャンセルされるようになっているため、必要な安全性は確保されているが、更なる安全性の向上が期待されている。
また、請求項3記載の本発明の車速制御装置は、請求項2記載の内容において、該車両の車輪に対する制動力を制御する制動制御手段をそなえ、該制動制御手段は、該物体と該車両との距離および相対速度の少なくとも一方が該第1閾値よりも小さい第2閾値を下回ると該制動装置を作動させることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明の車速制御装置は、請求項1〜4いずれか1項記載の内容において、該加速規制制御により該加速規制制御が実行された場合に該車両のドライバに対して警告する警告手段をそなえることを特徴としている。
また、検出物が追従対象であると判定されなかった場合であって且つ検出物と車両との距離および相対速度によって規定される第1閾値を下回った場合に車両の加速を規制するので、加速が規制されるべき場面において適切に加速規制制御を実行することを可能としながら、安全性を確保し、且つ、ドライバの労力を適切に低減することができる。(請求項2)
また、検出物と車両との距離および相対速度の少なくとも一方が第1閾値よりも小さい第2閾値を下回った場合、すなわち、検出物と車両とが衝突する可能性が高くなった場合に制動装置を作動させるので、不要な減速を防ぎながら、より安全性を向上させることができる。(請求項3)
また、検出物が車両の走行する車線内に位置し、且つ、同一方向に進行し、且つ、この検出物と車両との相対速度が所定範囲内である場合に、検出物は追従対象であると判定することで、追従走行制御を適切に実行することができる。(請求項4)
また、加速規制制御が実行された場合に車両のドライバに対して警告するので、加速規制制御が実行された場合であってもドライバに違和感を与えることなく、また、ドライバが積極的に車両を制御することを促すことで、車両進行方向に位置する物体に対する衝突回避性を高めることができる。(請求項5)
また、前輪13L,13Rおよび後輪15L,15Rには、それぞれ、ブレーキ装置(制動装置)16L,16R,17L,17Rが設けられるとともに、これらのブレーキ装置16L,16R,17L,17Rによる各車輪13L,13R,15L,15Rに対する制動力をそれぞれ独立して調整するブレーキ・アクチュエータ(油圧制動装置)19が設けられている。なお、このブレーキ・アクチュエータ19は後述するECU30からの指令を受けて作動するようになっている。
また、各車輪13L,13R,15L,15Rのそれぞれには、車輪速度センサ25L,25R,26L,26Rが設けられ、各車輪13L,13R,15L,15Rの回転速度をそれぞれ検出できるようになっている。
また、この車両10には、ECU30が備えられており、このECU30は、いずれも図示しない、インターフェースユニット,CPU,メモリなど種々の機器が内蔵されて構成されている。そして、このECU30のメモリ内には、ソフトウェアプログラムとして、車速検出部31,追従対象判定部(追従対象判定手段)32,追従走行制御部(追従走行制御手段)33,衝突被害低減制御部(制動制御手段)34,巡航走行制御部(巡航走行制御手段)35,加速規制部(加速規制手段)36および警告制御部(警告手段)37が内蔵されている。
これらのうち、車速検出部31は、車輪速度センサ25L,25R,26L,26Rによって検出された各車輪13L,13R,15L,15Rの回転速度を読み込み、これらの回転速度に基づいて、車両10の車速VSを算出するものである。
〔A〕検出物が自車両10が走行している車線と同一車線内に位置し且つ同一方向に進行している
〔B〕検出物と自車両10との相対速度VRが所定範囲内である。
そして、車間距離Dおよび相対速度VRによって規定される制御点Pが、この追従走行制御領域38A内にある場合(図中、符号P1参照)、追従走行制御部33による追従走行制御の実行が許容されるようになっている。
〔C〕車速VSが巡航可能速度VS1(例えば、時速40km/h)以上である
〔D〕検出物が追従対象である
〔E〕車間距離Dおよび相対速度VRが制動閾値TH2以上である
衝突被害低減制御部34は、車両10がミリ波レーダ24により検出された物体に衝突する直前にブレーキ装置16L,16R,17L,17Rを作動させ、衝突被害低減制御を実行し、検出物に衝突した場合に生じる被害をできる限り低減させるものである。
巡航走行制御部35は、ミリ波レーダ24によって物体が検出されなかった場合または追従対象判定部32により検出物が追従対象であると判定されなかった場合に、目標車速VS-Tを維持するための駆動力を発生するようにエンジン11のスロットルバルブ(図示略)を制御する「巡航制御」を実行するものである。
〔F〕車速VSが巡航可能速度VS1以上であり且つ巡航上限速度VS2(例えば時速110km/h)以下である
〔G〕車間距離Dおよび相対速度VRが加速規制制御閾値TH1以上である
〔H1〕ミリ波レーダ24が物体を検出していない
〔H2〕ミリ波レーダ24による検出物が追従対象に該当しない
ここで、条件〔G〕とは、即ち、車間距離Dと相対速度VRとから規定される制御点Pが、図3の巡航走行用マップ39の巡航走行領域39A内にある場合(図中、符号P3参照)を規定している。
この加速規制条件は、図3の巡航走行用マップ39に示すように、検出物と車両11との距離Dおよび相対速度VRによって規定される加速規制閾値(第1閾値)TH1を下回り、且つ、検出物と車両11との距離Dおよび相対速度VRによって規定される制動閾値(第2閾値)TH2以上である場合、として規定されている。
これらのうち、車間距離Dと相対速度VRとから規定される制御点Pが、巡航走行領域39A内にある場合(図中、符号P3参照)、加速規制部36は加速規制制御を実行せず、巡航走行制御部35による巡航制御の実行が許容されるようになっている。
換言すれば、この加速規制領域39Bは、衝突被害低減制御を衝突被害低減制御部34によって実行させることにより、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rを作動させて急激に減速を図る程の緊急度はないものの、ミリ波レーダ24によって検出された物体に衝突する可能性を否定できないため、巡航制御の実行により目標車速VS-Tに向けて加速することを禁止し、現在の車速を維持すべきであるとして定義された領域である。
換言すれば、この制動領域39Cは、上述の制動制御領域38Bと同様に、車両10が検出物に対して衝突する直前(例えば、衝突の約0.6秒前)であり、ドライバによるステアリング操作やブレーキペダル操作では衝突を回避することは困難であり、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rを緊急的に作動させ積極的に減速を図るべきであるとして定義された領域である。
本発明の一実施形態に係る車速制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
ここで、ミリ波レーダ24が車両10の進行方向で所定距離範囲内に位置する物体を検出していない場合は(ステップS14のNoルート)、巡航走行制御を実行し(ステップS20)リターンする。
ここで、検出物は自車両10が走行している車線と同一車線に位置していないもしくは同一方向に進行していないと判定された場合(ステップS15のNoルート)、追従対象判定部32は、検出物が追従対象ではないと判定する。これにより、非追従対象サブルーチンに入り、また、追従走行制御部33は追従走行制御の実行準備を中止する(ステップS18)。
他方、検出物の速度と自車両10の車速VSとの相対速度VRが所定の追従速度域VRR内であると判定された場合(ステップS16のYesルート)、追従対象判定部32は、検出物が追従対象としての先行車両であると判定し、これにより、追従走行制御部33は追従走行制御を実行し、先行車両と所定の距離を維持したまま、走行するためのトルクを出力するようにエンジン11を制御する(ステップS17)。
まず、ステップS21において、ミリ波レーダ24によって検出された物体(検出物)と自車両10との距離Dおよび相対速度VRとによって規定される制御点Pが、巡航走行用マップ39内の制動領域39Cにあるか否かが判定され、この制御点Pが制動領域39C内にある場合には、衝突被害低減制御部34が、衝突被害低減制御を実行する(ステップS22)。
他方、検出物と自車両10との距離Dおよび相対速度VRとによって規定される制御点Pが巡航走行領域39A内にある場合、換言すれば、制御点Pが制動領域39C内になく(ステップS21のNoルート)、且つ、加速規制領域39B内にない場合(ステップS22のNoルート)、巡航走行制御部35は、目標車速VS-Tを維持するための駆動力を発生するようにエンジン11のスロットルバルブ(図示略)を制御する「巡航制御」を実行する(ステップS25)。
その後、時点t2において、距離DがD2を下回ると、衝突被害低減制御部34が衝突被害低減制御を実行し、ブレーキ・アクチュエータ19を介してブレーキ装置16L,16R,17L,17Rを作動させることで、大きな(例えば、0.5G程度)の減速度を発生させ(図中矢印At2参照)、その後、時点t3で車両10が物体に衝突した場合に生じる衝撃をできる限り小さくする。
より具体的には、検出物が追従対象であると判定されなかった場合であって且つ検出物と車両10との距離Dおよび相対速度VRによって規定される加速規制閾値TH1を下回った場合に車両10の加速が規制されるので、加速規制制御が過度に実行されることを防ぎながら、安全性を確保し、且つ、ドライバの労力を適切に低減することができる。
また、加速規制制御が実行された場合に車両10のドライバに対して警告するので、加速規制制御が実行された場合であってもドライバに違和感を与えることなく、また、ドライバが積極的に車両10を制御することを促すことができ、さらなる安全性の向上に寄与することができる。
例えば、上述の実施形態においては、エンジン11がガソリンエンジンである場合について説明したが、ディーゼルエンジンなど、種々のエンジンを用いることができる。また、ディーゼルエンジンを用いた場合には、スロットルバルブ開度θTHの制御に換えて、燃料噴射量を制御することで、トルク制御を行なうことができる。
また、上述の実施形態においては、ミリ波レーダ24により車両10の進行方向に位置している物体を検出する場合について説明したが、このミリ波レーダ24に換えて、レーザレーダを用いるようにしてもよい。
例えば、車両10の加速を禁止するようにエンジン11を制御するだけではなく、ブレーキ・アクチュエータ19およびブレーキ装置16L,16R,17L,17Rも制御して、僅かに制動力を発生させ、緩やかに減速を図るようにしてもよい。これにより、さらなる安全性の確保を図ることができる。
例えば、車両10の加速を完全に禁止するのではなく、僅かな加速を許容しながら、大幅な加速を規制するようにしてもよい。なお、この場合は、加速を禁止した場合よりも加速規制制御が実行され易いように、加速規制閾値TH1の設定を調整することが好ましい。これにより、安全性を高めながら、加速規制制御の実行により与えるドライバへの違和感を抑制することができる。
11 ガソリンエンジン(駆動源)
16L,16R,17L,17R ブレーキ装置(制動装置)
25 ミリ波レーダ(物体検出手段)
32 追従対象判定部(対象種別判定手段)
33 追従走行制御部(追従走行制御手段)
34 衝突被害低減制御部(制動制御手段)
35 巡航走行制御部(巡航制御手段)
36 加速規制部(加速規制手段)
37 警告制御部(警告手段)
TH1 加速規制閾値(第1閾値)
TH2 制動閾値(第2閾値)
Claims (5)
- 車両の駆動力を発生させる駆動源と、
該車両の進行方向に位置している物体を検出する物体検出手段と、
該物体検出手段によって検出された該物体が追従対象であるのか否かを判定する追従対象判定手段と、
該追従対象判定手段により該物体が追従対象であると判定された場合に、該物体に追従して走行するための駆動力を発生するように該駆動源を制御する追従走行制御を実行する追従走行制御手段と、
該物体検出手段によって物体が検出されなかった場合又は該追従対象判定手段により該物体が追従対象であると判定されなかった場合に、目標車速を維持するための駆動力を発生するように該駆動源を制御する巡航制御を実行する巡航走行制御手段と、
該追従対象判定手段により該物体が追従対象であると判定されなかった場合であって且つ所定の加速規制条件が満たされた場合に、該巡航制御の実行よりも優先的に、該車両の加速を規制するように該駆動源を制御する加速規制制御を実行する加速規制手段とをそなえる
ことを特徴とする、車速制御装置。 - 該加速規制条件が、該物体と該車両との距離および相対速度によって規定される第1閾値を下回った場合として規定されている
ことを特徴とする、請求項1記載の車速制御装置。 - 該車両の車輪に対する制動力を制御する制動制御手段をそなえ、
該制動制御手段は、該物体と該車両との距離および相対速度の少なくとも一方が該第1閾値よりも小さい第2閾値を下回ると該制動装置を作動させる
ことを特徴とする、請求項2記載の車速制御装置。 - 該追従対象判定手段は、
該物体検出手段によって検出された該物体が該車両の走行する車線内に位置し且つ同一方向に進行し且つ該物体と該車両との相対速度が所定の追従速度域内である場合に、該物体は追従対象であると判定する
ことを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項記載の車速制御装置。 - 該加速規制制御により該加速規制制御が実行された場合に該車両のドライバに対して警告する警告手段をそなえる
ことを特徴とする、請求項1〜4いずれか1項記載の車速制御装置。
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