JP2007076242A - 保護フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射防止機能と防汚機能とを兼ね備えた保護フィルムを提供する。
【解決手段】 本発明の保護フィルムは、透明な支持基板と、この支持基板の表面に形成され、フッ素を含有する保護層とを有する。保護層は、凹部および凸部が周期的に連続な凹凸構造を有するものであり、凹凸構造は、周期をt(nm)、高さをh(nm)、保護層の屈折率をnbとするとき、t≦390/nb(nm)およびh/t≧0.4を満たすものである。
【選択図】 図10

Description

本発明は、反射防止機能と防汚機能とを兼ね備えた保護フィルムに関し、特に、液晶表示パネルなどのディスプレイに用いられ、その表示画面を汚れから保護するとともに、表示画面の反射光の低減を同時に実現する保護フィルムに関する。
現在、液晶ディスプレイ、およびプラズマディスプレイの普及に伴い、表示装置としては、平面基板のディスプレイ(FPD、フラットパネルディスプレイ)が主流となってきている。
また、ATM(Automatic Teller Machine)またはペン入力のタブレットPCなど、ディスプレイの表示画面に指またはペンなどで直接接触して機器の操作をするタッチパネルが増えてきている。
タッチパネルは、機器の操作のために、ディスプレイの表示画面の表面からの操作を検出する検出装置が設けられている。この検出装置は、例えば、導電性シートなど、ペンまたは指などの圧力を検知し、この検知結果に基づいて、機器の所定の操作が実行される。
しかしながら、ディスプレイの表示画面に検出装置を設けることにより、ディスプレイからの光出力の減少する。また、表示画面に指またはペンなどで直接接触するため、指の接触による指紋、皮脂、汗、および化粧品等の付着により視認性が劣化する。このようなことから、防汚の対策が重要になってきている。そこで、汚れを防止する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ディスプレイの使用範囲が、オフィス、家庭、および屋外など利用範囲が広くなってきている。この場合、外光のディスプレイへの映り込みが、表示画面の表示内容を識別しにくくなるなどの表示品質の低下を引き起こす要因となる。また、この外光のディスプレイへの映り込みが、目の疲労など健康障害を引き起こす要因ともなる。このため、可視光の広範囲にわたる反射防止フィルムの要求が高まっている。
そこで、従来、可視光の広範囲にわたる反射防止機能を備えた反射防止フィルムが提案されている(特許文献2、特許文献3および非特許文献1参照)。
特許文献1には、防汚性を必要とする各種被処理基材の表面に防汚層を形成するために使用する防汚剤が開示されている。この特許文献1の防汚剤は、フッ素を含む有機ケイ素化合物を含有するものである。また、特許文献1には、反射防止膜が形成された透明基材の表面に、防汚層が形成された反射防止部材が開示されている。この防汚層は、表面張力が小さいフッ素系薄膜を透明基材の表面にコートすることにより形成される。
特許文献2には、フィルム基材上の少なくとも片面に、屈折率が1.80以上の高屈折率層と、屈折率が1.70以下の低屈折率層とを交互に積層して反射防止層を形成し、この反射防止層の低屈折率層のうち少なくとも1層を有機樹脂から形成した反射防止フィルムが開示されている。この特許文献2の反射防止フィルムは、更に防汚性を高めるために反射防止層上に撥水・防汚層が形成されている。
特許文献2の反射防止フィルムは、ガラス板などと貼り合わせることにより光学部材を形成することができる。この光学部材をディスプレイに用いることによって、表示品質が向上し、表示画像がより明確に認識できる。
特許文献3においては、一般に、モスアイ(Moth-eye)構造と呼ばれている微細凹凸パターンが形成された反射防止物品が開示されている。
この微細凹凸パターンは、微細凹凸の頂点における周期PMAXと、可視光の波長帯域の真空中における最小波長λMINとの間に、PMAX≦λMINとなる関係が成立する非常に微細なものである。
また、特許文献3においては、PMAX≦λMINなる関係が成立する微細凹凸パターンを反射防止物品の表面に設けることにより、外界(空気)との境界部における急激で不連続な屈折率変化を、連続的で漸次推移する屈折率変化に変えることが可能となり、物品の表面における光反射が減る。
また、特許文献3においては、微細凹凸パターンは、スタンパーを圧接してエンボス加工を施すことにより比較的容易に形成することができる。
非特許文献1には、モスアイ構造の反射防止表面の光学特性が開示されており、モスアイ構造による反射防止効果について開示されている。
特開2000−144097号公報 特開平11−64602号公報 特開2004−205990号公報 S.J.Wilson and M.C.Hutley, Optica Acta vol.29 (1982)p993-1009.
しかしながら、特許文献1の防汚剤は、油と同じく表面張力が低いn−ヘキサデカンにおける接触角が73°と、90°以下であり、n−ヘキサデカンに対して撥液性を有するものではない。このため、特許文献1の防汚剤は、n−ヘキサデカンと同じく表面張力が低い、汚れの主成分である油に対して撥液性を有するものではない。このように、特許文献1の防汚剤は、汚れの主成分である油に対して、十分な防汚性を有するものではないという問題点がある。
また、特許文献2においては、反射防止可能な波長範囲が狭く、また、多層構造であるため、製造工程が複雑であるという問題点がある。
さらに、特許文献3および非特許文献1においては、いずれもモスアイ構造により反射防止を実現するものの、防汚性が考慮されていない。このため、タッチパネルなどに適用した場合、指の接触による指紋、皮脂、汗、および化粧品等の付着により視認性の劣化を抑制することができないという問題点がある。
以下、更に有機溶剤または油について撥液性を得ることが容易でない理由について詳細に説明する。
図15に示すように、平滑な固体150の表面150a上に置かれた液体152が作る接触角θは、液体152の表面張力γと固体150の表面張力γと、更に固体150と液体152の間に働く相互作用(界面張力)γSLとの関係で下記数式1のように表される。
Figure 2007076242
また、固体−液体間の界面張力γSLは、下記数式2のように表される。
Figure 2007076242
上記数式1および数式2を組み合わせることにより下記数式3が導かれる。この数式3は固体の表面張力γと液体の表面張力γとの大小関係で撥液性をあらわす接触角が導かれることを意味する。
Figure 2007076242
ここで、接触角が90°以上である場合、「撥液性」を示すと定義され、接触角が90°未満である場合、「親液性」を示すと一般的に定義されている(高撥水技術の最新動向、東レリサーチセンター、p1)。この撥液性を実現しうる関係は下記4式で表される。
Figure 2007076242
すなわち、固体の表面張力γが液体の表面張力γの1/4以下である必要がある。水の表面張力が74mN/mであり、水に対して撥液性を示すには固体の表面張力γはその1/4以下、すなわち、19mN/m以下である必要がある。ここで、下記表1に各物質の表面張力を示す。固体でその値を持つ材料としてテフロン(登録商標)またはサイトップ(登録商標)などが挙げられ、90°以上の接触角θを得ることができる。
Figure 2007076242
一方、有機溶剤、または油などは水に比べて著しく小さい値を持っている。例えば、デカンは、表面張力が24mN/mであり、このような液体に対して撥液性を示すためには、6mN/m以下の表面張力を持つ固体が必要である。このような固体としては、パーフルオロラウリック酸があるが、原子層オーダーの単分子膜しか形成できないこと、また水に対して撥液性を示さないことから、実際のところ実用的ではないと言える。
撥液性を向上させるもう一つの方法として、表面構造の導入が知られている。この表面構造のモデルとしては、大きく2つのモデルがある。1つは、図16に示すように、固体154の表面にミクロな凹凸156を形成して表面積を増大させることで、接触角が増加するWentzel(ウェンゼル)モデルである。
ここで、図16において、θは真の接触角(表面が平滑な場合の接触角θ(図15参照))であり、θは見かけの接触角である。
接触角θと見かけの接触角θとの関係は下記数式5のように表される。なお、下記数式5におけるrは表面増倍係数である。このrは、真の表面積と見かけの表面積の比で表されるものである。
Figure 2007076242
このウェンゼルモデルにおいては、親液性であるものは、より親液性になり、撥液性であるものは、より撥液性になる。
ここで、図17は、縦軸にcosθをとり、横軸にcosθをとってウェンゼルモデルにおける接触角θと見かけの接触角θとの関係を示すグラフである。
図17に示すように、ウェンゼルモデルにおいては、材料自体が対象となる液体に対して接触角が90°以上(cosθ<0)でなければ、それ以上の接触角の向上は困難である。
また、ウェンゼルモデルにおいては、表面に凹凸などの表面構造がない場合、図17に示す直線Lのようになる。この直線Lにおける表面増倍係数rは1(r=1)である。一方、表面に凹凸などの表面構造を有する場合、図17に示す直線Mのようになる。表面に表面構造が導入されると、表面積が大きくなり、この直線Mにおける表面増倍係数rが1よりも大きくなる(r>1)。
また、表面構造モデルとしてはもう一つCassie(カッシー)モデルがある。図18に示すように、カッシーモデルにおいては、固体158に凹部160が形成されている。この凹部160には固体158とは異なる物質159が充填されている。異なる表面張力をもつ2種の材料(固体158、および物質159)で表面が構成されている場合において、見かけの接触角θは表面158aに露出した2種の材料(固体158、および物質159)と液体162と真の接触角θ、θ(図示せず)との関係で定まるものであり、下記数式6により表される。なお、下記数式6におけるA、Aはそれぞれ係数であり、複合表面における各物質の面積割合を示すものである。これらの係数A、Aは下記数式7に示すような関係にある。
Figure 2007076242
Figure 2007076242
このカッシーモデルにおいては、2種の材料のうち、1種が空気である場合、すなわち、1種の材料(固体158)の表面に微細な凹凸が形成されている場合を考える。図19(a)に示すように、固体158自体が対象となる液体162に対して撥液性を示す(θ>90°)とき、凹部160には液体162が侵入できず、凹部160に空気層が存在することになる。
ここで、空気における接触角θは180°になることから、上記数式6で表される見かけの接触角θは、下記数式8のように表わすことができる。
Figure 2007076242
一方、単一の固体158が対象となる液体に対して、親液性を示す(θ<90°)とき、図19(b)に示すように、凹部160に液体162が侵入し、凹部160が液体162で満たされる。このとき、凹部160の液体との接触角は、0°であるから、上記数式6で表される見かけの接触角θは、下記数式9のように表わすことができる。
Figure 2007076242
ここで、図20は、縦軸にcosθをとり、横軸にcosθをとってカッシーモデルにおける接触角θと見かけの接触角θとの関係を示すグラフである。
このカッシーモデルにおいても、図20に示すように、親液性であるものは、より親液性になり、撥液性であるものは、より撥液性になる。
なお、カッシーモデルにおける接触角が90°付近の急峻な変化については、ウェンゼルモデルが適用できるという説明もある。
また、ウェンゼルモデルおよびカッシーモデルを統合したウェンゼルーカッシー統合モデルが提案されている。このウェンゼルーカッシー統合モデルは、ウェンゼルモデル、カッシーモデルの両方の性質を示す。
図21に示すように、ウェンゼルーカッシー統合モデルは、折れ線Kで示され、cosθ=cosθのラインを境にして第1象現Dの上半分の第1A象現D11と第3象現Dの第3A象現D31の中に収まっている。第1A象現D11は親液性が増大する領域であり、接触角が減少する領域である。また、第3A象現D31は撥液性が増大する領域であり、接触角が増加する領域である。ウェンゼルーカッシー統合モデルでは、図21に示すように、第1A象現D11および第3A象現D31の中だけで推移するに留まる。
このように、図17、図20および図21に示すように、ウェンゼルモデルおよびカッシーモデルならびにウェンゼルーカッシー統合モデルのいずれにおいても、対象となる液体に対して固体自体が撥、すなわち、接触角>90°でない限り、固体に、表面構造が導入されても撥液性が向上することがない。したがって、有機溶剤または油などの表面張力が低い液体で、接触角90°以上を示すことができる撥液性を示す撥液材料が存在しないため、有機溶剤または油で撥液性を実現することができない。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、反射防止機能と防汚機能とを兼ね備えた保護フィルムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、透明な支持基板と、前記支持基板の表面に形成され、フッ素を含有する保護層とを有し、前記保護層は、凹部および凸部が周期的に連続な凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、周期をt(nm)、高さをh(nm)、前記保護層の屈折率をnbとするとき、t≦390/nb(nm)およびh/t≧0.4を満たすことを特徴とする保護フィルムを提供するものである。
本発明においては、前記凸部は、先端部の曲率半径が、前記凹部の幅および前記凹部の深さのいずれか小さいほうの値よりも小さいことが好ましい。
また、本発明においては、前記凸部は、先端部の曲率半径が、前記凹部の幅および前記凹部の深さのいずれか小さいほうの値の1/2以下であることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記保護層に対する凸部を除いた前記凸部の面積比率は、60%以下であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記保護層に対する凸部を除いた前記凸部の面積比率は、40%以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記凹部の前記保護層に対する面積比率は、20%以上であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記凹部の前記保護層に対する面積比率は、40%以上であることが好ましい。
また、本発明の第2の態様は、凹部および凸部が周期的に連続な凹凸構造を表面に有し、前記凹凸構造は、周期をt(nm)、高さをh(nm)、屈折率をnbとするとき、t≦390/nb(nm)およびh/t≧0.4を満たす透明な支持基板と、前記支持基板の表面に、前記凹凸構造を維持した状態で形成されたフッ素を含む材料からなる防汚機能層とを有することを特徴とする保護フィルムを提供するものである。
本発明においては、前記凸部は、先端部の曲率半径が、前記凹部の幅および前記凹部の深さのいずれか小さいほうの値よりも小さいことが好ましい。
また、本発明においては、前記凸部は、先端部の曲率半径が、前記凹部の幅および前記凹部の深さのいずれか小さいほうの値の1/2以下であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記支持基板に対する凸部を除いた前記凸部の面積比率は、60%以下であることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記支持基板に対する凸部を除いた前記凸部の面積比率は、40%以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記凹部の前記支持基板に対する面積比率は、20%以上であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記凹部の前記支持基板に対する面積比率は、40%以上であることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記支持基板の裏面に下基板が設けられていることが好ましい。
本発明の第1の態様の保護フィルムによれば、フッ素を含有する保護層に凹部および凸部を周期的に連続な凹凸構造を設け、この凹凸構造を、周期をt(nm)、高さをh(nm)、保護層の屈折率をnbとするとき、t≦390/nb(nm)およびh/t≧0.4の条件を満たすものとすることにより、保護層に含まれるフッ素により撥液効果が得られ、上記条件を満たす凹凸構造により反射防止効果が得られる。このように、防汚性能と反射防止性能との両方を兼ね備えた保護フィルムを得ることができる。
本発明の第2の態様の保護フィルムによれば、支持基板に凹部および凸部を周期的に連続な凹凸構造を設け、この凹凸構造を、周期をt(nm)、高さをh(nm)、支持基板の屈折率をnbとするとき、t≦390/nb(nm)およびh/t≧0.4の条件を満たすものとし、さらに、凹凸構造を維持した状態で、フッ素を含む材料からなる防汚機能層を支持基板に形成することにより、上記条件を満たす凹凸構造により反射防止効果が得られ、防汚機能層に含まれるフッ素により撥液効果が得られる。このように、防汚性能と反射防止性能との両方を兼ね備えた保護フィルムを得ることができる。
本発明の第1および第2の態様の保護フィルムによれば、防汚性能と反射防止性能との両方を兼ね備えるものであり、表面への蛍光灯または外光の映り込みが低減されるので、表示画像の視認性が向上するとともに、作業者の目の負担を低減することができる。また、指紋、皮脂、汗、および化粧品等が付着しにくく、かつ指紋、皮脂、汗、および化粧品等が付着しても落し易い。このようなことから、各種モニタの表示画面、またはタッチパネルの表示画面に設けた場合、視認性が優れ、汚れがつきにくく、かつ汚れがついても落し易いため、汚れによる視認性の低下を抑制することができ、かつ汚れが付きにくいので汚れを取り除く作業を簡略にすることができる。このため、無人化された各種モニタの表示画面、またはタッチパネルの表示画面に設けることが好適である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の保護フィルムを詳細に説明する。
本発明者は、表面構造,および撥液材料について鋭意検討した結果,表面構造,および撥液材料の最適化により、ウェンゼルモデル、カッシ−モデルの修正に基づく効果により撥液性が増大し、親液性から撥液性への改善が可能であることを見出した。すなわち,固体自体で接触角が90°以下(親液性の材料)であっても、表面構造によって接触角が増加し90°以上、または90°以下であるものの接触角が増加することを見出した。これにより、汚れの主成分である油などの表面張力が低い液体に対して、接触角を大きくし、撥液性を得る手段を知見し、本発明に至った。
更に、本発明者は、微細凹凸(モスアイ)構造が反射防止機能を格段に向上させることができるとともに、従来の反射防止膜よりも容易に形成することができ、加えて、微細凹凸構造が防汚性を発現する構造と類似していることを知見した。本発明者が、更なる鋭意検討した結果、反射防止機能および防汚機能の両条件を満足させることができる条件を見出し、防汚機能と無反射機能(反射防止機能)との両方を兼ね備えた保護フィルムの発明に至った。
一般的に良く知られているモデル(ウェンゼルモデル、カッシーモデル)では、固体材料自体が撥液性を有するものでなければ、撥液性を向上させることは不可能(図17、図20および図21参照)である。それらのモデルによれば、水のような表面張力が高い液体で高い接触角を得られても、有機溶剤、または油などの表面張力が低い液体に対しては、接触角が小さく、撥液性を示さないことが容易に予測される。多くの報告は、水での実験結果から高い撥液性を報告するものの、有機溶剤、または油などで実験することはない。そして、多くの発明では、撥液性について、水の実施例(実験結果)を示し、それに追加する形で実験をすることなく、従来のモデルから撥液性を示さないことが予測できるにもかかわらず、有機溶剤、または油などでも撥液性があるかのような記述をしている。これは正しい知見から得られた発明とはいえない。
例えば、図21に示すように、ウェンゼルーカッシー統合モデルにおいては、cosθ=cosθのラインを境にして第1象現Dの第1A象現D11と第3象現Dの第3A象現D31の中に収まり、第1A象現D、および第3A象現Dの中だけで推移するに留まる。第1A象現Dは親液性が増大し、接触角が減少する領域である。また、第3A象現Dは撥液性が増大し、接触角が増加する領域である。ウェンゼルーカッシー統合モデルにおいても、水のような表面張力の高い液体で高い接触角が得られても、有機溶剤または油などの表面張力が低い液体に関しては接触角が小さく、撥液性を示さないことが容易に予測される。
また、図21の他の領域を見てみると第1B象現D12は親液性を有する固体材料に表面構造を導入することで親液性が減少する領域、すなわち、撥液性が増大する領域である。第1B象現D12においては、表面構造を導入することで接触角が増加する。ただし、その接触角は90°以下に留まる。
また、第4象現Dは親液性を有する固体材料に表面構造を導入することで撥液性に変化する領域である。表面構造を導入することにより、固体材料で90°以下の接触角が90°以上に増大することを意味する。
従って、第3A象現D、第1B象現D、および第4象現Dは撥液性が増大する領域と言える。図1に示すようにcosθ=cosθのラインを境にして下半分の領域Jを撥液性の増大領域と、上半分の領域Jを親液性の増大領域とに分けることができる。
ここで、本発明者は、表面の凹凸構造の形状について詳細な検討を行った結果、従来のウェンゼルーカッシー統合モデルが場合によっては修正されうることを見出した。すなわち、材料の性質による接触角が90°以下であっても、表面構造の導入によっては接触角を増加させることができる。これは、図1において第1B象現D12と第4象現Dにも、表面構造によっては推移することが可能であることを意味する。
図2は、詳細な検討を行って得られた結果を示すグラフである。
材料の性質で決まる接触角θが90°以下(cosθ>0)であっても、凹部160が空気で占められる状態が維持(図19参照、数式8参照)され、接触角θは増加する。
なお、この場合、接触角θは下記数式10、13で表される。数式10は撥液性におけるカッシ−モデル(数式8)の制限(θ>90°)がなく,接触角θが90°以下でも成り立つ。この数式10は、接触角θが数式11により得られる遷移角度θより大きい場合に成り立つ。
Figure 2007076242
Figure 2007076242
また、接触角θがθより小さい場合には、修正されたウェンゼルモデル(下記数式12)が成り立つ。この数式12においては、付加係数bが追加されている。この付加係数bは、主にAに依存する係数である。
また、この数式12によれば、遷移角θ以上においても撥液増大領域である第4象現Dおよび第1B象現D12に留まる。これはあたかも従来モデルのウェンゼルーカッシー統合モデルでカッシーモデルからウェンゼルモデルへ遷移する遷移角度が右方向(cosθ=1側)にシフトしたように見ることができる。
Figure 2007076242
本発明においては、所定の液体に対して固体が親液性であってもその所定の液体に対して撥液性への遷移または親液性であるものの接触角の増大が許容される。このような傾向は凹凸の角度とパターン形状に関係している。
一般に接触角が90°を境にして、親液性および撥液性を区別しているが熱力学的には、何の根拠もない。また、ウェンゼルモデル、カッシーモデルともに親液性、撥液性の性質を別々に考えており、その間の境界部分については、何ら考慮されていない。ウェンゼルモデルでは、材料の性質による接触角が90°である場合、表面構造を導入しても変化なく90°であり、カッシーモデルでは、90°近辺で急激な変化が起こることになってしまう。実際の表面では両モデルで表わされるふるまいが混在しているはずであり、この接触角が90°近辺の詳しい検討が必要である。そして、その詳細な検討の結果、カッシーモデルに従う表面構造において、その急激な変化が起こる遷移角度が構造によって異なること、そしてそれは、親液性材料でも表面構造で撥液性に変わりうることを見出した。
先ず、凹部を有する固体について説明する。本発明においては、図3(a)に示すように、固体10に開口部の形状が円形の凹部12が形成されている。この凹部12においては、凹部12の側壁(内壁)12aは、固体10の厚さ方向に対して略平行に形成されている。
凹部12の側壁(内壁)12aと固体10の表面10aとの境界が不連続に変化する場合、液滴は、凹部12の内部に侵入しにくい。これは、液滴が凹部12の内部に侵入するためには、凹部12の内部に存在している空気を追い出して、それと交換しなければならないためである。このことは、固体10が液滴に対して親液性を有するものであっても同じであり、この空気と液滴との交換の容易さによって、遷移角度が決定される。凹部12における側壁12aと固体10の表面10aとのなす角度αにより空気と液滴との交換のし易さが変化する。
また、図3(b)に示すように、凹部12における側壁12aと固体10の表面10aとの境界が連続的に変化する場合も、空気と液滴との交換が容易になる。側壁12aと固体10の表面10aとの境界における曲率半径をρとするとき、曲率半径ρは、凹部12の直径d、凹部12の深さhとの関係で、空気と液体との交換が容易になり遷移角θが90°以上になる。遷移角θを小さくするためには、曲率半径ρが、凹部12の直径dおよび凹部12の深さhのいずれか小さい方の値よりも小さく、望ましくは、凹部12の直径dおよび凹部12の深さhのいずれか小さい方の値の1/2以下である。深さhは、望ましくは1μm以上、更に望ましくは2μm以上である。
また、凹部12の直径dは、液滴に対して無視できるほど十分小さければよく、望ましくは50μm以下、更に望ましくは10μm以下、更に一層好ましくは5μm以下である。
次に、凸部を有する固体について説明する。本発明においては、図4(a)に示すように、固体10に円柱状の凸部13が独立して、2つ形成されている。各凸部13の外壁13aは、固体10の厚さ方向に対して略平行に形成されている。
各凸部13の外壁13aの間の境界が不連続に変化する場合、液滴は、凸部13の間に侵入しにくい。これは、液滴が凸部13の間に侵入するためには、凸部13の間に存在している空気を追い出して、それと交換しなければならないためである。このことは、固体10が液滴に対して親液性を有するものであっても同じであり、この空気と液滴との交換の容易さによって、遷移角度が決定される。凸部13における外壁13aと、この凸部13の上面13bとのなす角度β(以下、角部13cの角度βともいう)により空気と液滴との交換のし易さが変化する。
また、図4(b)に示すように、凸部13における外壁13aと上面13bとの境界が連続的に変化する場合も、空気と液滴との交換が容易になる。凸部13における外壁13aと上面13bとの境界(角部13c)における曲率半径をρとするとき、曲率半径ρは、凸部13の直径d、凸部13の高さhとの関係で、空気と液体との交換が容易になり遷移角θが90°以上になる。遷移角θを小さくするためには、曲率半径ρが、凸部13の直径dおよび凸部13の高さhのいずれか小さい方の値よりも小さく、望ましくは、凸部13の直径dおよび凸部13の高さhのいずれか小さい方の値の1/2以下である。凸部13の高さhは、望ましくは1μm以上、更に望ましくは2μm以上である。
また、凸部13の直径dは、液滴に対して無視できるほど十分小さければよく、望ましくは50μm以下、更に望ましくは10μm以下、更に一層好ましくは5μm以下である。なお、本発明においては、凸部13の高さは、凹部の深さと同じものとして扱うこととし、同一符号を付す。
親液性の固体に凹凸構造を導入して撥液性を増大させる条件は、凹凸パターンによって異なる。また、凹部の面積比率および固体自体の表面張力によって、その表面構造による接触角の増大の割合が変化する。まず、固体の表面に、開口部の形状が円形の凹部12、または円柱状の凸部13が複数形成されているパターンについて説明する。
上記数式1および数式10から、みかけの接触角θ、面積比率A、液体の表面張力、および固体の表面張力が下記数式13で表される。下記数式13において、見かけの接触角θが90°以上になる関係は、下記数式14で表される。対象となる液滴によりこの関係を満たす固体材料、凹部の面積比率Aを決定することにより、平坦な表面における接触角が90°以下であっても、接触角が90°以上になるか、または接触角は90°以下であるものの増加する。
Figure 2007076242
Figure 2007076242
上記数式13および数式14における凹部12の面積比率Aは、図5(a)に示すように、仮想的な六角形Uの中心に同じ大きさの円形状の凹部12が形成されていることを仮定して算出される凹部12の面積比率である。すなわち、凹部12の配置が最密充填である場合にものおける面積比率である。この面積比率Aは、下記数式15により表されるものである。なお、下記数式15におけるdは凹部12の直径であり、pは六角形Uの大きさである。
Figure 2007076242
また、凹部12の面積比率Aは、20%以上であることが好ましく、更に好ましくは40%以上である。凹部12の面積比率Aを高くすることにより、液体が空気に接触する割合が増え、見かけの接触角θが高くなる。
また、図6に示すように、固体10の表面10aに、凸部13が複数設けられた凸パターンにおける凸部13の面積比率Aは、図5(b)に示すように、仮想的な六角形Uの中心に同じ大きさの円柱状の凸部13が形成されていることを仮定して算出される凸部13の面積比率である。すなわち、凸部13の配置が最密充填である場合にものおける面積比率である。この面積比率Aは、下記数式16により表されるものである。なお、下記数式16におけるdは凸部13の直径であり、pは六角形Uの大きさである。
Figure 2007076242
また、凸部13の固体10の表面10aに対する凸部13を除いた面積比率Aは、60%以下であることが好ましく、更に好ましくは40%以下である。凸部13の固体10の表面10aに対する凸部13を除いた面積比率Aを低くすることにより、液体が空気に接触する割合が増え、見かけの接触角θが高くなる。
次に、本発明の微細凹凸構造により無反射機能(反射防止機能)を実現できる原理について詳細について説明する。
図7(a)は、屈折率が一様な媒質における反射を説明する模式図であり、(b)は、図7(a)における屈折率の分布を示す模式図である。
図7(a)に示すように、屈折率がnの媒質20から屈折率がnの一様な媒質22に、入射光Eiを入射角度を0°で入射させた場合、一部が媒質22を透過する透過光Etとなり、一部が媒質界面24で反射する反射光Erとなる。このとき、媒質界面24における反射率Rは数式17で表される。
Figure 2007076242
ここで、上記数式17の反射率Rの関係を保護フィルムに当てはめる。保護フィルムにおいては、媒質20は、例えば、空気である。この空気の屈折率nは1である。また、媒質22は、例えば、ガラスである。このガラスの屈折率nは1.5である。上数式17より反射率Rは4%となる。
図7(b)に示すように、入射方向における屈折率の分布Cにおいて、媒質界面24近傍で、屈折率が大きく変化する段差部C11が生じる。反射光Erは、両媒質間の媒質界面24における屈折率の不連続性(段差部C11)に起因して生じる。従って、屈折率が大きく変化する不連続性(段差部C11)をなくすことより、反射率を小さくすることができる。すなわち、連続的な屈折率分布を有する媒質26(図8(a)参照)を用いることより、図8(b)に示すように、媒質界面28近傍で、入射方向における屈折率の分布Cが連続的に変化する変化部C21となり、媒質界面28での反射光Erを低減することができる。すなわち、反射率を小さくすることができる。
上述のような反射光Erを低減する方法の1つとして、入射光Eiの波長より小さい大きさの凹凸を入射光Eiの入射面に設けることにより、連続的な屈折率とし、反射光を低減する方法がある。
ここで、図9(a)は、反射光を低減する凹凸構造を示す模式図であり、(b)は、図9(a)の凹凸構造における屈折率の分布を示す模式図である。
例えば、図9(a)に示すような凹凸構造30がある。この凹凸構造30においては、基板32の表面32aに、高さhの凸部34が間隔tで複数設けられている。この間隔tを入射光Eiの波長よりも小さくする。これにより、間隔tが光の波長より短いため、入射光Eiは、その凹凸構造30からの平均的な屈折率を感じる。その屈折率は任意の深さでの屈折率の面積平均になり、屈折率は、入射方向に連続的に変化する。図9(b)に示すように、屈折率の分布Cは、段差部が生じることなく、連続的に変化し、凹凸構造30の表面近傍において、屈折率の分布Cが連続的に変化する変化部C31となる。
なお、屈折率の変化が連続関数であるということは、光の進行方向に微小距離Δz隔てた2点(z、z+Δz)において、点zにおける屈折率をnとし、点z+Δzにおける屈折率をnとしたとき、Δz→0ならばn→nとなり、上記数式17から、R→0になる。ただし、詳細には高さhとの関係で反射率Rは最適化される。
媒質中を伝搬する光の波長はその屈折率をnとするとλ/nで表され、空気中よりも短くなる。微細凹凸構造の周期t(nm)は、その凹凸構造を構成する媒質の屈折率中での波長より小さくなることが望ましい(数式18)。可視光の波長範囲は、波長が380nmから630nmであり、最短波長(380nm)の光において、上記数式11を満足すればよい。媒質の材料としては、フッ素系ポリマ、またはテフロン(登録商標)AF(フッ素樹脂)を用いた場合、屈折率は1.3である。これにより、微細凹凸構造の周期tは290nm以下であればよい。
Figure 2007076242
凹凸構造の断面形状は実効的な屈折率を連続的にする必要がある。実効的な屈折率はある深さでの空気と媒質の断面積比率で平均化された値をとるため断面形状も連続的である必要がある。またこのパターンは凸部が個々に突き出ているドットパターンでも良いし、その逆に凹部が個々に引っ込んでいるホールパターンでもよい。
また、深さhはその周期tとのアスペクト比h/tから計算で求められ(非特許文献1参照)、下記数式19で表される関係を満足するとき十分に低い反射率Rになる。
Figure 2007076242
なお、媒質に、テフロン(登録商標)AF(フッ素樹脂)を用いた場合、周期tは、t≦290nmであり、高さhは、h≧120nmである。これにより、反射を防止することができる。
以上のことから、接触角を増加する条件、および反射光を低減することができる条件(上記数式18および数式19)の両方を満足することにより、防汚性および反射防止性が優れた保護フィルムを得ることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図10(a)は、本発明の第1の実施形態に係る保護フィルムを示す模式的断面図であり、(b)は、図10(a)の模式的平面図である。
図10(a)に示すように、本実施形態の保護フィルム40は、支持基板42と、この支持基板42の表面に形成される保護層44とを有する。
支持基板42は、保護層44を支持するものであり、表面が平坦なものである。この支持基板42は、例えば、可視光域(波長が380〜630nm)において透明なプラスチックフィルムにより形成されるものである。
この支持基板42に用いるプラスチックフィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、およびプロピオニルセルロースなどのセルロースエーテル、または、例えば、ポリプロピレン、ポリエチラン、およびポリメチルペンテンなどのポリオレフィンにより形成されたものが好ましい。
保護層44は、防汚性能および反射防止性能が優れた無反射防汚層である。図10(a)および図10(b)に示すように、保護層44は、その表面44aに凸部46と凹部48とが連続して並んで周期的に連続に形成されている。このように、保護層44においては、凸部46と凹部48とにより周期的に連続な凹凸構造が構成される。
また、保護層44を構成する材料としては、可視光領域(波長が380nm〜630nm)において透明性が優れ、表面張力が小さいことが必要である。これらの条件を満たす材料としては、例えば、フッ素系ポリマ、エチレン四フッ化エチレン(ETFE)、サイトップ(登録商標)、テフロン(登録商標)AFが挙げられる。これらの材料は表面張力が小さく、可視光領域において透明で、なおかつ屈折率が低いものである。このように、本実施形態の保護層44は、フッ素を含む材料により構成されている。
ここで、図11は、図10(b)のI−I線による断面図である。
上述の如く、保護層44の表面に形成された凸部46および凹部48からなる凹凸構造は、正弦波関数のような連続的で規則的な周期性をもつ周期構造を有する。凹凸構造が規則的な周期性を有するため、凸部46の先端部は連続的に変化する形状となる。これにより、凸部46の先端部(角部46cを含む)は所定の曲率を有することが好ましい。
図11に示すように、保護層44の凹凸構造における凸部46および凹部48の周期をtとする。また、凸部46の高さをhとし、凸部46の幅をdとする。
凸部46の高さhは、凸部46の頂点46aから凹部48の底までの距離である。
次に、凸部46の幅dについて説明する。
凸部46のh/2の高さに線Vを引き、この線Vと、凸部46の側壁46bとが交わる点Qにおける接線Tbと、凹部46の頂点46aにおける接線Taとが交差する点wをする。このとき、1つの凸部46における点wの2点間の距離が凸部46の幅dである。
また、凹凸構造における凸部46および凹部48の周期tは、凸部46および凹部48の繰返しの長さであり、隣接する凸部46における同じ側の点wの2点間距離である。また、凹部48の幅sは、周期tから凸部の幅dを引いたものである。
次に、本実施形態の保護フィルム40において、反射が防止されるに必要な条件について説明する。本実施形態の保護フィルム40において、保護層44は、上記数式18、および数式19を満足するものである。
例えば、可視光の最短波長を380nmとする。また、保護層44を、例えば、テフロン(登録商標)AF(屈折率1.3)により構成する。この場合、保護層44の屈折率nbは1.3である。
反射が防止されるに必要な条件については、上記数式18により、周期tは290nm以下である。また、凸部46の高さhは、数式19から凸部46の高さhは120nm以上である。
次に、本実施形態の保護フィルム40において、防汚性を得るために必要な必要な条件について説明する。
本実施形態の保護フィルム40において、防汚性を得るためには、凹凸構造における上記数式16により得られる面積比率が60%以下である。好ましくは、面積比率は40%以下である。
また、周期tが290nmであり、かつ面積比率が60%である場合には、上記数式16により、凸部46の幅dは167nmとなる。また、図11に示すように、凹部48の幅sは123nm(=290nm−167nm)となる。
さらに、凸部46の曲率半径ρは、凹部48の幅sおよび凸部の高さh(凹部48の深さh)よりも小さいことが好ましい。そこで、凸部46の幅dは167nmであり、曲率半径ρをd/2とすると、曲率半径ρは83.5nmである。この曲率半径ρは、凹部48の幅s(=123nm)および凸部46の高さh(=120nm)よりも小さい。このようにして、反射防止性が発現する条件と防汚性が発現する条件との両方を満足する凹凸構造が得られる。
なお、凸部46の角部46cの角度βは126°以下であり、望ましくは115°以下である。
本実施形態の保護フィルム40の製造方法について説明する。
先ず、可視光域において透明なセルロースエーテルまたはポリオレフィンなどからなる支持基板42を用意する。
次に、支持基板42の表面に保護層44を構成するフッ素系ポリマ、エチレン四フッ化エチレン(ETFE)、サイトップ(登録商標)、またはテフロン(登録商標)AFなどの材料を塗布し、塗膜を形成する。
次に、凹凸構造の凹凸パターンが形成された金型を塗膜の表面に押し付けて塗膜を昇温するか、または塗膜を昇温した状態で金型を塗膜の表面へ押し付け、固化させ、金型のパターンを塗膜の表面に転写する。
次に、金型を塗膜から離す。このようにして、本実施形態の保護フィルム40を作製することができる。
本実施形態においては、凸部46および凹部48に用いられる金型は、基台(図示せず)に凹凸部(図示せず)が形成されている。この凹凸部は、保護層44の凸部46および凹部48を形成するものである。基台の凹凸部は、凸部46および凹部48が上述の反射防止の機能および防汚の機能が発現する形状、大きさ、および面積比率を満足する凹凸パターンに形成されている。なお、金型の凹凸部の凹凸パターンは、例えば、リソグラフィ法、ドライエッチング、またはめっきなどにより形成されるものである。
本実施形態の保護フィルム40においては、保護層44に形成する凸部46および凹部48を反射防止の機能および防汚性の機能が発現する形状、大きさおよび面積比率とすることにより、反射光を低減することができるとともに、汚れの主成分である油の接触角を大きくすることができる。これにより、本実施形態の保護フィルム40においては、表面への蛍光灯または外光の映り込みが低減されるので、表示画像の視認性が向上するとともに、作業者の目の負担を低減することができる。また、指紋、皮脂、汗、および化粧品等が付着しにくく、かつ指紋、皮脂、汗、および化粧品等の付着しても落し易い。
このようなことから、本実施形態の保護フィルム40を、各種モニタの表示画面、またはタッチパネルの表示画面に設けた場合、視認性が優れ、汚れがつきにくく、かつ汚れがついても落し易いため、汚れによる視認性の低下を抑制することができるとともに、汚れが付きにくいので汚れを取り除く作業を簡略にすることができる。このため、本実施形態の保護フィルム40を、無人化された各種モニタの表示画面、またはタッチパネルの表示画面に設けることは好適である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の保護フィルムについて説明する。なお、本実施形態においては、図10(a)および(b)ならびに図11に示す第1の実施形態の保護フィルム40と同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図12(a)は、本発明の第1の実施形態に係る保護フィルムを示す模式的断面図であり、(b)は、図12(a)の模式的平面図である。図13は、図12(b)のII−II線による断面図である。
図12(a)に示すように、本実施形態の保護フィルム50は、第1の実施形態の保護フィルム40(図10(a)参照)に比して、保護層52の構成が異なり、それ以外の構成については、第1の実施形態の保護フィルム40と同様であり、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の保護層52は、図12(b)に示すように、その表面52aに凹部54が所定の間隔を設けて複数形成されている。図12(a)に示すように、保護層52においては、凹部54と、この凹部54に隣接する凹部54との間が凸部56となる。保護層52には、これらの凹部54および凸部56とが連続的な周期構造で形成されている。この保護層52の凹凸構造は、正弦波関数のような連続的で規則的な周期性を有するものである。凹凸構造が、規則的な周期性をもつものであり、凹部の角部54cは、連続的に変化する形状となる。このため、角部54cは、所定の曲率を有することが好ましい。
保護層52は、第1の実施形態の保護層44と同様に、フッ素を含む材料により構成されていればよい。保護層52は、例えば、フッ素系ポリマ、エチレン四フッ化エチレン(ETFE)、サイトップ(登録商標)、テフロン(登録商標)AFが挙げられる。
図13に示すように、保護層52の凹凸構造における凹部54および凸部56の周期をtとする。また、凹部54の深さをhとする。
凹部54の深さhは、保護層52の表面から凹部54の底部までの距離である。
本実施形態においても、第1の実施形態の凸部46と同様に、凸部56の幅dが定義される。この凸部56の幅dは、凸部56のh/2の高さで線Vを引き、この線Vと、凹部54の内壁54bとが交わる点Qにおける接線Tbと、保護層52の表面52a、すなわち、凸部56の頂点における接線Taとが交差する点wをする。1つの凸部56における点wの2点間の距離を、凸部56の幅dとする。また、凹部54の幅sは、周期tから凸部56の幅dを引いたものである。
本実施形態の保護フィルム50において、反射が防止されるに必要な条件は、第1の実施形態の保護フィルム40と同様である。保護層52に、例えば、テフロン(登録商標)AF(屈折率1.3)を用いた場合、周期tは290nm以下であり、凹部54の深さhは120nm以上である。
また、本実施形態の保護フィルム50において、防汚性を得るために必要な凹凸構造における上記数式15により得られる面積比率は20%以上であり、更に好ましくは40%以上である。
また、上記数式15から、周期tが290nmであり、かつ面積比率が20%である場合、凸部56の幅dは118nmとなる。また、また、図13に示すように、凹部54の幅sは172nm(=290nm−118nm)となる。
また、凹部54の内壁54bと保護層52の表面52aとの境界における曲率半径ρは、凹部54の幅sおよび凸部の高さh(凹部54の深さh)よりも小さいことが好ましい。曲率半径ρをd/2とすると、曲率半径ρは59nmである。この曲率半径ρは、凹部54の幅s(=172nm)および凹部54の深さh(=170nm)よりも小さい。このようにして、本実施形態においては、反射防止性が発現する条件と防汚性が発現する条件との両方を満足する凹凸構造が得られる。
なお、凹部54の内壁54bと保護層52の表面52aとのなす角度α(凹部54の角部54cの角度α)は126°以下であり、望ましくは115°以下である。
また、本実施形態の保護フィルム50の製造方法も、第1の実施形態の保護フィルム40と同様であり、その詳細な説明は省略する。
先ず、可視光域において透明なセルロースエーテルまたはポリオレフィンなどからなる支持基板42を用意する。
次に、支持基板42の表面に保護層52を構成するフッ素系ポリマ、エチレン四フッ化エチレン(ETFE)、サイトップ(登録商標)、またはテフロン(登録商標)AFなどの材料を塗布し、塗膜を形成する。
次に、凹凸構造のパターンが形成された金型を塗膜の表面に押し付けて塗膜を昇温するか、または塗膜を昇温した状態で金型を塗膜の表面へ押し付け、固化させ、金型のパターンを塗膜の表面に転写する。次に、金型を塗膜から離す。このようにして、保護フィルム50を作製することができる。
なお、本実施形態の保護フィルム50においても、第1の実施形態の保護フィルム40と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の保護フィルム60について説明する。なお、本実施形態においては、図10(a)および(b)ならびに図11に示す第1の実施形態の保護フィルム40と同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図14は、本発明の第3の実施形態に係る保護フィルムを示す模式的断面図である。
図14に示すように、本実施形態の保護フィルム60は、第1の実施形態の保護フィルム40(図10(a)参照)に比して、保護層44が設けられておらず、可視光域において透明な支持基板62に凸部64および凹部66が形成されている点、および支持基板62の凸部64および凹部66に防汚機能層68が形成されている点が異なり、それ以外の構成については、第1の実施形態の保護フィルム40と同様であり、その詳細な説明は省略する。
支持基板62としては、例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、およびプロピオニルセルロースなどのセルロースエーテル、または、例えば、ポリプロピレン、ポリエチラン、およびポリメチルペンテンなどのポリオレフィンを用いることができる。また、本実施形態の支持基板62は、上記数式18、および数式19を満足するものである。
防汚機能層68は、それ自身が撥液性を有するものであり、例えば、パーフルオロ基を含むフルオロアルキルシランなどのフッ素系低分子材料により構成されるものである。
また、防汚機能層68は、支持基板62に形成された凸部64および凹部66により構成される凹凸構造を維持することができる程度の厚さが十分薄いものである。
防汚機能層68は、例えば、厚さが10nm以下である。この防汚機能層68の厚さは、反射防止性の発現条件および防汚性の発現条件に比べて十分薄く、支持基板62に形成される反射防止性が発現する条件と防汚の条件を満たす凹凸構造に影響を与えることなく、支持基板62の局所的な凹凸構造が維持される。
本実施形態の保護フィルム60においては、凹凸構造の反射防止性が発現する条件は、支持基板62の屈折率が1.4程度であり、第1および2の実施形態に比して、多少大きくなるものの、反射防止性と防汚性との両方の機能を有するものとすることができる。
なお、本実施形態の保護フィルム60においては、防汚機能層68を設けることにより、支持基板62の凹凸構造に基づく局所的な凹凸構造を有する表面構造による撥液性を発現させることができるとともに、防汚機能層68よる撥液性の効果の2つの効果を得ることができる。
また、本実施形態の保護フィルム60の製造方法も、第1の実施形態の保護フィルム40と同様であり、その詳細な説明は省略する。
先ず、可視光域において透明なセルロースエーテルまたはポリオレフィンなどからなる支持基板62を用意する。
次に、支持基板62の表面に、凹凸構造のパターンが形成された金型を塗膜の表面に押し付けて塗膜を昇温するか、または塗膜を昇温した状態で金型を塗膜の表面へ押し付け、固化させ、金型のパターンを塗膜の表面に転写する。次に、金型を塗膜から離す。
次に、例えば、酸素プラズマを用いて凸部64および凹部66のクリーニングを行う。
次に、凸部64および凹部66に、例えば、スピンコート、液中に浸漬する方法、真空蒸着、または気相吸着により、支持基板62に形成された凸部64および凹部66により構成される凹凸構造を維持できる程度に厚さが十分薄い、例えば、10nm以下の厚さの防汚機能層68を形成する。このようにして、図14に示す保護フィルム60を作製することができる。
なお、本実施形態の保護フィルム60においても、第1の実施形態の保護フィルム40と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
また、本実施形態の保護フィルム60においては、支持基板62の裏面に、可視光域において透明な下基板を設けてもよい。
さらに、本実施形態においては、支持基板62に形成した凹凸構造は、支持基板62の表面に凸部64を形成するものに限定されるものではなく、第2の実施形態のように、支持基板62の表面に凹部を形成するものであってもよい。
以上のように、本発明の保護フィルムにおいては、指紋、皮脂、汗、および化粧品などの汚れを防ぐことができるため、タッチパネル、または各種モニタの表面に貼り付けるフィルターなどに好適に用いることができる。
以上、本発明の保護フィルムについて説明したが、本発明は上述の実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良または変更を行ってもよいのは、もちろんである。
縦軸にcosθをとり、横軸にcosθをとって撥液性増大の領域と、親液性の増大領域とを示すグラフである。 縦軸にcosθをとり、横軸にcosθをとって本発明の表面構造モデルにおける接触角θと見かけの接触角θとの更に詳細な関係を示すグラフである。 (a)および(b)は、本発明の表面構造モデルにおける凹部の形状を示す模式的断面図である。 (a)および(b)は、本発明の表面構造モデルにおける凸部の形状を示す模式的断面図である。 (a)は、本発明の表面構造モデルにおける開口部が円形の凹部の面積比率を算出するモデルを示す模式図であり、(b)は、本発明の表面構造モデルにおける円柱状の凸部の面積比率を算出するモデルを示す模式図である。 凸部が複数設けられた凸パターンの構造を示す模式的斜視図である。 (a)は、屈折率が一様な媒質における反射を説明する模式図であり、(b)は、図7(a)における屈折率の分布を示す模式図である。 (a)は、連続的な屈折率分布を有する媒質における反射を説明する模式図であり、(b)は、図8(a)における屈折率の分布を示す模式図である。 (a)は、反射光を低減する凹凸構造を示す模式図であり、(b)は、図9(a)の凹凸構造における屈折率の分布を示す模式図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る保護フィルムを示す模式的断面図であり、(b)は、図10(a)の模式的平面図である。 図10(b)のI−I線による断面図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る保護フィルムを示す模式的断面図であり、(b)は、図12(a)の模式的平面図である。 図12(b)のII−II線による断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る保護フィルムを示す模式的断面図である。 平面上に滴下された液体の表面張力と、固体の表面張力と、固体と液体との間に働く界面張力と、接触角との関係を示す模式図である。 ウェンゼル(Wentzel)モデルを示す模式図である。 縦軸にcosθをとり、横軸にcosθをとってウェンゼルモデルにおける接触角θと見かけの接触角θとの関係を示すグラフである。 カッシー(Cassie)モデルを示す模式図である。 (a)は、カッシーモデルにおいて、固体が撥液性を有する状態を示す模式的断面図であり、(b)は、カッシーモデルにおいて、固体が親液性を有する状態を示す模式的断面図である。 縦軸にcosθをとり、横軸にcosθをとってカッシーモデルにおける接触角θと見かけの接触角θとの関係を示すグラフである。 縦軸にcosθをとり、横軸にcosθをとってウェンゼルーカッシー統合モデルにおける接触角θと見かけの接触角θとの関係を示すグラフである。
符号の説明
10 固体
10a 表面
12a 側壁
12、48、56、66 凹部
13、46、54、64 凸部
13a 外壁
13b 上面
46c,54c 角部
40、50、60 保護フィルム
42、62 支持基板
44、52 保護層
54b 内壁
68 防汚機能層

Claims (15)

  1. 透明な支持基板と、
    前記支持基板の表面に形成され、フッ素を含有する保護層とを有し、
    前記保護層は、凹部および凸部が周期的に連続な凹凸構造を有し、前記凹凸構造は、周期をt(nm)、高さをh(nm)、前記保護層の屈折率をnbとするとき、
    t≦390/nb(nm)およびh/t≧0.4を満たすことを特徴とする保護フィルム。
  2. 前記凸部は、先端部の曲率半径が、前記凹部の幅および前記凹部の深さのいずれか小さいほうの値よりも小さい請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 前記凸部は、先端部の曲率半径が、前記凹部の幅および前記凹部の深さのいずれか小さいほうの値の1/2以下である請求項1に記載の保護フィルム。
  4. 前記保護層に対する凸部を除いた前記凸部の面積比率は、60%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  5. 前記保護層に対する凸部を除いた前記凸部の面積比率は、40%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  6. 前記凹部の前記保護層に対する面積比率は、20%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  7. 前記凹部の前記保護層に対する面積比率は、40%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  8. 凹部および凸部が周期的に連続な凹凸構造を表面に有し、前記凹凸構造は、周期をt(nm)、高さをh(nm)、屈折率をnbとするとき、t≦390/nb(nm)およびh/t≧0.4を満たす透明な支持基板と、
    前記支持基板の表面に、前記凹凸構造を維持した状態で形成されたフッ素を含む材料からなる防汚機能層とを有することを特徴とする保護フィルム。
  9. 前記凸部は、先端部の曲率半径が、前記凹部の幅および前記凹部の深さのいずれか小さいほうの値よりも小さい請求項8に記載の保護フィルム。
  10. 前記凸部は、先端部の曲率半径が、前記凹部の幅および前記凹部の深さのいずれか小さいほうの値の1/2以下である請求項8に記載の保護フィルム。
  11. 前記支持基板に対する凸部を除いた前記凸部の面積比率は、60%以下である請求項8〜10のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  12. 前記支持基板に対する凸部を除いた前記凸部の面積比率は、40%以下である請求項8〜10のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  13. 前記凹部の前記支持基板に対する面積比率は、20%以上である請求項8〜10のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  14. 前記凹部の前記支持基板に対する面積比率は、40%以上である請求項8〜10のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  15. 前記支持基板の裏面に下基板が設けられている請求項8〜14のいずれか1項に記載の保護フィルム。
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