JP2007075712A - 無菌化電気透析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無菌化された状態で脱塩処理液や有機酸などの脱塩物を回収することが可能な電気透析方法を提供する。
【解決手段】 脱塩処理室5内に正極13及び負極23が設けられているとともに、脱塩処理室5内には、正極13が円筒状アニオン交換膜11の内部に収容された正極隔室7及び負極23が円筒状カチオン交換膜23の内部に収容された負極隔室9が形成されている電気透析装置を使用し、脱塩処理室5或いは電極隔室(正極隔室7及び負極23)の少なくとも一方の内部を無菌化処理した後に、脱塩処理室5内に電解質の処理液を供給して電気透析を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気透析により脱塩処理液或いは塩の濃縮液を無菌化された状態で得ることが可能な方法に関する。
天然果汁等の飲料は、一般に、衛生上の観点からボトル等の容器に無菌充填して市販されている。しかしながら、このような飲料には、例えば野菜や果実の生育のために使用される各種肥料や植物の代謝産物に由来して、シュウ酸イオン、硝酸イオン、クエン酸イオンなどのアニオン成分をも含んでいる。このようなアニオン成分は、必ずしも人体に有害な成分ではないが、健康飲料としてのイメージが大きい天然果汁等のジュース類では、できれば含有していないか適量であることが望まれる。このようなアニオン成分の除去方法としては、所謂電気透析による脱塩処理が知られている。
ところで、電気透析による脱塩処理は、塩化ナトリウムの製造や純水製造に古くから利用されており、最近では、ホエーの脱塩やワイン中の不純物の分離などをはじめ、屎尿の処理にも利用されている(例えば特許文献1参照)。
特開平7−256297号公報
しかるに、無菌化されて市販される前述したジュース類では、電気透析による脱塩処理に付して不要なイオンを除去する場合には、処理液を無菌状態で回収することが望まれるが、無菌状態で脱塩された処理液を回収する電気透析方法は、これまで全く試みられていない。電気透析を行う装置には、多数の小孔を有するイオン交換膜を使用しているため、無菌化処理が困難であると考えられていたためであると思われる。
また、乳酸等の有機酸には、乳酸菌などの生体触媒を用いての発酵などの反応により製造されるが、生成した有機酸を生体触媒と分離して無菌化された状態で得る必要があり、このような有機酸を簡単に回収する方法が求められている。
従って、本発明の目的は、無菌化された状態で脱塩処理液や有機酸などの脱塩物を回収することが可能な電気透析方法を提供することにある。
本発明によれば、脱塩処理室内に正極及び負極が設けられているとともに、該脱塩処理室内には、正極及び負極の何れか一方の電極が該電極と逆極性のイオンの透過を許容する円筒状イオン交換膜の内部に収容された電極隔室が形成されている電気透析装置を使用して電気透析を行う方法において、
前記脱塩処理室及び前記電極隔室の少なくとも一方の内部を無菌化処理した後に、脱塩処理室内に電解質の処理液を供給して電気透析を行う方法が提供される。
本発明の電気透析方法に用いる電気透析装置においては、
(1)前記電極隔室が、円筒状アニオン交換膜の内部に正極が収容された正極隔室と、円筒状カチオン交換膜の内部に負極が収容された負極隔室であること、
(2)前記電極隔室は、円筒状イオン交換膜の上端及び下端がそれぞれ上部ホルダー及び下部ホルダーで封止されており、該上部ホルダーを通して、極液が該電極隔室に循環供給されること、
(3)前記上部ホルダー及び下部ホルダーは、接着剤で円筒状イオン交換膜の上端及び下端に接着固定されていること、
(4)前記円筒状イオン交換膜として、膜抵抗が70〜120Ω、35℃温水中での含水率が30〜50重量%、イオン交換容量が0.7〜1.5meq/g−dry、及び膜厚が0.7〜3mmの範囲にあるものを使用すること、
が好ましい。
また、本発明においては、
(5)前記無菌化処理を、105℃よりも高い温度での水蒸気を用いての水熱処理により行うこと、
が好ましい。
さらに本発明においては、
(6)前記脱塩処理室には処理液を供給するための供給ラインと脱塩処理された処理液を回収するための回収ラインとが接続され、且つ前記電極隔室には極液を循環する循環ラインが接続されており、前記供給ラインから脱塩処理室を通して前記回収ラインに前記水蒸気を流すことによって、該脱塩処理室、供給ライン及び回収ラインを選択的に無菌化処理し、この後に、該供給ラインを介して該脱塩処理室に無菌化された処理液を供給し且つ該循環ラインを介して極液を該電極隔室に循環供給しながら電気透析を行い、前記回収ラインを介して無菌状態で脱塩された処理液を回収すること、
或いは、
(7)前記電気透析装置には、前記電極隔室に極液を循環する循環ラインが接続されており、該循環ラインを介して該電極隔室に前記水蒸気を流すことによって、該電極隔室及び循環ラインを選択的に無菌化処理し、この後に、該脱塩処理室に処理液を供給し且つ該循環ラインを介して極液を該電極隔室に循環供給しながら電気透析を行い、前記処理液からのイオンを前記極液中に濃縮された液として無菌状態で得ること、
が好適である。
本発明において、前記処理液からのイオンを無菌状態で回収する場合には、
(8)前記処理液として、生体触媒及び生体触媒による反応生成物である酸を含み、該酸の濃縮液を該生体触媒と分離して無菌状態で得ること、
が好ましく、特に、
(9)前記脱塩処理室には、前記処理液を循環する処理液循環ラインが接続されており、該処理液循環ラインが接続された状態で無菌化処理を行うこと、
が好適である。
本発明においては、円筒状のイオン交換膜により形成された電極隔室によって、電気透析が行われる処理液と、該処理液から分離されたイオンとが隔てられているため、処理液が導入される脱塩処理室或いは電極隔室を無菌化して電気透析を行うことにより、脱塩された処理液或いは処理液から分離したイオン濃縮液を無菌化された状態で回収することができる。
例えば、脱塩処理室を無菌化して、天然果汁等の飲料を処理液として脱塩処理室に導入し、正極及び負極に所定の電圧を印加して電気透析を行えば、脱イオンされた飲料を、無菌状態で回収することができ、これを、加熱等の殺菌処理に付することなく、直ちにボトル等の容器に無菌充填することができる。
また、電極隔室を無菌化した後、脱塩処理室に、乳酸菌等の生体触媒を含む反応液を循環供給すれば、生成した有機酸を生体触媒と分離し、電極隔室に回収することができ、無菌化した状態で有機酸を得ることができる。即ち、この場合には、電気透析装置をバイオリアクターとして使用することができる。
本発明においては、無菌化処理は、105℃よりも高い温度での水蒸気を用いての水熱処理により行われるが、このような無菌化処理は、脱塩処理室に、処理液の供給ラインや回収ライン或いは処理液循環ラインを接続し、電極隔室に極液循環ラインを接続した状態で行うことが好ましい。即ち、電極隔室と脱塩処理室との間には、熱に対して安定な筒状イオン交換膜が隔壁として存在しているため、前記各ラインが接続した状態で、これらのラインを介して無菌化用(滅菌用)の水蒸気を脱塩処理室或いは電極隔室に流すことにより、脱塩処理室や電極隔室及びこれらに連なるラインを一括で選択的に無菌化することができる。
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、脱塩された処理液を無菌状態で回収するプロセスを説明するための図であり、
図2は、図1のプロセスにおいて、電気透析装置中の無菌化された領域を示す概念図であり、
図3は、処理液からの脱イオンを無菌状態で回収するプロセスを説明するための図であり、
図4は、図3のプロセスにおいて、電気透析装置中の無菌化された領域を示す概念図である。
図1を参照して、本発明方法においては、全体としてAで示す電気透析装置を使用し、この電気透析装置Aには、電気透析により脱塩処理すべき原液が三方弁1を介してポンプ2により供給されるようになっており(この供給ラインを全体としてBで示す)、脱塩処理された処理液は、三方弁3を介して回収されるようになっている(この回収ラインを全体としてCで示す)。
上記で用いる電気透析装置Aは、密閉構造の脱塩処理室5を有しており、この脱塩処理室3内に、正極隔室7及び負極室9が設けられている。
正極隔室7は、円筒状のアニオン交換膜11の内部に、ステンレス等の金属などからなる中空円筒状の正極13が収容されており、該アニオン交換膜11の上端及び下端は、それぞれ剛性の金属等からなる上部ホルダー15、下部ホルダー17によって封止されている。同様に、負極隔室9は、円筒状のカチオン交換膜21の内部に、ステンレス等の金属などからなる中空円筒状の負極23が収容されており、該カチオン交換膜21の上端及び下端は、それぞれ剛性の金属等からなる上部ホルダー25、下部ホルダー27によって封止されている。
上記の正極隔室7及び負極隔室9において、円筒状のアニオン交換膜11及びカチオン交換膜21は、それぞれ、シール性が損なわれないように、接着剤によって上部ホルダー15,25及び下部ホルダー17,27に接着固定される。尚、かかる接着剤としては、後述する無菌化処理によってシール性が損なわれないように、耐熱性の良好なものを用いるのがよい。また、中空筒状の正極13及び負極23は、それぞれ、その上端が上部ホルダー15,25に嵌合固定されており、この際、Oリング等によりシール性が確保されている。
また、正極隔室7及び負極隔室9には、水道水、或いは食塩などの電解質塩を水に添加した塩水溶液等の極液が、Dで示す循環ラインにより循環されるようになっている。例えば、この循環ラインDにおいては、脱塩処理室5の上壁及び上部ホルダー15,25を介して供給パイプ及び排液パイプが正極隔室7及び負極隔室9内に延びており、図1に示されているように、極液が、中空筒状の正極13及び負極23の内部に供給され、供給された極液は、正極13及び負極23の下端から外部に流れ、上端から排出されるようになっている。また、この循環ラインDには、循環供給用ポンプ30と濃縮槽31とが設けられている。
本発明においては、上記のような電気透析装置Aを用いて電気透析が行われるが、この電気透析に先立って、先ず無菌化処理を行う。この無菌化処理は、電気透析装置Aに各ラインB〜Dが接続された状態で行われ、105℃よりも高温の水蒸気などの滅菌用蒸気を、三方弁1を介してポンプ2から脱塩処理室5内に通し、三方弁3を介して排出することにより行われる。かかる無菌化処理は、脱塩処理室5の容量に応じて、該処理室5が完全に無菌化されるまで行う。これにより、図2に示すように、処理液供給ラインB、脱塩処理室5及び脱塩処理液回収ラインCが選択的に無菌化処理されることとなる(図2において、無菌処理される領域はハッチングで示されている)。
上記の無菌化処理された後、無菌化されたパイプ(図示せず)を三方弁1に接続し且つ無菌化されたパイプ(図示せず)を三方弁3に接続し、例えば所定の加熱処理により無菌化された天然果汁等のジュースなどを原液(処理液)として、これを、三方弁1及びポンプ2を介して無菌化された脱塩処理室5に供給し、電気透析による脱塩処理を行う。
このような処理は、正極隔室7及び負極隔室9にポンプ30を用いて極液を循環させ、且つ正極13と負極23との間に適当な電圧を印加することにより行われる。即ち、円筒状のアニオン交換膜11は、表面から内面に貫通している多数の細孔を有する多孔質の架橋樹脂から形成されており、その表面及び内部には、第4級アンモニウム塩基等のアニオン交換基が存在する構造を有している。同様に、円筒状のカチオン膜21は、その表面及び内部には、スルホン酸基等のカチオン交換基が存在する構造を有している。このため、正極13及び負極23に電圧を印加することにより、処理液中のアニオンは、生じた電界によって、円筒状アニオン膜11を通過して正極隔室7内に移行する。一方、処理液中のカチオンは、円筒状のカチオン交換膜21を通過して、負極隔室9内に移行する。従って、正極隔室7内を循環する極液のアニオン濃度は次第に増大し、濃縮槽31内に回収され、同様に、負極隔室9内を循環する極液のカチオン濃度は次第に増大し、濃縮槽31内に回収される。この結果、処理液中のアニオン及びカチオン成分は、濃縮槽31で塩として取り出される。
一方、処理液は、無菌化された脱塩処理室5内から無菌化されたままの状態で、上記のアニオンやカチオン成分が分離された状態で三方弁3を介して取り出され、無菌化処理することなく、そのままの状態でボトル等の容器に無菌充填される。
このような本発明の方法によれば、脱塩処理室5を含め、処理液及び脱塩処理された処理液(脱塩処理液)が流れるラインが、図2に示されるように、一括で選択的に無菌化処理されており、この状態で電気透析が行われる。この結果、例えば天然果汁等のジュース類から、硝酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオンなどの不要もしくは過剰のアニオン成分を有効に除去し、また、Ca分、鉄分、Mgなどのカチオン成分も同時に除去され、このようなイオン成分が分離した液を無菌状態で回収することができる。
上述した図1及び図2の例では、脱塩処理室5を無菌化することにより、脱イオンされた処理液を無菌状態で回収する際のプロセスを示すが、本発明では、逆に、正極隔室7及び負極隔室9を無菌化処理し、これらの隔室7及び9からイオン成分を無菌化された状態で回収することもできる。
即ち、図3に示すプロセスにおいて、用いる電気透析装置Aの構造は、図1の場合と実質的に同じである。但し、このプロセスにおいては、脱塩処理室5は、場合によっては開放系であってもよい。
図3において、電気透析装置Aの脱塩処理室5には、例えば生体触媒及び反応原料を含む培養液が処理液としてポンプ50により循環供給されるようになっており、全体としてEで示すこの原液循環ライン中には、反応原料液或いは生体触媒などを添加する反応液調整槽51が設けられている。即ち、かかるプロセスは、乳酸、クエン酸、酢酸、グルコン酸などの発酵法による有機酸の製造に利用され、電気透析装置Aは、所謂バイオリアクターとして利用することができる。従って、原料液としては、上記の各種有機酸の製造原料が使用され、例えば乳酸の製造に際しては、デンプン、グルコースなどの水溶液が使用され、生体触媒としては、発酵を促進するもの、例えば乳酸の製造に際しては、乳酸菌などが使用される。
また、図3のプロセスにおいては、イオン交換水を極液として、三方弁53及びポンプ55を介して、正極隔室7及び負極隔室9に循環供給されるようになっており、図1と同様にDで示されているこの循環ラインには、排出用の四方弁57が設けられている。
先ず、電気透析により処理に先立っては、上記の原液循環ラインEや極液循環ラインDが接続された状態で、正極隔室7及び負極隔室9の無菌化処理が行われる。この無菌化処理は、正極隔室7及び負極隔室9について行われることを除けば、図1のプロセスと実質的に同様にして行うことができる。即ち、105℃よりも高温の加熱水蒸気を滅菌用蒸気として、三方弁53及びポンプ55を介して正極隔室7及び負極隔室9に循環供給して無菌化処理を行い、処理後、四方弁57から加熱水蒸気を排出する。これにより、図3に示すように、正極隔室7、負極隔室9及びこれらに連なる極液循環ラインDが選択的に無菌化処理される(図4において、無菌処理される領域はハッチングで示されている)。
次いで、極液としてイオン交換水を三方弁53及びポンプ55を介して、正極隔室7及び負極隔室9に循環供給しながら、脱塩処理室5に、生体触媒を含む培養液を循環供給する。勿論、この培養液は、必ずしも循環する必要は無く、バッチ式で、処理ごとに脱塩処理室5に培養液を供給することもできる。
このようにして脱塩処理室5に培養液が供給された状態で、図1のプロセスと同様、正極13及び負極23に所定の電圧を印加した状態で電気透析による処理が行われるが、この例では、脱塩処理室5内を、培養液に含まれる生体触媒が繁殖しやすい温度に保持しておくことが好適である。即ち、この場合には、脱塩処理室5は培養槽として機能する。
上記のようにして電気透析による処理を行うと、生体触媒による発酵等の反応によって生成した有機酸は、円筒状のアニオン交換膜11を通って無菌化された正極隔室7に移行し、生体触媒と分離される。また、培養液中に含まれる各種のカチオンは、円筒状のカチオン交換膜21を通って無菌化された負極隔室9に移行する。従って、電気透析による処理を続けていくと、循環されているイオン交換水中のアニオン(有機酸)及びカチオン濃度は次第に増大していく。従って、適度な濃度に達した段階で、四方弁57に無菌化されたパイプを接続し、四方弁57から、有機酸塩の濃縮液として有機酸を無菌化された状態で回収することができる。
このように、正極隔室7及び負極隔室9に移行したアニオン及びカチオンを無菌化した状態で回収するプロセスは、電気透析装置Aをバイオリアクターとして機能させることができる。
上述した図1及び図3に示すプロセスにおいて、円筒状のアニオン交換膜11及びカチオン交換膜21は、何れも、膜抵抗が70〜120Ω、35℃温水中での含水率が30〜50重量%、イオン交換容量が0.7〜1.5meq/g−dry、及び膜厚が0.7〜3mmの範囲にあることが好ましい。即ち、このような物性を有するイオン交換膜を用いることにより、これらの膜による菌の遮断を有効に行うことができる。例えば、膜厚が上記範囲よりも薄いと、脱塩処理室5と電極隔室(正極隔室7及び負極隔室9)との間で菌を遮断することが困難となり、例えば図1のプロセスでは、電極隔室から脱塩処理室5に菌が移行してしまうため、無菌化された処理液を得ることが困難となってしまう。また、無菌化処理に際して、水蒸気のリークが多量に発生し、脱塩処理室5或いは電極隔室(正極隔室7及び負極隔室9)の無菌化の効率が低下する。さらに、図3のプロセスでは、脱塩処理室5から電極隔室に菌が移行してしまい、特に生体触媒から分離して有機酸を回収することが困難となってしまう。また、上記範囲よりも膜厚が厚いと、無菌化の点では問題はないが、電気透析に際して、必要以上に高電圧を印加することが必要となったり、電気透析の処理効率が著しく低下してしまう。
また、上述した本発明においては、種々の変更が可能である。例えば、図1のプロセスでは、処理液から除去するイオンの極性に合わせて正極隔室7或いは負極隔室9を形成すればよい。即ち、アニオンのみを除去し、カチオンを除去する必要がないときは、正極隔室7のみを形成し、対極は、単に負極を配置するのみでよい。
また、図1のプロセスと図2のプロセスとを併用することも勿論可能である。即ち、脱塩処理室5と電極隔室(正極隔室7及び負極隔室9)の両方を無菌化処理して電気透析による処理を行うこともできる。この場合には、脱塩処理された液及び処理液から分離された塩の何れをも無菌化された状態で回収することができる。
本発明を次の例で説明する。
(実験例1)
電気透析装置として、下記仕様の円筒型電気透析装置を使用し、図1に示すように、電気透析装置に供給ラインB、回収ラインC及び極液循環ラインDを接続した。
脱塩処理室(密閉型)容積: 1000cm
アニオン交換膜(株式会社アストム製)
アニオン基:第4級アンモニウム基
径:35mm
長さ:100mm
膜厚:2.0mm
膜抵抗: 85 Ω
含水率: 32 重量%
イオン交換容量: 1.2 meq/g−dry
カチオン交換膜(株式会社アストム製)
カチオン基:スルホン酸基
径:35mm
長さ:100mm
膜厚:2.0mm
膜抵抗: 90 Ω
含水率: 35 重量%
イオン交換容量: 1.1 meq/g−dry
電極管(正極及び負極)
径: 13.8mm
電極間距離: 60mm
極液:イオン交換水
尚、上記アニオン交換膜及びカチオン交換膜は、無発泡ウレタン樹脂からなる接着剤を用いて、それぞれ上部ホルダー及び下部ホルダーに固定した。
上記のような電気透析装置に供給ラインB、回収ラインC及び極液循環ラインDが接続された状態で、105℃の水蒸気を供給ラインBの三方弁から供給ラインB、脱塩処理室及び回収ラインCに10分間流して無菌化処理を行った。
上記の無菌化処理後、供給ラインBの三方弁から脱塩処理室に、1000mlのカゴメ製トマトジュース(食塩無添加)を投入し、同時に、極液循環ラインDから正極隔室及び負極極室に、イオン交換水1000mlを循環し、この状態で、電極間に35Vの電圧を印加し、電気透析による脱イオン処理を150分間行った。
上記の脱イオン処理後に、回収ラインCから脱塩処理液を回収した。
脱塩処理に供したトマトジュース5mlと無菌ブイヨン液体500mlを滅菌した密封ガラス容器に入れ、7日間、25℃の恒温室内で静置保管した。この液について、微生物の育成は全く認められなかった。
回収された脱塩処理液について、同様の微生物の育成試験を行った結果、微生物の育成は全く認められなかった。
脱塩処理に供したトマトジュースおよび回収された脱塩処理液について、クエン酸とシュウ酸イオン濃度を測定した。クエン酸イオンの濃度は、脱塩前が67mMに対し、脱塩処理後が1mMであった。また、シュウ酸イオンの濃度は、脱塩前が25mMに対し、脱塩処理後が2mMであった。
(実験例2)
電気透析装置として、実験例1の仕様の円筒型電気透析装置を使用し、図3に示すように処理液循環ラインE及び極液循環ラインDを接続した。
上記のように処理液循環ラインE及び極液循環ラインDが電気透析装置に接続された状態で、115℃の水蒸気を極液循環ラインDの三方弁から正極隔室及び負極隔室に5分間流して無菌化処理を行った。
上記の無菌化処理後、処理液循環ラインEから脱塩処理室に、下記の処理液をを投入し、同時に、極液循環ラインDから正極隔室及び負極極室に、イオン交換水1000mlを循環し、この状態で、電極間に35Vの電圧を印加し、電気透析による脱イオン処理を48時間行った。また、この電気透析発酵処理は、脱塩処理室を45℃に保持した状態で行った。
処理液:大豆煮汁(大豆蒸煮廃液)に廃糖蜜を10%量添加した液状培地を用い、
生体触媒として好熱性乳酸菌を乾燥重量で0.17%含有。
上記の脱イオン処理後に、極液循環ラインDから極液を回収したところ、乳酸を15重量%含有していた。また、この処理液中および極液中の生体触媒量を乾燥重量法および乳酸菌コロニー検出法で測定した。処理液中には、乾燥重量で0.17%の乳酸菌が含まれていたが、極液中では全く検出されなかった。
比較のために、無菌化処理を行わずに、上記と全く同様に電気透析発酵処理を行ったところ、乳酸を9重量%含有する極液が回収されたが、この極液中の生体触媒量は乾燥重量で0.12%(内乳酸菌は、0.10%で0.02%は汚染菌)であったが、極液中には全く微生物は検出されなかった。
脱塩された処理液を無菌状態で回収するプロセスを説明するための図。 図1のプロセスにおいて、電気透析装置中の無菌化された領域を示す概念図。 処理液からの脱イオンを無菌状態で回収するプロセスを説明するための図。 図3のプロセスにおいて、電気透析装置中の無菌化された領域を示す概念図。
符号の説明
A:電気透析装置
5:脱塩処理室
7:正極隔室
9:負極隔室
11:円筒状アニオン交換膜
13:正極
15:上部ホルダー
17:下部ホルダー
21:円筒状カチオン交換膜
23:負極
25:上部ホルダー
27:下部ホルダー

Claims (10)

  1. 脱塩処理室内に正極及び負極が設けられているとともに、該脱塩処理室内には、正極及び負極の何れか一方の電極が該電極と逆極性のイオンの透過を許容する円筒状イオン交換膜の内部に収容された電極隔室が形成されている電気透析装置を使用して電気透析を行う方法において、
    前記脱塩処理室及び前記電極隔室の少なくとも一方の内部を無菌化処理した後に、脱塩処理室内に電解質の処理液を供給して電気透析を行う方法。
  2. 前記電極隔室が、円筒状アニオン交換膜の内部に正極が収容された正極隔室と、円筒状カチオン交換膜の内部に負極が収容された負極隔室である請求項1に記載の方法。
  3. 前記電極隔室は、円筒状イオン交換膜の上端及び下端がそれぞれ上部ホルダー及び下部ホルダーで封止されており、該上部ホルダーを通して、極液が該電極隔室に循環供給される請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記上部ホルダー及び下部ホルダーは、接着剤で円筒状イオン交換膜の上端及び下端に接着固定されている請求項3に記載の方法。
  5. 前記円筒状イオン交換膜として、膜抵抗が70〜120Ω、35℃温水中での含水率が30〜50重量%、イオン交換容量が0.7〜1.5meq/g−dry、及び膜厚が0.7〜3mmの範囲にあるものを使用する請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
  6. 前記無菌化処理を、105℃よりも高い温度での水蒸気を用いての水熱処理により行う請求項1乃至5の何れかに記載の方法。
  7. 前記脱塩処理室には処理液を供給するための供給ラインと脱塩処理された処理液を回収するための回収ラインとが接続され、且つ前記電極隔室には極液を循環する循環ラインが接続されており、前記供給ラインから脱塩処理室を通して前記回収ラインに前記水蒸気を流すことによって、該脱塩処理室、供給ライン及び回収ラインを選択的に無菌化処理し、この後に、該供給ラインを介して該脱塩処理室に無菌化された処理液を供給し且つ該循環ラインを介して極液を該電極隔室に循環供給しながら電気透析を行い、前記回収ラインを介して無菌状態で脱塩された処理液を回収する請求項6に記載の方法。
  8. 前記電気透析装置には、前記電極隔室に極液を循環する循環ラインが接続されており、該循環ラインを介して該電極隔室に前記水蒸気を流すことによって、該電極隔室及び循環ラインを選択的に無菌化処理し、この後に、該脱塩処理室に処理液を供給し且つ該循環ラインを介して極液を該電極隔室に循環供給しながら電気透析を行い、前記処理液からのイオンを前記極液中に濃縮された液として無菌状態で得る請求項6に記載の方法。
  9. 前記処理液として、生体触媒及び生体触媒による反応生成物である酸を含み、該酸の濃縮液を該生体触媒と分離して無菌状態で得る請求項8に記載の方法。
  10. 前記脱塩処理室には、前記処理液を循環する処理液循環ラインが接続されており、該処理液循環ラインが接続された状態で無菌化処理を行う請求項9に記載の方法。
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