JP2007075686A - 圧力波発生装置及び圧力波発生装置の駆動方法 - Google Patents

圧力波発生装置及び圧力波発生装置の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
耐久性の高い高品質の圧力波発生装置及び圧力波発生装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明に係る圧力波発生装置は、圧力波を発生させる圧力波発生装置1であって、シリコン基板11と、当該シリコン基板11上に配設された熱絶縁層13と、当該熱絶縁層13上に形成された発熱体薄膜14と、当該発熱体薄膜14に接続され、発熱体薄膜14に駆動電流を供給する駆動部17とを備え、駆動電流は、振幅やパルスの間隔、あるいはパルス幅が変調されたパルス列から構成されたものである。そして、本発明に係る圧力発生装置は、当該変調されたパルス列に応じた圧力波を発生させて出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧力波発生装置及び圧力波発生装置の駆動方法に関し、特に超音波等を圧力波として発生させる圧力波発生装置及び圧力波発生装置の駆動方法に関する。
従来、超音波等の圧力波を発生させる圧力波発生装置には圧電素子等が用いられていた。圧電素子等の機械的な振動によって圧力波を発生する装置は、固有の共振周波数をもつため、発生する超音波の周波数範囲を広げることが困難であった。さらに、この圧力波発生装置は、回路との集積化が難しく、単品でしか製造できないため、装置の小型化やアレイ構造にするなどの機能を付加することが困難であった。
このような機械振動式の圧力波発生装置の問題点を解決するために、熱絶縁層上に発熱体薄膜を形成し、この発熱体薄膜を電気的に駆動する熱誘起式の圧力波発生装置が提案されている。特許文献1に、熱誘起式の圧力波発生装置の一例が開示されている。図9は、この熱誘起式の従来の圧力波発生装置の一構成例であり、その部分断面を示す模式図である。従来の圧力波発生装置では、基板901上に、ナノ結晶シリコン等の多孔質材料からなる熱絶縁層902が形成されている。熱絶縁層902上には、発熱電極としての発熱体薄膜903が形成され、この発熱体薄膜903に駆動電流が供給される。
この圧力波発生装置では、電極として機能する発熱体薄膜903に交流電流が供給されることによって圧力波を出力する。図10に、この圧力波の出力タイミングを示すタイミングチャートが示されている。図10(a)は入力される交流電流、図10(b)は発熱タイミング、図10(c)は発熱体薄膜表面温度の変化タイミング、図10(d)は圧力波の出力タイミングを示す。
図10(a)に示された交流電流(I)が圧力波発生装置に供給されると、図10(b)に示すように、ジュール熱による発熱(q)が発熱体薄膜903で生じる。すると、図10(c)に示すように、圧力波発生装置の表面に形成された発熱体薄膜903には、入力の交流電流の2倍の周波数で温度変化(T)が起きる。この発熱体薄膜903下に熱絶縁層902が配設されているため、温度変化する発熱体薄膜903は、直上の空気と効率よく熱交換を行う。この結果として空気の粗密が生じ、図10(d)に示すように、この空気の粗密が圧力波(P)として伝わる。このように、圧力波発生装置は非線形システムであるため、入力される交流電流の2倍の周波数で圧力波が出力される。そのため、圧力波として音波を出力するスピーカ等には、圧力波発生装置を応用することが困難となる。
このような圧力波発生装置をスピーカに応用する場合を、数式を用いて説明する。入力される交流電流をasinωtとすると、出力される音響信号は、
Figure 2007075686
に比例し、右辺の第2項に、入力の交流電流の2倍の周波数成分cos2ωtが生じている。
このような2倍の周波数成分が発生する課題を解決する方法として、入力される交流電流とともに、直流バイアスを印加する方法がある。図11に、この場合の電流波形が示されている。図11に示すように、入力の交流電流に大きさbの直流電流を加えた場合には、その入力信号の波形は、その直流バイアスbの分だけ入力の交流電流asinωtが正の方向にスライドしたものとなる。
この場合の出力を数式で示すと、出力される音響信号は、
Figure 2007075686
に比例し、入力の交流電流と同じ周波数ωの成分が見られる。このとき、直流バイアスbを入力の交流電流の振幅aよりも大きくすれば、事実上、2ωの周波数成分は無視できるほど小さくすることができる。具体的には、b≫aとすると、出力される音響信号は、
Figure 2007075686
となり、2ωの周波数成分が実質的に除去される。
この場合には、直流バイアスの大きさbが大きくなるにつれて、電流波形の直流成分が増加することになり、ナノ結晶シリコンから構成された熱絶縁層902上の発熱体薄膜903に流れる電流が増加する。この発熱体薄膜903の厚みは、熱容量値を可能な限り低減するために極めて薄く形成することが望ましい。そのため、この発熱体薄膜903への負荷は大きく、発熱体薄膜903が熱的な衝撃により切断される場合がある。さらには、発熱体薄膜903における抵抗値は、エレクトロマイグレーションによって変化することがあり、長期的に設計通りの駆動を実現することが困難となる場合もある。
特開平11−300274号公報
このように、従来の圧力波発生装置では、熱容量値を低減する目的で電極としての発熱体薄膜の厚みが薄いため、場合によっては、駆動電流によって発熱体薄膜が切断され、耐久性の高い圧力波発生装置を実現することが困難であるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、耐久性の高い高品質な圧力波発生装置及び圧力波発生装置の駆動方法を提供することを目的とする。
本発明に係る圧力波発生装置は、圧力波を発生させる圧力波発生装置であって、基板と、当該基板上に配設された熱絶縁層と、当該熱絶縁層上に配設された発熱電極と、当該発熱電極に接続され、変調されたパルス列から構成された駆動電流を生成する駆動部とを備えたものである。このような構成により、発熱電極に連続的な電流印加を避けることができるので、発熱電極への負荷を低減することができる。それ故、耐久性の高い高品質な圧力波発生装置を実現することができる。
さらに、前記変調を、前記パルス列の振幅変調としたり、前記パルス列の間隔の変調としたりすることができる。さらにまた、前記変調を、前記パルス列のパルス幅変調とすることもできる。
好適には、前記熱絶縁層を、ナノ結晶シリコン層とすることができる。
本発明に係る圧力波発生装置の駆動方法は、圧力波を発生させる圧力波発生装置を駆動する方法であって、変調されたパルス列を生成するステップと、当該生成したパルス列を印加するステップとを備えたものである。このような構成により、発熱電極に連続的な電流印加を避けることができるので、発熱電極への負荷を低減することができる。それ故、耐久性の高い高品質な圧力波発生装置を実現することができる。
さらに、前記パルス列を生成するステップでは、前記パルス列の振幅変調を行ったり、前記パルス列を生成するステップでは、前記パルス列の間隔の変調を行ったりする。さらにまた、前記パルス列を生成するステップでは、前記パルス列のパルス幅変調を行ってもよい。
本発明によれば、耐久性の高い高品質な圧力波発生装置及び圧力波発生装置の駆動方法を提供することができる。つまり、本発明の原理は、本発明の構造に係る圧力波発生装置が、広い周波数領域で概ねフラットな周波数特性を持つがゆえに、変調されたパルス信号によって源波形が再現できる点に着眼し、それによって上記高耐久の圧力波発生装置を実現している。
本発明に係る圧力波発生装置は、好適には、ナノ結晶シリコンの熱絶縁性を利用した音源であり、発熱電極へのダメージが少なく、音響信号を高品質で高い音圧で再生できるスピーカへの応用である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
発明の実施の形態1.
発明の実施の形態1においては、パルス状の駆動電流の振幅が変調される場合について説明する。
まず、図1を用いて、本発明に係る圧力波発生装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る圧力波発生装置の一構成例を示す模式図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は上面図である。また、図1においては、本発明に係る圧力波発生装置の主たる構成が示されている。
図1に示すように、本発明に係る圧力波発生装置1は、シリコン基板11、マスク層12、熱絶縁層13、発熱体薄膜14、パッド151,152、ワイヤ161,162、駆動部17を有する。
シリコン基板11は、ウェハをダイシングすることにより形成される。
マスク層12は、高抵抗の材料が用いられた層であり、パッド間の電気的絶縁の役割を果たす。このマスク層12の直下は多孔質の熱絶縁層ではなく、シリコン基板となるので、ワイヤボンド時の超音波の逃げによる接着不良を防止するチップ構造となる。これにより信頼性の高いワイヤの接続が可能となる。マスク層12は、例えば、SiCやシリコンナイトライド(窒化シリコン)等から構成されている。マスク層12は、シリコン基板11上に配設され、詳細には、シリコン基板12の4辺の周辺部に配設されている。このマスク層12は、ウェハ上では、ダイシング領域も兼ね、ダイシングによる多孔質層の破壊を防ぐ役割も果たす。
熱絶縁層13は、多孔質層を構成するナノ結晶シリコンを含むポーラスシリコン(PS)からなり、シリコン基板1の表面を陽極酸化させて形成される。また、熱絶縁層13は、高分子材料やガラス系材料から構成することも可能である。この熱絶縁層13は、マスク層12で囲われている外周部分の内側に配設されている。
発熱体薄膜14は、Al等の金属材料から構成され、発熱電極として機能する。発熱体薄膜14は、熱絶縁層13上に配設され、一例として帯状に形成されている。詳細には、発熱体薄膜14は、熱絶縁層13に比べて比較的薄く、例えば、30nmの厚さを有する。発熱体薄膜14は、熱絶縁層13がマスク層12の窪み部分に形成されているので、マスク層12に熱絶縁層13に密着した状態で架設されている。
パッド151,152は、発熱体薄膜14の両端部分に電気的に接触するように配設されている。このパッド151,152は、マスク層12の外周部分まで延在している。ワイヤ161,162はそれぞれ、パッド151,152にボンディングされている。駆動部17は、駆動電流を発生させ、この駆動電流を発熱体薄膜14に入力する。
次に、本発明に係る圧力波発生装置1の駆動動作について説明する。
圧力波発生装置1の駆動部17は、図1には図示しない信号入力部から入力された入力信号にAD変換等の信号処理を施して駆動電流を生成する。より具体的には、駆動部17は、入力信号によって変調したパルス列を生成する。後述するように、駆動電流は、例えば振幅が変調されたパルス列から構成されている。
駆動部17は、ワイヤ161,162を介して、パッド151,152に駆動電流を供給し、発熱体薄膜14に駆動電流を供給する。発熱体薄膜14に駆動電流が印加されると、発熱体薄膜14に温度変化が発生するので、発熱体薄膜14表面に接する空気層に温度変化が生じる。この温度変化によって空気層に粗密が生じ、この粗密によって圧力波が発生する。
図2の波形図に、本発明に係る圧力波発生装置に印加される駆動電流の一例を示す。ここで、従来の駆動電流の一例を示す図11を適宜用いて説明する。
図2に示すように、この駆動電流は、パルス状の駆動電流であり、詳細には、振幅が変調されたパルス列から構成されている。従って、駆動部17は、両パッド151,152にパルス状の駆動電流を供給することによって、ワイヤ161,162を介して発熱体薄膜14に電流を流す。パルス幅を十分に短くすることによって、発熱電極である発熱体薄膜14に大きな負荷を与えることなく、所望の信号を出力することができる。
図2に示すように、圧力波発生装置1に供給される駆動電流パルスの振幅は、具体的には、交流成分と直流成分とから構成された従来の駆動電流を部分的に再現したものである。従って、この振幅の頂点の包絡線は、図11に示された従来の駆動電流とほぼ同じ正弦波状の信号波形となる。すなわち、振幅が変調されたパルス列によって、正弦波状の信号が再現されている。
続いて、図3及び図4を用いて、本発明に係る圧力波発生装置1が圧力波として超音波を発生させた場合の超音波信号について説明する。
図3のグラフに、本発明に係る圧力波発生装置1にある周波数領域に渡って同じレベルの入力を与えたときに発生する超音波の周波数と音圧レベルの一例が示されている。図3において、横軸が入力の周波数、縦軸が超音波の音圧レベルである。図3は30kHz〜80kHzの領域に関してフラットな周波数特性を示しており、本発明に係る圧力波発生装置1は、各周波数に対してほぼ同じ大きさで超音波を発生させることができることを意味している。
図4に、本発明に係る圧力波発生装置1の駆動動作によって、正弦波を入力した時の、周波数と音圧レベルの結果を示す。図4(a)は入力周波数が50kHzである場合の結果、図4(b)は入力周波数が40kHzである場合の結果である。ここでは、パルス幅0.25μsのパルス列を駆動電流として400kHzで繰り返し印加されている。
図4(a),(b)に示すように、本発明に係る圧力波発生装置1では、入力周波数が40kHzの場合にも、50kHzの場合にも、ほぼ同じ程度に70dBの音圧レベルで出力されている。
ここで、図5及び図6を用いて、一般の圧力波発生装置に本発明に係る駆動電流を供給して超音波を発生させた場合の出力特性について見てみる。ここでは、一般の圧力波発生装置として圧電素子を用いて超音波信号を測定した。
図5のグラフに、ある周波数領域に渡って同じレベルの入力を与えたときの一般的な圧電素子が発生させる超音波の周波数に対する音圧レベルが示されている。図3とは異なり、周波数特性には共振点が見られ、音圧レベルは周波数により大きく変化している。
図6に、この圧電素子に、本発明に係る駆動方法を適用した結果が示されている。ここで、圧電素子においては、線形システムであるので、直流成分と正弦波状の交流成分とから構成された駆動電流ではなく、交流成分に対応する振幅が変調されたパルスが印加されている。図6(a)は交流成分の周波数が50kHzである場合の結果、図6(b)は交流成分の周波数が40kHzである場合の結果である。
図5に示すように、ここで使用された圧電素子は、周波数50kHzに共振点を有する。それ故、図6(a)に示すように、この圧力波発生装置は、交流成分の周波数が50kHzのときに、音圧レベルが最大である超音波を出力している。これに対して、図6(b)に示すように、圧電素子は、交流成分の周波数が共振周波数50kHzからずれた40kHzである場合には、図6(a)に示された音圧レベルに比べて、出力する音圧レベルが激減している。
以上の図3乃至図6から分かるように、本発明に係る圧力波発生装置1では、駆動電流の波形がパルス列から構成され、このパルス列によって正弦波状の信号波形を再現できることを示している。これは圧力波発生装置1の周波数特性がフラットでインパルス応答が可能であるゆえに実現できる。更に、非線形システムであるために、スピーカとして応用する場合、大きな直流バイアス成分を印加する必要があるが、本発明に係る駆動方法であれば、発熱電極となる発熱体薄膜14に連続的に駆動電流が印加されないので、発熱体薄膜14への負荷を大幅に低減することが可能である。また、本発明に係る圧力波発生装置1では、発熱体薄膜14は、熱容量を低減するために可能限り薄く形成されている。そのため、このような発熱体薄膜14への負荷の低減は顕著な効果となる。
なお、本発明に係る圧力波発生装置1では、所望の周波数の圧力波とともに、パルスの繰り返しに対応した高い周波数の圧力波が同時に出力される。この同時に出力される高周波数の圧力波は、現に出力したい圧力波よりも十分高い周波数なので無視することもできる。また、超音波域であれば、高い周波数は吸収により減衰するので、距離を離せば、この高い周波数を無視することができる。
発明の実施の形態2.
発明の実施の形態2においては、駆動電流のパルスの間隔が変調される場合について説明する。なお、本実施形態においても、圧力波発生装置1が用いられるが、発明の実施の形態1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
図7に、本実施形態におけるパルス状の駆動電流の一例が示されている。図7に示すように、本実施形態におけるパルス状の駆動電流は、各パルス間の間隔が変調されたパルス列から構成されている。換言すれば、パルス列のパルスの密度が変調され、このパルス列の密度によって、大気圧に対する空気の振動から生じる縦波である圧力波自体の粗密が再現されている。従って、パルス列のパルス間隔が狭い箇所は、大きな振幅の縦波に対応し、逆にパルス間隔が広いところは、小さな振幅に対応している。このとき、駆動電流の振幅は変調されず、一定の振幅でパルス状の駆動電流が印加される。また、本実施形態においても、パルス幅を十分に短くすれば、発熱電極である発熱体薄膜14へ大きな負荷を与えることなく、所望の信号を出力することができる。
より具体的には、この駆動電流の各パルスの間隔は、従来と同様の正弦波状に変調され、縦波のように変調されている。この駆動電流は、交流成分と直流成分とから構成された従来の駆動電流を再現している。従って、このパルス間の間隔の変調を縦波としてみた場合には、その振幅の頂点の包絡線は、図11に示された従来の駆動電流とほぼ同じ正弦波状の信号波形となる。すなわち、パルス間の間隔が変調されたパルス列によって、正弦波状の信号波形が再現されている。
以上のように、本実施形態におけるパルス状の駆動電流においては、パルス間の間隔が変調されたパルス列によって、正弦波状の駆動電流が再現されている。このような場合においても、実施の形態1における駆動電流と同様の効果を得ることができる。
発明の実施の形態3.
発明の実施の形態3においては、駆動電流のパルス幅が変調される場合について説明する。なお、本実施形態においても、圧力波発生装置1が用いられるが、発明の実施の形態1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
図8に、本実施形態におけるパルス状の駆動電流の一例が示されている。図8に示すように、本実施形態におけるパルス状の駆動電流は、各パルスのパルス幅が変調されたパルス列から構成されている。換言すれば、パルス列のパルス幅が変調され、大気圧に対する空気の振動から生じる縦波である圧力波自体の粗密がパルス幅の大小によって再現されている。従って、パルス列のパルス幅が大きい箇所は、大きな振幅の縦波に対応し、逆にパルス幅が小さいところは、小さな振幅に対応している。このとき、駆動電流の振幅は変調されず、一定の振幅でパルス状の駆動電流が供給される。
より具体的には、この駆動電流の各パルスのパルス幅は、従来と同様の正弦波状に変調され、縦波のように変調されている。この駆動電流は、交流成分と直流成分とから構成された従来の駆動電流を再現したものである。従って、このパルス幅の変調を縦波としてみた場合には、その振幅の頂点の包絡線は、図11に示された従来の駆動電流とほぼ同じ正弦波状の信号波形となり、パルス幅が変調されたパルス列によって正弦波状の信号波形を再現している。
以上のように、本実施形態におけるパルス状の駆動電流においては、パルス幅が変調されたパルス列によって、正弦波状の駆動電流が再現されている。このような場合においても、実施の形態1における駆動電流と同様の効果を得ることができる。
本実施形態においては、各パルスの幅で変調されているので、入力によっては、パルス幅を十分に小さくすることができない場合がある。この場合には、電極である発熱体薄膜14に負荷を与えることがあるので、各パルスの間隔、パルス幅の変調幅の変化率等で調整する必要が出てくる場合がある。
本発明に係る圧力波発生装置の一構成例を示す模式図である。 本発明に係る圧力波発生装置の駆動電流波形の一例を示すグラフである。 本発明に係る圧力波発生装置の出力特性の一例を示すグラフである。 本発明に係る圧力波発生装置の音圧レベルの一例を示すグラフである。 圧電素子を用いた圧力波発生装置の出力特性の一例を示すグラフである。 圧電素子を用いた圧力波発生装置の音圧レベルの一例を示すグラフである。 本発明に係る圧力波発生装置の駆動電流波形の他の一例を示すグラフである。 本発明に係る圧力波発生装置の駆動電流波形の他の一例を示すグラフである。 従来の圧力波発生装置の一例を示す部分模式図である。 従来の圧力波発生装置の駆動電流波形の一例を示すグラフである。 従来の圧力波発生装置の駆動電流の他の一例を示すグラフである。
符号の説明
11…シリコン基板、12…マスク層、13…熱絶縁層、14…発熱体薄膜、
151,152…パッド、161,162…ワイヤ、17…駆動部

Claims (9)

  1. 圧力波を発生させる圧力波発生装置であって、
    基板と、
    当該基板上に配設された熱絶縁層と、
    当該熱絶縁層上に配設された発熱電極と、
    当該発熱電極に接続され、変調されたパルス列から構成された駆動電流を生成する駆動部とを備えた圧力波発生装置。
  2. 前記変調は、前記パルス列の振幅変調であることを特徴とする請求項1記載の圧力波発生装置。
  3. 前記変調は、前記パルス列の間隔変調であることを特徴とする請求項1記載の圧力波発生装置。
  4. 前記変調は、前記パルス列のパルス幅変調であることを特徴とする請求項1記載の圧力波発生装置。
  5. 前記熱絶縁層は、ナノ結晶シリコン層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧力波発生装置。
  6. 圧力波を発生させる圧力波発生装置を駆動する方法であって、
    変調されたパルス列を生成するステップと、
    当該生成したパルス列を印加するステップとを備えた圧力波発生装置の駆動方法。
  7. 前記パルス列を生成するステップでは、前記パルス列の振幅変調を行うことを特徴とする請求項6記載の圧力波発生装置の駆動方法。
  8. 前記パルス列を生成するステップでは、前記パルス列の間隔の変調を行うことを特徴とする請求項6記載の圧力波発生装置の駆動方法。
  9. 前記パルス列を生成するステップでは、前記パルス列のパルス幅変調を行うことを特徴とする請求項6記載の圧力波発生装置の駆動方法。
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