JP2009239518A - デジタル・スピーカー - Google Patents

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Abstract

【課題】20kHの可聴周波数域以上の高いサンプリング周波数によるデジタル化にも対応可能で、かつ高出力であり、デジタル信号のままで直接、音波を出力できるデジタル・スピーカーを提供する。
【解決手段】基板上に設けられたビット桁に対応する個数の音波発生素子(1)をアレイ化した音波発生装置と、アレイ化した各音波発生素子(1)にそのビット桁に対応した大きさの音圧信号を発生させるように駆動電力を付与する駆動制御部を備え、各音波発生素子(1)は、熱伝導性の基板(2)と、該基板(1)の一方の面上に形成されたナノ結晶シリコン層からなる断熱層(3)と、断熱層(3)上に形成され、交流成分を含む電流が印加されて電気的に駆動される導電性膜からなる発熱体薄膜(4)とからなり、各音波発生素子(1)の出力する音圧信号を重畳させたデジタル信号を出力とすることを特徴とするデジタル・スピーカー。
【選択図】図2

Description

本発明は、デジタル・スピーカーに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、空気に熱を与えることで空気の粗密を作り、音波を発生する装置を用い、20kHの可聴周波数域以上の高いサンプリング周波数によるデジタル化にも対応可能で、かつ高出力であり、デジタル信号のままで直接、音波を出力できる、広帯域・高出力デジタル・スピーカーに関するものである。
近年、オーディオ機器や超音波発生音源の分野で、S/N比の向上、ダイナミックレンジの拡大、非直線歪の減少などのメリットから、PCM(Pulse Code Modulation)などによるデジタル方式が進展している。図1に示すように、デジタル駆動は、アナログ駆動のアナログ信号を標本化原理によってアナログ信号に含まれている最高周波数の2倍の繰り返し周波数でサンプリングを行い、そのサンプリング値をバイナリーコードに変換するものである。
この2値化されたデジタル信号をスピーカーで再生する場合、通常のスピーカーは振動板を用いて音波を発生させるアナログ動作であることから、デジタル信号をデジタル/アナログ変換(以下、DA変換とも称する)によりアナログ信号として、スピーカーを駆動している。
これに対して、デジタル・スピーカーはDA変換を行わず、デジタル信号のままで直接、スピーカーを駆動するものであり、DA変換による波形歪が除去できることから原音に忠実な音波を再生ができるものである。
これまで圧電型やコンデンサ型、動電型(ボイスコイル方式)等のデジタル・スピーカーが開発されてきた(例えば、特許文献1、2及び非特許文献1参照)。
例えば、圧電型のデジタル・スピーカーでは、圧電材料であるチタン酸バリウムからなる圧電素子の両面に電極を形成し、その電極面積をビット桁に対応させた重み付けとすることにより、デジタル信号のままで直接、音波を再生するデジタル・スピーカーとしている。しかし、この場合、圧電素子が表面機械振動によって音波を発生させるために、固有の共振周波数を有し、周波数帯域が狭いことから、高ビット化が難しいことや高いサンプリング周波数が使えないため、高周波数域が再生できない、高出力化が難しい、パルス駆動とすると残響が発生しノイズが増大する、周囲の環境(温度、振動)等の影響を受けやすい、微細化・アレイ化が困難と言った問題があった。
一方、機械振動を全く行わない新しい発生原理の音波発生装置が提案されている(例えば、特許文献3及び非特許文献2参照)。この提案では、音波発生装置が、基板と、基板上に設けられた熱絶縁層(断熱層)と、熱絶縁層上に設けられて電気的に駆動される発熱体薄膜から構成されており、発熱体薄膜から発生した熱が熱伝導率のきわめて小さい多孔質層や高分子層などの熱絶縁層を設けることで、発熱体薄膜表面の空気層の温度変化が大きくなるようにして、音波を発生するようにしている。この提案されたデバイスは機械振動を伴わないので、周波数帯域が広く、周囲環境の影響を受けにくく、微細・アレイ化も比較的容易であるなどの特徴を有している。
特開昭59−95796号公報(特許第1863071号) 特開平7−131880号公報(特許第2522184号公報 特開平11−300274号公報 「16ビット動電型平面ディジタルスピーカーとその音響特性」『電子情報通信学会技術研究報告,EA,応用音響』Vol.100, No.397(20001020) pp. 39-46、社団法人電子情報通信学会 Nature 400 (1999) 835-855
しかしながら、機械振動を全く行わない新しい発生原理の前記音波発生装置では、機械振動を伴わないので、周波数帯域が広く、周囲環境の影響を受けにくく、微細化・アレイ化も比較的容易であるなどの利点があるが、特許文献3の例のごとく、入力をアナログ信号、例えば単一周波数fの交流電気信号で駆動すると、この音波発生装置の動作原理から、音響出力は入力信号の2乗に比例するため、2fの周波数の音響出力となってしまう。この点を改良するため、直流バイアス信号を加えることで周波数成分の主たるものをfの成分にすることはできるが、音響歪率が大きくなる。加えて、入力信号の変化が緩やかな低周波信号に対しては電気−音響変換効率が低下するため、低周波領域の音響出力が低下するという欠点があった。
本発明は、以上のような従来技術の実状に鑑み、機械振動を全く行わない新しい発生原理の音波発生装置をアナログ駆動した場合に生ずる上記問題点を解決し、音響出力の加算性に優れ、熱音響変換効率が高く、入出力の線形性が保たれ、アナログ駆動で見られる低周波領域での出力低下も見られず、広範囲にわたり一定な理想的周波数特性を得ることができる、新規なデジタル・スピーカーを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明によれば、第1に、基板上に設けられた、ビット桁に対応する個数の音波発生素子をアレイ化した音波発生装置と、アレイ化した各音波発生素子にそのビット桁に対応した大きさの音圧信号を発生させるように駆動電力を付与する駆動制御部を備え、各音波発生素子は、熱伝導性の基板と、該基板上の一方の面に形成されたナノ結晶シリコン層からなる断熱層と、断熱層上に形成され、交流成分を含む電流が印加されて電気的に駆動される導電性膜からなる発熱体薄膜とからなり、各音波発生素子の出力する音圧信号を重畳させたデジタル信号を出力とすることを特徴とするデジタル・スピーカーが提供される。
第2に、上記第1の発明において、前記出力が、パルス振幅変調、パルス幅変調、パルス密度変調、パルス位相変調又はパルス符号変調による信号であることを特徴とするデジタル・スピーカーが提供される。
第3に、上記第1又は第2の発明において、アレイ化した各音波発生素子の発熱体薄膜の面積は同じであり、駆動制御部は、各音波発生素子のビット桁の重みに対応した大きさの駆動電力を付与することを特徴とするデジタル・スピーカーが提供される。
第4に、上記第1又は第2の発明において、アレイ化した各音波発生素子の発熱体薄膜の面積を、各音波発生素子のビット桁の重みに対応する大きさの面積とすることを特徴とするデジタル・スピーカーが提供される。
本発明のデジタル・スピーカーによれば、音響出力の加算性に優れ、熱音響変換効率が高く、入出力の線形性が保たれ、アナログ駆動で見られる低周波領域での出力低下も見られず、広範囲にわたり一定な理想的周波数特性を得ることができる。
また、本発明のデジタル・スピーカーは、周波数特性が理論的に1GHzオーダーまで平坦であるため、理想的なインパルス音響出力が得られ、量子化の際のサンプリング周波数を原音スペクトルの最高周波数に対応して、任意の周波数に設定できる。したがって、オーディオ信号はもちろん、自然環境音や小動物音声などのように超音波成分を含む音響信号の量子化サンプリング化も可能となる。
さらに、本発明のデジタル・スピーカーによれば、パルス駆動時の出力音圧は瞬時投入電力に比例することから投入電力を一定とすると、出力音圧はパルス幅に反比例して増大する。つまり、投入電力の時間的集中によって出力音圧が向上することからもデジタル駆動は本発明のデジタル・スピーカーに適した駆動法であると考えられる。
周辺駆動回路および出力効率の両面でデジタル駆動の意義は大きく、本発明の技術を適用した広帯域高機能音波源の開発によって、音響技術に新たな可能性が開かれる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のデジタル・スピーカーは、基板上に設けられたビット桁に対応する個数の音波発生素子をアレイ化した音波発生装置と、アレイ化した各音波発生素子にそのビット桁に対応した大きさの音圧信号を発生させるように駆動電力を付与する駆動制御部を備えている。各音波発生素子は、熱伝導性の基板と、該基板上の一方の面に形成されたナノ結晶シリコン層からなる断熱層と、断熱層上に形成され、交流成分を含む電流が印加されて電気的に駆動される導電性膜からなる発熱体薄膜とからなる。そして、本発明のデジタル・スピーカーは、各音波発生素子の出力する音圧信号を重畳させたデジタル信号を、直接出力する。
先ず、本発明のデジタル・スピーカーの音波発生装置を構成する各音波発生素子について述べる。図2は、その超音波発生素子の一構成例を示した断面図である。この図2の例における音波発生素子(1)は、熱伝導性の基板(2)と、基板(2)の一方の面上に形成されたナノ結晶シリコン層からなる断熱層(3)と、断熱層(3)上に形成され、交流成分を含む電流が印加されて電気的に駆動される導電性膜からなる発熱体薄膜(4)とで構成されている。熱伝導性の基板(2)としてはシリコン基板等を用いることができる。発熱体薄膜(5)としてはタングステン(W)等を用いることができる。発熱体薄膜(4)は、デジタル信号に対応した駆動電力を供給する信号源(駆動制御部)(5)と配線接続されており、その発熱体薄膜(4)の表面より音波(6)が発生する。次に、音波発生素子(1)による音波(6)の発生原理及び特長を述べる。
発熱体薄膜である導電性膜に電流を流すと、素子表面においてジュール熱が発生する。この発生した熱はナノ結晶シリコン層の高い断熱効果によって、効率よく空気層と熱交換し、空気の膨張・収縮を生じ音波を発生する。
このように、従来の圧電素子が表面機械振動によって音波放出を行うためにQ値が大きく利用周波数帯域が限られ、パルス駆動では残響が発生しデジタル駆動には不向きであったが、本発明で用いる音波発生素子は機械振動を全く伴わないので、Q値が非常に小さく平坦な周波数特性が得られる。このため、残響の少ない理想的なインパルス駆動が可能となる。また、本発明で用いる音波発生素子の音響出力は入力電力に比例するため、パルス幅を短縮するほど同一入力電力に対する音響出力を高くできる。本発明は、この音波発生素子のこれら2つの特長を融合し、デジタル駆動技術を開発したものであり、まったく新しい広帯域・高出力デジタル・スピーカーを提供するものである。
本発明のデジタル・スピーカーにおけるデジタル駆動のためには、アレイ化した各音波発生素子における出力の重畳効果が必要であり、その確認実験の一例を以下に示す。
実験に用いた音波発生素子の作製プロセスを図3に示す。
先ず、p型Si(100)3〜5Ω・cm基板を用いて、陽極酸化によりナノ結晶シリコン層を25μm厚に形成する。次に発熱体薄膜としてW薄膜(厚さ:50nm)をRFスパッタリングで成膜し、最後に電力投入用パッドとしてAl薄膜(厚さ:300nm)を蒸着する。
このようにして作成したアレイ化音波発生装置の一例を図4に示す。ここでは4つのアレイ化音波発生装置の場合を示しているが、この例に限定されることはなく、nビットの場合はn個の音波発生素子をアレイ化して構成される。例えば、8ビットの場合は8個の音波発生素子をアレイ化して構成され、16ビットの場合は16個の音波発生素子をアレイ化して構成される。図4において、音波発生素子は正方形で一辺が3mm、素子ピッチは12mmである。
さて、このアレイ化音波発生装置によって得られた音波出力は、図5に示す音波(音圧)測定系により測定される。ここで音波発生装置とマイクロフォンとの距離は50cmとした。
その測定結果を図6に示す。この図は、アレイ化した音波発生素子の重畳効果を示すものであり、アナログ駆動の下で駆動する素子数を変化させて得た出力特性である。すなわち、アレイ化された4つの音波発生素子を1個から4個まで、駆動素子数を変えて音波出力の周波数特性を測定した結果がこの図である。約40kHz以上の範囲で、平坦な周波数特性が得られており、また、各周波数において駆動素子数に比例した出力音圧が得られていることから、理想的な重畳効果が得られていることが分かる。
次に、本発明のデジタル・スピーカーでは、高ビット化を実現するために高いサンプリング周波数に対応できる広い周波数応答性が必要であり、その確認実験の一例を以下に示す。
図7は、実験によって得られた、本発明のデジタル駆動(パルス駆動)による音波出力(音圧)と、比較のために行ったアナログ駆動における音波出力(音圧)の周波数依存性を示したものである。ここで、デジタル駆動(パルス駆動)の場合は瞬時ピーク入力電力120Wとした。その結果、図7に示したように、デジタル駆動(パルス駆動)では、熱音響変換効率の向上により出力が増大し、アナログ駆動で見られる低周波領域での出力低下も見られず、広範囲にわたり一定な理想的周波数特性が得られている。アナログ駆動に対するデジタル駆動の優位性が、本技術によって初めて明らかにされた。なお、距離50cmにおいて音響出力94dBという値は種々の用途に適う実用的なレベルである。
以上のように、本発明のデジタル・スピーカーは、デジタル動作に必要な性能や機能を備えることを確認できた。
本発明で用いる音波発生装置では、発生する音波の音圧は、投入する電力に比例し、放射面での音響インピーダンスが等しければ、単位面積に投入される電力と発生する音波の音圧の比は周波数に依らず等しい。
本発明のデジタル・スピーカーは、音波発生装置の上記の特性を利用することで、20kHの可聴周波数域以上の高いサンプリング周波数によるデジタル化にも対応可能で、かつ高出力であり、デジタル信号のままで直接、音波を出力できる、広帯域・高出力デジタル・スピーカーを実現したものである。そのための典型的な駆動法の2例を以下に述べる。
第1の駆動法は、それぞれのビット桁に対応した音波発生素子をアレイ化し、それぞれにビット桁の重みに対応した駆動電力を与えるようにするものである。具体的には、nビットのデジタル信号とすると、それぞれのビット信号を2のn乗(2)倍、増幅した電力を、それぞれのビット桁に対応した音波発生素子に入力し、音波発生装置全体でそれぞれのビット桁のデジタル信号を重畳することで、ビット化されたデジタル信号を直接、再生する。
第2の駆動法は、それぞれのビット桁に対応した音波発生素子をアレイ化し、それぞれの発熱体薄膜の面積をビット桁の重みに対応した大きさ面積とするものである。具体的には、nビットのデジタル信号とすると、それぞれのビット桁に対応した音波発生素子の発熱体薄膜の面積は1/2とすることで、ビット桁の重み付けを持った音圧がそれぞれのアレイ化された素子から出力され、音波発生装置全体で重畳されてビット化されたデジタル信号を直接、再生する。
以下、ビット駆動を含めて、アナログ入力信号をデジタル化した信号をもとに、本発明のデジタル・スピーカーにより直接、音波出力を得た実施例を述べる。もちろん、本発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1>
まず、16ビットデジタル信号から、本発明のデジタル・スピーカーにより直接、音波出力を観測した実施例を以下に示す。
図5に示したように、任意のアナログ信号を関数発生器(FG)、AD変換器、増幅器、16個の音波発生素子よりなる音波発生装置、マイクロフォン、増幅器、オシロスコープからなるシステムを構成し、音波のデジタル再生の測定を行った。関数発生器(FG)からの信号はAD変換器において16ビット量子化、サンプリング周波数200kHz、パルス幅2.5μsのTTLレベルのPCM信号に変換され、その各ビットの出力はアンプにて増幅し、各音波発生素子の電極に駆動電力として入力した。音波発生素子の構成、材料は図3で示したものと同様で、形状は一辺が3mmの正方形、素子ピッチは10mmである。各音波発生素子からのPCM信号をマイクロフォン上において干渉させ、デジタル信号の検出を行った。その際、入力信号はAD変換器において極性の変化が起きないように、常に0V以上の入力とした。
本発明のデジタル・スピーカーにおける音波発生装置のデジタル駆動回路のブロックダイヤグラムを図8に示す。アナログ信号がパラレル型AD変換器に投入されると、入力信号が16ビットのデジタル信号に変換され、AD変換器の各ビットから出力される。ここで、本発明のデジタル・スピーカーの音波発生装置は投入電力に比例した出力が得られることを考慮し、ビット桁の重みに対応した駆動電力とするために2倍(ここではnは16)に増幅し、それぞれのビット桁に対応した各音波発生素子に入力する。
上位3ビット(16ビット目、15ビット目、14ビット目)の駆動回路の出力(それぞれのビット桁に対応したアレイ音波発生素子の入力)の一例を図9に示す。また、上位4ビット(16ビット目、15ビット目、14ビット目、13ビット目)それぞれの音波出力波形の一例を図10に示す。この場合、AD変換器からの上位4ビットの信号が、それぞれピーク電力64W、32W、16W、8Wの信号に増幅されデバイスへ投入された。
マイクロフォンでは、各音波発生素子からの信号が重畳され、アナログ入力信号に対応したパルス振幅変調(PAM)信号として出力される。図11は上位4ビットに対応したそれぞれの音波発生素子を同時に駆動し、それらを重畳した時の音波発生装置の音波出力(音圧)波形の一例である。いずれも1kHzの正弦波信号を入力信号としたものであり、各音波発生素子からの音波信号が重畳され、予想通りに入力信号に対応した1kHz正弦波の音波出力信号が得られた。
本発明の出力は、上記のパルス振幅変調信号の他、パルス幅変調、パルス密度変調、パルス位相変調又はパルス符号変調による信号とすることができる。
<実施例2>
さらに、図12、図13に示すように、周波数5kHzの正弦波と三角波を入力信号とした場合においても、アナログ信号を忠実に再生した音響出力波形が得られた。
以上詳しく説明したとおり、本発明によれば、周波数特性が理論的に1GHzオーダーまで平坦であるため、理想的なインパルス音響出力が得られ、量子化の際のサンプリング周波数を原音スペクトルの最高周波数に対応して、任意の周波数に設定できる。したがって、オーディオ信号はもちろん、自然環境音や小動物音声などのように超音波成分を含む音響信号の量子化サンプリング化も可能となる。また、本発明によれば、パルス駆動時の出力音圧は瞬時投入電力に比例することから投入電力を一定とすると、出力音圧はパルス幅に反比例して増大する。つまり、投入電力の時間的集中によって出力音圧が向上することからもデジタル駆動は本デバイスに適した駆動法であると考えられる。
以上の説明と実施例は、アレイ化された素子の出力はスカラー量として重畳加算できる場合を取り扱っており、その広帯域性と高出力性が得られることが実証できた。
更に各アレイの配置とパルス入力のタイミングを調整することにより、各要素素子から発生する音響パルスの位相を制御して特定方向に指向性を持った音波発生や、その指向性をスキャンすることなどができることは、従来のフェーズドアレイ形の音波発生と同様に行うことができることは明らかである。
このように、本発明のデジタル・スピーカーによる周辺駆動回路及び出力効率の両面でのデジタル駆動の意義は大きく、新たな音響技術を提供する。
アナログ駆動のアナログ信号と、デジタル駆動のデジタル信号の一例を例示した図である。 本発明で用いる音波発生素子の一構成例を例示した断面図である。 音波発生素子の作製プロセスの一例を例示した断面図である。 アレイ化した音波発生素子よりなる音波発生装置の一例を例示した上面図である。 音波発生装置から出力される音波(音圧)を測定するシステムの一例を例示した図である。 アレイ化した音波発生素子よりなる音波発生装置で、それぞれの音波発生素子の出力を重畳した時の音波出力(音圧)の周波数依存性の一例を例示した図である。 本発明のデジタル駆動による音波出力(音圧)と比較のために行ったアナログ駆動における音波出力(音圧)の周波数依存性の一例を例示した図である。 本発明の一実施例である、ビット桁の重みに対応した駆動電力を与えることを特徴とする、16ビットデジタル駆動方式のダイヤグラムの一例を示したものである。 上図の16ビットデジタル駆動方式のダイヤグラムにおける、上位3ビットの駆動回路の出力(それぞれのビット桁に対応したアレイ音波発生素子の入力)の一例を例示した図である。 上位4ビットそれぞれの音波出力波形の一例を例示した図である。 上位4ビットに対応したそれぞれの音波発生素子を同時に駆動し、それらを重畳した時の音波発生装置の音波出力(音圧)波形の一例を例示した図である。 他の実施例である、正弦波を入力した場合の音波発生装置の音波出力(音圧)波形の一例を例示した図である。 他の実施例である、三角波を入力した場合の音波発生装置の音波出力(音圧)波形の一例を例示した図である。
符号の説明
1 音波発生素子
2 基板
3 断熱層
4 発熱体薄膜
5 信号源
6 音波

Claims (4)

  1. 基板上に設けられた、ビット桁に対応する個数の音波発生素子をアレイ化した音波発生装置と、アレイ化した各音波発生素子にそのビット桁に対応した大きさの音圧信号を発生させるように駆動電力を付与する駆動制御部を備え、
    各音波発生素子は、熱伝導性の基板と、該基板上の一方の面に形成されたナノ結晶シリコン層からなる断熱層と、断熱層上に形成され、交流成分を含む電流が印加されて電気的に駆動される導電性膜からなる発熱体薄膜とからなり、
    各音波発生素子の出力する音圧信号を重畳させたデジタル信号を出力とすることを特徴とするデジタル・スピーカー。
  2. 前記出力が、パルス振幅変調、パルス幅変調、パルス密度変調、パルス位相変調又はパルス符号変調による信号であることを特徴とする請求項1に記載のデジタル・スピーカー。
  3. アレイ化した各音波発生素子の発熱体薄膜の面積は同じであり、駆動制御部は、各音波発生素子のビット桁の重みに対応した大きさの駆動電力を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル・スピーカー。
  4. アレイ化した各音波発生素子の発熱体薄膜の面積を、各音波発生素子のビット桁の重みに対応する大きさの面積とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル・スピーカー。
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