JP2006245731A - 指向性スピーカー - Google Patents

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Abstract

【課題】狭指向性でかつ音場の到達距離を制御できる音場を形成することが出来る指向性スピーカーを提供する。
【解決手段】音源として再生信号発生手段10を使って超音波発信手段12で作成した搬送波を搬送波変調手段13で周波数変調もしくは位相変調し、変調信号を作成する。この変調信号を超音波スピーカー14から大気中へ放出し、超音波の性質である狭指向性を持って伝播される。この搬送波の周波数を搬送波選択手段11で可変にすることで、超音波スピーカーから放出された変調信号の到達距離を調節することができる。またこれを携帯電子機器等に搭載した場合に使用者の背後にも音声は聞かれずに使用者のみに音声を伝えることができる効果をもつ。
【選択図】図1

Description

本発明は、外部からの電気信号により振動板を振動させて超音波領域の音波を発振する指向性スピーカーの駆動方法および指向性スピーカーに関し、特に超音波の特性である狭指向特性を用いて可聴音音場を発生させ、電子機器等へ搭載した場合に使用者以外に音声が聞こえないような効果を持たせることができる指向性スピーカーに関する。
多数の超音波スピーカーをアレイ状に配置して、パラメトリック効果を有する指向性スピーカーが知られている(例えば特許文献1参照。)。
この指向性スピーカーの概略を図9に用いて説明する。
図9(a)は、従来の指向性スピーカーの構成を説明するための上部平面図であり、本図(b)は、同図(a)に示した指向性スピーカーを成す超音波スピーカーの構成を説明するための断面図である。
この指向性スピーカーは、図9(a)に示すような多数の超音波を発生する超音波スピーカー14をプリント基板27上にアレイ状に配置している。そして、この超音波スピーカーアレイに、可聴音信号で振幅変調された超音波信号を入力することで指向性音場を形成している。
ここで示す指向性スピーカーは、搬送波である超音波信号を可聴音により振幅変調して超音波スピーカー14から出力させ、超音波の非線形現象により可聴音の2次音波を発生させることで、パラメトリック効果を得ることが出来るようになっている。
また、この指向性スピーカーを構成する超音波スピーカーは、図9(b)に示すように、ベース28に各電極29を固定し、さらにこれら電極29の先端部に絶縁性接着剤30を用いて振動板31を貼り付けた構造になっている。さらに、この振動板31には、振動発生源として1枚の圧電素子32が貼り付けられている。この圧電素子32の上には、放出する音圧を大きくすることができるように共振子32を貼り付ける場合もある。またさらに、圧電素子32は、各電極29とリード線34で接続され、外部の電気回路からの信号で圧電素子32を振動させることができる形態としている。
特開2003−47085号公報(第3頁、図1−図2)
しかしながら、従来の指向性スピーカーは、基本的に1種類の中心周波数の搬送波信号を用いているので、超音波スピーカーにより生成される指向性を有する音声の到達距離を数m先まで到達する様に、搬送波信号の周波数を設定することは可能であるが、このとき、機器使用者の後ろにいる者にまで可聴音が聞こえてしまうこととなる。それに対して、超音波の到達距離を短く設定して、使用者のみが音声が聞こえる形態とすることが出来るものの、それ以外の人にその音声を聞かせたい場合に、不都合が生ずる。
したがって、この従来の指向性スピーカーの構成のままでは、使用者は、予め決められた音場領域でしか使うことができない電子機器となっており、1つの電子機器で、様々な仕様用途には対応できないものでしかなかった。
そこで、本発明は上記課題を解決し、指向性スピーカーの狭指向性の可聴音場形成と音波の到達距離も制御した可聴音場を形成することが出来るようにした指向性スピーカーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の指向性スピーカーは、基本的に下記記載の構成を採用する。
本発明の指向性スピーカーは、可聴音信号により超音波域の搬送波を変調させた変調搬送波の粗密周期に基づいて振動板を振動させて、指向性を持った音波を発振する指向性スピーカーであって、この振動板から発振される前記音波の到達距離を、それぞれ異ならせることができる少なくとも2つの搬送波を選択する搬送波選択手段により、音波の到達距離を変更できるようにしたことを特徴とするものである。
また、本発明の指向性スピーカーは、前述した搬送波選択手段が、異なる共振周波数を持つ複数個の圧電素子を、振動板の表面に配設し、この複数個の圧電素子の駆動を切り替えて、搬送波を選択する手段であることを特徴とするものである。
さらに、本発明の指向性スピーカーは、前述した搬送波選択手段が、振動板に配設された圧電素子が有する複数個の共振点を任意に切り替えて、搬送波を選択する手段であることを特徴とするものである。
本発明の指向性スピーカーを採用すれば、超音波スピーカーから発信される指向性を持った音声の到達距離を可変にすることができるため、必要に応じて、使用者が機器使用者の後ろに音声を聞かせたくない場合や、機器使用者以外にも音声を聞かせたい場合の双方に対応できるようになる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態における指向性スピーカーとその作用について説明する。なお、以下に示す本発明の指向性スピーカーは、基本的に、図9(b)に示した従来の超音波スピーカーの構造と同じ物を用いた場合について説明をするが、他の構成のスピーカーにも適用することができることを留意されたい。
まず、図1を用いて本発明の指向性スピーカーの構成について説明をする。図1は、本発明の指向性スピーカーの構成を示す概略図である。
本図面に示す本発明の指向性スピーカーは、再生したい可聴音の音源として可聴音信号を再生する再生信号発生手段10と、少なくとの2つ以上の超音波の搬送波信号を選択する搬送波選択手段11と、その選択された周波数の搬送波信号を発振させる超音波発振手段12と、再生信号発生手段10により生成される可聴音信号で搬送波信号を周波数変調もしくは位相変調して、変調搬送波信号を得る搬送波変調手段13と、この変調搬送波信号の粗密周期に基づき振動板を振動させて指向性を持った音声を放出する超音波スピーカー14とを有する構成となっている。
なお、この超音波発振手段12は、前述した様に、搬送波選択手段11で選択された周波数の超音波を発振できるようにしてあり、本発明の指向性スピーカーを搭載した電子機器の使用者が搬送波の周波数を任意に調整できるようになっている。
次に、本発明の指向性スピーカーにより音声の到達距離を可変にする動作原理について
図2に基づいて説明する。図2は、20kHz、40kHz、80kHz、200kHzにおける、超音波スピーカーからの音波の到達距離と、その音波の減衰量との関係を示した図面である。
一般に音波は、空気中を伝わって行くにつれて徐々にエネルギーを失って減衰していく特徴をもつ。そして、図2に示すように、超音波帯域の音波(20kHz、40kHz)でも音波の到達する距離が遠くなるにしたがって減衰してゆくこととなる。なお、この傾向は、本図面に示すように、周波数が高い程顕著となって現れる。
そこで、搬送波選択手段11により、超音波帯域の搬送波信号の周波数を任意に変化させることにより、超音波スピーカーから出力される音波の到達距離を長く、または短くなるように任意に調整して、任意の距離以内でのみ音場を再生する手段を採用した。
一例として、5m付近での異なる周波数における音圧を比較する。
本図面から、本発明の指向性スピーカーにて、40kHz〜80kHzの範囲の周波数の搬送波信号を用いる場合は、ほぼ同じ音圧を示すことが判る。このとき、前述した図1に示す指向性スピーカーの搬送波選択手段11で、この波長を第1の波長として選択するとする。
つまり、使用者の後ろにいる者に音声を聞かせても構わない場合は、搬送波選択手段11で選択する超音波の搬送波信号の周波数を下げて(第1の波長を選択して)、到達距離を長く設定する。
それに対して80kHz以上の超音波では減衰量は高くなり、5m付近における200kHzの超音波の音圧は、40kHzの超音波の音圧と比較して20dB程度も低くなってしまうことが判る。そこで、搬送波選択手段11にて、この200kHzの超音波を搬送波信号として第2の波長として選択する。この第2の波長を選択した場合は、5m付近では、変調搬送波信号の音圧が低すぎて、使用者に可聴音をほとんど聞こえない状態とすることが出来る。
つまり、使用する状況で使用者の後ろにいる者に音声を聞かせたくない場合は、搬送波選択手段11で選択する超音波の搬送波信号の周波数を上げて(第2の波長を選択して)、到達距離を短く設定することができる。
この様な作用を受けて、本発明の指向性スピーカーは、超音波スピーカー14から発振される音波の到達距離を任意に変更できるようになる。
次に、前述の40kHz〜80kHzの周波数の搬送波信号を用いて形成された音場と、200kHzの周波数の搬送波信号を用いて形成された音場の違いを図3を用いて更に詳細に説明する。図3は、本発明の指向性スピーカーを用いた際の、音場形成の作用を示すための概略図面である。
本発明の指向性スピーカーを構成する超音波スピーカー14から出力された、異なる周波数の搬送波信号により得られる変調搬送波信号17は、前述した作用を受けて、搬送波に40kHz〜80kHz以下の周波数(第1の波長)を選択した場合は、5m程度先まで十分な音圧を持って到達するため、長距離音場23を形成する。
それに対して、搬送波信号に200kHzの周波数(第2の波長)を選択して変調搬送波信号を超音波スピーカー14より出力する場合は、5m付近ではほとんど可聴音が聞き取れないため、5m以内の距離で近距離音場24を形成する。
この様に、本発明の指向性スピーカーを組み込んだ電子機器から、離れて音声を聞く場合や、使用者の背後にまで音声が到達しても構わない場合には、搬送波選択手段11で第1の波長を選択することにより、超音波スピーカー14から出力される変調搬送波信号17の到達距離を長く設定することが可能になる。
また、本発明の指向性スピーカーを組込んだ電子機器から、特に電子機器から数十cmから1m程度の近距離音場を形成したい場合は、搬送波選択手段11で第2の波長を選択することにより、超音波スピーカー14から出力される変調搬送波信号17の到達距離を短く設定することが可能になり、使用者のみにしか再生される音声は聞こえず、完全な個人向け音響再生装置とすることが可能になる。
以上の説明では、搬送波選択手段11にて選択される搬送波信号に、2段階の周波数を用いて切り替える例を示したが、より細かく搬送波信号の周波数を切り替えて用いることで、更に細かい可聴音場の到達距離を調節することが可能になる。
なお、この超音波スピーカー14からの出力が足りない場合は、搬送波変調手段13と超音波スピーカー14との間に、変調された搬送波信号を増幅させるアンプをさらに備えて、電気信号を増幅させた形態としても良い。
次に、本発明の指向性スピーカーの動作原理について図4を用いて説明をする。図4は、本発明の指向性スピーカーに用いる具体的な信号処理方法について説明するための図面であり、本図(a)は、再生信号発生手段10(図1参照)にて生成する可聴音信号を示す図であり、本図(b)は、超音波発振手段12にて生成される搬送波信号を示す図であり、本図(c)は、搬送波変調手段13にて生成される変調搬送波信号を示す図である。
本発明の指向性スピーカーにおける信号処理の方法は、まず図4(a)に示すように、可聴音音源(図1に示す再生信号発生手段10)で生成される可聴音信号15で、図4(b)に示す超音波帯域の搬送波信号16(ここで示されている搬送波信号15は、搬送波選択手段11により選択された一方の信号のことを指す。)を、変調搬送波手段13で行われる周波数変調法もしくは位相変調法により変調させて、図4(c)に示すような変調搬送波信号17を作成する。この変調搬送波信号17は、一定周期の超音波の搬送波信号16が可聴音信号15の振幅に合わせて変調されており、波形の振幅は同一とし、部分的に周期が異なる波形となっている。
先に示した搬送波変調手段13で採用する周波数変調法は、図4(a)における可聴音信号15の交流信号の振幅に比例させて搬送波信号16の角周波数を変化させて、搬送波を伸縮させた変調搬送波信号17を作成する方法である。
また、本発明で用いている超音波帯域の搬送波信号16は、少なくとも30kHz以上の周波数を用いるのが好ましい。一般的には、人間の耳に聞こえないと言われている18から20kHz以上の周波数帯域を超音波としている。しかし、30kHz未満の搬送波信号16では可聴音周波数に近すぎるため、前述した可聴音信号15でこの搬送波信号16を変調しても、搬送波の伸縮度合いが小さくなってしまう。そのため、この帯域では、実際に使用者が認識できる可聴音が再生され難いし、例えこれが再生されたとしても、非常に音圧の低い音になってしまい、使用者には殆ど聞こえない。また、変調搬送波信号17の周波数の伸展時に20kHz以下になる場合もあり、この場合は変調搬送波信号17が可聴域の音になるため、聞こえてしまう不具合がある。
さらに、前述した周波数変調を行う場合には、0.1から30kHzの変調度で搬送波
信号を周波数変調することが好ましい。それは、再生させる可聴音によって変調周波数を調節し、可聴音が歪みなくきれいに再生されるところに合わせる際に、30kHz以上の変調度になると再生される可聴音の歪みが大きく音が割れて聞こえるようになり、使用者が聞き取りにくくなってしまうからである。また、0.1kHz以下になると変調が低すぎて可聴音が再生されなくなってしまうからである。
したがって、本発明の指向性スピーカーは、使用者が、先に示した5mよりも長距離音場で音声を再生したい場合は、第1の波長を30〜80kHzの範囲内に設定された搬送波信号16を、搬送波選択手段11にて選択するのが好ましいことが判る。これに対し、5mよりも近距離音場で音声を再生したい場合は、前述したと同様である。
また、先に説明をした周波数変調に代えて行うことができる位相変調法は、可聴音信号15の交流信号の振幅に比例して搬送波信号16の位相を変化させ、搬送波を伸縮させた変調搬送波信号17を作成する方法である。この周波数変調と位相変調の両者いずれの方法であっても、搬送波信号16が伸縮部をもった波形の変調搬送波信号17に変換させることができる。
この位相変調で用いる超音波帯域の搬送波信号16においても、先に説明をした30kHz以上の周波数を用いるのが好ましい理由は、前述したと同じである。
また、前述した位相変調を行う場合には、0.1から25ragの変調位相で搬送波を変調することが好ましい。それは、再生させる可聴音によって変調位相を調節し、可聴音は歪みなくきれいに再生されるように合わせる際に、25rag以上の変調では再生される可聴音の歪みが大きすぎて割れて聞こえ、きれいな音で再生できなくなるからである。また、0.1rag以下では変調が低すぎて可聴音は再生されなくなってしまうからである。
次に、可聴音再生の原理について図5(a),(b)を用いて説明する。本図(a)は、本発明の指向性スピーカーから発信された変調搬送波信号の粗密周期の状態を示す説明図であり、本図(b)は、その粗密周期が使用者の耳に聞こえるまでの原理を示す説明図である。
作成した変調搬送波信号17(図4(c)参照)が、図5(a)に示すように超音波スピーカー14から大気中へ出力されると、超音波スピーカー14の振動板の振動で空気の粗密状態を発生させ、図5(c)に示す変調搬送波信号17の波形に応じた空気圧を発生させることができる。その結果、大気中に放出された変調搬送波信号17は、超音波帯域の細かい振動からくる空気圧の高い部分18と、振動の緩和された空気圧の低い部分19を発生させる。
この波形が使用者の耳に到達すると、使用者は超音波帯域の空気の圧力振動を聞き取ることができないが、可聴音域の圧力振動のみを聞き取ることができる様になる。そのため、図5(b)に示すように空気圧の高い部分18と、低い部分19の領域だけが認知されることとなり、使用者に音声として認識出来るようになる。これは、使用者の耳が一種のローパスフィルターの作用をするため、本発明の指向性スピーカーの使用者は、超音波帯域の振動から可聴音域の振動を取り出すことができるのである。
ここで、指向性の音場を形成する原理について図6を用いて説明する。図6は、本発明の指向性スピーカーの指向性原理を説明するための概略図である。
一般的に、ある平坦な板を可聴音域から超音波帯域まで徐々に振動周波数を高くしてい
くと、振動周波数が高くなるにつれて、振動している平坦な板の中心軸20を中心とした領域に、音圧21の高い高音圧領域22が集中するようになってくることが知られている。
この現象は、本発明の指向性スピーカーへも当てはまり、高音圧領域22よりも外側では音圧が極端に低くなるため、超音波スピーカー14から発信された音波は、長い距離を伝播することができなくなってしまう。そのため、超音波スピーカー14から遠く離れると、高音圧領域22内のみで音が伝播するようになり、結果として狭い指向性を持つようになる。
この様に、本発明の超音波スピーカー14から出力される変調搬送波信号17は、超音波帯域の信号であるので、超音波スピーカー14の前方で広角に広がらずに、ある狭い指向性をもってその超音波を伝播させることができる。
したがって、本発明の指向性スピーカーの使用者は、変調搬送波信号17の伝播する狭い範囲内でのみ可聴音を聞くことができ、この範囲外では可聴音を聞くことはできないようにすることができる様になる。
ここで、本発明の指向性スピーカーに用いることができる超音波スピーカーの具体的な構成について説明をする。図7は、本発明の指向性スピーカーを具現化するための超音波スピーカーの一形態を示す図面である。
前述した駆動原理に基づいて可聴音場の到達距離を可変にする場合は、従来の超音波スピーカー(図9(b)参照)を可変する搬送波の周波数の数に合わせてそれぞれ複数個用意すれば可能となる。しかしながら、その場合は、発信する変調搬送波信号17の種類の数だけ超音波スピーカーを用意しなければならず、指向性スピーカーの装置サイズが大きくなってしまう。そこで、次に説明する形態を本発明の指向性スピーカーに適用すれば、複数の種類の変調搬送波信号17を発信する場合であっても装置サイズを小型化できるようになる。その具体的な構成例を示す。
図7に示す本発明の指向性スピーカーに用いる超音波スピーカーは、従来と同様に、振動板31を振動させて超音波を発信できる構成となっている。そして、このスピーカーにおける振動板31の両面には、振動発生源として共振点の異なる、つまり、変調搬送波信号17の中心周波数が低周波用と高周波用に設定された圧電素子32a,32bをそれぞれ貼り付けられた構成としてあり、これにより、異なる周波数の音波をそれぞれ放出することができる様になっている。なお、どちらか一方の圧電素子32a,32bの表面に、放出する音圧を大きくするための共振子33を貼り付けても構わない。
そして、前述した指向性スピーカーの駆動原理を達成するために、低周波用の圧電素子32aを使って振動板31を振動させた場合は、長い到達距離の音場を形成し、高周波用の圧電素子32bを使って振動板31を振動させた場合は、音波の到達距離が短くなるので、近い到達距離の音場を形成することが可能になる。
また、このスピーカーは、振動板31を固定するベース28に電極29a〜29cが固定され、さらに電極29a,29cの先端部に絶縁性接着剤30a,30bを用いて圧電素子32bを貼り付けた構造となっている。またさらに、圧電素子32a,32bは、電極29a〜29cとリード線34a〜34cで接続され、外部の電気回路からの信号で圧電素子32a,32bを振動させることができる形態としている。本実施例では、電極29a〜29cはグランド配線を共通にして、プラス側配線を2本用いてそれぞれの圧電素子32a,32bを回路と接続しているので、合計3本の電極29a〜29cで2つの周
波数の超音波を放出することが出来るようになる。
以上に示した形態を採用すれば、2段階の搬送波の周波数を切り替えて、2段階の音波の到達距離を可変とすることが可能になるが、さらに別の中心周波数を持つ圧電素子で作製した指向性スピーカーと組み合わせれば、従来の超音波スピーカーを用いる場合よりもスピーカーの数が半分で済むことは明らかである。また、前述した圧電素子32a,32bを入れ替えた構成としても構わない。この様に、上記構成を採用すれば、指向性スピーカー、ひいてはそれを組込んだ電子機器の装置サイズを小型化することが可能になる。
次に、本発明の指向性スピーカーに用いる超音波スピーカーの他の形態について説明する。図8は、その超音波スピーカーにおける圧電素子に与える周波数を変化させたときの音圧が増減する現象を示す図面である。
本形態では、図9(b)に示す従来と同じ構造の超音波スピーカー構造を用いるが、この場合の駆動方法は、圧電素子32の共振点の1次共振点と2次共振点を用いて2種類の変調搬送波信号17を発振できる様になっている点が従来とは異なっている。
一般に圧電素子32の共振点は、図8に示す矢印のように、低周波側から1次、2次、3次とある間隔で音圧が高くなる頂点が出現する。本形態では、低周波側の1次共振点25と、その高周波側に現れる2次共振点26とを使う場合について説明する。
前記した指向性スピーカーで長距離の音場を形成する場合は、搬送波選択手段11(図1参照)で、搬送波の周波数の内、低い方の1次共振点25の周波数を第1の波長として選択して駆動する。また、近距離の音場を形成する場合には、高周波側に存在する2次共振点26の周波数を第2の波長として選択して駆動する。これよりもさらに高周波側の共振点の周波数を選択して用いれば、更に近距離の音場を形成することも可能となる。
このように、圧電素子32が持つ複数の共振点を任意に選択できるようにすれば、1つの超音波スピーカーから複数の種類の変調搬送波信号17を切り替えて出力することができ、先に示した形態よりも更に超音波スピーカー14や、それを搭載した指向性スピーカー、ひいてはそれを組込んだ電子機器の装置サイズをより小型化することが可能になる。
以上の説明のごとく、本発明によれば、再生したい可聴音信号15で超音波の搬送波信号16を周波数変調もしくは位相変調する駆動を採用して、搬送波信号16の周波数を可変に制御することで、音場の到達距離を可変にできる、使用者の状況に応じて限定範囲で音場の形成を可能とした指向性スピーカーを提供することができる。
このような効果のある小型薄型の指向性スピーカーを、携帯電話、携帯情報端末、携帯テレビ、もしくはパーソナルコンピューター等の電子機器へ搭載すれば、使用者のニーズに応じて指向性を有する音声の到達距離を任意に制御する電子機器とすることが出来る。
本発明の指向性スピーカーの構成を示す概略図である。 本発明の指向性スピーカーにおける音圧の到達距離と、音圧の減衰量との関係を示す図である。 本発明の指向性スピーカーにおける搬送波信号の周波数が異なる場合の可聴音音場の形成状態を示す図である。 本発明の指向性スピーカーにおける駆動原理を説明するための図面である。 本発明の指向性スピーカーにおける作用を示す説明図である。 本発明の指向性スピーカーにおける指向性原理を説明するための概略図である。 本発明の指向性スピーカーを具現化するための一形態を示す超音波スピーカーの構造断面図である。 本発明の指向性スピーカーを具現化するための他の形態における作用を説明するための、圧電素子の周波数と音圧との関係を示す図である。 従来の指向性スピーカーの構成を示す上部平面図と、この指向性スピーカーを構成する超音波スピーカーの構成を示す構造断面図である。
符号の説明
10 再生信号発生手段
11 搬送波選択手段
12 超音波発振手段
13 搬送波変調手段
14 超音波スピーカー
15 可聴音信号
16 搬送波信号
17 変調搬送波信号
18 空気圧の高い部分
19 空気圧の低い部分
20 中心軸
21 音圧
22 高音圧領域
23 長距離音場
24 近距離音場
25 1次共振点
26 2次共振点
27 プリント基板
28 ベース
29a〜29c 電極
30a,30b 絶縁性接着剤
31 振動板
32a,32b 圧電素子
33 共振子
34a〜34c リード線



Claims (3)

  1. 可聴音信号により超音波域の搬送波を変調させた変調搬送波の粗密周期に基づいて振動板を振動させて、指向性を持った音波を発振する指向性スピーカーであって、
    前記振動板から発振される前記音波の到達距離を、それぞれ異ならせることができる少なくとも2つの搬送波を選択する搬送波選択手段により、前記音波の到達距離を変更できるようにしたことを特徴とする指向性スピーカー。
  2. 前記搬送波選択手段は、異なる共振周波数を持つ複数個の圧電素子を、前記振動板の表面に配設し、この複数個の圧電素子の駆動を切り替えて、前記搬送波を選択する手段であることを特徴とする請求項1に記載の指向性スピーカー。
  3. 前記搬送波選択手段は、前記振動板に配設された圧電素子が有する複数個の共振点を任意に切り替えて、前記搬送波を選択する手段であることを特徴とする請求項1に記載の指向性スピーカー。
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