JP2007074865A - 電力変換装置 - Google Patents

Abstract

【課題】半導体電力変換装置の小形，コンパクト化と併せて、収納機器の冷却性能向上が図れるように盤内構造を改良する。
【解決手段】入力変圧器４および該変圧器の二次側に接続する複数基の半導体変換ユニット５を閉鎖盤に収納した半導体電力変換装置を次記のように構成するものとする。すなわち、前面カバー付きの単一閉鎖盤１０の盤内に前記の半導体変換ユニット５と入力変圧器４を上段，下段に分けて収納し、かつ半導体変換ユニットおよび変圧器の収納部に連通して半導体変換ユニットの背後に縦向きの風胴１０ａを画成した上で、該風胴に連ねて盤の天井に冷却ファン１５を設置し、前面カバー１１，１２に開口した吸気口１１ａ，１２ａを通じて盤内に取り込んだ冷却空気（図示矢印）を変圧器，半導体変換ユニットに通風して強制風し、その排気空気を風胴，冷却ファンを経て系外に放出する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、電動力プラントに適用するインバータ装置などを対象とする電力変換装置に関する。

頭記の電力変換装置について、従来の構成では入力変圧器，該入力変圧器の二次側に接続する複数基の半導体変換ユニット（ＩＧＢＴインバータ），および制御部をそれぞれ独立した閉鎖盤へ個別に収納して列盤を構成している（例えば、特許文献１参照）。
次に、前記した列盤構成になる従来の電力変換装置を図５，図６に示す。各図において、１は変圧器盤、２は変換器盤、３は制御・出力盤であり、変圧器盤１には入力変圧器４を、制御変換器盤２には複数基（図示例では６台）の半導体変換ユニット５を、制御・出力盤３には制御部６，出力ケーブル７をそれぞれ収納し、列盤１〜３の相互間に跨がって盤の側版開口部（図示せず）を通じて主回路電線を配線するようにしている。また、変圧器盤１，変換器盤２にはその盤の天井に冷却ファン８，９を配備し、各盤の前面カバー１ａ，３ａに開口した吸気口を通じて盤内に冷却空気を通風して変圧器４，半導体変換ユニット５を風冷するようにしている。なお、冷却ファン８，９には排気ダクト（図示せず）を接続配管し、該排気ダクトを通じて盤内の廃熱空気を系外に放出するようにしている。
特開２００４−３５７４３６号公報

ところで、前記した列盤構成になる従来の電力変換装置は、制御・出力盤３を含めた列盤１〜３の幅寸法Ｌが大きく、高圧，中容量装置では約４０００mmにもなり、当該装置を設置する設備の電気室に大きなスペースが必要となることから、装置の小形，コンパクト化を推進することが重要課題となっている。
また、変換器盤２に関しても、従来構造では６台の半導体変換ユニット５をプラグイン式構造として上下一列に多段積みして盤内に収納し、その背後の冷却ファン付き風胴を通じて冷却空気を通風するようにしていることから、半導体変換ユニットの収納位置によって冷却空気の風量が不平衡となり、風量の少ないユニットでは風冷性能が低下する問題もある。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は装置の小形，コンパクト化と併せて、盤内に収納した機器の冷却性能向上が図れるように盤内構造を改良した半導体電力変換装置を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明によれば、入力変圧器および該変圧器の二次側に接続する複数基の半導体変換ユニットを閉鎖盤に収納した半導体電力変換装置を次記のように構成するものとする。すなわち、
前面カバー付きの単一盤に前記の半導体変換ユニットと入力変圧器を上段，下段に分けて収納し、かつ半導体変換ユニットおよび変圧器の収納部に連通して半導体変換ユニットの背後に縦向きの風胴を画成した上で、該風胴に連ねて盤の天井に冷却ファンを設置し、前面カバーに開口した吸気口を通じて盤内に取り込んだ冷却空気を変圧器，半導体変換ユニットに通風して強制冷却し、その排気空気を風胴，冷却ファンを経て系外に排気するようにし（請求項１）、具体的には次記のような態様で構成するものとする。
（１）盤内の中段高さ位置に仕切板を敷設してその上段側に半導体変換ユニットを配置し、かつ仕切板には風胴と下段側の変圧器収納空間との間を連通する導風口を開口する（請求項２）。
（２）複数基の半導体変換ユニットを左右二列に分けて盤内の上段に収納し、かつその背後に対面する風胴ダクト板には各半導体変換ユニットの放熱部に連通する導風口を開口する（請求項３）。
（３）冷却ファンとは別に盤の天井に換気ファンを併設し、該換気ファンを通じて風胴外の盤内空気を換気する（請求項４）。

上記の構成によれば、次記の効果を奏する。
（１）単一の閉鎖盤内に入力変圧器および半導体変換ユニットを上下段に分けて収納したことで、従来の列盤構成と比べて装置を小形，コンパクトに構成でき設置場所の省スペース化が図れる。
（２）盤内の上段側に収納した半導体変換ユニットと下段側の入力変圧器との間を仕切るように仕切板を敷設し、かつ該仕切板には前記風胴と下段側の変圧器収納空間との間を連通する導風口を開口することにより、変圧器の発生熱の影響が半導体変換ユニットに及ぶのを抑制できる。
（３）また、複数基の半導体変換ユニットを左右二列に分けて盤内の上段に収納し、かつその背後に対面する風胴板には各半導体変換ユニットの放熱部に連通する導風口を開口したことにより、半導体変換ユニットごとに備えた放熱部（放熱フィン）に冷却空気を集中してバランスよく通風することができて冷却性能が向上する。
（４）さらに、前記の冷却ファンとは別に盤の天井に換気ファンを併設したことにより、冷却ファンに通じる風胴を通流せずに盤内上部空間に停滞している空気を換気して半導体変換ユニット，主回路導体から周囲に放散した熱を換気空気と一緒に盤外に排出することができる。

以下、本発明の実施の形態を図１〜図４に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図５，図６に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
すなわち、図示実施例においては、図６に示した従来の変圧器盤１と横幅寸法が略同じな単一の閉鎖盤１０に対して、その盤内の上段側に合計６基の半導体変換ユニット５を３基ずつ左右二列に分け積み上げ収納し、盤内の下段側には入力変圧器４を収納するとともに、さらに左右列に分けて収納した半導体変換ユニット５背後側には、各列に対応して上下方向に延在する縦向きの風胴１０ａを左右に振り分けて画成した上で、その各風胴１０ａに連ねて盤の天井には２台の冷却ファン１５−１，１５−２からなる冷却ファン１５を設置している。また、閉鎖盤１０の前面上下に配した前面カバー１１，１２には、前記の半導体変換ユニット収納部，および変圧器収納部に対応する冷却空気の吸気口（金網格子）１１ａ，１２ａ（図３参照）が開口している。

また、閉鎖盤１０の盤内の中段高さ位置には仕切板１３を敷設し、該仕切板１３の上段側にフレームとトレーで構築した変換ユニット収納部に半導体変換ユニット５をプラグイン式に収納しており、かつ仕切板１３の後端部には導風口を開口し、該導風口を通じて前記風胴１０ａと下段側の変圧器収納空間とを連通させるようにしている。
一方、前記の風胴１０ａは盤内の後部側で縦向きに布設した風胴ダクトで画成し、かつ前記した変換ユニット収納部の背後に対面する風胴ダクト板１４（図４（ａ），（ｂ）参照）には各半導体変換ユニット５に設けた放熱部５ａ（半導体変換ユニット５は、その半導体素子のヒートシンクとしてユニットケースの背後に放熱部（放熱フィン）を備えて該放熱部に冷却空気を通風して除熱するようにしている）に通じる導風口１４ａを開口している。

また、前記の冷却ファン１５と別に、閉鎖盤１０の天井には冷却ファン１５−１と１５−２との間に並べて換気ファン１６を配置し、該換気ファン１６を通じて盤内の上部空間（風胴１０ａおよび該風胴に通じる冷却空気の導風路を除く）を換気して該空間にこもっている熱を系外に排出するようにしている。
なお、図１に表した符号１７は入力変圧器４と各半導体変換ユニット５との間を接続する主回路電線であり、該主回路電線１７は前記風胴１０ａの側方に確保した盤内の配線スペース１０ｂを通して配線されている。
上記のように単一の閉鎖盤１０の盤内に入力変圧器４および複数基の半導体変換ユニット５を上下段に分けて収納した構成により、図５に示した従来の列盤構成（変圧器盤と変換器盤とが別構成）と較べて、制御・出力盤３を含めた横幅寸法Ｌを大幅に縮小（図５に示した変圧器盤１の横幅寸法と同程度）して当該装置を設置する電気室の省スペース化が図れる。

また上記の構成で、半導体電力変換装置の運転時には、前記冷却ファン１５−１，１５−２の送風により、図１に矢印で表すよう前面カバー１１，１２の吸気口１１ａ，１２ａを通じて盤内に取り込んだ冷却空気が入力変圧器４，および半導体変換ユニット５の放熱部５ａに通風して強制風冷し、その排気が風胴１０ａを通じて系外に放出される。また同時に換気ファン１６の送風により、盤内の上部空間にこもった熱（半導体変換ユニット５，主回路導体１７から周囲に放散した熱）も盤外に排出される。これにより、限られた単一の盤内スペースを有効に活用して盤内に収納した機器を効果的に風冷できる。

本発明の実施例に係わる半導体電力変換装置の内部構造を表す縦断側面図 閉鎖盤の前面カバーを外した盤内構造を表す図１の正面図 図１の正面図 図１における閉鎖盤の構造図で、（ａ）は前面カバーを外した状態の正面図、（ｂ）は（ａ）の矢視Ｘ−Ｘ断面図 列盤構成になる従来の半導体電力変換装置で、その各盤の前面カバーを外した状態の正面図 図５における変換器盤の縦断側面図

符号の説明

４ 入力変圧器
５ 半導体変換ユニット
５ａ 放熱部
１０ 単一の閉鎖盤
１１，１２ 前面カバー
１１ａ，１２ａ 吸気口
１３ 仕切板
１４ 風胴ダクト板
１４ａ 導風口
１５，１５−１，１５−２ 冷却ファン
１６ 換気ファン
１７ 主回路電線の配線スペース

Claims (4)

1. 入力変圧器と、該変圧器の二次側に接続した複数基の半導体変換ユニットを閉鎖盤に収納し、その盤内に冷却空気を通風して変圧器，半導体変換器を強制風冷するようにした半導体電力変換装置であって、
   前面カバー付きの単一盤に前記の半導体変換ユニットと入力変圧器を上段，下段に分けて収納し、かつ半導体変換ユニットおよび変圧器の収納部に連通して半導体変換ユニットの背後に縦向きの風胴を画成した上で、該風胴に連ねて盤の天井に冷却ファンを設置し、前面カバーに開口した吸気口を通じて盤内に取り込んだ冷却空気を変圧器，半導体変換ユニットに通風して強制冷却し、その排気空気を風胴，冷却ファンを経て系外に排気するようにしたことを特徴とする半導体電力変換装置。
2. 請求項１記載の半導体電力変換装置において、盤内の中段高さ位置に仕切板を敷設してその上段側に半導体変換ユニットを配置し、かつ仕切板には風胴と下段側の変圧器収納空間との間を連通する導風口を開口したことを特徴とする半導体電力変換装置。
3. 請求項１または２記載の半導体電力変換装置において、複数基の半導体変換ユニットを左右二列に分けて盤内の上段に収納し、かつその背後に対面する風胴ダクト板には各半導体変換ユニットの放熱部に連通する導風口を開口したことを特徴とする半導体電力変換装置。
4. 請求項１ないし３記載の半導体電力変換装置において、冷却ファンとは別に盤の天井に換気ファンを併設し、該換気ファンを通じて風胴外の盤内空気を換気するようにしたことを特徴とする半導体電力変換装置。

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