JP2007073935A - 回路基板とその製造方法、及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性フィルム1の一面に、薄膜形成法でガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層3を形成し、次に可撓性フィルム1の他面に、回路パターンを有する金属層4を形成して、回路基板31aを形成する。
【選択図】図1
Description
微細化には、基板上のパターンの位置精度を上げて回路基板とICなどの電子部品とを位置合わせすることが要求されるが、ICの多ピン化の進展に従い、要求される精度に対応することが厳しくなってきている。
可撓性フィルムの表面に回路パターンを形成する回路加工プロセスにおいては、乾燥やキュアなどの熱処理プロセス、エッチングや現像などの湿式プロセスがあり、可撓性フィルムは膨張と収縮を繰り返すため、基板上の回路パターンの位置ずれを引き起こしてしまう。また、アライメントが必要なプロセスが複数ある場合、これらのプロセスの間に膨張、収縮があると、形成されるパターン間で位置ずれが発生する。
図8に従来の回路基板の製造方法を示す。(a)でガラス板等の補強板300に接着剤500を塗布し、(b)で接着剤500の上面に可撓性フィルム100を貼り付ける。(c)で可撓性フィルム100の上面に金属層400を形成し、金属層400に回路パターンを形成して(d)で示すような回路基板3000を得る。電子部品1000を位置合わせしてからバンプ1100を加熱、加圧して(e)で示すように金属層400と電子部品1000を接続する。可撓性フィルム100から補強板300を剥離して(f)で示すような半導体装置を得る(例えば、特許文献1参照。)。
また、ガラス板等の補強板が、回路パターンを形成する工程から電子部品を実装する工程まで必要になり、工程間の搬送等の取り扱いに注意が必要であった。
本発明は、このような従来の回路基板と回路基板の製造方法が有していた問題を解決しようとするものであり、高精細で生産性に優れたフィルム回路基板の提供を目的とするものである。
もしくはフィルムと、フィルムの他面に薄膜形成法で形成され、ガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層と、補強用支持層の他面に形成され、回路パターンを有する金属層と、を有する。
もしくは、フィルムと、前記フィルムの一面に薄膜形成法で形成され、ガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層と、前記フィルムの他面に形成され、回路パターンを有する金属層と、を有し、該金属層の少なくとも一部には、該金属層と電気的に接続する被接続物を接続可能な接続部が形成され、前記補強用支持層は、前記フィルムの他面において、前記接続部と対応する部分にのみ形成されている。
補強用支持層をガラスまたはセラミックスにすることによって、回路パターンを形成する工程時における湿度や温度、酸の影響をフィルムが受けることを防ぐ。
また、フィルム及び補強用支持層が可撓性部材である。
補強用支持層の厚みが0.5μm〜5.0μmである。
また、補強用支持層が薄膜であるため、電子部品を実装した後も回路基板から補強用支持層を剥離する必要がなくなる。
本発明の回路基板の製造方法は、フィルムの一面に薄膜形成法によってガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層を形成する工程と、フィルムの他面に形成した金属層に回路パターンを形成する工程と、を有する。
もしくは、フィルムの他面に薄膜形成法によってガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層を形成する工程と、補強用支持層の他面に形成した金属層に回路パターンを形成する工程と、を有する。
もしくは、フィルムの一面に形成した金属層に回路パターンを形成する工程と、前記フィルムの他面で、前記金属層に被接続物を電気的に接続させる接続部と対応する範囲のみに、薄膜形成法によってガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層を形成する工程と、を有する。
これによって、湿度の影響が防がれた可撓性フィルム上に形成された回路パターンに電子部品を接続することができるため、高精細な半導体装置を製造することができる。
また、補強用支持層を形成する工程において、フィルムが巻かれたロールからロールを引き出して補強用支持層を連続的に形成し、補強用支持層が形成されたフィルムを巻き取り用ロールに巻き取る。
ロール式を採用することによって、スパッタ等を用いて連続的に補強用支持層を形成することができる。
また、補強用支持層が薄膜形成法で形成されるため、従来必要であった接着剤を塗布する工程が不要となり、電子部品を実装した後も補強用支持層を剥離する必要がない。
更に、補強用支持層が薄膜であるため、取り扱いも容易であり長尺連続式を採用するなどして生産性を著しく向上させることができる。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態に係る回路基板の構成例を説明する図であり、(a)は可撓性フィルムを挟むように補強用支持層と金属層による回路パターンを構成させた例を示す部分断面図、(b)は補強用支持層を挟むように可撓性フィルムと金属層による回路パターンを構成させた例を示す部分断面図である。
図1(a)に示すように、回路基板31aは可撓性フィルム1を中央に挟むようにその下面に薄膜形成法で形成された補強用支持層3が形成され、上面に回路パターンが形成された金属層4が形成されている。なお、図中においては説明のため上側を上面、下側を下面としているが、これに限るものでは無く、反転させた構成としても良い。ここで、可撓性フィルム1は、有機材料からなる。
可撓性フィルム1にセラミックの薄膜をスパッタすることで、補強用支持層3は形成される。このため、補強用支持層3は、0.1μm厚以上であれば製作することが可能である。セラミックの薄膜をスパッタで可撓性フィルム1上に形成すると、薄膜内部に応力が発生し、可撓性フィルム1が反ってしまう場合があるため、セラミックの薄膜厚は可撓性フィルム1の厚さの1/20〜1/80にするのが好適である。上記に示すように、可撓性フィルム1にアラミドフィルムを、補強用支持層3にはSiO2を選択するのが好ましいが、これに限定されるものでは無く、可撓性フィルム1に用いる材料と補強用支持層3に用いる材料同士の組み合わせについては様々な選択が可能である。
また、金属層4は、例えば、可撓性フィルム1の上面に銅メッキして3〜8μm厚の銅層を形成したものである。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る回路基板31aの製造方法を説明するための各工程終了後の状態を示す部分断面図であり、(a)は補強用支持層形成工程終了後の状態を示す図、(b)は金属層形成工程終了後の状態を示す図、(c)はフォトレジスト形成工程終了後の状態を示す図、(d)は露光・現像工程終了後の状態を示す図、(e)は回路パターン形成工程終了後の状態を示す図、(f)は回路基板完成状態を示す図である。さらに図2(h)は回路基板を利用した半導体装置の例を示す部分断面図である。
本実施形態においては、可撓性フィルム1に厚さ4μm、幅250mmのアラミドフィルムを用いた。補強用支持層3は、スパッタ装置を用い、薄膜形成法によってSiO2膜を成膜することで形成した。このSiO2膜による補強用支持層3は、可撓性フィルム1に0.2μmの厚さで形成した。
可撓性フィルム1の厚さは、電子機器の軽量化及び小型化、さらに微細なビアホール形成のためには薄い方が好適であり、4μmから25μmの範囲とすることが好適である。
補強用支持層3はセラミックスまたはガラスから選択される。セラミックスの場合、サイアロン、SiO2、アルミナ、ジルコニア、あるいは、窒化シリコンなどが用いられ、スパッタ法、CVD法、蒸着法、PLD法などによって形成される。ガラスの場合、無機ガラス類のソーダライムガラス、ホウケイ酸系ガラス、あるいは、石英ガラスなどが用いられ、スパッタ法、CVD法、蒸着法、PLD法などによって形成される。
金属層4を形成する前に、可撓性フィルム1の表面に接着力向上のために、プラズマ処理、逆スパッタ処理、プライマー層塗布、接着剤層の塗布(図示せず)を行っても良い。
また、金属層4は補強用支持層3を形成する前に、あらかじめ可撓性フィルム1の片面または両面に形成されていてもよい。金属層4が両面に形成されている場合、下面に形成された金属層4の下面に補強用支持層3が形成されることになるが、この可撓性フィルム1と補強用支持層3に挟まれた金属層4は、電磁波遮蔽のためのグラウンド層などとして利用することができる。あらかじめ形成される金属層4は、銅箔などの金属箔を接着剤層で貼り付けて形成されても良いし、スパッタやメッキ、あるいはこれらの組合せで形成されても良い。また、銅などの金属層4の面上に可撓性フィルム1の原料樹脂あるいはその前駆体を塗布や乾燥やキュアすることで、金属層4付き可撓性フィルム1を作り、これを利用することもできる。金属層4としては、導電性が高いものであれば良く、金、銀、アルミニウムなども用いることができる。
また、金属層4は可撓性フィルム1の上面に必ずしも形成されている必要はなく、図1(b)で示すように補強用支持層3の上面に形成されてもよく、可撓性フィルム1の下面と補強用支持層3の上面の両方に形成されていても良い。更に、補強用支持層3も可撓性フィルム1の一方の面にだけでなく、両面に形成されていてもよい。
次に図4(e)に示すように、フォトレジスト20が形成されていない部分の金属層4をエッチングする。
次にフォトレジスト20を除去して、図4(f)に示すような回路パターンを有する金属層4が形成された回路基板31aを得る。
更に、バンプ11を有する電子部品10を金属層4の上面に位置合わせして載置し、バンプ11を加熱及び加圧して接続することで、図2(g)に示すような半導体装置41aを得る。
図3は本発明の第2の実施形態に係る回路基板の構成例を説明する図であり、(a)は可撓性フィルムを挟むように補強用支持層と金属層による回路パターンを構成させた例を示す部分断面図、(b)は補強用支持層を挟むように可撓性フィルムと金属層による回路パターンを構成させた例を示す部分断面図である。
なお、下地層2及び金属層4は可撓性フィルム1の上面に形成されていなくてもよく、図3(b)に示す回路基板30bように可撓性フィルム1の上面に薄膜形成法で形成された補強用支持層3が形成され、補強用支持層3の上面に下地層2と回路パターンが形成された金属層4とが形成されていてもよい。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る回路基板30aの製造方法を説明するための各工程終了後の状態を示す部分断面図であり、(a)は補強用支持層形成工程終了後の状態を示す図、(b)は下地層形成工程終了後の状態を示す図、(c)はフォトレジスト形成工程終了後の状態を示す図、(d)は露光・現像工程終了後の状態を示す図、(e)は金属層形成工程終了後の状態を示す図、(f)は回路パターン形成工程終了後の状態を示す図、(g)は下地層除去工程終了後の回路基板完成状態を示す図である。さらに図4(h)は回路基板を利用した半導体装置の例を示す部分断面図である。
次に図4(b)に示すような状態となるように下地層形成工程を行う。下地層形成工程では、可撓性フィルム1の上面に下地層2を形成する。下地層2の形成方法は、大きく分けてフルアディティブ法とセミアディティブ法の2種類がある。本実施形態においては、セミアディティブ法を用いて下地層2を形成した場合について説明する。
セミアディティブ法を用いる場合、クロム、ニッケル、銅またはこれらの合金を下地層2としてスパッタして形成する。下地層2の厚みは1nmから1000nmの範囲である。ここで、クロム、ニッケル、銅またはこれらの合金の上面に銅スパッタ膜をさらに50nmから3000nm積層して2層構造の下地層2とした場合、後述する電解メッキのための十分な導通確保や金属層4の接着力向上、ピンホール欠陥防止に効果がある。また、セミアディティブ法を用いる場合、下地層2の形成に先立ち、接着力向上のために可撓性フィルム1の表面にプラズマ処理、逆スパッタ処理、プライマー層塗布、接着剤層の塗布(図示せず)を行っても良い。中でもエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリイミド樹脂系、NBR系などの接着剤層の塗布は接着力改善効果が大きい。接着剤層は、高温高圧による電子部品の接続時の沈み込みを抑制するために硬度が高いことが好ましく、また、厚みは2μm以下であることが好ましい。これらの処理や塗布は、補強用支持層3を形成する前に行っても良い。このとき、長尺の可撓性フィルム1に対してロールツーロールで連続処理させると、生産性向上が図れて好ましい。また、下地層2は補強用支持層3を可撓性フィルム1の下面に形成する前に、長尺の可撓性フィルム1上に形成しても良い。
次にフォトレジスト20を所定のパターンを有するフォトマスク(図示せず)を介して露光し、現像して図2(d)に示すように、回路パターンを形成しない箇所に形成されたフォトレジスト20を得る。
セミアディティブ法の場合、下地層2を電極として電解メッキを行う。電解メッキ液としては、硫酸銅メッキ液、シアン化銅メッキ液、ピロ燐酸銅メッキ液などが用いられ、電解メッキ液に回路基板用部材30を浸漬し、厚さ2μmから4μmの金属層4となる銅メッキ膜を形成する。
更に、バンプ11を有する電子部品10を金属層4の上面に位置合わせして載置し、バンプ11を加熱及び加圧して接続することで、図4(h)に示すような半導体装置40aを得る。
また、可撓性を有する厚さの補強用支持層3で可撓性フィルム1を補強するため、補強支持層3と可撓性フィルム1が積層されてもなお可撓性を有する。したがって、長尺連続体で回路パターンを形成するエッチング工程から回路基板31に電子部品を実装する工程までを実施することができる。
図5及び図6は本発明の第3の実施形態に係る回路基板及び半導体装置を説明する図である。図5は、本実施形態の回路基板を備えた半導体装置の部分平面図であり、図6は図5のA−A断面で破断した断面図である。
更に、バンプ51aを有する電子部品51を金属層63の上面に位置合わせして載置し、バンプ51aを加熱及び加圧して接続した後、対応する位置においてボンディングワイヤで接続することで、半導体装置50を得る。
Claims (11)
- フィルムと、
前記フィルムの一面に薄膜形成法で形成され、ガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層と、
前記フィルムの他面に形成され、回路パターンを有する金属層と、を有する回路基板。 - フィルムと、
前記フィルムの一面に薄膜形成法で形成され、ガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層と、
前記補強用支持層の一面に形成され、回路パターンを有する金属層と、を有する回路基板。 - フィルムと、
前記フィルムの一面に薄膜形成法で形成され、ガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層と、
前記フィルムの他面に形成され、回路パターンを有する金属層と、を有し、
該金属層の少なくとも一部には、該金属層と電気的に接続する被接続物を接続可能な接続部が形成され、
前記補強用支持層は、前記フィルムの他面において、前記接続部と対応する部分にのみ形成されている回路基板。 - 前記フィルム及び前記補強用支持層が可撓性を有する請求項1から3のいずれかに記載の回路基板。
- 前記補強用支持層の厚みが0.5μm〜5.0μmである請求項4に記載の回路基板。
- 請求項1または2に記載の回路基板と、前記回路基板の金属層に接続された電子部品と、を有する半導体装置。
- 請求項3に記載の回路基板と、該回路基板の前記金属層と前記接続部で接続された前記被接続物である電子部品と、を有する半導体装置。
- フィルムの一面に薄膜形成法によってガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層を形成する工程と、
前記フィルムの他面に形成した金属層に回路パターンを形成する工程と、を有する回路基板の製造方法。 - フィルムの一面に薄膜形成法によってガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層を形成する工程と、
前記補強用支持層の一面に形成した金属層に回路パターンを形成する工程と、を有する回路基板の製造方法。 - フィルムの一面に形成した金属層に回路パターンを形成する工程と、
前記フィルムの他面で、前記金属層に被接続物を電気的に接続させる接続部と対応する範囲のみに、薄膜形成法によってガラスまたはセラミックスからなる補強用支持層を形成する工程と、を有する回路基板の製造方法。 - 前記補強用支持層を形成する工程において、前記フィルムが巻かれたロールから前記ロールを引き出して前記補強用支持層を連続的に形成し、前記補強用支持層が形成された前記フィルムを巻き取り用ロールに巻き取る請求項8から10のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
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