JP2007071722A - 弾性波素子のパラメータ測定方法 - Google Patents

弾性波素子のパラメータ測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 Q値が小さな水晶振動子の等価回路パラメータを精度良く測定する。
【解決手段】 共振周波数域から十分に遠い測定点1で、水晶振動子の等価回路のサセプタンス値を測定する。このサセプタンス値から求めたキャパシタンスを与えるサセプタンス値をもつ周波数を求め共振周波数Fsとする。さらに、共振点のコンダクタンス値を求め、コンダクタンス値の1/2の値をもつ周波数を求め、象限周波数F1、F2とする。2回目の測定からは、測定点1、4,5、2,8,3、6,7で測定し、共振周波数Fsを測定点2、3の直線補間で求め、象限周波数F1、F2を、測定点4,5及び測定点6、7のそれぞれの直線補間で求める。
【選択図】 図3

Description

本発明は、弾性波素子のパラメータ測定方法に関し、例えば、水晶振動子の共振周波数、象限周波数等と等価回路定数を測定する方法に関する。
水晶振動子のような弾性波素子の質量センサとしての利用は、電極表面上に吸着した物質の質量に比例して振動子がその基本周波数を変化させるという原理に基づいており、1959年にSauerbreyにより提案された理論式に従うことが実験的に証明されている。この原理は現在では広く応用されており、この理論式により定義される検出感度が、一般的な機械式天秤による質量測定法をはるかにしのぐ微量定量を可能にすることから、例えば気相中の匂い分子やエアロゾルの定量等の分野での実用化が図られてきた。
液相で作動する弾性表面波素子センサに関しては、1980年にBasstiaansらにより最初の液相型弾性素子センサが報告されて以降、通常は液相に溶解している医薬品、農薬及び食品添加物等の化学物質や、液相に溶解してのみ機能を発揮するDNAやRNA等の核酸、抗体、ホルモン受容体及びレクチン等のたんぱく質に代表される生体機能分子を検出対象とする応用が期待できるため、数多くの研究例が報告されてきた。
水晶振動子の基本発振周波数を求める方法として、発振回路により水晶振動子を発振させ、信号を周波数カウンタで測定する方法、あるいはベクトル・ネットワークアナライザを用いて水晶振動子の共振周波数点近傍を掃引し、掃引した周波数に対する動アドミッタンスの結果から求める方法がある。ベクトル・ネットワークアナライザを用いた方法では、直列共振周波数の他に、品質係数(Q値)や等価回路定数を求めることができる。
水晶振動子の弾性波素子としての高品位な周波数安定性は、品質係数(Q値)が大きいことで表されるが、水晶振動子の振動動作の阻害の程度が大きくなるにつれ、Q値は著しく減少する。気体に比べて粘性の高い液体に水晶板がさらされる液相センサの場合には、接液そのものが振動動作の阻害となるので、粘性によるエネルギ散逸率(D値=1/Q)が大きくなりインピーダンスが増加してQ値は減少する。
従来は、水晶振動子の動アドミタンスの実数成分であるコンダクタンスの最大値Gmaxを与える周波数を探して直列共振周波数Fsを得ていた。しかしながら、液相中でQ値が小さくなった水晶振動子は、コンダクタンスの最大値Gmax付近がなだらかになるとともに、測定ごとに周波数掃引ノイズが変化するので、コンダクタンス最大値Gmaxを定めるのが困難となる。したがって、コンダクタンス最大値Gmaxを与える直列共振周波数Fsを精度良く求めることができない。
図8と図9に、気相中と液相中の直列共振周波数付近のコンダクタンスを示す。横軸が1スパン1kHzの周波数であり、縦軸がコンダクタンスである。図8は、直列共振周波数27MHz付近のコンダクタンスである。図8に見られるように、気相中では、Q値の大きな水晶振動子のコンダクタンスの最大値は明確に指示することができ、コンダクタンスの最大値を与える共振周波数も明確である。図9には、液相中でQ値が小さくなった水晶振動子の共振周波数付近のコンダクタンスを示す。液相中の図9では、コンダクタンスは、共振周波数付近でほぼ一定値となり、コンダクタンスの最大値を与える点を特定することは困難である。
また、ベクトル・ネットワークアナライザの周波数掃引を行なう場合、分解能帯域幅(RBW)を狭くすることにより周波数掃引ノイズを下げることができるが、RBWに反比例して測定時間は長くなってしまう。逆に、RBWを広くすると測定時間は短くなるが、周波数掃引ノイズは大きくなる。したがって、本来気相中でQ値の大きな水晶振動子を前提とした従来の方法では、低Q値での測定を前提とする液相センサに適用してもノイズが大きくなり、短い時間間隔で直列共振周波数Fsの経時変化を精度良く測定することができない。
なお、液相で使用され水晶振動子センサの直列共振周波数を測定する方法としては、象限周波数F1とF2の相加平均により直列共振周波数を求める方法が提案されている(非特許文献1参照)。
古沢宏幸「FS−QCM法を用いる生体分子の水和と粘弾性の評価」(2005バイオ高分子シンポジウム)
本発明の目的は、上記問題に鑑み、弾性波素子のパラメータを、精度良く短時間で測定できる測定方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による弾性波素子のパラメータ測定方法は、少なくとも、共振周波数域から十分に遠い周波数域でサセプタンス値を測定し、該周波数とサセプタンス値からキャパシタンス値を求めるステップと、前記キャパシタンス値を与えるサセプタンス値を示す前記共振周波数域の周波数を求め共振周波数とするステップを有する。
さらに、前記共振周波数に対応するコンダクタンス値を求め、該コンダクタンス値の半分の値を示す低周波側の周波数と高周波側の周波数を求めそれぞれ低周波側の象限周波数と高周波側の象限周波数とするようにしてもよい。
さらに、弾性波素子のパラメータを所定時間ごとに測定するために、2回目以降の測定を行なう点として、前記共振周波数域から十分に遠い周波数域の点と、前記共振周波数を挟む2点と、前記共振周波数を示す点と、前記低周波側の象限周波数を挟む2点と、前記高周波側の象限周波数を挟む2点の計8点の周波数を選択し、2回目以降の測定では、前記8点でのみ測定することもできる。
また、前記共振周波数を挟む2点では、そのサセプタンスを測定し、該2点のサセプタンスを直線補間して、前記共振周波数域から十分に遠い周波数域の点で求められたキャパシタンス値を与えるサセプタンス値を示す周波数を求めて、新たな共振周波数とすることができる。
さらに、前記共振周波数と、前記低周波側の象限周波数を挟む2点と、前記高周波側の象限周波数を挟む2点では、そのコンダクタンスを測定し、前記低周波側の象限周波数を挟む2点と前記高周波側の象限周波数を挟む2点のコンダクタンスをそれぞれ直線補間して、前記共振周波数が示すコンダクタンス値の半分となるコンダクタンス値を示す周波数を求め、それぞれ低周波側の象限周波数と高周波側の象限周波数とすることができる。
さらに、前記2回目以降の測定では、前記共振周波数域から十分に遠い周波数域の点で測定されるサセプタンス値に代えて、前記第1回の測定で求めたサセプタンス値を使用してもよい。
さらにまた、前記2回目以降の測定で、前記低周波側の象限周波数と前記高周波側の象限周波数を求めるためのコンダクタンス値を与える共振周波数を、前記共振周波数とする代わりに、前回の測定で得られた新たな共振周波数としてもよい。
以上のように構成するので、本発明は、低Q値の弾性波素子においても、そのパラメータを高精度に測定することができる。また、2回目以降の測定を所定の測定点で行なうようにすれば、測定点を少なくでき高速な測定が可能になる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、水晶振動子を例にとるが、本発明は、水晶振動子に限らず、セラミック振動子など弾性波振動を利用する素子に対して適用できる。
図1に、本発明の測定方法により測定されるパラメータを説明するための水晶振動子の等価回路を示す。パラメータとしては、直列共振周波数、象限周波数、その他の回路定数が挙げられる。水晶振動子の等価回路は、インダクタンスL1と、容量C1と、抵抗R1とからなる機械的振動を表す直列共振回路と電極間容量C0との並列回路で表される。一般に、図1の等価回路の素子の値及びQ値は、以下の式(1)〜式(5)により求められる。
R1=1/Gmax ・・・・・・・・・・・(1)
Q=Fs/(F2−F1)・・・・・・・(2)
L1=Q・R1/2π・Fs・・・・・・(3)
C1=1/2π・Fs・Q・R1・・・・(4)
C0=B/2π・F・・・・・・・・・・(5)
ここで、Gmaxは、アドミタンスの実数成分であるコンダクタンスの最大値であり、共振点におけるコンダクタンスの値である。共振点では、直列共振回路は抵抗R1で表されるので、式(1)のように、Gmaxの逆数により抵抗R1が求まる。
Q値は、式(2)のように、直列共振周波数Fsを、高周波側の象限周波数F2から低周波側の象限周波数F1を引いた値で割った値として求められる。直列共振周波数Fsは、コンダクタンスの最大値Gmaxを与える周波数であり、象限周波数F1、F2は、コンダクタンスがGmaxの半分になる周波数である。
インダクタンスL1、容量C1はそれぞれ、式(3)、式(4)のように、Q値と共振周波数Fsから求められる。さらに、電極間容量C0は、共振周波数Fsと、共振点のアドミッタンスの虚数成分であるサセプタンスBsから式(5)により求めることができる。
図2は、複素平面上の動アドミタンスの周波数軌跡を示す。横軸がアドミタンスの実数成分であるコンダクタンスGを表し、縦軸がアドミタンスの虚数成分であるサセプタンスBを表している。周波数の掃引により周波数を増加させると、その周波数に対応する動アドミタンスは、時計回り方向に移動する。低周波側の象限周波数F1では、サセプタンスが最大となり、直列共振周波数Fsでは、コンダクタンスGは最大値Gmaxとなり、高周波側の象限周波数F2でサセプタンスが最小となる。ここで、直列共振周波数Fsを与える共振点のサセプタンスBsを考えると、図2から明らかなように、サセプタンスBsは、共振点の縦軸の値で表され、直列共振周波数Fsの共振点から十分に離れた点すなわちコンダクタンスがほぼ0となる点でのサセプタンスでもある。共振点から十分に離れた点は、また水晶振動子が実質的に振動していない点でもあり、図1の等価回路では、L1,C1,R1の直列回路がオープンになる点である。したがって、共振点から十分に離れた点のサセプタンスは、電極間容量C0のサセプタンスすなわちC0サセプタンスとなると考えられる。
本発明は、この点に着目したもので、まず共振点から十分に離れた点で測定したC0サセプタンスを測定し、従来とは逆に、この測定されたサセプタンス値に基づいて、直列共振周波数Fsを求めようとするものである。
ただし、厳密には、サセプタンス値は周波数に比例して変化するものである。したがって、本発明では、共振点から十分離れた点で測定されたC0サセプタンス値を、周波数に依存しないキャパシタンス値(電極容量C0の値)に式(5)により変換して使用する。すなわち、変換して求めたキャパシタンス値を与える共振領域のサセプタンス値Bsを示す周波数を求め、共振周波数Fsとする。なお、これは、式(5)を参照すると、C0を与えて、共振領域でのBとFを決定することにほかならない。
図3は、水晶振動子の等価回路の動アドミタンスの虚数成分であるサセプタンスBと、実数成分であるコンダクタンスGの掃引周波数に対する変化を示す模式図である。以下、図3を参照して、ベクトル・ネットワークアナライザを用いた本発明の測定方法の実施形態を説明する。
ベクトル・ネットワークアナライザに測定対象の水晶振動子をセットして、まず、共振点から十分離れた低周波数の測定点1で、C0サセプタンスを測定する。測定点1の周波数は、共振周波数27MHzから大きく外れる周波数、例えば、25MHzであり、実質的に水晶振動子の振動が起こらないレベルの周波数である。次いで、測定したC0サセプタンスの値と周波数の値(25MHz)とを用いて式(5)により、C0キャパシタンスを求める。なお、本実施形態では、共振周波数から低周波側に大きく外れた周波数を採用したが、高周波側に大きく外れている周波数でもよい。
次に、直列共振周波数Fsと一対の象限周波数F1,F2を含む周波数範囲を掃引し、C0キャパシタンスを与えるサセプタンスをもつ測定点8’を得る。測定点8’の周波数が直列共振周波数Fsである。直列共振周波数が求まると、コンダクタンスのグラフ上で直列共振周波数Fsに対応するコンダクタンスすなわちコンダクタンスの最大値Gmaxを求める。
さらに、コンダクタンス最大値のGmaxの1/2の値のコンダクタンスを与える測定点9,10を求めると、測定点9は、低周波側の象限周波数F1を与え、測定点10が高周波側の象限周波数F2を与える。
このように、まずC0サセプタンスを求めて、求めたC0サセプタンスの値に基づいて、直列共振周波数を求めると、Q値が低くコンダクタンスの最大値Gmaxによっては、直列共振周波数を決定するのが困難な場合であっても、直列共振周波数を精度良く求めることができる。さらに、直列共振周波数Fsが求まると、コンダクタンスの最大値Gmax、象限周波数F1、象限周波数F2を求めることができる。さらに、上記式(1)〜(4)にそれぞれの値を代入して、水晶振動子の等価回路定数のすべてを求めることができる。
ところで、水晶振動子を利用する液相センサは、例えば1秒間隔で共振周波数の変化をみる必要があり、ベクトル・ネットワークアナライザには、高精度の測定を行うことができるだけでなく、高速な測定すなわち高速な周波数の掃引が求められている。本実施形態では、一度は所定の範囲全体を高速に掃引し、共振周波数のおおまかな値を求め、次回以降は所定の点のみで測定するだけでよいので、高速な測定が可能である。以下、この点について説明する。
再び図3を参照して、測定点1から始めて直列共振周波数Fsと一対の象限周波数F1,F2を含む周波数範囲を高速に掃引し、前述のようにして、測定点1と、直列共振周波数Fsを与える点8’又は8、象限周波数F1の測定点9、象限周波数F2の測定点10をおおまかに求める。その結果に基づいて、測定点8’を挟むごく近い距離にある点2と点3を選択して、次回からの測定点とし、同様に、測定点9を挟むごく近い距離にある点4と5、測定点10を挟むごく近い距離にある点6と7を次回からの測定点として選択する。そして、次回以降の掃引時には、測定点1、4、5、2、8、3、6,7をこの順で測定するようにする。なお、液相センサとして動作させる場合、溶液のサセプタンス値が変化することなく一定であるとわかっているときには、測定点1の毎回の測定を省略し、最初に測定したサセプタンス値を用いることもできる。このようにすると、さらに測定の高速化を図ることができる。また、図の黒丸が測定点を示しており、最初の掃引で直列共振点を与えた点8’は、毎回算出されるが、コンダクタンスの最大値Gmaxを得るための測定点8(最初に与えられた点8’)は固定されている。これは、図9に見られるように、コンダクタンスの最大値Gmaxは、測定点2と3の範囲程度では変動しないからである。
測定点1、4、5、2、8、3、6,7で測定した結果、測定点1で測定されC0のサセプタンス値から求められたキャパシタンスの値を与えるサセプタンス値を示す点8’を、測定点2,3の直線補間で求める。本実施形態では、掃引する全範囲30kHzであり、測定点2,3等の範囲は100Hz程度であり、全掃引範囲に対して測定点2と3はごく近い距離にあり、測定点2と3の間は直線と見てさしつかえない。測定点8’が示す周波数が、今回の直列共振周波数Fsを与えることになる。
次いで、最初の測定点8’に対応する固定の測定点8で測定したGmaxを用いて、Gmaxの値の1/2のコンダクタンス値を示す点9と点10を、それぞれ測定点4と5あるいは測定点6と7とを直線補間をして求める。点9の示す周波数が、低周波側の象限周波数F1であり、点10の示す周波数が、高周波側の象限周波数F2となる。
このようにすると、8点での測定、あるいは測定点1での測定を省略する場合は7点での測定により、水晶振動子のすべての等価回路定数が求めることができ、精度の良い測定が高速に実行することができる。
なお、前述のように、直列共振周波数は、測定点2,3の直線補間で求める点8’として更新されるが、Gmaxを求める測定点8は更新せず一定としている。しかしながら、Gmaxの値が大きく変化するような場合には、1サイクル遅れるが、更新される点8’で示される直列共振周波数を用いて、Gmaxを得るようにすればよい。
水晶振動子センサに、チップ型水晶振動子センサ(詳しくは、特許公表公報2004−523150号公報を参照)を用い、液体に片面を浸漬した基本周波数27MHz水晶振動子の金電極上に、アビジンたんぱく質を一層固定化し、0.01M HEPEPS、pH7.4、0.15M NaClバッファ溶液中でアビジンたんぱく質へのビチオンの結合による経時変化を、ベクトル・ネットワークアナライザを用いて本発明による測定方法を適用して1秒間隔で測定した。
求めた直列共振周波数Fsの経時変化を図4に、Q値の逆数であるD値(エネルギ散逸率)の経時変化を図5に示す。図4に矢印で示した点が、ビチオンがアビジンたんぱく質に結合し、振動子センサの周波数が大きく変化した時点を示す。図5のDの変化は図4ほど明らかではないが、矢印で示した時点から値が増加してゆくことがわかる。
従来の直列共振周波数を象限周波数F1とF2の相加平均により求める方法を用いて測定された参考例の結果を図6と図7に示す。直列共振周波数Fsの経時変化を図6に、D値(エネルギ散逸率)の経時変化を図7に示す。液体に片面を浸漬した基本周波数27MHz水晶振動子の金電極上に、アビジンたんぱく質を一層固定化し、0.01M HEPEPS、pH7.4、0.15M NaClバッファ溶液中でアビジンたんぱく質へのビチオンの結合による経時変化を、ベクトル・ネットワークアナライザにより、1秒間隔で測定した。図6の周波数変化はある程度判別できるものの、図から明らかなように、ノイズが大きく信号変化の判別が難しい。図7のD値も判別困難である。
これに対して、本実施例では、ノイズがきわめて小さく、精度の良く測定されていることがわかる。すなわち、従来法に比べて、直列共振周波数の経時変化を1/10の1Hzのノイズで測定でき、またD値の経時変化も1/10の1×10−7のノイズで測定することができる。
本発明により測定する回路定数を示す水晶振動子の等価回路である。 水晶振動子の等価回路の動アドミッタンスの周波数軌跡を示す図である。 本発明の実施形態を示す周波数に対するサセプタンス及びコンダクタンスの測定点を模式的に示す図である。 本発明を適用して測定された実施例における液相中での直列共振周波数の経時変化を示す図である。 本発明を適用して測定された実施例における液相中でのエネルギ散逸率(D値)の経時変化を示す図である。 従来の測定方法を適用して測定された参考例における液相中での直列共振周波数の経時変化を示す図である。 従来の測定方法を適用して測定された参考例における液相中でのエネルギ散逸率(D値)の経時変化を示す図である。 気相中での27MHz水晶振動子の直列共振周波数近傍のコンダクタンスを示す図である。 液相中での27MHz水晶振動子の直列共振周波数近傍のコンダクタンスを示す図である。
符号の説明
1 C0の測定点
2、3 直列共振周波数Fsを求めるための測定点
4、5 低周波側象限周波数F1を求めるための測定点
6、7 高周波側象限周波数F2を求めるための測定点
8 コンダクタンスの最大値Gmaxを求めるための測定点
8’ C0のサセプタンス値と測定点2,3の直線補間により求めた直列共振周波数 9 コンダクタンスの最大値Gmaxの1/2と測定点4,5により求めた低周波側の象限周波数F1
10 コンダクタンスの最大値Gmaxの1/2と測定点6,7により求めた高周波側の象限周波数F2

Claims (8)

  1. 少なくとも、
    共振周波数域から十分に遠い周波数域でサセプタンス値を測定し、該周波数とサセプタンス値からキャパシタンス値を求めるステップと、
    前記キャパシタンス値を与えるサセプタンス値を示す前記共振周波数域の周波数を求め、共振周波数とするステップと
    を有する弾性波素子のパラメータ測定方法。
  2. さらに、前記共振周波数に対応するコンダクタンス値を求めるステップと、
    該コンダクタンス値の半分の値を示す低周波側の周波数と高周波側の周波数を求めそれぞれ低周波側の象限周波数と高周波側の象限周波数とするステップと
    を有する請求項1に記載の弾性波素子のパラメータ測定方法。
  3. さらに、弾性波素子のパラメータを所定時間ごとに測定するために、2回目以降の測定を行なう点として、前記共振周波数域から十分に遠い周波数域の点と、前記共振周波数を挟む2点と、前記共振周波数を示す点と、前記低周波側の象限周波数を挟む2点と、前記高周波側の象限周波数を挟む2点の計8点の周波数を選択するステップとを有し、
    2回目以降の測定では、前記8点で測定する
    請求項2に記載の弾性波素子のパラメータ測定方法。
  4. 前記共振周波数を挟む2点では、そのサセプタンスを測定し、該2点のサセプタンスを直線補間して、前記共振周波数域から十分に遠い周波数域の点で求められたキャパシタンス値を与えるサセプタンス値を示す周波数を求めて、新たな共振周波数とする請求項3に記載の弾性波素子のパラメータ測定方法。
  5. 前記共振周波数と、前記低周波側の象限周波数を挟む2点と、前記高周波側の象限周波数を挟む2点では、そのコンダクタンスを測定し、前記低周波側の象限周波数を挟む2点と前記高周波側の象限周波数を挟む2点のコンダクタンスをそれぞれ直線補間して、前記共振周波数が示すコンダクタンス値の半分となるコンダクタンス値を示す周波数を求め、それぞれ低周波側の象限周波数と高周波側の象限周波数とする請求項4に記載の弾性波素子のパラメータ測定方法。
  6. 前記2回目以降の測定では、前記共振周波数域から十分に遠い周波数域の点での測定は行なわず、前記第1回の測定で求めたサセプタンス値を使用する請求項3〜5のいずれか1項に記載の弾性波素子のパラメータ測定方法。
  7. 前記2回目以降の測定点として、前記共振周波数を示す点に代えて、前回の測定で得られた新たな共振周波数を示す点を採用する請求項4〜6のいずれか1項に記載の弾性波素子のパラメータ測定方法。
  8. ベクトル・ネットワークアナライザを用いる請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性波素子のパラメータ測定方法。
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