以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本実施例の冷蔵庫の斜視図であり、図1(a)は全体の概観を示す斜視図で、図1(b)は製氷室の周辺を拡大して示した斜視図である。図2は、本実施例の要部を示す縦断面図である。
冷蔵庫本体1は、上から冷蔵室2、上段冷凍室3、下段冷凍室4、及び野菜室5を有している。冷蔵室2は回転式の冷蔵室扉6によって閉塞され、他の各室は引出し式の扉7〜10によって閉塞されている。上段冷凍室3は左右に区画された2つの貯蔵室が配設され、その一つを製氷室としている。本実施例では、製氷室3aと急速冷凍室3bとが左右に区画される。製氷室3a内には引出し式の製氷室扉7とともに引き出される貯氷容器13が設けられ、急速冷凍室3b内には、同じく引出し式の急速冷凍室扉8とともに引き出される急速冷凍容器14が設けられている。
下段冷凍室4及び野菜室5も同様に、引出し式の冷凍室扉9及び野菜室扉10とともに引き出される冷凍室容器15及び野菜室容器16が、それぞれの貯蔵室に設けられている。
冷蔵室2は製氷室3aに給水する水が貯められる貯水タンク11を備えている。また、製氷室3a内には製氷皿23を備えた自動製氷装置12が配設されている。そして、この製氷皿23に対して貯水タンク11内の水が給水管21を介して給水される。本実施例では、冷蔵室2と製氷室3aは断熱仕切壁24を介して隣接して設けられている。したがって、給水管21は断熱仕切壁24を貫通して貯水タンク11と自動製氷装置12との間を繋ぐ構造となっている。さらに述べれば、貯水タンク11は断熱仕切壁24上に載置されており、自動製氷装置12は断熱仕切壁24の下側面(すなわち、製氷室3aの天井面)に取り付けられている。
さて、給水に際しては給水ポンプ22が駆動し、製氷皿23に所定の水量だけ給水するように駆動時間が制御される。給水される水量は、例えば80〜100ccであり、製氷される氷の大きさによって制御可能としてもよい。このとき、給水ポンプ22の駆動時間は、例えば5〜10秒程度である。また、自動製氷装置12内の製氷皿23の下方には貯氷容器13が位置しており、自動製氷装置12で製氷された氷が貯められる構成となっている。
上段冷凍室3及び下段冷凍室4からなる冷凍室の冷却器室内には、冷凍サイクルの一部を構成する冷却器18が配設されている。また、冷却器の上方に送風機19を、下方に除霜用ヒータ20をそれぞれ備えている。冷却器18によって生成された冷気は送風機19によって送風され、冷気通路17を通って製氷室3aを含む各室へと送られる。冷凍室内は冷却器18及び送風機19によって冷却され、−18℃以下の冷凍温度帯となっており、製氷室3a内に置かれた製氷皿23内の水はこの低温下で凍結する。なお、冷却器18に霜が付着すると、除霜用ヒータ20が発熱し、除霜が行われる。この除霜モードの間は、冷凍サイクル及び送風機19は停止するように制御される。
自動製氷装置12は、制御装置から「給水→製氷→離氷」という一連の指示を受けて、製氷皿23は正転及び逆転されるように制御される製氷動作を行い、製氷皿23で作られた氷は離氷されて貯氷容器13に貯められる。
次に自動製氷装置12の構成について図3を用いて説明する。図3は自動製氷装置の構成を示す断面図である。図3(a)は貯氷容器13との位置関係を併せて示す横断面図であり、図3(b)は図3(a)のC−C断面図である。
自動製氷装置12の外殻を構成するフレーム27内には、製氷皿23が配置されている。また、製氷皿23の下側には貯氷容器13が配設され、離氷されると貯氷容器13に落下する構造となっている。これらはいずれも製氷室3a内に配設されている。
貯氷容器13に貯められた氷の量は、自動製氷装置12に設けられた検氷レバー30によって検出される。検氷レバー30が貯氷容器13内の氷と接触する高さによって氷の量が把握される。氷が十分に貯められている状態で離氷を行うと、貯氷容器13内の氷が多くなりすぎてしまうので、氷の量が多い場合には離氷は行わないように制御されている。
製氷皿23の後方側には駆動モータ26を備えており、駆動モータ26は離氷の際に製氷皿23を回動させる役割を担っている。製氷皿23の手前側は一定の回転角度以上は回転しない規制部材を備えているため、駆動モータ26によって製氷皿23の後方側が駆動されると、製氷皿23が捩られて離氷が行われる。
駆動モータ26から製氷皿23側に突出する出力軸26aは、製氷皿23から後方に突出した軸受軸23bと係合する。この係合は、製氷皿23が後方に押し込まれることによってなされる。したがって、製氷皿23の後方側の軸受軸23bが出力軸26aに係合するように、案内することが必要である。
そこで、出力軸26aが載置される載置板28が設けられている。載置板28は、フレーム27内を前後に延伸するレール31に懸架される。本実施例では、レール31に懸架できるように、載置板28の両側に引掛け溝28bを設けている。そして、軸受軸23bが載置板28のU字溝28aに載置されると、軸受軸23bと出力軸26aの高さがほぼ一致する。載置板28は前後に移動可能なように、レール31に懸架されているため、軸受軸23bが載置板28に載置された状態で奥側に押し込まれると両者が係合する。したがって、製氷皿23の奥側における取付動作が容易となり、使用者は製氷皿23の着脱を簡単に行うことができる。
製氷皿23が駆動モータ26の出力軸26aに係合すると、製氷動作が可能となるが、自動製氷装置12内に製氷皿23が正常に設置されたことを検出しなければならない。本実施例では、製氷皿検出センサー33を備え、製氷皿23が設置されたことを検出する。このように、軸受軸23bと出力軸26aとが係合する位置まで載置板28が押し込まれると、載置板28が製氷検出センサー33に検出されるものとして、製氷皿23の有無を判別している。
なお、軸受軸23bに設けた係止部23cは、U字溝28aに挿入される凹形状となっている。したがって、製氷皿23が前後に移動してもフレーム27に懸架された載置板28は係止部23c内から外れない構成としている。
製氷皿23の手前側の軸23aは、軸受25によって回転可能に軸支されている。軸23aは鍔形状部を有する構造としており、この鍔形状部は軸受25に設けた溝25dに挿入される。したがって、軸受25を矢印Qに引き出すと、製氷皿23がともに引き出されるようになっている。
軸受25は、基部25aと蓋部25bとからなっており、蓋部25bを支点25cを中心として矢印Pの方向に開くと、軸23aの上方が開放される。軸受25を矢印Q方向に引き出すと、製氷皿23後方の軸受軸23bと出力軸26aとの係合が外れ、製氷皿23は手前に引き出され、ここで蓋部25bを開くことによって製氷皿23の取外しを行うことができる。
このように、製氷皿23を着脱可能とすると、製氷皿23に温度センサーを取り付けることができないので、本実施例では、フレーム27の側方に温度センサー40を備えている。この温度センサー40は、少なくとも製氷室3a内に設置されることを要し、製氷室3a内の温度を検出する必要がある。
図2に示すように、冷却器18から送風機19によって送られる冷気は、製氷皿23に対して後方から前方に向かって流れる構造となっている。したがって、製氷皿23の後方側には、図示しない冷気吐出口が設けられている。冷気吐出口から吐出された冷気は、製氷皿23の上面をいわば舐めるように流れて製氷を行う。
このような構成において、温度センサー40に冷気が直接吹き付けられると、製氷室3a内の温度とともに、吐出冷気の温度を測定してしまうことになる。このとき、温度による製氷完了時間の管理が極めて困難となるため、本実施例では、冷気が直接当たらない位置に温度センサー40を取り付けている。
具体的には、図3に示すように、左右の幅方向の位置は、前記冷気吐出口の開口及び製氷皿23の幅部分から外れた位置であり、前後の奥行方向の位置は製氷皿23の奥行方向中央よりも奥側であり、かつ、高さ方向の位置は、自動製氷装置12の側方投影面内に収まる位置である。この位置に温度センサー40を設置することによって、吐出冷気による温度変化の影響を抑えて製氷時間の管理を行うことができる。
本実施例の温度センサー40は、上記の左右の幅方向位置、前後の奥行方向位置、及び高さ方向位置を満たす位置としてフレーム27の側壁に取り付けている。
次に、図4を用いて製氷皿23の自動製氷装置12からの着脱について説明する。図4は着脱時の自動製氷装置の構成を示す図であり、図4(a)は製氷皿23を引き出した状態を示し、図4(b)は製氷皿を取り外す状態を示す図である。
軸受25に設けた手掛け部によって製氷皿23が矢印Q方向に引き出されると、係止部23c内に収められた載置板28も引き出され、製氷皿検出センサー33は製氷皿が取り外されたことを検出する。そして、図4(a)に示すように、フレーム27から製氷皿23がほぼ引き出されると、上述したように軸受25の蓋部25bを開いて、軸23aの上方を開放する。このとき、製氷皿23の後方側の軸部は、載置板28のU字溝28b内に載置されている状態である。U字溝28bも上方は開放されているため、軸23aを持ち上げると簡単に製氷皿23を取出すことができる(図4(b))。
一方、製氷皿23を取り付けるときは、上記と逆の動作を行えばよく、U字溝28b内に係止部23cを挿入し、図4(b)の矢印Rのように手前側の軸23aを軸受25内に設置すればよい。その後、図4(a)の反矢印Q方向に製氷皿23を押し込めば、軸受軸23bと出力軸26aとが係合し、また、製氷皿検出センサー33が製氷皿23の取付けを認識し、通常の製氷が可能になる。
以上のような、製氷皿23の着脱が可能な自動製氷装置12を備えた冷蔵庫の制御について、図5乃至図8を用いて説明する。
図5は本実施例の制御構成の一部を示すブロック図である。先に説明したように、製氷室3a内には製氷皿検出センサー33及び製氷室3aの温度センサー40(以下、IM室温度センサー40と表記する。)が取り付けられている。これらのセンサーは制御装置37につながれており、制御装置37は製氷皿の有無あるいは製氷室の温度の情報に基づいて各部を制御している。
さらに、制御装置37には、IMモード切替SW38、IMドアセンサー39、冷凍庫ドアセンサー41、ブザー42、IMモード表示LED43、給水ポンプ22、自動製氷装置12、及び製氷皿引出し監視タイマー44が接続されている。
これらの各部の作用について説明する。製氷皿検出センサー33は、既述のとおり、製氷皿23が駆動モータ26に正常に繋がっているか否かを検出するセンサーであり、本実施例では載置板28でスイッチがオン/オフされることによって製氷皿の有無を検出する。
IM室温度センサー40は、吐出冷気が直接当たらない位置として、フレーム27の外側壁に取り付けられたセンサーであり、製氷室3a内の温度を検出する。詳細は後述するが、IM室温度センサー40は、製氷皿23の氷を離氷させようとする際に、離氷の条件を満たしているか否かを判別するときに用いられる。
IMモード切替SW38は、自動製氷装置12の運転を中止させることができるスイッチである。IMモード切替SW38がオフとなっているときは、一連の製氷動作の一切を行わない。例えば、冬場のように、冷蔵庫の使用者が氷を使わない時期はこのスイッチをオフとすることで自動製氷が中止される。換言すれば、以後の説明は、全てIMモード切替SW38がオンになっているときの制御を示している。
IMドアセンサー39は、製氷室扉7の開閉を検出するスイッチであり、製氷室扉7が開かれている場合には、自動製氷装置12への給水動作及び離氷動作が一時的に停止される。製氷室扉7が開かれていると、貯氷容器13は引き出された状態であるため、離氷が行うことができないからである。
冷凍室ドアセンサー41は、下段冷凍室4を閉塞する冷凍室扉9の開閉を検出するスイッチである。冷凍室扉9が開かれているときには、冷凍室3、4等に冷気を送る送風機19の運転が停止される。冷凍室扉9が開かれているときに送風機19が運転していると、冷気の逃げが大きくなるため、これを回避するためである。
ブザー42は、製氷皿23が自動製氷装置12内に取り付けられたときに、正常運転に戻るまでの間に音声を報知するものであり、IMモード表示LED43はブザー42が鳴っている間に点灯し、使用者に対して視覚を通して知らせるための表示装置である。これらのブザー42及びIMモードLED43は、どちらか一方でも問題はなく、いずれにしても、製氷皿23が正常運転に戻るまでの時間、その旨を知らせる報知手段であればよい。
給水ポンプ12は、上述のように、製氷皿23に対して貯水タンク11内の水を供給する。給水のタイミングや給水時間は制御装置37によって制御される。給水量は可変としても、一定としてもいずれでも構わない。
自動製氷装置12内で制御装置37と接続されるものに駆動モータ26が挙げられる。駆動モータ26は一連の製氷の流れにおいては離氷を担当している。制御装置37は駆動モータ26を制御し、製氷皿23内の氷を貯氷容器13内に落下させると、駆動モータ26を逆転させて、製氷皿23を元の位置に戻す。製氷皿23が元の位置に戻ると給水ポンプ12を制御して給水し、再び製氷がなされる。
通常、駆動モータ26が駆動される条件とは、すなわち、離氷の条件を満たした場合であり、この条件はIM室温度センサ40からの情報に基づいて制御装置37によって判断される。その際は、製氷皿23が自動製氷装置12に取り付けられていること、及び、IMモード切替SW38がオンになっていることを前提としていることはいうまでもない。
製氷皿引出し監視タイマー44は、製氷皿23が取り外されている時間を計るものである。この製氷皿引出し監視タイマー44によって、製氷皿23が駆動モータ26から外されてから、次に再び取り付けられるまでの時間を管理している。
この製氷皿引出し監視タイマー44を設ける目的は次の通りである。すなわち、第一には、製氷皿23への二重給水を防止する目的があり、第二には、製氷時間が遅延するのを防止する目的である。
図4に示したように、使用者が製氷皿23を着脱可能となったが、製氷皿を取り外す理由は多種多様である。例えば、製氷皿を洗浄するためであったり、製氷完了までの時間を推測すべく、製氷途中の状態を目視及び確認するためや、又は、取付け時に装着不良と考え、その確認のために再度引き出す場合であったり、その他様々な理由が考えられる。また、製氷皿23を洗うために取り出した場合であっても、洗浄後に製氷皿23に水を入れた状態で取り付けてしまうこともあり得る。
本実施例では、上記の事情を考慮し、製氷皿23の着脱に際して以下のような制御を行うこととした。まず、製氷皿23を取り付けてから、正常運転に戻るまでの間は、製氷準備動作時間とし、ブザー42、IMモード表示LED43を制御して、使用者に製氷準備動作中であることを知らしめることとした。したがって、製氷皿23を正常に取り付けられるとブザー42やIMモード表示LED43によってそれを知ることができる。このとき、使用者が装着不良と考えることはなく、その確認のために再度引き出すことはない。
また、製氷皿23に水を入れたまま取り付けられると、いわゆる二重給水がされる場合がある。すなわち、制御装置37は給水ポンプ12を駆動させ、製氷皿23にさらに給水する場合である。給水量が多いと、製氷皿23の各製氷ブロック間の仕切を超えてしまうため、板状氷となってしまう。板状氷は製氷皿23を駆動モータ26で回転させても離氷が困難である。したがって、離氷動作の途中でモータロックが発生する場合があり、故障の原因となってしまう。そこで、本実施例では、製氷準備動作中に、ブザー42、IMモード表示LED43により表示しながら、製氷皿23を必ず反転させ、製氷皿23を空にする動作を行うこととした。これによって、モータロックによる故障を回避することができる。
しかし、製氷途中の状態を目視するために製氷皿23を引き出し、確認後にすぐに戻した場合にまで製氷準備動作を実施すると、製氷途中の水あるいは氷が落下してしまう。そこで、製氷皿引出し監視タイマー44を設け、これを回避している。具体的には、製氷皿引出し監視タイマー44からの時間情報によって、制御装置37は製氷準備動作を行うか否かを判定する。すなわち、製氷皿23を、例えば5秒以内に戻した場合には、製氷皿23を目視しただけと考えられるので、製氷皿23を外していないのと同義と判定する。一方、5秒以上の場合には、製氷皿23が他の理由(洗浄等)で外されたものとして、製氷皿23が取り付けられると製氷準備動作を行う。
このことにより、使用者が製氷皿23内の氷の確認のために製氷皿23を引き出し、その後すぐに戻したときには、製氷皿23を反転させないこととしたので、上記の不都合を回避できるとともに、後述する製氷時間がリセットされることもなく、製氷時間が遅延するのを防止することができる。
つまり、使用者が製氷皿23を自動製氷装置12から取出しとき、あるいはフレーム27から引き出したときには、製氷皿検出センサー33が製氷皿が無いことを検出する。この状態が一定時間(例えば5秒間)継続したら製氷皿23を取り出したと認識し、短時間で戻された場合(製氷状態の確認程度)は取出しとして認識しないように処理することで、製氷皿の引出し操作の取扱い性が緩和されるとともに、製氷時間を不必要に遅延することがない。
また、製氷皿23の洗浄後の取付けにおいては、製氷皿23に水を入れたままもとに戻すことが想定される。これは、駆動モータ26のトルク不足となり駆動モータ26は離氷動作の過程でモータロックの原因となる。従来は、この時点でサービスマンを呼んで修理してもらわざるを得ないものであったが、本実施例の場合には、使用者が製氷皿23を簡単に引き出すことができる。
以下、モータロックがあった場合に製氷皿23を引き出すための制御について説明する。図5において符号45は、位置確保信号であり、駆動モータ26に異常が発生したときに、制御装置37から発せられる信号を示している。モータロック時に制御装置37から位置確保信号45が発せられると、駆動モータ26は製氷皿23を逆方向(元の位置側)に回転させ、製氷皿23を水平位置へ復帰させ、しかる後に製氷皿23を停止させる。すなわち、位置確保信号45は、製氷皿23を「異常停止」させる働きを有している。
異常停止として、敢えて製氷皿23を水平位置に戻すように制御する理由は、使用者が製氷皿23の取外しを可能にするためである。もし製氷皿23をモータロックの位置で放置しておくと、製氷皿23が傾斜した状態となり、引き出すことができない。また、たとえ傾斜角度が小さく、引き出すことができたとしても、製氷皿23を再度取り付けるときには、取り出したときの角度だけ傾けて取り付けなければならない。出力軸26aは製氷室3aの奥側から移動しないので、製氷皿23を戻すことができない。
本実施例によれば、連結氷によりモータロックがあった場合であっても、製氷皿の取外し及び再度の取付けが可能であるので、サービスマンの力を借りることなく、使用者自身でトラブルの原因を排除することができる。
また、位置確保信号45が発せられると、ブザー42あるいはIMモード表示LED43に、製氷準備動作のときと異なる音声あるいは表示を行う。このように通常と異なる内容の報知を行うことで、使用者は、異常があったことを知ることができる。
次に、図6乃至図8を用いて、本実施例の製氷の制御について説明する。図6は本実施例の製氷制御に係る制御構成を示すブロック図である。
本実施例では、IM室温度センサー40、製氷監視カウンタ46、IMドアセンサー39、冷凍室ドアセンサー41、及び送風機ON積算時間カウンタ47からの入力を受けて制御装置37が自動製氷装置12の制御を行う。ただし、これらは必ずしも明確に区別される必要はなく、例えば、製氷装置カウンター46及び送風機ON積算時間カウンタ47を制御装置の機能に含めた制御装置37’としてもよい(破線で図示)。以下では、制御装置37’によってカウントがなされるものとして説明する。
これらの構成を備えて制御を行うにあたって、まず各部の作用について説明する。製氷監視カウンタ46がカウントアップされ、所定のカウント数に達すると、制御装置37は製氷が完了したものとみなし、自動製氷装置12が離氷動作を行う。すなわち、製氷監視カウンタ46のカウントが製氷時間に相当している。
製氷監視カウンタ46は、後述するそれぞれの条件を満たしたときに、製氷カウンタ開始46a、製氷カウンタ一時停止46b、製氷カウンタリセット46c、及び製氷カウンタN倍加速46dを実施する。
IMドアセンサー39及び冷凍室ドアセンサー41は、既述のように、それぞれの貯蔵室の扉の開閉を検出する。製氷の制御においても、これらのセンサーからの検出情報が用いられる。製氷室扉7又は冷凍室扉9が開かれていた場合には、IMドアセンサー39又は冷凍室ドアセンサー41から制御装置37に扉が開かれているという情報が伝達される。扉の開いた状態が長時間(例えば10分間)継続した場合には、制御装置37は製氷監視カウンタ46がリセットされる。
IM室温度センサー40は、製氷室3a内の温度を検出する。このIM室温度センサー40が検出する温度によって製氷監視カウンタ46がカウントアップされ、又は停止あるいはリセットがされる。
送風機ON積算時間カウンタ47は、送風機19が運転している間、カウントアップされる。送風機19が運転している間は、通常は、冷凍サイクルが運転し、冷気が循環している状態である。したがって、送風機19が運転している間は製氷が進行していると考えられ、本実施例では制御装置37は送風機19の運転状況を監視しながら製氷の制御を行うこととしている。
特に、製氷時間の短縮に最も効果的なのは、製氷皿表面に冷気を流すことである。冷気を流さずに単に低温環境下に置いた場合と比較して、1.5倍あるいはそれ以上の時間の短縮が可能である。本方式では、この事情を考慮して、送風機ON積算時間カウンタ47によって、送風機19の運転時間をカウントすることにした。
以上のように、IM室温度センサー40が所定温度(例えば−15℃以下)という条件を満たすと、製氷監視カウンタ46が製氷カウントを開始する(46a)。カウントアップが完了すると(例えば、60〜90分)、製氷が完了したと判断して、制御装置37は自動製氷装置12を制御して離氷動作を行う。なお、送風機ON積算時間カウンタ47の積算時間が製氷完了の条件を満たしていることも必要であり、例えば50〜70分間、送風機19が運転していれば、離氷動作を行うが、条件を満たしていない場合には製氷監視カウンタ46のカウントアップが完了していたとしても離氷は行わない。
離氷が完了すると、制御装置37は再び給水ポンプ22を駆動し、再度の製氷に備える。
なお、製氷監視カウンタ46は、除霜ヒータ20が通電して除霜モードとなった場合や冷却負荷が大量に庫内に投入された場合、あるいは扉が長時間の開いた状態が続いた場合等のように、製氷室3aの温度が上昇し、製氷カウンタ一時停止46bの条件が満たされた場合にカウントを一時停止する。
さらに温度が上昇して、製氷カウンタリセット46cの条件を満たす程度に製氷室3a内の温度が高くなった場合には製氷監視カウンタのリセットが行われる。
また、製氷監視カウンタ46は製氷カウントを加速する機能も有している。カウントアップを加速させても問題ないくらいに製氷室3a内の温度が低下すると製氷カウンタN倍加速46dの条件を満たし、製氷時間が短縮される。
近年の冷蔵庫は冷凍能力の向上が図られ、急冷凍機能あるいは急製氷機能を備えたものがある。圧縮機及び送風機をフル運転し、設定された時間(例えば1〜2時間)、冷凍室や製氷室の温度を−18℃よりさらに低温の−20℃以下にすることができる。この低温運転時には、製氷に要する時間も短縮される。
特に、本例は、製氷皿に温度センサーを取り付けることができないため、製氷室3aの温度から製氷時間を管理する間接検知を行っている。したがって、急冷凍時であっても凍結状態を直接的に把握することができず、実際の製氷時間が短縮されても、製氷の進行状態に関係なく変化する製氷室3a内の温度を検出しているので、製氷完了の判断を早めることはできなかった。そこで、製氷カウンタN倍加速46dの条件を加え、製氷時間の効率化を図っている。
これらの制御構成を備えた冷蔵庫において、製氷開始から製氷完了までの流れを図7を用いて説明する。図7(a)は製氷制御フローを示し、図7(b)は製氷開始後の製氷室の温度変化とその制御を示す図である。まず図7(a)を用いて製氷監視について説明する。
製氷皿23に給水されると製氷の準備が完了し、製氷が行われる(A)。製氷監視に際しては、IMドアセンサー39及び冷凍室ドアセンサー41によって冷凍室扉7〜9が閉じられているかを確認する(ステップ48)。扉が開いてる場合は閉じられるまで製氷監視カウンタ46はカウントアップされない。
冷凍室扉7〜9が閉じているときは、IM室温度センサー40によって検出される製氷室3a内の温度が、予め設定されている製氷開始温度EEPAと比較される。検出温度がEEPAよりも高い場合にはステップ48に戻され、低い場合にはステップ50へと進む(ステップ49)。
冷凍室扉7〜9の状態及び製氷室3a内の温度がステップ48〜49の条件を満たす場合に、製氷監視時間がセットされ、タイマーカウントを開始する(ステップ50及び図6の符号46a)。
製氷監視カウンタ46がカウントアップされている最中も、常時IM室温度センサー40によって製氷室3a内の温度が監視される(ステップ51)。ステップ51では、IM室温度センサー40の検出温度が製氷一時停止温度EEPB2と比較される。この製氷一時停止温度EEPB2は、製氷監視温度EEPAよりも高い温度に設定されるが、各設定温度の関係については図7(b)を用いて後述する。
製氷室3a内の温度が、製氷一時停止温度EEPB2よりも低い場合には、製氷カウントN倍温度のステップ57を経て、送風機ON積算時間カウントアップに至る(ステップ58)。ステップ58では送風機19が予め設定された時間(例えば50分、以下同じ。)だけ運転されているか否かを判定する。製氷開始から50分以上送風機19が運転していると、ステップ59へと進む。なお、ステップ57の詳細については後述する。
ステップ59では、製氷監視時間のカウントアップが完了しているか否かを判定する。製氷開始からの製氷監視時間が予め設定された時間(例えば60分、以下同じ。)経過していると、ステップ60へと進む。
ステップ60では、製氷室3a内の温度が製氷完了温度EEPDよりも低いか否かを判定する。IM室温度センサー40による検出温度が製氷完了温度EEPDよりも低い場合には、製氷が完了したと判断し、離氷動作を行うように制御装置37は自動製氷装置12を制御する(B)。
ステップ58〜60からわかるように、製氷完了と判断されるためには、送風機ON積算時間及び製氷監視時間のカウントアップが完了するとともに、製氷室3a内の温度が製氷完了温度EEPDよりも低いという条件を全て満たさなければならない。
本実施例においては、製氷監視時間を送風機ON積算時間よりも長く設定している。したがって、例えば急速製氷運転モードが設定されると、その間、送風機19が50分以上連続して運転される。このときは、冷凍サイクルも運転して冷却器18が冷気を生成するため、製氷室3a内の温度もEEPDよりも低い状態で維持される。したがって、この間、扉の開閉がなければ、製氷監視時間(60分)が経過した時点で製氷は完了する。
ステップ58〜60の条件のいずれかを満たさない場合には、ステップ51に戻され、監視が継続される。
ステップ51で、製氷一時停止温度EEPB2よりも製氷室3a内が高温と判定された場合について説明する。このときはステップ52へと進み、製氷監視時間のタイマカウントを一時停止(図6の符号46b)させる。
ステップ51で製氷一時停止温度EEPB2よりも製氷室3a内が高温と判定される要因としては、冷却器18の除霜運転があった場合、冷凍室内に新規な冷却負荷が発生した場合、さらには製氷室扉や冷凍室扉が長時間開いた状態があった場合が挙げられる。
製氷カウンタが一時停止されると、次のステップとしては、(1)一時停止状態が解除されてカウントアップが再開される場合、(2)一時停止状態が維持される場合、及び(3)製氷カウンタがリセットされる場合の3つに大別される。
上記の(1)のケースは、
<ステップ53>→<ステップ55>→<ステップ56>
のフローとなり、
(2)のケースは、
<ステップ53>→<ステップ55>→<ステップ53>
のフローとなり、
(3)のケースは、
<ステップ53>→<ステップ54>→<ステップ48>
のフローとなる。
(1)〜(3)の各ケースについて説明する。ステップ53において、製氷室3a内の温度が製氷リセット温度EEPCと比較され、EEPCよりも低温である場合にはステップ55へと進む。
ステップ55では、製氷室3a内の温度が製氷再開温度EEPB1と比較され、EEPB1よりも低温である場合にはステップ56へと進み、製氷開始時間のタイマカウントの一時停止が解除される。このときは、ステップ52で一時停止していた製氷カウンタが再びカウントアップされる(上記の(1)のケース)。
ステップ55において、製氷室3a内の温度がEEPB1よりも高温である場合にはステップ53へと戻り、これを繰り返す状態となる(上記の(2)のケース)。
また、ステップ53において、製氷室3a内の温度が製氷リセット温度EEPCよりも高温となっている場合には、ステップ54へと進み、製氷カウンタがリセットされ、製氷カウンタがゼロに設定され、ステップ48へと戻る(上記の(3)のケース)。
これらの制御とは別に、IMドアセンサー39や冷凍室ドアセンサー41によって、扉の開状態が予め設定される時間だけ継続すると、製氷監視カウンタをリセットさせる制御や、除霜運転があると無条件に製氷監視カウンタをリセットさせる制御としてもよい。
ただし、これらの場合であっても、実際の製氷室3a内の温度の上昇の程度を判断して製氷監視カウントを継続あるいは一時停止又はリセットを行うことによって、効率化が図れる。
次に、製氷カウンタN倍温度のステップ57について、判定処理について図7(b)を用いて説明する。図7(b)は製氷開始後の製氷室の温度変化と製氷時の各設定温度の関係を示す図である。図に示すように、予め設定される温度としては、高い順から製氷リセット温度EEPC、製氷一時停止温度EEPB2、製氷再開温度EEPB1、製氷開始温度EEPA、製氷完了温度EEPD、及び加速温度EEPSがある。
また、これらの各設定温度によって5つの温度帯に分けられる。その温度帯とは、高い順からリセットエリア、一時停止エリア、カウント/一時停止エリア、カウントエリア及び加速カウントエリアである。
これらの温度帯について説明すると、図7(b)に示す如く、高い順から製氷監視時間をリセットする温度帯となる温度(リセットエリア:EEPC以上)、製氷監視時間を一時停止させる温度帯となる温度(一時停止エリア:EEPB2〜EEPC)、製氷監視時間をカウント又は一時停止をさせる温度帯となる温度(カウント/一時停止エリア:EEPB1〜EEPB2)、製氷監視時間をカウントする温度帯となる温度(カウントエリア:EEPS〜EEPB1)、及び製氷監視時間を加速カウントする温度帯となる温度(加速カウントエリア:EEPS以下)に分けられる。
カウントエリア内には製氷開始温度EEPAと製氷完了温度EEPDが入っているが、この製氷開始温度EEPAは製氷再開温度EEPB1と同一(EEPA=EEPB1)としても差し支えない。少なくとも、製氷が開始される温度及び製氷が完了する温度は、カウントエリアであることが必要である。
また、製氷室3a内の温度が加速温度EEPS以下となる場合としては、急速製氷運転モードや急速冷凍運転モードによって冷凍サイクルを連続運転したときなどが挙げられる。
すなわち、ステップ57において、カウントが加速されるのは、急速製氷運転モード等が実施された場合等のように、製氷室3a温度が加速温度EEPS以下となる状態が、例えば3分以上継続したときであり、この条件を満たした場合には、製氷カウンタをN倍加速し(符号46d)、自動製氷装置12が離氷動作に入る時間を速めることができる。加速の度合いとしては、通常のカウントエリアの1.5倍〜2.0倍とすると、製氷時間の短縮が十分図られるとともに、製氷完了判断の高い精度を維持できる。
各設定温度の具体的な温度として、例えば、EEPCを−5℃、EEPB2を−7.4℃、EEPB1を−8℃、EEPAを−8℃、EEPDを−12℃、EEPSを−20℃とすれば、製氷時間の効率化と高い精度及び製氷完了判断を実現できる。
次に、図7(b)を用いて、製氷監視中の温度変化に伴う製氷カウントについて説明する。図7(b)の例では、製氷が開始され、まず点Aに至る。点Aはカウントエリアの温度帯にあるので、ステップ50で製氷監視時間がセットされタイマーカウントが継続されている。
そして、扉7〜9が開かれ、あるいは冷却負荷が冷凍室内に収納された場合等によって、点Bのカウント/一時停止エリア内の温度まで製氷室3a内の温度が上昇する。この間、ステップ51で監視が継続されているが、点Bの場合は製氷一時停止温度EEPB2に達していないため、タイマーカウントは継続し、カウントアップが進行する。
その後、扉7〜9が長い時間開かれ、あるいは冷却負荷が冷凍室内に収納された場合、さらには除霜運転があった場合等によって、一時停止エリア内の温度までIM室温度センサー40による検出温度が上昇し、点Cに至った場合には、ステップ51からステップ52へと進み、タイマーカウントが一時停止される。
一時停止されたタイマーカウントは、点Dに至る過程で製氷再開温度EEPB1よりも製氷室3a内の温度が低くなるとカウントアップが再開される。
すなわち、製氷一時停止温度EEPB2より高く製氷再開温度EEPB1よりも低い温度帯であるカウント/一時停止エリアは、カウントが継続している状態と、カウントが一時停止される状態があり得るというわけである。具体的には、カウントアップが継続された状態で温度が上昇し、カウント/一時停止エリアに突入した場合にはカウントアップが継続され、カウントアップが一時停止された状態で温度が低下し、カウント/一時停止エリアに突入した場合にはカウントアップが一時停止した状態が継続される。
点Cから温度が低下し、加速温度EEPSよりも低い温度帯である加速カウントエリアの温度帯内の点Dに至る。この温度帯が例えば3分間継続すると、ステップ57の製氷カウントN倍温度の製氷加速判定処理によって、1.5〜2.0倍、カウントアップが加速される。
その後、除霜運転、扉の開状態の継続、冷却負荷の投入が重なった場合には、製氷リセット温度EEPCよりも高いリセットエリアの温度帯まで温度が大きく上昇する(点E)。このときは、既にステップ51を経てカウントアップが一時停止されており、さらに点Eでは、ステップ53からステップ54へと進む。
リセットエリアの温度帯にまで一度でも製氷室3a内の温度が上昇してしまうと、タイマーカウントはリセットされ、製氷開始温度EEPAまで室温が下がった時点でゼロから製氷がカウントされる。
このように、製氷監視カウンタ46で制御することによって、間接温度検出ではあるが製氷の確実な検出が可能である。しかも、製氷に要する時間を不必要に延ばすこともなく、適正な時間で製氷を終わらせることができる。
次に、図8を用いて製氷皿32内の水又は氷の温度と、IM室温度センサー40との関係を説明する。図8は製氷皿32内の水又は氷の温度と温度センサー40による検出温度との関係を示す図である。これらは、製氷カウントの一時停止やリセットがない状態の推移を示している。
図8に破線で示した曲線αは、製氷開始から製氷完了までの間の水温(氷温)の変化を示し、実線で示した曲線βは、その間のIM室温度センサー40で検出される製氷室3a内の温度を示す。
貯水タンク11から製氷皿23に給水されてから、製氷が完了するまでに要する時間は、60分〜90分(ここでは60分として説明する。)である。この時間のうち、曲線αに示すように、約2/3の時間は0℃前後の未結氷状態となっている。そして、この約2/3の時間を経過した後、残りの製氷完了までの時間は既に凝固が完了して氷となっており、この氷の温度は例えば−12℃以下に達する。
この間、IM室温度センサー40によって検出される製氷室3a内の温度は、曲線βのように推移する。製氷室3a内の温度は、製氷が開始されてからカウントエリア内の温度帯で曲線βに示すように推移している。
さて、図中に示したエリアPとエリアQは時間帯のエリアを示している。エリアPは上記の未結氷状態が想定される時間帯であり、エリアQは氷となっていることが想定される時間帯である。これらの時間帯エリアによって、製氷継続条件を変化させて製氷時間短縮によるさらなる効率化を図っている。製氷監視カウンタとは別に、あるいは製氷監視カウンタを利用して、製氷開始から予め定められた時間をカウントする。例えば製氷開始から40分を境にエリアPとエリアQを分け、上記の設定温度の一部(又は全てでもよい。)を変化させている。
製氷時間を2つの時間帯に分けて管理するのは、水と氷の比熱の違いによるものである。すなわち、周囲の温度が上昇しても、水と比較して氷は温度上昇されづらいためである。つまり、扉が開かれた場合や冷却負荷が冷凍室内に投入された場合に製氷室3aの温度が上昇した場合であっても、製氷皿内の水又は氷の状態によって受ける影響が異なっている。そこで、エリアQでは、カウントエリアの上限温度EEPB1をそれより高い温度であるEEPB3まで上げ、カウントエリアの幅を拡大している。
さらに、製氷一時停止温度EEPB2もエリアPより高い温度に設定し、製氷監視カウントが一時停止されずに継続される条件を緩和している。
このように時間帯エリアで異なる条件を設定することで、さらに効率的な製氷が可能となる。IM室温度センサー40で検出される製氷室3a内の温度が上昇しても、その上昇の程度によっては、製氷を一時停止する必要がない。エリアQでは温度変化による影響を受けにくいため、カウントエリアが大きく設定されているため、製氷カウントを中断しなくてもよい場合がある。したがって、製氷時間の60分を大幅に延ばすことなく効率的な製氷ができる。
これらの時間条件は、製氷される氷の大きさに左右される。給水量を変化させて異なる大きさの氷を作る場合には、カウントする時間を長く設定すればよく、各設定温度を変化させる必要はない。
図8のように製氷室3a内の温度が推移すると、製氷開始から製氷完了に至るまでの各カウンタは次のように変化する。この例は、カウントの一時停止やリセットが発生しない例であり、また、急速製氷運転モード等にも設定されず、カウントの加速も発生していない。すなわち、最も単純な場合を示している。
製氷が開始されると、製氷監視カウンタがカウントされる。製氷監視カウンタは60分でカウントアップが完了するので、60分間、継続的にカウントが続行する。この間、送風機19はONとOFFを繰り返す。送風機ON積算カウンタ47は送風機19が運転している間だけカウントを継続する。
また、エリアPとエリアQを区別するためのカウンタは、製氷監視カウンタがカウントされている間に、カウントアップされる。このカウンタは40分でカウントアップされるため、製氷が完了する前に必ずエリアPからエリアQへと移る。
エリアQでは上述のように温度条件が変化するが、この例では特にその恩恵を受けず、さらに製氷監視カウンタのカウントが継続し、カウントアップが完了した時点で、送風機ON積算カウンタのカウントアップが終了しているので、製氷完了に至る。この製氷運転は、図7(a)のフロー図では、ステップ51、58、59、60内で処理される例となっている。
以上説明した実施例によれば、以下の作用効果が得られる。
駆動モータ26を冷凍室の背壁側に設置し、駆動モータ26の出力軸26aで製氷皿23の奥側の軸受軸23bを受け、他方軸23aを蓋付きの軸受25で受けて製氷皿23を保持したため、駆動モータ26との係合を外して製氷皿23を手前側に引き出すことができる。また、駆動モータ26を制御する制御装置37に製氷皿23を脱着したら製氷皿23を反転動作する製氷準備機能を付加したため、使用者は製氷皿の清掃等を容易に行うことができ、また、板状氷となってしまうこともなくモータロックを回避することができる。
また、モータロックが発生した場合であっても、製氷皿23を原点位置(製氷皿23が水平状態となる位置)に戻す機能を付加したため、サービスマンを頼むことなく使用者自身が製氷皿23を着脱して修正することができる。
また、モータロック等の異常が発生した場合には、外部報知手段で使用者に異常を知らせるようにした。
また、製氷皿23の取外しが短時間の場合には、製氷皿23の反転動作等を行わずに製氷を継続するように制御することにしたため、製氷状態の確認のために製氷皿を引き出した場合等に、不必要に製氷時間を遅らせることはない。
製氷時間の効率化に関しては、製氷皿の温度を直接的に検出しなくても、製氷時間が遅延することを最小限に抑えることができる。また、時間条件を満たしたとしても、製氷完了温度の条件を満たした場合でなければ離氷を開始しないので、未結氷状態で離氷動作に入ることを確実に防ぐことができる。加えて、時間エリアによって製氷監視の諸条件を変化させているため、さらに効率化を図ることができる。
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