JP2007069416A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 活性光線により硬化するインクを用い、複合基材や厚みの薄い基材に画像を形成した場合にも、柔軟性が高く、ひび割れ等の問題を生じない画像が得られる画像形成方法を提供することである。
【解決手段】 活性光線硬化型インクジェットインクを、該活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材の上に吐出して画像を形成する画像形成方法において、該活性光線硬化型インクジェットインクの該基材への浸透率が該基材の厚みに対して5%以上の状態で該活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインクを用いた画像形成方法に関し、特に厚みの薄い基材に画像形成した際に柔軟性に優れた画像が得られる画像形成方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷等、さまざまな印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光や電子線により架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式等である。
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性のない記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、例えば、特開平6−200204号、特表2000−504778において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
紫外線硬化型インクジェット用インクにおいて、例えば、特許文献1〜3にあるようなカチオン重合性化合物を用いたインクは、ラジカル重合性化合物を用いたインクと比較して、安全性に優れる、酸素阻害作用を受けることがないといった特徴を有するが、塩化ビニル等の伸縮性に富む基材を紙等で裏打ちした複合基材や、厚みの薄い基材に画像形成した際の柔軟性が不十分で、基材を折り曲げたり、引き伸ばしたりした際に画像にひび割れが生じる等の問題がある。
特開2001−220526号公報 特開2002−188025号公報 特開2002−317139号公報
本発明の目的は、活性光線により硬化するインクを用い、複合基材や厚みの薄い基材に画像を形成した場合にも、柔軟性が高く、ひび割れ等の問題を生じない画像が得られる画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成された。
(1)
活性光線硬化型インクジェットインクを、該活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材の上に吐出して画像を形成する画像形成方法において、該活性光線硬化型インクジェットインクの該基材への浸透率が該基材の厚みに対して5%以上の状態で該活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させることを特徴とする画像形成方法。
(2)
前記浸透率が基材の厚みに対して5〜50%であることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法。
(3)
前記基材が、活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材を他の基材に貼り付けた複合基材であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の画像形成方法。
(4)
前記活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材の厚みが500μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(5)
前記活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材の厚みが10〜500μmであることを特徴とする前記(4)に記載の画像形成方法。
(6)
前記基材への活性光線硬化型インクジェットインクの浸透率を、該活性光線硬化型インクジェットインクが着弾した後の照射タイミングで調節することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(7)
活性光線硬化型インクジェットインクが着弾した後、0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする前記(6)に記載の画像形成方法。
(8)
前記基材への活性光線硬化型インクジェットインクの浸透率を該基材の温度で調節することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(9)
前記基材への活性光線硬化型インクジェットインクの浸透率を、該基材を30〜50℃に加温して調節することを特徴とする前記(8)に記載の画像形成方法。
(10)
前記基材への活性光線硬化型インクジェットインクの浸透率を、雰囲気の湿度で調節することを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(11)
前記雰囲気の湿度を0.008〜0.020kg/kg(絶対湿度)に調節することを特徴とする前記(10)に記載の画像形成方法。
(12)
記録ヘッドの各ノズルより吐出する活性光線硬化型インクジェットインク液滴量が1〜15plであることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(13)
前記活性光線硬化型インクジェットインク及び記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、吐出することを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
本発明によれば、活性光線により硬化するインクを用い、複合基材や厚みの薄い基材に画像を形成した場合にも、柔軟性が高く、ひび割れ等の問題を生じない画像が得られる画像形成方法を提供することができる。
本発明者は鋭意検討の結果、活性光線硬化型インクジェットインクを、該活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材の上に吐出して画像を形成する画像形成方法において、該活性光線硬化型インクジェットインクの該基材への浸透率が該基材の厚みに対して5%以上の状態で該活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させることを特徴とする画像形成方法により、複合基材や厚みの薄い基材に画像を形成した場合にも、柔軟性が高く、ひび割れ等の問題を生じない画像が得られることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、活性光線硬化型インクジェットインク(以下、単にインクともいう)の基材への浸透率が基材の厚みに対して5%以上の状態でインクを硬化させることを特徴とする。好ましくは5〜50%、より好ましくは5〜20%である。インクの浸透率が5%未満では、基材を折り曲げたり、引き伸ばしたりした際に画像にひび割れを生じる等の不具合を生じる。
本発明の画像形成方法は、インクの浸透する基材が、塩化ビニル等の伸縮性に富む基材を紙等で裏打ちした複合基材や、厚みの薄い基材である時により効果を発揮する。また、インクの浸透する基材の厚みが500μm以下の時、好ましくは10〜500μm、より好ましくは10〜300μmの時により効果を発揮する。
インクの基材への浸透率の調節は、(1)吐出されたインクが基材上に着弾してから、活性光線を照射されるまでの時間を調節する、(2)基材の温度を調節する、(3)画像形成を行う雰囲気の湿度を調節することによって行われる。
(1)については、インクが着弾した後、0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射することが好ましい。(2)については、基材温度を30〜50℃とすることが好ましい。(3)については、絶対湿度を0.008〜0.020kg/kgとすることが好ましい。
(1)はインクの基材への浸透時間を調節するものであり、(2)、(3)はインクの基材への浸透速度を調節するものである
次に、本発明に好ましく用いられるインクについて説明する。
本発明に用いられるインクは少なくとも光重合性化合物、光重合開始剤、顔料から構成される。
光重合性化合物としては、オキセタン化合物が挙げられる。本発明に係るオキセタン化合物(本明細書中においては、オキセタン環含有化合物、オキセタン化合物ともいい、いずれも同義の化合物を表す)について説明する。オキセタン環とは環状4員環エーテル構造を表す。
本発明においては下記一般式(3)で表されるオキセタン化合物が好ましい。
Figure 2007069416
式中、R1〜R6は、各々水素原子または置換基を表す。ただし、R1〜R6は全てが同時に水素原子を表すことはない。
一般式(3)において、R1〜R6で表される置換基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、プロパルギル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素芳香族基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、ピロリル基、2−キノリル基、1−イソキニリル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロチエニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)が挙げられる。R1とR2、R3とR4、R5とR6が互いに結合して2価の基となり環を形成してもよい。R1〜R6で各々表される置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基である。特に好ましくはアルキル基、芳香族炭化水素基である。
これらのR1〜R6で各々表される基は、さらに置換基を有していてもよい。
1〜R6で表される置換基に置換可能な基の例としてはアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素芳香族基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、ピロリル基、2−キノリル基、1−イソキニリル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロチエニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基等が挙げられ、これらの置換基は、上述したR1〜R6で各々表される置換基に置換可能な基の例と同義の基によってさらに置換されていてもよく、また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
1〜R6で表される置換基に置換可能な基として好ましいのは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、水酸基、フッ化炭化水素基である。R1〜R6で表される置換基の少なくとも1つが、オキセタン環を置換基として有し、二官能以上の多官能オキセタン化合物となってもよい。
本発明に係るオキセタン化合物は、オキセタン環の2位または3位に置換基を有することが好ましい。
オキセタン環の2位に置換可能な置換基としては特に制限はないが、好ましくは、芳香族基であり、芳香族基としては、上述した、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素芳香族基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、ピロリル基、2−キノリル基、1−イソキニリル基等)と同義の基を表す。これらの芳香族基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例としては、上述したハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基と同義の基である。2位の置換基が芳香族基の場合、さらに3位に置換基を有していてもよく、好ましい置換基の例としては、上述したアルキル基、アルコキシ基と同義の基である。
2位に置換基を有するオキセタン化合物は下記一般式(A)または下記一般式(B)で表されるオキセタン化合物がより好ましい。
Figure 2007069416
式中、QAは(mA+nA)価の芳香族基を表し、RA1〜RA4は各々水素原子または置換基を表し、RA5は置換基を表し、mAは1〜3の整数を表し、nAは0〜5の整数を表す。
Aで表される芳香族基は、(mA+nA)価の上述した芳香族基と同義の基を表す。RA1〜RA4で表される置換基は上述したR1〜R6で表される置換基と同義の基を表し、好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基である。RA5で表される置換基は上述したR1〜R6で表される置換基と同義の基を表し、複数個のRA5は各々同一でも異なっていてもよく、互いに結合して2価の基となり環を形成してもよい。RA5は好ましくは、アルキル基、アルコキシ基であり、複数個のRA5のうち少なくとも一つはアルコキシ基であることがより好ましい。mAは好ましくは1〜2の整数であり、nAは好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、mA+nAは1〜6の整数であることが好ましく、より好ましくは1〜3の整数である。
Figure 2007069416
式中、QBは(nB+2)価の芳香族基を表し、RB1〜RB4は各々水素原子または置換基を表し、RB5は置換基を表し、LBはmB価の連結基を表し、mBは2〜4の整数を表し、nBは0〜4の整数を表す。
Bで表される芳香族基は、(nB+2)価の上述した芳香族基と同義の基を表す。RB1〜RB4で表される置換基は上述したR1〜R6で表される置換基と同義の基を表し、RB1〜RB4は各々好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基である。RB5で表される置換基は上述したR1〜R6で表される置換基と同義の基を表し、複数個のRB5は各々同一でも異なっていてもよく、互いに結合して2価の基となり環を形成してもよい。RB5はアルキル基、アルコキシ基であることがより好ましい。mBは好ましくは2または3の整数であり、nBは好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
Bは、主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数0〜15のmB価の連結基あるいは単結合であることが好ましく、主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい2価の連結基の例としては、以下に列挙する基及びこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
メチレン基[−CH2−]、
エチリデン基[>CHCH3]、
イソプロピリデン[>C(CH32]、
1,2−エチレン基[−CH2CH2−]、
1,2−プロピレン基[−CH(CH3)CH2−]、
1,3−プロパンジイル基[−CH2CH2CH2−]、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH32CH2−]、
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH32CH2−]、
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH32CH2−]、
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]、
1,4−ブタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2−]、
1,5−ペンタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]、
オキシジエチレン基[−CH2CH2OCH2CH2−]、
チオジエチレン基[−CH2CH2SCH2CH2−]、
3−オキソチオジエチレン基[−CH2CH2SOCH2CH2−]、
3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CH2CH2SO2CH2CH2−]、
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]、
3−オキソペンタンジイル基[−CH2CH2COCH2CH2−]、
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCH2OCH2CO−]、
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−]、
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−]、
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]、
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH32CH2OCH2CH2−]、
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH32CH2OCH2CH2−]、
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH32CH2OCH2CH2−]、
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−]、
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−]、
1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C58−]、
1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C610−]、
1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C610−]、
1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C610−]、
2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−C46O−]
p−フェニレン基[−p−C64−]、
m−フェニレン基[−m−C64−]、
α,α′−o−キシリレン基[−o−CH2−C64−CH2−]、
α,α′−m−キシリレン基[−m−CH2−C64−CH2−]、
α,α′−p−キシリレン基[−p−CH2−C64−CH2−]、
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C42O−CH2−]、
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C42S−CH2−]、
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C64−C(CH32−p−C64−]
3価以上の連結基としては、上記で列挙した2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基、及びそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
上述したオキセタン化合物の製造方法は特に制限されず、従来知られた方法に従えばよく、以下の文献に記載の方法に準じて合成することができる。
(1)Hu Xianming,Richard M.Kellogg,Synthesis,533〜538,May(1995)
(2)A.O.Fitton,J.Hill,D.Ejane,R.Miller,Synth.,12,1140(1987)
(3)Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can.J.Chem.Vol.59,2503〜2509(1981)
(4)Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka and Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853〜3854(1983)
(5)Walter Fisher and Cyril A.Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)
(6)Chem.Ber.101,1850(1968)
(7)“Heterocyclic Compounds with Three− and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley & Sons,New York(1964)
(8)Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988)
(9)Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992)
(10)J.Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993)
(11)特開平6−16804号公報
(12)ドイツ特許第1,021,858号明細書
以下に一般式(3)、一般式(A)、一般式(B)で表されるオキセタン化合物の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007069416
Figure 2007069416
Figure 2007069416
オキセタン環の3位に置換可能な置換基としては特に制限はないが、好ましくは上述したアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基と同義の基を挙げることができる。
3位に置換基を有するオキセタン化合物としては、2位が置換されていないオキセタン化合物がより好ましい。2位が置換されていないオキセタン化合物の1例としては、下記一般式(101)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007069416
式中、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基を表す。R2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等を表す。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(102)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2007069416
式中、R1は上記一般式(101)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等を表す。
また、R3としては、下記一般式(103)、(104)及び(105)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
Figure 2007069416
式中、R4は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基を表す。
Figure 2007069416
式中、R5は酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32、またはC(CH32を表す。
Figure 2007069416
式中、R6はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基を表す。nは0〜2000の整数を表す。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基を表す。R7としては、さらに下記一般式(106)で示される基から選択される基も挙げることができる。
Figure 2007069416
式中、R8はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基を表す。mは0〜100の整数を表す。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007069416
例示化合物11は、前記一般式(102)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物12は、前記一般式(102)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(105)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(107)で示される化合物がある。
Figure 2007069416
式中、R1は前記一般式(101)のR1と同義である。
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(108)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007069416
式中、R1は前記一般式(101)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは3または4である。
Figure 2007069416
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物13が挙げられる。
Figure 2007069416
さらに、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(109)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007069416
式中、R8は前記一般式(106)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
Figure 2007069416
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2007069416
本発明においては、光重合性化合物として少なくとも1種のオキシラン基を有する化合物を含有することが好ましい。
光カチオン重合性モノマーとしては各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。
エポキシ化合物には、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、ビニルエーテル化合物を含有させることができる。
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、本発明においては、光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を30〜95質量%、オキシラン基を有する化合物を5〜70質量%、ビニルエーテル化合物0〜40質量%とを含有することが好ましい。
重合開始剤としては、活性光線の照射により酸を発生する化合物(以下光酸発生剤と称する)が挙げられる。
本発明に係る光酸発生剤としては具体的には、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)が用いられる。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、p−CH364SO3 -塩、CF3SO3 -塩等のスルホン酸塩を挙げることができる。
対アニオンとしてボレート化合物を持つもの及びPF6 -塩が酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
Figure 2007069416
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示する。
Figure 2007069416
第3に、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物も用いることができる。以下に具体的な化合物を例示する。
Figure 2007069416
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2007069416
本発明で用いられる光酸発生剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(例えば、ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えば、ローディア社製のRP−2074)、アレン−イオン錯体誘導体(例えば、チバガイギー社製のイルガキュア261)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。光酸発生剤は、カチオン重合性を有する化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光酸発生剤の含有量が0.2質量部未満では、硬化物を得ることが困難であり、20質量部を越えて含有させても、さらなる硬化性向上効果はない。これら光酸発生剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
より好ましいスルホニウム塩化合物の構造として、下記の一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩が挙げられる。
Figure 2007069416
式中、R11、R12、R13は置換基を表し、m、n、pは0〜2の整数を表す。X11 -は対イオンを表す。
さらに、一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩について説明する。一般式(I−1)で、R11、R12、R13は置換基を表す。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基等)、炭素数1〜6個のアルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、炭素数1〜6個のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等)、炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(例えば、フリル基、チエニル基等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基である。これらの置換基のうち可能なものはさらに置換されていてもよい。m、n、pは0〜2の整数を表し、それぞれが1以上であることが好ましい。X11 -は対アニオンを表す。対アニオンとしては、BF4 -、B(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -等の錯イオン、p−CH364SO3 -、CF3SO3 -等のスルホネートイオンを挙げることができる。対アニオンとしてはボレートイオン及びPF6 -が酸発生能力が高く好ましい。
以下に、本発明に係るスルホニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007069416
Figure 2007069416
Figure 2007069416
Figure 2007069416
Figure 2007069416
また、本発明においては、ラジカル重合性化合物も用いることができる。ラジカル重合性化合物としては、公知のあらゆる(メタ)アクリレートモノマー及びまたはオリゴマーを用いることができる。
例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の三官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
ラジカル重合性化合物と組み合わせて用いられる光ラジカル発生剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジルとキノン誘導体、ケトクマリン類等の従来公知の光ラジカル発生剤が使用できる。「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)に詳しい。中でもアシルフォスフィンオキシドやアシルホスフォナートは、感度が高く、開始剤の光開裂により吸収が減少するため、インクジェット方式のように1色当たり5〜12μmの厚みを持つインク画像での内部硬化に特に有効である。具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド等が好ましい。
また、安全性を考慮した選択では、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア(登録商標)1173)が好適に用いられる。好ましい添加量は、インク組成物全体の1〜6質量%、好ましくは2〜5質量%である。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I.Pigment Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、151、154、180、185
C.I.Pigment Orange−16、36、38
C.I.Pigment Red−5、7、12、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202
C.I.Pigment Violet−19、23
C.I.Pigment Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60
C.I.Pigment Green−7、36
C.I.Pigment White−6、18、21
C.I.Pigment Black−7
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のアジスパーシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる活性光線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤ではなく重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化の感度を維持することができる。
本発明に係るインクにおいては、色材濃度として、インク全体の1〜10質量%であることが好ましい。
本発明に係るインクには、上記説明した以外にさまざまな添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
本発明に係るインクにおいては、25℃における粘度が10〜70mPa・sであることが、良好な硬化性を得るために好ましい。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法においては、上記のインクをインクジェット記録方式により記録材料(基材)上に吐出、描画し、次いで紫外線等の活性光線を照射してインクを硬化させる。
(インク着弾後の総インク膜厚)
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題があるため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
なお、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
(インクの吐出条件)
本発明に係るインクを用いて画像形成する場合、インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃である。
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が1〜15plであることが好ましい。高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要である。
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜2.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましい。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
次いで、本発明に係るインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、図面の記録装置はあくまでも記録装置の一態様であり、記録装置はこの図面に限定されない。
図1は記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
なお、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能である。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。また、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にするとさらに好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプまたはフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明の画像形成方法は、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
実施例
《顔料分散液の調製》
以下の組成で顔料分散液を調製した。
以下2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱溶解させた。
アジスパーPB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 8質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亞合成社製オキセタン化合物) 72質量部
室温まで冷却した後、これに下記顔料20質量部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて下記時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
顔料1:Pigment Black 7(三菱化学社製、MA7) 10時間
顔料2:Pigment Blue 15:4(大日精化社製、特注) 6時間
顔料3:Pigment Red 122(大日精化社製、特注) 10時間
顔料4:Pigment Yellow 180(大日精化社製、特注) 10時間
顔料5:酸化チタン(アナターゼ型:粒径0.2μm) 10時間
《インクの調製》
上記調製した各顔料分散液を用い、表1に記載のインク組成で各色インクを調製した。
なお、各色インクは、顔料分散物以外の全ての添加剤を混合し、十分に溶解したことを確認してから、得られた混合液を顔料分散液に少しずつ添加し、15分間攪拌した後、ロキテクノ社製PP3μmディスクフィルターで濾過を行った。
Figure 2007069416
《画像の形成》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各インクを装填し、巾600mm、長さ500mの長尺の基材に各色ベタ画像の記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して55℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。着弾した後、キャリッジ両脇のランプユニットにより硬化される。本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
また、全く同様に図2に記載のラインヘッド記録方式のインクジェット記録装置を用い、ベタ画像を形成した。
得られた画像について下記方法でインクの浸透率を求めた。
(浸透率の測定)
画像を形成、硬化した後の各記録媒体(基材)について、断面を光学顕微鏡で観察し、記録媒体の表面からのインクの浸透距離(La)を求め、記録媒体の厚さ(Lb)との比から浸透率を算出した。
浸透率=La/Lb×100(%)
その他の画像形成条件と合わせて浸透率を表2に示す。
Figure 2007069416
《画像の評価》
上記画像形成方法で得られた各画像について、下記の評価を行った。その結果を表3に示す。
(硬化性)
図1記載のインクジェット記録装置においては、インクが硬化するのに必要な最低限のキャリッジ速度、図2記載のラインヘッド記録方式のインクジェット記録装置においては、インクが硬化するのに必要な最低限の記録材料搬送速度によって、インクの硬化性を判断した。
(柔軟性)
JIS K5600−5−1(円筒形マンドレル法)に基づいて、硬化膜の耐屈曲性を確認した。
Figure 2007069416
表3から、本発明の画像形成方法で得られた画像は比較例に比べ、柔軟性が高く、ひび割れ等の問題を生じない画像であることが分かる。
本発明に用いられるインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図である。 本発明に用いられるはラインヘッド記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成を示す図である。
符号の説明
1 記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
P 記録材料

Claims (13)

  1. 活性光線硬化型インクジェットインクを、該活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材の上に吐出して画像を形成する画像形成方法において、該活性光線硬化型インクジェットインクの該基材への浸透率が該基材の厚みに対して5%以上の状態で該活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記浸透率が基材の厚みに対して5〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記基材が、活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材を他の基材に貼り付けた複合基材であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材の厚みが500μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記活性光線硬化型インクジェットインクが浸透する基材の厚みが10〜500μmであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記基材への活性光線硬化型インクジェットインクの浸透率を、該活性光線硬化型インクジェットインクが着弾した後の照射タイミングで調節することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 活性光線硬化型インクジェットインクが着弾した後、0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 前記基材への活性光線硬化型インクジェットインクの浸透率を該基材の温度で調節することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 前記基材への活性光線硬化型インクジェットインクの浸透率を、該基材を30〜50℃に加温して調節することを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 前記基材への活性光線硬化型インクジェットインクの浸透率を、雰囲気の湿度で調節することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 前記雰囲気の湿度を0.008〜0.020kg/kg(絶対湿度)に調節することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  12. 記録ヘッドの各ノズルより吐出する活性光線硬化型インクジェットインク液滴量が1〜15plであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  13. 前記活性光線硬化型インクジェットインク及び記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、吐出することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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