JP2007068020A - デジタル放送受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 無駄な電力消費を少なく抑え得るデジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】 デジタル放送信号をクロックに従って復号するデジタル放送受信装置1であって、自装置1の移動状態に対応する移動状態データを用いてクロックの供給を制御する制御手段3を備えている。自装置1が移動しているときは、クロックの供給を停止するようにしてもよいし、クロック周波数を下げるようにしてもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】 デジタル放送信号をクロックに従って復号するデジタル放送受信装置1であって、自装置1の移動状態に対応する移動状態データを用いてクロックの供給を制御する制御手段3を備えている。自装置1が移動しているときは、クロックの供給を停止するようにしてもよいし、クロック周波数を下げるようにしてもよい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、デジタル放送受信装置、特に、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式に準拠した場合に好適なデジタル放送受信装置に関するものである。
日本の地上波デジタル放送の技術基準としてISDB−T方式が1999年に策定されている。このISDB−T方式の最大の特徴は、伝送帯域を13のセグメントに分割し、セグメント単位で変調方式を変更することができることであり、最大3種類(3階層)の変調方式を組み合わせて伝送できる。例えば、13セグメントのうち9セグメントを用いて固定受信機向けの高精細放送(HDTV:High Definition Television)を、3セグメントを用いて移動受信機向けの標準放送(SDTV:Standard Definition Television)を、1セグメントを用いて携帯受信機向けの簡易放送を、それぞれ提供することが可能である。
地上波デジタル放送は2003年より12セグメントまたは13セグメントを用いた本放送が開始されているが、更に1セグメントを使用した放送が2006年より開始される予定である。当面は12セグメントおよび1セグメントで同一の番組を提供するサイマル放送(サイマルキャスト)が実施される見込みである。
12セグメント放送は、広い帯域を利用して高精細な画像・音声を提供できるものの、ノイズによる誤りに弱く、移動しながらの受信には不向きであるという特徴がある。一方、1セグメント放送は、帯域が狭く伝送レートは低いが、誤りに強く移動しながらの受信に適しているという特徴がある。
移動/停止を頻繁に繰り返す車載用デジタル放送受信装置等の場合、12セグメント放送、1セグメント放送共に対応することが望まれており、両放送とも受信可能な端末の開発が進められている。なお、以下においては、「12セグメント放送」の語を、9セグメントの高精細放送や3セグメントの標準放送の意味でも使用する。
従来のデジタル放送受信装置は、一般に、図6に示すように、チューナー101、TS(Transport Stream)分離部102、クロック生成部103、映像復号手段104および音声復号手段105で構成されている。この装置では、まず、チューナ101により受信波の復調が行われ、TSが出力される。TSとは、MPEG(Moving Picture Expert Group)2Systemsで規定されたプロトコルで、映像、音声、データ等を多重化して伝送することが可能である。次に、TS分離部102にて、映像や音声等のES(Elementary Stream)に分離される。映像復号手段104および音声復号手段105は、それぞれクロック生成部103から供給される同期用基準信号としてのクロック(クロック信号)に従って動作し、対応するESを復号して外部に同期出力する。ここでクロック生成部から供給されるクロックは一定周波数の信号(一定周期で発生する信号)である。
また、12セグメント放送、1セグメント放送に共に対応した従来のデジタル放送受信装置は、図7に示すように、12セグメントチューナー101A、1セグメントチューナー101B、TS分離部102、クロック生成部103、12セグメント映像復号手段107、1セグメント映像復号手段108および音声復号手段105で構成されている。この装置では、まず、12セグメントチューナー101Aおよび1セグメントチューナー101Bにより受信波の復調が行われ、TSが出力される。次に、TS分離部102により、映像や音声等のES(Elementary Stream)に分離される。12セグメント映像復号手段107、1セグメント映像復号手段108および音声復号手段105は、それぞれクロック生成部103から供給されたクロックにより動作し、対応するESを復号して外部に出力する。ここでクロック生成部から供給されるクロックは一定である。
12セグメント放送、1セグメント放送に共に対応したデジタル放送受信装置の場合、12セグメント/1セグメントの受信選択については、ユーザーが選択する方法の他に、画面サイズや表示能力により12セグメント/1セグメントを自動的に切り替えるものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
また、電池駆動時には電力消費の少ない1セグメント放送に切り替えるものがある(例えば特許文献3参照)。
特開2004−289712号公報
特開2005−020340号公報
特開2004−364095号公報
しかしながら、従来の車載用デジタル放送受信装置にあっては、走行中は映像を表示せず音声のみ出力するように走行強制がかかるようになっている場合が多いにもかかわらず、装置内では映像表示のための処理(主として復号処理)が行われているため、この処理にかかる電力が無駄に消費されるという問題があった。
また、12セグメント放送と1セグメント放送に対応した従来のデジタル放送受信装置においては、12セグメント放送受信中に走行を開始しても12セグメント放送の映像復号処理が続けられるため、この処理にかかる電力が無駄に消費されるという問題があった。12セグメント放送の映像はMPEG2Videoで伝送されており、MPEG2Videoを復号する回路は一般に規模が大きく消費電力も大きいからである。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、無駄な電力消費を少なく抑え得るデジタル放送受信装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明のデジタル放送受信装置は、自装置の特定の使用状態を検出し、その検出結果に基づいてクロックの供給を制御する構成となっており、映像復号手段の作動に適さない自装置の特定の使用状態、例えば一定時間以上の移動中やそれと同様に映像復号を制限すべき状態において、クロック制御によって映像復号手段の作動を制限し、電力消費を減らすことができる。
すなわち、本発明は、デジタル放送信号をクロックに従って復号するデジタル放送受信装置であって、自装置の移動状態に対応する移動状態データを用いて前記クロックの供給を制御する制御手段を備えるものである。
この構成により、自装置の移動中、クロック制御によって映像復号手段の作動を制限し、電力消費を減らすことができる。
本発明においては、前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記クロックの供給を停止するようにしてもよい。この場合、移動中は映像復号手段の作動が停止されることになる。
あるいは、前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記クロックの周波数を下げるものでもよい。この場合、移動中は映像復号手段の作動がクロックの周波数に応じて制限されることになる。
また、前記制御手段は、前記デジタル放送信号に含まれデータ量が相対的に多い一のセグメントを復号するためのクロックを前記クロックとするのが好ましい。これにより、電力消費をより減らすことができる。
このように自装置の移動中にクロックの供給を停止したりクロック周波数を下げたりする場合には、次のようにするのが好ましい。
前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記一のセグメントに代えてデータ量が相対的に少ない他のセグメントを選択するものであってもい。この場合、低クロックでも復号動作が可能となる。
また、前記制御手段は、前記デジタル放送信号に含まれノイズによる誤りに相対的に弱い一のセグメントを復号するためのクロックを前記クロックとするのがよい。この構成により、移動中はノイズによる誤りに弱い一のセグメントの復号を控えて、無駄な電力消費を抑えることができる
さらに、前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記一のセグメントに代えてノイズによる誤りに相対的に強い他のセグメントを選択するものであてもよい。これにより移動中にも誤りの少ない復号処理が可能となる。
さらに、前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記一のセグメントに代えてノイズによる誤りに相対的に強い他のセグメントを選択するものであてもよい。これにより移動中にも誤りの少ない復号処理が可能となる。
一方、前記制御手段は、GPSデータを前記移動状態データとして用いるものとすることができる。これにより自装置の移動状態を正確に把握でき、移動中か否かの検出信号を容易に得ることができる。
また、前記制御手段は、速度に対応する速度データを前記移動状態データとして用いることもでき、この場合、移動中か否かの検出信号を容易に得ることが可能である。
あるいは、前記制御手段は、ギアレバーの状態に対応するギアレバーデータを前記移動状態データとして用いることもできる。この場合、移動中か否かの検出信号を容易に得ることが可能である。
本発明は、あるいは、デジタル放送信号をクロックに従って復号するデジタル放送受信装置であって、デジタル放送波の受信感度に対応する受信感度データを用いて前記クロックの供給を制御するクロック制御手段を備えるものである。
受信感度が低い場合に、消費電力が比較的大きい映像復号手段を無駄に作動させないようにでき、無駄な電力消費が抑えられるからである。
前記クロック制御手段は、デジタル放送波の受信感度が所定値以下であれば、前記クロックの供給を停止するものとしてもよいし、あるいは、デジタル放送波の受信感度が所定値以下であれば、前記クロックの周波数を下げるものでもよい。受信感度が低い場合に、消費電力が比較的大きい映像復号手段を無駄に作動させないようにでき、無駄な電力消費が抑えられるからである。
あるいはまた、本発明は、デジタル放送信号をクロックに従って復号するデジタル放送受信装置であって、デジタル放送波が表示されているか否かに対応する表示状態データを用いて前記クロックの供給を制御するクロック制御手段を備えるものである。この構成により、表示の状態や種別に応じて映像復号手段の無駄な作動を制限できる。
前記クロック制御手段は、デジタル放送波が表示されていなければ、前記クロックの供給を停止するか、あるいは、前記クロックの周波数を下げるのがよい。
前記状態検出手段は、また、画面表示種別を検出する画面表示種別検出手段であってもよく、その場合、前記クロック制御手段は、テレビ画面表示中でない場合に前記映像復号手段に供給するクロックを停止し又はクロック数を少なくするのが好ましい。表示種別に応じて映像復号手段の無駄な作動を制限できるからである。
なお、本発明では、受信装置の特定の使用状態を検出し、その検出結果に基づいてクロックの供給を制御し、その供給クロックに従って受信装置の受信信号を復号することもできる。したがって、映像復号手段の作動に適さない自装置の特定の使用状態、例えば一定時間以上の移動中やそれと同様に映像復号を制限すべき状態において、クロック制御によって映像復号手段の作動を制限し、電力消費を減らすことができる。
また、伝送帯域を分割して複数階層で構成された放送信号を受信装置により受信して出力することができ、受信装置が移動中か否かを検出するとともに、その検出結果に基づいて受信する階層を切り替え、移動検出結果に基づいてクロックの供給を制御することもできる。
本発明によれば、移動中等の特定の使用状態において映像復号手段へのクロックを制限して映像復号に要する電力を削減することができ、無駄な電力消費の少ないデジタル放送受信装置を提供することができる。
また、自装置の使用状態に応じて例えば12セグメント放送から1セグメント放送に切り替え、消費電力の大きい12セグメント用の復号手段に入力されるクロック数を制御することにより、移動中等の特定の状態において12セグメント用復号手段へのクロックを制限して映像復号に要する電力を削減することができ、無駄な電力消費の少ないデジタル放送受信装置を提供することができるる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置を示している。
図1は本発明の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置を示している。
なお、本実施形態のデジタル放送受信装置1は、図6に記した従来のデジタル放送受信装置と同一もしくはそれに相当する構成要素を部分的に備えているので、その部分については図6に示した構成要素と同一の符号を付し、図6に示す従来例と相違する点について詳述する。
図1に示すように、本実施形態のデジタル放送受信装置1は、従来装置と同様なチューナー101、TS分離部102およびクロック生成部103に加えて、自装置の使用状態が所定の使用状態か否か、例えば自装置が移動中の使用状態にあるか否かを検出する状態検出手段としての移動検出手段2と、この移動検出手段2の検出結果に応じてクロック生成部103からのクロックを供給制御するクロック制御手段3と、クロック制御手段3から供給されたクロックに従って動作する映像復号手段4および音声復号手段5とを具備している。
移動検出手段2は、例えばジャイロ等のデバイスで、デジタル放送受信装置1自身の移動状態を検出するものであり、あるいは、デジタル放送受信装置1を搭載している車両の移動状態を、車載ナビゲーション装置等からのGPS(Global Positioning System)データ、速度(車速)に対応する速度データ、あるいは変速操作部であるギアレバーの状態に対応するギアレバーデータ等といった移動状態データとして外部より入力し、移動・停止を決定するものである。また、移動検出手段2は、車載ナビゲーション装置の走行強制信号を外部入力として、移動・停止を決定するものであってもよい。なお、移動検出に代えて、他の使用状態、例えば放送波の受信状態や自装置の画面出力に使用される画面表示種別を検出するようにしてもよい(それについては後述する)。
クロック制御手段3は、移動検出手段2の検出結果に応じて、自装置が移動中であれば、例えばクロック生成部103からのクロック、特にデジタル放送信号に含まれるデータ量が他のデジタル放送信号に比して相対的に多い一のセグメントを復号するためのクロックの供給を停止する(あるいはクロックの周波数を下げてもよい)。
映像復号手段4は、MPEG2Video形式、MPEG4Video形式、H.264/AVC(ITU-T Rec. H.264/ISO/MPEG-4 Part10 Advanced Video Coding)形式等の映像ESを復号する集積回路である。
音声復号手段5は、クロック生成部103から供給されたクロックにより動作し、音声ESを復号して外部に音声信号を出力する。
映像復号手段4および音声復号手段5に供給されるクロックは、クロック制御手段3により移動検出手段2の検出結果に基づいて制御されるようになっている。
次に、その動作について説明する。
上述のように構成されたデジタル放送受信装置においては、まず、移動検出手段2がデジタル放送受信装置1の特定の使用状態である移動状態を検出し、クロック制御手段3に対して移動検出若しくは停止検出情報を出力する。
次いで、クロック制御手段3が映像復号手段4および音声復号手段5に供給するクロックを制御する。
図2はこのときのクロック制御処理の手順をより詳細に示したフローチャートである。このクロック制御処理は、移動状態が変化するたびに繰り返し実行される。
まず、移動検出手段2からの移動又は停止といった検出情報に基づいて自装置が移動中であるかどうかが判定される(ステップS11)。
移動中でない場合(ステップS11でNOの場合)は、クロック制御手段3では何もクロック制限処理がなされず、クロック生成部103からのクロックに対応する予め定められたクロックがクロック制御手段3を介して映像復号手段4および音声復号手段5に供給される。
一方、移動中の場合(ステップS11でYESの場合)には、次に進んで、クロック制御手段3により映像復号手段4へのクロック供給が停止される(ステップS12)。このとき、音声復号手段5に対しては、クロック生成部103からのクロックに対応する予め定められたクロックの供給が継続して実行される。
このようなクロック制御処理に対し、映像復号手段4および音声復号手段5においては、それぞれクロックが供給されると、その供給クロックに従って復号処理が行われる。
そして、このようなクロック制御処理が、移動状態の変化のたびに、移動検出手段2の検出情報に基づいて繰り返し実行され、映像復号手段4および音声復号手段5による復号処理の状態が、常に自装置の特定の使用状態である移動状態の有無に応じて制御されることになる。
すなわち、本実施形態における一連の処理は、自装置(受信装置)の特定の使用状態を検出する状態検出ステップと、この状態検出ステップによる検出結果に基づいてクロックの供給(所定時間当りの供給クロック数)を制御するクロック制御ステップと、このクロック制御ステップにより供給されたクロックに従って受信装置の受信信号を復号する映像復号ステップとを含むデジタル放送受信を実行するものであり、さらに、その状態検出ステップが自装置の移動中か否かを検出する移動検出ステップであり、そのクロック制御ステップが移動検出ステップによる検出結果に基づいてクロックの供給を制限する(所定時間当りの供給クロック数を少なくするかクロックの供給を停止する)制御ステップとなっている。
ところで、上述のように、映像復号手段4および音声復号手段5では、クロックが供給されている場合に復号処理が動作して電力を消費するが、クロックが停止している場合、復号処理は動作しないため、電力消費は抑えられる。
本実施形態のデジタル放送受信装置においては、MPEG2Video等の復号を行う映像復号手段4には一般に回路規模の大きなものが必要となり、音声復号手段5に比べて比較的大きな電力を消費するものの、自装置の移動状態(移動しながらの通信の有無)に応じ、消費電力の大きい映像復号回路を持つ映像復号手段4への入力クロックがクロック制御手段3によって制限、例えば停止制御されるので、移動中は映像復号手段4へのクロックを停止して映像復号に要する電力を削減することができる。その結果、消費電力の大きな削減効果が得られる。
このように本実施形態のデジタル放送受信装置では、自装置の使用状態に応じて映像復号手段4に入力されるクロック数を制御することにより、移動中という特定の使用状態において映像復号手段4へのクロックを制限して映像復号に要する電力を削減することができ、無駄な電力消費の少ないデジタル放送受信装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、状態検出手段としての移動検出手段2による検出結果に基づいて映像復号手段4へのクロック供給を制御する構成としていたが、他の検出情報に基づくクロック供給制御、例えばデジタル放送波の受信感度を検出して、その受信感度に応じてクロック供給を制御するような構成や、自装置の画面出力に使用される画面表示種別を検出し、例えばテレビ画面表示中か否か、デジタル放送が表示されているかといった情報を基にクロック供給を制御する構成としてもよい。
すなわち、移動検出手段に代えてデジタル放送波の受信感度を検出する状態検出手段を設けて、その受信感度データに応じてクロック供給を制御することができ、その場合には、クロック制御手段は、受信感度が所定値以下に低い場合には映像復号手段に供給するクロックを停止し又はクロック数を少なくする。また、自装置の画面出力に使用される画面表示種別を検出する状態検出手段を設けて、例えばテレビ画面表示中かに対応する表示状態データを基にクロック供給を制御することができ、その場合には、クロック制御手段は、テレビ画面表示中でない場合に前記映像復号手段に供給するクロックを停止し又はクロック数を少なくするようにすればよい。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置を示す図であり、その概略構成をブロック図で示している。
図3は、本発明の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置を示す図であり、その概略構成をブロック図で示している。
本実施形態のデジタル放送受信装置は、以下に述べる通り、伝送帯域を分割して複数階層で構成された放送信号を受信して出力するもので、その複数階層は少なくとも12セグメント放送と1セグメント放送から構成されている。すなわち、本実施形態のデジタル放送受信装置は、12セグメント放送と1セグメント放送を共に受信可能なものである。
また、本実施形態のデジタル放送受信装置は、図7に記した従来のデジタル放送受信装置と同一もしくはそれに相当する構成要素を部分的に備えているので、その部分については図7に示した構成要素と同一の符号を付し、図7に示す従来例と相違する点について詳述する。また、上述した第1の実施の形態と同一もしくは類似の構成を有する構成要素については、図1と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、本実施形態のデジタル放送受信装置10は、従来装置と同様なTS分離部102、クロック生成部103、12セグメントチューナー101Aおよび1セグメントチューナー101Bに加えて、自装置が移動中か否かを検出する移動検出手段2と、この移動検出手段2の検出結果に応じて12セグメント(デジタル放送信号に含まれデータ量が相対的に多い/ノイズによる誤りに相対的に弱い一のセグメント)または1セグメント(デジタル放送信号に含まれデータ量が相対的に少ない/ノイズによる誤りに相対的に弱い他のセグメント)のTSを選択出力するTS選択手段6と、同じく移動検出手段2の検出結果に応じてクロックを供給制御するクロック制御手段3と、それぞれクロック制御手段3から供給されるクロックにより独立して動作する12セグメント映像復号手段7、1セグメント映像復号手段8および音声復号手段5とを具備している。
移動検出手段2およびクロック制御手段3は、それぞれ本発明の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置のそれらとほぼ同様で、クロック制御手段3は移動検出手段2の検出結果に応じて12セグメント映像復号手段7への所定時間当りの供給クロック数を少なくする、例えばその供給クロックを停止することができるようになっている。
TS選択手段6は、移動検出手段2による検出結果に応じ作動して受信階層を切り替える階層切替手段となっており、移動中である場合には1セグメント放送の受信に切り替えるように、12セグメントチューナー101AからのTSと1セグメントチューナー101BからのTSとを選択して出力するようになっている。
また、12セグメント映像復号手段7は、例えばMPEG2Video形式の映像ES(Elementary Stream)を復号可能な集積回路であり、1セグメント映像復号手段8は、例えばH.264/AVC形式の映像ESを復号可能な集積回路である。
音声復号手段5は、MPEG2Audio AAC(Advanced Audio Coding)等を復号可能な集積回路である。なお、ここでは12セグメントと1セグメントで音声復号手段を共通に使用する構成としたが、12セグメントと1セグメントで個別に音声復号手段を持つ構成としてもよい。
次に、以上のように構成されたデジタル放送受信装置の動作について、図4および図5を用いて説明する。
上述のように構成されたデジタル放送受信装置においては、まず、移動検出手段2がデジタル放送受信装置10の移動状態を検出し、TS選択手段6およびクロック制御手段3に対してその検出結果である移動検出若しくは停止検出情報を出力する。
次に、TS選択手段6がTS分離部102に出力するTSを選択する。
図4はTS選択処理の手順をより詳細に示したフローチャートである。このTS選択処理は、移動状態が変化するたびに行われる。
まず、移動検出手段2からの検出情報に基づいて自装置が移動中かどうか判定される(ステップS41)。
移動中でない場合(ステップS41でNOの場合)は、TS選択手段6では切り替え処理が行われず、現在受信しているTSがそのまま出力される。一方、移動中の場合(ステップS41でYESの場合)には、次に進んで、TS選択手段6では現在までの受信セグメントでなく1セグメントチューナー101BからのTSに切り替えた出力がなされる(ステップS42)。すなわち、移動中は常に1セグメント放送に切り替えられることになる。
このとき、TS分離部102では、1セグメントチューナー101BからのTSを1セグメント映像ESと音声ESとに分離して、1セグメント映像ESを1セグメント映像復号手段8に、音声ESを音声復号手段5に、それぞれ出力することになる。
一方、このようなTS選択処理と、併行して、クロック制御手段3では各復号手段に供給するクロックが制御される。
図5は、このクロック制御処理の手順をより詳細に示したフローチャートである。このクロック制御処理は、移動状態が変化するたびに行われる。
まず、移動検出手段2からの検出情報に基づいて自装置が移動中かどうか判定される(ステップS51)。
移動中でない場合(ステップS51でNOの場合)は、クロック制御手段3では何もクロック制限処理がなされず、クロック生成部103からのクロックに対応する予め定められたクロックがクロック制御手段3を介して12セグメント映像復号手段7、1セグメント映像復号手段8および音声復号手段5にそれぞれ供給される。
一方、移動中の場合(ステップS51でYESの場合)には、次に進み、クロック制御手段3により12セグメント映像復号手段7へのクロック供給のみが停止される(ステップS52)。このとき、1セグメント映像復号手段8および音声出力手段5に対しては、クロック生成部103からのクロックに対応する予め定められたクロックの供給が継続して実行される。
このようなクロック制御処理に対し、12セグメント映像復号手段7、1セグメント映像復号手段8および音声復号手段5においては、それぞれクロックが供給されると、その供給クロックに従って復号処理が行われる。
そして、上述のようなクロック制御処理が、移動状態の変化のたびに、移動検出手段2の検出情報に基づいて繰り返し実行され、12セグメント映像復号手段7、1セグメント映像復号手段8および音声復号手段5による復号処理の状態が、常に自装置の特定の使用状態である移動状態の有無に応じて制御されることになる。
すなわち、本実施形態における一連の処理は、自装置(受信装置)の特定の使用状態である移動中を検出する移動検出ステップと、この移動検出ステップによる検出結果に基づいて受信する階層を切り替える階層切替ステップと、移動検出ステップによる検出結果に基づいてクロックの供給を制御するクロック制御ステップと、そのクロック制御ステップにより供給されたクロックに従って自装置の受信信号を復号する映像復号ステップとを含み、伝送帯域を分割して複数階層で構成された放送信号を受信し出力するデジタル放送受信を実行するものである。
本実施形態のデジタル放送受信装置においては、MPEG2Video等の復号を行う12セグメント映像復号手段7には一般に回路規模の大きなものが必要となり、音声復号手段5に比べて比較的大きな電力を消費するものの、自装置の移動状態(移動しながらの通信の有無)に応じ、消費電力の大きい映像復号回路を持つ12セグメント映像復号手段7への入力クロックがクロック制御手段3によって停止され、1セグメント映像復号手段8への入力クロックに切り替えられるので、移動中は12セグメント映像復号手段7と1セグメント映像復号手段8の消費電力の差分だけ映像復号に要する電力を削減することができる。その結果、消費電力の大きな削減効果が得られる。
このように本実施形態では、自装置の特定の使用状態に応じて、主たる映像信号の復号手段を12セグメント映像復号手段7から1セグメント映像復号手段8に切り替えるようクロック制御を実行することで、移動中という特定の使用状態において12セグメント映像復号手段7へのクロックを制限して映像復号に要する電力を大幅に削減することができ、無駄な電力消費の少ないデジタル放送受信装置を提供することができる。
以上のように本発明の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置によれば、移動状態に応じて12セグメント放送から1セグメント放送に切り替えるTS選択手段6と、消費電力の大きい12セグメント映像復号手段7に入力されるクロック数を制御するクロック制御手段3を設けることにより、移動中は12セグメント映像復号手段7へのクロックを停止して映像復号に要する電力を削減するという効果を有するデジタル放送受信装置を提供することができ、しかも、移動中に1セグメント映像復号手段8からの映像信号を得ることができる。
なお、以上の説明では、12セグメント映像復号手段7と1セグメント映像復号手段8を別のブロック(例えば集積回路)で構成した例について説明したが、同一のブロックとした構成としてもよい。また、移動中には上述のようにクロック供給を停止するのではなく、クロック周波数を下げる、すなわち低くする(所定時間当りの供給クロック数を少なくする)ことで、消費電力を削減することができる。12セグメント放送の復号に比べて1セグメント放送復号処理は処理量が少ないため、低クロックでの復号動作が可能である。
また、以上の説明では、消費電力削減効率が最も高いと考えられる12セグメント復号手段7へのクロック供給のみを停止する構成としたが、さらにクロック停止と同時に12セグメント復号手段7への電源供給を停止したり、12セグメント復号手段7に入力するESを停止することも可能であり、これにより更に電力削減効率を高めるような構成としてもよい。
以上のように、本発明にかかるデジタル放送受信装置は、移動中に消費電力が大きい映像復号手段を作動させないようして無駄な消費電力を削減することができるという効果を奏するものであり、デジタル放送受信装置、特に、ISDB−T方式等に準拠したデジタル放送受信装置全般に有用である。
1、10 デジタル放送受信装置
2 移動検出手段(状態検出手段、受信感度検出手段)
3 クロック制御手段
4 映像復号手段(復号手段)
5 音声復号手段(復号手段)
6 TS選択手段(階層切替手段)
7 12セグメント映像復号手段(復号手段)
8 1セグメント映像復号手段(復号手段)
101 チューナー
101A 12セグメントチューナー
101B 1セグメントチューナー
102 TS分離部
103 クロック生成部
2 移動検出手段(状態検出手段、受信感度検出手段)
3 クロック制御手段
4 映像復号手段(復号手段)
5 音声復号手段(復号手段)
6 TS選択手段(階層切替手段)
7 12セグメント映像復号手段(復号手段)
8 1セグメント映像復号手段(復号手段)
101 チューナー
101A 12セグメントチューナー
101B 1セグメントチューナー
102 TS分離部
103 クロック生成部
Claims (20)
- デジタル放送信号をクロックに従って復号するデジタル放送受信装置であって、
自装置の移動状態に対応する移動状態データを用いて前記クロックの供給を制御する制御手段を備えるデジタル放送受信装置。 - 前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記クロックの供給を停止することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、前記デジタル放送信号に含まれデータ量が相対的に多い一のセグメントを復号するためのクロックを前記クロックとすることを特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記一のセグメントに代えてデータ量が相対的に少ない他のセグメントを選択することを特徴とする請求項3に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、前記デジタル放送信号に含まれノイズによる誤りに相対的に弱い一のセグメントを復号するためのクロックを前記クロックとすることを特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記一のセグメントに代えてノイズによる誤りに相対的に強い他のセグメントを選択することを特徴とする請求項5に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記クロックの周波数を下げることを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、前記デジタル放送信号に含まれデータ量が相対的に多い一のセグメントを復号するためのクロックを前記クロックとすることを特徴とする請求項7に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記一のセグメントに代えてデータ量が相対的に少ない他のセグメントを選択することを特徴とする請求項8に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、前記デジタル放送信号に含まれノイズによる誤りに相対的に弱い一のセグメントを復号するためのクロックを前記クロックとすることを特徴とする請求項7に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、自装置が移動中であれば、前記一のセグメントに代えてノイズによる誤りに相対的に強い他のセグメントを選択することを特徴とする請求項10に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、GPSデータを前記移動状態データとして用いることを特徴とする請求項1ないし請求項11の何れかに記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、速度に対応する速度データを前記移動状態データとして用いることを特徴とする請求項1ないし請求項11の何れかに記載のデジタル放送受信装置。
- 前記制御手段は、ギアレバーの状態に対応するギアレバーデータを前記移動状態データとして用いることを特徴とする請求項1ないし請求項11の何れかに記載のデジタル放送受信装置。
- デジタル放送信号をクロックに従って復号するデジタル放送受信装置であって、
デジタル放送波の受信感度に対応する受信感度データを用いて前記クロックの供給を制御するクロック制御手段を備えるデジタル放送受信装置。 - 前記クロック制御手段は、デジタル放送波の受信感度が所定値以下であれば、前記クロックの供給を停止することを特徴とする請求項15に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記クロック制御手段は、デジタル放送波の受信感度が所定値以下であれば、前記クロックの周波数を下げることを特徴とする請求項15に記載のデジタル放送受信装置。
- デジタル放送信号をクロックに従って復号するデジタル放送受信装置であって、
デジタル放送波が表示されているか否かに対応する表示状態データを用いて前記クロックの供給を制御するクロック制御手段を備えるデジタル放送受信装置。 - 前記クロック制御手段は、デジタル放送波が表示されていなければ、前記クロックの供給を停止することを特徴とする請求項18に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記クロック制御手段は、デジタル放送波が表示されていなければ、前記クロックの周波数を下げることを特徴とする請求項18に記載のデジタル放送受信装置。
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- 2005-09-01 JP JP2005253678A patent/JP2007068020A/ja active Pending
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