JP2008153940A - デジタル放送受像システム及びデジタル放送の受像方法 - Google Patents

デジタル放送受像システム及びデジタル放送の受像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】デジタル放送を視聴している際、チャンネルの変更後、表示される迄の時間を短縮する。
【解決手段】チャンネルの切替えを検知すると(S10)、モード選択部32がザッピングモードが起動中か否かを判定する(S12)。ザッピングモードが起動中の場合(S12のY)、チャンネル制御部30は、選局されたチャンネルが予備チャンネルかを判定する(S16)。予備チャンネルである場合(S16のY)、チャンネル制御部30はセレクタ40を切り替え、第2系統52の信号を表示部16に出力する(S18)。つづいて、優先チャンネル構築部36は予備チャンネルの優先順位を更新し(S20)、主系統と副系統を入れ替え(S22)、予備チャンネルの受信及び復号を開始する(S24)。
【選択図】図2

Description

本発明は、デジタル放送受像システムに係り、特に、デジタル放送の視聴中に異なるチャンネルが選局された時、選局されたチャンネルが表示されるまでに要する時間を短縮する技術に関する。
現在日本では、地上波テレビ放送がアナログ放送からデジタル放送への移行期にある。新しく市場に投入される製品の多くは、デジタル放送を受信可能なものとなっており、製造各社は様々な技術を投入し、他社との差別化を図っている。
そのような中、アナログ放送では想定されない、デジタル放送特有の課題が生じている。アナログ放送では、チャンネルとキャリアは1対1の関係にあった。そのため、選局したいチャンネルのキャリアをチューニングすることが選局動作であった。
しかし、デジタル放送においては、ひとつのキャリアに複数のプログラムが存在するとともに、それらプログラムは符号化され所定のストリームを構成している。そのため、デジタル放送を表示するまでには、キャリアの取得、ストリームの取得及び復号処理などのプロセスが必要とされる。このため、アナログ放送と比較して、高速に選局を行うことが難しい。つまり、アナログ放送と比較してデジタル放送では、選局されてから表示されるまでに、時間がかかるようになっている。
特に、符号化された音声及び映像データを復号する処理速度は、処理回路の高性能化にともない改善されているとはいえ、所定量のデータを取得した後に復号処理を行うといったプロセス上、選局したチャンネルが表示されるまである程度タイムラグが生じる。
したがって、ユーザが次々とチャンネルを変える動作、いわゆるザッピングを行った際に、アナログ放送のように素早い表示はできない。そのようなザッピングを素早く実現させる為に、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークを介してコンテンツを送受信するシステムにおいて、ザッピング用のデータを別途送信する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示の技術では、地上波デジタル放送と同様にMPEG−2(Moving Picture Experts Group Phase 2)規格を用いており、符号化されたデータを復号し表示するまでにタイムラグが生じる。そこで、送信側でザッピングデータを予め作成し、受信側に送信している。
特開2003−324711号公報
しかしながら、送信されるデータは、番組のダイジェストや番組の一部などであり、番組自体ではない。したがって、番組自体を高速に選局して表示させる技術ではない。
本発明は、こうした課題に鑑みなされたものであって、その目的は、ユーザがデジタル放送を視聴中にチャンネルを変更した時、所定の表示装置に選局されたチャンネルが表示されるまでの時間を短縮する技術を提供することにある。
本発明に係るデジタル放送受像システムは、符号化されたコンテンツを受信及び復号して再生するデジタル放送受像システムであって、選局された主チャンネルのコンテンツを受信して復号して、所定の表示部に出力する主系統と、前記主系統とは異なる予備のチャンネルを受信して復号した状態で待機する副系統と、前記主チャンネルに代えて前記予備チャンネルが選局された際に、前記表示部に対する出力を前記主系統から前記副系統に切り替えて前記予備チャンネルのコンテンツを出力する切替手段とを備える。
前記主系統は、前記主チャンネルのコンテンツを受信する主チューナと、前記主チューナが受信したコンテンツを復号する主復号処理部とを備え、前記副系統は、前記予備チャンネルのコンテンツを受信する副チューナと、前記副チューナが受信したコンテンツを復号する副復号処理部とを備え、前記切替手段は、前記主チャンネルに代えて前記予備チャンネルが選局された際、前記表示部に対する出力を前記主復号処理部の出力から前記副復号処理部の出力へ切り替えて前記予備チャンネルのコンテンツを前記表示部に出力してもよい。
前記予備チャンネルのコンテンツを受信及び復号する検索モードを起動するモード選択部を備えてもよい。
前記モード選択部は、ユーザの指示を受けて、前記検索モードを起動してもよい。
前記モード選択部は、前記主チューナが受信しているコンテンツに含まれる番組付帯情報を元に、前記検索モードを起動してもよい。
前記モード選択部は、チャンネルの遷移履歴をもとに前記検索モードを起動してもよい。
前記予備チャンネルを決定するチャンネル選択部を備えてもよい。
前記チャンネル選択部は、デジタル放送のトランスポートストリームに含まれる番組付帯情報を元に前記予備チャンネルを決定してもよい。
前記チャンネル選択部は、前記予備チャンネルを視聴履歴に基づいて決定してもよい。
前記チャンネル選択部は、前記主チャンネルの前後のチャンネルを前記予備チャンネルとして決定してもよい。
前記予備チャンネルの情報を、前記主チャンネルのコンテンツと同時に表示する表示制御部を備えてもよい。
前記予備チャンネルとして、複数のチャンネルを順次切り替えながら受信及び復号するよう前記副チューナを制御する受信制御部を備えてもよい。
複数のチャンネルに優先順位を設定し、優先順位が最上位のチャンネルを予備チャンネルとする予備チャンネル構築部を備えてもよい。
前記予備チャンネル構築部は、優先順位が最上位のチャンネルが選択されなかった場合、優先順位が最上位であったチャンネルを最下位の優先順位とするよう予備チャンネルの優先順位を更新してもよい。
前記主系統及び前記副系統は、MPEG−2又はMPEG−4規格により符号化圧縮されたコンテンツを受信及び復号し、前記副系統は、予備チャンネルの受信したコンテンツのIピクチャの画像のみを復号してもよい。
前記主系統と前記副系統は、一体の装置に備わってもよい。
前記受信制御部は、外部に備わるチューナ及び外部に備わる復号処理部を、前記主系統又は前記副系統として制御してもよい。
本発明に係る方法は、デジタル放送の符号化されたコンテンツを受信及び復号して再生する、デジタル放送の受像方法であって、選局された主チャンネルのコンテンツを受信して復号して、ユーザに表示すべきコンテンツとして出力する工程と、前記主チャンネルとは異なる予備のチャンネルを受信して復号した状態で待機する工程と、前記主チャンネルに代えて前記予備チャンネルが選局された際に、前記表示すべきコンテンツとしての出力を前記主系統から前記副系統に切り替える工程とを備える。
本発明によれば、デジタル放送の視聴時に、チャンネルを変更した際に、変更後のチャンネルの番組が表示されるまでの時間を短縮できる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という。)を、図面を参照して具体的に説明する。以下の実施形態では、視聴者であるユーザが液晶テレビなどのデジタル放送受像装置などで番組を視聴している際に、ザッピングのように短時間で番組(チャンネル)を次々に遷移させた際に、遷移後の番組を素早く表示させる。
実施形態の概略を説明すると、デジタル放送受像装置においてデジタル放送のチャンネルを受信及び復号処理する系統を複数用意する。一つの系統では、ユーザが視聴するチャンネルの番組を受信及び復号し、残りの系統ではザッピング用にユーザが視聴していないチャンネルの番組をバックグラウンドで受信及び復号し、ユーザの選択に備える。ザッピング用に受信及び復号されていたチャンネルがユーザにより選択された場合、アナログ放送のように素早くユーザにコンテンツを提示する。以下、ユーザが視聴しているチャンネルを「主チャンネル」といい、ザッピング用にバックグラウンドで受信及び復号し、表示せず待機しているチャンネルを「予備チャンネル」という。
(第1の実施形態)
図1に示すように、デジタル放送受像装置10は、コンテンツが符号化及び多重化されたトランスポートストリーム(以下、単に「TS」ともいう。)を受信及び復号し、所望のコンテンツを表示する。コンテンツのうち、データ量の多い映像データや音声データは、MPEG−2規格に基づいて符号化されている。なお、TSは、パケットと呼ばれる単位の映像データや音声データ、制御データ等などの信号により構成されている。デジタル放送受像装置10は、例えば、液晶テレビや、PDPテレビ、有機ELディスプレイテレビなどである。
デジタル放送受像装置10は、受信部12と、復号処理部13と、提示処理部14と、受信制御部15とを備える。デジタル放送受像装置10は、更に、表示部16と、スピーカ17(図中「SPK」と表記する。)と、ユーザのからの操作を受け付ける操作取得部44とを備える。なお、操作取得部44は、デジタル放送受像装置10に備わるスイッチなどの所定のインタフェイス(図示せず)によりユーザの直接の操作を受け付けたり、リモコン46による操作を受け付ける。また、表示部16と、スピーカ17は、デジタル放送受像装置10に備わらず、独立したモニタやスピーカであってもよいし、他の液晶テレビなどに備わる表示部やスピーカであってもよい。
受信部12は、第1チューナ18と第2チューナ19とを備え、それぞれアンテナ20に接続されている。
第1チューナ18と第2チューナ19とは、所望のチャンネルを選局し、復調処理や誤り訂正処理を行い、放送局から送出されたTSを抽出する。
復号処理部13は、第1復号処理部22と第2復号処理部23とを備える。第1復号処理部22は、第1チューナ18で抽出されたTSを取得し、第2復号処理部23は第2チューナ19で抽出されたTSを取得する。以下、便宜的に、第1チューナ18と第1復号処理部22との組み合わせを、第1系統51と呼び、第2チューナ19と第2復号処理部23との組み合わせを第2系統52と呼ぶ。このように、デジタル放送受像装置10は、二つの系統によって、デジタル放送の受信及び復号が可能となっている。
第1復号処理部22は、DeMux処理部26aと、デコーダ27aとを備える。DeMux処理部26aは、多重化されているTSを目的別に分離し、映像データ及び音声データをデコーダ27aに送り、それらデータ以外の例えばデータ放送のデータを受信制御部15へ送る。
次にデコーダ27aは、DeMux処理部26aから取得した映像データ及び音声データを復号し、復号した映像データ及び音声データを提示処理部14へ送る。
第2復号処理部23は、第1復号処理部22と同様の構成となっており、DeMux処理部26bと、デコーダ27bとを備える。DeMux処理部26bとデコーダ27bの機能は、第1復号処理部22のDeMux処理部26aとデコーダ27aと同様であり、説明を省略する。
提示処理部14は、セレクタ40と表示制御部42とを備え、表示部16及びスピーカ17に出力する信号を選択するとともに所望の信号処理を行う。具体的には、以下に述べるザッピングモードの際、セレクタ40は、第1復号処理部22又は第2復号処理部23のいずれかの信号を表示部16及びスピーカ17に出力するか選択する。表示制御部42は、セレクタ40で選択された信号のうち映像データに対して、必要に応じて、デジタル放送受像装置10で処理され送られてきた字幕やデータ放送の画像などを重ね合わせ、表示部16に出力する。
受信制御部15は、CPU(中央演算装置)やメモリ、任意のプログラムにより実現され、予め設定されている内容や操作取得部44からのユーザの指示などに従って、デジタル放送受像装置10の各構成要素を制御し、所望の番組を表示部16及びスピーカ17へ出力する。
受信制御部15は、さらに、ザッピングによるチャンネル遷移後の表示までの時間短縮を実現するためにチャンネル制御部30を備え、受信部12と、復号処理部13と、提示処理部14とを制御する。更にチャンネル制御部30は、モード選択部32と、チャンネル選択部34と、優先チャンネル構築部36と、記録部38とを備える。
モード選択部32は、「通常モード」と「ザッピングモード」の二つのモードのいずれかを選択する。なお、モードの選択プロセスについては後述する。
通常モードが選択された場合、チャンネル制御部30は、第1系統51(第1チューナ18及び第1復号処理部22)のみを稼働させ、所望のチャンネルのコンテンツを表示部16及びスピーカ17へ出力する。したがってこのとき、表示装置16に一画面のみの表示が選択されている場合は、第2系統52(第2チューナ19及び第2復号処理部23)は休止状態にある。また、通常モードが選択された場合であっても、2画面表示がなされることがあるので、2画面表示が選択されている時は、第1系統51及び第2系統52のいずれも稼働する。なお、1画面表示の通常モードにおいて稼働させる系統は、第1系統51でなく第2系統52であってもよい。また、受信及び復号する系統が2系統の構成の場合、2画面表示が選択されている時は、ザッピングモードは起動しない。またさらに、受信及び復号する系統が3系統以上の構成の場合、2画面表示に使用されていない系統が、ザッピングモード起動時に受信及び復号する。
ザッピングモードが選択された場合、チャンネル制御部30は第1系統51及び第2系統52の両系統を稼働させる。このとき、セレクタ40により選択された第1系統51のチャンネルのコンテンツが、ユーザに提示される。第2系統52において受信及び復号がなされたチャンネルのコンテンツは、原則ユーザに提示されず、いつでも提示できる待機状態にある。
第2系統52で受信されているチャンネルの選択がユーザによりなされた際に、セレクタ40による系統の選択が第2系統52に切り替わり、第2系統52のコンテンツが表示部16及びスピーカ17に出力される。
言い換えると、第1系統51は、主チューナ及び主復号処理部として機能し、第2系統52は、副チューナ及び副復号処理部として機能する。以下、主チューナ及び主復号処理部として機能し、現在映像や音声を出力中の系統を単に「主系統」といい、副チューナ及び副復号処理部として機能し、予備チャンネルとして待機している系統を単に「副系統」ともいう。なお、ザッピングモードが選択された際のデジタル放送受像装置10における動作についての詳細は後述する。
チャンネル選択部34は、ザッピングモードが選択されている際に副系統で受信及び復号するチャンネルを決定する。
優先チャンネル構築部36は、第2系統52において受信及び復号するチャンネルの候補を選定し、選定したチャンネルに優先順位をつける。したがって、優先順位が1位のチャンネルが、上記の「予備チャンネル」となる。なお、副系統が2系統設けられている場合、優先順位が1位と2位のチャンネルが、予備チャンネルとなる。
記録部38は、前述の優先順位や視聴履歴等を保持する機能とともに、デジタル放送受像装置10における各処理のバッファとしての機能を有する。
以上の構成による動作を図2のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、第1系統51が主チャンネルを受信及び復号し、第2系統52が予備チャンネルを受信及び復号する。また、フローチャートのスタート時点において通常モードで一画面表示が選択されている場合を想定する。
ユーザがリモコン46に備わるチャンネル番号ボタンを操作し、チャンネルを変更すると、操作取得部44はその旨を取得し受信制御部15に通知する。これによって、受信制御部15はチャンネルの切替を検知する(S10)。
つづいて、モード選択部32がザッピングモードが起動しているか否かを判定する(S12)。ザッピングモードの起動条件については後述する。ザッピングモードが起動していないと判定された場合(S12のN)、受信制御部15は、通常のチャンネル切替動作により、第1系統51において受信及び復号するチャンネルを変更する(S14)。このときセレクタ40は、第1系統51との接続を変更せずに第1系統51において処理された信号を表示部16及びスピーカ17へ出力する。
つぎに、ザッピングモードが起動していると判定された場合(S12のY)、チャンネル制御部30は、ユーザにより選局されたチャンネルが予備チャンネルであるか否かを判定する(S16)。
選局されたチャンネルが予備チャンネルであると判定された場合(S16のY)、チャンネル制御部30はセレクタ40を高速で切り替え、第2系統52で処理されているチャンネルの信号を表示部16に出力する(S18)。このとき、第2系統52では、予め受信及び復号がなされているので、表示部16には視聴者がイライラ感を覚えるようなタイムラグがなく表示できる。
つづいて、優先チャンネル構築部36は副系統で受信及び復号すべきチャンネルの優先順位を更新する(S20)。優先順位の設定及び更新プロセスについては後述する。
つぎに、チャンネル制御部30は、主系統及び副系統として管理すべき系統を入れ替え、主系統であった第1系統51を副系統へ変更し、副系統であった第2系統52を主系統へ変更する(S22)。
そして、チャンネル選択部34は、新たに設定された予備チャンネルを受信及び復号するよう、入替えにより副系統となった第1系統51に通知し、第1系統51は、その通知を受けて予備チャンネルの受信及び復号を開始する(S24)。
S16の処理において、選局されたチャンネルが予備チャンネルでないと判定された場合(S16のN)、受信制御部15は、通常のチャンネル切替動作により、第1系統51において受信及び復号するチャンネルを変更する(S26)。このときセレクタ40の接続は第1系統51に維持されたままであり、第1系統51において処理された信号が表示部16及びスピーカ17へ出力される。
つぎに、後述する条件に基づいて、優先チャンネル構築部36は副系統で受信及び復号処理すべきチャンネルの優先順位を更新する(S28)。
更新された優先順位にもとづき、チャンネル選択部34は、第2系統52に対し予備チャンネルを受信及び復号するように指示し、第2系統52はその指示に基づき予備チャンネルの受信及び復号を開始する(S30)。
以上、S14、S24及びS30の処理がなされると、このフローは終了する。その後、受信制御部15は、ユーザのチャンネル切替動作を監視し、チャンネル切替動作が検知されると、上述のフローを起動する。
次に、ザッピングモードの起動条件について説明する。なお、ザッピングモードを利用しない設定も可能であり、その場合は、どのような条件であってものザッピングモードは起動しない。以下では、ザッピングモードを利用する設定がなされているものとする。
ここでは、ザッピングモードの起動条件は、以下の第1から第6の起動条件であり、例えば図3に示すザッピングモード起動条件設定画面により設定する。ユーザは、リモコン46を操作し、画面を見ながら設定する。
第1の起動条件では、ユーザがリモコン46に設けられている、例えば「ザッピング」と表示されているザッピングボタン(図示せず)を押下する、もしくは、デジタル放送受像装置10に設けられている所定の操作ボタン(図示せず)を押下することにより、ザッピングモードが起動する。図3では、ザッピングボタンによる操作は、オフになっており、この設定がなされているときは、ザッピングボタンの押下によっては起動しない。
第2の起動条件では、ユーザが所定の期間内に所定回数を超えてチャンネルを変更した場合に、ザッピングモードが起動する。なお、所定期間とは、例えば、「30秒」や「1分」などの具体的な時間であってもよいし、ある番組の開始から終了までの期間であってもよい。図3では、30秒間に5回の選局操作がなされるとザッピングモードが起動する旨が設定されている。
第3の起動条件では、コマーシャルの放送時刻に応じてザッピングモードが起動する。なお、コマーシャルの放送時刻を特定もしくは推定する手法として、公知技術(例えば、特開2005−15049号公報)を利用すればよい。この公知技術では、例えば、トランスポートストリームに含まれる番組付帯情報を利用している。図3では、「コマーシャル時刻起動」の項目がオンとなっているので、コマーシャルの時刻となるとザッピングモードが起動する。
前記公知技術に開示された番組付帯情報を利用する場合には、番組本編とコマーシャルを識別するための情報、コマーシャルの放送時間等が含まれており、それら情報をもとにコマーシャルが放送される時刻を特定することができる。この場合、コマーシャルに先立ち第2系統52における受信及び復号処理を開始する。
また、コマーシャルが放送される時刻が特定できず推定する場合は、コマーシャルが開始されたと推定されたタイミングで、第2系統52における受信及び復号処理を開始する。さらに、コマーシャルの時間は、一般には、15秒や30秒などであることが多いので、例えば、30秒はザッピングモードを起動させておき、30秒経過したタイミングで、ザッピングモードを停止させてもよい。
第4の起動条件では、番組のジャンルに応じてザッピングモードが起動する。ここでは、ザッピングモードを起動する番組のジャンルを予めユーザより指定される。図3では、ジャンルとして、「ニュース」「ドラマ」「バラエティ」「映画」「スポーツ」の5ジャンルを設定でき、ここでは、「ニュース」「バラエティ」「スポーツ」のジャンルの番組が視聴されている際に、ザッピングモードが起動する設定がなされている。
第5の起動条件では、ユーザが視聴している時間帯に応じてザッピングモードが起動する。この場合も、ザッピングモードを起動する時間帯を予めユーザの指定がなされる。図3では、19時から20時45分の間において、ザッピングモードが起動する設定がなされている。
第6の起動条件では、ユーザの視聴履歴を学習することによりユーザが頻繁にチャンネルを変更する時間帯又は番組のジャンルを推定し、その時間帯に、又はそのジャンル番組が視聴されているときに、ザッピングモードが起動する。
図4は、視聴履歴が記述されているファイルの一例であり、記録部38に記録され、記述されている視聴履歴は累積的に更新される。記述されている項目は、「番組識別子」「チャンネル」「放送開始日時」「放送終了日時」「番組名」「ジャンル」「CM回数」「CM情報フラグ」「チャンネル選択回数」「ザッピング回数」の10項目である。「CM回数」及び「CM情報フラグ」は、上述の公知技術を用いてCM時刻を推定する際に利用する。なお、上記の10項目に関する情報は、ユーザが日常視聴した番組に関して、TSに含まれる番組付帯情報を取得し、記録部38に記録し、蓄積することで更新される。また、「ザッピング回数」とは、ザッピングモード起動中に、あるチャンネルを視聴中に、他のチャンネルが選択された回数をいう。
図5は、図4に示した視聴履歴を編集したファイルであり、過去の所定期間、例えば6ヶ月の視聴履歴を図5(a)の「チャンネル別」、図5(b)の「時間帯別」、図5(c)の「ジャンル別」にチャンネル選択回数とザッピング回数を編集したファイルである。例えば、チャンネル別の項目を参照すると、チャンネル番号「041」のチャンネルは、120回のザッピング回数があり、他のチャンネルと比較して多くの選択、つまりザッピングがなされている。ここで、ザッピングモードが起動する条件として、例えば「100回」のザッピング履歴といった閾値を設け、その閾値を超えたチャンネルが視聴されている場合に、ザッピングが行われる可能性が高いと判断し、ザッピングモードを起動する。「時間帯別」及び「ジャンル別」の項目についても同様の処理を行う。
また、図3に示したザッピングモード起動条件設定画面による設定は、記録部38に起動条件ファイルとして保持され、モード選択部32が記録部38に保持されている起動条件ファイルを参照して、ザッピングモードを起動する。なお、ザッピングモードを常時起動させておいてもよいが、消費電力低減の観点から、所定の条件で起動させることが好ましい。
つづいて、ザッピングモードが起動している時に、副系統である第2系統52において受信及び復号するチャンネルに関して説明する。受信及び復号する予備チャンネルを決める選局条件は、以下の5通りである。いずれの選局条件に基づいて優先順位を設定するかを、予めユーザから指定を受けてもよい。
第1の選局条件では、ユーザの視聴履歴を学習することにより、受信及び復号する予備チャンネルが決定される。具体的には、優先チャンネル構築部36は、図4及び図5で示した視聴履歴を参照して、副系統で受信及び復号すべきチャンネルの優先順位を設定する。
より具体的には、優先チャンネル構築部36が、記録部38に蓄積された情報を参照し、いずれのチャンネルの番組が選局される確率が高いかを推定し、選局の確率が高い順に優先順位を設定する。例えば、図5(a)に示すように、チャンネル番号「041」のチャンネルの選択回数が150回であり、他のチャンネルと比べ、選択回数が多い。したがって、優先順位を1位から3位まで設定する場合、チャンネル番号「041」のチャンネルの優先順位を1位と設定し、以下、チャンネル選択回数の多い順に、つまり、優先順位2位にチャンネル「051」が、3位に「031」」が設定される。また、チャンネル番号「021」のチャンネルは、優先順位が設定されない。なお、図5(b)に示したように視聴履歴を、時間帯毎に編集してもよい。
チャンネル選択部34は、設定された優先順位の一番高いチャンネルを第2系統52で受信及び復号する予備チャンネルとして選択し、選択されたチャンネルを受信及び復号すべきチャンネルとして第2系統52に対し通知する。つづいて、第2系統52は、その通知されたチャンネルを受信及び復号し、ユーザの選局に備える。また、ユーザにより選局がなされた場合、優先チャンネル構築部36は、優先順位を更新する。なお、選局後の優先順位の変更については後述する。
第2の選局条件では、主系統である第1系統51で受信及び復号しているチャンネルの前後の番号のチャンネルを、第2系統52で受信及び復号する予備チャンネルとして決定する。ここで前後の番号のチャンネルは、予め周波数に基づいて割り当てられているチャンネルの番号の大小により決定されてもよい。また、デジタル放送受像装置10のチャンネル番号ボタンに対応づけられたチャンネルにより設定されてもよい。つまり、例えば、リモコン46に設けられたチャンネル番号ボタン「6」に対応づけられたチャンネルを視聴していることを想定する。ユーザが、リモコン46に設けられた「+(プラス)」ボタンや「−(マイナス)」ボタンを押下する。このとき、「+」ボタンが押下された場合、チャンネル番号ボタン「6」より一つ大きい番号であるチャンネル番号ボタン「7」のチャンネルが選局される。このとき、予備チャンネルとして、もう一つプラス方向のチャンネル番号ボタン「8」のチャンネルが受信及び復号の対象となる。また、「−」ボタンが押下された場合、チャンネル番号ボタン「6」より一つ小さい番号であるチャンネル番号ボタン「5」のチャンネルが選局される。このとき、予備チャンネルとして、もう一つマイナス方向のチャンネル番号ボタン「4」のチャンネルが受信及び復号の対象となる。
なお、本実施形態では、受信及び送信する系統が二つであるので、視聴しているチャンネルの前もしくは後のいずれか一方のチャンネルが、予備チャンネルとして受信及び復号される。しかし、受信及び送信する系統が三系統以上備わる場合、前後のチャンネルを両方とも予備チャンネルとして受信及び復号する。なお、この第2の選局条件によるデジタル放送受像装置10の動作については、後で詳述する。
第3の選局条件では、視聴している番組のジャンルに基づいて第2系統52にて受信及び復号する予備チャンネルが決定される。具体的には、図5(c)に示す視聴履歴をもとに、視聴している番組のジャンルがスポーツの時は、ジャンルがバラエティの番組を選曲する。なお、第3の選局条件は、第1の選局条件とは異なり、学習によるものではなく初期設定もしくはユーザの指定によって番組のジャンルが固定されている。また、番組単位で優先順位を決定してもよい。その場合、図4に示した視聴履歴を番組識別子に基づいて集計する。さらに、TSに含まれる全局SI(Service Information)及び各局SIから番組情報を取得し、集計された視聴履歴と比較し、同時刻において放送中の各番組が、ユーザによって何回視聴されているか、という視聴履歴を参照することにより決定する。
第4の選局条件では、ユーザの指定によって第2系統52で受信及び復号するチャンネルが設定されている。
第5の選局条件では、視聴中の所定期間におけるユーザの選局動作によって決定される。例えば、二つのチャンネル間を2往復以上した場合、ユーザはその二つのチャンネルを視聴したいと判断し、第1系統51及び第2系統52において、二つのチャンネルを主チャンネルと予備チャンネルとして受信及び復号する。
上述した第1の選局条件における、優先順位の更新について図6および図7を参照して説明する。現在、チャンネルAが視聴されている状況、つまり、第1系統51においてチャンネルAの番組が受信及び復号されている場合を想定する。また、このときチャンネルB,C,D及びEの4チャンネルが、チャンネルB,C,D,Eの順に優先順位が設定されている。したがって、第2系統52では、優先順位が一番高いチャンネル、つまり予備チャンネルであるチャンネルBが、受信及び復号されている。
まずザッピングモードが起動中に、予備チャンネルであるチャンネルBが選局された場合について図6(a)を参照して説明する。
ユーザがリモコン46を操作し、チャンネルAからチャンネルBへ選局を変更すると、チャンネルBは、予備チャンネルから主チャンネルへ変更される。すると、それぞれの優先順位が2、3、4位であるチャンネルC,D,Eの優先順位が、ひとつずつ繰り上がる。つまり、チャンネルCが新たな優先順位1位のチャンネル、つまり、予備チャンネルとなり、チャンネルDは、優先順位2位、チャンネルEは優先順位3位となる。
さらに、選局変更前に主チャンネルであったチャンネルAは、優先順位が最も低い順位、ここでは優先順位4位となる。また、予備チャンネルとなったチャンネルCの受信及び復号は、チャンネルAが受信及び復号されていた系統でなされる。ここでは、第1系統51で、チャンネルCの受信及び復号が開始される。
つぎに、チャンネルAを視聴中に、優先順位が3位のチャンネルDが選局された場合について図6(b)を参照して説明する。
チャンネルAからチャンネルDへ選局が変更されると、チャンネルBとチャンネルCの優先順位は変更されず、それぞれ優先順位は1位及び2位が維持される。チャンネルDの優先順位であった優先順位3位としては、優先順位が4位であったチャンネルEが、順位を一つ繰り上げる。
例えば、野球中継の中止による番組の変更があり、優先順位が設定されているチャンネルの内容に変更が発生しても、TSからその変更情報を取得できるため、そのチャンネルを優先順位が設定すべきチャンネルから視聴途中で排除したり、新たに優先順位の設定ができる。
なお、ザッピングモード起動中には、図7に示すように、表示部16に、ザッピングモードが起動中である旨が表示され、ユーザに告知される。具体的には、例えば図7(a)に示すように、右上隅には現在視聴しているチャンネルが、「A CH」と表示されている。さらに、画面左下隅に、「ザッピングモード:ON」と表示されるとともに、その下に、「優先CH:B」と表示されている。
このとき、チャンネルBが副系統で受信及び復号されていることを示している。このようにすることで、ユーザは、現在バックグラウンドでいずれのチャンネルが受信及び復号されているかを認識できる。したがって、ザッピングを行う際に、効率のよい選局が可能である。さらに、本図では、優先順位が2から4位のチャンネルについて、予備チャンネルよりも小さく順に表示されている。このように優先順位を表示することで、どのチャンネルに、どのような優先順位が設定されているか、ユーザは認識できる。
また、図7(b)に示すように、上述した第5の選局条件を満たしたことにより、第1系統51及び第2系統52において、二つのチャンネル、具体的には、チャンネルAとチャンネルBとが受信及び復号されていることを示している。したがって、チャンネルAとチャンネルBとのいずれかが選局された際には、表示部16に素早く表示される。このようにすることで、予備チャンネルにかかわらず、その時点でユーザが最も視聴したいと想定される二つのチャンネルを高速で切り替えることが可能である。
さらに、図7(c)は、具体的には後述するが、上述の第2の選局条件により、順次選局ボタンが押下されることによりチャンネル番号順に選局がなされザッピングモードが起動していることを示している。ユーザがリモコン46の「+」ボタンや「−」ボタンを押下することで、予備チャンネルであるチャンネルBを素早く表示することができる。
つづいて、上述の第2の選局条件における動作について、図8のフローチャートをもとに説明する。なお、第1の選局条件における動作と同じ動作については適宜説明を省略する。
ユーザがリモコン46に備わる「+」ボタンや「−」ボタンの様な順次選局ボタンを操作し、チャンネルを変更すると、操作取得部44はその旨を取得し受信制御部15に通知する。これによって、受信制御部15は順次選局ボタンによるチャンネルの切替を検知する(S110)。
つづいて、モード選択部32がザッピングモードが起動しているか否かを判定する(S112)。ザッピングモードが起動していないと判定された場合(S112のN)、受信制御部15は、通常のチャンネル切替動作により、第1系統51において受信及び復号するチャンネルを変更する(S114)。
つぎに、ザッピングモードが起動していると判定された場合(S112のY)、チャンネル制御部30は、ユーザが選局したチャンネルが予備チャンネルであるか否かを判定する(S116)。
選局されたチャンネルが予備チャンネルであると判定された場合(S116のY)、チャンネル制御部30はセレクタ40を高速で切り替え、第2系統52で処理されているチャンネルの信号を表示部16及びスピーカ17に出力する(S118)。
つぎに、チャンネル制御部30は、主系統であった第1系統51を副系統へ変更し、副系統であった第2系統52を主系統へ変更する(S120)。
そして、第1系統51は、ユーザが押下した順次選局ボタンの方向の次のチャンネルを、新たに設定された予備チャンネルとして受信及び復号処理を開始する(S122)。
S116において、選局されたチャンネルが予備チャンネルでないと判定された場合(S116のN)、受信制御部15は、通常のチャンネル切替動作により、第1系統51において受信及び復号するチャンネルを変更する(S124)。
そして、第2系統52は、ユーザが押下した順次選局ボタンの方向の次のチャンネルを、新たに設定された予備チャンネルとして受信及び復号を開始する(S126)。具体的には、上述のように、チャンネル番号ボタン「6」のチャンネルを視聴中であり、「+」ボタンが押下された場合、チャンネル番号「7」が選局されたことになる。したがって、更に一つプラス方向のチャンネル番号「8」のチャンネルが、予備チャンネルとなる。一方、「−」ボタンが押下された場合、チャンネル番号「5」のチャンネルが選局されたことになるので、予備チャンネルは、さらに一つマイナス方向のチャンネル番号「4」のチャンネルとなる。
以上、S114、S122及びS126において、新たな予備チャンネルの受信及び復号が開始されると、このフローは終了し、ユーザのチャンネル切替動作を監視し、チャンネル切替動作が検知されると、上述のフローが起動する。
以上、第1の実施形態によれば、ユーザがザッピングを行う際に、選局すると想定されるチャンネルを予めバックグラウンドで受信及び復号しているので、そのチャンネルが選局された場合、デジタル放送であっても即座に表示できる。また、バックグラウンドで受信及び復号するチャンネルに優先順位を付けることで、次に選局操作がなされた際に、速やかに対応できる。また、ザッピングモードを図3に示した所定の条件で起動させる構成とすることで、消費電力が増えることを押さえることができる。さらに、ザッピングモードを順次選局ボタンの操作にのみ対応させた場合、視聴履歴等を参照する必要がないため、比較的簡素な構成により実現できる。
また、上記説明では主系統及び副系統がそれぞれ一つであったが、バックグラウンドで受信及び復号する系統である副系統が二つ以上備われば、押下された順次選局ボタンの順方向及び逆方向の両方とも予め受信及び復号が実現でき、対応の幅が広がる。つまり、チャンネル番号「6」のチャンネルを視聴中に、「+」ボタンが押下され、主系統で表示されるチャンネルとしてチャンネル番号「7」が選局されると、チャンネル番号「7」を挟んで前後のチャンネル番号「8」とチャンネル番号「6」の二つのチャンネルが予備チャンネルとして設定される。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、ザッピングのために予め受信及び復号するチャンネルを複数とする。ただし、その処理は一系統で行うため、全ての復号処理は行わず、具体的には、副系統の処理を時間分割により複数のチャンネルに順次切り替え、複数チャンネルのIピクチャを、実質的に同時に抽出する。一般に、ユーザがザッピングする際は、視聴しているチャンネル以外のチャンネルで、どのような番組が放送されているのかを確認することが目的であることが多い。したがって、なめらかな動きよりも、素早い表示が求められる。そこで、本実施形態では、Iピクチャ(Intra-coded picture)のみを復号する。したがって、Bピクチャ(Bi-directionally predictive coded picture)やPピクチャ(Predictive-coded picture)の復号処理のように、処理負荷の高い処理を除く。これにより、複数のチャンネルを復号した場合であっても、実質的にリアルタイムに処理できる。
本実施形態におけるザッピングモード起動中は、図9に示すように、表示部16の表示画面には、画面左側には、最も大きな表示領域(以下、「主表示領域」ともいう)に主系統で受信及び復号された画面が表示される。ここでは、チャンネル「A」の番組が表示されている。また、画面右側には、縦3画面に分割された表示領域(以下、「副表示領域」ともいう)に、副系統で受信及び復号された、時間分割で抽出されたIピクチャによる画面が表示される。ここでは、上から順に、チャンネル「C」、チャンネル「D」、チャンネル「F」が表示されている。なお、副表示領域に表示されるチャンネルを「ザッピング用チャンネル」ともいう。また、副表示領域に表示されるチャンネルは、バックグラウンドで受信及び復号されるチャンネルを全てでなくともよい。例えば、バックグラウンドで受信及び復号されるチャンネルが、5チャンネルで副表示領域に表示可能なチャンネル数が3であれば、優先順位の高い3つのチャンネルが副表示領域に表示される。
さらに、ザッピングモードが起動中に、ザッピング用チャンネルが選局された際には、主表示領域に選局されたチャンネルの番組を表示するが、後述するように所定期間、Iピクチャのみを表示する。一方主系統では、元のチャンネルに戻る操作が行われることを想定し、もとのチャンネルを通常の受信及び復号処理(I,B,P全てのピクチャの受信及び復号処理)を行う。
また、なお、本実施形態も、第1の実施形態に示したデジタル放送受像装置10の構成で実現できる。
以下、図10に示すフローチャートを用いて、第2の実施形態に係る処理について説明する。
ユーザがリモコン46を操作し、チャンネルを変更すると、操作取得部44はその旨を取得し受信制御部15に通知する。これによって、受信制御部15はチャンネルの切替を検知する(S210)。
つづいて、モード選択部32がザッピングモードが起動しているか否かを判定する(S212)。ザッピングモードが起動していないと判定された場合(S212のN)、受信制御部15は、通常のチャンネル切替動作により、第1系統51において受信及び復号するチャンネルを変更する(S214)。
つぎに、ザッピングモードが起動していると判定された場合(S212のY)、チャンネル制御部30は、ユーザが選局したチャンネルがザッピング用チャンネルであるか否かを判定する(S216)。なお、ザッピングモードが起動している時は、バックグラウンドの処理として、複数の所定のチャンネルがザッピング用チャンネルとして受信され、Iピクチャが抽出され、図9に示すように副領域に表示される。
ここでザッピング用チャンネルとは、例えば、第1の実施形態で示した、優先順位が設定されたチャンネルである。また、それに限らず、ザッピング用チャンネルとして、予めユーザの指定を受け付けてもよい。
選局されたチャンネルがザッピング用チャンネルでないと判定された場合(S216のN)、受信制御部15は、通常のチャンネル切替動作により、第1系統51において受信及び復号するチャンネルを変更する(S214)。
選局されたチャンネルがザッピング用チャンネルであると判定された場合(S216のY)、チャンネル制御部30はセレクタ40を高速で切り替え、第2系統52で処理されているチャンネルの信号、より具体的には、選局されたチャンネルのIピクチャを表示部16に出力する(S218)。このとき音声信号は、復号されずスピーカに出力されなくてもよい。
つぎに、受信制御部15は、S218の処理で表示部16に出力されたチャンネルを主チャンネルとして視聴する決定がなされたか否かを判定する。具体的には、ユーザがリモコン46に備わる決定ボタンを押下したか否かを判定する(S220)。この処理は、決定ボタンの押下の他に、例えば、所定期間経過した場合は、決定ボタンが押下されたものと見なしてもよい。
決定ボタンの押下がなされない場合(S220のN)、チャンネル制御部30は、さらにチャンネル切替の操作による新たな選局がなされたか否かを判定する(S222)。
新たな選局がなされないと判定された場合(S222のN)、S220の処理に戻る。新たな選局がなされたと判定された場合(S222のY)、さらに、選局されたチャンネルが、もとのチャンネルか否かを判定する(S224)。もとのチャンネルと判定された場合(S224のY)、チャンネル制御部30はセレクタ40を高速で切り替え、第1系統52で処理されているチャンネルの信号を表示部16に出力する。もとのチャンネルでないと判定された場合(S224のN)、S216の処理に戻り、以降の処理を実行する。
S220において、決定ボタンの押下がなされた場合(S220のY)、選局されたチャンネルについて、Iピクチャのみでなく全ての復号処理を行う(S228)。この処理は、第2系統52で行われる。
つづいて、チャンネル制御部30は、主系統であった第1系統51を副系統へ変更し、副系統であった第2系統52を主系統へ変更する(S230)。したがって、ザッピング用チャンネルのIピクチャの抽出は、第1系統51でなされる。
以上、S226及びS214において、新たな予備チャンネルの受信及び復号が開始されると、このフローは終了し、ユーザのチャンネル切替動作を監視し、チャンネル切替動作が検知されると、上述のフローが起動する。
以上、第2の実施形態によれば、処理負荷の高い復号処理を行わないため、複数のチャンネルをザッピング用チャンネルとして予め復号しておくことができる。したがって、選局がなされた際に、素早く表示可能なチャンネルを多くすることができる。また、処理負荷が低いため、ザッピングモード起動時の消費電力を押さえることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、更に図11に示すように、デジタル放送受像装置10とともに、ビデオレコーダなどの外部受像装置60の外部チューナ62及び外部復号処理部64を利用する。なお、図11のデジタル放送受像装置10の構成は、図1の構成と同一であるので、一部構成要素の図示を省略するとともに説明を適宜省略する。
外部受像装置60は、外部チューナ62と、外部復号処理部64と、外部制御部66と、入出力部68とを備える。外部チューナ62は、デジタル放送受像装置10の第1チューナ18や第2チューナ19と同様の構成及び機能を備え、アンテナ20に接続される。外部復号処理部64は、デジタル放送受像装置10の第1復号処理部22や第2復号処理部23と同様の機能を備え、外部チューナ62で受信した信号を復号する。
外部制御部66は、外部受像装置60の機能を実現するために、外部受像装置60が備える各構成要素を制御する。また、本実施形態における機能として外部制御部66は、デジタル放送受像装置10がザッピングモード起動中において受信制御部15と協働し、デジタル放送受像装置10の第3系統53として機能させるべく外部チューナ62及び外部復号処理部64の処理を制御する。
例えば、デジタル放送受像装置10の第1系統51が主チャンネルを受信及び復号している時に、第2系統52が第1の予備チャンネルを、第3系統53が第2の予備チャンネルを受信及び復号する。第1の実施形態では、優先順位が1位のチャンネルのみが、バックグラウンドで受信及び復号なされた。本実施形態では、優先順位が1位及び2位のチャンネルがバックグラウンドで受信及び復号され、ユーザのザッピング動作に備える。
なお、デジタル放送受像装置10と外部受像装置60との間の制御信号及び画像信号、音声信号の送受信は、公知技術、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface )規格に基づく接続により実現できる。
第3の実施形態によれば、外部の機器に備わる受信及び復号機能を利用することで、バックグラウンドで予め受信及び復号するチャンネルを増やすことができる。また、デジタル放送受像装置が、受信及び復号する系統が一つのときであっても、上述のザッピングモードを実現できる。
以上、第1から第3の実施形態による効果をまとめると、ユーザが選局すると想定されるチャンネルを、予め受信及び復号するため、デジタル放送であっても、選局されたチャンネルをユーザに素早く表示できる。
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明は、デジタル放送受像機能を有する装置に広く利用できる。
第1の実施形態に係るデジタル放送受像装置の機能ブロック図である。 第1の実施形態に係るデジタル放送受像装置における、第1の起動条件に基づくザッピングモードの動作を示すフローチャートである。 ザッピングモードの起動条件を設定する画面を示した図である。 記録部に記録される視聴履歴の一例をしめす図である。 優先順位を決定するために、視聴履歴を加工したテーブルを示す図である。 選局変更前後における主系統及び副系統で受信及ぶ復号されるチャンネル及び副系統で受信及び復号されるチャンネルの優先順位を示す図である。 ザッピングモード起動中に、表示部に表示される画面の一例を示した図である。 第1の実施形態に係るデジタル放送受像装置における、第2の起動条件に基づくザッピングモードの動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るデジタル放送受像装置におけるザッピングモード起動中に表示される画面の例を示す図である。 第2の実施形態にかかるデジタル放送受像装置におけるザッピングモードの動作を示すフローチャートである。 第3の実施形態にかかるデジタル放送受像装置の機能ブロック図である。
符号の説明
10・・・デジタル放送受像装置、 12・・・受信部、 13・・・復号処理部、 14・・・提示処理部、 15・・・受信制御部、 16・・・表示部、 17・・・スピーカ(SPK)、 18・・・第1チューナ、 19・・・第2チューナ、 22・・・第1復号処理部、 23・・・第2復号処理部、 26a・・・DeMux処理部、 26b・・・DeMux処理部、 27a・・・デコーダ、 27b・・・デコーダ、 30・・・チャンネル制御部、 32・・・モード選択部、 36・・・優先チャンネル構築部、 38・・・記録部、 40・・・セレクタ、 42・・・表示制御部、 44・・・操作取得部、 46・・・リモコン、 51・・・第1系統、 52・・・第2系統、 53・・・第3系統、 60・・・外部受像装置、 62・・・外部チューナ、 64・・・外部復号処理部、 68・・・入出力部 。

Claims (18)

  1. 符号化されたコンテンツを受信及び復号して再生するデジタル放送受像システムであって、
    選局された主チャンネルのコンテンツを受信して復号して、所定の映像表示部に出力する主系統と、
    前記主系統とは異なる予備のチャンネルを受信して復号した状態で待機する副系統と、
    前記主チャンネルに代えて前記予備チャンネルが選局された際に、前記表示部に対する出力を前記主系統から前記副系統に切り替えて前記予備チャンネルのコンテンツを出力する切替手段と
    を備えたことを特徴とするデジタル放送受像システム。
  2. 前記主系統は、前記主チャンネルのコンテンツを受信する主チューナと、前記主チューナが受信したコンテンツを復号する主復号処理部とを備え、
    前記副系統は、前記予備チャンネルのコンテンツを受信する副チューナと、前記副チューナが受信したコンテンツを復号する副復号処理部とを備え、
    前記切替手段は、前記主チャンネルに代えて前記予備チャンネルが選局された際、前記表示部に対する出力を前記主復号処理部の出力から前記副復号処理部の出力へ切り替えて前記予備チャンネルのコンテンツを前記映像表示部に出力することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受像システム。
  3. 前記予備チャンネルのコンテンツを受信及び復号する検索モードを起動するモード選択部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル放送受像システム。
  4. 前記モード選択部は、ユーザの指示を受けて、前記検索モードを起動することを特徴とする請求項3に記載のデジタル放送受像システム。
  5. 前記モード選択部は、前記主チューナが受信しているコンテンツに含まれる番組付帯情報を基に、前記検索モードを起動することを特徴とする請求項3又は4に記載のデジタル放送受像システム。
  6. 前記モード選択部は、チャンネルの遷移履歴を基に前記検索モードを起動することを特徴とする請求項3から5までのいずれかに記載のデジタル放送受像システム。
  7. 前記予備チャンネルを決定するチャンネル選択部を備えることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載のデジタル放送受像システム。
  8. 前記チャンネル選択部は、デジタル放送のトランスポートストリームに含まれる番組付帯情報を基に前記予備チャンネルを決定することを特徴とする請求項7に記載のデジタル放送受像システム。
  9. 前記チャンネル選択部は、前記予備チャンネルを視聴履歴に基づいて決定することを特徴とする請求項7または8に記載のデジタル放送受像システム。
  10. 前記チャンネル選択部は、前記主チャンネルの前後のチャンネルを前記予備チャンネルとして決定することを特徴とする請求項7から9までのいずれかに記載のデジタル放送受像システム。
  11. 前記予備チャンネルの情報を、前記主チャンネルのコンテンツと同時に表示する表示制御部を備えることを特徴とする請求項1から10までのいずれかに記載のデジタル放送受像システム。
  12. 前記予備チャンネルとして、複数のチャンネルを順次切り替えながら受信及び復号するよう前記副チューナを制御する受信制御部を備えることを特徴とする請求項1から11までのいずれかに記載のデジタル放送受像システム。
  13. 複数のチャンネルに優先順位を設定し、優先順位が最上位のチャンネルを予備チャンネルとする予備チャンネル構築部を備えることを特徴とする請求項1から12までのいずれかに記載のデジタル放送受像システム。
  14. 前記予備チャンネル構築部は、優先順位が最上位のチャンネルが選択されなかった場合、優先順位が最上位であったチャンネルを最下位の優先順位とするよう予備チャンネルの優先順位を更新することを特徴とする請求項13に記載のデジタル放送受像システム。
  15. 前記主系統及び前記副系統は、MPEG−2又はMPEG−4規格により符号化圧縮されたコンテンツを受信及び復号し、前記副系統は、予備チャンネルの受信したコンテンツのIピクチャの画像のみを復号することを特徴とする請求項1から13までのいずれかに記載のデジタル放送受像システム。
  16. 前記主系統と前記副系統は、一体の装置に備わることを特徴とする請求項1から15までのいずれかに記載のデジタル放送受像システム。
  17. 前記受信制御部は、外部に備わるチューナ及び外部に備わる復号処理部を、前記主系統又は前記副系統として制御することを特徴とする請求項1から16までのいずれかに記載のデジタル放送受像システム。
  18. デジタル放送の符号化されたコンテンツを受信及び復号して再生する、デジタル放送の受像方法であって、
    選局された主チャンネルのコンテンツを受信して復号して、ユーザに表示すべきコンテンツとして出力する工程と、
    前記主チャンネルとは異なる予備のチャンネルを受信して復号した状態で待機する工程と、
    前記主チャンネルに代えて前記予備チャンネルが選局された際に、前記表示すべきコンテンツとしての出力を前記主系統から前記副系統に切り替える工程と
    を備えたことを特徴とするデジタル放送の受像方法。
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