JP2007067011A - 液浸露光用液体および液浸露光方法 - Google Patents

液浸露光用液体および液浸露光方法 Download PDF

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】 液浸露光方法において、屈折率が大きく、フォトレジスト膜あるいはその上層膜成分の溶出や溶解を防ぎ、パターン形状の劣化を抑え、より解像度の優れたパターンを形成できるとともに、液体の再利用および精製が容易である。
【解決手段】 endo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンの混合液体を90重量%以上含有し、該混合液体の混合重量比である[endo−テトラヒドロジシクロペンタジエン/exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン]の値が[80/20〜0.001/99.999]である。
【選択図】 無

Description

本発明は液浸露光用液体および液浸露光方法に関する。
半導体素子等を製造するのに際し、フォトマスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介して、フォトレジストが塗布されたウエハ上の各ショット領域に転写するステッパー型、またはステップアンドスキャン方式の投影露光装置が使用されている。
投影露光装置に備えられている投影光学系の解像度の理論限界値は、使用する露光波長が短く、投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、集積回路の微細化に伴い投影露光装置で使用される放射線の波長である露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大してきている。
また、露光を行なう際には、解像度と同様に焦点深度も重要となる。解像度R、および焦点深度δの理論限界値はそれぞれ以下の数式で表される。

R=k1・λ/NA (i)
δ=k2・λ/NA2 (ii)

ここで、λは露光波長、k1、k2はプロセス係数であり、NAは投影光学系の開口数であり空気の屈折率を1とした場合、下式(ii')で定義される。すなわち同じ解像度Rを得る場合には短い波長を有する放射線を用いた方が大きな焦点深度δを得ることができる。

NA=sinθ(θ=レジスト表面への露光光の最大入射角) (ii')

上記に述べたように、これまでは、露光光源の短波長化、開口数の増大により集積回路の微細化要求に応えてきており、現在では露光光源としてArFエキシマレーザ(波長193nm)を用いた1L1S(1:1ラインアンドスペース)ハーフピッチ90nmノードの量産化が検討されている。しかしながら、更に微細化が進んだ次世代のハーフピッチ65nmノードあるいは45nmノードについてはArFエキシマレーザの使用のみによる達成は困難であるといわれている。そこで、これらの次世代技術についてはF2エキシマレーザ(波長157nm)、EUV(波長13nm)等の短波長光源の使用が検討されている。しかしながら、これらの光源の使用については技術的難易度が高く、現状ではまだ使用が困難な状況にある。
ところで、上記の露光技術においては、露光されるウエハ表面にはフォトレジスト膜が形成されており、このフォトレジスト膜にパターンが転写される。従来の投影露光装置では、ウエハが配置される空間は屈折率が1の空気または窒素で満たされている。このとき、ウエハと投影露光装置のレンズとの間の空間を屈折率nの媒体で満たした場合、解像度R、焦点深度δの理論限界値は以下の数式にて表されることが報告されている。

R=k1・(λ/n)/NA (iii)
δ=k2・nλ/NA2 (iv)

ここで、NAは実際の投影光学系の開口数ではなく、上記式(ii')で定義される定数を意味する(正確には投影光学系の開口数NA'はNA'=nsinθ(nは上記と同じ定義)で表される。)
上式は、屈折率nの液体を投影露光装置のレンズとウエハの間に満たし、適当な光学系を設定することにより、解像度の限界値及び、焦点深度をそれぞれn分の1、n倍にすることが理論的に可能であることを意味している。例えば、ArFプロセスで、上記媒体として水を使用すると波長193nmの光の水中での屈折率nはn=1.44であるから、空気または窒素を媒体とする露光時と比較し、解像度Rは69.4%(R=k1・(λ/1.44)/NA)、焦点深度は144%(δ=k2・1.44λ/NA2)となる光学系の設計が理論上可能である。
このように露光するための放射線の実効波長を短波長化し、より微細なパターンを転写できる投影露光する方法を液浸露光といい、今後のリソグラフィーの微細化、特に数10nm単位のリソグラフィーには、必須の技術と考えられ、その投影露光装置も知られている(特許文献1参照)。
従来、液浸露光方法において、投影光学系のレンズと基板との間に満たされる液体としては、ArFエキシマレーザにおいては純水、F2エキシマレーザにおいては、157nmにおける透明性が高いという理由からフッ素系不活性液体等の使用が検討されてきた。
純水は半導体製造工場ではその入手が容易であり、環境的にも問題がない。また、温度調整が容易で、露光中に生じる熱による基板の熱膨張を防ぐことができるとして、ArF用液浸の液体として採用されており(特許文献2参照)、65nmハーフピッチノードのデバイスの量産への採用が確実となっている。
一方で、純水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤として、メチルアルコール等を添加した液体も知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、純水を使用することにより、フォトレジスト膜に水が浸透し、フォトレジストパターンの断面形状がT−トップ形状となる形状劣化を生じたり、解像度が低下したりすることがある。また、フォトレジストを構成する光酸発生剤、塩基性添加剤、露光により発生した酸等の水溶性成分が水へ溶出することにより、T−トップ形状等の形状劣化が起こり、解像度、焦点深度の低下、ブリッジ欠陥が生じたり、現像後パターンに欠陥が生じたり、レンズ表面が汚染されることもある。また、これらの成分の液体への溶出は同時に液体の汚染を引き起こし、液体の再利用が困難となる。このため、頻繁に煩雑な精製処理が必要となる。
このため、フォトレジスト膜と水とを遮断する目的で、フォトレジスト膜上に上層膜を形成する方法があるが、露光に対する十分な透過性やフォトレジスト膜とのインターミキシング性など十分でない場合があり、工数が複雑になる問題もある。更に、レンズ材料に従来用いられているCaF2が水により浸食されることが報告されており(非特許文献1)、このため、レンズ表面をコーティングするコーティング材が必要になるという問題も生じている。
一方、上記の式(iii)で示したように解像度の限界はArFドライ露光の約1.44倍であることから、より微細化が進む特にハーフピッチ45nm以下の次世代技術においてはその使用が困難になることが予測されている。
このように、より微細化が進む次世代の液浸露光方法においては、露光波長(例えば、波長193nm等)において純水よりも屈折率が大きく、これらの波長光に対する透過性が高い液体が求められている。同時に該液体はフォトレジスト膜からの添加剤の溶出、レジスト膜の溶解、パターンの劣化等フォトレジスト膜へ悪影響を及ぼさず、更にレンズを浸食しない液体であることが求められている。同時に液浸露光の導入による高NA化に伴い、露光光として偏光の導入が検討されており、該液体は上記の要求以外に例えば旋光性等の性質により偏光の方向を曲げない液体であることが期待されている。
本目的を達成する方法として、例えば、水に各種の塩を溶解し屈折率を高める試みがなされている(非特許文献2)。しかしながらこのアプローチは塩の濃度制御が困難である他、水同様に水溶性成分の溶出による現像欠陥、レンズの汚染、等の問題がある。
一方、F2露光用に検討が進められているペルフルオロポリエーテルなどのフッ素系不活性液体は、例えば193nmにおいて屈折率が小さいため該波長での使用が困難である。また、波長589nmにおいて高屈折率であるとの理由で顕微鏡用の液浸露光液体として従来知られている有機臭素化物、ヨウ素化物は、例えば193nmにおける透過性が悪いと共にフォトレジスト膜に対する安定性に劣る。
特開平11−176727号公報 国際公開WO99/49504号公報 特開平10−303114号公報 NIKKEI MICRODEVICE 2004年4月号 p77 Proc.SPIE Vol.5377(2004)p.273
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、液浸露光方法において、純水よりも屈折率が大きく、液浸露光波長において優れた透過性を有し、フォトレジスト膜あるいはその上層膜成分(とりわけ親水性成分)の溶出や溶解を防ぎ、レンズを浸食せずレジストパターンの生成時の欠陥を抑えることができ、液浸露光用液体として使用した場合、パターン形状の劣化を抑え、解像度および焦点深度のより優れたパターンを形成できるとともに、液体の再利用および精製が容易な液浸露光用液体およびその液体を用いた液浸露光方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためには、露光波長における高い透過率を有し、かつ水と比較して十分屈折率の高いことが液浸露光用液体に求められる必須条件であった。一方、液体の紫外領域の屈折率は、液体を構成する分子の分極率に依存することが一般に知られている。分極率を高める方法としては例えば硫黄、臭素、ヨウ素などの動きやすいn電子をもつ元素を分子に導入することおよび比較的動きやすいπ電子を有する炭素−炭素2重結合、炭素−炭素3重結合、とりわけ芳香族環を導入することが一般的に有効である。しかしながら、これらの元素および分子構造を含む化合物は一般に例えば193nm等の遠紫外領域に強い吸収をもち本目的に使用することができない。一方遠紫外領域に対する吸収が小さい化合物としては、無置換の炭化水素化合物、シアノ化炭化水素化合物、フッ素化炭化水素化合物、スルホン酸エステル化合物、一部のアルコール等が挙げられるが、これらの化合物は一般に水より高屈折率であるがその屈折率は現行の水と大きな差がない。
一方、液体の屈折率のより正確な理論式として下記式(Lorentz−Lorenzの式)が提案されており、下記式を用いて、ベンゼンの屈折率nが正確に予測できるという結果が報告されている(J.Phy.Chem. A.,Vol.103,No.42,1999 p8447)。

n=(1+4πNαeff0.5

上式において、Nは単位体積中の分子数を示し、部分モル体積が小さいほど大きな値になる。
上記式から、高吸収な官能基の導入によりαを高められない場合でもNを大きくすることにより屈折率が高められると予測される。上記を参考に、液体の分子構造を種々検討した結果、コンパクトな構造を有するために密度が高い本発明の脂環式炭化水素液体が、透明性と屈折率を両立しかつ液浸露光用液体として用いた場合フォトレジスト膜あるいはその上層膜成分(とりわけ親水性成分)の溶出や溶解を防ぎ、更にはレジストパターンの生成時の欠陥、レンズの浸食等の問題を解決し、より解像度および焦点深度の優れたパターンを形成できることを見出し本発明を完成するに至った。
発明者らは、更に鋭意検討した結果、上記請求項1の混合液体が特にパターン形成能力に優れ、液体の再利用および製造再現性に優れることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の液浸露光用液体は、投影光学系のレンズと基板との間に満たされた液体を介して露光する液浸露光装置または液浸露光方法に用いられる液体であって、該液体は、endo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンの混合液体を90重量%以上含有し、該混合液体の混合重量比である[endo−テトラヒドロジシクロペンタジエン/exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン]の値が[80/20〜0.001/99.999]であることを特徴とする。
特に、本発明の液浸露光用液体は、濃硫酸洗浄した液体であり、光路長1mm換算の波長193nmの放射線透過率が90%以上、溶存酸素量が2ppm以下、ICP‐MSで分析した含有金属の総量が10ppm以下であることを特徴とする。
本発明の液浸露光方法は、露光ビームでマスクを照明し、投影光学系のレンズと基板との間に満たされた液体を介して露光ビームで基板を露光する液浸露光方法であって、上記液体が上述した液浸露光用液体であることを特徴とする。
本発明の液浸露光方法は、液浸露光用液体として、疎水性が高く、露光波長において高屈折率である、endo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンをそれぞれ所定の割合とした混合液体を90重量%以上含有する混合液体を用いるので、フォトレジスト膜あるいはその上層膜成分、特に親水性成分の溶出や溶解を防ぎ、レジストパターンの生成時の欠陥、レンズの浸食の問題を解決でき、また、液浸露光用液体として用いた場合に、パターン形状の劣化を抑え、解像度および焦点深度の改良が可能である。また、本発明の液浸露光用液体は再利用および製造再現性に優れる。
本発明の液浸露光用液体は、endo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンの混合液体を90重量%以上含有する混合液体である。
特に混合液体の混合重量比である[endo−テトラヒドロジシクロペンタジエン/exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン]の値が[80/20〜0.001/99.999]、好ましくは[50/50〜0.001/99.999]、更に好ましくは[20/80〜0.001/99.999]である。
[endo−テトラヒドロジシクロペンタジエン/exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン]の値が80/20をこえると、すなわち混合液体においてendo−テトラヒドロジシクロペンタジエンが80重量%をこえると波長193nmの透過率および使用済みの液体を再精製して使用できる性質であるリサイクル性が悪くなる傾向にある。
液浸露光用液体に必要とされる各性質およびその特性値を検討した結果、投影光学系のレンズ、レジスト材料との化学的相互作用が少ないことが望まれるとともに、以下の性質および特性値が挙げられる。本発明の液浸露光用液体はendo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンの混合液体を90重量%以上含有する混合液体であるので、以下に説明する各特性の好ましい条件を満たす。
(1)屈折率
液浸露光用液体の屈折率は、前述した(iii)式、(iv)式の理由で、純水よりも高いことが好ましい。
具体的には、屈折率が水と露光前のレジスト膜(または液浸用上層膜)との間の値であり、かつ水と比較してより高い値であることが好ましく、25℃において、波長193nmにおける屈折率が1.45〜1.8、好ましくは1.6〜1.8の範囲の範囲である。また、使用環境の変化による屈折率変化はデフォーカスの原因となるため、液浸露光用液体の屈折率は温度、圧力等の影響を受けにくいことが好ましい。特に、温度については、レンズ、レジスト材料の光吸収に伴う発熱により使用時に変化することが想定されるため、屈折率の温度依存性が低いことが好ましい。具体的には、屈折率(n)の温度(T)による変化率dn/dTの絶対値が好ましくは、5.0×10-3(℃-1)、更に好ましくは7.0×10-4(℃-1)以内である。
また、本観点から、本化合物の比熱は大きい値であることが好ましく、具体的には比熱の値は0.1cal/g・℃以上であることが好ましく、更に好ましくは0.30cal/g・℃以上である。
また、液浸露光用液体は、その屈折率が色収差による影響を受けにくいことが好ましく、露光波長周辺における屈折率の波長依存性が小さいことが好ましい。
(2)放射線透過率
193nmにおける放射線透過率は、25℃において、光路長1mmの透過率が70%以上であることが好ましく、特に好ましくは90%以上であり、更に好ましくは95%以上である。この場合、透過率が70%未満であると液体の光吸収により生じた熱エネルギーによる発熱が起こりやすくなり、温度上昇による屈折率変動による光学像のデフォーカス、および歪が生じやすくなる。また、液体の吸収により、レジスト膜に到達する光量が減少し、スループットの大幅な低下を引き起こす原因となる。
(3)粘度(粘性率)
粘度は20℃における粘度が0.5Pa・s以下、特にウエハとレンズ材料の間のギャップが1mm以下の環境で使用する場合は好ましくは0.01Pa・s以下、特に好ましくは0.005Pa・s以下である。粘度が0.5Pa・sをこえる場合、レジスト膜(または液浸用上層膜)とレンズ材料との間のギャップに液体が浸入しにくい、あるいは、液浸の液体供給方法として局所液浸法、露光方式として、ウエハをのせたステージを動かすことにより、ウエハを全面露光するステップアンドスキャン方式を用いた場合十分なスキャン速度を得られずスループットの大幅な低下をもたらし、また摩擦による温度上昇がおこりやすい傾向にあり温度変化による光学特性変化の影響を受けやすい。また、特にウエハとレンズ材料の間のギャップが1mm以下である場合、前者の理由から粘度は0.01Pa・s以下であることが好ましく、この場合、ギャップの距離(液膜の厚さ)を低減させることにより、液体の透過率を上昇させ、液体の吸収の影響を受けにくくすることができ好適である。
また、粘度が大きくなった場合液中の気泡(ナノバブル、マイクロバブル)の生成が起こりやすくなり、また、該気泡の寿命が長くなるため好適でない。
(4)気体の溶解度
気体の溶解度は、酸素および窒素の25℃、分圧が1気圧(atm)であるときの液体中の気体のモル分率であらわされる溶解度が好ましくは0.5×10-4〜70×10-4、更に好ましくは2.5×10-4〜50×10-4であり、これらの気体の溶解度が0.5×10-4以下である場合レジスト等から発生したナノバブルが消失しにくいためバブルによる光散乱によりパターニング時にレジストの欠陥が生じやすくなる。また70×10-4以上であると露光時に周囲の気体を吸収するため、気体の吸収による光学特性の変化の影響を受けやすくなる。
(5)表面張力
現在水の液浸露光で用いられているのと同様の、局所液浸法による液浸でステップアンドスキャン方式の露光装置に使用する場合、スキャン時の液体の飛散が問題となるため、液浸露光用液体は表面張力が高いことが好ましい。具体的には20℃における表面張力は好ましくは5dyn/cm〜90dyn/cm、更に好ましくは20dyn/cm〜80dyn/cmである。
(6)取り扱いおよび環境に対する特性
液浸露光用液体は、使用環境下で爆発、発火、引火等の危険性が低い化合物であることが好ましい。具体的には引火点は25℃以上であることが好ましく、50℃以上であることが更に好ましい、発火点は好ましくは180℃以上、更に好ましくは230℃以上である。また、25℃における蒸気圧は50mmHg以下であることが好ましく、更に好ましくは5mmHg以下である。
また、人体、環境に対する有害性が低いことが好ましく具体的には、人体に対する有害性に関しては、急性毒性が低く、発がん性、変異原性、催奇形性、生殖毒性等のない化合物が好ましい。具体的には、例えば、許容濃度が、好ましくは30ppm以上、更に好ましくは70ppm以上であり、Ames試験の結果は陰性である液体が好ましい。環境に対する有害性については、残留性、生態蓄積性のない化合物が好ましい。
(7)接触角
液浸露光用液体とレジスト(または液浸用上層膜)との間の接触角は好ましくは20°から90°、更に好ましくは50°から80°であり、また、石英ガラスやCaF2などのレンズ材料との接触角は好ましくは90°以下、好ましくは80°以下である。液浸露光用液体と露光前のレジスト(または液浸上層膜)との接触角が20°以下であるとギャップに対して液体が浸入されにくく、また、露光方式として上記、局所液浸法とステップアンドスキャン方式の組み合わせを用いた場合液体が膜中に飛散しやすくなる。一方、本発明の液体と露光前のレジスト(または液浸上層膜)との接触角が90°以上になると凹凸のあるレジスト(または上層膜)境界面で気体を取り込みやすくなり、気泡が発生しやすくなる。このような現象は、Immersion Lithography Modeling 2003 Year−End Report(International SEMATECH)に記載されている。
また、液浸露光用液体とレンズ材料との接触角が90°をこえる場合レンズ表面と液体の間に気泡が生じる傾向がある。
本発明の液浸露光用液体は、ガスクロマトグラフィーで測定した場合のendo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンの合計量が90重量%以上であることが好ましい。特に好ましくは合計量が99.0重量%以上、さらに好ましくは99.9重量%以上である。
また、[endo−テトラヒドロジシクロペンタジエン/exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン]の値もガスクロマトグラフィーで測定できる。
特に、193nm等露光波長において、吸光度が大きいオレフィンを含有する化合物、芳香族環を含有する化合物、硫黄(スルフィド、スルホキシド、スルホン構造)、ハロゲン、カルボニル基、エーテル基を含有する化合物等の割合は0.01重量%未満であることが好ましく、0.001重量%未満であることが特に好ましい。
また、本発明の液体は半導体集積回路製造工程に使用されるものであることから、金属または金属塩含有量が低いことが好ましく、具体的にはICP‐MSで分析した含有金属の総量が10ppm以下、好ましくは0.1ppm以下、更に好ましくは0.001ppm以下である。金属含量が10ppmをこえると金属イオンまたは金属成分によりレジスト膜等に悪影響を及ぼしたりウエハを汚染するおそれがある。
金属としては、Li、Na、K、Mg、Cu、Ca、Al、Fe、Zn、Niから選ばれた少なくとも1つの金属が挙げられる。これらの金属はICP‐MS法により測定することができる。
また、本発明の液体中の酸素濃度は100ppm(100μg/ml)以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは2ppm以下である。また、特に露光時には好ましくは1ppm以内、更に好ましくは10ppb以内である。酸素濃度が100ppmをこえると溶存酸素による酸化反応等による透過率低下が起こりやすい傾向にある。また、酸化反応等が起こらない場合にも、酸素が溶存した場合、例えば実施例に示すように溶存酸素および、酸素に放射線をあてた時に生じるオゾンの吸収のため、溶存酸素濃度に依存して液体の吸光度が低下する。また、酸素共存下で液体を露光した場合、生成したオゾンが液体を酸化し、液体の劣化がはやまる。
endo−テトラヒドロジシクロペンタジエン原料、exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン原料、または、endo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエン混合原料(以下、3つの原料をまとめて本化合物という)は、市販の化合物として入手できるか、あるいは、既存の種々の合成法により入手可能な原料から製造することができる。以下、本化合物の製造法について具体例を挙げて説明する。
テトラヒドロジシクロペンタジエンは、光学レンズ、光学フィルム用樹脂の原料モノマーとして有用であることが知られているジシクロペンタジエン(exo、endo混合物)またはendoジシクロペンタジエンを、適当な条件で水添し、得られたテトラヒドロジシクロペンタジエンを蒸留等の方法で精製することにより得ることができる。また、ジシクロペンタジエンから選択的にexo異性体を得たい場合はジシクロペンタジエン異性体混合物を、適当な触媒を用いて異性化することによりexo体を選択的に得て、上記の水添反応を行なうか、または、endo(endo、exo混合)ジシクロペンタジエンの水添により得たendo(endo、exo混合)テトラヒドロジシクロペンタジエンを適当な触媒により異性化することによりexoテトラヒドロジシクロペンタジエンをを選択的に得ることができる。
上記ジシクロペンタジエンは、一般にナフサの熱分解生成物中のいわゆるC5留分中に多量に含まれるシクロペンタジエンを2量化することにより製造されている。 このジシクロペンタジエンは、例えば、5‐イソプロペニルノルボルネン等のC5留分由来の炭化水素成分を不純物として含んでいるが、これらの化合物が含有していると、水添、異性化後にこれらの不純物由来の炭化水素生成物が残留し、最終生成物のテトラヒドロジシクロペンタジエンの精製を困難にする。したがって、あらかじめ精製する等の方法により高純度化したものを使用することが好ましい。この場合の純度は好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上である。
また、上記ジシクロペンタジエンは、例えば水添反応の触媒毒となる含硫黄成分の含有量が少ないことが好ましく、具体的には、ジシクロペンタジエン中に存在する含硫黄成分が好ましくは500ppb以下、更に好ましくは50ppb以下である。含硫黄成分の量が500ppbであると後工程における水添反応が阻害されやすくなる。
ここで、該含硫黄成分とは例えば、遊離硫黄、元素状硫黄、硫化水素、メルカプタン類、ジスルフィド類、チオフェンなどの無機または有機化合物の形態で存在する硫黄元素の総量を意味し、硫黄化学発光検出器(SCD)を備えたガスクロマトグラフィー等で分析することができる。該硫黄留分は例えば特開2001−181217の方法により除去することができる。該ジシクロペンタジエンの水添は公知の炭素―炭素2重結合の水添触媒を用いて行なうことができる。該水添方は例えば特開昭60−209536、特開2004−123762に開示されている方法により行なうことができる。上記の水添後に蒸留を行なうことによりテトラヒドロジシクロペンタジエンを得ることができるが、例えばexo体を選択的に得るには各種ルイス酸を用いて異性化する方法が知られている。本異性化は例えば、ルイス酸としてハロゲン化アルミニウム、硫酸等を用いた方法により行なうことができる(特開2002−255866)。本反応において、副生成物としてアダマンタンが生成することが知られているが、アダマンタンが多量に存在した場合、193nmにおける透過率が低下するため、最終液体に共存するアダマンタンの量は0.5%以下、好ましくは0.1%、更に好ましくは0.05%以内にする必要がある。該アダマンタンは上記異性化反応の条件を適当に設定するかあるいは、各種公知の精製方法により除去することができる。
本発明の液浸露光用液体は、所定割合のendo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンの混合液体を90重量%以上含有するので例えば193nmにおける吸光度が小さく好適であるが、該波長領域の吸光度は微量不純物の影響をうけやすい。また、これらの液体中の中に塩基成分が存在した場合非常に微量でもレジストプロファイルに大きな影響を与える。これらの不純物は上記液体を適当な方法で精製することによって除去することができる。例えば濃硫酸洗浄、水洗、アルカリ洗浄、シリカゲルカラム精製、精密蒸留、アルカリ条件下での過マンガン酸塩処理およびこれらの組み合わせで精製することができる。
具体的には、例えば濃硫酸洗浄を濃硫酸の着色がなくなるまで繰り返し、その後、水洗、アルカリ洗浄により濃硫酸を除去し、更に水洗、乾燥後、精密蒸留を行なうことにより好適に精製することができる。
また、上記処理を行なう前にアルカリ性条件下過マンガン酸塩で処理することにより更に効率よく不純物を除去することができる。
上記精製操作のうち、濃硫酸洗浄は193nmにおいて吸収の大きい芳香族化合物、炭素−炭素不飽和結合を有する化合物の除去に有効な他、微量塩基性化合物の除去に有効であり好ましい精製法である。該処理は精製する化合物により最適な攪拌法、温度範囲、処理時間、処理回数を選定して処理することが好ましい。
具体的には温度については、高いほど不純物除去の効率はあがるが、同時に副反応により吸収原因となる不純物が生成しやすくなる傾向にある。好ましい処理温度は−20℃〜40℃、特に好ましい処理温度は−10℃〜20℃である。
処理時間については長いほど、上記芳香族化合物、炭素―炭素不飽和結合を有する不純物との反応が進み上記不純物の除去効率があがるが、副反応による吸収原因となる不純物の生成量が増加する傾向にある。
上記濃硫酸処理で精製を行なう場合処理後に本発明の液体中に残存する濃硫酸由来の酸性不純物。濃硫酸処理により生成したスルホン酸成分を完全に除去するため、アルカリ洗浄、純水洗浄および水分除去のための乾燥処理を行なうことが好ましい。
また、濃硫酸洗浄後に精密蒸留を行なうことにより、より効率よく吸収原因となる不純物を除去することができる。
該精密蒸留は除去すべき不純物と本発明の液体の沸点差に応じてその分離に必要な理論段数以上の理論段数を有する蒸留塔で行なうことが好ましい。不純物除去の観点から好ましい理論段数は10段〜100段であるが、理論段数を高めた場合設備、製造コストが高くなるため、他の精製法との組み合わせにより、これより低い段数での精製も可能である。特に好ましい理論段数は30段〜100段である。
また、該精密蒸留は適当な温度条件下で行なうことが好ましい。蒸留温度が高くなると化合物の酸化反応等により吸収の低減効果が小さくなる傾向にある。好ましい蒸留温度は30℃〜120℃、特に好ましい蒸留温度は30℃〜80℃である。
上記の温度範囲での蒸留を行なうために、必要に応じて該精密蒸留は減圧下で行なうことが好ましい。
上記精製処理は窒素またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。この場合、不活性ガス中の酸素濃度、有機成分濃度が低いことが好ましい。好ましい酸素濃度は1000ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。
また、上記処理のうち過マンガン酸塩による処理は特に非芳香族の炭素―炭素不飽和結合含有化合物の除去に有効であるが、3級炭素を有する化合物については3級炭素の酸化反応が起こりやすいことから、3級炭素を有さない化合物の精製に好適である。
また、該処理は副反応を防ぐ観点から室温以下の低温で行なうことが好ましい。
本発明の液浸露光用液体は、低極性化合物であるため酸素、窒素等の気体の溶解度が高い。このため、これらの気体の溶存の影響を受けやすく、例えば大気雰囲気下で放置した場合、溶存酸素の吸収または溶存酸素が光により励起されて生じるオゾンの吸収、あるいは溶存酸素の関与する酸化反応等により例えば193nmの透過率の低下が起こる傾向がある。このため、これらの化合物は脱気処理を施し、窒素、アルゴン等の不活性で吸収の少ない気体中で保存することが好ましい。具体的には保存液体中の酸素濃度が100ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは10ppm以下になるように処理することが好ましい。また、露光前に脱酸素できない場合は、特に1ppm以下が好ましく、さらに好ましくは10ppb以下である。
以下、本発明の液浸露光用液体を用いた液浸露光方法について説明する。
本発明の液浸露光用液体は、上記に述べたように不活性気体中で保存することが好ましいが、その際の容器としては、容器成分または容器のふたの成分(例えば、プラスチックに配合される可塑剤等)の溶出のない容器で保存することが好ましい。好ましい容器の例としては例えば材質がガラス、金属(例、SUS)、陶器、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)、ECTFE(エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー)、PTFE/PDD(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PVF(ポリビニルフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)等のフッ素樹脂である容器が挙げられるが、特に好ましくは材質がガラス、フッ素樹脂の容器である。
また、好ましい容器のふたの例としては、例えば材質がポリエチレンで可塑剤を含まないふたや、材質がガラス、金属(例、SUS)、陶器、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)、ECTFE(エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー)、PTFE/PDD(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PVF(ポリビニルフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)等のフッ素樹脂であるふたが挙げられる。
また、容器から露光機に送液時に使用する配管については、上記と同様の溶出の起こらない配管であることが好ましく、好ましい配管の材質としてはガラス、金属、陶器等が挙げられる。
本発明の液浸露光用液体は、液浸露光に用いた場合、微粒子、気泡(マイクロバブル)がパターンの欠陥等の原因となることから、微粒子および気泡の原因となる溶存気体の除去を露光前にしておくことが好ましい。
微粒子の除去方法としては適当なフィルターを用いてろ過する方法が挙げられる。フィルターとしては、微粒子の除去効率がよく、かつろ過時に溶出による、露光波長における吸収の変化のない材質を用いたフィルターが好ましい。好ましいフィルター材質としては、例えばガラス、金属(例えば、SUS、銀)、および金属酸化物、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)、ECTFE(エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー)、PTFE/PDD(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PVF(ポリビニルフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が挙げられる。また、フィルターのハウジング、コア、サポート、プラグ等の周辺部の材質についても、上記のフィルターの好ましい材質の中から選択される材質であることが好ましい。
溶存気体の除去方法としては、例えば減圧脱気法、超音波脱気法、気体透過性膜による脱気法、各種のデガッサーを用いた脱気法等が挙げられる。
本発明の液浸露光用液体は露光時は光学系の一部となるため、液体の屈折率などの光学的性質の変化の影響のない環境で使用することが好ましい。例えば、液体の光学特性に影響を与える温度、圧力等を一定にした環境下で使用することが好ましい。例えば温度については好ましくは、±0.1℃、更に好ましくは±0.01℃の範囲で管理することが好ましい。
また、本発明の液体を用いた液浸露光は、大気雰囲気下で行なうことも可能であるが、上述のように、本発明の液体に対する酸素の溶解度が高く、露光波長における吸収特性に影響を与える場合があるため、露光波長における吸収の少なく、液体と化学反応を起こさない不活性気体中で露光することが好ましい。好ましい該不活性気体としては、例えば、窒素、アルゴン等が挙げられる。
また、空気中の有機成分による汚染による液体の露光波長における吸収特性の変化を防ぐ観点から、使用雰囲気中の有機成分濃度を一定レベル以下に管理することが好ましい。この有機成分濃度の管理方法としては、上記不活性気体雰囲気に高純度のものを用いるほか、有機成分を吸着するフィルター、各種ガス精製管(装置)を使用する方法等が挙げられる。濃度管理のためには、定期的に周辺雰囲気の分析を行なうことが好ましいが、この目的には例えばガスクロマトグラフィーを用いた種々の分析法を用いることができる。
露光領域における液浸の液体供給方法としては、mooving pool法、seimming stage法、Local Fill法(局所液浸方式)が知られているが(特別セミナー液浸露光技術(2004年5月27日開催)セミナーテキスト参照)、局所液浸法が液浸露光用液体の使用量が少なくてすむため好ましい。
本液体を用いた液浸露光用の最終(対物)レンズ材料としては現行のCaF2あるいはfused silicaがその光学特性から好ましい。他の好ましいレンズ材料としては例えば高周期アルカリ土類金属Mのフッ素塩および一般式Cax1-x2で表される塩、CaO、SrO、BaO等のアルカリ土類金属の酸化物等が好ましく、該材料を用いた場合、CaF2(n@193nm=1.50)、fused silica(n@193nm=1.56)と比較してレンズの屈折率が高くなるため、とりわけ開口数が1.5をこえる高NAのレンズを設計、加工する際に好ましい。
本発明の液体は、レジスト成分の抽出が極めて少ないため使用後に再利用することができる。露光時のレジスト膜からの溶出等の影響が無視できるレジスト(またはレジスト上層膜)を用いた場合、本発明の液体は精製することなく再利用できるが、その場合は、脱気、ろ過等の処理を行なった後再利用することが好ましい。これらの処理はインラインで行なうことが工程を簡易化の観点から好ましい。
また、使用時に上記のレジスト膜からの溶出等が1回の使用で無視できるレベルであっても、使用回数が一定回数をこえた場合、蓄積された不純物の影響により、液体の物性が変化することが予想されるため、一定回数使用後に回収、精製を行なうことが好ましい。
該精製の方法としては、水洗処理、酸洗浄、アルカリ洗浄、精密蒸留、適当なフィルター(充填カラム)を用いた精製、ろ過等の方法および、上記に述べた本発明の液体の精製法、あるいはこれらの精製法の組み合わせによる方法が挙げられる。この中で、水洗処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、精密蒸留あるいはこれらの精製法の組み合わせにより精製を行なうのが好ましい。
上記アルカリ洗浄は本発明の液体に溶出した露光により発生した酸の除去、酸洗浄は本発明の液体に溶出したレジスト中の塩基性成分の除去、水洗処理は本発明の液体に溶出したレジスト膜中の光酸発生剤、塩基性添加剤、露光時に発生した酸等の溶出物の除去に対して有効である。
精密蒸留については、上記添加剤のうち低揮発性の化合物の除去に対して有効な他、露光時にレジスト中の保護基の分解により発生する疎水性成分を除去するのに有効である。
上記液浸露光用液体を用いて、液浸露光がなされる。
基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜が形成される。基板は、例えばシリコンウエハ、アルミニウムで被覆したウエハ等を用いることができる。また、レジスト膜の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特公平6−12452号公報等に開示されているように、使用される基板上に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておくことができる。
使用されるフォトレジストは、特に限定されるものではなく、レジストの使用目的に応じて適時選定することができる。フォトレジストの樹脂成分としては、酸解離性基を含む高分子が挙げられる。該酸解離性基は露光により分解しないことが好ましく、とりわけ、該分解後生成物が露光条件下で揮発し、本発明の液体に溶出しないものであることが好ましい。これらの高分子の例としては、高分子側鎖に脂環族基、ラクトン基およびこれらの誘導体等を含む樹脂、ヒドロキシスチレン誘導体等を含む樹脂等が挙げられる。
特に高分子側鎖に脂環族基、ラクトン基およびこれらの誘導体を含む樹脂を用いるフォトレジストが好ましい。これらのフォトレジストは、脂環式炭化水素化合物または珪素原子を環構造中に含む環式炭化水素化合物と類似する化学構造を含むので、本発明の液浸露光用液体との親和性に優れる。また、フォトレジスト膜を溶出させたり溶解させたりしない。
フォトレジストの例としては、樹脂成分として酸解離性基を含む高分子と、酸発生剤と、酸拡散制御剤等の添加剤を含有する化学増幅型のポジ型またはネガ型レジスト等を挙げることができる。
本発明の液浸露光用液体を用いる場合、特にポジ型レジストが好ましい。化学増幅型ポジ型レジストにおいては、露光により酸発生剤から発生した酸の作用によって、重合体中の酸解離性有機基が解離して、例えばカルボキシル基を生じ、その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
フォトレジスト膜は、フォトレジスト膜を形成するための樹脂組成物を適当な溶媒中に、例えば0.1〜20重量%の固形分濃度で溶解したのち、例えば孔径30nm程度のフィルターでろ過して溶液を調製し、このレジスト溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布方法により基板上に塗布し、予備焼成(以下、「PB」という。)して溶媒を揮発することにより形成する。なお、この場合、市販のレジスト溶液をそのまま使用できる。該、フォトレジスト膜は、液浸上層膜および液浸露光用液体よりも高屈折率であることが好ましく、具体的にはフォトレジスト膜の屈折率nRESが1.65以上の範囲にあるのが好ましい。特にNAが1.3以上の場合nRESは1.75より大きいことが好ましくこの場合NAの増大に伴う露光光のコントラスト低下を防ぐことができる。
なお、液浸露光方法においては、フォトレジスト膜上に更に液浸用上層膜を形成することができる。
液浸用上層膜としては、露光光の波長に対して十分な透過性とフォトレジスト膜とインターミキシングを起こすことなくフォトレジスト膜上に保護膜を形成でき、更に液浸露光時に使用される上記液体に溶出することなく安定な被膜を維持し、現像前に剥離することができる膜であれば使用することができる。この場合、該上層膜が現像液であるアルカリ液に容易に溶解する膜であれば現像時に剥離されることから好ましい。
アルカリ可溶性を付与するための置換基としては、ヘキサフルオロカルビノール基およびカルボキシル基の少なくとも1つの基を側鎖に有する樹脂であることが好ましい。
該液浸用上層膜は、同時に多重干渉防止機能を有することが好ましく、この場合、該液浸用上層膜の屈折率nOCは以下に示す数式であることが好ましい。

OC=(nlq×nRES0.5

ここで、nlqは液浸露光用液体の屈折率を、nRESはレジスト膜の屈折率をそれぞれ表す。
具体的には、nOCは1.6〜1.9の範囲であるのが好ましい。
上記液浸上層膜は、液浸上層膜用樹脂組成物をレジスト膜上にレジスト膜とインターミキシングしない溶剤に0.01〜10%の固形分濃度で溶解した後、フォトレジスト膜の形成時と同様の方法により塗布、予備焼成を行なうことにより形成することができる。
また、液浸露光用液体とレジスト(または液浸用上層膜)との間の接触角は好ましくは20°から90°であるが、上記レジスト(または液浸用上層膜)の分子設計を行なうことにより好適な接触角を得ることが可能である。接触角が好ましいレジスト(または液浸用上層膜)の分子構造としては、例えばラクトン構造、ヘキサフルオロカルビノール構造、カルボキシル基等の親水性の構造が挙げられる。
該フォトレジスト膜、または液浸用上層膜が形成されたフォトレジスト膜に本発明の液浸露光用液体を媒体として、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、次いで現像することにより、レジストパターンを形成する。この工程は、液浸露光を行ない、所定の温度で焼成を行なった後に現像する工程である。
液浸露光に用いられる放射線は、使用されるフォトレジスト膜およびフォトレジスト膜と液浸用上層膜との組み合わせに応じて、例えば可視光線;g線、i線等の紫外線;エキシマレーザ等の遠紫外線;シンクロトロン放射線等のX線;電子線等の荷電粒子線の如き各種放射線を選択使用することができる。特にArFエキシマレーザ(波長193nm)が好ましい。
また、レジスト膜の解像度、パターン形状、現像性等を向上させるために、露光後に焼成(以下、「PEB」という。)を行なうことが好ましい。その焼成温度は、使用されるレジスト等によって適宜調節されるが、通常、30〜200℃程度、好ましくは50〜150℃である。
次いで、フォトレジスト膜を現像液で現像し、洗浄して、所望のレジストパターンを形成する。
本発明の液浸露光用液体を評価するために、以下に示す感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成した。また、その一部に以下に示す液浸用上層膜を形成した。この評価用レジスト膜を用いて液浸露光用液体としての特性(パターニング評価、リサイクル性、製造ロット間のバラツキ)を測定した。
参考例1
感放射線性樹脂組成物に用いる樹脂を以下の方法で得た。
Figure 2007067011
化合物(S1−1)39.85g(40モル%)、化合物(S1−2)27.47g(20モル%)、化合物(S1−3)32.68g(40モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、更にアゾビスイソ吉草酸メチル4.13gを投入したモノマー溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した1000mlの三口フラスコを30分窒素パージする。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を5時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別する。ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(75g、収率75重量%)。この重合体は分子量が10,300であり、13C−NMR分析の結果、化合物(S1−1)、化合物(S1−2)、化合物(S1−3)で表される繰り返し単位、各繰り返し単位の含有率が42.3:20.3:37.4(モル%)の共重合体であった。この重合体を樹脂(A−1)とする。
参考例2
液浸用上層膜を形成する樹脂を以下の方法で得た。
Figure 2007067011
化合物(S2−1)50g、化合物(S2−2)5g、化合物(S2−3)25g、化合物(S2−4)20g、およびアゾビスイソ吉草酸メチル6.00gをメチルエチルケトン200gに溶解し、均一溶液としたモノマー溶液を準備した。そして、メチルエチルケトン100gを投入した1000mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージ後、フラスコ内を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に調製した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、10ml/5分の速度で滴下した。滴下開始時を重合開始時点として、重合を5時間実施した。重合終了後、反応溶液を30℃以下に冷却し、次いで該反応溶液をヘプタン2000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末をヘプタン400gと混合してスラリーとして攪拌する操作を2回繰り返して洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂(E−1)を得た(89g、収率89重量%)。樹脂(E−1)は、Mwが7,300であった。
参考例3
感放射線性樹脂組成物(F−1)を以下の方法で得た。
樹脂(A−1)を100重量部、酸発生剤として4−ノナフルオロ−n−ブチルスルホニルオキシフェニル・ジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートを2.5重量部、酸拡散制御剤として2−フェニルベンズイミダゾールを0.2重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを750重量部、それぞれ秤量し、混合、均一溶液とした後、孔径200nmのメンブランスフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(F−1)を調製した。
参考例4
液浸用上層膜組成物(G−1)を以下の方法で得た。
樹脂(E−1)を1重量部、溶剤としてノルマルブタノールを99重量部、それぞれ秤量し、混合、均一溶液とした後、孔径200nmのメンブランスフィルターでろ過することにより液浸用上層膜組成物(G−1)を調製した。
参考例5
評価用レジスト膜(H−1およびH−2)を以下の方法で得た。
8インチシリコンウエハ上に、スピンコート、PB(90℃、60秒)により下層反射防止膜ARC29(ブルーワサイエンス社製)の塗布を行ない、膜厚77nmの塗膜を形成した後、同条件で感放射線性樹脂組成物(F−1)を用いてレジスト膜(膜厚205nm)を形成した(H−1)。
また、上記と同様の方法で感放射線性樹脂組成物(F−1)を用いてレジスト膜(膜厚205nm)を形成した後、このレジスト膜上に、液浸用上層膜組成物(G−1)をスピンコート、PB(130℃、90秒)により膜厚32nmの上層膜を形成した(H−2)。
Figure 2007067011
実施例1
窒素置換したグローブボックス中で和光純薬製exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン(品名:exo‐Tetrahydrodicyclopentadiene(特級グレード)(GCの測定結果endo−テトラヒドロジシクロペンタジエン:1.5%、exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン:97.5%、その他の成分1.0%))100mlをマグネティックスターラー用スターラーチップを入れた200mlのナス型フラスコに入れ十分に窒素置換した。次に同じグローブボックス中で十分に窒素置換した濃硫酸(和光純薬製1級グレード)20mlを加え室温で15分攪拌した。その後、混合液を静置し、有機層と硫酸を十分分離させ、硫酸をデカンテーションにより除去した。更に同様の硫酸洗浄操作を4回繰り返した。この後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで2回、イオン交換水20mlで2回洗浄した。この後、有機層を減圧蒸留(圧力2‐3mmHg)し、留分83mlを得た。この留分を3方コックをつけたナス型フラスコに移し、系内を真空ポンプにより減圧にし窒素で常圧に戻す操作を3回繰り返すことにより窒素置換して精製テトラヒドロジシクロペンタジエン(以下、EKS−1という)を得た。得られたEKS−1のGC測定を行なったところendo−テトラヒドロジシクロペンタジエン 1.5%、exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン 97.5%、その他の成分 1.0%であった。なお、GC測定は、AgilentテクノロジーのGC6850(カラムAgilentテクノロジーHP−1(非極性タイプ)検出器FID)により測定した。測定は、注入口温度250℃、カラム温度70℃〜300℃(昇温法)、キャリアーガスはヘリウムの条件下で測定した。純度はFIDの全ピーク面積を100%とし、面積比より求めた。
透過率は、酸素濃度を0.5ppm以下に管理した窒素雰囲気のグローブボックス中でポリテトラフルオロエチレン製蓋付の光路長10mmのセルに液体のサンプリングを行ない、日本分光社製JASCO‐V‐550を用いて、上記セルを用いて、空気をリファレンスとして測定した。光路長1mmに換算した値はセルの反射を計算により補正した値である。193nmの透過率測定を行ったところ、193nmの透過率は光路長1mm換算で98.0%であった。
本液体の金属含量(Li、Na、K、Mg、Cu、Ca、Al、Fe、Zn、Ni)をICP‐MS法により測定したところ全ての金属が検出限界(1ppb)未満であった。 また、溶存酸素量はTCDを検出器としたガスクロマトグラフィ法により測定した。その結果、1.0ppm以下(検出限界以下)であった。
得られたEKS−1の特性値を表2に示す。
Figure 2007067011
実施例2
実施例1で使用した東京化成品exo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンとendo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンの混合物(GCの測定結果endo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンが 30.0%、exo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンが 69.0%、その他の成分が 1.0%)を出発原料として使用し、実施例1と同様の方法で精製、窒素置換を行ない精製テトラヒドロジシクロペンタジエン(以下、EKS−2という)を得た。実施例1の方法で、EKS‐2のGC測定を行なったところendo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンが 30.0%、exo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンが 69.0%、その他の成分が 1.0%であった。
また、実施例1と同様の方法により193nmの透過率測定を行ったところ、193nmの透過率は光路長1mm換算で97.8%であった。
本液体の金属含量(Li、Na、K、Mg、Cu、Ca、Al、Fe、Zn、Ni)をICP‐MS法により測定したところ全ての金属が検出限界(1ppb)未満であった。
比較例1
実施例1で使用した東京化成品exo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンとendo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンの混合物(GCの測定結果endo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンが 80.1%、exo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンが 18.9%、その他の成分が 1.0%)を出発原料として使用し、実施例1と同様の方法で精製、窒素置換を行ない精製テトラヒドロジシクロペンタジエン(以下、EKS−3という)を得た。実施例1の方法で、EKS‐3のGC測定を行なったところendo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンが 80.1%、exo‐テトラヒドロジシクロペンタジエンが 18.9%、その他の成分が 1.0%であった。また、実施例1と同様の方法で、193nmの透過率測定を行なったところ、193nmの透過率は光路長1mm換算で80.3%であった。
透過率を向上するために、同様の方法で再度精製操作を繰り返したが再精製後の193nmの透過率は光路長1mm換算で78.5%であった。
上記評価用レジスト膜を用いて、各実施例および比較例で得られた液浸露光用液体を、感度、パターニング評価(浸漬パターニング評価、2光速干渉露光機による液浸露評価)、リサイクル性、製造ロット間の特性のバラツキにより評価した。結果を表3、表4および表5に示す。
(1)2光束干渉を用いた露光実験
下層反射防止膜の膜厚を29nm、レジスト膜厚を60nm(35nm用)にした以外はレジスト膜H−2と同様の方法で作った評価用レジスト膜を塗布したウエハに対して、2光束干渉型ArF液浸用簡易露光装置(ニコン(株)社製、35nm1L/1S用、TE偏光露光使用)のレンズ、ウエハ間(ギャップ0.7mm)に上記精製後液浸露光用液体を挿入して露光を行ない、その後、ウエハ上の液浸露光用液体を空気乾燥により除去し、本ウエハをCLEAN TRACK ACT8ホットプレートにてPEB(115℃、90秒)を行ない、同CLEAN TRACKACT8のLDノズルにてパドル現像(現像液成分、2.38重量%テトラヒドロアンモニウムヒドロキシド水溶液)(60秒間)、超純水にてリンスを行ない現像後基板を走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)社製)S−9360でパターンを観察した。このとき、SEMで観察したパターンの断面形状が矩形でかつラフネス等の寸法バラツキが所望寸法の±10%以下の形状を有する場合を「○」、良好なパターンが得られなかった場合を「×」とする。また、感度は上記所望の寸法が得られる露光量を表す。結果を表3に示す。
(2)リサイクル性
EKS−1、EKS-2、HK-1各30mlを液膜の厚さが3mmになるように30分間レジスト膜H1に接触させた(接触させた液体を接触後EKS−1、接触後EKS-2、接触後HK-1と呼ぶ)。その後、EKS−1、接触後EKS-2、接触後HK-1を実施例1と同様の方法により精製した(再精製後EKS−1、再精製後EKS-2、再精製後HK-1と呼ぶ)。その後、液体接触前、接触後精製前、再精製後液体の3種類について193nmにおける放射線透過率および屈折率を測定した。結果を表4に示す。
193nmの屈折率は、測定装置として、MOLLER−WEDEL社製ゴニオメータースペクトロメーター1形UV−VIS−IRを用い、測定方法としては最小偏角法により測定温度25℃で測定した。
(3)製造ロット間のバラツキ
実施例1、2および比較例1の方法でEKS−1、EKS-2、HK-1を3回製造し193nmにおける放射線透過率および屈折率のロット間差を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2007067011
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本発明の液浸露光用液体は、endo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンの混合液体を90重量%以上含有し、該混合液体の混合重量比である[endo−テトラヒドロジシクロペンタジエン/exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン]の値が[80/20〜0.001/99.999]であるので、液浸露光時にフォトレジスト膜を溶解せず、解像度、現像性等にも優れたレジストパターンを形成することができ、さらにリサイクル性および製造ロット間のバラツキのない液浸露光用液体が得られる。そのため、今後更に微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 投影光学系のレンズと基板との間に満たされた液体を介して露光する液浸露光装置または液浸露光方法に用いられる液体であって、該液体は、endo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンの混合液体を90重量%以上含有し、該混合液体の混合重量比である[endo−テトラヒドロジシクロペンタジエン/exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン]の値が[80/20〜0.001/99.999]であることを特徴とする液浸露光用液体。
  2. 光路長1mm換算の波長193nmの放射線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1記載の液浸露光用液体。
  3. endo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエン原料をそれぞれ濃硫酸洗浄した後に混合して得られる混合液体、または、endo−テトラヒドロジシクロペンタジエンおよびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエン混合原料を濃硫酸洗浄することにより得られる混合液体であることを特徴とする請求項2記載の液浸露光用液体。
  4. 前記混合液体の溶存酸素量が2ppm以下であることを特徴とする請求項2または請求項3記載の液浸露光用液体。
  5. ICP‐MSで分析した含有金属の総量が10ppm以下であることを特徴とする請求項2、請求項3または請求項4記載の液浸露光用液体。
  6. 露光ビームでマスクを照明し、投影光学系のレンズと基板との間に満たされた液体を介して前記露光ビームで基板を露光する液浸露光方法であって、前記液体が請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の液浸露光用液体であることを特徴とする液浸露光方法。
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