JP2007066419A - 高品質円盤状媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 微細凹凸形状のエリアを有し、2種類の材料(プラスチック基板、硬化性樹脂)から構成されている円盤状プラスチック媒体であって、前記プラスチック基板、硬化性樹脂、該微細凹凸形状のエリアそれぞれの最内周が同心円状に配置されていることを特徴とする円盤状プラスチック媒体。
【選択図】 図2
Description
可撓性光ディスクの基板を作製するための従来工法として、PETフィルムなどのフレキシブルシート表面に熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を塗布してスタンパの微細凹凸パターンを転写し、これを熱硬化させ、その後、転写層を成膜する熱プレス法や、同じくフレキシブルシート表面に紫外線硬化型樹脂を塗布してスタンパの微細パターンを転写し、紫外線硬化させてから転写層を成膜する2P(Photo Polymerization)法(特許文献1:特許第2942430号公報)や、可撓性有機物シートを軟加点以上に加熱し、スタンパを圧着させて転写後、冷却してシートとスタンパを剥離する方法(特許文献2:特開平6−60423号公報)などがある。
θ=1°だと、H=120×sin1°=2mm
θ=10分(10/60°)だと、H=120×sin1°=30μm
θ=1分(1/60°)だと、H=120×sin1°=3μm
他方、上記2P法は転写性に優れており、この部分に関しては他の転写工法より優れている。
(1)「微細凹凸形状のエリアを有し、2種類の材料(プラスチック基板、硬化性樹脂)から構成されている円盤状プラスチック媒体であって、前記プラスチック基板、硬化性樹脂、該微細凹凸形状のエリアそれぞれの最内周が同心円状に配置されていることを特徴とする円盤状プラスチック媒体」
(2)「前記プラスチック基板、硬化性樹脂、微細凹凸形状のエリアそれぞれの最内周の直径が、プラスチック基板<硬化性樹脂<微細凹凸形状のエリアの順であることを特徴とする前記第(1)項に記載の円盤状プラスチック媒体」
(3)「前記硬化性樹脂最内周と同じ位置に硬化性樹脂展延拘束パターンが存在することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の円盤状プラスチック媒体」
(4)「微小凹凸形状のエリアを有し、2種類の材料(プラスチック基板、硬化性樹脂)から構成されている円盤状プラスチック媒体の製造方法であって、前記硬化性樹脂を型上に塗工し、その上にプラスチック基板を載置し、次に該硬化性樹脂を展延させる際に、硬化性樹脂展延拘束パターンにより該硬化性樹脂の内周方向への展延を拘束して、該該硬化性樹脂を展延する各段階を有することを特徴とする円盤状プラスチック媒体の製造方法」
(5)「前記硬化性樹脂の内周方向への展延が、硬化性樹脂展延拘束パターンにより拘束されたら、直ちに振り切ることを特徴とする前記第(4)項に記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法」
(6)「前記硬化性樹脂を前記微細凹凸形状を有する型上に塗工する際、フランジャーポンプを利用して計量塗工することを特徴とする前記第(4)項又は第(5)項に記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法」
(7)「前記硬化性樹脂を型上に塗工する際、型とディスペンサーニードルとの距離が0.1〜30mmであることを特徴とする前記第(4)項乃至第(6)項のいずれかに記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法」
(8)「前記硬化性樹脂を型上に塗工後、外部から電圧を印可し、硬化性樹脂塗工液を分極させてからプラスチック基板を硬化性樹脂に接液させることを特徴とする前記第(4)項乃至第(7)項のいずれかに記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法」
(9)「前記円盤状プラスチック媒体の硬化性樹脂展延拘束パターンが、プラスチック基板ないし型にYAGレーザーにより形成されたものであることを特徴とする前記第(4)項乃至第(8)のいずれかに記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法」
(10)「前記円盤状プラスチック媒体の硬化性樹脂展延拘束パターンが、型の前記微小凹凸形状をリソグラフィーにより形成する際に、該微小凹凸形状のエリアよりも内周に同様に形成されることを特徴とする前記第(4)項乃至第(9)項のいずれかに記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法」
そのため、本発明に係る円盤状プラスチック媒体の製造方法によれば、硬化性樹脂を型上に塗工し、その上にプラスチック基板を載置し硬化性樹脂を展延させ、展延最内周が硬化性樹脂展延拘束パターンにより拘束される。硬化性樹脂の展延最内周が硬化性樹脂展延拘束パターンにより拘束されたら、直ちに振り切ること(被塗工物体を例えば回転させて遠心力で、塗工液を全面に均一に展開させると共に仮に余剰塗工液が生じたときにはこの余剰塗工液を外周縁から吹き飛ばし除去すること)により、厚み均一性の良い、気泡の巻き込みが見られない硬化性樹脂層が得られる。
硬化性樹脂を円環状に周方向の幅が一定になるように塗工するには、フランジャーポンプを利用して計量塗工し、型とディスペンサーニードルとの距離が0.1〜30mmであることで達成できる。また、硬化性樹脂を型上に塗工後、外部から電圧を印可し、硬化性樹脂を分極させてからプラスチック基板を硬化性樹脂に接液させることで、硬化性樹脂の液に頂部を先細り化させて接触面積を小さくでき、接液直後の気泡の巻き込みを回避可能である。硬化性樹脂展延拘束パターンは、プラスチック基板ないし型にYAGレーザーにより形成できるし、型の微細凹凸形状をリソグラフィーにより形成する際に、微細凹凸形状エリアよりも内周に同様に硬化性樹脂展延拘束パターンを形成することも可能である。
図2は、本発明に係るフレキシブル光ディスクの作製方法を説明する図である。フォトリソグラフィーによりプリグルーブ形状が形成された型であるスタンパ上に、光硬化性樹脂であるアクリレートモノマー材料を円環状に塗工する。記録エリアより内周においてYAGレーザーにて同心円状の溝も形成されたPCフィルムを、塗工された光硬化性樹脂に接液させる。毛細管現象により光硬化性樹脂が同心円状の溝まで到達したら、3000rpmで20sec間振り切り紫外線を照射することで、光硬化性樹脂が硬化する。スタンパから、PCフィルムと光硬化性樹脂が接着したものを剥離すると、光硬化性樹脂の最内周(展延時の最内周に相当)は真円度は良好であった(図5)。記録膜の成膜等を施し、フレキシブル光ディスクが完成する。
図1に示す評価装置でフレキシブル光ディスクを回転させ、ガイドを接近させて空気浮上によりフレキシブル光ディスクの面振れを安定化させ、フォーカス、トラッキングサーボをロックさせて記録再生を行う。実施例1の構成では、ディスクの面振れが安定化し、サーボが安定化することで高品質な記録再生特性が得られた。
図3は、本発明に係るフレキシブル光ディスクの作製方法を説明する他の図である。スタンパ上に、熱硬化性樹脂である尿素樹脂単官能を円環状に塗工する。スタンパにはプリグルーブ以外に、記録エリアより内周においてYAGレーザーにて同心円状の溝があらかじめ形成されている。PETフィルムを、塗工された熱硬化性樹脂に接液させる。毛細管現象により熱硬化性樹脂が同心円状の溝まで到達したら、5000rpmで20sec間振り切り160℃で30分間加熱することで、熱硬化性樹脂が硬化する。スタンパから、PETフィルムと熱硬化性樹脂が接着したものを剥離すると、熱硬化性樹脂の最内周(展延時の最内周に相当)は真円度は良好であった。記録膜の成膜等を施し、フレキシブル光ディスクが完成する。
実施例1の場合と同様、ディスクの面振れが安定化し、サーボが安定化することで、高品質な記録再生特性が得られた。
図4は、本発明に係るフレキシブル光ディスクの作製方法を説明する他の図である。フォトリソグラフィーによりプリグルーブと同時にプリグルーブエリアよりも内周にスパイラルパターン形状が形成されたスタンパ上に、光硬化性樹脂であるアクリレートモノマー材料を円環状に塗工する。PCフィルムを塗工された光硬化性樹脂に選択的に接液させる。毛細管現象により光硬化性樹脂が同心円状の溝まで到達したら、3000rpmで20sec間振り切り紫外線を照射することで、光硬化性樹脂が硬化する。スタンパから、PCフィルムと光硬化性樹脂が接着したものを剥離すると、光硬化性樹脂の最内周(展延時の最内周に相当)は真円度は良好であった(図5)。記録膜の成膜等を施し、フレキシブル光ディスクが完成する。
実施例1の場合と同様、ディスクの面振れが安定化し、サーボが安定化することで、高品質な記録再生特性が得られた。
図7は、本発明に係るフレキシブル光ディスクの作製方法を説明する他の図である。複数のマイクロレンズアレー群を有する型上に、光硬化性樹脂であるアクリレートモノマー材料を円環状に塗工する。記録エリアより内周においてYAGレーザーにて同心円状の溝も形成されたPCフィルムを、塗工された光硬化性樹脂に選択的に接液させる。毛細管現象により光硬化性樹脂が同心円状の溝まで到達したら、3000rpmで20sec間振り切り紫外線を照射することで、光硬化性樹脂が硬化する。スタンパから、PCフィルムと光硬化性樹脂が接着したものを剥離し、マイクロレンズアレーの転写体が得られる。複数のマイクロレンズアレー群を専用装置で所望の形状にカッティングすることで、結果的に1回の転写で、転写体の多数個取りが可能となる(図8参照)。転写形状が均一で、しかも転写層厚みが均一なので、レンズアレーの高さばらつきがほとんどなく、高品質なマイクロレンズアレーとして、複写機等の書き込み、ないし読み取り光学系に適用可能である。
比較例1として、プリグルーブ形状が形成されていない型であるスタンパ上に、光硬化性樹脂であるアクリレートモノマー材料を円環状に塗工する。記録エリアより内周においてYAGレーザーにて同心円状の溝が形成されていないPCフィルムを塗工された光硬化性樹脂に選択的に接液させる。毛細管現象により光硬化性樹脂が展延し始めたら、3000rpmで20sec間振り切り紫外線を照射することで、光硬化性樹脂が硬化する。スタンパから、PCフィルムと光硬化性樹脂が接着したものを剥離すると、光硬化性樹脂の最内周(展延時の最内周に相当)は真円度が悪く(図6)、光硬化性樹脂の円周方向の厚みばらつきが大きかった。気泡も多数発生した。記録膜の成膜等を施し、フレキシブル光ディスクを作製して記録再生信号特性を評価したところ、光硬化性樹脂の厚みばらつきにより面振れが悪化していることでディスク全面でサーボが外れやすかった。また、気泡のある半径位置ではさらに面振れが悪化することでサーボが完全に発振し、良好な記録再生信号特性が得られなかった。
Claims (10)
- 微細凹凸形状のエリアを有し、2種類の材料(プラスチック基板、硬化性樹脂)から構成されている円盤状プラスチック媒体であって、前記プラスチック基板、硬化性樹脂、該微細凹凸形状のエリアそれぞれの最内周が同心円状に配置されていることを特徴とする円盤状プラスチック媒体。
- 前記プラスチック基板、硬化性樹脂、微細凹凸形状のエリアそれぞれの最内周の直径が、プラスチック基板<硬化性樹脂<微細凹凸形状のエリアの順であることを特徴とする請求項1に記載の円盤状プラスチック媒体。
- 前記硬化性樹脂最内周と同じ位置に硬化性樹脂展延拘束パターンが存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の円盤状プラスチック媒体。
- 微小凹凸形状のエリアを有し、2種類の材料(プラスチック基板、硬化性樹脂)から構成されている円盤状プラスチック媒体の製造方法であって、前記硬化性樹脂を型上に塗工し、その上にプラスチック基板を載置し、次に該硬化性樹脂を展延させる際に、硬化性樹脂展延拘束パターンにより該硬化性樹脂の内周方向への展延を拘束して、該該硬化性樹脂を展延する各段階を有することを特徴とする円盤状プラスチック媒体の製造方法。
- 前記硬化性樹脂の内周方向への展延が、硬化性樹脂展延拘束パターンにより拘束されたら、直ちに振り切ることを特徴とする請求項4に記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法。
- 前記硬化性樹脂を前記微細凹凸形状を有する型上に塗工する際、フランジャーポンプを利用して計量塗工することを特徴とする請求項4又は5に記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法。
- 前記硬化性樹脂を型上に塗工する際、型とディスペンサーニードルとの距離が0.1〜30mmであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法。
- 前記硬化性樹脂を型上に塗工後、外部から電圧を印可し、硬化性樹脂塗工液を分極させてからプラスチック基板を硬化性樹脂に接液させることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法。
- 前記円盤状プラスチック媒体の硬化性樹脂展延拘束パターンが、プラスチック基板ないし型にYAGレーザーにより形成されたものであることを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法。
- 前記円盤状プラスチック媒体の硬化性樹脂展延拘束パターンが、型の前記微小凹凸形状をリソグラフィーにより形成する際に、該微小凹凸形状のエリアよりも内周に同様に形成されることを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載の円盤状プラスチック媒体の製造方法。
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