以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.全体構成]
図1は、本実施形態のコンテンツ提供システム1の概略構成を表すブロック図である。本実施形態のコンテンツ提供システム1は、複合機10と、アプリケーションサーバ30と、集計サーバ40と、広告主サーバ50とを備える。このコンテンツ提供システム1において、複合機10及び各サーバ30,40,50は、広域ネットワークとしてのインターネット3に接続され、インターネット3を介して相互にデータ通信可能に構成されている。図1には、複合機10及び広告主サーバ50を、それぞれ一つのみ示すが、このコンテンツ提供システム1には、消費者(利用者)毎に、複合機10が設けられ、広告主毎に、広告主サーバ50が設けられていることとする。
また、本実施形態のコンテンツ提供システム1は、消費者が有する複合機10に、広告画像を印刷させて、広告主から消費者へ広告を提供する一方で、複合機10における広告画像の印刷に伴う消耗品の消費量を集計し、その消費分の金銭や消耗品等を広告主から消費者へ還元するといったビジネスモデルを構築するために好適な構成となっている。
すなわち、アプリケーションサーバ30は、広告画像を複合機10に印刷させるための印刷データ(以下、これを「広告印刷データ」と表現する)と、広告印刷データ以外の非広告用の印刷データ(以下、これを「一般印刷データ」と表現する)とを、コンテンツデータとして構成要素に含む出力データ、を有する。
そして、図2に示すように、複合機10は、消費者からの指示に従い、アプリケーションサーバ30が有する出力データの中から、消費者が必要とする出力データを指定して取得し、この出力データに基づく画像を用紙に形成(印刷)する。この印刷によって、用紙には、一般印刷データに基づく非広告画像(天気情報、ニュース、趣味の情報等を表す画像)と共に、広告画像が形成される。
また、複合機10は、広告画像の印刷に要した消耗品の量(消費量)を、消耗品毎(色材、用紙毎)に測定し、この測定結果を表す情報(後述する集計データ)を、集計サーバ40へ送信する構成にされている。そして、集計サーバ40は、複合機10から提供された上記測定結果を表す情報に基づき、各消耗品の消費量を集計すると共に、消費量に応じた金額(後述する消耗品ポイント)を算出して、この算出結果を表す情報を記憶部43に保存し、所定条件が満足されると、この算出結果を表す情報を、電子メールの形態で、広告主の端末装置に送信する構成にされている。
なお、出力データを構成する広告印刷データには、広告主の識別情報である広告主IDと、広告画像の識別情報である条件IDと、が付されており、複合機10は、異なる広告主ID又は条件IDが付された広告印刷データ毎に、広告画像の印刷に要した消耗品の量を測定し、この測定結果を表す情報を、広告主ID及び条件IDの情報、並びに、複合機10に付された消費者(複合機10)の識別情報としての消費者IDと共に、集計サーバ40に送信する。また、同種の情報を、広告主サーバ50へ送信する構成にされている。
また、アプリケーションサーバ30は、広告印刷データにて広告した商品の注文を受け付けるためのプログラムを有し、このプログラムを通じて商品の注文を消費者から受け付けると、消費者が注文する契機となった広告画像の条件IDと、注文した消費者に対応する消費者IDと、を記した条件満足通知データを、集計サーバ40及び広告主サーバ50に送信する。
また、集計サーバ40は、アプリケーションサーバ30から条件満足通知データを受けると、上記所定条件が満足されたとして、受信した条件満足通知データが示す条件IDに対応する上記算出結果を表す情報を、電子メールの形態で、広告主の端末装置に向けて送信する構成にされている。
このようなコンテンツ提供システム1の動作により、広告主は、複合機10における広告画像の印刷に伴う消耗品の消費量を把握することができ、その消費量に見合った金銭や消耗品等の還元を消費者に対して行うことができるのである。
なお、本実施形態のコンテンツ提供システム1では、条件IDが付された広告印刷データに関し、対応する広告画像に基づいた注文が消費者によって行われない限り、この広告画像の印刷に要した消耗品の量に対応する金額(上記算出結果)を、集計サーバ40から広告主へ通知しないが、この理由は、単に広告画像が印刷されただけでは消費者に対する還元を行わず、その広告画像に基づいた注文が消費者により行われて初めてその消費者に対する還元を行いたいという広告主のニーズにこたえるためである。
また、本実施形態のコンテンツ提供システム1では、集計サーバ40へ入力する情報と同様の情報を、広告主により管理されている広告主サーバ50へも入力するが、これは、集計サーバ40から送信されてくる集計データが正しいことを確認したいという広告主のニーズにこたえるためである。
[2.複合機及び各サーバの構成]
続いて、上記コンテンツ提供システム1を構成する各装置10,30,40,50の構成について説明する。
[2.1 複合機の構成]
複合機10は、画像を印刷する機能としてのプリンタ機能の他、電話(音声通信)機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等を有した多機能装置であり、図1に示すように、制御部11、通信部12、回線制御部13、操作部14、表示部15、読取部16、記録部17、音声出力部18、音声入力部19、及び、記憶部20を備える。
制御部11は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを中心に構成され、複合機10を構成する各部を統括制御する。一方、通信部12は、インターネット3を介してデータを送受信するための通信処理を行うものであり、回線制御部13は、公衆電話回線網(PSTN)を介した通信処理を行うものである。
また、操作部14は、利用者が操作可能な複数のキーを備え、キー操作による利用者からの指示を、制御部11に入力する。その他、表示部15は、制御部11からの指令に基づき、各種情報を利用者に対して表示する表示パネル(図5参照)を備える。
また、読取部(スキャナ)16は、制御部11からの指令に基づき、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサによって原稿の画像を読み取り、この画像を表す画像データを生成するものである。
また、記録部(プリンタ)17は、制御部11から入力される画素データ(ビットマップ形式の画像データ)に基づき、その画素データが表す画像を記録媒体としての用紙に印刷する構成にされている。具体的に、記録部17は、給紙部から給紙された用紙に、画素データが表す画像を印刷し、この用紙を排紙部へ排出するといった処理を行う。なお、この記録部17は、給紙部から給紙された用紙の種類(用紙種)を光学的に検出する用紙センサを備え、用紙センサは、用紙種として、用紙のサイズ(A4,B5等)及び品質(本実施形態では普通紙又は光沢紙の2種類)を検出する構成にされている。
その他、音声出力部18は、回線制御部13を通じて伝送されてきた音声データが表す音を、ハンドセット(受話器)に設けられたスピーカ又は複合機10本体に設けられたスピーカから出力するものであり、音声入力部19は、ハンドセットに設けられたマイクからの入力信号に基づいて、入力音声を表す音声データ(PCMデータ)を生成し、これを制御部11における電話機能を実現するタスクに提供する。
また、記憶部20は、不揮発性RAMを有し、この不揮発性RAMに各種データを記憶するものである。具体的に、記憶部20の記憶領域には、印刷時の画像処理において作業領域として用いられる印刷メモリ21(図9参照)と、広告画像の印刷に伴う消耗品の消費量を集計する処理において作業領域として用いられる集計データバッファ22と、が確保されている。
その他、記憶部20の記憶領域には、広告モードがオン/オフのいずれに設定されている状態であるかを示す広告モード情報23が記憶されている。ここでいう広告モードとは、広告画像の印刷を許可するか否かを切替えるための動作モードである。広告モードがオンに設定されている場合、複合機10は、記録部17による広告画像の印刷を許可し、広告モードがオフに設定されている場合、記録部17による広告画像の印刷を禁止する。
また、記憶部20の記憶領域には、複合機10の識別情報(換言すると、複合機10を所有する消費者の識別情報)である消費者ID24と、複合機10で使用される色材の種類(インクの種類)を表す情報である印刷タイプ25とが固定値として予め記憶されている。
[2.2 アプリケーションサーバの構成]
アプリケーションサーバ30は、上述した広告印刷データ及び一般印刷データを構成要素とする出力データ、を提供するサービスを行うものであり、制御部31、通信部32、及び、記憶部33を備える。
制御部31は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを中心に構成され、アプリケーションサーバ30を構成する各部を統括制御する。一方、通信部32は、インターネット3を介してデータを送受信するための通信処理を行うものであり、記憶部33は、ハードディスクに各種データを記憶する構成にされている。なお、この記憶部33には、複合機10に対して提供可能な複数の出力データを管理するためのデータベースである出力データベース(出力DB)34と、広告主サーバ50のURLを管理するためのテーブルである広告主テーブル35(図18参照)と、が設けられている。
次に、アプリケーションサーバ30が複合機10に対して提供する出力データの具体的構成について説明する。本実施形態のコンテンツ提供システム1において、アプリケーションサーバ30が提供する出力データは、図3(a)に示すようにマークアップ言語で記述されている。
具体的に、出力データは、出力データ開始タグ(<出力データ タイトル=”****”>)から出力データ終了タグ(</出力データ>)までを一単位とするデータであり、出力データ開始タグには、その出力データのタイトル(図3(a)の例では「旅情報」)が記述されている。
また、出力データは、出力データ開始/終了タグの間に、部分データの一群を有する。すなわち、本実施形態では、部分データの一群にて、印刷用画像(印刷対象の画像)が表され、各部分データは、印刷用画像を構成する部分画像を表す。具体的に、図3(a)に示す出力データは、図3(b)に示す画像を表すものであり、左上の広告画像(ハワイ旅行情報)に対応する部分データD1と、中央の画像に対応する部分データD2と、右下の広告画像(○○不動産)に対応する部分データD3と、から構成されている。
各部分データD1,D2,D3は、部分データ開始タグ(<部分データ 種類=”**” 座標x=・・・>)から部分データ終了タグ(</部分データ>)までを一単位とするデータであり、上記部分画像を表す印刷データ(一般印刷データ又は広告印刷データ)の他、この印刷データに関する各種情報を有する。
具体的に、部分データは、部分データ開始タグに、印刷データが表す画像の種類、画像左上頂点の座標、画像の横幅及び縦長(高さ)が記述された構成にされている。なお、本実施形態において、部分データは、広告データ、及び、一般データ(非広告データ)のいずれかに分類されており、部分データ開始タグに記述されている画像の種類は、部分データが、一般データ及び広告データのいずれに分類されたものであるのかを表すものである。
画像の種類が「一般」と記述された部分データは、一般データであり、この部分データには、一般印刷データが記述されている。また、画像の種類が「広告」と記述された部分データは、広告データであり、この部分データには、広告印刷データが記述されている。なお、図3(b)の例では、中央の画像に対応する部分データD2が、一般データであり、左上の画像及び右下の画像に対応する各部分データD1,D3が、広告データである。
また、広告データ(画像の種類が「広告」である部分データ)には、上記印刷データに関する各種情報として、広告主ID、広告主URL及び条件IDが記述されている。具体的に、広告主IDは、印刷データが表す広告画像の提供元である広告主の識別情報であり、この広告主IDは、広告データにおいて、広告主ID開始タグ(<広告主ID>)と広告主ID終了タグ(</広告主ID>)との間に記述されている。
なお、図3(a)(b)に示す例では、1つの印刷用画像に異なる広告主の広告画像が含まれ、部分データD1に対応する広告主IDとして、値「KID1」が記述され、部分データD3に対応する広告主IDとして、値「KID2」が記述されていることになる。
また、広告主URLは、広告画像の提供元である広告主により管理されている広告主サーバ50のURLであり、この広告主URLは、広告データにおいて、広告主URL開始タグ(<広告主URL>)と広告主URL終了タグ(</広告主URL>)との間に記述される。なお、広告主URLは、広告主が、集計サーバ40を経由しないルートにて、複合機10から直接、広告画像の印刷に要した消耗品の量(消費量)を表す情報を受信することを希望している場合にのみ、対応する広告データに記述される。具体的には、広告主が、アプリケーションサーバ30の広告主テーブル35にURLを登録している場合にのみ、対応する広告データに記述される。
換言すると、広告主が、集計サーバ40を経由しないルートにて、複合機10から直接、広告画像の印刷に要した消耗品の量(消費量)を受信することを希望していない場合には(広告主が、アプリケーションサーバ30の広告主テーブル35にURLを登録していない場合には)、部分データD3に示すように、広告データにおいて広告主URLが記述されないことになる。
その他、条件IDは、広告画像の識別情報であり、広告データにおいて、条件ID開始タグ(<条件ID>)と条件ID終了タグ(</条件ID>)との間に記述されている。この条件IDは、上述したように、消耗品の消費量に関する算出結果の広告主への通知条件を制御するためのものであり、広告主が、この制御を希望している広告データにのみ、記述されている。換言すると、広告主が、上記通知条件の制御を希望していない場合には、部分データD3に示すように、広告データにおいて条件IDは、記述されない。なお、図3(a)では例示されていないが、部分データとしては、広告主URLは記述されているが条件IDが記述されていないものや、広告主URLは記述されていないが条件IDが記述されているものも存在し得る。
また、印刷データは、部分データにおいて、印刷データ開始タグ(<印刷データ タイプ=”***”>)と印刷データ終了タグ(</印刷データ>)との間に記述されている。具体的に、本実施形態では、この印刷データ開始/終了タグの間に、印刷データ本体、又は、印刷データの取得先を表すURLが記述されている。
なお、この印刷データ開始/終了タグの間に、印刷データ本体が記述される場合には、印刷データ開始タグに、印刷データのタイプ(上記「***」)として、値「データ」が記述され、上記印刷データ開始/終了タグの間に、印刷データの取得先を表すURLが記述される場合には、印刷データ開始タグに印刷データのタイプとして、値「URL」が記述される。
また、本実施形態では、印刷データとして、ページ記述言語(PDL)で記述された画像データ、HTML等のマークアップ言語で記述された画像データ、圧縮処理によって圧縮された状態の画像データ等、印刷する場合に画素データへの変換が必要となるデータが用いられる。なお、このような構成の出力データは、当該アプリケーションサーバ30の運営者により、事務的に作成され、出力データベース34に登録される。
本実施形態のコンテンツ提供システム1では、このような構成の出力データ(図3(a))がアプリケーションサーバ30から複合機10へ提供されることにより、複合機10にて、出力データの印刷処理が行われ、出力データが表す印刷用画像(図3(b))が、用紙に対し形成される。
また、本実施形態のコンテンツ提供システム1は、広告画像に基づいた注文を、利用者が複合機10を用いて行うことができるように構成されている。すなわち、広告印刷データは、印刷後の広告画像において、申込みフォームの取得先を表すURLを描写する構成にされ、申込みフォームは、条件ID及び広告主IDの情報を有した構成にされている。また、アプリケーションサーバ30は、申込みフォームを表す一般印刷データを有する出力データであって、広告印刷データを有しない上記出力データを、出力データベース34に保持した構成にされている。
例えば、図3(b)に示す左上の広告画像は、ハワイ旅行の広告であり、この広告画像には、図3(c)に示す申込みフォームを表す出力データの取得先URLが記載されている。図3(c)は、このURLに対応する装置(アプリケーションサーバ30)に、このURLに基づいたクエリを送信すると、クエリ送信先の装置(アプリケーションサーバ30)から返信されてくるデータが表す印刷用画像である。この印刷用画像には、中央にハワイ旅行申込みフォームとして、プラン名、住所、氏名、人数及び出発日を手書きで記入するための記入欄が設けられている。
また、印刷用画像の右上には、対応する広告画像の条件IDが記載され、左下には、この申込みフォームの送付先を表すURLとしての送付先URLと、この広告画像の提供元である広告主の広告主IDとが記載されている。そして、複合機10の利用者は、図3(c)に示す印刷用画像を表す出力データを複合機10に印刷処理させ、印刷原稿の記入欄に必要事項を記入した上、複合機10の読取部16に原稿の画像を読み取らせ、この読取結果を表す画像データを、送付先URLへ送信することで、ハワイ旅行の申込みを行うことができる。
なお、送付先URLは、アプリケーションサーバ30を宛先とするURLであり、アプリケーションサーバ30は、上記送付先URLへのアクセスがあると、申込み(商品の注文)を受け付けるためのプログラムを起動して、この申込みを受け付ける(詳細後述)。
[2.3 集計サーバの構成]
その他、集計サーバ40は、複合機10における広告画像の印刷に伴う消耗品の消費量を集計して管理するサービスを行うものであり、制御部41、通信部42、及び、記憶部43を備える。
制御部41は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを中心に構成され、集計サーバ40を構成する各部を統括制御する。一方、通信部42は、インターネット3を介してデータを送受信するための通信処理を行うものであり、記憶部43は、ハードディスクに各種データを記憶するものである。
この記憶部43には、広告主IDが割り当てられた各広告主の電子メールアドレスを表すメールアドレステーブル44(図26参照)と、消耗品の消費量の集計結果を管理するためのテーブルである集計テーブル45(図22参照)と、色材毎のポイント数(1画素分の色材の量に相当する金額を表す値)を表すテーブルである第1係数テーブル46(図23参照)と、用紙種毎のポイント数(用紙1枚に相当する金額を表す値)を表すテーブルである第2係数テーブル47(図24参照)と、が記憶されている。
[2.4 広告主サーバの構成]
また、広告主サーバ50は、広告主によって管理されるものであり、制御部51、通信部52、及び、記憶部53を備える。
制御部51は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを中心に構成され、広告主サーバ50を構成する各部を統括制御する。また、通信部52は、インターネット3を介してデータを送受信するための通信処理を行うものであり、記憶部53は、ハードディスクに各種データを記憶する構成にされている。具体的に、記憶部53の記憶領域には、集計サーバ40と同様、消耗品の消費量の集計結果を管理するためのテーブルである集計テーブル54が設けられている。
[3.処理の説明]
次に、複合機10、アプリケーションサーバ30、集計サーバ40、及び、広告主サーバ50の各制御部11,31,41,51により実行される処理について説明する。
[3.1 複合機処理]
まず、複合機10の制御部11が実行する複合機処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、この複合機処理は、複合機10の電源がオンにされると、開始される。
複合機処理を開始すると、制御部11は、S101で、外部からコマンド(指令)が入力されるまで待機する。外部から入力されるコマンドとしては、操作部14でのキー操作により利用者から入力されるコマンドや、当該複合機10と通信可能に構成された図示しないパーソナルコンピュータから入力されるコマンドなどが挙げられる。
コマンドが入力されると、制御部11は、S102へ移行し、入力されたコマンドが配信印刷コマンドであるか否かを判定する。配信印刷コマンドとは、利用者が指定する出力データをアプリケーションサーバ30から取得し、この出力データに基づき画像印刷を行う処理(配信印刷)を、複合機10に実行させるためのコマンドである。このコマンドは、操作部14でのキー操作により利用者から入力される。
S102において、上記入力されたコマンドが配信印刷コマンドであると判定すると、制御部11は、S103へ移行し、配信情報取得処理(図6参照)を実行する。なお、配信情報取得処理の具体的内容については後述するが、この配信情報取得処理では、利用者が指定する出力データをアプリケーションサーバ30から取得する処理を行う。
S103で配信情報取得処理を終えると、制御部11は、S104に移行し、配信情報取得処理の処理結果がエラーであるか否かを判定する。すなわち、配信情報取得処理において、アプリケーションサーバ30から出力データを正常に取得できなかったか否かを判定する。
そして、配信情報取得処理の処理結果がエラーでない(出力データを正常に取得できた)と判定すると(S104でNo)、制御部11は、S105へ移行し、印刷集計処理(図7参照)を実行する。なお、印刷集計処理の具体的内容については後述するが、この印刷集計処理では、配信情報取得処理により取得した出力データに基づく画像印刷、及び、広告画像の印刷に伴う消耗品の消費量の集計を行う。また、S105での印刷集計処理を終了すると、制御部11は、S101に移行し、次のコマンドが入力されるまで待機する。
一方、配信情報取得処理の処理結果がエラーである(出力データを正常に取得できなかった)と判定すると(S104でYes)、制御部11は、S106へ移行し、エラーが発生した旨のメッセージを、表示部15の表示パネルに表示させる。その後、S101へ移行する。
また、S102にて、入力されたコマンドが配信印刷コマンドでないと判定すると、制御部11は、S107へ移行し、S101で入力されたコマンドが原稿送信コマンドであるか否かを判定する。なお、原稿送信コマンドは、商品の注文を行うための原稿(申込みフォーム)を、読取部16に読み取らせ、その内容をアプリケーションサーバ30へ送信する処理(原稿送信)を、複合機10に実行させるためのコマンドである。このコマンドは、操作部14でのキー操作により利用者から入力される。
S107において、入力されたコマンドが原稿送信コマンドであると判定すると、制御部11は、S108へ移行し、注文処理(図15参照)を実行する。なお、注文処理の具体的内容については後述するが、この注文処理では、読取部16にセットされた原稿を読み取り、その内容をアプリケーションサーバ30へ送信する処理を行う。このS108での注文処理を終了すると、制御部11は、S101に移行する。
その他、S101で入力されたコマンドが原稿送信コマンドでないと判定すると(S107でNo)、制御部11は、S109に移行し、S101で入力されたコマンドが広告モード切替コマンドであるか否かを判定する。広告モード切替コマンドとは、広告モードのオン/オフを指示するコマンドであり、操作部14でのキー操作により利用者から入力される。
そして、S101で入力されたコマンドが広告モード切替コマンドであると判定すると(S109でYes)、制御部11は、S110へ移行し、広告モードのオン/オフを切り替える。すなわち、広告モードがオンに設定されている状態であれば、広告モードをオフに切替え、逆に、広告モードがオフに設定されている状態であれば、広告モードをオンに切替える。具体的には、記憶部20の広告モード情報23を書き換える処理を行う。また、この処理を終えると、S101へ移行する。なお、複合機10は、上述した配信印刷や後述する再印刷において、広告モードがオフに設定されている状態では、広告画像を除いた印刷を行い、広告モードがオンに設定されている状態では、広告画像を含んだ印刷を行うように構成されている。
その他、S109にて、入力されたコマンドが広告モード切替コマンドでないと判定すると、制御部11は、S111へ移行し、S101で入力されたコマンドが再印刷コマンドであるか否かを判定する。ここで、再印刷コマンドとは、配信印刷コマンドに応じて複合機10がアプリケーションサーバ30から取得し画像印刷を行った出力データについて、その出力データに基づく画像の再印刷を、複合機10に実行させるためのコマンドである。このコマンドは、操作部14でのキー操作により利用者から入力される。
そして、S101で入力されたコマンドが再印刷コマンドであると判定すると(S111でYes)、制御部11は、S112へ移行し、利用者からの指示に従って、再印刷の対象とする出力データを選択する。なお、複合機10は、後述するように、配信印刷コマンドに応じて画像印刷を行った出力データについて、利用者が希望するものを記憶部20に保存する(S516,S517)構成にされている。
すなわち、S112では、この処理によって記憶部20に保存された出力データの中から再印刷を行う出力データを利用者に指定させる。具体的には、図5に示すように、保存されている各出力データのタイトル(この例では、「旅情報」、「グルメ情報」、「2005/08/01ニュース」)を、表示部15の表示パネルに表示させ、キー操作により、出力データの選択操作及び決定操作を利用者に行わせる。
また、S112での処理を終えると、制御部11は、S113に移行して、S105と同様に印刷集計処理(図7参照)を実行し、S112で選択した出力データに基づく画像印刷、及び、広告画像の印刷に伴う消耗品の消費量の集計を行う。その後、S101に移行する。
一方、S101で入力されたコマンドが再印刷コマンドでないと判定すると(S111でNo)、制御部11は、S114へ移行し、入力されたコマンドに応じたその他の処理を行う。その後、S101に移行する。
[3.2 配信情報取得処理]
次に、複合機処理(図4)におけるS103で実行される配信情報取得処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
配信情報取得処理を開始すると、制御部11は、まずS201にて、利用者が印刷を希望している出力データに対応するURLを、利用者に指定させる。具体的には、URL入力画面を表示部15の表示パネルに表示させて、利用者による操作部14を通じたURLの入力操作を受け付け、この入力操作により入力されたURLを、利用者から指定されたURLとして取り扱う。また、別の方法としては、記憶部20に登録されたURLのリストを表示部15の表示パネルに表示させて、リストの中から、希望しているURLを、利用者に指定させる。
S201にて、利用者からURLが指定されると、制御部11は、S202に移行し、利用者から指定されたURLに対応する装置に、URLに基づいたクエリを送信することで、利用者から指定されたURLに対応する出力データを、対応する装置(本実施形態では、アプリケーションサーバ30)に要求する。また、この処理を終えると、S203に移行し、S202でのデータ要求(クエリ送信)に対して返信されてくる出力データを受信する。その後、当該配信情報取得処理を終了する。
[3.3 印刷集計処理]
次に、複合機処理(図4)におけるS105及びS113で実行される印刷集計処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
印刷集計処理を開始すると、制御部11は、記憶部20の印刷メモリ21をクリアし(S301)、続くS302にて、処理対象の出力データのタイトルを記憶部20の印刷メモリ21に書き込む(図9参照)。なお、ここでいう処理対象の出力データとは、S103でアプリケーションサーバ30から受信した出力データ、又は、S112で選択された出力データのことである。
S302での処理を終えると、制御部11は、記憶部20の集計データバッファ22をクリアし(S303)、S304に移行する。また、S304に移行すると、処理対象の出力データから、S305の処理について未処理の部分データを1つ読み出す。
また、この処理を終えると、制御部11は、S305に移行し、S304で読み出した部分データに記述されている印刷データを、画素データに変換するための処理である印刷画素生成処理(図8参照)を実行する。なお、印刷画素生成処理の具体的内容については後述する。
また、S305での印刷画素生成処理を終了すると、制御部11は、S306に移行し、処理対象の出力データに含まれるすべての部分データについて印刷画素生成処理を実行したか否かを判定する。そして、処理対象の出力データに含まれるすべての部分データについて印刷画素生成処理を実行していないと判定すると(S306でNo)、S304へ移行する。そして、未処理の部分データを、処理対象の出力データから1つ読み出して、S305の処理を行う。
一方、S306で、処理対象の出力データに含まれるすべての部分データについて印刷画素生成処理を実行したと判定すると、制御部11は、S307へ移行し、印刷制御処理(図10参照)を実行する。なお、印刷制御処理の具体的内容については後述するが、この印刷制御処理では、画素データが表す画像の印刷、及び、広告画像の印刷に伴う消耗品の消費量を集計した集計データを生成する。
また、S307での処理を終えると、制御部11は、S308に移行し、S307での印刷制御処理において集計データ(ただし、後述するダミーの集計データは除く)が生成されたか否かを判定する。すなわち、広告画像の印刷が行われたかを判定する。そして、集計データが生成されたと判定すると(S308でYes)、集計データを集計サーバ40へ送信するための処理である集計データ送信処理を実行する(S309)。そして、この処理を終えると、当該印刷集計処理を終了する。なお、集計データ送信処理の具体的内容については後述する(図14参照)。
一方、S308で、集計データが生成されていないと判定すると、制御部11は、S309での処理を実行することなく、当該印刷集計処理を終了する。すなわち、広告モードがオフに設定されている場合や、出力データが表す印刷用画像に広告画像が含まれていない場合や、広告画像が印刷される前に印刷が停止された場合には、広告画像の印刷が行われていないので、集計データ送信処理を行わないようにする。
[3.4 印刷画素生成処理]
次に、印刷集計処理(図7)におけるS305で実行される印刷画素生成処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。
印刷画素生成処理を開始すると、制御部11は、まずS401で、処理対象の部分データ(S304で読み出された部分データ)について、印刷データのタイプが「URL」であるか否かを判定する。具体的には、部分データにおける印刷データ開始タグ(<印刷データ タイプ=”***”>)に記述されている印刷データのタイプ(上記「***」)が「URL」であるか否かを判定する。
そして、印刷データのタイプが「URL」であると判定すると(S401でYes)、S402へ移行し、印刷データ開始タグ(<印刷データ タイプ=”URL”>)と印刷データ終了タグ(</印刷データ>)との間に記述されているURLに基づいて、このURL先にある印刷データを、インターネット3を介して取得する。その後、S404へ移行する。
一方、S401で、印刷データのタイプが「URL」でない(「データ」である)と判定すると、制御部11は、S403へ移行し、印刷データ開始タグと印刷データ終了タグとの間に記述されている印刷データを読み出す。その後、S404へ移行する。
また、S404に移行すると、制御部11は、処理対象の部分データについて、画像の種類が「広告」であるか否かを判定する。具体的には、部分データ開始タグ(<部分データ 種類=”**” 座標x=・・・>)に記述されている画像の種類(上記「**」)が「広告」であるか否かを判定する。
そして、画像の種類が「広告」でない(「一般」である)と判定すると(S404でNo)、S405へ移行し、S404で判定した画像の種類(この場合、「一般」)を記憶部20の印刷メモリ21に書き込む(図9参照)。続いて、S406では、広告主ID、広告主URL、及び、条件IDとして、NULL文字を、記憶部20の印刷メモリ21に書き込む(図9参照)。その後、S410へ移行する。
一方、S404で、画像の種類が「広告」であると判定すると、制御部11は、S407へ移行し、広告モードがオンに設定されているか否かを判定する。具体的には、記憶部20の広告モード情報23を参照し、広告モードがオンに設定されている状態を示しているか否かを判定する。
そして、広告モードがオンに設定されていると判定すると(S407でYes)、S408へ移行し、S404で判定した画像の種類(この場合、「広告」)を記憶部20の印刷メモリ21に書き込む(図9参照)。続いて、S409では、部分データに記述されている広告主ID、広告主URL、及び、条件IDを、記憶部20の印刷メモリ21に書き込む(図9参照)。その後、S410へ移行する。なお、広告主URL及び条件IDについては、部分データに記述されていない場合、S409にて、印刷メモリ21に、NULL文字を書き込む。
また、S410では、部分データに記述されている座標(座標x、座標y)、横幅及び縦長を、記憶部20の印刷メモリ21に書き込む(図9参照)。その後、S411に移行し、S410で印刷メモリ21に書き込んだ座標、横幅及び縦長に基づき、S402又はS403で取得した(読み出した)印刷データを、画素データに変換(展開)する。そして、変換後の画素データを、その画素データサイズ(すなわち、画素データの縦・横の画素数)と共に、印刷メモリ21に書き込む(図9参照)。その後、当該印刷画素生成処理を終了する。
一方、S407で、広告モードがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判定すると、制御部11は、S408〜S411の処理を実行することなく、当該印刷画素生成処理を終了する。なお、この場合には、広告画像を表す画素データが生成されないこととなる。従って、この印刷画素生成処理にて印刷メモリ21に書き込まれた内容に基づいて印刷を行った場合には、用紙に、広告画像を除いた残りの画像(一般画像)のみが印刷されることとなる。例えば、図3(a)に示す出力データの場合には、図3(b)に示す印刷用画像から左上の広告画像と右下の広告画像とを除いた残りの画像のみが印刷されることになる。
このような印刷画素生成処理が、上述した印刷集計処理(図7)において、出力データに含まれるすべての部分データについて行われることにより(S304〜S306)、記憶部20の印刷メモリ21には、図9に示すように、出力データのタイトルと、その出力データを構成する部分データのうち画像の印刷が行われるものについての画素データ及び各種情報とが記憶される。
[3.5 印刷制御処理]
次に、印刷集計処理(図7)におけるS307で実行される印刷制御処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
印刷制御処理を開始すると、制御部11は、まずS501で、印刷用紙の枚数をカウントするためのページカウンタを0にセットする。また、この処理を終えると、S502に移行し、上述した給紙部を駆動して、給紙処理を行うと共に、記録部17の用紙センサで検出した用紙種(画像を印刷する用紙の用紙種)を、記憶部20の用紙バッファ(図示せず)に記憶する。また、S502での処理を終えると、印刷を中止させるための指令である停止指令が入力されたか否かを判定する(S503)。なお、停止指令は、例えば、操作部14での所定のキー操作により利用者から入力される。
そして、停止指令が入力されていないと判定すると(S503でNo)、S504へ移行し、記憶部20の印刷メモリ21に記憶されている画素データのうち印刷処理がまだ行われていない画素データを1つ選択し、その画素データサイズ及び画素データを読み出す。また、この処理を終えると、S505に移行し、S504で読み出した画素データが表す画像を印刷する。ただし、画像が、用紙内の印刷領域に収まらない場合には、用紙に印刷可能な部分のみを印刷する。
また、S505での処理を終えると、制御部11は、S505で印刷した画像の種類を、記憶部20の印刷メモリ21から読み出し(S506)、読み出した画像の種類が「広告」であるか否かを判定する(S507)。そして、画像の種類が「広告」であると判定すると(S507でYes)、S508へ移行し、集計処理(図12参照)を実行する。なお、集計処理の具体的内容については後述するが、この集計処理では、広告画像の印刷に伴う消耗品の消費量を、用紙(ページ)単位で集計した集計データを生成し、これを集計データバッファ22に記憶させる。また、この処理を終えると、S510に移行する。
一方、S507で、画像の種類が「広告」でない(「一般」である)と判定すると、制御部11は、S509へ移行し、広告画像以外の画像(一般画像)を印刷したことを示すダミーの集計データを生成し、これを集計データバッファ22に記憶させた後、S510へ移行する。なお、ここでは、ダミーの集計データとして、図11に示すように、集計データ開始タグ(<集計データ タイプ=”ダミー”>)から集計データ終了タグ(</集計データ>)までを一単位とするデータであって、集計データのタイプとして「ダミー」と記述され、かつ、ページ番号として、ページカウンタの値が記述されたものが生成される。
また、S510に移行すると、制御部11は、改ページをすべきか否かを判定する。具体的には、S505で印刷した画像が用紙内の印刷領域に収まらなかった場合や、印刷画像が用紙内の印刷領域にちょうど収まった場合(印刷領域が余らなかった場合)に、改ページをすべきであると判定する。そして、改ページをすべきであると判定すると(S510でYes)、S511へ移行し、ページカウンタをカウントアップする。
また、S511での処理を終えると、制御部11は、S512に移行し、給紙部及び排紙部を駆動して、給紙処理、及び、印刷済み用紙の排紙処理を実行すると共に、新規に給紙された用紙について、記録部17の用紙センサで検出された用紙種(画像を印刷する用紙の用紙種)を、記憶部20の用紙バッファに記憶する。その後、S513に移行する。
また、S513に移行すると、制御部11は、直前のS504で読み出した画素データについての画像印刷が途中であるか否かを判定する。すなわち、S505で印刷した画像が用紙内の印刷領域に収まらなかったものであるか否かを判定する。
そして、直前のS504で読み出した画素データについての画像印刷が途中であると判定した場合には(S513でYes)、S505に移行し、S504で読み出した画素データについての画像印刷を上記途中から再開する。
一方、S513で、画像印刷が途中ではないと判定すると(S505で印刷した画像が用紙内の印刷領域にちょうど収まった場合)、制御部11は、S514へ移行する。また、S510で、改ページをすべきでないと判定した場合にも、S514へ移行する。
また、S514に移行すると、制御部11は、記憶部20の印刷メモリ21に記憶されているすべての画素データについての印刷処理が完了したか否かを判定し、すべての画素データについての印刷処理が完了していないと判定した場合には(S514でNo)、S503に移行する。
一方、S514で、すべての画素データについての印刷が完了したと判定すると、制御部11は、S515へ移行し、出力データの保存が必要であるか否かを利用者に問い合わせる。具体的には、出力データの保存を行うか否かを問い合わせるメッセージを表示部15の表示パネルに表示させる。また、この処理を終えると、制御部11は、S515での問い合わせに対して操作部14でのキー操作により利用者から入力される指示に基づき、出力データの保存が必要であるか否かを判定する(S516)。
そして、出力データの保存が必要であると判定すると(S516でYes)、S517にて、出力データを記憶部20に保存する(一時的な記憶領域とは異なる領域に記憶させる)。その後、当該印刷制御処理を終了する。
一方、S516で、出力データの保存が必要でないと判定すると、制御部11は、S517での処理を実行することなく、当該印刷制御処理を終了する。
このように、印刷制御処理では、記憶部20の印刷メモリ21に記憶された画素データ及び各種情報に基づき、画像の印刷が行われるとともに、広告画像についての集計処理が行われる。特に、この印刷制御処理では、画素データ単位で集計処理(S508)が実行されるため、印刷が途中で中止された場合にも、印刷された画像については集計が行われ、印刷されていない画像については集計が行われないようにすることができる。
[3.6 集計処理]
次に、印刷制御処理(図10)におけるS508で実行される集計処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
集計処理を開始すると、制御部11は、印刷に供された画素データを解析して、直前のS505にて用紙に印刷された画素の数を、色別(本実施形態ではシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)毎)に集計すると共に(S601)、用紙バッファに記憶された用紙種を読み出す(S602)。
そして、直前のS505にて用紙に印刷された画素(広告画像)を表す画素データ、に対応付けられて印刷メモリ21に記憶された広告主ID、広告主URL、及び、条件IDと、同一の広告主ID、広告主URL、及び、条件IDを示す集計データであって、ページカウンタが示す値と同一のページ番号、及び、記憶部20が記憶する印刷タイプと同一の印刷タイプ、及び、用紙バッファに記憶された用紙種と同一の用紙種を示す集計データを、集計データバッファ22内で検索する(S603)。
なお、図13(a)(b)は、集計データバッファ22に記憶されている集計データの構成を表す図である。本実施形態において、集計データは、マークアップ言語で記述されており、集計データ開始タグ(<集計データ>)から集計データ終了タグ(</集計データ>)までを一単位とするデータとして構成されている。
この集計データは、集計データ開始/終了タグの間に、ページ番号と、消費者IDと、広告主IDと、広告主URLと、条件IDと、用紙種と、用紙の消費量と、印刷タイプと、色材毎(本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)毎)の消費量と、が記述された構成にされている。
詳述すると、集計データに記述されるページ番号は、広告画像が印刷された用紙のページ番号を表すものであり、このページ番号は、集計データにおいて、ページ番号開始タグ(<ページ番号>)からページ番号終了タグ(</ページ番号>)の間に記述されている。
また、集計データに記述される消費者IDは、この集計データを生成した複合機10に割り当てられた(記憶された)消費者IDを表すものであり、この消費者IDは、集計データにおいて、消費者ID開始タグ(<消費者ID>)から消費者ID終了タグ(</消費者ID>)の間に記述されている。
その他、集計データに記述される広告主IDは、広告画像の提供元広告主の広告主IDを表すものであり、この広告主IDは、集計データにおいて、広告主ID開始タグ(<広告主ID>)から広告主ID終了タグ(</広告主ID>)の間に記述されている。
また、集計データに記述される広告主URLは、広告画像に対応する広告主URLを表すものであり、この広告主URLは、集計データにおいて、広告主URL開始タグ(<広告主URL>)から広告主URL終了タグ(</広告主URL>)の間に記述されている。なお、広告画像を表す広告データには、上述したように、広告主URLが記述されていない場合があるので、このような広告データに対応する広告画像についての集計データには、例外的に、広告主URLが、記述されない(図13(b)参照)。
また、集計データに記述される条件IDは、広告画像に割り当てられた条件IDを表すものであり、この条件IDは、集計データにおいて、条件ID開始タグ(<条件ID>)から条件ID終了タグ(</条件ID>)の間に記述されている。なお、広告画像を表す広告データには、条件IDが記述されていない場合があるので、このような広告データに対応する広告画像についての集計データには、例外的に、条件IDが記述されない(図13(b)参照)。
その他、集計データに記述される用紙種は、広告画像が印刷された用紙の種類を表すものであり、この用紙種は、集計データにおいて、用紙種開始タグ(<用紙種>)から用紙種終了タグ(</用紙種>)の間に記述されている。
また、集計データに記述される用紙の消費量は、広告画像の印刷に用いられた用紙の消費量、すなわち、用紙における広告画像の占有率を、用紙における印刷領域の全面積を基準として、枚数の単位で表したものであり、この用紙の消費量は、集計データにおいて、枚数開始タグ(<枚数>)から枚数終了タグ(</枚数>)の間に記述されている。なお、集計データに記述される用紙の消費量は、整数ではなく実数で記述されることに注意されたい。
また、集計データに記述される各色材の消費量は、広告画像の印刷に用いられた色材の量を、画素の単位(すなわち、画素数)で表したものであり、シアンの色材の消費量は、集計データにおいて、シアン開始タグ(<C>)からシアン終了タグ(</C>)の間に記述され、マゼンタの色材の消費量は、マゼンタ開始タグ(<M>)からマゼンタ終了タグ(</M>)の間に記述され、イエローの色材の消費量は、イエロー開始タグ(<Y>)からイエロー終了タグ(</Y>)の間に記述され、ブラックの色材の消費量は、ブラック開始タグ(<K>)からブラック終了タグ(</K>)の間に記述されている。
S603で、上述の検索処理を終了すると、制御部11は、S604に移行し、この検索処理にて、該当する集計データ(検索対象の集計データ)が集計データバッファ22内で発見されたか否かを判定する。そして、発見されなかったと判定すると(S604でNo)、S605に移行し、集計データ開始タグ及び集計データ終了タグを記述した集計データを新規に生成し、これを集計データバッファ22に記憶させる。
また、この処理を終えると、制御部11は、上記集計データの形式に適合するようにして、新規生成した集計データにおける集計データ開始/終了タグの間に、ページカウンタが示す値を、ページ番号として、ページ番号開始/終了タグと共に書き込む。また、記憶部20が記憶する消費者IDを、新規生成した集計データにおける集計データ開始/終了タグの間に、消費者ID開始/終了タグと共に書き込み、記憶部20が記憶する印刷タイプを、印刷タイプ開始/終了タグと共に書き込む。
また、このようにしてS605での処理を終えると、制御部11は、S606に移行し、直前のS505にて用紙に印刷された広告画像を表す画素データ、に対応付けられて印刷メモリ21に記憶された広告主ID、広告主URL、及び、条件IDを、この印刷メモリ21から読み出す。
そして、新規生成した集計データにおける集計データ開始/終了タグの間に、読み出した広告主IDを、広告主ID開始/終了タグと共に書き込む。また、読み出した広告主URLがNULL文字でなければ、新規生成した集計データにおける集計データ開始/終了タグの間に、読み出した広告主URLを、広告主URL開始/終了タグと共に書き込む。その他、読み出した条件IDがNULL文字でなければ、新規生成した集計データにおける集計データ開始/終了タグの間に、読み出した条件IDを、条件ID開始/終了タグと共に書き込む。
また、このようにしてS606での処理を終えると、制御部11は、S607に移行し、用紙バッファに記憶された用紙種を読み出し、新規生成した集計データにおける集計データ開始/終了タグの間に、読み出した用紙種を用紙種開始/終了タグと共に書き込む。
また、このようにしてS607での処理を終えると、制御部11は、S608に移行し、S601で集計した各色の画素数を、対応する色材の消費量として、対応するタグと共に、新規生成した集計データにおける集計データ開始/終了タグの間に、書き込む。
すなわち、印刷されたシアンの画素数を、シアン開始/終了タグと共に、新規生成した集計データに書き込み、印刷されたマゼンタの画素数を、マゼンタ開始/終了タグと共に、新規生成した集計データに書き込み、印刷されたイエローの画素数を、イエロー開始/終了タグと共に、新規生成した集計データに書き込み、印刷されたブラックの画素数を、ブラック開始/終了タグと共に、新規生成した集計データに書き込む。
また、このようにしてS608での処理を終えると、制御部11は、S609に移行して、直前のS505で印刷した広告画像に関し、この広告画像が印刷された用紙の印刷領域の面積R0を基準とし、用紙に形成された広告画像の占有率Rを、算出する。すなわち、用紙に形成された画素群からなる広告画像の面積が値R1である場合には、上記占有率として、R=R1÷R0を算出する。そして、算出した占有率Rを、用紙の消費量として、新規生成した集計データにおける集計データ開始/終了タグの間に、枚数開始/終了タグと共に書き込む。そして、このS609での処理を終えると、当該集計処理を終了する。
一方、制御部11は、S604にて、該当する集計データ(検索対象の集計データ)が集計データバッファ22内で発見されたと判定すると、S610に移行し、発見された集計データ(検索対象の集計データ)から、各色材の消費量を読み出す。そして、読み出した各色材の消費量(画素数)に、S601で集計した各色の画素数を加算して、この加算結果を、各色材の消費量として、上記発見された集計データに上書きする。
すなわち、検索の結果発見された上記集計データから読み出したシアンの色材の消費量に、S601で集計したシアンの画素数を加えて、この加算結果を、検索の結果発見された上記集計データ内のシアン開始/終了タグの間に上書きすることで、この集計データが示すシアンの色材の消費量を更新する。
また、上記集計データから読み出したマゼンタの色材の消費量に、S601で集計したマゼンタの画素数を加えて、この加算結果を、読出元の集計データ内のマゼンタ開始/終了タグの間に上書きすることで、この集計データが示すマゼンタの色材の消費量を更新する。
その他、上記集計データから読み出したイエローの色材の消費量に、S601で集計したイエローの画素数を加えて、この加算結果を、読出元の集計データ内のイエロー開始/終了タグの間に上書きすることで、この集計データが示すイエローの色材の消費量を更新する。また、上記集計データから読み出したブラックの色材の消費量に、S601で集計したブラックの画素数を加えて、この加算結果を、読出元の集計データ内のブラック開始/終了タグの間に上書きすることで、この集計データが示すブラック色の色材の消費量を更新する。
また、このようにしてS610での処理を終えると、制御部11は、S611に移行して、S609での処理と同様に、直前のS505で印刷した広告画像に関し、この広告画像が印刷された用紙の印刷領域の面積R0を基準として、用紙に形成された広告画像の占有率Rを、算出する。
また、検索の結果発見された上記集計データから、用紙の消費量を読み出し、読み出した用紙の消費量に、上記算出した占有率Rを加えて、この加算結果を、用紙の消費量として、検索の結果発見された上記集計データに上書きする。このようにして、S611では、検索の結果発見された上記集計データが示す用紙の消費量を更新する。また、この処理を終えると、制御部11は、当該集計処理を終了する。
なお、本実施形態では、この集計処理により、用紙(ページ)毎、広告主毎、広告主URL毎、条件ID毎の集計データ(広告画像の印刷に要した各色材及び用紙の量を表すデータ)を、集計データバッファ22に記憶させる。
[3.7 集計データ送信処理]
次に、印刷集計処理(図7)におけるS309で実行される集計データ送信処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
集計データ送信処理を開始すると、制御部11は、S701にて、N=0に設定し、ページ番号が値Nである集計データを全て、集計データバッファ22から読み出す。そして、読み出した集計データ群の中に、上述したダミーの集計データが存在するか否かを判定し(S703)、ダミーの集計データが存在すると判定すると(S703でYes)、S704に移行する。また、S704では、ページ番号が値Nであるダミーの集計データの全てを、集計データバッファ22から削除する。その後、S706に移行する。
一方、S703で、読み出した集計データ群の中に、上述したダミーの集計データが存在しないと判定すると、制御部11は、S705に移行し、読み出したページ番号が値Nである各集計データが示す用紙の消費量の和G0を算出すると共に、読み出した各集計データについて、集計データが示す用紙の消費量gを、算出した和G0で割り、この除算結果G=g÷G0を、用紙の消費量として、集計データバッファ22内の対応する集計データに上書きする。これにより、ページ番号が値Nである各集計データが示す用紙の消費量を更新する。
例えば、ページ番号が値Nである集計データとして、用紙の消費量g1を示す集計データと、用紙の消費量g2を示す集計データとが存在する場合には、集計データバッファ22が記憶する上記用紙の消費量g1を示す集計データの値g1を、値(g1÷(g1+g2))に更新し、集計データバッファ22が記憶する上記用紙の消費量g2を示す集計データの値g2を、値(g2÷(g1+g2))に更新するのである。
すなわち、本実施形態では、ダミーの集計データが、読み出した集計データ群にない場合には、このページ番号Nの用紙に広告画像のみが形成されていることになるので、ページ番号が値Nの各集計データが示す用紙の消費量gを、値Gに更新することで、ページ番号が値Nの各集計データが示す用紙の消費量を、用紙内の印刷領域における該当広告画像の占有率を表す値ではなく、この用紙における広告画像の総面積を基準とした、該当広告画像の面積比率を表す値に置換するのである。なお、この処理は、用紙の一面全体に、広告画像のみが形成されている場合には、画像が形成されていない印刷領域内の空白部分も含めて、広告画像の印刷に要した用紙のコストを、集計サーバ40側で見積もるためのものである。また、このようにしてS705での処理を終えると、制御部11は、S706に移行する。
また、S706に移行すると、制御部11は、パラメータNの値を1加算し(N←N+1)、この加算後のパラメータNの値を用いて、ページ番号が値Nである集計データを、集計データバッファ22内で検索し、この検索結果に基づき、全ページ分の集計データについて、S702以降の処理を実行したか否かを判定する(S707)。そして、集計データバッファ22内にページ番号が値Nである集計データが存在する場合には、全ページ分の集計データについて、S702以降の処理を実行していないと判定して(S707でNo)、S702に移行する。
一方、集計データバッファ22内にページ番号が値Nである集計データが存在しない場合には、全ページ分の集計データについて、S702以降の処理を実行したと判定して(S707でYes)、S708に移行する。
また、S708に移行すると、制御部11は、集計データバッファ22に記憶されている集計データ群の中から、一つの集計データを、処理対象に選択し、選択した処理対象の集計データが示す広告主ID、広告主URL、条件ID、用紙種、及び、印刷タイプと、同一の広告主ID、広告主URL、条件ID、用紙種、及び、印刷タイプを示す集計データを、集計データバッファ22内で検索する(S709)。但し、処理対象の集計データは、検索対象に含まれないものとする。
また、S709で、上述の検索処理を実行し終えると、制御部11は、S710に移行し、この検索処理によって、検索対象の集計データが、集計データバッファ22内で発見されたか否かを判定する。そして、発見されなかったと判定すると(S710でNo)、S714に移行し、集計データバッファ22内の上記処理対象の集計データから、ページ番号開始タグからページ番号終了タグまでの一連の記述を削除する。そして、ページ番号についての上記一連の記述を削除した後の処理対象の集計データを、インターネット3を介して集計サーバ40に送信する(S715)。また、この処理を終えると、S716に移行する。
一方、S710で、検索対象の集計データが集計データバッファ22内で発見されたと判定すると、制御部11は、S711に移行し、処理対象の集計データ、及び、上記検索の結果発見された集計データの夫々が示す各色材の消費量を集計し、色材毎に、消費量の合計値を算出する。そして、算出した各色材の消費量の合計値を、各色材の消費量として、処理対象の集計データに上書きする。これにより、処理対象の集計データが示す各色材の消費量を更新する。
すなわち、S711では、処理対象の集計データ、及び、上記検索の結果発見された集計データの夫々が示すシアンの色材の消費量を合計し、この合計値を、集計データバッファ22における処理対象の集計データに、シアンの色材の消費量として上書きし、処理対象の集計データが示すシアンの色材の消費量を、上記合計値に更新する。
また、S711では、処理対象の集計データ、及び、上記検索の結果発見された集計データの夫々が示すマゼンタの色材の消費量を合計し、この合計値を、集計データバッファ22における処理対象の集計データに、マゼンタの色材の消費量として上書きし、処理対象の集計データが示すマゼンタの色材の消費量を、上記合計値に更新する。
また、S711では、処理対象の集計データ、及び、上記検索の結果発見された集計データの夫々が示すイエローの色材の消費量を合計し、この合計値を、集計データバッファ22における処理対象の集計データに、イエローの色材の消費量として上書きし、処理対象の集計データが示すイエローの色材の消費量を、上記合計値に更新する。
その他、S711では、処理対象の集計データ、及び、上記検索の結果発見された集計データの夫々が示すブラックの色材の消費量を合計し、この合計値を、集計データバッファ22における処理対象の集計データに、ブラックの色材の消費量として上書きし、処理対象の集計データが示すブラックの色材の消費量を、上記合計値に更新する。
また、このようにしてS711での処理を終えると、制御部11は、S712に移行し、処理対象の集計データ、及び、上記検索の結果発見された集計データの夫々が示す用紙の消費量を合計する。そして、算出した合計値を、集計データバッファ22における処理対象の集計データに、用紙の消費量として上書きし、処理対象の集計データが示す用紙の消費量を、上記合計値に更新する。
また、このようにしてS712での処理を終えると、制御部11は、上記検索の結果発見された集計データの全てを、集計データバッファ22から削除する(S713)。また、この処理を終えると、制御部11は、処理対象の集計データから、ページ番号開始タグからページ番号終了タグまでの一連の記述を削除する。そして、ページ番号についての上記一連の記述を削除した後の処理対象の集計データを、インターネット3を介して集計サーバ40に送信する(S715)。また、この処理を終えると、S716に移行する。
また、S716に移行すると、制御部11は、S715にて送信した集計データに、広告主URLが記述されているか否かを判定する。そして、広告主URLが記述されていると判定すると(S716でYes)、S715で送信した集計データと同一のデータを、この集計データが示す広告主URL先(広告主サーバ50)に送信する(S717)。その後、S718に移行する。
一方、S715にて送信した集計データに、広告主URLが記述されていないと判定すると(S716でNo)、制御部11は、S717での処理を実行することなく、S718に移行する。また、S718に移行すると、制御部11は、集計データバッファ22から、送信した処理対象の集計データを削除し、その後、S719に移行する。
また、S719では、全集計データについて、S708以降の処理を実行したか否かを判定する。具体的には、集計データバッファ22に、集計データが記憶されているか否かを判定する。
そして、全集計データについてのS708以降の処理が終了していないと判定すると(S719でNo)、S708に移行し、全集計データについてのS708以降の処理が終了していると判定すると(S719でYes)、当該集計データ送信処理を終了する。
なお、本実施形態では、この集計データ送信処理により、集計データバッファ22に記憶された用紙(ページ)毎の集計データを、まとめて、集計サーバ40及び広告主サーバ50に送信する。
[3.8 注文処理]
次に、複合機処理(図4)におけるS108で実行される注文処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。
注文処理を開始すると、制御部11は、S801にて、原稿(申込みフォーム)の送付先URLを、利用者に指定させる。具体的には、S201での処理と同様に、URL入力画面を表示部15の表示パネルに表示させて、利用者によるURLの入力操作を受け付け、この入力操作により入力されたURLを利用者から指定されたURLとして取り扱う。
また、利用者からURLが指定されると、制御部11は、S802に移行し、必要事項が記入された原稿(申込みフォーム)を、読取部16にセットするように指示するメッセージを、表示部15の表示パネルに表示させる。そして、このメッセージに従って、利用者が読取部16に原稿をセットしたか否かを判定し(S803)、原稿がセットされたと判定すると、S804へ移行する。具体的には、操作部14にて所定のキー操作が行われた場合に、原稿がセットされたと判定する。
また、S804に移行すると、制御部11は、読取部16にセットされた原稿から画像を読み取る処理を行う。その後、S804で読み取った画像(申込みフォームの読取画像)を表す画像データと、記憶部20に記憶されている消費者IDと、からなる注文データを生成する(S805)。
また、注文データを生成すると、制御部11は、S806に移行し、S801にて利用者から指定されたURL先(アプリケーションサーバ30)へ、S805で生成した注文データを送信する。また、この処理を終えると、S807に移行し、URL先の装置(アプリケーションサーバ30)から送信されてくる返信データを受信する。
そして、返信データを受信すると、受信した返信データがエラーを表すものであるか否かを判定し(S808)、返信データがエラーを表すものでないと判定した場合には(S808でNo)、S809へ移行し、正常終了である旨のメッセージを表示部15の表示パネルに表示させる。その後、当該注文処理を終了する。
一方、S808で、返信データがエラーを表すものであると判定すると(S808でYes)、制御部11は、S810へ移行し、エラー終了である旨のメッセージを表示部15の表示パネルに表示させる。その後、当該注文処理を終了する。
[3.9 アプリケーションサーバ処理]
続いて、アプリケーションサーバ30の制御部31が実行するアプリケーションサーバ処理について、図16のフローチャートを用いて説明する。なお、このアプリケーションサーバ処理は、アプリケーションサーバ30の電源がオンにされると、開始される。
アプリケーションサーバ処理を開始すると、制御部31は、S901にて、データ要求信号としてのクエリを、インターネット3を介して受信したか否かを判定し、クエリを受信していないと判定すると(S901でNo)、S903に移行する。そして、S903では、上述した注文データを、インターネット3を介して受信したか否かを判定し、受信していないと判定すると、S901に移行し、クエリを受信するか、注文データを受信するまで待機する。
また、制御部31は、クエリを受信したと判定すると(S901でYes)、S902に移行し、出力データ返信処理(図17参照)を実行する。なお、出力データ返信処理の具体的内容については後述するが、この出力データ返信処理では、クエリに応じた出力データを、出力データベース34から読み出し、この出力データを、クエリに対する返信データとして、クエリ送信元の複合機10に送信する処理を行う。また、このようにして出力データ返信処理を終了すると、制御部31は、S901に移行し、再び、クエリを受信するか、注文データを受信するまで待機する。
一方、注文データを受信したと判定すると(S903でYes)、制御部31は、S904に移行し、注文データ解析処理(図19参照)を実行する。なお、注文データ解析処理の具体的内容については後述するが、この注文データ解析処理では、受信した注文データに格納されている画像データから、原稿(申込みフォーム)に利用者が記入した文字、条件IDの情報、及び、広告主IDの情報を読み取り、利用者からの申込み(注文)を受け付ける処理を行う。また、このようにして注文データ解析処理を終了すると、制御部31は、S901に移行して、再び、クエリを受信するか、注文データを受信するまで待機する。
[3.10 出力データ返信処理]
次に、アプリケーションサーバ処理(図16)におけるS902で実行される出力データ返信処理について、図17のフローチャートを用いて説明する。
出力データ返信処理を開始すると、制御部31は、受信したクエリにて指定された出力データを、出力データベース34内で検索し(S1001)、検索対象の出力データ(受信したクエリにて指定された出力データ)が出力データベース34内に存在する否かを判定する(S1002)。そして、検索対象の出力データが出力データベース34内に存在すると判定すると(S1002でYes)、出力データベース34から検索対象の出力データを読み出すと共に、読み出した出力データを返信データとしてセットする(S1003)。また、この処理を終えると、S1004に移行する。なお、S1003の処理において読み出した出力データには、広告主URLの情報は定義されていない。広告主URLは以降の処理において、必要に応じて出力データに挿入される。
また、S1004に移行すると、制御部31は、返信データを構成する部分データの内、S1005以降の処理について未処理の部分データを、一つ処理対象に選択する。また、この処理を終えると、制御部31は、処理対象の部分データが示す広告主IDに対応する広告主サーバ50のURL(集計データ送信先のURL)が、広告主テーブル35に登録されているか否かを判定する(S1005)。
図18は、記憶部33が有する広告主テーブル35の構成を表す説明図である。図18に示すように、広告主テーブル35は、広告主IDのフィールドと、URLのフィールドとからなるレコードを、広告主毎に有する。各広告主IDのフィールドには、該当する広告主に割り当てられた広告主IDが記載されている。また、URLの登録申請をした広告主に対応するレコードには、URLのフィールドに、広告主より申請された広告主サーバ50のURLが記載されている。
すなわち、制御部31は、S1005において、処理対象の部分データが示す広告主ID、が記述された広告主テーブル35内のレコードに、URLが記載されているか否かを判定する。そして、URLが記載されていると判定すると(S1005でYes)、S1006に移行し、処理対象の部分データが示す広告主IDに対応するレコードに記載されたURLを、広告主URLとして、処理対象の部分データに、広告主URL開始/終了タグと共に書き込む。また、このようにして、S1006での処理を終えると、制御部31は、S1007に移行する。
一方、S1005において、処理対象の部分データが示す広告主IDに対応する広告主サーバ50のURLが、広告主テーブル35に記載されていないと判定すると(S1005でNo)、制御部31は、S1006での処理を実行することなく、S1007に移行する。
また、S1007に移行すると、制御部31は、返信データを構成する各部分データの全てについて、S1005以降の処理を実行したか否かを判定し、返信データを構成する部分データの全てについて、S1005以降の処理を実行していないと判定すると(S1007でNo)、S1004に移行する。
一方、返信データを構成する各部分データの全てについて、S1005以降の処理を実行したと判定すると(S1007でYes)、制御部31は、編集後の返信データを、クエリの送信元装置に対し送信する(S1008)。その後、当該出力データ返信処理を終了する。
また、S1002において、検索対象の出力データが出力データベース34内に存在しないと判定すると(S1002でNo)、制御部31は、S1009に移行し、エラー情報を記載した返信データを、クエリ送信元装置に対し送信する。その後、当該出力データ返信処理を終了する。
[3.11 注文データ解析処理]
次に、アプリケーションサーバ処理(図16)におけるS904で実行される注文データ解析処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。
注文データ解析処理を開始すると、制御部31は、受信した注文データから、この注文データに格納されている消費者IDを抽出する(S1101)と共に、注文データに格納されている画像データから、広告主ID及び条件IDの情報を読み取る(S1102)。
なお、ここで読み取る広告主ID及び条件IDの情報は、画像データを生成する元となった申込みフォームに記載されていたものである。すなわち、制御部31は、S1102において、広告主IDの情報として、申込みフォームに記載されていた文字「広告主ID:」を含む一連の文字を、読み取ると共に、条件IDの情報として、申込みフォームに記載されていた文字「条件ID:」を含む一連の文字を、読み取る(図3(c)参照)。
また、この処理を終えると、制御部31は、正しい申込みフォームを受信したか否かの判断のため、S1103にて、申込みフォーム左上の識別画像を検知する処理を行う(図3(c)参照)。なお、本実施形態において、正規の申込みフォームには、必ず所定位置に、正しい申込みフォームであることを示す上述の識別画像が付されているものとする。
この検知処理により識別画像を検知できなかった場合、制御部31は、正しい申込みフォームを受信していないと判定し(S1103でNo)、注文データの送信元装置に、エラー情報を記載した返信データを送信する(S1104)。その後、当該注文データ解析処理を終了する。
一方、上記検知処理により識別画像を検知できた場合、制御部31は、正しい申込みフォームを受信したと判定し(S1103でYes)、S1105に移行する。そして、受信した注文データから、利用者が申込みフォームに記入した文字を、申込みフォームに記載された項目名(図3(c)に示す例では、「プラン名」、「住所」、「氏名」、「人数」、「出発日」との文字)と共に読み取り、利用者が記入した文字を、項目名の情報と共に、記憶部33が有する注文受付ファイル(図示せず)に登録する(S1105)。
また、S1105での処理を終えると、制御部31は、S1106に移行し、S1102にて読み取った情報に、条件IDが存在するか否かを判定する。
そして、読み取った上記情報に、条件IDが存在すると判定すると(S1106でYes)、制御部31は、S1101で抽出した消費者IDと、S1102で読み取った条件IDとを記した条件満足通知データを生成し、この条件満足通知データを、インターネット3を介して集計サーバ40に送信する(S1107)。
また、このようにしてS1107での処理を終えると、制御部31は、S1102で読み取った広告主IDの情報が示す広告主IDに関し、この広告主IDを示す広告主テーブル35内のレコードに、URLが記載されているか否かを判定する(S1108)。なお、S1102で読み取った情報に広告主IDが存在しなければ、広告主テーブル35内のレコードにURLが記載されていないものとみなしてS1110へ移行する。
そして、URLが広告主テーブル35に記載されていると判定すると(S1108でYes)、集計サーバ40に送信した条件満足通知データと同一のデータを、広告主テーブル35に登録されている上記レコードが示すURL先(広告主の広告主サーバ50)に、インターネット3を介して送信する(S1109)。このような処理を終えると、制御部31は、S1110に移行する。
一方、制御部31は、S1106で、条件IDが存在しないと判定すると、S1107〜S1109の処理を実行せずに、S1110に移行する。この他、制御部31は、S1108で、上記広告主IDを示す広告主テーブル35内のレコードに、URLが記載されていないと判定した場合にも、S1109での処理を実行することなく、S1110に移行する。
そして、S1110に移行すると、制御部31は、インターネット3を通じ、上記注文データの送信元装置に、注文受付が正常終了した旨の返信データを送信する。その後、当該注文データ解析処理を終了する。
[3.12 集計サーバ処理]
続いて、集計サーバ40の制御部41が実行する集計サーバ処理について、図20のフローチャートを用いて説明する。なお、この集計サーバ処理は、集計サーバ40の電源がオンにされると、開始される。
集計サーバ処理を開始すると、制御部41は、S1201にて、予め定められた集計時刻が到来したか否かを判定する。なお、本実施形態においては、集計時刻として、9時、12時、15時、18時など、複数の集計時刻が定められており、S1201では、予め定められた集計時刻のいずれかが到来したか否かを判定する。
そして、集計時刻が到来したと判定すると(S1201)、制御部41は、S1202に移行し、集計データ配信処理(図25参照)を実行する。なお、集計データ配信処理の具体的内容については後述するが、この集計データ配信処理では、集計テーブル45に記憶されたレコードを処理して、複合機10で消費された消耗品の量に関する情報を、広告主のメールアドレス先に送信する。また、S1202での処理を終えると、制御部41は、S1201に移行する。
一方、S1201にて集計時刻が到来していないと判定すると、制御部41は、S1203に移行し、複合機10からインターネット3を通じて集計データ(S715で送信される集計データ)を受信したか否かを判定する。そして、複合機10から集計データを受信したと判定すると(S1203でYes)、S1204に移行し、集計テーブル保存処理(図21参照)を実行する。なお、集計テーブル保存処理の具体的内容については後述するが、この集計テーブル保存処理では、受信した集計データが表す消耗品の量を、金額に相当するポイントに変換して、このポイントと、受信データが示す広告主ID、消費者ID、及び条件IDとを記したレコードを、集計テーブル45に登録する処理を行う。また、S1204での集計テーブル保存処理を終了すると、制御部41は、S1201に移行する。
その他、制御部41は、複合機10から集計データを受信していないと判定すると(S1203でNo)、S1205に移行し、アプリケーションサーバ30から条件満足通知データを受信したか否かを判定する。そして、条件満足通知データを受信したと判定すると(S1205でYes)、S1206に移行し、集計テーブル45内のレコードのうち、条件満足通知データが示す消費者ID及び条件IDと一致する消費者ID及び条件IDを示すレコードに、条件フラグの値として、値「1」を書き込む。また、S1206での処理を終えると、制御部41は、S1201に移行する。
一方、アプリケーションサーバ30から条件満足通知データを受信していないと判定すると(S1205でNo)、制御部41は、S1206での処理を実行することなく、S1201に移行する。
[3.13 集計テーブル保存処理]
次に、集計サーバ処理(図20)におけるS1204で実行される集計テーブル保存処理について、図21のフローチャートを用いて説明する。
集計テーブル保存処理を開始すると、制御部41は、S1301にて、集計テーブル45に、空の新規レコードを生成する。この処理によって、集計テーブル45には、広告主IDのフィールド、消費者IDのフィールド、消耗品ポイントのフィールド、条件IDのフィールド、及び、条件フラグのフィールドからなる新規レコードが生成される。なお、図22は、集計テーブル45の構成を表す説明図である。
S1301での処理を終えると、制御部41は、生成した新規レコードにおける広告主IDのフィールドに、受信した集計データが示す広告主IDを書き込むと共に、このレコードにおける消費者IDのフィールドに、受信した集計データが示す消費者IDを書き込む(S1302)。
また、この処理を終えると、制御部41は、S1303に移行し、第1係数テーブル46から、受信した集計データが示す印刷タイプに対応する各色材のポイント数を読み出す。なお、図23は、第1係数テーブル46の構成を表す説明図である。
図23に示すように、第1係数テーブル46は、印刷タイプ毎(すなわち、印刷タイプの値として採りえる値毎)に、シアンの色材のポイント数と、マゼンタの色材のポイント数と、イエローの色材のポイント数と、ブラックの色材のポイント数と、を有する。なお、各色材のポイント数は、対応する色の画素を形成(印刷)するのに必要な色材の量に相当する金額を表す。
また、S1303での処理を終えると、制御部41は、S1304に移行し、集計データが示す各色材の消費量に、第1係数テーブル46から読み出した色材のポイント数をかけ、これら各色材の乗算結果を合計し、合計値P1を求める。
すなわち、集計データが示すシアンの色材の消費量Hcに、第1係数テーブル46から読み出したシアンの色材のポイント数Pcをかけて、値(Hc・Pc)を求めると共に、集計データが示すマゼンタの色材の消費量Hmに、第1係数テーブル46から読み出したマゼンタの色材のポイント数Pmをかけて、値(Hm・Pm)を求める。
また、集計データが示すイエローの色材の消費量Hyに、第1係数テーブル46から読み出したイエローの色材のポイント数Pyをかけて、値(Hy・Py)を求めると共に、集計データが示すブラックの色材の消費量Hkに、第1係数テーブル46から読み出したブラックの色材のポイント数Pkをかけて、値(Hk・Pk)を求める。そして、これらの値を合計した値P1=(Hc・Pc+Hm・Pm+Hy・Py+Hk・Pk)を求める。
また、このようにして、S1304での処理を終えると、制御部41は、S1305に移行し、第2係数テーブル47から、受信した集計データが示す用紙種に対応するポイント数を読み出す。なお、図24は、第2係数テーブル47の構成を表す説明図である。本実施形態において、第2係数テーブル47は、用紙種毎(すなわち、用紙種の値として採りえる値毎)に、用紙1枚の金額を表すポイント数を有する。
S1305での処理を終えると、制御部41は、S1306に移行し、集計データが示す用紙の消費量Hsに、第2係数テーブル47から読み出したポイント数Psをかけて、値P2=(Hs・Ps)を求める。
また、このようにして、S1306での処理を終えると、S1304で求めた値P1に、S1306で求めた値P2を加えて、消耗品ポイントP=P1+P2を求め、この消耗品ポイントPを、新規レコードにおける消耗品ポイントのフィールドに書き込む(S1307)。
その後、制御部41は、受信した集計データに条件IDが記述されているか否かを判定し(S1308)、条件IDが記述されていると判定すると(S1308でYes)、S1309にて、集計データが示す条件IDを、新規レコードにおける条件IDのフィールドに書き込む(S1309)。また、この処理を終えると、制御部41は、新規レコードにおける条件フラグのフィールドに、条件フラグの値として、値「0」を書き込む(S1310)。その後、当該集計テーブル保存処理を終了する。
これに対し、受信した集計データに条件IDが記述されていないと判定すると(S1308でNo)、制御部41は、S1311にて、新規レコードにおける条件フラグのフィールドに、条件フラグの値として、値「1」を書き込む。その後、当該集計テーブル保存処理を終了する。
[3.14 集計データ配信処理]
次に、集計サーバ処理(図20)におけるS1202で実行される集計データ配信処理について、図25のフローチャートを用いて説明する。
集計データ配信処理を開始すると、制御部41は、S1401にて、メールアドレステーブル44に登録されているメールアドレスの中から、S1403で送信先に設定されていないメールアドレスを、一つ、処理対象のメールアドレスとして選択する。なお、図26は、メールアドレステーブル44の構成を表す説明図である。集計サーバ40が有するメールアドレステーブル44には、予め登録された広告主毎に、この広告主に割り当てられた広告主IDと、広告主から申請されたメールアドレスとが関連付けられて記憶されている。
S1401での処理を終えると、制御部41は、S1401で選択した処理対象のメールアドレスに関連付けられて、メールアドレステーブル44に登録されている広告主IDと一致する広告主IDを示すレコードであって、条件フラグが値「1」であるレコードを、集計テーブル45から読み出す(S1402)。
また、この処理を終えると、制御部41は、S1402で読み出した各レコードが示す情報(広告主ID、消費者ID、消耗品ポイント、条件ID、条件フラグの各値)を、記述してなる電子メールを生成し、この電子メールの送信先として、処理対象のメールアドレスを設定する(S1403)。
この後、制御部41は、上記処理対象のメールアドレスを送信先として設定した電子メールを、図示しないメールサーバに送信することにより、メールサーバを介して、この電子メールを、広告主の端末装置に送信する(S1404)。
また、S1404での処理を終えると、制御部41は、S1402で集計テーブル45から読み出した各レコードを、集計テーブル45から削除し(S1405)、その後、S1406に移行する。また、S1406に移行すると、制御部41は、メールアドレステーブル44に登録されている全メールアドレスについて、これらの各メールアドレスをS1401で処理対象に選択し、S1402以降の処理を実行したか否かを判定し、全メールアドレスを処理対象に選択していないと判定すると(S1406でNo)、S1401に移行して、未処理のメールアドレスを、処理対象に選択し、S1402以降の処理を実行する。一方、全メールアドレスを処理対象に選択したと判定すると(S1406でYes)、当該集計データ配信処理を終了する。
[3.15 広告主サーバの処理]
以上には、集計サーバ40の処理について説明したが、各広告主の広告主サーバ50は、夫々、上記集計サーバ40と同様の処理を行う。このため、以下では、図20を用いて、広告主サーバ50が実行する処理について説明する。
広告主サーバ50は、電源が投入されると、制御部51にて、S1203からS1206までの処理を繰返し実行する。すなわち、制御部51は、集計サーバ40がS1201にてNoと判断した場合に実行する処理と同様の処理を、繰返し実行する。なお、集計サーバ40では、受信した集計データに基づいて、自装置の集計テーブル45を編集するが、広告主サーバ50では、複合機10から受信した集計データに基づいて、集計サーバ40と同様の手法で、自装置の集計テーブル54を編集する。但し、広告主サーバ50は、第1係数テーブル46及び第2係数テーブル47を自装置にて管理していないので、制御部51は、必要に応じ、集計サーバ40から、第1係数テーブル46及び第2係数テーブル47を取得する動作を行う。
[4.実施形態の効果]
以上、本実施形態のコンテンツ提供システム1について説明したが、このコンテンツ提供システムによれば、複合機10が、通信部12を介して、出力データを備えるアプリケーションサーバ30と通信可能な構成にされ、受信した出力データを、印刷制御処理(S307)を通じて、記憶部17に印刷処理させて、記録部17に、この出力データが有する各印刷データを画像化した印刷物を出力させる。
また、複合機10は、この出力データの画像化に要した消耗品の量の内、広告印刷データの画像化に要した消耗品の量(各色材の消費量及び用紙の消費量)を選択的に、印刷画像の大きさに応じて導出し、これを集計データに記述する。そして、この集計データを集計サーバ40に送信することにより、集計サーバ40の記憶部43に、この集計データに記述した消耗品の量に対応する消耗品ポイントを、記憶させる。
このように、本実施形態のコンテンツ提供システム1によれば、広告印刷データに基づく広告画像の印刷時に使用した消耗品の量を、広告画像の大きさに応じて導出するので、アプリケーションサーバ30から提供される広告印刷データが示す広告画像のサイズが一定でなくとも、各広告印刷データの印刷処理に要した消耗品の量を、適切に導出し、集計サーバ40に、対応する値を記憶させることができる。よって、この実施形態によれば、利用者に対し、広告印刷に要した費用の還元等を適切に行うことができる。すなわち、現実に広告印刷に使用された消耗品の量にふさわしい量の金銭等を利用者に対し還元することができる。
また、本実施形態では、出力データに、複数の広告印刷データが広告主IDの情報と共に格納されている場合があり(すなわち、複数の広告データが出力データに格納されている場合があり)、この出力データを複合機10が受信すると、複合機10の制御部11は、同一の広告主IDが付された広告印刷データ毎に、これら広告印刷データの画像化に要した消耗品の量を集計する。そして、集計サーバ40は、広告主ID毎に分類して、複合機10から受信した集計データが示す消耗品の量に対応する消耗品ポイントを、集計テーブル45に記述する。
従って、本実施形態のコンテンツ提供システム1によれば、集計テーブル45の内容に基づき、各広告主に対し、消耗品の消費量に相当する金銭等の還元を適切に求めることができる。すなわち、各広告主に対し、広告主自身の広告印刷のために消費された消耗品の量(消耗品ポイント)を、正確に通知することができる。
また、本実施形態では、複合機10が、広告主コードが割り当てられた各広告主が管理する通信装置としての広告主サーバ50と通信可能な構成にされ、集計サーバ40へ送信した集計データと同一のものを、その集計データが示す量の消耗品を消費した広告印刷データに対応する広告主の広告主サーバ50に送信する。従って、複合機10の利用者は、いちいち、広告主に対し、広告印刷に要した消耗品の量を申告して、費用の還元を求めなくて済む。
また、本実施形態のコンテンツ提供システム1では、1枚の用紙に広告画像と非広告画像が印刷される場合、広告画像の面積に相当する量(用紙の占有率)を、用紙の消費量として、広告の種類毎に導出し、1枚の用紙に広告画像のみが印刷される場合には、画像が形成されない用紙の空白部分も含め、用紙1枚分が広告画像の印刷に消費されるものとして、用紙の消費量を、広告の種類毎に導出する。そして、このように導出したページ毎の消耗品の消費量を、複数ページにわたって集計することにより、広告の種類毎の集計データを生成し、これを集計サーバ40に送信する。
従って、このコンテンツ提供システム1によれば、広告印刷を行う利用者の一般的な価値観(すなわち、用紙に広告のみが印刷された場合には、用紙1枚分の費用が広告主から還元されるべきであるといった価値観)に合うようにして、広告画像の印刷にて消費される消耗品の量を記録することができる。
その他、本実施形態では、集計テーブル45を各複合機10に対して共通して設け、各複合機10にて消費された消耗品の量を、複合機10から通知された消費者(利用者)の識別コードである消費者IDと共に、集計テーブル45に保存するようにしている。そして、これら各情報を、集計サーバ40にて集中管理するようにしている。従って、本実施形態のコンテンツ提供システム1を用いれば、利用者が広告印刷に要した費用を、広告主側から利用者に還元するといったサービスを、効率的に実現することができる。
特に、本実施形態では、各消耗品ポイントを、消費者ID及び広告主IDに関連付けて、集計テーブル45に書き込むため、どの広告主の広告画像についての印刷に、どの消費者が、どの程度の消耗品の量を使用したのかが理解できるように、集計テーブル45にて、各消耗品ポイントを管理することができる。従って、本実施形態によれば、広告主と消費者とを結ぶ仲介業者によって、上記サービスを実現することができ、一層効率的に、上記サービスを実現することができる。
また、本実施形態では、集計サーバ40が、集計テーブル45にて、同一の広告主IDに関連付けられて記憶された消耗品ポイントの一群を、これら各消耗品ポイントに関連付けられた消費者IDの情報と共に、電子メール内にまとめて記述し、この消耗品ポイントの一群を、電子メールの形態にて、メールサーバを介し、対応する広告主の端末装置に送信する。従って、本実施形態によれば、集計サーバ40から広告主へと、適切に、消耗品ポイントの情報を伝達することができる。
また、本実施形態では、電子メールの形態で、集計サーバ40から広告主の端末装置へ消耗品ポイントを通知すると共に、複合機10から広告主サーバ50へ集計データを送信する。従って、このコンテンツ提供システム1によれば、広告主は、各経路にて送信されてきた消耗品の量を表す情報(集計データ、消耗品ポイント)を比較することによって、情報の伝達ミスがないかどうか確認することができる。
また、本実施形態では、集計テーブル45にて、消耗品ポイントと、条件フラグと、を関連付けて記憶し、この条件フラグの値にて、消耗品ポイントの広告主への通知を制御するようにした。すなわち、条件フラグの値が「1」であるレコードのみを、集計テーブル45内において検索することで、各消耗品ポイントの送信条件が満足されたか否かを判断し、条件フラグの値が「1」であるレコードのみを、送信条件が満足されたとし、このレコードが示す消耗品ポイントを、広告主に対して通知するようにした。
条件フラグは、対応する広告画像に基づいた注文があった場合のみ、条件満足通知データに基づいて、値「1」に変更されるので、集計サーバ40から広告主へは、対応する広告の効果があった場合にのみ、消耗品ポイントが通知されることになる。
従って、本実施形態のコンテンツ提供システム1は、単に広告印刷されただけでは消費者に対する還元を行わず、その広告画像に基づいた注文等が消費者により行われて初めてその消費者に対する還元を行いたいという広告主側のニーズに好適なシステムであるといえる。
[5.特許請求の範囲との対応]
なお、本発明のコンテンツ提供システムは、複合機10に相当し、情報記録システムは、本実施形態のコンテンツ提供システム1に相当する。
また、コンテンツサーバは、アプリケーションサーバ30に相当し、印刷装置は、記録部17に相当し、情報管理装置は、集計サーバ40に相当し、記憶装置は、集計サーバの記憶部43に相当する。その他、非広告用のコンテンツデータは、一般データに相当し、広告用のコンテンツデータは、広告データに相当する。
また、広告の種類を表すコードは、広告主ID、広告主URL及び条件IDのいずれか1つ、又は、複数の組合せに相当する。その他、広告主を表すコードは、広告主IDに相当し、利用者の識別コードは、消費者IDに相当する。また、消耗品の量を表す情報は、集計データが示す各色材の消費量及び用紙の消費量に対応する消耗品ポイントに相当する。
また、通信手段は、通信部12及びS102,S103での処理にて実現され、印刷制御手段は、S105での処理にて実現され、消耗品量導出手段は、S507〜S509,S701〜S714での処理にて実現されている。また、消耗品量記憶制御手段は、S715〜S719での処理にて実現されている。その他、分割送信手段は、S1201,S1202にて実現され、送信条件判断手段及び判定手段は、注文データ解析処理及びS1205,S1206の処理にて実現されている。
[6.他の形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、各複合機10が一種類(固定)の色材のみを使用可能に構成されていることを前提としたが、各複合機10は、複数種類の色材を使用可能に構成されてもよい。そして、各複合機10は、記憶部20の記憶領域に、現在使用中の色材についての印刷タイプを記憶する構成されてもよい。
具体的には、現在使用中の色材についての印刷タイプを操作部14でのキー操作により利用者から受け付ける構成を、複合機10に付加するとよい。また、別の形態として、色材を収容するカートリッジ自体に印刷タイプが記憶されていることを前提とし、現在装着されているカートリッジから印刷タイプを読み出す構成を、複合機10に付加してもよい。
また、上記実施形態では、各複合機10が、インクを用紙に塗布(噴射)して用紙に画像を形成するインクジェット方式の記録部17を有することを前提として、印刷制御処理等の話を進めたが、記録部17は、レーザプリンタ方式の記録部17であってもよく、複合機10は、色材としてトナーを用いて用紙に画像を形成する構成にされてもよい。また、コンテンツ提供システム1は、インクジェット方式の複合機10と、レーザプリンタ方式の複合機と、が混合したシステムとして構成されてもよい。
また、上記実施形態では、消耗品ポイント(消耗品の消費量)を、印刷画像の画素数や、色材の種類や、用紙種に基づき導出するようにしたが、これ以外の情報に基づき、消耗品ポイントを導出するようにしてもよい。例えば、印刷文字数、印刷時間等の情報を用いて導出することが可能である。
その他、上記実施形態では、印刷装置として複合機10を用いたが、このような多機能装置ではない印刷装置(プリンタ装置、ファクシミリ装置、コピー機等)を用いて、コンテンツ提供システム1を構成してもよい。
1…コンテンツ提供システム、3…インターネット、10…複合機、11…制御部、12…通信部、13…回線制御部、14…操作部、15…表示部、16…読取部、17…記録部、18…音声出力部、19…音声入力部、20…記憶部、30…アプリケーションサーバ、31…制御部、32…通信部、33…記憶部、40…集計サーバ、41…制御部、42…通信部、43…記憶部、50…広告主サーバ、51…制御部、52…通信部、53…記憶部