JP2007065280A - バンドルファイバおよび光加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の光加工においては、半田付け部に照射される光の一部がスルーホール内を通って挿入部品の表面に達してしまい、この挿入部品に不具合を生じてしまうという課題があった。
【解決手段】 バンドルファイバを、各々一端から光を入射し他端から光を出射する束ねられた複数の光ファイバと、前記光ファイバの位置を調整する調整部とを備えた構成とする。この構成により、容易かつ自在に様々な光の照射態様を実現することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 バンドルファイバを、各々一端から光を入射し他端から光を出射する束ねられた複数の光ファイバと、前記光ファイバの位置を調整する調整部とを備えた構成とする。この構成により、容易かつ自在に様々な光の照射態様を実現することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば半導体レーザ等の光源を用いて回路基板へ部品の半田付け等を行う光加工に用いるバンドルファイバおよび光加工装置に関するものである。
近年、半導体レーザと光ファイバを用いて半田付け等の光加工が行われている。
従来の光加工装置の第1の例としては、図6に示すように、図示しないレーザダイオード素子(以下、LD素子と記す)と、1本の光ファイバ(シングルファイバ)13と、集光レンズ6とを備えており、LD素子の出力である光を光ファイバ13に入射させて所定の位置に導光し、この光ファイバ13から出射された光を集光レンズ6により集束させて例えば半田付け部に照射することで、部品の基板への半田付けを行うものがある。
また、従来の加工装置の第2の例としては、図7や図8に示すように、複数のLD素子5と、複数の光ファイバ23からなるバンドルファイバ14と、集光レンズ6とを備えており、各LD素子5の出力である光を各光ファイバ23に入射させて所定の位置に導光し、これら各光ファイバ23から出射された光を集光レンズ6で集光させて例えば半田付け部に照射することで、部品の基板への半田付けを行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−142695号公報
部品を基板に半田付けする場合、基板のスルーホールに部品のリード(導体ピン)を挿入し、その状態で、接合性を良くするために基板のランドや部品のリードといった半田付け部を予熱照射する必要がある。この予熱照射の際、従来の光加工装置の第1の例においては、図9に示すように半田付け部に照射される光の形状はシングルファイバ13と同じ形状、すなわち円形となる。そして、この円内全てに光が照射されるので、図6に示すように、照射された光の一部がスルーホール8内を通って挿入部品9の表面に達してしまい、この挿入部品9に不具合を生じてしまうという課題があった。
また、光ファイバ23を複数束ねた構成のバンドルファイバ14を用いる場合においても、図10に示すようにバンドルファイバ断面の全域に光ファイバ23が設けられていると、上記と同様に、光の一部がスルーホール8を通って挿入部品9の表面に達してしまい、挿入部品9に不具合を生じてしまうという課題があった。
これに対し、従来の光加工装置の第2の例においては、バンドルファイバ14を用いているが、バンドルの仕様を変更することで光の集束態様を種々選択可能とすることが記載されている。このように、光の集束態様を変更させ、その一例として、集束態様を略環状(ドーナツ状)とすることで上記課題を解決することも可能となる。
しかしこの場合、被加工物に応じて照射領域が環状であるが照射径が異なるように構成したバンドルファイバ14を複数用意する必要があり、被加工物に応じて取り替えなければならず、作業性やコスト面で課題がある。なお、この課題に対応するために、図10に示すようにバンドルファイバ14断面内全域に光ファイバ23を設けた構成とし、各光ファイバ23の出力を調整するようにすることで、図10に示すように環状でかつ照射径を可変に照射することが可能となるので、被加工物ごとにバンドルファイバ14を取り替える必要が無くなる。しかし、この場合においても、バンドルファイバ14を構成する光ファイバ23の数が多く必要となるので不経済であり、また、各光ファイバ23の出力を調節するための構成や制御が必要となるため、構成が複雑となりコストアップにもつながる。さらにこの場合において、照射径は光ファイバ23が設けられている間隔により規制されるため、照射領域は離散的となり、連続的な細かな照射領域の調整ができないという課題もある。なお、微細な半田付けを行う場合等には、照射領域を微妙に調整することが望まれる。
本発明は、光の照射領域を連続的に変更可能なバンドルファイバおよび光加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のバンドルファイバは、各々一端から光を入射し他端から光を出射する束ねられた複数の光ファイバと、前記光ファイバの位置を調整する調整部とを備えている。そして、この構成により、容易かつ自在に様々な光の照射態様を実現することができる。
また、本発明の光加工装置は、複数の光源と、束ねられた複数の光ファイバと前記光ファイバの位置を調整する調整部とを有するバンドルファイバと、前記バンドルファイバから出射された光を集光する集光部とを備えている。そして、この構成により、加工対象に応じて適切は光の照射を行うことができ、高品質な加工を実現することができる。
以上のように、本発明は、バンドルファイバを構成する光ファイバの位置を変えることが可能な構成とすることにより、バンドルファイバから出射される光の態様を可変可能とし、被加工物に対して適切な光を照射して加工を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1から図5を用いて説明する。なお、先ず、実施の形態1で本願のバンドルファイバについて説明し、次いで、実施の形態2でこのバンドルファイバを用いた本願の光加工装置について説明する。
(実施の形態1)
図1はバンドルファイバ20にレーザダイオード素子(以下、LD素子と記す)5を接続した例を示す模式図であり、図2はバンドルファイバ20を光の照射側からみた状態を示す図であり、図3は、バンドルファイバ20の断面を示す図である。なお、バンドルファイ20は、詳細は後述するが、光ファイバ保持金具1と、光ファイバ2と、円環状に配置された光ファイバ3と、テーパ押え金具4とから構成される。
図1はバンドルファイバ20にレーザダイオード素子(以下、LD素子と記す)5を接続した例を示す模式図であり、図2はバンドルファイバ20を光の照射側からみた状態を示す図であり、図3は、バンドルファイバ20の断面を示す図である。なお、バンドルファイ20は、詳細は後述するが、光ファイバ保持金具1と、光ファイバ2と、円環状に配置された光ファイバ3と、テーパ押え金具4とから構成される。
図2および図3に示すバンドルファイバ20において、1は複数に分割されたテーパ形状を有する光ファイバ保持金具である。なお、この光ファイバ保持金具1の中央部には、光ファイバ2を配置するための穴加工が施されており、また、分割された各テーパ先端部には、円環状に光ファイバ3を配置するための穴加工が施されている。そして、上記した光ファイバ保持金具1の穴に光ファイバ2および光ファイバ3が挿通され、保持固定される。この光ファイバ2および光ファイバ3は、各々一端がLD素子5に接続されており、LD素子5から光を入射し、入射した光を他端から出射するものである。
また、図3において、4はテーパ押え金具であり、テーパ部を有し、光ファイバ保持金具1の外側に位置するものである。そして、このテーパ押え金具4の位置を上下に移動させることで環状に配置された光ファイバ3の位置を変更することが可能となる。すなわち、例えば、テーパ押え金具4を上方(光ファイバ3の光の入射側)に移動させると、光ファイバ保持金具1のテーパ部はテーパ押え金具4により押される状態となる。これにより光ファイバ保持金具1の分割された各テーパ部が中央部方向へ倒れるように弾性変形し、この結果、光ファイバ保持金具1の各テーパの先端部に円環状に配置された光ファイバ3は中央部に集まる方向に移動する。
このように、テーパ押え金具4による光ファイバ保持金具1への押し量を調整することで、光ファイバ保持金具1の分割されたテーパ部の弾性変形量を調整することができ、結果として円環状に配置された光ファイバ3の位置を自在に調整することができる。そして、光ファイバ3の位置を自在に調整することで、円環状に配置された光ファイバ3から出射される光の形状を変更することができる。
なお、図3に示すようにテーパ押え金具4は連続的に移動することが可能なので、円環状に配置された光ファイバ3の円環直径を無段階に自在に調整することが可能である。
以上のように、本実施の形態のバンドルファイバ20によれば、背景技術で示したように、光の照射態様に応じて各々仕様が異なる複数のバンドルファイバを用意しておく必要がなく、容易かつ自在に様々な照射態様を実現することができる。
また、本実施の形態のバンドルファイバ20によれば、背景技術で示したように、光の照射態様を変更するために多くの光ファイバを用いてバンドルファイバを構成し、各々の光ファイバに入射するLD素子の出力を制御するといったことは必要ないので、駆動させないLD素子や光ファイバを接続した不経済な状態とすることなく、使用する光ファイバやLD素子の数が少ないままで、容易かつ自在に様々な光の照射態様を実現することができる。
また、本実施の形態のバンドルファイバ20によれば、背景技術で示したように、多くの光ファイバを用いてバンドルファイバを構成し、各々の光ファイバに入射するLD素子の出力を制御することなく照射態様を変更することができるが、照射領域は離散的(不連続)な変化になってしまうということはなく、円環状に配置された光ファイバ3の円環直径を無段階に調整することができるので、連続的に照射態様を変化させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、実施の形態1で示したバンドルファイバ20を光加工装置に適用した例について、図4を用いて説明する。なお、図4は、光加工装置のうち、光加工を行っている主要な部分のみを示している。
図4において、光加工装置は、図示しない複数のLD素子と、各々のLD素子に接続された光ファイバ2および光ファイバ3を有する実施の形態1で説明したバンドルファイバ20と、バンドルファイバ20から出射された光を集光する集光レンズ6を備えている。また、7はプリント基板に設けられたランド、8はプリント基板に設けられたスルーホールであり、9はプリント基板に半田付けされる挿入部品、10は挿入部品のリード(導体ピン)である。
図4を用いて、プリント基板に挿入部品9を半田付けする例について説明する。
先ず、挿入部品9のリード10をプリント基板のスルーホール8に挿通させる。
次に、ランド7やスルーホール8の形状や寸法等に基づいて加工対象に対して適切な照射態様となるように、円環状に配置された光ファイバ3の円環径を調整する。なお、この調整は、照射した光がスルーホール8を通って挿入部品9に達することが無く、ランド7の面にのみ集光するように調整する。また、この調整は、光加工対象に実際に光を照射する前に調整しておくことが望ましく、加工対象と光ファイバ3の円環径との関係を予めデータベースとして準備しておき、これに基づいて光ファイバ3の円環径を調整するようにしても良い。
次に、半田の塗れ性を良くするための予熱を行うためにLD素子を動作させ、挿入部品9のリード10およびプリント基板のランド7に所定の光を照射する。このとき、上述したように、光ファイバ3から出射された光が挿入部品9に達することが無いように光ファイバ3の位置が調整されているので、挿入部品9のリード10の根元を焼くといったような不具合を生じることは無い。また、円環状に配置された光ファイバ3の中央部に配置された光ファイバ2から出射された光は、挿入部品9のリード10にのみ集光するので、スルホール8を通過する光は無く、挿入部品9のリード10の根元を焼くことは無い。
次に、予熱された状態で半田付け部に半田を送給し、半田付けが行われる。
以上のように、本実施の形態の光加工装置によれば、例えば、加工対象により挿入部品9のリード10の径やスルーホール8の径やランド7面の径の比率が1つ1つ異なる場合であっても、円環状に配置された光ファイバ3の円環径を調整することで、円環状のファイバ3から出射された光を、スルーホール8をさけてランド7面のみに集光するように個別に調整することができるので、加工対象に応じて適切は光の照射を行うことができ、照射した光によって挿入部品9に不具合を生じさせることもなく、高品質な半田付けを行うことができる。
さらに、焦点距離の異なる各種の集光レンズ6と組み合わせることにより、円環形状の変化のみならず円環形状の像の拡大や縮小も可能となり、適用可能な被加熱対象物の拡大を図ることができる。
なお、実施の形態1および2において、光ファイバ保持金具1を複数に分割されたテーパ形状を有するものとした例を示したが、これに限られるものではない。光ファイバ保持金具1の他の例について図5を用いて説明する。
図5は、バンドルファイバを光の照射側からみた状態を示す図である。図5において、11は2分割されたテーパ形状の光ファイバ保持金具であり、テーパ先端部は、略平行状に複数の光ファイバ12を配置するための穴加工が施されている。そして、これらの穴に光ファイバ12が挿通され、保持固定されている。
この光ファイバ保持金具11に対して、実施の形態1で示したごとくテーパ押え金具4を上方に移動させることで光ファイバ保持金具11のテーパ部はテーパ押え金具4により押される状態となる。これにより光ファイバ保持金具11の分割された各テーパ部が中央部方向へ倒れるように弾性変形し、この結果、光ファイバ保持金具11の各テーパ部に配置された光ファイバ12は中央部に集まる方向に移動し、ファイバ12の平行間隔が狭くなり、光の照射態様を変化させることができる。
この光ファイバ保持金具11の適用例としては、チップ部品等の両側端子の加熱等が挙げられ、複数のチップ部品があり、両側端子間のピッチが異なる場合でも、平行状に配置された光ファイバ12の平行間隔を調整することで、端子部分のみに集光するように個別に調整することができる。
また、上記した実施の形態1,2において、テーパ押え金具4が光ファイバ保持金具1,11を押す力の制御の方法としては、手動であっても自動であってもよい。
また、上記した実施の形態1,2において、光ファイバ保持金具1,11のテーパ部分の分割数については、2分割以上であれば何分割でもよい。
また、上記した実施の形態1において、光ファイバ保持金具1の分割されたテーパ部の一つ一つに、光ファイバを1本ずつ固定保持する構成としてもよいし、複数本固定保持する構成としてもよい。
また、上記した実施の形態1,2において、テーパ押え金具4により光ファイバ保持金具1,11を押し、これにより光ファイバ保持金具1,11のテーパ部が中央部に倒れ込むように移動して各光ファイバ3,12の位置が移動する例を示したが、一般に知られている旋盤のチャックに使用されているような構成を適用し、中央部に倒れ込むように移動するのではなく、各光ファイバ3,12が略平行に移動するような構成としても良い。
また、光ファイバ3,12の配置は、円環状や平行状に限るものではなく、楕円形状、三角形状、四角形状、星形状等、種々の形状としても良い。
本発明のバンドルファイバおよび光加工装置は、バンドルファイバを構成する光ファイバの位置を変えることが可能な構成とすることにより、バンドルファイバから出射される光の態様を可変可能とし、被加工物に対して適切な光を照射して加工を行うことができ、例えば半導体レーザ等の光源を用いて回路基板へ部品の半田付け等を行う光加工用として産業上有用である。
1 光ファイバ保持金具
2 光ファイバ
3 光ファイバ
4 テーパ押え金具
5 レーザダイオード素子(LD素子)
6 集光レンズ
7 ランド面
8 スルーホール
9 挿入部品
10 リード(導体ピン)
11 光ファイバ保持金具
12 光ファイバ
13 シングルファイバ
14 バンドルファイバ
23 光ファイバ
2 光ファイバ
3 光ファイバ
4 テーパ押え金具
5 レーザダイオード素子(LD素子)
6 集光レンズ
7 ランド面
8 スルーホール
9 挿入部品
10 リード(導体ピン)
11 光ファイバ保持金具
12 光ファイバ
13 シングルファイバ
14 バンドルファイバ
23 光ファイバ
Claims (10)
- 各々一端から光を入射し他端から光を出射する束ねられた複数の光ファイバと、
前記光ファイバの位置を調整する調整部とを備えたバンドルファイバ。 - 調整部は、光ファイバを固定する保持部と、前記保持部の光ファイバ出射部分を移動させる機構部とからなる請求項1記載のバンドルファイバ。
- 機構部は、保持部に押し圧力を加えることで前記保持部の光ファイバ出射部分を移動させる請求項2記載のバンドルファイバ。
- 複数の光ファイバは略環状に配置されており、調整部により各光ファイバの位置を変更して各光ファイバが配置されている略環状の径を変更することで、出射する略環状の光の径を変更可能とした請求項1から3のいずれか1項に記載のバンドルファイバ。
- 環状に配置された複数の光ファイバの略中心にも光ファイバを配置した請求項4記載のバンドルファイバ。
- 複数の光源と、
前記各光源から出力された光を各々入射するものであり束ねられた複数の光ファイバと前記光ファイバの位置を調整する調整部とを有するバンドルファイバと、
前記バンドルファイバから出射された光を集光する集光部とを備えた光加工装置。 - バンドルファイバを構成する調整部は、光ファイバを保持する保持部と、前記保持部の光ファイバ出射部分を移動させる機構部とからなる請求項6記載の光加工装置。
- 調整部を構成する機構部は、保持部に押し圧力を加えることで前記保持部の光ファイバ出射部分を移動させる請求項7記載の光加工装置。
- バンドルファイバを構成する複数の光ファイバは略環状に配置されており、調整部により各光ファイバの位置を変更して各光ファイバが配置されている略環状の径を変更することでバンドルファイバから出射される略環状の光の径を変更可能とする請求項6から8のいずれか1項に記載の光加工装置。
- 環状に配置された複数の光ファイバの略中心にも光ファイバを配置した請求項9記載の光加工装置。
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