JP3207939U - 光線整形光学系、およびそれを用いたレーザはんだ溶着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非点隔差を有する半導体レーザが出射する光線の光軸に垂直な面に対して、楕円形断面を有する光線を略円形に整形する光線整形光学系を小型化、軽量化または低コスト化して、該光線整形光学系を備えることによって、高い加工精度及び高いはんだ付け信頼性を確保できるレーザはんだ溶着装置を提供する。【解決手段】半導体レーザ1の光線を整形するコリメートレンズ系を備える光線整形光学系12であって、コリメートレンズは、対向配置した2つのシリンドリカルレンズ10a、10bからなり、2つシリンドリカルレンズ10a、10bの軸心は、互いに略直交する関係にあり、また半導体レーザ1の光線の光軸と直交するような関係を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、半導体レーザ等の集光用の光線整形光学系、およびそれを用いたレーザはんだ溶着装置に関するものである。
近年、光エレクトロニクスの発展に伴い、半導体レーザ・光IC・光ファイバ間の光パワー結合が重要な基本技術の一つとなっている。ところが、半導体レーザの結像位置は水平方向と垂直方向とは異なる(非点隔差)ため、通常のコリメータレンズ、例えば一方の面が平面で他方が凸面である平凸レンズを用いるが、一点に集光することは困難とされる。すなわち、半導体レーザにおいて接合面に垂直な方向のビームウェイトは端面に一致するが、平行な方向では端面から数十μmの深さの位置にあるためである。
通常、N型基板、電極、反射層、P型クラッド層とN型クラッド層に挟まれた活性層、等から成る半導体レーザ1は、図1(A)に示すように、半導体レーザ1の活性層2から一方のへき開面3を介して光線を出射する。そして、出射光線は、その光軸に対し、例えば、楕円形状または長方形状の強度分布を有する。このため、図1(B)〜(C)に示すように、半導体の活性層(接合面)2に水平な方向θ‖のビームウェイトが、半導体の活性層(接合面)2に垂直な方向θ⊥のビームウェイトより、光出射面からΔZ(線A−A´の差分)だけ内部に位置し、非点隔差を生じることとなる。この非点隔差は、屈折率導波型では通常5μm以下であるが、利得導波型では10〜50μm程度の大きさとなる。この影響により、レーザビーム4をコリメータレンズで平行光線に変換したり、コンデンサレンズで微小なスポットに集光したりする場合には障害になる虞がある。ここで、半導体レーザ1から出射したビームを、コンデンサレンズを通して所定の面に集光する場合の光線の光路の様子を描いてみると、図2のように示される。垂直方向に広がった光線は線B上において集光するように振舞うが、一方水平方向に広がった光線は線B´上において集光するように振舞う。つまり、半導体レーザから出射した光線は、予想以上に光線に幅が生じてしまい、コンデンサレンズによって集光される際、パワーを微小な領域(ほぼ一点)に絞ることが難しくなってしまう。
特開昭61−282813号公報(特許文献1)には、アナモルフィック平板マイクロレンズを用いて、非点隔差なく効率よくレーザー(例えば、半導体レーザー)を集光する(特に、ビームの形状を補正する)方法が記載されている。具体的には、半導体レーザの接合面と垂直な方向即ちθ⊥方向とアナモルフィック平板マイクロレンズのX方向とを一致させてレンズのX方向の焦点と共焦点とし、また半導体の接合部と水平な方向即ちθ‖方向とアナモルフィック平板マイクロレンズのX方向とを一致させてアナモルフィック平板マイクロレンズのX方向の焦点を共焦点にすることによって、半導体レーザの非点隔差を除去することが記載されている。なお、アナモルフィック平板マイクロレンズのレンズ部は、例えばX方向とY方向では屈折率勾配部の長さが異なり、このために屈折率勾配もX方向とY方向では異なるのでレンズ部は楕円半球状となっている。
特開平8−029726号公報(特許文献2)には、半導体レーザから照射される光束を、楕円形断面を有する光束から、ほぼ円形断面を有する平行光束に整形するビーム整形光学系が記載されている。ビーム整形光学系は、具体的には、コリメータレンズと整形レンズとから構成され、コリメータレンズは、半導体レーザが照射する拡散光を平行光線に変換する。整形レンズは、XZ平面において、平行光束を発散する屈折面であり、入射ビームを所定の倍率で拡大整形し、YZ平面においては屈折力を有しないので、入射ビームは拡大されることなくそのまま透過するため、整形レンズを通過した光は、ほぼ円形断面を有する平行光束に整形される。(特に、特許文献2の段落[0014]〜[0015]、[0024]、図1及び図2)また、整形レンズにおいて、入射側の楕円筒面S1と出射側の楕円筒面S2は互いに相似で、且つ焦点Oを共有するように配置されている(特に、特許文献2の段落[0014]〜[0015]、[0024]、図1及び図2)。
特開2004−226647号公報(特許文献3)には、半導体レーザからの楕円形放射光の断面形状をもつレーザ光の強度分布を略円形の断面形状の強度分布のレーザ光に整形するビーム整形レンズが記載されている。具体的なビーム整形レンズは、レーザ光が入射する入射面の延長上(先)には、略半円筒状の凸状のビーム補正部が、薄板状のレンズ基部上に形成されたものである。そして、ビーム補正部は、一般にシリンドリカルレンズと呼ばれるものであり、ビーム補正部の長手方向とレーザ光の短軸方向、即ちビーム補正部12の長手方向とθ⊥方向とが略一致するように、光ファイバを保持するフェルール22に取付けられる。ビーム整形の原理として、θ‖方向の断面には曲率を持っているので光は曲げられるが、θ⊥方向の断面には曲率がないために平行平面ガラスを光が通過するのと同じように、方向が少し変化するだけで入射した光は素通りするから、断面円形に整形されて光ファイバ21に入射することになることが記載されている(特に、特許文献3の[0001]、[0014]、[0019]、図1、及び図2)。
特開昭61−282813号公報 特開平8−029726号公報 特開2004−226647号公報
上述のように、半導体レーザの方向により、結像位置(または、集光位置)が異なると、光ファイバや光導波路に結合するとき、非常にロスが大きくなるばかりか、特に半導体レーザを用いたはんだ付け装置においては、はんだ(特に、クリームはんだ)に十分な加熱を付与することが困難で、加工精度およびはんだ付け信頼性等の確保が難しくなるという問題点があった。すなわち、集光することを想定する面に、レーザ加工する対象物を設置して過熱処理(加工)するような場合、集光するスポットが所定の幅以上に広がっていると、十分なエネルギー密度を与えられることがなく、十分なレーザ加工ができないという問題が起こる。従来、そのような問題を解消するために、上述のようなビーム整形方法、および光学系が考案されているが、それぞれ困難となる点が指摘されている。
まず、特許文献1に記載されたビーム整形方法では、ロッドレンズを用いているが、そのような方法では、ビーム整形を行う光学系が光軸側に延長されてしまい小型化が困難と考えられる。また、光学的ロスを生じる虞もある。
また、特許文献2に記載されたビーム整形光学系では、整形レンズは、通常のレンズより複雑な形状(ハイブリッドレンズ)をしており、汎用光学部品とは言いがたく、高い加工精度が予想される。よって、ビーム整形を行う光学系が光軸側に延長され、小型化、軽量化または低コスト化が困難といえ、また整形レンズは垂直方向及び水平方向の屈折率の調整を一枚のレンズで行うため、垂直方向と水平方向を独立に調整するようなことは困難といえる。特許文献3に記載されたビーム整形レンズについても同様である。
本考案は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その解決すべき課題すなわち目的は、非点隔差を有する半導体レーザが出射する光線の光軸に垂直な面に対して、楕円形断面を有する光線を略円形に整形する光線整形光学系を小型化、軽量化または低コスト化して提供すること、及び該光線整形光学系を備えることによって、高い加工精度及び高いはんだ付け信頼性を確保できるはんだ溶着装置を提供することにある。
本考案の上記目的は、半導体レーザの光線を整形するコリメートレンズを備える光線整形光学系であって、前記コリメートレンズは、対向配置した2つのシリンドリカルレンズからなり、前記2つシリンドリカルレンズの軸心は、互いに略直交する関係にあり、また前記半導体レーザの前記光線の光軸と直交する関係にあることにより達成される。
また、本考案の上記目的は、前記光軸に垂直な面に対して、第1の短軸と第1の長軸と前記第1の長軸に対する前記第1の短軸の比率である第1の比率を有する楕円形状の強度分布を有する第1の光線を、第2の短軸と第2の長軸を有し、前記第2の長軸に対する前記第2の短軸の第2の比率が前記第1の比率より小さい楕円形状の強度分布を有する第2の光線に整形することにより、或いは前記光軸に垂直な面に対して、第1の短辺と第1の長辺と前記第1の長辺に対する前記第1の短辺の比率である第1の比率を有する略長方形状の強度分布を有する第1の光線を、第2の短辺と第2の長辺を有し、前記第2の長辺に対する前記第2の短辺の第2の比率が前記第1の比率より小さい略長方形状の強度分布を有する第2の光線に整形することにより、或いは前記第2の比率が3.0以下であることにより効果的に達成される。
また、本考案の上記目的は、上記光線整形光学系を備えるレーザはんだ溶着装置により効果的に達成される。
本考案では、半導体レーザの非点隔差を解消する光線整形光学系において、コリメートレンズを構成する2つシリンドリカルレンズの軸心は、互いに略直交する関係にあり、また半導体レーザの光線の光軸と直交する関係にあることにより、小型化、軽量化または低コスト化し、調整を容易にすることが可能となる。
半導体レーザの非点隔差に関する説明図で、(A)は、半導体レーザ1の活性層2から、強光軸対し、楕円形状の強度分布レーザビームを発生させる様子を示す図である。(B)、(C)は、それぞれ半導体の活性層(接合面)2に水平な方向θ‖のビームウェイト(広がり)を示す図であり、半導体の活性層(接合面)2に垂直な方向θ⊥のビームウェイト(広がり)を示す図である。 非点隔差のある半導体レーザの光線をコンデンサレンズで集光した様子を示す図である。 本考案の光線整合光学系において用いるシリンドリカルレンズの斜視図である。 (A)は、本考案の光線整形光学系(コリメータレンズ系)の水平方向の構成図である。(B)は、本考案の光線整形光学系(コリメータレンズ系)の垂直方向の構成図である。 本考案の光線整合光学系を用いて、非点隔差のある半導体レーザの光線をコンデンサレンズで集光した様子を示す図である。 (A)〜(D)は、レーザはんだ付け(溶接)の作業工程を示す図である。 レーザはんだ付け装置を示すブロック図である。 (A)は、本考案のレーザはんだ溶着機の水平方向の光学系構成図(光線整形光学系、コリメータレンズ系)である。(B)は、本考案のレーザはんだ溶着機の垂直方向の光学系構成図(光線整形光学系、コリメータレンズ系)である。 レーザダイオードから出射される光線の光軸から見た、図8の地点Aにおける強度分布を示す図である。 (A)は、水平な方向のビームの広がりを示す図であり、(B)は、垂直な方向のビームの広がりを示す図である。 従来のコリメータによる、図8の地点Bにおける、コリメータ(平凸レンズ)1枚のスポット画像(強度分布)を示す図である。 本考案の実施形態による、図8の地点Bにおける、コリメータ(平凸シリンドリカルレンズ)2枚のスポット画像(強度分布)を示す図である。 (A)〜(C)は、本考案の実施形態による、図8の地点Cにおける、スポット画像(強度分布)を示す図である。
以下、本考案の内容の実施形態を示す添付図面に基づいて説明する。なお、本考案は必ずしも以下の実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲を逸脱しない範囲において、その構成を種々に変更し得る。
本考案の光線整形光学系は、2つのシリンドリカルレンズの軸心は、互いに略直交する関係にあり、また半導体レーザの光線の光軸と直交する関係にあるコリメートレンズ系を用いることにより、半導体レーザの非点隔差を解消し、該光線整形光学系を用いたレーザ加工装置の小型化、軽量化または低コスト化し、調整を容易にすることが可能となるものである。特に、高出力半導体レーザの出射は、へき開面3の水平方向と垂直方向で発光領域の長さが異なるため、出射広がり角が水平方向と垂直方向で異なっているが、本考案の光線整形光学系によって、強度分布が均一な、例えば略円形または略正方形の断面形状に近いビームを生成することが可能となる。
まず、本考案において用いるシリンドリカルレンズ10の斜視図、及びシリンドリカルレンズの軸心11(仮想の中心軸を一点破線で示す)を図3に示す。なお、仮想のシリンダー形状を点線で表し、Dはシリンダー形状の直径を示す。
そして、水平方向の出射広がり角と垂直方向の出射広がり角とを調整する手段、すなわち本考案の光線整形光学系である。本考案では、光軸に垂直な面において、水平方向と垂直方向を焦点距離が異なるシリンドリカルレンズを組み合わせコリメートレンズとして使用することによって、ビームの強度分布を楕円形状から略円形または長方形状から略正方形状に補正(整形)する光線整形光学系12を考案した。本考案の光線整形光学系の原理図を模式的に図4のように示す。
図4に示すように、2枚のシリンドリカルレンズ10a、及び10bを光線整形光学系12に採用することによって、半導体レーザの光線の水平方向と垂直方向とを分けることができる。この構成によって、接合面の垂直な面(広がり角の大きいθの面)に広がっている光線を接合面の水平な面(広がり角の小さいθの面)に広がっている光線の方を選択的に屈折させる作用を奏するため、半導体レーザの出射角に対するコリメートレンズ系の最適化が可能となる。本考案の光線整合光学系を用いて、非点隔差のある半導体レーザの光線をコンデンサレンズによって、接合面の垂直な面(広がり角の大きいθの面)に広がっている光線と、接合面の水平な面(広がり角の小さいθの面)に広がっている光線とはともに、コンデンサレンズから同じ距離(線c上)で集光する、すなわちほぼ一点において集光する様子を図5に示す。
次に、レーザはんだ付け(溶着)の作業工程、及びレーザはんだ付け(溶着)装置について説明をする。レーザはんだ付け(溶着)の作業工程の概略は、1.はんだ付けをする箇所にレーザ照射、2.照射された箇所が発熱(表面発熱)、3.周りに熱が伝わり溶融温度まで上昇、4.はんだ供給開始、5.はんだ供給停止、6.冷却(所定時間放置)を繰り返すものである。
具体的には、レーザはんだ付けの作業工程を図6(A)〜(D)に示しつつ説明をする。図6(A)において、はんだ23が流し込まれるスルーホール(孔)21が設けられている基板に、電子素子の端子(リード)22が挿入され、レーザビーム25が照射されて、端子及びスルーホール21が予熱処理がされている、すなわちレーザビーム照射によって部位が発熱する様子 を示している。次に、(B)では、はんだ供給口24から、はんだ(例えば、クリームはんだ、糸状のはんだ線)23が、スルーホール21に供給され、加熱によって溶解して、スルーホール21に流れる様子を示している。さらに、(C)では、はんだの供給は停止され、レーザビーム25は継続して照射される後加熱処理が行われる様子を示している。最後に、(D)では、スルーホール21及び端子22へのレーザビーム照射を停止して、冷却工程を行い、レーザはんだ付けの作業工程は終了する。そして、このような処理工程を、レーザビームかつ/又は基板を搭載しているステージを移動するように制御して、他のスルーホールと端子とをはんだ付けを繰り返し、すべての電子素子の端子が出ているスルーホールのはんだ付けが終了するまで行う。なお、はんだごてによるはんだ付けの場合、こて先の温度以上に上昇しないが、ピンポイントで照射が可能なレーザは当て続ければ温度はさらに上昇する。このため、照射される部位が加熱し過ぎてしまう可能性があるため、照射エネルギーと時間とを制御することが必要である。
以上の説明したレーザはんだ付けの原理を踏まえて、レーザはんだ溶着装置30について図7に示しつつ説明をする。
プリント基板51のスルーホール35に電子部品36のリード32を挿入してはんだ付けする。レーザ光源(半導体レーザ)41からのレーザ光31が、リード32に向けて照射される。リード32をプリント基板51にはんだ付けするためのはんだ(例えば、クリームはんだ、糸はんだ)33は、はんだガイド48を通して供給される。本考案の実施形態では、撮像装置であるCCDカメラ43を備え、スルーホール35を貫通するリード32の画像を取得する。すなわち、リード32あるいはプリント基板51から反射される光線は、ハーフミラー46により反射してCCDカメラ43に入射する。CCDカメラ43により得られた画像は、例えば、図6(A)〜(D)のようなリード(端子)32とスルーホール35との関係を映し出す。この画像情報に基づいて制御装置45は、例えば、リード32とスルーホール35の周囲の淵との距離が最も大きくなる方向から、はんだを供給するようにはんだ供給装置47を制御する。すなわち、はんだガイド48はリード32の周囲を回り、最適な位置からはんだ(例えば、クリームはんだ、又は糸はんだ)を供給する。なお、レーザ光源41とCCDカメラ43の位置を相互に入れ替えて、レーザ光をハーフミラー46で反射するようにしてもよい。
また、基板51は、XYステージ50の上方に固定されており、制御装置45は、画像情報、及び/又は各スルーホールの位置情報(座標情報)に基づいて、XYステージ50を制御して、レーザ光線を照射してはんだ付け処理を行う。その際、非点隔差を有する半導体レーザが出射する光線の光軸に垂直な面に対して、楕円形断面を有する光線を略円形に整形する光線整形光学系を、レーザ光源(半導体レーザ)とコンデンサレンズ系との間に配置することによって、集光する微小領域の形状を略円形に整形し、高いエネルギー密度で所定の部位(例えば、はんだ、スルーホール、及びリード)を加熱することができる。よって、高い加工精度及び高いはんだ付け信頼性を確保できるレーザはんだ付け装置を提供することができるのである。さらに、本考案の従来のビーム整形レンズに比較して、シリンドリカルレンズを採用しているため、小型化、軽量化または低コスト化しているから、半導体レーザを用いたはんだ溶着装置に対して、小型化、軽量化または低コスト化に寄与することが出来る。また、2つのシリンドリカルレンズの軸心の間の角度、及び/又は距離を調整することによって、半導体レーザの非点隔差が多少ばらついても、各装置に個別に調整することも許容される。
次に、図8の(A)に、本考案のレーザはんだ溶着機の水平方向の光学系(光線整形光学系、コリメータレンズ系)構成図を示す。また、図8の(B)に、本考案のレーザはんだ溶着機の垂直方向の光学系(光線整形光学系、コリメータレンズ系)構成図を示す。本考案のレーザはんだ溶着機の光学系は、図8に示すとおり、レーザはんだ溶着機の光学系60は、レーザダイオード61、第1の平凸シリンドリカルレンズ62、第2の平凸シリンドリカルレンズ63、平凸レンズ64、及び平凹レンズ65より構成され、この順に配置されている。そして、各構成の仕様を順に説明すると、レーザダイオード61は波長450nmの光線を出射する。第1の平凸シリンドリカルレンズ62は、レーザダイオード61から光軸(一点破線)に沿って6mmの箇所に配置され、水平方向に屈折力を有さず、垂直方向に屈折力を有し、シリンダー形状の直径は9.42mm、焦点距離6mmである。第2の平凸シリンドリカルレンズ63は、レーザダイオード61から光軸(一点破線)に沿って25mmの箇所に配置され、垂直方向に屈折力を有さず、水平方向に屈折力を有し、シリンダー形状の直径は25.92mm、焦点距離25mmである。第2の平凸シリンドリカルレンズ63の先に、平凸レンズ64が配置されており、球面直径55.82mm、焦点距離54mmである。平凸レンズ64から光軸(一点破線)に沿って25mmの箇所に平凹レンズ65が配置され、平凹レンズ65の球面直径42.38mm、焦点距離27mmである。
次に光線経路を説明すると、地点Aではレーザダイオード61から出射した光線は、光軸方向に垂直な面からみた光線の強度分布が楕円、すなわち円形ではなく横長の強度分布を持っている。まず、レーザダイオード61から出射した光線は、第1の平凸シリンドリカルレンズ62において、水平方向の面の広がり角は変化せず、垂直方向の面では平行光線に変換される。そして、第1の平凸シリンドリカルレンズ62を透過した光線は、第2の平凸シリンドリカルレンズ62において、垂直方向の面の広がり角は変化せず、水平方向の面では平行光線に変換される。このように、地点Bにおいては、2枚の平凸シリンドリカルレンズを透過した結果、レーザダイオード61から出射した光線は、垂直方向と水平方向の広がり角の差が小さくなり、光軸方向に垂直な面からみた光線の強度分布が楕円からより円形に近い形状へと変換されるようになる。第2の平凸シリンドリカルレンズ63を透過した光線は、平凸レンズ64によって集光され、続いて平凹レンズ65に入射して、集光位置(距離)を調整され、地点Cにて集光することができる。
次に、本考案のレーザはんだ溶着装置における、実際の光軸方向に垂直な面からみた光線の強度分布(スポット画像)を図に示しつつ、作用及び効果について説明する。
先ず、図9にレーザダイオードから出射される光線の光軸から見た、地点Aにおける強度分布(暗いほどビーム強度が強いことを示す)を示す。ビームの垂直方向は、1.184μmであるのに対して、ビームの水平方向は、15.984μmであり、明らかに横長(長方形状)の強度分布を形成している。また、図10(A)には、水平方向のビームの広がりを示し、(B)には、垂直方向のビームの広がりを示す。なお、図10(A)及び(B)の横軸は、垂直方向及び水平方向の広がり角を示し、これに対し、縦軸は規格化された発光強度を示しており、半導体レーザビームの強度分布をグラフとして示す。
図11は、従来のコリメータによる、地点Bにおけるスポット画像(強度分布)を示す図である。なお、コリメータ系として、1枚の平凸レンズを使用し、例えば、球面直径18.84mm、焦点距離f12の平凸レンズを使用しても良い。半導体レーザの光線は、幅広の帯状(長方形状)の強度分布であるため、コリメータ系の平凸レンズに一部が入射するに過ぎず、一部の光線はレンズからはみ出してしまい、光線の一部はレンズの周辺に流れ、一部は外れてしまう。このため、光線エネルギーの利用効率は必ずしも良くない。図11には、大きさ(幅X=32、幅Y=439)のように表示されており、半導体レーザの光線の強度分布は、長い帯状(または長方形状)強度分布であることが示されている。このため、そのような光線では、コンデンサレンズ系により集光した状態を得ることは困難である。
これに対し、図12の画像は、本考案の実施形態によるコリメータ系(2枚の平凸シリンドリカルレンズを使用したもの)による、地点Bにおける、スポット画像(強度分布)を示す。上述のように、軸が直交する2枚の平凸シリンドリカルレンズを使用したため、半導体レーザビームの断面強度分布は、帯状から縦幅と横幅とが近い長さを有する長方形状(略正方形)に整形されていることが示されている。具体的には、画面縦方向に光線の幅が横方向の光線の幅よりも縮まって変換されている。すなわち、帯状(長方形状)強度分布を略正方形状強度分布に変換された結果、平行光線に変換するコリメータ系(平凸シリンドリカルレンズ62及び平凸シリンドリカルレンズ63で構成)及び平行光線を集光するコンデンサレンズ系(平凸レンズ64及び平凹レンズ65で構成)のいずれにおいても、レンズから外れることもなく、効率よく入射されることができるようになる。このため、半導体レーザの光線を無駄なく、通信手段またはレーザ加工においても使用できるから、エネルギー使用効率を高くすることができることが示されている。なお、半導体レーザにおいては、出射する光線に波長分布等の影響が見られるため、図12の画像が示すように、主たる強度分布のサイドに弱いビームの強度分布(帯状)が存在する場合がある。
最後に、本考案の実施形態の光線整形光学系において、コンデンサレンズ系を通過し、地点Cにおいて集光した、スポット画像(強度分布)を図13(A)〜(C)に示す。図13(A)は図8の地点C−10mm、(B)は図8の地点C、(C)は図8の地点+10mmにおける半導体レーザのビームの集光したスポット画像(強度分布)の横方向と縦方向との強度比は、49.6:20.6、47.6:20.9、46.:20.0であり、すなわちそれらの強度比率は、2.407、2.278、2.3であると見積もることができる。半導体レーザから出射した直後では、横方向と縦方向との強度比は、15.98:1.184であり、すなわちそれらの強度比率は、13.5であるから、横方向と縦方向との強度比率は、約1/6(1/5.95〜1/5.61)に低減し、半導体レーザのビームの集光効率及び利用効率を向上されることができるが示された。
また、ファイバを使用しないで集光させることにより、ワーキングディスタンス(例えば、コンデンサレンズ系からワークエリアの地点Cまでの距離)が約20mm確保することができ、半導体レーザのビームの集光径がほぼ変化しない高さ方向の距離を±10%に確保したことに相当する。このように、コリメータレンズ系の後に配置されたコンデンサレンズ系によって集光させたスポットは、2つのシリンドリカルレンズ(シリンドリカルレンズ62、63)を透過することによって、ビーム形状(光軸に対する強度分布)が効率的に整形される。半導体レーザの光線が、コリメータレンズ系及びコンデンサレンズ系の光学系から外れないように、地点Cにおいて集光する集光スポット(強度分布)の形状に適したシリンドリカルレンズの外形寸法を設計又は選定することが望ましい。例えば、半導体レーザの光線が活性層に対して垂直方向に広がっているような場合、半導体レーザ側に、より屈折力の大きい(焦点距離が短い)シリンドリカルレンズを配置し、コンデンサレンズ系側により屈折力の小さい(焦点距離が長い)シリンドリカルレンズを配置するようにしても良い。半導体レーザの光線がコリメータレンズ系及びコンデンサレンズ系の光学系から外れないように集光させるためには、シリンドリカルレンズの外形寸法を設計又は選定について他の方法を適宜用いてもよい。
本発明は、例えば、半導体レーザを用いた光通信装置、及びはんだ溶着装置等に利用できる。
1・・・半導体レーザ
2・・・活性層(接合面)
3・・・へき開面
4・・・レーザビーム
10、10a、10b・・・シリンドリカルレンズ
11・・・軸心
12・・・光線整形光学系
20・・・基板
21・・・スルーホール(孔)
22・・・端子(リード)
23・・・はんだ
24・・・はんだ供給口
25・・・レーザビーム
30・・・レーザはんだ溶着装置
31・・・レーザ光
32・・・端子(リード)
33・・・はんだ
35・・・スルーホール
36・・・電子部品
41・・・レーザ光源(半導体レーザ)
43・・・CCDカメラ
45・・・制御部
46・・・ハーフミラー
47・・・はんだ供給部
48・・・はんだガイド
50・・・XYステージ
51・・・回路基板
60・・・レーザはんだ溶着機の光学系
61・・・レーザダイオード
62・・・第1の平凸シリンドリカルレンズ
63・・・第2の平凸シリンドリカルレンズ
64・・・平凸レンズ
65・・・平凹レンズ

Claims (5)

  1. 半導体レーザの光線を整形するコリメートレンズを備える光線整形光学系であって、前記コリメートレンズは、対向配置した2つのシリンドリカルレンズからなり、前記2つシリンドリカルレンズの軸心は、互いに略直交する関係にあり、また前記半導体レーザの前記光線の光軸と略直交する関係にあることを特徴とする光線整形光学系。
  2. 前記光軸に垂直な面に対して、第1の短軸と第1の長軸と前記第1の長軸に対する前記第1の短軸の比率である第1の比率を有する楕円形状の強度分布を有する第1の光線を、第2の短軸と第2の長軸を有し、前記第2の長軸に対する前記第2の短軸の第2の比率が前記第1の比率より小さい楕円形状の強度分布を有する第2の光線に整形することを特徴とする請求項1に記載の光線整形光学系。
  3. 前記光軸に垂直な面に対して、第1の短辺と第1の長辺と前記第1の長辺に対する前記第1の短辺の比率である第1の比率を有する略長方形状の強度分布を有する第1の光線を、第2の短辺と第2の長辺を有し、前記第2の長辺に対する前記第2の短辺の第2の比率が前記第1の比率より小さい略長方形状の強度分布を有する第2の光線に整形することを特徴とする請求項1に記載の光線整形光学系。
  4. 前記第2の比率が3.0以下であることを特徴とする請求項2または3に記載の光線整形光学系。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の光線整形光学系を備えるレーザはんだ溶着装置。
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