JP5267755B1 - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバによって伝送されるレーザを用いたレーザ切断処理において、切断面の粗度を改善することが可能なレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供すること。【解決手段】本発明に係るレーザ加工装置は、レーザビームを射出する少なくとも1台のレーザ発振器と、射出されたレーザビームを伝送する複数の光ファイバと、光ファイバから射出されたレーザビームを被加工材料の表面に集光照射させる少なくとも1つの光学素子と、を備え、光ファイバの出射端では、複数の光ファイバの出射端が1又は複数の円環状に配設されており、少なくとも最外周の円環状に配設された複数の光ファイバによって伝送されるレーザビームは直線偏光を有し、当該複数の光ファイバの出射端から射出される直線偏光のレーザビームの偏光方向が、当該最外周の円環の中心を基準として放射状の方向に揃っている。

Description

本発明は、レーザ加工装置及びレーザ加工方法に関する。
レーザ発振器の発達に伴い、レーザを用いて材料を除去加工したり、接合加工したり、表面改質したりするレーザ加工技術が、広く用いられるようになってきている。特に、高出力レーザを用いて金属材料を加工する技術の一種であるレーザ切断技術は、後処理工程不要、自動化が可能、高速切断が可能といった様々な利点を持つことから、広く産業において、各種材料の切断に用いられている。
以下、従来のレーザ加工装置について簡単に説明する。
図24は、鋼板の切断に用いられる従来のレーザ加工装置を説明するための説明図である。従来のレーザ加工装置900では、レーザ発振器として、レーザ媒質としてCOガスを利用したCOレーザ発振器901が用いられることが多い。COレーザ発振器901から射出されたレーザビームLBは、レーザ加工装置900の本体903及び加工ヘッド905内に設けられた光路を伝送され、被加工材料である鋼板Sの表面へと集光照射される。
具体的には、図24に示したように、COレーザ発振器901から射出された波長10.6μmのレーザビームLBは、光路上に設けられたミラー907a〜907dにより反射伝送され、加工ヘッド905の内部に設けられた集光レンズ909によって鋼板表面に集光される。レーザビームLBを吸収した鋼板Sは、レーザビームLBが有するエネルギーにより加熱されて溶融することとなる。加工ヘッド905の先端に設けられたノズルからレーザビームLBと同軸方向に酸素や不活性ガス等のアシストガスが噴き付けられることにより、溶鋼は、被加工材料の下方(図24中のZ軸負方向側)へと排除される。
レーザ加工装置900は、レーザビームLBを照射しながらレーザビームLBの集光点をXY平面内で走査することで、被加工材料の溶融及び排除を連続的に生じさせる。その結果、レーザビームLBの走査線上及び当該走査線の近傍に位置する被加工材料が除去されて、最終的には被加工材料が切断される。ここで、レーザビームLBの照射により被加工材料が除去された部分は、切断カーフ、又は単にカーフと呼ばれる。また、COレーザ発振器901から射出されるレーザビームの偏光は、XY平面のあらゆる向きに被加工材料を切断した場合であっても加工性が均一に保たれるように、通常、円偏光とされる。
また、レーザ加工装置900におけるX軸方向の走査は、レーザ加工装置900の本体903がレーザ発振器や加工ヘッドもろともガイドレール911上を移動することで、実現される。また、レーザ加工装置900におけるY軸方向の走査は、ミラー907d、集光レンズ909及びアシストガスを噴き付けるノズル等が含まれた加工ヘッド905が移動することで、実現される。
図25Aは、レーザビームLBの集光点の近傍の様子を、鋼板Sの上方から拡大して見た際の上面図であり、図25Bは、図25Aに示したカーフ921を中心線で切断した場合の断面図である。
上方から集光されてくる1本のレーザビームLBは、図25A及び図25Bに示したように、カーフの最前線部(以下、カーフフロントとも称する。)923に吸収される。レーザビームLBが被加工材料に吸収されることで材料の溶融が起こり、カーフフロント923は、切断進行方向に向かって移動していく。また、図25Bに示したように、被加工材料の下面におけるカーフフロントの位置は、上面におけるカーフフロントの位置よりも遅れる。そのため、カーフフロントでは、傾斜したカーフフロント面925が形成される。溶融した材料(例えば溶鋼)は、図25Bに示したように、レーザビームLBと同軸に供給されるアシストガス(図示せず。)の力によって、カーフフロント面925を流れ落ち、材料下面より下方へと排除される。レーザビームLBの集光点の走査によって、この現象が連続的に発生し、カーフ921が形成される。
図25A及び図25Bに模式的に示したように、レーザビームLBが通過しカーフ921が形成された後、カーフのサイド面には、切断方向に対して垂直な向きに条痕927が残存する。この条痕の構造は、所定の凹凸と、荒さ(粗度)とを有している。この粗度は、レーザ切断加工において切断面品質を評価する上で重要な指標であり、この粗度の値を最小化することが希求されている。
一方で、近年、高出力レーザ加工分野においては、ファイバレーザやディスクレーザといった1μm近傍(0.5μm〜2μm程度。以下、本明細書においては、1μm帯と称する。)に波長を有する固体レーザの高出力化が進み、注目を集めている。これらのレーザは、従来用いられてきた波長10.6μmのCOレーザよりもレーザビームを微小に集光できる結果、より高いエネルギー密度での被加工材料の加熱が可能となるため、高速加工に適している。また、これらの波長1μm帯のレーザは、光ファイバによる伝送が可能であるという特徴を有している。
図24を参照しながら説明したように、COレーザを用いたレーザ加工装置では、レーザビームをミラーで反射伝送する必要性から、集光レーザビームを走査する際、レーザ発振器本体を含めた駆動が必要となり、大がかりな機械装置が必要であった。一方、光ファイバで伝送可能な波長1μm帯のレーザの場合、レーザ発振器を加工装置本体から取り除き、ミラーを用いることなく光ファイバでレーザビームを伝送することができるため、装置の簡素化により、機械装置部分の製作費用を削減することができる。更に、COレーザの発振器は、2枚の共振器の間にレーザ媒質を配置した発振器構成となっているため、定期的な共振器アライメント調整作業が必要となる一方で、ファイバレーザやディスクレーザは、共振器のアライメント調整が事実上不要であり、レーザ加工装置の稼働率を向上させることが可能という利点もある。以上のように、ファイバレーザやディスクレーザのレーザ加工装置への導入メリットは、極めて大きいものである。
しかしながら、厚さが4mm程度以上となる厚手の鋼板の切断に関しては、波長1μm帯のレーザで得られる切断品質は、COレーザで得られる切断品質のレベルよりも低いという問題がある。例えば以下の非特許文献1には、ステンレス鋼板をディスクレーザ及びCOレーザで切断した比較結果が報告されており、厚み6mmでは、ディスクレーザによる切断面粗度がCOレーザによる切断面粗度よりも、極めて劣ることが示されている。この切断面品質の問題から、レーザによる厚鋼板の切断においては、COレーザを使い続けているのが現状であり、上述した波長1μm帯のレーザの利点を享受することができていない。
波長1μm帯のレーザを用いた切断における粗度の改善に向けた提案として、以下の特許文献1では、COレーザでは通常レーザビームのビーム品質が良好であることを指摘した上で、波長1μm帯でもビーム品質(Beam Parameter Product:BPP、ビームパラメータ積ともいう。)の良いレーザを用いれば、切断品質が向上できる、としている。しかしながら、非特許文献1にあるように、ビーム品質が良好なファイバレーザやディスクレーザを用いた場合であっても切断面品質はCOレーザには及ばない、という事実が明らかになっている。これは、1μm帯と10μmというレーザビーム波長の違いが切断現象を大きく変えてしまうことを示唆するとともに、従来のCOレーザを用いた切断での知見を波長1μm帯のレーザでの切断に適用していくことが困難という、問題の複雑さをも示している。
一方、光ファイバにより伝送される波長1μm帯のレーザビームを複数用いることで、レーザビームの空間強度分布を制御することが可能であり、この空間強度分布の制御方法をレーザ切断へ適用することが検討されてきた。
例えば以下の特許文献2には、複数のレーザビームをリング状に配設することで、円形のレーザビームがリング状に並んだ強度分布を得る技術が開示されている。この技術は、レーザビームの外縁部でレーザ強度分布にシャープな立ち上がりが得られ、酸素ガスを主成分とするアシストガスを用いる鋼板の切断に対しては、粗度抑制には一定の効果がある。しかしながら、主としてステンレス鋼等に用いられる、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを主成分とするガスをアシストガスとして用いる切断に関しては、COレーザと同等の粗度を提供することは困難であり、十分な効果を発揮するものではない。
また、以下の特許文献3には、主として溶融を生成するメインのレーザビームの後方に、溶融物排出をアシストするために少なくとも1つの溶融物排出ビームを配設する技術が提案されている。特許文献3に開示されているように、この技術の基本的な考え方は、溶融物排出ビームの照射により、溶融物の表面を蒸発させ、蒸発の反力として得られる高い圧力によって溶融物の排出を円滑にするものである。溶融物の排出を円滑にすることで、切断速度向上や切断厚み増加といった切断能力の向上を図ることは可能である。しかしながら、切断面品質に関しては、溶融物排出ビームの作用が現れる材料下面に近い深部を除き、溶融生成用のメインのレーザビームで決まる部分が大きく、通常の1本のビームと比較して大幅な品質向上は得られなかった。また、この技術では、材料表面に集光されるレーザビームの空間強度分布が非対称となるため、あらゆる方向に均一な切断特性を担保するためには、切断方向の変化に応じてレーザビームの空間強度分布を回すための精密な仕組みが必要となり、装置が複雑化するという欠点を有していた。
特表2009−525189号公報 特許第4505190号公報 特表2010−508149号公報
P.A.Hilton,"Cutting Stainless Steel with Disc and CO2 Lasers",Proceedings of LAMP2009−the 5th International Congress on Laser Advanced Materials Processing,2009年
以上説明したように、光ファイバで伝送される波長1μm帯のレーザを用いたレーザ加工処理(特に、レーザ切断処理)を実現するにあたって、切断面粗度の向上を図ることが可能な技術の開発が希求されていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、光ファイバによって伝送されるレーザを用いたレーザ切断処理において、切断面の粗度を改善することが可能な、レーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、レーザ発振器から射出されたレーザビームを導光し、被加工材料の表面に集光照射することで、当該被加工材料を加工するレーザ加工装置であって、前記レーザビームを射出する少なくとも1台のレーザ発振器と、射出された前記レーザビームを伝送する複数の光ファイバと、前記光ファイバから射出された前記レーザビームを前記被加工材料の表面に集光照射させる少なくとも1つの光学素子と、を備え、前記光ファイバの出射端では、前記複数の光ファイバの出射端が1又は複数の円環状に配設されており、少なくとも最外周の前記円環状に配設された前記複数の光ファイバによって伝送されるレーザビームは直線偏光を有し、当該複数の光ファイバの出射端から射出される直線偏光の前記レーザビームの偏光方向が、当該最外周の円環の中心を基準として放射状の方向に揃っているレーザ加工装置が提供される。
前記レーザ加工装置では、前記円環の中心部分に、更に1本の前記光ファイバが配置されてもよい。
前記複数の光ファイバの出射端は、中心を共有する複数の円環状に配設されており、前記最外周の円環の内側で前記円環状に配設された前記光ファイバでは、当該円環の中心を基準として、放射状の方向に偏光方向が揃った偏光を有するレーザビームが伝送されてもよい。
前記複数の光ファイバの出射端は、中心を共有する複数の円環状に配設されており、前記最外周の円環の内側で前記円環状に配設された前記光ファイバでは、無偏光の前記レーザビームが伝送されてもよい。
前記少なくとも1つの光学素子は、前記光ファイバから射出されたレーザビームを平行光とするコリメーションレンズと、前記コリメーションレンズから射出された前記平行光を集光する集光レンズと、を有していてもよい。
前記複数の光ファイバは、前記コリメーションレンズを有する複数のコリメーターが1又は複数の円環状に配設されたコリメーター固定ホルダーに接続されており、前記集光レンズは、球面収差を有する球面レンズ又は所定の曲面を有する非球面レンズであり、前記集光レンズから射出された前記レーザビームが、前記被加工材料の表面に集光照射されてもよい。
最外周の前記円環状に配設されたコリメーターは、前記コリメーター固定ホルダーの前記円環の中心軸方向に対して、前記放射状の外向き又は内向きに傾斜して配設されてもよい。
前記コリメーター固定ホルダーと前記集光レンズとの間に、前記コリメーターから出射される前記レーザビームを前記コリメーター固定ホルダーの前記円環の中心軸方向に対して前記放射状の外向き又は内向きに傾斜させるウェッジが配設されてもよい。
前記レーザ発振器は、ファイバレーザ又はディスクレーザであってもよい。
前記最外周の円環上に配設された複数の前記光ファイバにより伝送される前記レーザビームの直線偏光の方向は、相隣接する前記レーザビーム間で同一回転方向に変化しており、相隣接する2つのレーザビームの直線偏光の方向のなす角は、60°以内であってもよい。
前記最外周の円環上には、6本以上の前記光ファイバが配設されてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、レーザ発振器から射出されたレーザビームを導光し、被加工材料の表面に集光照射することで、当該被加工材料を加工するレーザ加工方法であって、少なくとも1台の前記レーザ発振器から射出されたレーザビームを複数の光ファイバで伝送し、当該レーザビームを前記被加工材料の表面に集光照射させる少なくとも1つの光学素子により、それぞれの前記光ファイバから射出された前記レーザビームを前記被加工材料の表面に集光照射するものであり、前記光ファイバの出射端では、前記複数の光ファイバの出射端が1又は複数の円環状に配設されており、少なくとも最外周の前記円環状に配設された前記複数の光ファイバによって伝送されるレーザビームは直線偏光を有し、当該複数の光ファイバの出射端から射出される直線偏光の前記レーザビームの偏光方向が、当該最外周の円環の中心を基準として放射状の方向に揃っているレーザ加工方法が提供される。
前記レーザ加工方法では、前記円環の中心部分に、更に1本の前記光ファイバが配置されてもよい。
前記複数の光ファイバの出射端は、中心を共有する複数の円環状に配設されており、前記最外周の円環の内側で前記円環状に配設された前記光ファイバでは、当該円環の中心を基準として、放射状の方向に偏光方向が揃った偏光を有するレーザビームが伝送されてもよい。
前記複数の光ファイバの出射端は、中心を共有する複数の円環状に配設されており、前記最外周の円環の内側で前記円環状に配設された前記光ファイバでは、無偏光の前記レーザビームが伝送されてもよい。
前記少なくとも1つの光学素子は、前記光ファイバから射出されたレーザビームを平行光とするコリメーションレンズと、前記コリメーションレンズから射出された前記平行光を集光する集光レンズと、を有していてもよい。
前記複数の光ファイバは、前記コリメーションレンズを有する複数のコリメーターが1又は複数の円環状に配設されたコリメーター固定ホルダーに接続されており、前記集光レンズは、球面収差を有する球面レンズ又は所定の曲面を有する非球面レンズであり、前記集光レンズから射出された前記レーザビームが、前記被加工材料の表面に集光照射されてもよい。
最外周の前記円環状に配設されたコリメーターは、前記コリメーター固定ホルダーの前記円環の中心軸方向に対して、前記放射状の外向き又は内向きに傾斜して配設されてもよい。
前記コリメーター固定ホルダーと前記集光レンズとの間に、前記コリメーターから出射される前記レーザビームを前記コリメーター固定ホルダーの前記円環の中心軸方向に対して前記放射状の外向き又は内向きに傾斜させるウェッジが配設されてもよい。
前記レーザ発振器は、ファイバレーザ又はディスクレーザであってもよい。
前記最外周の円環上に配設された複数の前記光ファイバにより伝送される前記レーザビームの直線偏光の方向は、相隣接する前記レーザビーム間で同一回転方向に変化しており、相隣接する2つのレーザビームの直線偏光の方向のなす角は、60°以内であってもよい。
前記最外周の円環上には、6本以上の前記光ファイバが配設されてもよい。
以上説明したように本発明によれば、複数の光ファイバの出射端を1又は複数の円環状に配設し、少なくとも最外周の円環状に配設された複数の光ファイバによって伝送されるレーザビームが直線偏光を有し、当該複数の光ファイバの出射端から射出される直線偏光のレーザビームの偏光方向が、最外周の円環の中心を基準として放射状の方向に揃うようにすることで、切断面の粗度を改善することが可能となる。
切断面粗度の形成メカニズムについて説明するための説明図である。 レーザビームの偏光方向について説明するための説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置を説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置が備える加工ヘッドを説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置におけるレーザビームの偏光方向について説明するための説明図である。 ビームスポットの直線偏光の向きを放射状に容易に揃えることが可能な光ファイバ終端部の構成の一例を示した説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置におけるレーザビームの偏光方向について説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置が備える加工ヘッドを説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置におけるレーザビームの偏光方向について説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置におけるレーザビームの偏光方向について説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置の変形例について説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置の変形例について説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置の変形例について説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置の変形例について説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置の変形例について説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置の変形例について説明するための説明図である。 同実施形態に係るレーザ加工装置の変形例について説明するための説明図である。 実施例1に係る加工ヘッドを説明するための説明図である。 カーフサイド部の粗度の測定結果を示したグラフ図である。 実施例2に係る加工ヘッドを説明するための説明図である。 カーフサイド部の粗度の測定結果を示したグラフ図である。 実施例3に係る加工ヘッドを説明するための説明図である。 カーフサイド部の粗度の測定結果を示したグラフ図である。 従来のレーザ加工装置を説明するための説明図である。 鋼板切断時のカーフについて説明するための説明図である。 鋼板切断時のカーフについて説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(切断面粗度の形成メカニズムとメカニズムの解明により得られた知見について)
本発明の実施形態に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法について説明するに先立ち、本発明者らにより見いだされた切断面粗度の形成メカニズムに関して説明を行う。
以上説明したように、波長1μm帯のレーザを用いた厚鋼板の切断で得られる切断面粗度がCOレーザで得られる切断面粗度に及ばないという問題への解決策の検討に関しては、進展が得られていなかった。このような解決策の検討が進まない一つの背景として、粗度の形成メカニズムが十分には分かっていないという問題があった。
すなわち、レーザ切断技術の改善に関わる基礎検討について、最大切断速度や切断可能厚みといった切断能力に関しては、メカニズムも含めて知見が蓄積されてきたが、粗度の形成に関しては、従来のCOレーザを用いた切断処理の場合を含め、現象の理解がほとんど進んでいなかった。その上、上述したように、1μm帯と10μmというレーザビーム波長の違いが切断現象を大きく変えるため、従来のCOレーザを用いた切断での知見を、波長1μm帯のレーザでの切断に適用していくことができない。このような理由のため、1μm帯のレーザを用いた切断での粗度改善に向けては、この波長域のレーザを用いた切断における粗度形成過程の理解を進める必要があった。
この点に関し、本発明者らは、丹念に研究を積み重ねた結果、波長1μm帯のレーザを用いたレーザ切断により生じる切断面粗度の形成メカニズムに関し重要な知見を得ることに成功し、粗度の改善策を見出すに至った。以下では、図1を参照しながら、本発明者により見出された切断面粗度の形成メカニズムに関して、図1を参照しながら具体的に説明を行う。
まず、本発明者らは、波長1μm帯のレーザを用いた鋼板切断における粗度形成のメカニズムを観察実験により追求した。その結果、カーフフロントのサイド部を流れ落ちる溶鋼流れが不連続になることが原因であることを明らかにした。従来、カーフフロントにおける溶鋼流れは、図25Bに示したように、連続的なものと信じられてきた。しかしながら、図1に示すように、本発明者らによる観察実験の結果、実際には、溶鋼は液滴の形で不連続にカーフフロント11のサイド部15を滑り落ちていくことが判明した。
より詳細には、レーザビームLBを吸収した鋼板は、レーザビームLBが有していたエネルギーにより加熱されて溶融し、液滴となる。この液滴がアシストガスにより下方に除去されていくことで、カーフフロント面13が形成されていく。レーザビームLBが走査されることにより、このカーフフロント面13には、溶鋼が滑り落ちる流れが生じ、鋼板が切断されてカーフ10が形成されていく。
一方、レーザビームLBの外縁部に対応するカーフフロントのサイド部15においても、鋼材がレーザビームLBを吸収することで、Z軸正方向側の鋼板表面で鋼材が溶融し、液滴となる。この過程において、液滴からカーフサイド近傍の固体部分へ熱伝導が起こり、その結果、固体部分が溶融される。このような現象が、液滴がカーフフロントのサイド部15を滑り落ちていく間で繰り返され、カーフフロントのサイド部15には、液滴が通過した部分が溝部17となるような条痕が、周期的に形成される。この条痕が、切断面粗度となることが判明した。
本発明者らは、この粗度形成メカニズムを踏まえ鋭意検討した結果、集光レーザビームの偏光状態の制御に着目し、図2に模式的に示したように、カーフフロントのサイド部15へ、カーフフロントのサイド部15に対して垂直な向きの偏光となっているレーザビームを照射する(換言すれば、サイド部15に対してp偏光のレーザビームを照射する)ことで、切断面品質を改善できることを見出した。この理由として、以下のようなものが考えられる。すなわち、サイド部15に対して垂直な向きの偏光の選択により、サイド部15へのレーザビームの吸収率が向上し、流下する液滴の温度は高くなるものの、同時に液滴の粘性が低下することで液滴の流下速度が向上し、液滴がサイド部15をより短い時間で滑り落ちるようになる。その結果、サイド部15から固体部への伝熱量が低下し、粗度が小さくなったものと考えられる。
ここで、上記特許文献3には、溶融を生成するメインのレーザビーム又は溶融物を排出するレーザビームに直線偏光を用いる方法が開示されているが、特許文献3での直線偏光の使用目的は溶融物の円滑な排除であり、本発明の目的である切断面品質の改善とは異なり、好ましい偏光の向きにも違いがあることを付記しておく。
ところで、レーザビームの吸収率がレーザビームの波長に依存することは、よく知られているところである。従来の方法では1μm帯のレーザを用いた切断で得られる品質が波長10.6μmのCOレーザのものに及ばない原因も、レーザビームがカーフフロントに吸収される現象の違いから生じているものではないかと推察される。
サイド部15に対して垂直な向きの偏光を照射する方法として、最も単純なものは、図2に示すように、一つのレーザビームに対して単一の偏光を用いる方法である。ただし、この方法では、XY平面のあらゆる方向に切断する必要が生じた際に、常にサイド部15に対して垂直な向きの偏光を得ることはできない。この問題に対し、本発明者らは、XY平面の全ての方向に対してサイド部に対して垂直な向きの偏光を得るために、複数の光ファイバから射出された直線偏光のレーザビームを円環状に並べ、各々のレーザビームの偏光を、この円環の中心を基準として放射状に揃える方法に想到し、以下で説明する本発明に至った。
(第1の実施形態)
<レーザ加工装置の全体構成について>
以下では、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法について、図3〜図10を参照しながら詳細に説明する。
まず、図3を参照しながら、本実施形態に係るレーザ加工装置100の全体構成について説明する。図3は、本実施形態に係るレーザ加工装置100の全体構成を示した説明図である。
図3に示したように、本実施形態に係るレーザ加工装置100は、レーザ発振器101と、光ファイバ103と、レーザ加工装置本体(以下、単に本体ともいう。)105と、加工ヘッド107と、ガイドレール109と、を主に備える。
レーザ発振器101は、被加工材料(例えば、図3に示した鋼板S)に対して切断等のレーザ加工処理を施すために用いられる、波長1μm帯(0.5μm〜2μm程度、更に好ましくは、ファイバレーザやディスクレーザの代表的なレーザ波長に対応する1μm〜1.1μm程度)のレーザビームLBを射出する。後述するように、本実施形態に係るレーザ加工装置100では、複数の光ファイバ103を用いてレーザビームLBを伝送するため、レーザ発振器101は、レーザ加工装置100に少なくとも1台設置される。また、用いる光ファイバ103の本数分のレーザ発振器101が設置されてもよい。
本実施形態に係るレーザ発振器101としては、光ファイバ伝送が可能な0.5μm〜2μm程度の波長を射出可能なものであれば、任意のものを利用可能である。このようなレーザ発振器101として、ファイバレーザ、ディスクレーザ、Nd:YAGレーザ等を利用することができる。また、本実施形態に係るレーザ加工装置100では、レーザビームLBは、光ファイバ103に導光される前段において上記1μm帯の波長となっていればよく、レーザビームLBとして公知のレーザ発振器の高調波を利用することも可能である。なお、上記のような狭い波長帯域の中では、波長に依存する吸収率の違いはわずかであり、先だって説明したような切断面粗度改善のメカニズムは共通となり、上記波長帯域に属する全ての波長において、本実施形態に係る効果を得ることが可能となる。
また、以下で図5を参照しながら詳述するように、本実施形態に係るレーザ加工装置100では、複数の光ファイバ103を円環状に束ね、各光ファイバ103から射出される円形のレーザビームのスポット(以下、単にビームスポットとも称する。)が円環状に配設されるようにする。後で詳述するように、これら複数の円形ビームスポットは集光光学系を通し被加工材料表面に結像されるため、被加工材料表面においても、円形のレーザビームのスポットが円環状に分布することになる。この際、被加工材料表面において、最も外側に位置する仮想的な円環上に並ぶ円形ビームスポットの外接円で定義されるビーム直径が、レーザ切断において望ましい範囲(例えば、0.1mm〜1mmレベル)となっていることが好ましい。そのため、被加工材料表面に集光された各々の円形のレーザビームのスポットの直径(スポット径)は、0.3mm以下であることが好ましい。ここで、上記レーザビーム群のビームスポットの外接円で定義されるビーム直径が、レーザ切断において実効的に作用する直径であり、以降、このレーザビーム群のビームスポットの外接円で定義されるビーム直径を、レーザビーム群の実効的直径Dと呼ぶこととする。なお、被加工材料表面におけるビームスポットは必ずしも厳密に円形である必要はなく、例えば、円環の中心に対する放射状の方向に対するビーム径と、この放射状の方向に垂直な方向(すなわち、円環の周方向)に対するビーム径とが異なる形で、ビームスポットが楕円形状となっていてもよい。
上記のようなスポット径を得るためには、ビームウェストの半径rとビームの発散角の半値全幅θとの積(r×θ)として表されるビーム品質(BPP)は、15mm・mrad以下とすることが好ましい。ビーム品質(BPP)の値は、用いるレーザ発振器101に応じて一定の値となる一方で、光ファイバによる伝送のためにはビームの発散角の半値全幅θの取りうる値に制限がある。そのため、ビーム品質の値をより小さくすることで、ビームが伝送される光ファイバのコア径を小さくできる。これは、光ファイバ終端部におけるスポット径が小さくできることを意味し、この結果、後で詳述するように、被加工材料表面におけるスポット径も小さくできる。現状のレーザ技術においては、この範囲のビーム品質が実現可能なファイバレーザ又はディスクレーザが、本実施形態に係るレーザ加工装置100において好適なレーザであるといえる。
なお、レーザ発振器101から射出されるレーザビームLBは、連続波であってもよく、パルス波であってもよい。
光ファイバ103は、レーザ発振器101から射出されたレーザビームLBを、本体105に設けられた加工ヘッド107まで伝送する。本実施形態に係るレーザ加工装置100では、以下で詳述するように、直線偏光のレーザビームを利用したレーザ加工処理を実施するため、レーザ加工装置100に設けられる光ファイバ103の少なくとも一部(より詳細には、後述する加工ヘッド107に接続される光ファイバ103)には、偏波保持ファイバ(Polarization Maintaining Fiber:PMF)が用いられる。
なお、複数の光ファイバ103を用いて直線偏光のレーザビームLBを加工ヘッド107まで伝送する方法、及び、直線偏光のレーザビームの配置方法については、以下で改めて詳細に説明する。
レーザ加工装置本体105には、レーザビームLBを被加工材料表面に集光照射する加工ヘッド107が設けられており、装置本体105は、ガイドレール109に沿って図3に示したX方向に自由に移動することができる。
加工ヘッド107は、装置本体105に対して、図3に示したY方向に沿った移動が可能なように設置されており、複数の光ファイバ103によって伝送された直線偏光を有する円形のレーザビームLBを、被加工材料表面に集光照射する。また、加工ヘッド107は、被加工材料表面に対して、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスや酸素ガスを利用したアシストガスを、レーザビームLBと同軸方向に噴き付ける。
なお、加工ヘッド107の詳細な構成については、以下で詳述する。
以上、図3を参照しながら、本実施形態に係るレーザ加工装置100の全体構成について説明した。
<加工ヘッドの構成について>
続いて、図4〜図10を参照しながら、本実施形態に係るレーザ加工装置100が備える加工ヘッド107の詳細な構成について説明するとともに、レーザ発振器101及び光ファイバ103と、加工ヘッド107との関係について、詳細に説明する。
なお、以下では、レーザ発振器101として、直線偏光のレーザビームを射出可能な8台のファイバレーザを利用し、8本の光ファイバ103により加工ヘッド107にレーザビームLBが伝送される場合を例にとって、説明を行う。しかしながら、以下で説明するようなレーザ加工装置100の形態はあくまでも一例であり、本実施形態に係るレーザ加工装置100の構成が以下に限定されるわけではない。
以下では、図4〜図7を参照しながら、本実施形態に係る加工ヘッド107の構成について説明する。図4は、本実施形態に係る加工ヘッドを示した説明図であり、図5及び図7は、本実施形態に係るレーザ加工装置におけるレーザビームの偏光方向について説明するための説明図である。図6は、ビームスポットの直線偏光の向きを放射状に容易に揃えることが可能な光ファイバ終端部の構成の一例を示した説明図である。
本実施形態に係る加工ヘッド107は、図4に例示したように、円筒部121と、ノズル123と、から構成される中心軸対称の部品である。
円筒部121の一方の端部(図3におけるZ軸正方向側の端部)には、光ファイバ固定ホルダー125を介して、複数の光ファイバ103が固定されている。また、加工ノズル107の内部には、光ファイバ固定ホルダー125に固定されたそれぞれの光ファイバ103から射出されるレーザビームLBをレーザビーム群として被加工材料表面に集光照射するための集光光学系127が設けられている。
また、円筒部121の下方(図3におけるZ軸負方向側)に位置するノズル123には、アシストガスをノズル123内へと供給するためのアシストガス供給口133が設けられている。アシストガス供給口133から供給された酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等のアシストガスは、ノズル123の下部に設けられた開口からレーザビーム群と同軸方向に下方へと噴射される。このアシストガスの作用により、カーフフロント面やカーフフロントのサイド部で生成され、鋼板の厚み方向下方へと流れ落ちる溶鋼が、すみやかに排除される。
光ファイバ固定ホルダー125には、光ファイバ103の本数に対応する貫通孔が設けられており、これらの貫通孔に、複数の光ファイバ103それぞれが固定される。ここで、光ファイバ固定ホルダー125に設けられる貫通孔は、1又は複数の円環状に配設されている。また、貫通孔が複数の円環状に配設される場合には、それぞれの円環は、円の中心を共有するように同心に配設される。また、円環の円周上に設けられる各貫通孔は、相隣接する貫通孔が互いに接触しないように、等間隔で配設されることが好ましい。
図4に示した例では、8台のファイバレーザそれぞれから射出されたレーザビームLBを伝送するために8本の光ファイバ103が用いられているため、光ファイバ固定ホルダー125には、8個の貫通孔が円環上に互いに等間隔となるように設けられる。
光ファイバ固定ホルダー125に設けられた貫通孔のそれぞれには、光ファイバ103のレーザ発振器101側とは反対側の終端部がそれぞれ挿入され、固定される。ここで、本実施形態に係る加工ヘッド107において、光ファイバ固定ホルダー125に固定される光ファイバ103では、直線偏光のレーザビームが伝送されている。図5に示したように、少なくとも最外周の貫通孔においては、当該貫通孔に固定される各光ファイバ103で伝送される直線偏光のレーザビームの偏光方向は、最外周の貫通孔が配設されている仮想的な円環の中心を基準として、放射状に揃っている。換言すれば、図5に示したように、少なくとも最外周の貫通孔では、これらの貫通孔に対応する直線偏光の方向は、相隣接する光ファイバにより伝送されている直線偏光のレーザビーム間で、円環の中心を基準とした場合に同一回転方向(すなわち、時計回り又は反時計回りの方向)に変化している。複数のレーザビーム全体として上記のような偏光状態を実現するために、光ファイバ固定ホルダー125の各貫通孔には、光ファイバ103で伝送される直線偏光の向きが図5に示したような方向となるように、光ファイバ103の設置方向が調整されたうえで光ファイバ103が固定される。
図6に、放射状の直線偏光を得るための位置合わせを容易に実施可能な光ファイバ終端部の構成の一例を示す。図6に示すように、光ファイバの終端部には、例えば直線偏光の向きに垂直になる平面を持つ切り欠き部を加工しておく。光ファイバ固定ホルダー125にも同様の形状を有する貫通孔を機械加工しておくことで、円環状に配設されるビームスポットの直線偏光の向きを、放射状に容易に揃えることができる。なお、図6においては、光ファイバ終端部に、直線偏光の向きに対して垂直となるように切り欠き部を設ける場合について説明したが、直線偏光の向きに対する切り欠き部の相対的な方向については、光ファイバ103と光ファイバ固定ホルダー125との位置合わせの目印として利用可能なものであれば、特に限定されるわけではない。
また、被加工材料を任意の方向に沿って加工する際の加工の均一性を担保するために、各光ファイバ103から射出されるレーザビームのパワーは、均等となるように調整されることが好ましい。
なお、光ファイバ固定ホルダー125に固定された光ファイバ103の終端部には、例えばコアの存在しない非添加シリカガラスファイバ等が、エンドキャップとして融着されることが好ましい。このようなエンドキャップが融着されることにより、レーザビームが光ファイバから空気中へと射出されるガラス端面でのレーザ光のパワー密度が低下することとなり、ガラス端面の損傷を防止することが可能となる。なお、このようなエンドキャップは、それぞれの光ファイバ103の出射端に融着されていてもよいし、光ファイバ固定ホルダー125に固定された光ファイバに共通の1つのエンドキャップが設けられていてもよい。
光ファイバ固定ホルダー125に固定された光ファイバ103の出射端からそれぞれ射出されたレーザビームLBからなるレーザビーム群は、集光光学系127により集光されて、被加工材料表面に照射される。すなわち、加工ヘッド107に設けられた集光光学系127は、光ファイバ103の端部におけるレーザビームの強度分布(パターン)を、被加工材料表面に結像させる機能を有している。従って、光ファイバ固定ホルダー125の端部から空気中に射出されたレーザビーム群が、図5に示したような、円形のビームスポットが円環上に均等に配置されているような強度分布を有している場合、被加工材料表面におけるレーザビーム群の強度分布も、図5に示したように、円形のビームスポットが円環状に並び、かつ、それぞれの直線偏光の向きが放射状となったものとなる。
図4に示した加工ヘッド107では、このような集光光学系の例として、光ファイバ103から発散しながら射出されるレーザビーム群を平行光とするコリメーションレンズ129と、平行光となったレーザビーム群を被加工材料表面に集光させる集光レンズ131と、が設けられている。なお、図4に示した例では、コリメーションレンズ129及び集光レンズ131という2枚の光学素子(レンズ)により集光光学系127が形成されているが、集光光学系127は少なくとも1つの光学素子(レンズ)を有しておればよく、3つ以上のレンズ群により集光光学系が形成されていてもよい。また、コリメーションレンズ129及び集光レンズ131のそれぞれが、複数の光学素子(レンズ)からなるレンズ群であってもよい。ここで、集光光学系に利用されるレンズは、球面レンズであっても良く、非球面レンズであっても良い。
本実施形態では、図5に示したように、最外周に位置する円形のビームスポットの外接円により、レーザビーム群の実効的直径を定義する。被加工材料表面におけるレーザビーム群の実効的直径Dは、光ファイバの終端部における、円環状に配設された円形ビームスポットの外接円の直径dに、集光光学系127として用いられている集光レンズ群の焦点距離や設置位置で決まる結像倍率を乗じた値となる。円環状に配設される各々のビームスポットについて見れば、光ファイバのコア径で与えられる光ファイバの終端部におけるスポット径に、前述の結像倍率を乗じた値が、被加工材表面におけるスポット径となる。
被加工材料表面でのビーム直径(すなわち、レーザビーム群の実効的直径)Dは、0.1〜1mm程度とすることが好ましく、一般的に、被加工材料の厚みが増加するほど大きなビーム直径を選択することになる。そのため、本実施形態では、所望のビーム直径が得られるように、集光光学系127の結像倍率を選択する。図4に示すように、結束された光ファイバの終端部(すなわち、光ファイバ固定ホルダー125の端部)から被加工材料表面の集光点までの間に、コリメーションレンズ129及び集光レンズ131が設置される場合、被加工材料表面におけるレーザビーム群の実効的直径Dは、光ファイバ固定ホルダー125の端部における、円環状に配設された円形ビームスポットの外接円の直径dと、コリメーションレンズ129の焦点距離fと、集光レンズ131の焦点距離fと、を用いて、以下の式101のように表すことができる。
Figure 0005267755
図5に示したように、1又は複数の円環状に配置された円形のビームスポットのうち、少なくとも最外周に位置する円形のビームスポットが放射状の直線偏光を有することで、あらゆる加工方向(切断方向)を選択した場合であっても、カーフフロントのサイド部15に対して、サイド部15にほぼ垂直な向きの偏光を有するレーザビームが入射する。この結果、通常の無偏光状態のレーザビームと比較して、カーフフロントのサイド部15を流れ落ちる液滴に対するレーザビームの吸収率が増加する。これにより、液滴の温度が上昇するとともに粘度が低下し、粘度の低下に伴って液滴の落下速度が上昇することから、サイド部から固体部への伝熱量が小さくなり、切断面の粗度が低減される。
なお、図5に示した直線偏光の向きは、完全に放射状に揃っていなくともよく、サイド部15に照射される円形のビームスポットの直線偏光の向きと、サイド部15に対して垂直な方向(すなわち、切断進行方向に垂直な方向)とのなす角度が30度以内であれば良い。直線偏光の向きとサイド部15に対して垂直な方向とのなす角度が30度以内であれば、サイド部15を流れ落ちる液滴に対するレーザビームの吸収率が、無偏光状態のレーザビームが照射される場合と比較して50%以上向上するため、本実施形態に係る効果を得ることができる。
任意の方向への加工処理(例えば切断処理)を考える際に、サイド部15に照射される円形のビームスポットの直線偏光の向きと、切断進行方向に対して垂直な方向(サイド部15の法線方向)とのなす角度を常に30度以内とするには、相隣接する円形ビームスポットにおける直線偏光の方向の角度差を60度以内とすれば良い。以下、図7を参照しながら、この理由について説明する。
図7では、最外周において円環状に並ぶ複数の円形のビームスポットから互いに隣接する2つのビームスポットP,Qを取り出し、取り出したビームスポットP,Qを、それぞれの直線偏光の向きとともに図示している。
いま、ビームスポットPの直線偏光の向きに対して垂直な方向Dへの切断処理を考える。この際、サイド部15に照射されるビームスポットPの直線偏光の向きは、切断進行方向に対して完全に垂直となり、本実施形態に係る切断面粗度の低減効果が最大化する状態である。同様に、ビームスポットQの直線偏光の向きに対して垂直な方向Dへ切断処理を実施する場合についても、本実施形態に係る切断面粗度の低減効果は最大化する。
ここで、切断方向をDからDへ徐々に変化させることを考える。このとき、サイド部15に照射されることとなるビームスポットP,Qの直線偏光の向きが、切断進行方向に垂直な向きから最もずれるのは、ベクトルDとベクトルDを丁度2等分する角度の方向(すなわち、図7におけるD方向)に切断するときである。この場合の最大のずれ角度は、ビームスポットP,Qの直線偏光の方向の角度差(図7に示した角度α)を2で割った値で与えられる。以上の説明より、円環上に存在する任意の相隣接する2つのビームスポットの直線偏光の方向の角度差を60度以内としておけば、任意の方向に切断した場合であっても、サイド部15に照射される円形のビームスポットの直線偏光の向きと切断進行方向に対して垂直な方向とのなす角度を常に30度以内とすることができ、本実施形態に係る切断面粗度の低減効果が得られることが分かる。また、この状態を実現するための光ファイバの本数を考えると、360度を60度で割った値である6本以上の光ファイバが設置されることが好ましいことがわかる。
[変形例]
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ加工装置100では、複数の円形のビームスポットが1又は複数の円環状に配設され、かつ、最外周に位置する円環における各々のビームスポットの直線偏光の向きが放射状に揃っており、かつ、円環状に並ぶビームスポットのレーザパワーが均等になっている。ここで、本実施形態に係るレーザ加工装置100は、図3〜図7に示した以外にも種々の異なる形態により実現可能である。
例えば、図4では、光ファイバ固定ホルダー125により8本の光ファイバ103が束ねられており、その8本の光ファイバそれぞれが独立した8台のレーザ発振器101に接続される例を示している。しかしながら、図8に示すように、光ファイバ103を分岐させて利用することで、より少ないレーザ発振器の台数で実施することも可能である。ここで、図8に示したような装置構成にも、いくつかの変形例が考えられる。
上述のような変形例の一つとして、直線偏光を有するレーザビームを射出するファイバレーザを用い、ファイバレーザの下流側に設けられる光ファイバ103を全て偏波保持ファイバとし、図8に示した分岐カプラA,Bをいずれも偏波面が保持可能なカプラとする構成が挙げられる。また、他の変形例として、無偏光のレーザビームを射出するファイバレーザを用い、無偏光用の光ファイバと偏波保持ファイバとを併用する構成が挙げられる。すなわち、図8に示した分岐カプラAは無偏光用の1:1分岐カプラとし、かつ、ファイバレーザから図8に示した分岐カプラBまでは通常の無偏光用の光ファイバを用いて、無偏光のレーザビームを伝送させる。その後、分岐カプラBに無偏光のビームを2つの均等なパワーを持った直線偏光ビームへと分岐するカプラを用い、分岐カプラBから下流のファイバは偏波面保持ファイバを用いて、直線偏光のレーザビームを光ファイバ固定ホルダー125まで伝送させる。
ところで、レーザビームを用いた切断においては、第一近似的には、切断カーフとして溶融除去される単位時間当たりの材料の体積によって、所要レーザパワーが決まる。このことから、同一の切断速度を選択する場合には、切断する材料の厚みが大きいほど投入レーザパワーを大きくする必要が生じる。しかしながら、一般的に市販のファイバレーザ等で知られているように、レーザ発振器から射出されるレーザビームの品質は、レーザビームのパワーが大きくなるほど悪化するため、集光点付近で焦点深度が大きく取れない等といった問題が生じる傾向となる。このような背景から、複数のレーザビームを利用する本実施形態に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法においては、切断厚みを大きくするために総投入パワーを大きくするにあたって、パワーは小さいがレーザビームの品質が良好なレーザビームを多数利用して、全体としてのビーム品質を保った上で総投入パワーを大きくする方向性が考えられる。
上記のようなレーザビームの本数を増やす変形例として、図9に示したように、円環状に配設されるビームスポットに加えて、円環の中心にビームスポットCを更に配置してもよい。円環の中心に位置するビームスポットCは、カーフフロントのサイド部15に吸収されることはほとんどなく、カーフフロント面の鋼板厚み方向略中央部分の溶融除去にもっぱら寄与する。そのため、円環の中心に位置するビームスポットCの偏光状態は問われるものではなく、無偏光、又は、所定の向きに沿った直線偏光のいずれを用いてもよい。ただし、あらゆる方向へ切断加工する際の仕上がりの均一性を求めるのであれば、レーザビームの特性は全体として中心軸対称となっていることが好ましい。レーザビームの特性を中心軸対称とするためには、円環の中心部に無偏光状態のレーザビームを配置することが好ましく、円偏光状態のレーザビームを配置してもよい。このように、円環状に配設されるビームスポット群の中心に更にビームスポットCを配置することで、切断速度を向上させ、より厚い被加工材料を切断することが可能となる。
また、レーザビームの本数を増やす別の変形例として、図10に示したように、中心を共有する多重の円環状に、円形のビームスポットを配置してもよい。この際に、多重の円環を形成する円形のビームスポットを、中心軸対称性を有するように配置することが好ましい。また、複数の円形のビームスポットは、同一円環上で互いに隣接する2つの円形のビームスポットの間に、当該円環に隣接する円環上に配設された円形のビームスポットが位置するように、千鳥配置すれば、最外周に位置する円形のビームスポットの外接円から定義されるビーム直径を小さくすることができる。
ここで、最外周の円環上に配置された円形のビームスポットは、それぞれ直線偏光を有しており、かつ、図5に例示したように、直線偏光の向きは、円環の中心を基準として放射状に揃っている。また、最外周の円環の内側に位置する円環上に配置された円形のビームスポットは、図10に示したように、円環の中心を基準として放射状に揃った直線偏光を有していてもよく、無偏光状態であってもよい。一般に、低速で切断する際は、主として最外周のビームのみがカーフサイドへ照射される傾向となるが、切断速度を上げるに従って内側のビームもカーフサイドに照射され、切断加工に寄与する割合が増加してくる。従って、図10に示したように、最外周の円環の内側に位置するビームスポットについても、円環の中心を基準として放射状に揃った直線偏光としておけば、特に所定の厚みを装置能力の限界近くの高速で切断する際にも、カーフフロントのサイド部に対して効率良くレーザビームのエネルギーを吸収させることが可能となる。
図10に示したような形態では、総投入レーザパワーを飛躍的に大きくすることができるとともに、最外周の円に並ぶビームの外接円として定義される集光ビーム径を大きくすることができる。これにより、形成されるカーフの幅が拡大され、溶融物の排除をより容易なものとすることができる。これにより、厚みの大きい被加工材料についても、切断面粗度を向上させつつ切断することが可能となる。
なお、図10に示したように、中心を共有する多重の円環上に円形のビームスポットを配置したうえで、図9に示したように、円環の中心部分に更に円形のビームスポットCを配置するようにしてもよい。
また、図11に、本実施形態に係るレーザ加工装置の更に別の変形例を示した。
この変形例では、7本のレーザビームは、7台のレーザ発振器101にそれぞれ接続された独立した7本の光ファイバによって、加工ヘッドまで伝送されている。また、本変形例では、図4に示した光ファイバ固定ホルダー125の代わりに、7個の独立したコリメーター151を束ねることで形成されたコリメーター固定ホルダー153が用いられる。7個の光ファイバ出口から出射された7本のレーザビームは、コリメーター固定ホルダー153に設けられた7個の独立したコリメーター151により、それぞれ平行光とされる。これらのコリメーター151は、コリメーションレンズから構成されており、光ファイバからある発散角を持って出射されるレーザビームを、コリメーションレンズによって平行レーザビームにする機能を担っている。
ここで、図11に示したコリメーター固定ホルダー153では、6個のコリメーター151は同一円環上に配設され、残る1個のコリメーター151は、円環の中心に配設されている。円環状に並ぶ6個のコリメーター151に対しては、6台の直線偏光のレーザビームを発するレーザ発振器101から6本の偏波面保存光ファイバを介して直線偏光レーザビームが伝送される。また、円環の中心に配設される1本の光ファイバに対しては、1台の無偏光レーザビームを発するレーザ発振器101から無偏光のレーザビームが伝送される。
各コリメーター151から出射された合計7本のレーザビームは、集光レンズ131に入射し、加工点に集光される。以下で述べる方法を利用することで、図12に示すように、円環状に配設された6個のコリメーター151から発せられるレーザビームが円環上に並び、無偏光のレーザビームが円環の中心に並ぶように集光させることができる。この場合、円環上に並ぶ6本のレーザビームの直線偏光の向きを調整することで、集光点における6本の光ファイバの直線偏光の向きを、中心に対して放射状とすることができる。
図11及び図12に示した構成は、レーザビームの本数に対し、基本的に同じ数だけのコリメーター151を用いることとなるが、例えば図4に示した方法のように複数の光ファイバの端部を1mm未満程度の非常に狭い領域に集めて把持する方法と比較すると、本変形例は、製造が容易であるという利点を有する。
ここで、本発明の実施形態においては、図12に示すように、複数のレーザビームがある半径eを持った円環状に並び、かつ、これら複数のレーザビームの径が所望のビーム径(例えば、フォーカス位置で得られる最小のビーム径)となっていることが望ましい。以下、上述のように複数本の平行レーザビームを1枚の集光レンズに入射させ、図12に示すように集光ビームを円環状に配設させる種々の方法について説明する。
まず、集光レンズ131として、通常の球面レンズを利用する場合を考える。用いる球面レンズが理想的に収差の全く無いレンズであると仮定すれば、平行に入射したレーザビームのフォーカス位置は、一点に重なってしまう(換言すれば、半径e=0となる。)。ところが、よく知られているように、球面レンズは球面収差を伴うため、この球面収差の影響で、図13に示すように集光点は完全には重ならず、結果として、複数のビームが、ある半径eを持った円環状に並ぶ状態とすることができる。
なお、この際に、集光レンズ131と切断対象物表面との間の距離Lを、中心に位置するレーザビーム(例えば、図13におけるレーザビームB)がフォーカス位置となり最小のビーム径となる距離に設定すれば、球面収差の影響から、円環状に位置するレーザビーム(例えば、図13におけるレーザビームA,C)は、わずかにフォーカス位置からずれてビーム径が拡大する。円環状に並ぶレーザビームがフォーカス位置からずれることに起因する切断性能や品質に対する影響が許容できる場合は、図11〜図12に示したような配置の実施により、本発明の効果を享受することが可能となる。
ここで、集光レンズ131と切断対象物表面との間の距離Lは、必ずしも中心に位置するレーザビームがフォーカス位置となるように設定される必要は無く、その距離Lを増減させてもよい。この距離Lの増減を制御することにより、中心のビームスポットと円環上に並ぶ各レーザビームスポットとの間隔(すなわち、図12における半径eの大きさ)を調整することも可能である。
また、通常の球面レンズを用いずに集光レンズ131を、所定の曲面を有する非球面レンズとすれば、そのレンズ面の曲面の設計により、中心及び円環状に並ぶ全てのレーザビームのフォーカス位置を揃えるとともに、円環の半径eを自在に制御することが可能である。
ここで、集光レンズ131に対する平行レーザビームの入射角度を垂直からわずかに変化させることによっても、図12に示すようなレーザビームの集光状態を得ることができる。
まず、図14に示すように、円環状に配設されるコリメーター151の角度をコリメーター固定ホルダー153の円環の中心軸方向に対して放射状の外向きに傾けた状態として、円環状に配設される各コリメーター151を固定することにより、コリメーター151の傾き角度(例えば図14における角度φ)に応じて半径eを調整することができる。この場合に、集光レンズ131は、球面レンズや非球面レンズ等を用いることが可能である。
また、図15に示すように、コリメーター151と集光レンズ131との間の光路上に、コリメーター151から出射されるレーザビームをコリメーター固定ホルダー153の円環の中心軸方向に対して放射状の外向きに傾斜させるウェッジ155を配設することで、集光レンズ131に対して平行ビームの入射する角度を垂直からわずかにずらすことができ、加工点において、中心軸から離れた位置にビームスポットを集光させることが可能となる。
なお、集光レンズ131への平行レーザビームの入射角度は、必ずしも、図14や図15に示したような、コリメーター固定ホルダー153の中心軸から遠ざかる方向(換言すれば、コリメーター固定ホルダー153の円環の中心軸方向に対して放射状の外向き)に傾けた角度とする必要はない。
例えば図16に示したように、コリメーター固定ホルダー153の中心軸に近づく方向(換言すれば、コリメーター固定ホルダー153の円環の中心軸方向に対して放射状の内向き)にコリメーター151を傾けることによっても、複数のレーザビームを円環上に集光することができる。ウェッジ155についても同様であって、例えば図17に示したように、コリメーター151から出射されるレーザビームをコリメーター固定ホルダー153の円環の中心軸方向に対して放射状の内向きに傾斜させるように、ウェッジ155を配設してもよい。
ここで、上記の方法を組み合わせるなど、本実施形態の変形例の実現方法は、種々の可能性があることは言うまでもない。
以上、図11〜図17を用いて説明した本実施形態の別の変形例では、複数のコリメーターから射出される複数の平行レーザビームが数mm程度のビーム径を有することから、集光レンズ131において、円環上に並ぶそれぞれのレーザビームの中心軸(光軸)が円環の中心軸から5mm程度以上離れることになる。従って、集光レンズ131から被加工材料表面へ集光される際に、円環状に配される各々のレーザビームの光軸が円環の中心軸に対してやや斜めとなる。
一方、図4や図8に示される本実施形態の第一の例では、円環状に並ぶそれぞれのレーザビームの光軸と円環の中心軸との距離は、集光レンズ131において1mm程度以下となっている。これは、被加工材料表面におけるレーザビーム群の実効的直径Dをレーザ切断に好適な1mm程度以下とするために、実効的直径Dと(式101)の関係を有する、光ファイバ固定ホルダー125における円環状に配設された円形ビームスポットの外接円の直径dが、やはり1mm程度以下の大きさとなることが好ましいためである。円環状に並ぶ各々のレーザビームの光軸と円環の中心軸との距離が小さいことから、円環上に並ぶレーザビームも、光軸がほとんど円環の中心軸に対して平行となる状態で伝送される。
本実施形態の変形例と第一の例の光学系の実質的な差異はこの点のみであって、円環上に並ぶ複数のレーザビームの偏光方向が放射状の方向に揃っているという本発明の本質的な部分は共通である。従って、本実施形態の変形例においても、切断面粗度の改善に対し、本実施形態の第一の例と同程度の効果を得ることができる。
なお以上で説明した本発明の実施形態において、複数の光ファイバより出射されるレーザビームの出力は揃っていなくともよい。あらゆる方向に切断する際に同じ切断品質を得るためには、同じ円環上に並ぶ任意の2つのレーザビームの出力は同じであることが望ましいが、異なる円環上に並ぶ2つのレーザビームの出力は同一でなくともよい。また、以上の記載では、1又は複数のレーザビームのフォーカス位置を切断対象物表面に適合させる例を示したが、そのようなフォーカス位置を、切断対象物内部又は切断対象物の上下に設定することも可能である。
以上、図1〜図17を参照しながら、本実施形態に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法について、詳細に説明した。
続いて、図18〜図23を参照しながら、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法の一例について、実施例及び比較例を挙げながら詳細に説明する。以下では、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法の効果を確認するために、実際にレーザ加工装置を試作して実施した実験の結果について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法を具体的に説明するために示したものであって、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法が、下記に示した例に限定されるわけではない。
<実施例1>
図4に示したように、直線偏光を持つファイバレーザから発せられた複数のレーザビームを、それぞれ独立に1本ずつの偏波保存ファイバで伝送し、終端部にて束ねる方法でレーザを作製し、コリメーションレンズと集光レンズとからなる集光光学系と、アシストガス供給口を備えるノズルと、を配置し、レーザ加工装置とした。また、レーザ加工装置の下部には、2次元走査ステージ(図示せず。)を配置したうえで、2次元走査ステージに試験片を固定し、2次元走査ステージを駆動することで試験片を移動させて、切断加工を行った。
光ファイバ固定ホルダーにおけるレーザビームのパターンは、図18に示すように、円環状に配設された6個の円形のビームスポットとなるようにした。レーザ加工装置に用いた各々のレーザビームとして、連続波のレーザビームであり、6本全てに共通の特性を有しているものを利用した。利用したレーザビームは、ビーム品質(BPP)は1.2mm・mradであり、最大パワーは400Wであった。また、光ファイバのコア径、すなわち、光ファイバの終端部から出てくる円形のビームスポットの直径は、50μmであった。このような特性を有するレーザビームを利用して、6個それぞれのビームスポットのパワーを333Wずつに設定した。ここで、6個の円形ビームスポットの中心は、直径150μmの円周上に配設した。従って、本実施例では、6個の円形ビームスポットの外接円の直径は、200μmであった。エンドキャップは6個の円形ビームスポットに共通とし、6本の光ファイバを1個のエンドキャップに融着した。偏光の方向は完全に放射状であり、それぞれの光ファイバの直線偏光の方向と、円の中心と光ファイバの中心とを結ぶ直線の向きとは、完全に一致していた。
集光光学系として用いたコリメーションレンズ及び集光レンズの焦点距離は、共に200mmであった。従って、本実施例における集光光学系の結像倍率は1倍となり、光ファイバ出口がちょうど結像される焦点位置におけるレーザビームパターンは、上記の光ファイバ固定ホルダーにおけるレーザビームパターンと全く同一のものとなり、光ファイバ出口がちょうど結像される焦点位置におけるレーザビーム群の実効的直径は200μmであった。なお、本実施例では、この焦点位置を、試験片の表面から2mm下方(すなわち、試験片の内部)に位置するように設定した。
試験片は、5mm厚のステンレス鋼SUS304とした。材料表面から0.7mmの位置に設置された直径2.5mmのノズル出口から、14気圧の窒素ガスをアシストガスとして、レーザビームの中心軸と同軸方向から噴き付けた。
図18に示したような六角形を基本とするビームパターンを利用し、種々の方向へ試験片を切断したときの切断面粗度への影響を見るために、図18に示すように、ビームパターンの基準方向(ある一つの円形のビームパターンの中心と六角形の中心とを結んだ方向)に対して定義される切断方向角度θを変えながら、実験を行った。
比較例として、1個のファイバレーザから射出された1本の無偏光のレーザビームを、全く同一の集光光学系で集光して、上記の本発明例と同様の切断を行った。レーザビームのスポット径は、直径200μmの円形であり、ビーム品質(BPP)は1.2mm・mradであり、ビームのパワーは2000Wであった。直径(200μm)と総パワー(2000W)とは、上記の本発明例に条件を揃えた。
切断面粗度の評価は、試験片の厚み方向中央部(表面から深さ2.5mm)のラインに沿って、接触式粗度計にて十点平均粗さRZJIS(JIS B 0601−2001)を測定することで行った。
図19に、本発明例及び比較例における切断面粗度の測定結果を示した。切断速度は、全ての条件について2m/分とした。比較例はレーザビームが1本であり、集光ビームのパターンが元々等方的であるため、一方向への切断のみで評価している。図19に示した本発明例及び比較例の測定結果を比較すると明らかなように、比較例における切断面粗度は約28μmであるのに対し、本発明例における切断面粗度は約12μm〜16μm程度であり、比較例に比べて切断面粗度が抑制されていることが判る。また、本発明例における結果を見ると明らかなように、切断方向角度θによって切断面粗度にわずかな変化は見られるものの、6本のビーム使用により、ほぼ切断方向角度θに依存しない均一な切断品質を得ることができた。
<実施例2>
更に厚みの大きい材料への適用可能性を確認するために、図20に示すように、19個の円形のビームスポットからなるパターンを持つレーザ加工装置を作製した。中心部の1本のビームを除いて、ファイバレーザから射出された直線偏光を有する複数のレーザビームを、それぞれ独立に1本ずつの偏波保持ファイバで伝送し、光ファイバ固定ホルダーにより束ねる方法を採用した。また、多重の円環の中心部に位置するレーザビームは、無偏光のファイバレーザから発せられたレーザビームを通常の偏光に依存しない光ファイバにより伝送した。
光ファイバのコア径、すなわち、光ファイバの終端部から出てくる円形のビームスポットの直径は、19個全てに共通で50μmであった。光ファイバ固定ホルダーにおけるレーザビームのパターンは、図20に示すように、6個の円形のビームスポットからなる内側の円環(ビーム中心を通る円の直径は、150μmであった。)、12個の円形のビームスポットからなる最外周の円環(ビーム中心を通る円の直径は、280μmであった。)、及び、中心に位置する1個の円形ビーム(図20に示したビームスポットS)により構成した。従って、最外周の円環に配設された19個の円形ビームスポットの外接円の直径は、330μmであった。また、内側に位置する円環に並ぶビームの基準となるビームスポットSと、外側に位置する円環に並ぶビームの基準となるビームスポットSには、図20に示したように、周方向に15度の角度差を設けた。
レーザ加工装置に用いた各々のレーザビームとして、連続波のレーザビームであり、偏光に関する特性以外は19本全てに共通の特性を有しているものを利用した。利用したレーザビームは、ビーム品質は1.2mm・mradであり、最大パワーは400Wであった。このような特性を有するレーザビームを利用して、19個のビームのパワーを400Wずつに設定した。エンドキャップは19個の円形ビームスポットに共通とし、19本の光ファイバを1個のエンドキャップに融着した。内側および外側の円環に並ぶ18個のビームの偏光の方向は完全に放射状であり、それぞれの光ファイバの直線偏光の方向と、円の中心と光ファイバの中心とを結ぶ直線の向きとは、完全に一致していた。
ノズルを含むアシストガス供給口及びアシストガスの条件、並びに、2次元走査ステージによる駆動方法は、上記実施例1と同一にした。集光光学系も上記実施例1と同一の結像倍率1倍のものを用いたため、光ファイバ出口がちょうど結像される焦点位置におけるレーザビーム群の実効的直径は330μmであった。なお、本実施例では、この焦点位置を、試験片の表面から8mm下方(すなわち、試験片の内部)に位置するように設定した。
六角形及び十二角形を基本とするビームパターンを利用し、種々の方向へ試験片を切断したときの切断面粗度への影響を見るために、図20に示すように、ビームパターンの基準方向(ビームスポットSの中心とビームスポットSの中心とを結んだ方向)に対して定義される切断方向角度θを変えながら、実験を行った。
比較例として、1個のファイバレーザから射出された1本の無偏光のレーザビームを、全く同一の集光光学系で集光して、上記の本発明例と同様の切断を行った。レーザビームのスポット径は、直径300μmの円形であり、ビーム品質(BPP)は4mm・mradであり、ビームのパワーは7600Wであった。直径(300μm)と総パワー(7600W=400W×19本)とは、上記の本発明例とほぼ同じ条件に揃えた。
試験片は、12mm厚のステンレス鋼SUS304とした。切断面粗度の評価は、試験片の厚み方向中央部(表面から深さ6mm)のラインに沿って、接触式粗度計にて十点平均粗さRZJIS(JIS B 0601−2001)を測定することで行った。
図21に、本発明例及び比較例における切断面粗度の測定結果を示した。切断速度は、全ての条件について2m/分とした。図21に示した本発明例及び比較例の測定結果を比較すると明らかなように、比較例における切断面粗度は約52μmであるのに対し、本発明例における切断面粗度は約24μm〜28μm程度であり、比較例に比べて切断面粗度が抑制されていることが判る。また、本発明例における結果を見ると明らかなように、19本のビーム使用により、6本のビームを使用する上記実施例1と比較して、更に切断方向角度θに依存しない均一な切断品質を得ることができた。このように、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置及びレーザ加工方法は、厚鋼板の切断における切断面粗度の改善に対しても有効であることが実証された。
<実施例3>
次に、図11に示したような、複数のファイバレーザから発せられる複数の平行レーザビームを1枚の集光レンズにより集光し、これら複数のレーザビームから集光されるビームスポットを加工点にて少なくとも一つの円環上に配置させる形態について、性能確認試験を行った。本実施例では、図12に示すように、7個の円形のビームスポットからなるパターンを持つレーザ加工装置を作製した。中心部のビームスポットに対応するファイバレーザは無偏光のファイバレーザとし、このレーザビームを伝送する光ファイバは通常の偏光に依存しない光ファイバとした。円環上に配される6個のビームスポットに対応するファイバレーザのレーザビームは全て直線偏光とし、それぞれ独立に1本ずつの偏波保持ファイバで伝送した。7個それぞれの光ファイバの出口には、図11に示すようにコリメーター151が接続され、これらコリメーター151から7本の平行レーザビームが出射されるようにした。これら7個のコリメーター151は、コリメーター固定ホルダー153により固定した。この際、外側の円環状に並ぶ6個のコリメーター151から出射される6本のレーザビームの直線偏光の向きは、完全に放射状とした。すなわち、6本それぞれについて、レーザビームの直線偏光の方向と、円環の中心とレーザビームの中心とを結ぶ直線の向きとは、完全に一致していた。
本レーザ加工装置に用いた各々のレーザビームは、連続波のレーザビームであり、7本全てに共通の特性を有しているものを利用した。7個の各コリメーター151から出射されるレーザビームのビーム品質(BPP)は0.4mm・mradであり、最大パワーは400Wであった。コリメーター151から出射される平行レーザビームのビーム径は、7本ともに4.9mmであった。また、中心のレーザビームと円環状に並ぶ6本のレーザビームとの中心間距離は、15mmであり、円環状に並ぶ6本のレーザビームの中心を通る円の直径は、30mmであった。集光レンズ131としては、市販の合成石英製球面平凸レンズを用いた。このレンズの焦点距離は、300mmであった。
試験片は、5mm厚のステンレス鋼SUS304とした。ノズルを含むアシストガス供給口及びアシストガスの条件、並びに、2次元走査ステージによる駆動方法は、上記実施例1と同一にした。
円環の中心に位置するレーザビームの焦点位置は、試験片の表面から2mm下方(すなわち、試験片の内部)に位置するように設定した。この結果、試験片表面における7個のビームスポットのパターンとして、中心に位置する無偏光のレーザビームのビーム直径が120μmであり、この無偏光のレーザビームに対応するビームスポットを中心として半径60μmの円環上に、中心に対して完全に放射状の直線偏光を持った6本のレーザビームが並ぶパターンが得られた。6本のレーザビームの試験片表面におけるビーム形状については、円環の中心に対する放射状の方向と、放射状の方向に垂直な方向とでビーム径がやや異なっていたが、これらを平均するとその直径は、110μmであった。従って、材料表面におけるレーザビーム群の実効的直径は、230μmであった。7本それぞれのレーザビームのパワーは360Wであり、総パワーは2520Wであった。
上述の実施例1及び実施例2と同様に、種々の方向へ試験片を切断したときの切断面粗度への影響を見るために、図22に示したように、ビームパターンの基準方向(ある一つの円形のビームパターンの中心と六角形の中心とを結んだ方向)に対して定義される切断方向角度θを変えながら、実験を行った。
比較例としては、1個のファイバレーザから射出された1本の無偏光のレーザビームを、上記と同じく焦点距離300mmの球面平凸レンズにて集光して、本実施例3と同様の切断を行った。レーザビームのスポット径は、直径250μmの円形であり、ビーム品質(BPP)は1.2mm・mradであり、ビームのパワーは2500Wであった。直径(250μm)と総パワー(2500W)とは、上記の本実施例3とほぼ同じ条件を揃えた。
切断面粗度の評価は、試験片の厚み方向中央部(表面から深さ2.5mm)のラインに沿って、接触式粗度計にて十点平均粗さRZJIS(JIS B 0601−2001)を測定することで行った。
図23に、本発明例及び比較例における切断面粗度の測定結果を示した。切断速度は、全ての条件について2.2m/分とした。比較例はレーザビームが1本であり、集光ビームのパターンが元々等方的であるため、一方向への切断のみで評価している。図23に示した本発明例及び比較例の測定結果を比較すると明らかなように、比較例における切断面粗度は約29μmであるのに対し、本発明例における切断面粗度は約14μm〜18μm程度であり、比較例に比べて切断面粗度が抑制されていることが判る。本実施例における切断面粗度の抑制効果は、図19に示した実施例1における粗度抑制効果とほぼ同等であることが分かる。
以上、複数本の平行に出射されるレーザビームを集光レンズで集光するという本発明の実施形態の変形例によって、図4に示したような、複数のファイバ出口を束ねて得られるビームスポットパターンをコリメータレンズ及び集光レンズによって加工面上に結像する形態と、ほぼ同等の粗度低減効果を得られることが確認された。すなわち、図11〜図17を用いて説明した本実施形態の別の変形例のように、円環上に並ぶそれぞれのレーザビームが、集光レンズから被加工材料表面へ伝送される際に、レーザビームの光軸が円環の中心軸に対してやや斜めとなる場合にも、図4や図8に示される本実施形態の第一の例のように、円環上に並ぶレーザビームも、光軸がほとんど円環の中心軸に対して平行となる状態で伝送される場合とほぼ同程度の粗度低減効果が得られることが判った。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 カーフ
11 カーフフロント
13 カーフフロント面
15 サイド部
17 液滴
100 レーザ加工装置
101 レーザ発振器
103 光ファイバ
105 装置本体
107 加工ヘッド
109 ガイドレール
121 円筒部
123 ノズル
125 光ファイバ固定ホルダー
127 集光光学系
129 コリメーションレンズ
131 集光レンズ
133 アシストガス供給口
151 コリメーター
153 コリメーター固定ホルダー
155 ウェッジ

Claims (22)

  1. レーザ発振器から射出されたレーザビームを導光し、被加工材料の表面に集光照射することで、当該被加工材料を加工するレーザ加工装置であって、
    前記レーザビームを射出する少なくとも1台のレーザ発振器と、
    射出された前記レーザビームを伝送する複数の光ファイバと、
    前記光ファイバから射出された前記レーザビームを前記被加工材料の表面に集光照射させる少なくとも1つの光学素子と、
    を備え、
    前記光ファイバの出射端では、前記複数の光ファイバの出射端が1又は複数の円環状に配設されており、
    少なくとも最外周の前記円環状に配設された前記複数の光ファイバによって伝送されるレーザビームは直線偏光を有し、当該複数の光ファイバの出射端から射出される直線偏光の前記レーザビームの偏光方向が、当該最外周の円環の中心を基準として放射状の方向に揃っている、レーザ加工装置。
  2. 前記円環の中心部分に、更に1本の前記光ファイバが配置される、請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記複数の光ファイバの出射端は、中心を共有する複数の円環状に配設されており、
    前記最外周の円環の内側で前記円環状に配設された前記光ファイバでは、当該円環の中心を基準として、放射状の方向に偏光方向が揃った偏光を有するレーザビームが伝送される、請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記複数の光ファイバの出射端は、中心を共有する複数の円環状に配設されており、
    前記最外周の円環の内側で前記円環状に配設された前記光ファイバでは、無偏光の前記レーザビームが伝送される、請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記少なくとも1つの光学素子は、
    前記光ファイバから射出されたレーザビームを平行光とするコリメーションレンズと、
    前記コリメーションレンズから射出された前記平行光を集光する集光レンズと、
    を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記複数の光ファイバは、前記コリメーションレンズをそれぞれ有する複数のコリメーターが1又は複数の円環状に配設されたコリメーター固定ホルダーに接続されており、
    前記集光レンズは、球面収差を有する球面レンズ又は所定の曲面を有する非球面レンズであり、
    前記集光レンズから射出された前記レーザビームが、前記被加工材料の表面に集光照射される、請求項5に記載のレーザ加工装置。
  7. 最外周の前記円環状に配設されたコリメーターは、前記コリメーター固定ホルダーの前記円環の中心軸方向に対して、前記放射状の外向き又は内向きに傾斜して配設される、請求項6に記載のレーザ加工装置。
  8. 前記コリメーター固定ホルダーと前記集光レンズとの間に、前記コリメーターから出射される前記レーザビームを前記コリメーター固定ホルダーの前記円環の中心軸方向に対して前記放射状の外向き又は内向きに傾斜させるウェッジが配設される、請求項6に記載のレーザ加工装置。
  9. 前記レーザ発振器は、ファイバレーザ又はディスクレーザである、請求項1〜8の何れか1項に記載のレーザ加工装置。
  10. 前記最外周の円環上に配設された複数の前記光ファイバにより伝送される前記レーザビームの直線偏光の方向は、相隣接する前記レーザビームの間で同一回転方向に変化しており、相隣接する2つのレーザビームの直線偏光の方向のなす角は、60°以内である、請求項1〜9の何れか1項に記載のレーザ加工装置。
  11. 前記最外周の円環上に6本以上の前記光ファイバが配設される、請求項10に記載のレーザ加工装置。
  12. レーザ発振器から射出されたレーザビームを導光し、被加工材料の表面に集光照射することで、当該被加工材料を加工するレーザ加工方法であって、
    少なくとも1台の前記レーザ発振器から射出されたレーザビームを複数の光ファイバで伝送し、当該レーザビームを前記被加工材料の表面に集光照射させる少なくとも1つの光学素子により、それぞれの前記光ファイバから射出された前記レーザビームを前記被加工材料の表面に集光照射するものであり、
    前記光ファイバの出射端では、前記複数の光ファイバの出射端が1又は複数の円環状に配設されており、
    少なくとも最外周の前記円環状に配設された前記複数の光ファイバによって伝送されるレーザビームは直線偏光を有し、当該複数の光ファイバの出射端から射出される直線偏光の前記レーザビームの偏光方向が、当該最外周の円環の中心を基準として放射状の方向に揃っている、レーザ加工方法。
  13. 前記円環の中心部分に、更に1本の前記光ファイバが配置される、請求項12に記載のレーザ加工方法。
  14. 前記複数の光ファイバの出射端は、中心を共有する複数の円環状に配設されており、
    前記最外周の円環の内側で前記円環状に配設された前記光ファイバでは、当該円環の中心を基準として、放射状の方向に偏光方向が揃った偏光を有するレーザビームが伝送される、請求項12又は13に記載のレーザ加工方法。
  15. 前記複数の光ファイバの出射端は、中心を共有する複数の円環状に配設されており、
    前記最外周の円環の内側で前記円環状に配設された前記光ファイバでは、無偏光の前記レーザビームが伝送される、請求項12又は13に記載のレーザ加工方法。
  16. 前記少なくとも1つの光学素子は、
    前記光ファイバから射出されたレーザビームを平行光とするコリメーションレンズと、
    前記コリメーションレンズから射出された前記平行光を集光する集光レンズと、
    を有する、請求項13〜15の何れか1項に記載のレーザ加工方法。
  17. 前記複数の光ファイバは、前記コリメーションレンズを有する複数のコリメーターが1又は複数の円環状に配設されたコリメーター固定ホルダーに接続されており、
    前記集光レンズは、球面収差を有する球面レンズ又は所定の曲面を有する非球面レンズであり、
    前記集光レンズから射出された前記レーザビームが、前記被加工材料の表面に集光照射される、請求項16に記載のレーザ加工方法。
  18. 最外周の前記円環状に配設されたコリメーターは、前記コリメーター固定ホルダーの前記円環の中心軸方向に対して、前記放射状の外向き又は内向きに傾斜して配設される、請求項17に記載のレーザ加工方法。
  19. 前記コリメーター固定ホルダーと前記集光レンズとの間に、前記コリメーターから出射される前記レーザビームを前記コリメーター固定ホルダーの前記円環の中心軸方向に対して前記放射状の外向き又は内向きに傾斜させるウェッジが配設される、請求項17に記載のレーザ加工方法。
  20. 前記レーザ発振器は、ファイバレーザ又はディスクレーザである、請求項12〜19の何れか1項に記載のレーザ加工方法。
  21. 前記最外周の円環上に配設された複数の前記光ファイバにより伝送される前記レーザビームの直線偏光の方向は、相隣接する前記レーザビームの間で同一回転方向に変化しており、相隣接する2つのレーザビームの直線偏光の方向のなす角は、60°以内である、請求項12〜20の何れか1項に記載のレーザ加工方法。
  22. 前記最外周の円環上に6本以上の前記光ファイバが配設される、請求項21に記載のレーザ加工方法。
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