JP6197084B2 - レーザ加工機 - Google Patents

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本発明は、レーザ加工機に関する。
レーザ加工機が材料を切断加工するレーザを射出するレーザ発振器としては、COレーザ発振器、YAGレーザ発振器、ディスクレーザ発振器、ファイバレーザ発振器、ダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)等の各種の発振器がある。
国際公開第2013/058072号
COレーザ発振器は装置が大型化し、高コストである。これに対して、ファイバレーザ発振器やDDL発振器は装置を小型化することができ、低ランニングコストであることから、近年、レーザ加工機においてファイバレーザ発振器やDDL発振器が広く用いられるようになってきた。
金属の板材(特にステンレスやアルミニウム)を窒素ガスなどのアシストガスで無酸化切断する場合に、COレーザ発振器を用いたレーザ加工機で切断加工した場合と、ファイバレーザ発振器またはDDL発振器を用いたレーザ加工機で切断加工した場合とで比較すると、後者よりも前者の方が切断面粗さが小さく、切断面の品質が優れる。しかも、前者では板厚に関係なく切断面粗さがほぼ一定であるのに対し、後者では板厚が厚くなるほど切断面粗さが悪化する。
さらに、ファイバレーザ発振器またはDDL発振器を用いたレーザ加工機で例えば板厚3mm以上の厚板を切断加工すると、ドロスが発生して板材に付着し、切断面の品質が悪化する。
このように、ファイバレーザ発振器やDDL発振器は小型で低ランニングコストであるが、切断面の品質が良好でないという短所を有するため、高品質な切断面が求められる場合には、ファイバレーザ発振器やDDL発振器を用いることができない。
ファイバレーザ発振器やDDL発振器は、波長が1μm帯またはそれより短い波長帯のビームを励起するレーザ発振器の好適な例である。ファイバレーザ発振器とDDL発振器の代わりにディスクレーザ発振器を用いた場合も同様である。
そこで、波長が1μm帯またはそれより短い波長帯のビームを励起するレーザ発振器を用いても、切断面の品質が良好なレーザ加工機の登場が切に望まれている。
本発明は、切断面の品質を従来よりも改善することができる、波長が1μm帯またはそれより短い波長帯のビームを励起するレーザ発振器を用いたレーザ加工機を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、波長が1μm帯またはそれより短い波長帯のビームを励起するレーザ発振器と、前記レーザ発振器より射出されたレーザを伝送する1本のプロセスファイバと、前記プロセスファイバより射出されたレーザを平行光化するコリメートレンズと、前記コリメートレンズより射出されたレーザが被加工材に照射されるときに、レーザの光軸の半径0.5mmの単位面積内の前記被加工材を溶融し始めた時点から溶融し終える時点までの単位時間内に、レーザを前記単位面積内の複数の箇所に集光させる集光光学要素とを備え、前記集光光学要素は、前記コリメートレンズによって平行光化されたレーザの入射面に、四角形以上の多角形の複数の平面が形成され、前記入射面に入射されたレーザを前記被加工材に集光させるファセットレンズであることを特徴とするレーザ加工機を提供する。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、波長が1μm帯またはそれより短い波長帯のビームを励起するレーザ発振器と、前記レーザ発振器より射出されたレーザを伝送する1本のプロセスファイバと、前記プロセスファイバより射出されたレーザが被加工材に照射されるときに、レーザの光軸の半径0.5mmの単位面積内の前記被加工材を溶融し始めた時点から溶融し終える時点までの単位時間内に、レーザを前記単位面積内の複数の箇所に集光させる集光光学要素とを備え、前記集光光学要素は、前記レーザ発振器より射出されたレーザをビーム伝送用ファイバのファイバコアの複数の箇所に集光させることにより、レーザを前記単位面積内の複数の箇所に集光させることを特徴とするレーザ加工機を提供する。
上記のレーザ加工機において、前記集光光学要素は、それぞれの集光点でのレーザ出力を個別に制御しないことが好ましい。
本発明のレーザ加工機によれば、波長が1μm帯またはそれより短い波長帯のビームを励起するレーザ発振器を用いながら、切断面の品質を従来よりも改善することができる。
一実施形態のレーザ加工機の全体的な構成例を示す斜視図である。 図1中のレーザ発振器11をファイバレーザ発振器11Fで構成した場合の概略的な構成を示す図である。 図1中のレーザ発振器11をダイレクトダイオードレーザ発振器11Dで構成した場合の概略的な構成を示す図である。 板材の切断フロントに入射されるレーザの入射角を説明するための断面図である。 レーザ発振器11としてCOレーザ発振器とファイバレーザ発振器11FとDDL発振器11Dとを用いたときの、切断フロントに対する入射角とレーザの吸収率との関係を示す特性図である。 レーザが切断フロントの全体に入射している状態を示す概念図である。 レーザ発振器11としてCOレーザ発振器とファイバレーザ発振器11FとDDL発振器11Dとを用いたときの、板厚tと吸収率最大集光直径damaxとの関係を示す特性図である。 板材を切断する切断速度Vを説明するための概念的な斜視図である。 集光直径dの計算方法を説明するための図である。 レーザ発振器11としてファイバレーザ発振器11FまたはDDL発振器11Dを用い、入射角78,80,82.5,83,85.6,87度それぞれの、吸収率Ab、吸収率最大集光直径damax、切断速度規定パラメータAb/damaxをまとめて示す図である。 レーザ発振器11としてファイバレーザ発振器11FまたはDDL発振器11Dを用い、入射角78,80,82.5,83,85.6,87度それぞれで、複数の板厚tと吸収率最大集光直径damaxとの関係を示す特性図である。 ファセットレンズの一構成例を示す平面図である。 吸収率最大集光直径damaxと切断速度規定パラメータAb/damaxとの関係と、吸収率最大集光直径damaxと切断速度Vとの関係を示す特性図である。 吸収率最大集光直径damaxと切断面粗さRaとの関係と、吸収率最大集光直径damaxと切断速度Vとの関係を示す特性図である。 一実施形態のレーザ加工機と比較例のレーザ加工機それぞれの、板厚tと切断面粗さRaとの関係を示す特性図である。 DOEレンズを概略的に示す平面図である。
以下、一実施形態のレーザ加工機及びレーザ切断方法について、添付図面を参照して説明する。本実施形態においては、波長が1μm帯またはそれより短い波長帯のビームを励起するレーザ発振器として、ファイバレーザ発振器またはDDL発振器を用いた場合を説明する。
図1において、レーザ加工機100は、レーザLBを生成して射出するレーザ発振器11と、レーザ加工ユニット15と、レーザLBをレーザ加工ユニット15へと伝送するプロセスファイバ12とを備える。レーザ加工機100は、レーザ発振器11より射出されたレーザLBによって、を切断加工する。
レーザ発振器11は、ファイバレーザ発振器またはダイレクトダイオードレーザ発振器(以下、DDL発振器)である。プロセスファイバ12は、レーザ加工ユニット15に配置されたX軸及びY軸のケーブルダクト(図示せず)に沿って装着されている。
レーザ加工ユニット15は、被加工材である板材W1を載せる加工テーブル21と、加工テーブル21上でX軸方向に移動自在である門型のX軸キャリッジ22と、X軸キャリッジ22上でX軸に垂直なY軸方向に移動自在であるY軸キャリッジ23とを有する。また、レーザ加工ユニット15は、Y軸キャリッジ23に固定されたコリメータユニット29を有する。
コリメータユニット29は、プロセスファイバ12の出力端から射出されたレーザLBを平行光化して略平行光束とするコリメートレンズ28と、略平行光束に変換されたレーザLBをX軸及びY軸に垂直なZ軸方向下方に向けて反射させるベンドミラー25とを有する。また、コリメータユニット29は、ベンドミラー25で反射したレーザLBを集光させる集光レンズ27と、加工ヘッド26とを有する。
コリメートレンズ28、ベンドミラー25、集光レンズ27、加工ヘッド26は、予め光軸が調整された状態でコリメータユニット29内に固定されている。焦点位置を補正するために、コリメートレンズ28がX軸方向に移動するように構成されていてもよい。
コリメータユニット29は、Y軸方向に移動自在のY軸キャリッジ23に固定され、Y軸キャリッジ23は、X軸方向に移動自在のX軸キャリッジ22に設けられている。よって、レーザ加工ユニット15は、加工ヘッド26から射出されるレーザLBを板材W1に照射する位置を、X軸方向及びY軸方向に移動させることができる。
以上の構成によって、レーザ加工機100は、レーザ発振器11より射出されたレーザLBをプロセスファイバ12によってレーザ加工ユニット15へと伝送させ、板材W1に照射して板材W1を切断加工することができる。
なお、板材W1を切断加工するとき、板材W1には溶融物を除去するためのアシストガスが噴射される。図1では、アシストガスを噴射する構成については図示を省略している。
図2は、レーザ発振器11をファイバレーザ発振器11Fで構成した場合の概略的な構成を示している。図2において、複数のレーザダイオード110はそれぞれ波長λのレーザを射出する。励起コンバイナ111は、複数のレーザダイオード110より射出されたレーザを空間ビーム結合させる。
励起コンバイナ111より射出されたレーザは、2つのファイバブラッググレーティング(FBG)112,114間のYbドープファイバ113に入射される。Ybドープファイバ113とは、コアに希土類のYb(イッテルビウム)元素が添加されたファイバである。
Ybドープファイバ113に入射されたレーザは、FBG112,114間で往復を繰り返し、FBG114からは、波長λとは異なる概ね1060nm〜1080nmの波長λ’(1μm帯)のレーザが射出される。FBG114から射出されたレーザは、フィーディングファイバ115及びビームカップラ116を介してプロセスファイバ12に入射される。ビームカップラ116は、レンズ1161,1162を有する。
なお、プロセスファイバ12は1本の光ファイバで構成されており、板材W1に照射されるまで、プロセスファイバ12で伝送されるレーザが他のレーザと合成されることはない。
図3は、レーザ発振器11をDDL発振器11Dで構成した場合の概略的な構成を示している。図3において、複数のレーザダイオード117はそれぞれ互いに異なる波長λ1〜λnのレーザを射出する。波長λ1〜λn(1μm帯より短い波長帯)は、例えば910nm〜950nmである。
オプティカルボックス118は、複数のレーザダイオード117より射出された波長λ1〜λnのレーザを空間ビーム結合させる。オプティカルボックス118は、コリメートレンズ1181と、グレーティング1182と、集光レンズ1183とを有する。
コリメートレンズ1181は、波長λ1〜λnのレーザを平行光化する。グレーティング1182は、平行光化されたレーザの方向を90度曲げ、集光レンズ1183に入射させる。集光レンズ1183は、入射されたレーザを集光してプロセスファイバ12に入射される。
なお、プロセスファイバ12は1本の光ファイバで構成されており、板材W1に照射されるまで、プロセスファイバ12で伝送されるレーザが他のレーザと合成されることはない。
次に、ファイバレーザ発振器11FまたはDDL発振器11Dを用いても、板材W1の切断面の品質を良好にするためにはどのようにすればよいかを考察する。
図4は、図の上方から照射されたレーザが板材W1の切断フロントW1cfに入射して反射する状態を概念的に示している。レーザの入射方向と、切断フロントW1cfに直交する破線で示す方向とのなす角度がレーザの入射角θである。切断フロントW1cfが理想的な平面であるとすれば、板材W1の底面と切断フロントW1cfとのなす角度も入射角となる。
図5は、レーザ発振器11としてCOレーザ発振器とファイバレーザ発振器11FとDDL発振器11Dとを用いたときの、入射角θとレーザの吸収率との関係を示している。ここでは、板材W1を鉄系材としたときの特性図を示している。
図5に示すように、COレーザ発振器を用いた場合には、入射角θが87度のときに吸収率が最大となる。ファイバレーザ発振器11FまたはDDL発振器11Dを用いた場合には、入射角θが77.5度のときに吸収率が最大となる。
図6に示すように、板材W1の板厚をt、レーザの集光直径をd、レーザと切断フロントW1cfとのなす角度をφとし、ビーム直径dのレーザが切断フロントW1cfの全体に入射すると仮定する。このとき、式(1)が成立する。なお、φ=90−θである。
d=t・tanφ …(1)
図5に基づき、式(1)を用いて、板厚tと、吸収率が最大となる集光直径damax(以下、吸収率最大集光直径damax)との関係を求めると、図7のようになる。図7より、レーザ発振器11としてファイバレーザ発振器11FまたはDDL発振器11Dを用いると、COレーザ発振器を用いた場合と比較して、吸収率最大集光直径damaxは4.2倍程度大きいことが分かる。
ところが、吸収率最大集光直径damaxが大きすぎると、加工点において十分なパワー密度を確保することができず、切断速度が遅くなってしまう。
図8を用いて、板材W1を切断する切断速度について説明する。図8において、集光レンズ27に入射するレーザの入射ビーム直径はDであり、集光レンズ27によって集光されたレーザが板材W1に照射されている。
レーザ出力をP(W)(W=J/s)、板材W1へのレーザの吸収率をAb、切断幅をb(mm)、板厚をt(mm)、材料を溶融または蒸発させるエネルギをE(J/cm)とする。レーザによって板材W1が切断されていくときの切断速度V(cm/s)は、式(2)で表される。
V=P・Ab/(E・b・t) …(2)
但し、全てのエネルギが切断カーフの切断フロントW1cfに吸収され、材料の熱伝導によるロスがなく、切断カーフ内の溶融金属がアシストガスによって完全に排出されると仮定する。
なお、ドロスが板材W1に付着せず、切断面の品質を良好にするには、板材W1に供給するアシストガスの圧力(アシストガス圧)は高い方がよい。アシストガス圧を例えば2.0MPa以上3.0MPa以下とするのがよい。
式(2)より、切断速度Vは吸収率Abに比例し、切断幅bに反比例することが分かる。切断幅bは、集光直径dが小さいほど小さくなる。
図9を用いて、集光直径dがどのように求められるかについて説明する。レーザの波長をλ、集光レンズ27の焦点距離をf、ビームパラメータ積をBPP(Beam Parameter Products)とすると、集光直径dは、式(3)で表される。
d=(1.27・π・f・BPP)/D …(3)
なお、BPPはビームの発散角とビームウェスト(ビーム径)の積であって、ビームの品質を表す指標である。一般的にガウス形の美しいビームプロファイルを理想とする場合にBPP値は1がよいとされている。しかしながら、高エネルギ密度のビームでの板金切断加工、特に、板厚3mm以上の厚板を切断加工する場合には、必ずしもBPP値を1に近づけることが高品位な加工(面粗度のよい加工)に繋がるとは言えないことが明らかとなった。
板厚3mm以上の厚板を切断加工する場合には、ビーム径を大きくする方がよく、その場合のBPPは23mm・mrad以上、28mm・mrad以下とすることが望ましい。
レーザ発振器11としてファイバレーザ発振器11FまたはDDL発振器11Dを用い、板厚tが5mmであるとき、入射角が78,80,82.5,83,85.6,87度それぞれで、吸収率Ab、吸収率最大集光直径damax、Ab/damaxをまとめると、図10に示すようになる。Ab/damaxは切断速度Vを決める要素となることから、切断速度規定パラメータと称することとする。
図5に示すように、入射角θが77.5度のときに吸収率Abが最大となり、入射角θが増大するに従って吸収率Abが低下する。ところが、図10に示すように、切断速度規定パラメータAb/damaxの値は、入射角θが87度から78度へと小さくなるに従って小さくなっていく。
切断速度規定パラメータAb/damaxの値が小さいとレーザのパワー密度が小さく、板材W1を切断するのに比較的長い時間を要することになる。吸収率Abと切断速度規定パラメータAb/damaxとの双方を考慮すると、図10に太実線で囲んでいるように、板厚tが5mmの場合には、入射角θを83度程度とするのがよい。
さらに、入射角が78,80,82.5,83,85.6,87度それぞれで、複数の板厚tと吸収率最大集光直径damaxとの関係を求めると、図11に示すようになる。
ここで、吸収率最大集光直径damaxを適宜の値とするのに好適な構成を説明する。本実施形態においては、集光レンズ27として図12に示すようなファセットレンズ27Fを用いる。ファセットレンズ27Fは、凸レンズの表面(レーザに入射面)に複数の六角形状の平面F0が形成されている。また、ファセットレンズ27Fは、複数の曲線を1つのレンズ面上に有する。
図10において、吸収率最大集光直径damaxを0.38mm以下とするためには、集光レンズ27として一般的に用いられている標準集光レンズが用いられる。図10において、吸収率最大集光直径damaxを0.61mm以上とするには、集光レンズ27としてファセットレンズ27Fを用いるのが好適である。
ファセットレンズ27Fは、レーザ発振器11より射出されたレーザが被加工材に照射されるときに、レーザの光軸の半径0.5mmの単位面積内の被加工材を溶融し始めた時点から溶融し終える時点までの単位時間内に、レーザを単位面積内の複数の箇所に集光させる集光光学要素の一例である。
好ましくは、集光光学要素は、レーザの光軸の半径0.4mmの単位面積内の被加工材を溶融し始めた時点から溶融し終える時点までの単位時間内に、レーザを単位面積内の複数の箇所に集光させる。このとき、集光光学要素は、それぞれの集光点でのレーザ出力を個別に制御しない。よって、それぞれの集光点での光強度に差はない。
本実施形態のレーザ加工機は、集光光学要素を備えることによって、板厚3mm以上の厚板であっても高品位な切断が可能になる。
例えば、集光条件1として、吸収率最大集光直径damaxを0.38mmとするには、焦点距離fが190mmの標準集光レンズを用いることができる。集光条件2として、吸収率最大集光直径damaxを0.61mmとするには、焦点距離fが150mmのファセットレンズ27Fを用いることができる。集光条件3として、吸収率最大集光直径damaxを1.06mmとするには、焦点距離fが190mmのファセットレンズ27Fを用いることができる。
ファセットレンズ27Fは、図12に示す形状に限定されることはなく、凸レンズの表面に複数の四角形状の平面を有する構成であってもよい。ファセットレンズ27Fは、レーザの入射面に、四角形以上の多角形の複数の平面が形成されていればよい。
ファセットレンズ27Fの表面に形成されている複数の平面は、それぞれ平面的な異なる位置に焦点を結ぶように形成されている。よって、ファセットレンズ27Fは、焦点をぼかすように作用する。
よって、集光レンズ27としてファセットレンズ27Fを用いると、標準集光レンズを用いる場合と比較して集光直径dを広げることが可能となる。ファセットレンズ27Fは、吸収率最大集光直径damaxを適宜の比較的大きい値に設定するのに好適である。
図13に、吸収率最大集光直径damaxと切断速度規定パラメータAb/damaxとの関係と、集光条件1〜3における吸収率最大集光直径damaxと切断速度Vとの関係を示す。切断速度Vは、集光条件1で1.2m/分、集光条件2で0.6m/分、集光条件3で0.4m/分であった。図13より分かるように、切断速度Vの傾きは切断速度規定パラメータAb/damaxの傾きに近似する。
図14は、集光条件1〜3それぞれの吸収率最大集光直径damaxと切断面粗さRaとの関係と、吸収率最大集光直径damaxと切断速度Vとの関係を示す。図14は、レーザ発振器11としてDDL発振器11Dを用い、板材W1として板厚5mmのステンレスを切断した場合を示している。切断面粗さRaは、切断面算術平均粗さであってもよい。
図14より分かるように、集光レンズ27としてファセットレンズ27Fを用いた集光条件2,3では、集光レンズ27として標準集光レンズを用いた集光条件1と比較して、切断面粗さRaが大幅に改善されている。特に、吸収率最大集光直径damaxが0.61mmである集光条件2では、切断面粗さRaは2μm程度であり、集光条件1と比較して1/3以下である。
図15は、レーザ発振器11としてDDL発振器11Dを用い、集光レンズ27としてファセットレンズ27Fを用いた本実施形態のレーザ加工機において、集光直径dを0.61mmとして、板材W1として板厚5mmの他に3mm及び4mmのステンレスを切断した場合の切断面粗さRaを示している。ここでも、切断面粗さRaは、切断面算術平均粗さであってもよい。
比較のため、図15には、COレーザ発振器と標準集光レンズを用いたレーザ加工機と、ファイバレーザ発振器11Fと標準集光レンズを用いたレーザ加工機とのそれぞれで、複数の板厚tのステンレスを切断した場合の切断面粗さRaも併せて示している。
ここでは図示していないが、ファイバレーザ発振器11Fとファセットレンズ27Fを用いた本実施形態のレーザ加工機で複数の板厚tのステンレスを切断した場合、DDL発振器11Dとファセットレンズ27Fを用いた本実施形態のレーザ加工機と同様の特性を有する。
逆に、DDL発振器11Dと標準集光レンズを用いたレーザ加工機で複数の板厚tのステンレスを切断した場合には、ファイバレーザ発振器11Fと標準集光レンズを用いたレーザ加工機と同様の特性を有する。
ファイバレーザ発振器11FまたはDDL発振器11Dと、集光レンズ27としてファセットレンズ27Fを用いた本実施形態のレーザ加工機においては、COレーザ発振器を用いたレーザ加工機には若干及ばないものの、切断面の品質を従来よりも大幅に改善することができる。
本実施形態によれば、高品質な切断面が求められる場合でも、小型で低ランニングコストのファイバレーザ発振器11FまたはDDL発振器11Dを用いてレーザ加工機を構成することができる。
集光光学要素は、ファセットレンズ27Fに限定されない。レーザ発振器11と加工ヘッド26との間のビーム伝送路(ビーム伝送用ファイバ)を2つ以上に分け、その2つのファイバ間にビームカプラを設けてもよい。ビームカプラ内のフォーカスレンズを上述した集光光学要素として利用してもよい。
この場合、集光光学要素は、レーザ発振器11より射出されたレーザをビーム伝送用ファイバのファイバコアの複数の箇所に集光させることにより、レーザを単位面積内の複数の箇所に集光させる。
集光光学要素は、ファセットレンズ27Fの代わりに、回折光学素子であってもよいし、光軸に対して垂直方向に移動自在の集光レンズであってもよい。
集光光学要素が回折光学素子である場合、例えば、回折型光学レンズ(DOE(Diffractive Optical Elements)レンズ)を用いることができる。
図16は、DOEレンズ30を概略的に示している。図16に示すように、DOEレンズ30は、複数の周状の回折溝31を有する。DOEレンズ30を、集光レンズ27またはコリメートレンズ28として利用することが可能である。図示していないが、ベンドミラー25をグレーティングミラーに変更することも可能である。
集光光学要素が光軸に対して垂直方向に移動自在の集光レンズである場合、例えば、図2のレンズ1162にその機能を持たせることができる。つまり、レンズ1162を光軸に対して垂直方向に偏芯させて回転させたり、図2の向きにおいて、レンズ1162を光軸に対して垂直方向の上下または前後方向に移動させたりすることによって、集光光学要素の機能を実現することができる。
レーザの光軸の半径0.5mmの単位面積内の被加工材を溶融し始めた時点から溶融し終える時点までの単位時間内に、レーザを単位面積内の複数の箇所に集光させる集光光学要素を用いると、単位時間当たりのビームエネルギが単位面積当たりほぼ均一に照射される。これによって、板厚3mm以上の厚板であっても高品位な切断が可能になる。
レーザの波長と出力とエネルギ密度と、被加工材の厚みと切断幅と、被加工材のレーザの吸収率と、切断速度と、入射角度と、溶融した被加工材と、アシストガスの種類と圧力とを適宜に組み合わせると、それらの相乗効果によってさらに高品位な切断が可能になる。
以上の説明では、板材W1として鉄系材(ステンレス)を例としているが、アルミニウムやチタン等であっても同様に、本実施形態のレーザ加工機及びレーザ切断方法によれば、切断面の品質を従来よりも大幅に改善することができる。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。ファイバレーザ発振器とDDL発振器の代わりにディスクレーザ発振器を用いてもよい。
11 レーザ発振器
11D ダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)
11F ファイバレーザ発振器
15 レーザ加工ユニット
27 集光レンズ
27F ファセットレンズ
28 コリメートレンズ
30 回折型光学レンズ(DOEレンズ,回折光学素子)
100 レーザ加工機
W1 板材(被加工材)

Claims (3)

  1. 波長が1μm帯またはそれより短い波長帯のビームを励起するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器より射出されたレーザを伝送する1本のプロセスファイバと、
    前記プロセスファイバより射出されたレーザを平行光化するコリメートレンズと、
    前記コリメートレンズより射出されたレーザが被加工材に照射されるときに、レーザの光軸の半径0.5mmの単位面積内の前記被加工材を溶融し始めた時点から溶融し終える時点までの単位時間内に、レーザを前記単位面積内の複数の箇所に集光させる集光光学要素と、
    を備え
    前記集光光学要素は、前記コリメートレンズによって平行光化されたレーザの入射面に、四角形以上の多角形の複数の平面が形成され、前記入射面に入射されたレーザを前記被加工材に集光させるファセットレンズである
    とを特徴とするレーザ加工機。
  2. 波長が1μm帯またはそれより短い波長帯のビームを励起するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器より射出されたレーザを伝送する1本のプロセスファイバと、
    前記プロセスファイバより射出されたレーザが被加工材に照射されるときに、レーザの光軸の半径0.5mmの単位面積内の前記被加工材を溶融し始めた時点から溶融し終える時点までの単位時間内に、レーザを前記単位面積内の複数の箇所に集光させる集光光学要素と、
    を備え
    前記集光光学要素は、前記レーザ発振器より射出されたレーザをビーム伝送用ファイバのファイバコアの複数の箇所に集光させることにより、レーザを前記単位面積内の複数の箇所に集光させることを特徴とするレーザ加工機。
  3. 前記集光光学要素は、それぞれの集光点でのレーザ出力を個別に制御しないことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工機。
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