JP2007064335A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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康彦 蓮田
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Abstract

【課題】セルフアライニング効果を発揮することができるとともにレイアウトの自由度を高くでき、且つローラを支持する部材にかかる負担を小さくできるトロイダル型無段変速機を提供すること。
【解決手段】キャリッジ18は、ローラ17をその中心軸線R1回りに回転自在に支持する第1の部材19と、第1の部材19をローラ17の中心軸線R1と直交するチルト軸線R2回りにチルト自在に支持する第2の部材20と、チルト軸線R2回りの第1の部材19のチルト変位を、中心軸線R1およびチルト軸線R2の双方に直交するピッチ軸線R3回りの変位に変換するギヤ機構21と、を含んでいる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、トロイダル型無段変速機に関する。
例えば、自動車等の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)として用いられるトロイダル型無段変速機には、同軸上に配置された入力円板および出力円板と、これらの円板間に挟まれたローラとを備え、入力円板からのトルクをローラを介して出力円板に伝達するものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2002−327820号公報 特開2002−327821号公報
ローラはキャリッジに支持されており、キャリッジに設けられたロッドを、油圧シリンダ等の駆動装置によって所定の押し引き方向に押引駆動することで、ローラの向き(傾き)を変えて、入出力円板のそれぞれとの接触位置を変え、変速比を変更できるようになっている。通例、キャリッジの押し引き方向は、入出力円板の中心軸線に直交する平面と所定の角度をなす方向であり、当該所定の角度がキャスタ角とされている。キャスタ角を設けることで、入出力円板に対するローラの位置を自律的に安定させるセルフアライニング効果を発揮している。
しかしながら、キャスタ角を設けることが必須となるので、キャリッジやこれに連なる駆動装置等の配置が制約されてしまい、レイアウトの自由度が低くなってしまう。
特許文献1,2では、入出力円板の中心軸線に直交する平面と押し引き方向とのなす角を零にしつつ、すなわちキャスタ角を零にしつつ、セルフアライニング効果を発揮できるようにしている。具体的には、特許文献1,2のキャリッジは、ローラをその軸方向に挟んで相対向する一対のホルダを備え、これら一対のホルダのそれぞれに半球状の窪み部が設けられている。これら一対の窪み部によってローラの支軸を挟持している。一対の窪み部のそれぞれには、細長い溝が形成されており、ローラの支軸の両端部が対応する溝上をすべり運動することで、ローラを傾動できるようになっている。
しかしながら、ローラを直接的に支持する支軸が、当該支軸を支持するホルダに対してすべり運動しながら傾動する構成であるため、ローラの軸受に対して軸方向の負荷がかかり、軸受にかかる負担が大きくなるとともに、軸受での損失が大きくなってしまう。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、セルフアライニング効果を発揮することができるとともにレイアウトの自由度を高くでき、且つローラを支持する部材にかかる負担を小さくできるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、相対向する入力ディスク(5)および出力ディスク(15)間に挟まれたローラ(17)を支持するキャリッジ(18)を備え、上記キャリッジ(18)は、ローラ(17)を当該ローラ(17)の中心軸線(R1)回りに回転自在に支持する第1の部材(19)と、第1の部材(19)をローラ(17)の中心軸線(R1)と直交するチルト軸線(R2)回りにチルト自在に支持する第2の部材(20)と、チルト軸線(R2)回りの第1の部材(19)のチルト変位を、上記中心軸線(R1)およびチルト軸線(R2)の双方に直交するピッチ軸線(R3)回りの変位に変換する変換機構(21;51)と、を含むことを特徴とするトロイダル型無段変速機を提供するものである。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
本発明によれば、ローラのチルト変位とピッチ変位とを一義的に関連付けることができる。その結果、入出力ディスクに対するローラの位置を自律的に安定させるセルフアライニング効果を発揮することができる。キャスタ角を設ける必要がない。キャスタ角を設けなければならないという制約がなくなることにより、例えば、キャリッジやこのキャリッジを駆動させるための駆動装置等、種々の部材のレイアウトの自由度を高くすることができる。また、通例、ローラは支軸を介して第1の部材に支持されるが、この支軸を第1の部材に対して移動(傾動)させる必要がないので、支軸にかかる負担を小さくできる。また、傾動運動に伴う損失(駆動ロス)が発生しない。
また、本発明において、上記変換機構(21)は、第1の部材(19)とチルト軸線(R2)回りに一体回動可能なピニオン(37,38)と、第2の部材(20)に設けられてピニオン(37,38)に噛み合い、当該ピニオン(37,38)のチルト軸線(R2)回りの回動を許容するラック(39,40)とを有するギヤ機構(21)を含む場合がある。この場合、第1の部材にピニオンを設け、第2の部材にラックを設けるという簡易な構成により、変換機構を実現できる。また、ピニオンとラックとの噛合により、第1の部材と第2の部材との相対位置を確実に保持することができる。
また、本発明において、上記ピニオン(37,38)は、第1の部材(19)のチルト軸線(R2)方向の両端のそれぞれに設けられた一対のピニオン(37,38)を含み、上記ラック(39,40)は、一方のピニオン(37)に噛み合うようにピッチ軸線(R3)方向の一方側に配置されたラック(39)と、他方のピニオン(38)に噛み合うようにピッチ軸線(R3)方向の他方側に配置されたラック(40)とを含む場合がある。
この場合、第1の部材のチルト軸線方向の両端のそれぞれにおいて、ラックアンドピニオン機構が設けられることになる。これにより、チルト軸線方向の一方側のラックアンドピニオン機構とチルト軸線方向の他方側のラックアンドピニオン機構とが協働して、第1の部材(ローラ)のチルト変位とピッチ変位との変換を確実に行うことができる。
また、本発明において、上記変換機構(51)は、第1の部材(19)とチルト軸線(R2)回りに一体回動可能なローラ(49)と、第2の部材(20)に設けられてローラ(49)に摩擦係合し、当該ローラ(49)のチルト軸線(R2)回りの回動を許容する軌道(50)とを有する摩擦伝動機構(51)を含む場合がある。この場合、第1の部材にローラを設け、第2の部材に軌道を設けるという簡易な構成により、変換機構を実現できる。
また、本発明において、上記キャリッジ(18)は所定の押し引き方向(E)に押引駆動可能とされ、当該所定の押し引き方向(E)は入出力ディスク(5,15)の中心軸線(R0)と直交する方向である場合がある。この場合、入出力ディスクの中心軸線に直交する平面と押し引き方向とのなす角を零にすることができる。すなわちキャスタ角を零にすることができる。これにより、例えば、キャリッジおよびキャリッジを押引駆動する駆動装置を、入出力ディスクの中心軸線に直交する平面に並ぶように配置でき、その結果、入出力ディスク間の間隔を狭くすることができる。装置のコンパクト化を達成することができる。
また、本発明において、上記キャリッジ(18)の第2の部材(20)のピッチ軸線(R3)回りの運動を規制する規制手段(56)を備える場合がある。この場合、第2の部材のピッチ軸線回りの不用意な運動の発生を防止でき、その結果、第1の部材(ローラ)のチルト変位を確実にピッチ変位に変換することができる。第1の部材のチルト変位とピッチ変位との関係を最適化することができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかるフルトロイダル型無段変速機のバリエータの概略構成を示す模式図である。図1を参照して、バリエータ1には、車両の動力源により回転駆動される入力軸3が設けられており、その両端近傍にはそれぞれ入力ディスク5が支持されている。
各ディスクの一側面には、凹湾曲状の軌道面5bが形成されており、その内周には複数条の溝を切ったスプライン孔5aが形成されている。入力ディスク5は、そのスプライン孔5aを、入力軸3に設けられたスプライン軸3aに結合させることによって、入力軸3と一体回転可能に組み付けられている。右側の入力ディスク5は、入力軸3に一体に設けられた係止部3bによって図示の状態から右方への移動が規制されている。
また、左側の入力ディスク5の軌道面5bと反対側の背面には、当該背面全体を覆うケーシング6と、ケーシング6の内周に内接したバックアップ板7と、入力軸3に固定され、入力ディスク5およびバックアップ板7が軸方向の左方に移動することを規制する係止リング8および止め輪9と、係止リング8の外周に装着され、バックアップ板7に予圧を付与するワッシャ10とが設けられている。
上記バックアップ板7の外周にはOリング11が装着されており、ケーシング6の内面と、入力ディスク5の背面と、バックアップ板7とによって囲まれた入力軸3の周りの空間に油室2が形成されている。油室2は、入力軸3の中心軸方向に設けられた油路3cおよびその右端部近傍から径方向に設けられた油路3dと連通している。
また、油路3cは、入力軸3の端部に挿入された固定部材2の内部に設けられた油路2aと連通している。この油路2aは、油圧制御装置12と接続されている。このようにして、ケーシング6およびバックアップ板7をシリンダとし、入力ディスク5をピストンとする油圧シリンダ装置が構成されている。
上記入力軸3の軸方向中央部には、バリエータ1の出力部13が入力軸3に対して相対回転自在に支持されている。この出力部13は、出力部材14と、この出力部材14にそれぞれ一体回転可能に支持された一対の出力ディスク15とを備えている。各出力ディスク15の、入力ディスク5の軌道面5bに対向する一側面には、凹湾曲状の軌道面15bが形成されている。また、上記出力部材14の外周には、動力伝達用のチェーン16と噛み合うスプロケットギヤ14aが形成されている。
上記各入力ディスク5の軌道面5bと、これに対向する出力ディスク15の軌道面15bとの間は、トロイド状間隙S1として構成されており、このトロイド状間隙S1には、各軌道面5b,15bと圧接して回転する円板状のローラ17が円周等配に3個(図1において、トロイド状間隙S1のそれぞれにつき1個のローラ17のみ図示。)設けられている。
したがって、ローラ17は左右一対のトロイド状間隙S1に計6個配置されている。各ローラ17はキャリッジ18によって当該ローラ17の中心軸線R1回りに回転自在に支持されているとともに、当該キャリッジ18によって軌道面5b,15bとの相対位置を調整できるようになっている。
上記バリエータ1において、油圧制御装置12から油室2に、端末負荷としての油圧が付与されると、左側の入力ディスク5が右方に付勢され、ローラ17を介して左側の出力ディスク15が右方に付勢される。これにより、左側の出力ディスク15から出力部材14を介して、右側の出力ディスク15が右方に付勢される。
さらに、右側の出力ディスク15からローラ17を介して右側の入力ディスク5が押圧されるが、この入力ディスク5は係止部3bにより止められているため、上記端末負荷がバリエータ1全体に付与され、左右の各ローラ17が両ディスク5,15間に所定の圧力で挟持された状態となる。
この状態において、入力軸3に動力が付与されると、入力ディスク5から出力ディスク15に対して、上記6個のローラ17を介してトルクが伝達される。キャリッジ18に支持されたローラ17は、トルクを伝達することによりキャリッジ18に生じるリアクション力と、出力ディスク15を駆動するのに必要なトルクとのアンバランスが生じると、このアンバランスを解消すべく、ローラ17の中心軸線R1を、揺動角度A1を生ずるように傾斜する。
これにより、ローラ17の位置が図の2点鎖線に示すように変化し、両ディスク5,15間の速度比が連続的に変化する。なお、左右計3個のローラ17は、左右対称になるように同期して中心軸線R1を傾斜させ、それらの傾斜角度は6個のローラすべてについて一致している。
図2は、キャリッジ18周辺の要部の構成を示す模式図である。説明の簡略化のため、1個のローラ17に関してのキャリッジ18周辺の構成を示しているが、実際には、各ローラ17ごとに同様の構成が設けられている。
図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。図4(A)は、図3のIVA−IVA線に沿う側面図である。図4(B)は、図3のIVB−IVB線に沿う側面図である。
図2および図3を参照して、キャリッジ18は、共通の中心軸線R0上に配置されて相対向する入力ディスク5と出力ディスク15との間のトロイド状間隙S1に配置されている。このキャリッジ18は、ローラ17を当該ローラ17の中心軸線R1回りに回転自在に支持する第1の部材19と、第1の部材19をローラ17の中心軸線R1と直交するチルト軸線R2回りにチルト自在に支持する第2の部材20と、チルト軸線R2回りの第1の部材19のチルト変位を、上記中心軸線R1およびチルト軸線R2の双方に直交するピッチ軸線R3回りの変位に変換する変換機構としてのギヤ機構21と、第2の部材20から延びるロッド22とを含んでいる。
第1の部材19は、例えば多角環状をなしており、ローラ17が挿通されている。この第1の部材19は、ローラ17の軸方向に関する一対の端面を挟むように平行に相対向する一対の板部23,24と、一対の板部23,24間を連結する一対の連結部25,26と、一対の連結部25,26のそれぞれから延設された一対の延設軸27,28とを有している。
一対の板部23,24はそれぞれ、ローラ17の径方向のうちの一方向に沿って延びる細長の部材であり、ローラ17の支軸29を、軸受(図示せず)を介して回転自在に支持している。支軸29の軸線は、ローラ17の中心軸線R1と一致している。
なお、支軸29を各板部23,24に固定するとともに、支軸29とローラ17とを軸受を介して回転自在に連結してもよい。
一対の連結部25,26はそれぞれ、一対の板部23,24の長手方向の両端部に設けられており、ローラ17の円周方向に沿う周面30に相対向している。
一対の延設軸27,28はそれぞれ、対応する連結部25,26からローラ17の径方向の外方に突出している。一対の延設軸27,28は、ローラ17を挟んでローラ17の径方向に相対向しており、一方の延設軸27の軸線と他方の延設軸28の軸線とが一致している。各延設軸27,28の軸線は、ローラ17の中心軸線R1と直交しており、当該軸線がチルト軸線R2とされている。チルト軸線R2は、一対の板部23,24の長手方向に沿っている。
第1の部材19がチルト軸線R2の回りを回動することにより、ローラ17のチルト軸線R2回りの回動(チルト変位)が達成される。また、第1の部材19がピッチ軸線R3の回りを回動することにより、ローラ17のピッチ軸線R3回りの回動(ピッチ変位)が達成される。
図1を参照して、チルト軸線R2は、ローラ17および入力ディスク5の互いの接触部分の接触中心Bと、当該入力ディスク5の中心軸線R0との間の距離(有効半径)が変化するようにローラ17が回転するときの回転軸線に相当する。換言すれば、チルト軸線R2は、ローラ17および出力ディスク15の互いの接触部分の接触中心Cと、当該出力ディスク15の中心軸線R0との間の距離(有効半径)が変化するようにローラ17が回転するときの回転軸線に相当する。チルト変位によりバリエータ1の変速比が変化する。
再び図2および図3を参照して、第2の部材20は、第1の部材19よりも大きな環状をなしており、第1の部材19を取り囲んでいる。この第2の部材20は、第1の部材19の一対の板部23,24を挟むように平行に相対向する一対の板部31,32と、一対の板部31,32間を連結する一対の連結壁33,34とを有している。
一対の板部31,32はそれぞれ、入出力ディスク5,15の中心軸線R0と概ね直交する方向に沿って延びている。
一方の連結壁33は、一対の板部31,32の長手方向の一端部間を連結している。他方の連結壁34は、一対の板部31,32の長手方向の他端部間を連結している。一対の連結壁33,34は、ローラ17を挟んで相対向している。これら一対の連結壁33,34はそれぞれ、入出力ディスク15の軸方向(中心軸線R0の延びる方向)に沿ってみたときの形状が、円弧状をなしている。
図3、図4(A)および図4(B)を参照して、これら一対の連結壁33,34のそれぞれには、当該連結壁33,34を一対の板部31,32の長手方向に貫く貫通孔35,36が形成されている。これらの貫通孔35,36は、対応する連結壁33,34の長手方向(円弧の延びる方向)に沿って延びる長孔であり、第1の部材19の対応する延設軸27,28がそれぞれ挿通されている。
ギヤ機構21は、チルト軸線R2方向に関する第1の部材19の両端のそれぞれに設けられた一対のピニオン37,38と、これら一対のピニオン37,38に対応する一対のラック39,40とを有するラックアンドピニオン機構とされている。
一対のピニオン37,38はそれぞれ、第1の部材19の対応する延設軸27,28とチルト軸線R2回りに一体回動可能に設けられている。これらのピニオンを構成する歯車として、例えば、平歯車、はすば歯車、ねじ歯車、およびかさ歯車を例示することができる。
一対のラック39,40はそれぞれ、第2の部材20の対応する貫通孔35,36の周面に設けられて、対応する貫通孔35,36の長手方向に沿って延びており、対応するピニオン37,38に噛み合っている。これら一対のラック39,40によって、対応する一対のピニオン37,38のチルト軸線R2回りの回動が許容される。
一方のラック39は、ピッチ軸線R3方向の一方側(図4(A)の左側)に配置されて一方のピニオン37に噛み合っている。他方のラック40は、ピッチ軸線方向の他方側(図4(B)の左側)に配置されて他方のピニオン38に噛み合っている。
一対のラック39,40のそれぞれにおいて、各歯の歯面は、対応する連結壁33,34の円弧の径方向に沿って延びたものとなっている。図3では他方のラック40における各歯の配列のみが見えている状態を示しているが、一方のラック39における各歯の配列についても同様である。
上記の構成により、第1の部材19がチルト軸線R2の回りを第1の方向D1に回動すると、図5ならびに図6(A)および図6(B)に示すように、一方のピニオン37は、一方のラック39に対して貫通孔35の長手方向の一方側(図6(A)の上側。F1方向。)に移動するとともに、他方のピニオン38は、他方のラック40に対して貫通孔36の長手方向の他方側(図6(B)の下側。F2方向。)に移動する。
図3ならびに図4(A)および図4(B)を参照して、同様に、第1の部材19がチルト軸線R2の回りを第2の方向D2に回動すると、一方のピニオン37は、一方のラック39に対して貫通孔35の長手方向の他方側(図4(A)の下側。F2方向。)に移動するとともに、他方のピニオン38は、他方のラック40に対して貫通孔36の長手方向の一方側(図4(B)の上側。F1方向。)に移動する。
上記の構成により、第1の部材19がチルト軸線R2の回りを回動するとき、第1の部材19(ローラ17)のピッチ軸線R3回りの回動も生じる。このときのチルト変位とピッチ変位との関係(チルト角とピッチ角との関係)は、例えば図7に示すグラフ図のような関係となり、チルト変位とピッチ変位との間の関係が一義的に定まる。チルト変位の増減に対して、ピッチ変位は、概ね単調に増減しており、両者は概ね比例関係にある。
図3を参照して、チルト変位が零というのは、第1の部材19の一対の板部23,24が第2の部材20の一対の板部31,32と平行となっている状態をいう。同様に、ピッチ変位が零というのは、第1の部材19の一対の板部23,24が第2の部材20の一対の板部31,32と平行となっている状態をいう。
なお、一対のピニオン37,38の何れか一方を廃止するとともに、一対のラック39,40の対応する何れか一方を廃止してもよい。この場合、第1の部材19の一対の延設軸27,28のうち、ピニオンが設けられない側は、第2の部材20の対応する貫通孔の周面によって、その移動をガイドされる。
図2および図3を参照して、ロッド22は、キャリッジ18を駆動する駆動装置としての油圧シリンダ41にキャリッジ18を連結するためのものである。ロッド22は、U字状に形成されて第2の部材20の一方の連結壁33を挟むように当該一方の連結壁33に固定される連結部42と、連結部42から延びる主体部43とを有している。
主体部43の第1の部分43aは、第2の部材20の一対の板部31,32のそれぞれと平行に延びており、連結部42に連なっている。チルト変位が零のとき、主体部43の軸線R4は、チルト軸線R2と重なる。主体部43の第1の部分43aと第2の部分43bとは、球面継手からなる継手55を介して連結されている。油圧シリンダ41とキャリッジ18の第2の部材20との間に2つの球面継手48,55が設けられている。これにより、第2の部材20は、油圧シリンダ41の後述するピストン45の長手方向に平行に移動することができる。
油圧シリンダ41は、キャリッジ18をロッド22を介して支持し、且つ当該キャリッジ18を介してローラ17に入出力ディスク5,15に対する押し引き力を付与するためのものである。この油圧シリンダ41は、固定部としての円筒状のシリンダ本体44と、このシリンダ本体44内に擦動自在に収容された可動部としてのピストン45とを含んでいる。
ピストン45は、シリンダ本体44内に上記押し引き力を発生するための第1および第2の油室46,47を区画し、これらを互いに仕切っている。ロッド22の主体部43の第2の部分43bとピストン45とを連結する継手48が設けられている。継手48は、球面継手からなり、油圧シリンダ41の発生する押し引き力がキャリッジ18等を介してローラ17に伝達されるようになっている。チルト変位が零のときにおいて、ロッド22は、ローラ17の各軸線R1〜R3の交点と継手48の中心との間を通っている。
油圧シリンダ41の第1の油室46および第2の油室47にそれぞれ供給される油圧の差圧により、キャリッジ18には、所定の押し引き方向Eに沿って前進または後進するように駆動力が付与されて、キャリッジ18が押し引き方向Eに駆動され、この駆動力が、ローラ17を入出力ディスク5,15に向けて押したり引いたりする力(押し引き力)として働く。第1の油室46および第2の油室47に出入りする作動油は、油圧制御装置12から供給される。
上記押し引き方向Eは、入出力ディスク5,15の中心軸線R0に直交する方向であり、キャスタ角が零とされている。
キャリッジ18の第2の部材20のピッチ軸線R3回りの回転運動を規制する規制手段としての平行リンク機構56が設けられている。この平行リンク機構56は、第2の部材20の他方の板部32、一対のピン57,58、一対のロッド59,60、一対のピン61,62および固定部材63を含んでいる。
他方の板部32の一端部32aに、ピン57が固定されている。ピン57は、チルト角が零のときにおけるピッチ軸線R3に平行である。ロッド59の一端部は、ピン57に回転自在に連結されている。ロッド59の他端部は、ピン61に回転自在に連結されている。ピン61は、ピン57と平行に延びており、固定部材63に固定されている。固定部材63は、バリエータ1を収容するミッションケース等のケーシング64に固定されている。
上記と同様にして、他方の板部32の他端部32bに、ピン58が固定されている。ピン58は、チルト角が零のときにおけるピッチ軸線R3に平行である。ロッド60の一端部は、ピン58に回転自在に連結されている。ロッド60の他端部は、ピン62に回転自在に連結されている。ピン62は、ピン58と平行に延びており、固定部材63に固定されている。ロッド59とロッド60とは、互いに平行であり、他方の板部32と固定部材63とは、互いに平行である。
平行リンク機構56により、第2の部分20の他方の板部32が固定部材63と平行な状態を維持しつつ、第2の部分20がピッチ軸線R3に直交する方向に移動する。
図8(A)および図8(B)はそれぞれ、キャリッジ18およびローラ17の動作を説明するための模式図である。図2および図8(A)を参照して、前述したように、キャリッジ18に支持されたローラ17は、トルクを伝達することによりキャリッジ18に生じるリアクション力と、出力ディスク15を駆動するのに必要なトルクとの間にアンバランスが生じると、このアンバランスを解消すべく、例えば、ローラ17を図8(A)に示す状態から図8(B)に示す状態に傾斜する。
このとき、ローラ17および第1の部材19は、チルト軸線R2回りに回動(チルト変位)するとともに、ピッチ軸線R3回りに回動(ピッチ変位)する。ローラ17の中心軸線R1が入出力ディスク5,15の中心軸線R0と交差すると、チルト変位およびピッチ変位が止まる。これにより、上記のアンバランスが解消され、ローラ17の位置が自律的に安定する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ローラ17のチルト変位とピッチ変位とを一義的に関連付けることができる。その結果、入出力ディスク5,15に対するローラ17の位置を自律的に安定させるセルフアライニング効果を発揮することができる。
したがって、セルフアライニング効果を奏するためのキャスタ角を設ける必要がない。すなわち、入出力ディスク5,15の中心軸線R0に直交する平面と押し引き方向Eとの間に角度を付けて両者を相対的に傾斜させる必要がない。キャスタ角を設けなければならないという制約がなくなることにより、キャリッジ18や油圧シリンダ41等、種々の部材のレイアウトの自由度を高くすることができる。
また、ローラ17は支軸29を介して第1の部材19に支持されるが、この支軸29を第1の部材19に対して移動(傾動)させる必要がないので、支軸29にかかる負担を小さくできる。また、傾動運動に伴う損失(駆動ロス)が発生しない。
さらに、第1の部材19にピニオン37,38を設け、第2の部材20にラック39,40を設けるという簡易な構成により、ギヤ機構21を実現できる。また、一対のピニオン37,38と対応するラック39,40との噛合により、第1の部材19と第2の部材20との相対位置を確実に保持することができる。
また、第1の部材19のチルト軸線方向の両端のそれぞれに一対のピニオン37,38を設けるとともに、ピッチ軸線方向の一方側に配置された一方のラック39を一方のピニオン37に噛み合わせ、さらにピッチ軸線方向の他方側に配置された他方のラック40を他方のピニオン38に噛み合わせている。
これにより、第1の部材19のチルト軸線方向の両端のそれぞれにおいて、ラックアンドピニオン機構が設けられることになる。これにより、チルト軸線方向の一方側のラックアンドピニオン機構とチルト軸線方向の他方側のラックアンドピニオン機構とが協働して、第1の部材19(ローラ17)のチルト変位とピッチ変位との変換を確実に行うことができる。
さらに、キャリッジ18の押し引き方向Eを入出力ディスク5,15の中心軸線R0と直交する方向にしている。これにより、入出力ディスク5,15の中心軸線R0に直交する平面と押し引き方向Eとのなす角を零にすることができる。すなわちキャスタ角を零にすることができる。
これにより、キャリッジ18および油圧シリンダ41を、入出力ディスク5,15の中心軸線R0に直交する平面上に並ぶように配置でき、その結果、入出力ディスク5,15間の間隔を狭くすることができる。バリエータ1のコンパクト化を達成することができる。
また、平行リンク機構56を設けていることにより、第2の部材20のピッチ軸線R3回りの不用意な運動の発生を防止でき、その結果、第1の部材19(ローラ17)のチルト変位を確実にピッチ変位に変換することができる。第1の部材19のチルト変位とピッチ変位との関係を最適化することができる。さらに、ローラ17と対応する軌道面5b,15bとの接触中心Bにおいて、ローラ17に作用する力の向きを、対応する軌道面5b,15bの接線方向に沿う向き(支軸29に直交する向き)にすることができる。その結果、ローラ17を支持する支軸29や軸受に軸方向の力が作用することを防止でき、支軸29やその軸受にかかる負担を小さくできるとともに、損失(駆動ロス)を小さくできる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されない。
例えば、図9に示すように、ピニオンに代えて円柱状のローラ49を用いるとともに、ラックに代えて軌道50を用いることにより、これらローラ49および軌道50を含む摩擦伝動機構51を設けてもよい(図9において、チルト軸線方向の一方側のみを図示)。この場合、ローラ49は、軌道50に摩擦係合してその位置を保持されるとともに、軌道50上を転がり運動する。これにより、ローラ17のチルト軸線R2回りの回動が許容される。このように、第1の部材19にローラ49を設け、第2の部材20に軌道50を設けるという簡易な構成により、摩擦伝動機構51を実現できる。
なお、ローラ49と軌道50との間にトラクションオイルの油膜を形成し、この油膜を介して両者間の動力伝達を行うトラクションドライブとしてもよい。
本発明の一実施の形態にかかるフルトロイダル型無段変速機のバリエータの概略構成を示す模式図である。 キャリッジ周辺の要部の構成を示す模式図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 (A)は、図3のIVA−IVA線に沿う側面図であり、(B)は、図3のIVB−IVB線に沿う側面図である。 第1の部材およびローラが第2の部材に対して移動したときの状態を示す断面図である。 (A)は、図5のVIA−IVA線に沿う側面図であり、(B)は、図5のVIB−VIB線に沿う側面図である。 チルト変位とピッチ変位(チルト角とピッチ角)との関係を示すグラフ図である。 (A)および(B)はそれぞれ、キャリッジおよびローラの動作を説明するための模式図である。 本発明の別の実施の形態の要部の断面図である。
符号の説明
5…入力ディスク、15…出力ディスク、17…ローラ、18…キャリッジ、19…第1の部材、20…第2の部材、21…ギヤ機構(変換機構)、37,38…ピニオン、39,40…ラック、49…ローラ、50…軌道、51…摩擦伝動機構(変換機構)、56…平行リンク機構(規制手段)、E…押し引き方向、R0…(入出力ディスクの)中心軸線、R1…(ローラの)中心軸線、R2…チルト軸線、R3…ピッチ軸線。

Claims (6)

  1. 相対向する入力ディスクおよび出力ディスク間に挟まれたローラを支持するキャリッジを備え、
    上記キャリッジは、
    ローラを当該ローラの中心軸線回りに回転自在に支持する第1の部材と、
    第1の部材をローラの中心軸線と直交するチルト軸線回りにチルト自在に支持する第2の部材と、
    チルト軸線回りの第1の部材のチルト変位を、上記中心軸線およびチルト軸線の双方に直交するピッチ軸線回りの変位に変換する変換機構と、
    を含むことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 請求項1において、上記変換機構は、第1の部材とチルト軸線回りに一体回動可能なピニオンと、第2の部材に設けられてピニオンに噛み合い、当該ピニオンのチルト軸線回りの回動を許容するラックとを有するギヤ機構を含むことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 請求項2において、上記ピニオンは、第1の部材のチルト軸線方向の両端のそれぞれに設けられた一対のピニオンを含み、
    上記ラックは、一方のピニオンに噛み合うようにピッチ軸線方向の一方側に配置されたラックと、他方のピニオンに噛み合うようにピッチ軸線方向の他方側に配置されたラックとを含むことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 請求項1において、上記変換機構は、第1の部材とチルト軸線回りに一体回動可能なローラと、第2の部材に設けられてローラに摩擦係合し、当該ローラのチルト軸線回りの回動を許容する軌道とを有する摩擦伝動機構を含むことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  5. 請求項1〜4の何れか1項において、上記キャリッジは所定の押し引き方向に押引駆動可能とされ、当該所定の押し引き方向は入出力ディスクの中心軸線と直交する方向であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  6. 請求項1〜5の何れか1項において、上記キャリッジの第2の部材のピッチ軸線回りの運動を規制する規制手段を備えることを特徴とするトロイダル型無段変速機。

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