JP2007063797A - 橋梁の押出架設工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 仮支柱14を設けることなく、架設中の主桁の断面力を低減させることが可能な橋梁の押出架設工法を提供する。
【解決手段】 橋梁の主桁2を押出し工法により架設する橋梁の押出架設工法において、主桁2を押し出す橋台5と橋脚4の間に、又は隣接する橋脚4の間に架設用ケーブル11を張設し、ジャッキ18を備えた仮支柱14を主桁2と架設用ケーブル11との間に略鉛直方向に配設し、配設した仮支柱14をジャッキ18で伸張させることにより、架設用ケーブル11からの略鉛直上向きの反力を主桁2に負荷しつつ、当該主桁2を押出方向へ押し出す。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁の主桁を押出し工法により架設する橋梁の押出架設工法に関する。
橋梁の主桁を架設する際に、従来より押出し工法が頻繁に利用されている。この押出し工法は、橋脚後方の陸上等において設置される主桁製作ヤード上で長さ10〜20mのブロックに分割した主桁を順次押し出すことにより橋梁を架設する工法である。従来において、このような押出し工法に基づいて橋梁を架設するための押出し装置が数多く提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。この押出し工法では、品質管理、工程管理上においても有利であり、架設作業全体のコストを大幅に削減することも可能である。
この押出し工法においては、押出し架設の進捗に伴って、支点位置では負の曲げモーメントが作用する一方、支間中央では正の曲げモーメントが作用し、これが交互に繰り返されることとなる。このため従来において、例えば主桁がPC鋼材により構成されている場合では、主桁の上下部にPC鋼材を配置することにより、正負の曲げモーメントの繰り返しに抵抗させる工夫が施されている。即ち、主桁の全ての箇所が支点として作用させるために、架設用として完成系ケーブルと逆にPC鋼材を配置し、これを押出方向へ押出している。
箱桁であれば、例えば図11に示すように、完成時において橋脚51上において、外ケーブル53を桁上部に配置するとともに、支間中央において桁下部に配置する。またPC鋼材からなる架設用ケーブル54は、外ケーブルと対称となるように、橋脚51上において桁下部に配置するとともに、支間中央において桁上部に配置することとなる。
しかしながら、主桁内部の限られた空間内で多くのPC鋼材からなる架設用ケーブル54を配置し、これを緊張しなければならず、また橋梁の完成後においてこの架設用ケーブル54を撤去しなければならない。このため、施工に必要な工数が増加し、施工コストが過大となり、さらに多くの架設用ケーブル54が限られた空間中に配置されることになるため、施工そのものが複雑化してしまうという問題点があった。
このため、従来においては、さらに図12に示すように、主桁56に架設用の手延べ桁57を設置する。そして、主桁56が押出し方向の橋脚や橋台に到達する前に手延べ桁57が到達することで、主桁56に生じる断面力を低減させていた。また、橋台と橋脚の間に仮支柱102を設置する。そして、押出し中に主桁56を仮支柱102によって支持することで、仮支柱102を設置しない場合に比べて主桁56に生じる断面力を低減させていた。この仮支柱102に負荷すべき反力は、ストロークの大きいジャッキ等を設置し、これを伸張させることにより任意に調整することが可能となる。
特開昭57−193605号公報 特開平6−212607号公報
しかしながら、上述の如き仮支柱102を設ける従来の工法においては、例えば橋脚51や橋台52の支間長が長い場合には数多くの仮支柱102を地面から設けなければならず、施工コストが増大してしまう。また、山岳部において仮支柱102を設置しなければならない場合や、仮支柱102の設置位置に河川がある場合等、施工全体の経済性の観点のみならず、施工そのものが自然環境に対しても悪影響を及ぼす原因となりえる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、仮支柱を設けることなく、架設中の主桁の断面力を低減させることが可能な橋梁の押出架設工法を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために、主桁を押し出す橋台と橋脚の間に、又は隣接する橋脚の間に架設用ケーブルを張設し、ジャッキを備えた仮支柱を上記主桁と張設した架設用ケーブルとの間に略鉛直方向に配設し、配設した仮支柱をジャッキで伸張させることにより、架設用ケーブルからの略鉛直上向きの反力を主桁に負荷しつつ、当該主桁を押出方向へ押し出す押出架設工法を発明した。
即ち、本発明を適用した橋梁の押出架設工法は、橋梁の主桁を押出し工法により架設する橋梁の押出架設工法において、主桁を押し出す橋台と橋脚の間に、又は隣接する橋脚の間に架設用ケーブルを張設し、ジャッキを備えた仮支柱を上記主桁と上記張設した架設用ケーブルとの間に略鉛直方向に配設し、配設した仮支柱をジャッキで伸張させることにより、上記架設用ケーブルからの略鉛直上向きの反力を上記主桁に負荷しつつ、当該主桁を押出方向へ押し出す。
仮支柱に設けられたジャッキで伸張させることにより、架設用ケーブルからの反力を大きくすることにより、主桁に略鉛直方向の力を与えることができる。これにより、橋脚における支間中央において、支点としての橋脚を設けたのと同様の効果が得られ、換言すれば、橋脚における支間長を約半分にしたのと同様の効果が得られることになる。これにより、従来の如く外ケーブルと上下対称となるように架設用ケーブルを設ける必要がなくなることから、主桁における限られた空間内に実装すべきケーブルの量を大幅に削減することも可能となる。また、従来の如く、仮支柱を地面から設ける必要もなくなることから、施工コストを大幅に抑制することも可能となり、さらに施工全体の経済性に加えて、施工自体が自然環境に対して悪影響を及ぼすことを極力抑えることが可能となる。また、架設用ケーブルは、大偏芯として計算することが可能となることから、かかる架設用ケーブルの配設自体が大幅なコストアップにつながることはない。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、橋梁の主桁を押出し工法により架設する橋梁の押出架設工法につき、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この橋梁の主桁2を図中における押出方向へ向けて押し出すことにより、これを架設する押出架設システム1の構成につき示す図である。この押出架設システム1は、主桁2につき、橋脚4又は橋台5上を介して押出方向へ向けて押し出すものである。押出架設システム1では、一般に、立設された橋脚4の両端に橋台5が配設され、何れか一方の橋台5から他の一方の橋台5へ向けて主桁2を押し出す。以下、図1の例においては、左側に配設された橋台5aから、橋脚4を介して右側に配設された橋台5bにかけて押出方向へ向けて主桁2を押し出す場合を例にとり説明をする。
予め工場等で製作されたプレキャストコンクリート製、鋼製又はそれらが組み合わされた主桁2は、クレーン等の搬送装置により運搬されて橋台5a上に載置される。又は、主桁2は、橋台5a背面の主桁製作ヤードにて製作して、橋台5a上に載置される。この載置された主桁2は、押出装置10により、順次押出方向へ押し出されていくことになる。
図2は、この押出装置10の一例を示している。この図2に示すように水平ジャッキ20並びに鉛直ジャッキ24の伸縮動作によって、滑り板21上を摺動する支持部材22の上端面に主桁2を設置する。そして、水平ジャッキ20で支持部材22を引き寄せることにより、主桁2の押し出しを行う。
また、この押出架設システム1では、さらに図1に示すように、主桁2を押し出す橋台5と橋脚4の間に、又は隣接する橋脚4の間に架設用ケーブル11を張設する。そして、この張設した架設用ケーブル11と主桁2との間に仮支柱14を略鉛直方向に配設する。
架設用ケーブル11は、一端が橋台5aの定着部9aに定着されており、他端が橋台5bの定着部9bに定着されている。この架設用ケーブル11は、橋脚4におけるケーブル挿通孔39にそれぞれ挿通された状態で張設される。
図3(a)は、仮支柱14の側面図の一例であり、図3(b)は仮支柱14の正面図の一例である。仮支柱14は、架設用ケーブル11上を押出方向へ向けて移動自在とするための移動部16と、主桁2に当接可能な上面17と、仮支柱14を略鉛直方向に伸縮自在とするためのジャッキ18とを備えている。
移動部16は、例えば架設用ケーブル11を把持可能なキャッチクランプにより構成される。仮に架設用ケーブル11を2列に亘って並設させる場合には、図3(b)に示すように、このキャッチクランプからなる移動部16を2列に亘って設けるようにしても良い。また、この移動部16については、例えば図3(a)に示すように、キャッチクランプと架設用ケーブル11との間に形成される隙間に楔19を嵌合させるようにしてもよい。これにより、仮支柱14を架設用ケーブル11に対して強固に固定することが可能となる。また仮支柱14そのものを押出方向に移動自在とせず、一箇所において完全に固定させる場合には、楔19を嵌合させたままの状態で保持するようにしてもよい。
ちなみに、この移動部16としては、例えば、従来のロープウェイ等と同様の車輪機構が適用されていてもよいし、またキャタピラ式の回転機構が適用されていてもよい。さらに、この移動部16は、架設用ケーブル11との間で円滑に移動できるようにベアリング等が適用されていてもよい。
上面17は、摩擦係数の小さい例えばステンレス等の材料で構成することにより主桁2に対する滑り性を向上させるようにしてもよい。これにより、主桁2は、この上面17上を円滑に滑りながら押出方向へ押し出されていくことになる。
ジャッキ18は、ねじや歯車、油圧等で伸張することにより、架設用ケーブル11に対して荷重を負荷する。その結果、架設用ケーブル11から略鉛直上向きの反力が仮支柱14を介して主桁2へ負荷されることになる。
図4(a)は、他の仮支柱14の側面図であり、図4(b)は、その正面図を示している。この仮支柱14は、移動部16につき、半円弧状の嵌合部で構成し、これを架設用ケーブル11の上から嵌め込む。また、この図4に示す仮支柱14の例では、その上面17につき、摩擦係数の大きい材料で構成してもよい。これにより、主桁2の押し出しに応じて仮支柱14も共に押出方向へと移動させることも可能となる。
次に、本発明を適用した橋梁の押出架設工法の詳細につき、説明をする。
先ず、主桁2の押出方向への押し出しに応じて、仮支柱14を共に押出方向へ移動させる場合には、例えば図5(a)に示すように、橋脚4の近傍において仮支柱14を配設する。この仮支柱14は、主桁2の継ぎ目部分31付近に配設するようにしてもよい。この継ぎ目部分31は、橋梁完成時において橋脚4上に位置することになる。このため、この継ぎ目部分31は桁上部にケーブル32が配置されることになる。また、この主桁2における中央部分は、橋梁完成時において、橋脚4間における支間中央に位置する。このため、この中央部分は、桁下部にケーブル32が配置されることになる。
即ち、仮支柱14は、手延べ桁の付け根部分か、もしくは、完成時橋脚上となる負の曲げモーメントが働く箇所に配置されることになる。
このような主桁2における継ぎ目部分31付近に配設された仮支柱14は、主桁2が押出方向へ向けて押し出されるにつれて、図5(b)に示すように、共に押出方向へ移動することになる。その結果、仮支柱14は、主桁2からの荷重が徐々に大きくなり、仮支柱14から架設用ケーブル11へ負荷される略鉛直下向きの荷重も徐々に大きくなる。また、これに応じて架設用ケーブル11のたわみ量は徐々に大きくなる。
架設用ケーブル11のたわみ量が大きくなれば、これに応じて負荷される仮支柱14への反力も大きくなり、これに基づいて、仮支柱14を介して主桁2へ負荷される略鉛直上向きの反力も大きくなる。その結果、主桁2は、押し出し時において、仮支柱14から鉛直方向の力が作用されつつ、これに支持されることになる。なお、この図5(b)に示す押出位置において、ジャッキ18を伸縮させることにより、その反力を調整するようにしてもよい。
図5(c)は、主桁2が押出方向へ向けてさらに押し出された結果、仮支柱14が橋脚4間における支間中央にまで移動した場合につき、示している。仮支柱14が支間中央に移動したときに、架設用ケーブル11のたわみ量が最大となり、これを介した主桁2への略鉛直上向きの反力も最大となる。また、この時点において、仮支柱14に設けられたジャッキ18で伸張させることにより、架設用ケーブルからの反力を大きくすることにより、主桁2に必要最大の略鉛直方向の力を与えるようにしてもよい。
これにより、橋脚4における支間中央において、支点としての橋脚を設けたのと同様の効果が得られ、換言すれば、橋脚4における支間長を約半分にしたのと同様の効果が得られることになる。これにより、従来の如く外ケーブルと上下対称となるように架設用ケーブルを設ける必要がなくなることから、主桁2における限られた空間内に実装すべきケーブルの量を大幅に削減することも可能となる。また、従来の如く、仮支柱を地面から設ける必要もなくなることから、施工コストを大幅に抑制することも可能となり、さらに施工全体の経済性に加えて、施工自体が自然環境に対して悪影響を及ぼすことを極力抑えることが可能となる。また、架設用ケーブル11は、大偏芯として計算することが可能となることから、かかる架設用ケーブル11の配設自体が大幅なコストアップにつながることはない。
その理由としては、プレストレスによる断面力(曲げモーメント)の改善は、プレストレス力と、その力の主桁図心からの偏心量の積によって決まる。仮に偏心量が2倍になれば、プレストレス力(=PC鋼材量)は、1/2でよいことになる。従って、PC鋼材の配置量が減るため、架設の手間を除いても大幅なコストアップにはつながらない。
なお、主桁2がさらに押出方向へ押し出される結果、図5(d)に示すように、仮支柱14が支間中央を離間することになる。仮支柱14では、これに応じて、ジャッキ18を縮めるようにしてもよい。即ち、仮支柱14は、支間中央から橋脚4へと近づくにつれて、ジャッキ18を縮めることにより、主桁2に対して負荷すべき略鉛直上向きの反力を小さくすることができ、これに代わって主桁2内に配置されるケーブル32が働くことになる。なお、仮支柱14は、橋脚4との接触を防止すべく、例えば橋脚4近傍において上方へ向けて収縮させるようにしてもよい。
図6(a)は、仮支柱14を主桁2内部に収縮する第1の例を示している。この例では、橋脚4の通過時に仮支柱14を収納するための支柱通過用開口部77を主桁2に形成しておく。そして、仮支柱14を、ジャッキ74を介して互いに伸縮可能な上側支柱72と、下側支柱71とにより構成し、伸張時にジャッキ74を固定するための固定用ピン75、76と、上側支柱72と下側支柱71とを固定するための固定用ピン73とを実装している。この第1の例においては、仮支柱14を主桁2内に収納する場合には、ジャッキ74を回転させることにより上側支柱72を下側支柱71内に収納することにより、仮支柱14全体を短縮することにより実行する。
また、図6(b)は、仮支柱14を主桁2内部に収縮する第2の例を示している。この例では、橋脚4の通過時に仮支柱14を収納するための支柱通過用開口部87を主桁2に形成しておく。そして、仮支柱14を、ジャッキ74を介して互いに伸縮可能な上側支柱81と、下側支柱82とにより構成し、伸張時にジャッキ74を固定するための固定用ピン75と、上側支柱81と下側支柱82とを固定するための固定用ピン73とを実装している。この第2の例においては、仮支柱14を主桁2内に収納する場合には、ジャッキ74を回転させることにより下側支柱82を主桁2上下に貫通させた支柱通過用開口部87から上方へ向けて突出させることにより、仮支柱14全体を短縮することにより実行する。
即ち、本発明を適用した橋梁の押出架設工法では、完成時橋脚4上となる正の曲げモーメントが働く箇所に仮支柱14を設ける。当該箇所は、押し出し時に、支間中央に位置する場合には、仮支柱14からの反力により支持され、また橋脚4近傍に位置する場合には、ケーブル32により支持されることになる。
次に、本発明を適用した橋梁の押出架設工法において、仮支柱14を支間中央において固定する場合につき、詳細に説明をする。
先ず、主桁2の押出方向への押し出しに応じて、仮支柱14を共に押出方向へ移動させる場合には、例えば図7(a)に示すように手延べ桁41下部に仮支柱14を配設しておき、主桁2(手延べ桁41)を押出方向へ向けて徐々に押し出す。そして、この仮支柱14が支間中央に来たとき、例えばキャッチクランプで構成される移動部16と架設用ケーブル11との間隙に楔19を打ち込むことにより固定する。実際に、この楔19を打ち込む際には、図示しない足場等を主桁2を介して構築し、その構築した図示しない足場から作業員が自ら実行するようにしてもよい。
その後、図7(b)に示すように、主桁2は、押出方向へ向けて押し出されていくことになるが、仮支柱14は支間中央に固定されているところ、主桁2は仮支柱14の上面17を滑りながら徐々に押し出されていくことになる。この時点で、仮支柱14に設けられたジャッキ18でこれを伸張させることにより、架設用ケーブル11を介して主桁2に略鉛直上向きの反力を負荷する。
これにより、橋脚4における支間中央において、支点としての橋脚を設けたのと同様の効果が得られ、換言すれば、橋脚4における支間長を約半分にしたのと同様の効果が得られることになる。これにより、主桁2における限られた空間内に実装すべきケーブルの量を大幅に削減するができ、施工コストを大幅に抑制することも可能となる。
なお、本発明を適用した橋梁の押出架設工法では、主桁2の押し出し動作を完結させた後、図8に示すように、仮支柱14を本設鉛直材46に置き換えるようにしてもよい。この本設鉛直材46は、施工完了後においても主桁2を支持すべく半永久的に配設されるものである。この本設鉛直材46は、仮支柱14と同様に構成されていてもよい。この本設鉛直材46は、例えば図8(a)に示すように、押し出し動作の完了後において仮支柱14の近傍に略鉛直方向へ向けて設置される。そして、図8(b)に示すのように、仮支柱14を撤去させた後、仮支柱14の代わりに、この本設鉛直材46を介して架設用ケーブル11を下向きに撓ませることにより、その反力を主桁2へと与え続けることが可能となる。これにより、主桁2を半永久的に支持するための特別な設備を新たに設ける必要がなくなることから、維持コスト、施工労力を軽減させることも可能となり、さらに、主桁2の下部空間の大きさに支配されることなく主桁2を支持し続けることも可能となる点においても有利となる。
なお、かかる場合において、押し出し動作の完了後、橋脚4に仮設しておいた仮支承を本支承に交換するようにしてもよいし、またこれを剛結合に切り替えるようにしてもよい。また、仮支柱14近傍に本設鉛直材46を設置した後、かかる仮支柱14を取り外すことなくそのまま設置し続けておいてもよい。
なお、本発明においては、架設用ケーブル11の両端を主桁2に固定するようにしてもよい。かかる場合において、例えば図9(a)に示すように、主桁2の押し出し動作の完了後において、架設用ケーブル11の張力を開放する。そして、架設用ケーブル11の両端を主桁2の端部に定着し、これを再度緊張させる。次に、本設鉛直材46を仮支柱14の近傍に略鉛直方向へ向けて設置する。最後に、仮支柱14を取り外すことにより、図9(b)に示すように、架設用ケーブル11の両端が主桁2に固定された状態で橋梁を完成させることが可能となる。
ちなみに、この主桁2の端部への架設用ケーブル11の取り付けに要する労力を軽減すべく、例えば図10(a)に示すように、端部ブロック49を設けるようにしてもよい。この端部ブロック49は、当初、橋台5上に仮固定コンクリート60を介して仮固定されている。この仮固定に関しては、端部ブロック49、仮固定コンクリート60、橋台5を連結固定するための仮固定鋼材67により実行される。
架設用ケーブル11は、それぞれこの橋台5上に仮固定された端部ブロック49に本設定着具61により定着され、さらに端部ブロック49と橋台5の中間に位置するカップラー63によりその端部が定着される。このカップラー63には、さらに架設用ケーブル64の端部が定着される。この架設用ケーブル64は、橋台5内部に挿通された上で、その端部を架設時定着具62により固定される。
そして、主桁2の押し出し動作の完了後において、図10(b)に示すように、端部ブロック49を主桁2へと固定するとともに、当該端部ブロック49と端台5との仮固定を開放する。この端部ブロック49の主桁2への固定に関しては、接合コンクリートを始めとした接合部材をその間に介装させ、固定鋼材70によりこれらを互いに連結固定することになる。
最後に、図10(c)に示すように、カップラー63を回転させることにより、定着していた架設用ケーブル11を外す。これにより、架設用ケーブル11の橋台5への連結を解除することが可能となる。この方法においては、架設用ケーブル11の緊張を開放することなく端部ブロック49を橋台5から主桁2へと移設することが可能となる。このとき、架設用ケーブル11の緊張力を開放するようにしてもよい。
なお、上述した図10の端部ブロック49の移設方法に限定されるものではなく、他のいかなる方法を適用するようにしてもよい。
本発明を適用した押出架設システムの構成につき示す図である。 押出架設システムに適用される押出装置の一例を示す図である。 押出架設システムに適用される仮支柱の例を示す図である。 押出架設システムに適用される仮支柱の他の例を示す図である。 本発明を適用した橋梁の押出架設工法のプロセスにつき説明するための図である。 仮支柱を主桁内部に収縮する例を示す図である。 本発明を適用した橋梁の押出架設工法のプロセスにつき説明するための他の図である。 主桁の押し出し動作を完結させた後、仮支柱を本設鉛直材に置き換える例につき説明するための図である。 架設用ケーブルの両端を主桁に固定される例につき示す図である。 端部ブロックを設ける例につき示す図である。 橋脚上において外ケーブルを桁上部に配置するとともに、支間中央において桁下部に配置する例を示す図である。 従来技術における問題点につき説明するための図である。
符号の説明
1 押出架設システム
2 主桁
4 橋脚
5 橋台
10 押出装置
11 架設用ケーブル
14 仮支柱
16 移動部
19 楔
18 ジャッキ
21 滑り板
22 支持部材
24 鉛直ジャッキ
39 ケーブル挿通孔
46 本設鉛直材

Claims (5)

  1. 橋梁の主桁を押出し工法により架設する橋梁の押出架設工法において、
    上記主桁を押し出す橋台と橋脚の間に、又は隣接する橋脚の間に架設用ケーブルを張設し、
    ジャッキを備えた仮支柱を上記主桁と上記張設した架設用ケーブルとの間に略鉛直方向に配設し、
    上記配設した仮支柱をジャッキで伸張させることにより、上記架設用ケーブルからの略鉛直上向きの反力を上記主桁に負荷しつつ、当該主桁を押出方向へ押し出すこと
    を特徴とする橋梁の押出架設工法。
  2. 上記仮支柱を上記橋台又は橋脚の支間中央に、又は隣接する橋脚の支間中央に固定し、上記主桁を上記仮支柱の上面に滑らせながら上記押出方向へ押し出すこと
    を特徴とする請求項1記載の橋梁の押出架設工法。
  3. 上記橋梁の完成時において正の曲げモーメントが最大となる箇所近傍において上記仮支柱を配設すること
    を特徴とする請求項1記載の橋梁の押出架設工法。
  4. 上記仮支柱を上記押出方向へ移動自在に配設すること
    を特徴とする請求項1記載の橋梁の押出架設工法。
  5. 上記橋梁の完成時において、上記仮支柱を本設鉛直材へ取替え、又は本設鉛直材を別途配設すること
    を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載の橋梁の押出架設工法。
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