JP2007062374A - 印刷技術のプロセスを制御するための方法 - Google Patents

Abstract

【課題】印刷技術のプロセスを制御するための新しい種類の方法を提供する。
【解決手段】印刷技術のプロセスを制御するための方法、特に印刷機において断裁見当制御または色見当制御または色濃度制御を行うための方法であって、少なくとも一つの実際値（１１）を検出するために、少なくとも一つのセンサによって、印刷された印刷画線部が直接的に測定され、単一のあるいは各個の測定された実際値（１１）がそれぞれのプリプレス段階の目標値（１２）と比較され、単一のあるいは各個の実際値（１１）および個々の目標値（１２）とから検出される制御偏差（１３）に基づいて、前記制御すべき印刷技術のプロセスのための動作信号（１５）が検出される。
【選択図】図１

Description

本発明は請求項１のおいて書き部分に記載された、印刷技術のプロセスを制御するための方法に関するものである。

断裁見当制御、色見当制御または色濃度制御、といった印刷技術のプロセスの制御は、通常、印刷製品に印刷された印刷管理マークを用いて行われる。このような印刷管理マークは、センサによって測定され、このとき検出された印刷管理マークの実際値が印刷管理マークに対する目標値と比較され、この比較に基づいて制御すべき印刷技術のプロセスのための制御信号がフィードバックされるのである。このような印刷管理マークは、印刷製品の本来の印刷画線部あるいは主題（Sujet）の外側に印刷されるが、特に新聞印刷においては障害となる。新聞印刷では印刷製品の断裁が行われないので、印刷管理マークが完成品において見えてしまうからである。このため、このような印刷管理マークを有さない、したがってマークを用いずに行われるような、印刷技術のプロセスを制御するための方法が求められている。
独国特許発明第４２３７００４号明細書 独国特許出願公開第１０１４９１５８号明細書

特許文献１には、マークを用いずに行われる、印刷製品の色濃度を制御するための制御方法が開示されている。マークを用いないため、印刷製品の印刷画線部は、センサによって直接測定される。このとき検出された実際値は画線部データあるいはプリプレスデータに基づく目標値と比較される。特許文献２にも、同様にマークを用いずに行われる、印刷機における断裁見当制御のための方法が開示されている。この制御方法においても、プリプレス段階の目標値が用いられている。

プリプレス段階の目標値を用いて、マークを用いずに行われる制御においては、プリプレスデータの解像度に対応して大量のデータを処理しなければならない。このような場合、制御方法の効率が損なわれる。解像度の比較的小さなプリプレスデータを用いる場合、実現可能な制御の精度が損なわれる。

上記の点に鑑み、本発明は印刷技術のプロセスを制御するための新しい種類の方法を提供することを課題とするものである。

前記の課題は請求項１に記載の、印刷技術のプロセスを制御するための方法によって解決される。本発明によれば、プリプレス段階の、単一のあるいは各個の目標値は、プリプレスデータから検出されるとともに、センサの特性に関するデータを考慮して検出され、センサの実際値と目標値と、が比較される。

本発明により、印刷技術のプロセスのためのプリプレス段階の目標値を、印刷画線部を測定するために用いられるセンサの特性を考慮しながら検出することが提案される。本発明では、制御の際に、使用されるセンサによって検出される実際値と、センサの特性に適合された目標値とが比較される。したがって、プリプレス段階の目標値を検出するためには、プリプレスデータのうち、運転時に、センサによって印刷画線部において検出可能であるデータのみが用いられる。このために操作すべきデータ量を著しく減少させることができるが、それによって実現可能な制御の精度が損なわれることはない。

プリプレス段階の、単一のあるいは各個の目標値は、プリプレスデータと、センサの特性に関するデータと、印刷技術のプロセスの特性に関するデータと、から好適に検出される。

本発明の好適な実施の形態によれば、プリプレスデータから特定される目標印刷画線部は、個々のセンサの特性および印刷技術のプロセスの特性を考慮して中間段階画線部（Zwischenbild umgewandelt）に変換され、この中間段階画線部に基づいて、制御のための個々の目標値が検出される。このとき、それぞれのセンサの特性としては、無彩色諧調解像度もしくは色諧調解像度および／あるいは分光感度および／あるいは幾何学的解像度および／あるいはセンサの計測速度が用いられる。このとき、印刷技術のプロセスの特性としては、印刷技術のプロセスの速度が用いられる。

本発明のさらなる好適な形態は従属請求項および以下の詳細な説明に記載されている。本発明の１つの実施の形態を、図面に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。図面に示すものは以下のとおりである。

以下に本発明を、図１を参照しながら、より詳細に説明する。

図１は本発明に係る、印刷技術のプロセスを制御するための方法を実施するための制御回路の構成を概略的に示している。図１において、制御すべき印刷技術のプロセスまたは印刷技術の制御システムは、ブロック１０によって表され、この制御システムでは、印刷技術のプロセス１０の、少なくとも一つの制御すべき制御量が、少なくとも一つのセンサによって測定される。図１はセンサの測定信号として、制御すべき印刷技術のプロセス１０の実際値１１を示している。

実際値１１は目標値１２と比較され、その際、制御偏差１３が形成される。この制御偏差１３は制御手段１４に、入力値として供給され、制御手段は、制御偏差１３と制御手段の法則に基づいて、出力値として操作量１５を発生させる。この操作量は、制御すべき印刷技術のプロセス１０に対する入力値となる。制御すべき印刷技術のプロセス１０としては、断裁見当制御、色見当制御、または色濃度制御などが挙げられる。

以下の説明は、制御方法がマークを用いずに行われることを前提とする。すなわち、製造すべき印刷製品に印刷される印刷管理マークを使用しないということである。したがって、印刷製品を測定し、それによって実際値１１を提供するためのセンサは、印刷製品の印刷された印刷画線部を直接的に測定し、このとき提供される実際値１１が、プリプレス段階の目標値１２と比較される。

本発明では、プリプレス段階の目標値１２を、印刷すべき印刷画線部のプリプレスデータ１６に基づくとともに、センサの特性に関するデータ１７に基づいて検出することを提案している。このセンサの実際値と、目標値とが比較される。データ１７は、センサの特性に関するデータのほか、制御すべき印刷技術のプロセスの特性に関するデータも含むことができ、これらの制御すべき印刷技術のプロセスの特性に関するデータもまた、目標値１２を提供あるいは検出する際に考慮される。

印刷すべき印刷画線部のプリプレスデータ１６と、センサの特性に関するデータ１７と、制御すべき印刷技術のプロセスの特性に関するデータと、から、中間段階画線部のデータ１８が作成され、中間段階画線部のデータ１８は、印刷すべき印刷画線部のプリプレスデータ１６に対して、分量が縮小されており、プリプレスデータ１６のうち、センサによって検出または検知可能な部分データのみを含むものである。

このような中間段階画線部のデータ１８から、印刷技術のプロセス１０を制御するために有意なデータ１９を特定することができ、これらの有意なデータが印刷技術のプロセス１０を制御するための目標値１２として用いられる。

このように本発明では、印刷技術のプロセス１０を制御するための目標値１２が、印刷すべき印刷画線部あるいは主題のプリプレスデータ１６から導出され、しかも、その導出の際、使用されるセンサの特性に関するデータ１７あるいは、場合によっては印刷技術のプロセスの特性に関するデータが考慮される。このような意味において、センサによって提供された実際値１１は、センサに適合された目標値１２と比較されるといえる。センサに適合されたこのような目標値は、印刷技術のプロセスが行われる間に印刷製品において、センサによって検知可能なデータのみを含んでいる。このような理由から、実現可能な制御の精度を損なうことなく、操作すべきデータ量を制限することが可能となる。

相応の目標値を検出する際、センサの特性として、無彩色諧調解像度もしくは色諧調解像度および／あるいは分光感度および／あるいは幾何学的解像度および／あるいはセンサの計測速度が考慮される。無彩色諧調解像度もしくは色諧調解像度およびセンサの分光感度は、相応の目標値を検出するとき、プリプレスデータをフィルタ処理することによって考慮される。センサの幾何学的解像度およびセンサの計測速度に基づいて、プリプレスデータの幾何学的較正（Skalierung）が行われる。

印刷技術のプロセスの特性として、印刷技術のプロセスの速度が考慮される場合にも、相応の目標値を検出するために、プリプレスデータの幾何学的較正が行われる。

本発明において、たとえば断裁見当制御を、コントラストトレーサとして形成されたセンサを用いて実施する場合、明暗センサであるコントラストトレーサの特性として、コントラストトレーサの無彩色諧調解像度、コントラストトレーサの走査点の大きさ、およびコントラストトレーサの分光感度が考慮される。その後、コントラストトレーサの特性に関するこれらのデータに基づいて、印刷すべき印刷画線部のプリプレスデータが、中間段階画線部のデータに変換される。このようなデータの変換は、すでに述べたように、プリプレスデータのフィルタ処理および幾何学的較正によって行われる。たとえば用いられるセンサが、このセンサの分光感度のために、プリプレスデータの個々の色を検出できない場合、これらのスペクトル領域は中間段階画線部のデータを作成する際、フィルタ処理により除去される。さらに、印刷画線部の特定の構成要素をプリプレスデータからフィルタにより除去することができるが、これは特にセンサの解像度がプリプレスデータの解像度よりも小さい場合である。センサの測定速度および印刷技術のプロセスの速度に応じて、プリプレスデータの幾何学的較正の途上で、データ量をさらに減少させることができ、最終的に、中間段階画線部のデータ、これらの中間段階画線部データから対応する目標値を検出するのであるが、そのような中間段階画線部のデータが、用いられるセンサの特性に適合されるのである。

本発明による方法は、印刷製品に印刷すべき印刷管理マークを使用せず、したがってマークを用いずに制御すべきすべての印刷技術のプロセスにおいて用いることができる。このときプリプレスデータを、その時々に使用されるセンサの特性に基づいて適合させることができる。センサとしては、コントラストトレーサ、ＣＣＤリニアイメージセンサ、ＣＣＤエリアイメージセンサ、ＣＭＯＳリニアイメージセンサ、ＣＭＯＳエリアイメージセンサなどが可能である。

本発明に係る方法を明示するための概略ブロック図

符号の説明

１０ 印刷技術のプロセス
１１ 実際値
１２ 目標値
１３ 制御偏差
１４ 制御手段
１５ 操作量
１６ プリプレスデータ
１７ センサの特性に関するデータ
１８ 中間段階画線部のデータ
１９ 有意なデータ

Claims (10)

1. 印刷技術のプロセスを制御するための方法、特に印刷機において断裁見当制御または色見当制御または色濃度制御を行うための方法であって、少なくとも一つの実際値を検出するために、少なくとも一つのセンサによって、印刷された印刷画線部が直接的に測定され、単一のあるいは各個の測定された実際値がそれぞれプリプレス段階の目標値と比較され、単一のあるいは各個の実際値と、個々の目標値と、から検出される制御偏差に基づいて、前記制御すべき印刷技術のプロセスのための動作信号が検出される方法において、
   前記単一のあるいは各個のプリプレス段階の目標値が、プリプレスデータから検出されるとともに、前記センサの特性に関するデータから検出され、前記センサの実際値と前記目標値が比較されることを特徴とする方法。
2. 前記単一のあるいは各個のプリプレス段階の目標値が、プリプレスデータと、個々のセンサの特性に関するデータと、前記印刷技術のプロセスの特性に関するデータと、から検出されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. プリプレスデータによって特定される目標印刷画線部が、前記各センサの特性と、前記印刷技術のプロセスの特性を考慮して、中間段階画線部に変換され、該中間段階画線部に基づいて制御のための個々の目標値が検出されることを特徴とする請求項２に記載の方法。
4. 前記個々のセンサの特性として、無彩色諧調解像度もしくは色諧調解像度および／あるいは分光感度が考慮されることを特徴とする、請求項１から３のいずれか１項に記載の方法。
5. 前記センサの無彩色諧調解像度もしくは色諧調解像度に基づいて、および／あるいは前記センサの分光感度に基づいて、前記目標印刷画線部のプリプレスデータが、前記中間段階画線部を提供するためにフィルタ処理されることを特徴とする、請求項４に記載の方法。
6. 前記個々のセンサの特性として、前記センサの幾何学的解像度が考慮されることを特徴とする、請求項１から５のいずれか１項に記載の方法。
7. 前記センサの前記幾何学的解像度に基づいて、前記目標印刷画線部のプリプレスデータが、前記中間段階画線部を提供するために幾何学的に較正されることを特徴とする、請求項６に記載の方法。
8. 前記個々のセンサの特性として、前記センサの測定速度が考慮されることを特徴とする、請求項１から７のいずれか１項に記載の方法。
9. 前記印刷技術のプロセスの特性として、前記印刷技術のプロセスの速度が考慮されることを特徴とする、請求項１から８のいずれか１項に記載の方法。
10. 前記センサの測定速度および／あるいは前記印刷技術のプロセスの速度に基づいて、前記目標印刷画線部のプリプレスデータが、前記中間段階画線部を提供するために幾何学的に較正されることを特徴とする、請求項８または９に記載の方法。
    

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