JP2007060911A - 豆腐用豆乳とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、食味を落とすことなく安価で収量の良い豆乳製造方法を確立し、安価でおいしい豆乳及び豆腐を消費者に提供することである。また、同時に大豆の栄養素を最大限抽出する製造方法を確立することで、オカラの発生を大幅に減らし、環境保護に資することである。
【解決手段】 引き水として固形分が1〜4%のオカラ抽出水を使用し、50℃〜90℃の低温で蒸煮した後オカラを分離して得た豆乳を、105℃〜130℃で3〜90秒加熱処理する工程を含むことを特徴とする豆乳の製造方法により解決できることを見出した。
【選択図】 なし
【解決手段】 引き水として固形分が1〜4%のオカラ抽出水を使用し、50℃〜90℃の低温で蒸煮した後オカラを分離して得た豆乳を、105℃〜130℃で3〜90秒加熱処理する工程を含むことを特徴とする豆乳の製造方法により解決できることを見出した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、安価で収量の良い豆乳、特に豆腐用豆乳とその製造方法、及びその豆乳から造られる豆腐又はその加工品に関するものである。
従来の技術では、固形分11.0%以上の豆乳を生大豆60kgから得ようとすると、その収量は270〜300kg(以後、生大豆60kgから取れる豆乳の収量が300kgの時100%の指数として表現する)が限界であった。豆乳の抽出率(収量)をあげるために、一度絞ったオカラに再度加水して分離して得た抽出水(以後、オカラ抽出水と記載する)を、磨砕時の引き水に用いることが行われていたが、後述するように豆乳の粘度が極端に増加し食味が低下するため現在は実用化されていない。粘度を下げるために「生絞り」なる製法も考案されているが、低温の加熱では青臭みが強くおいしくないのが現状である。
一方、本出願人もオカラを有効利用すべくオカラ入り豆乳を開発し、オカラの発生を押さえる工夫を実施したが、高圧ホモジナイザーなどの特殊で高価な設備を必要とするため(例えば、特許文献1)、広く一般的に普及するまでには至らず、現状では生大豆60kgから75kg程度のオカラが発生しており産業廃棄物として処理されている。
特許文献2によれば、オカラ抽出水を豆腐の短時間製造に応用する技術が開発されているが、豆乳粘度増加の問題は解消されておらず実用化されていない。
特許文献3によれば、無菌豆乳を製造する目的で低温(60〜80℃)でオカラを分離し、140〜150℃で2〜5秒間加熱殺菌する技術が開発されているが、豆乳にコゲ臭が発生する問題があり、また豆乳の収量をあげることはできていない。
以上のように、1俵の生大豆60kgから固形分11.0%以上の豆乳を、食味を損なうことなく300kg以上の収量を得る開発に成功した例は、未だ報告されていない。また、実用的で安価なオカラを30%以上(大豆60kg当たり52.5kg以上)減容化する技術も確立されていないのが現状である。
本発明の目的は、食味を落とすことなく安価で収量の良い豆乳製造方法を確立し、安価でおいしい豆乳又は豆腐を消費者に提供することである。また、同時に大豆の栄養素を最大限抽出する製造方法を確立することで、オカラの発生を大幅に減らし、環境保護に資することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ね、その過程において、オカラの二度抽出と低温蒸煮の技術に着目し、オカラに多い塩基性7Sグロブリンとペクチンなどの多糖類が粘度上昇の原因であると推量し、低温蒸煮による粘度上昇の発生を押さえることでオカラに残存する固形分と水分の発生を減らし、その結果収量の増加とオカラの減容化を可能にすることを見出した。
また、低温蒸煮後の最適な加熱処理方法を見出すことで、低温蒸煮によって発生しうる問題点を解消し本発明を完成するに至った。
また、低温蒸煮後の最適な加熱処理方法を見出すことで、低温蒸煮によって発生しうる問題点を解消し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
(1)引き水としてオカラの抽出水を用い、オカラの分離前に50〜90℃に加熱し、次いでオカラを分離して得られた豆乳をさらに105〜130℃、3〜90秒間加熱することを特徴とする豆乳の製造方法、
(2)固形分含量が、1〜4%であるオカラ抽出水を用いることを特徴とする(1)記載の豆乳の製造方法、
(3)(1)又は(2)記載の豆乳の製造方法によって得られた豆乳が、豆腐用又は飲料用の豆乳であることを特徴とする豆乳、
(4)(3)記載の豆腐用豆乳によって得られた豆腐又はその加工品
に関する。
(1)引き水としてオカラの抽出水を用い、オカラの分離前に50〜90℃に加熱し、次いでオカラを分離して得られた豆乳をさらに105〜130℃、3〜90秒間加熱することを特徴とする豆乳の製造方法、
(2)固形分含量が、1〜4%であるオカラ抽出水を用いることを特徴とする(1)記載の豆乳の製造方法、
(3)(1)又は(2)記載の豆乳の製造方法によって得られた豆乳が、豆腐用又は飲料用の豆乳であることを特徴とする豆乳、
(4)(3)記載の豆腐用豆乳によって得られた豆腐又はその加工品
に関する。
本発明によれば、1俵の生大豆60kgから固形分11.0%以上の豆乳を、食味を損なうことなく310kg以上(103%以上)の収量を得ることができ、なおかつオカラを30%以上減容化でき、安価に消費者においしい豆乳や豆腐を提供することが可能となる。また、大豆からの栄養素を最大限抽出する製造方法を確立することで、オカラの発生を極力減らし、環境保護に資することが可能になる。
本発明に使用する大豆は国産大豆、中国産大豆、米国産大豆、のいずれの産地でもよく、有機大豆等いずれの栽培品種でも良く、品種は問わない。また丸大豆や加工大豆の脱皮大豆のいずれでも良い。
一般的な豆腐用豆乳の製造工程について説明をする(図1参照)と、大豆60kgを浸漬すると吸水して135kg程度に膨潤する。ここに210kg程度の引き水を使用して磨砕するが、通常グラインダーを使用して磨砕されることが多い。磨砕されたものを呉と称するが、この呉を釜で蒸煮する。通常98℃〜103℃で2〜5分程度炊く。この時に直接加熱の場合蒸気ドレンが煮呉に30kg程度混入する。間接加熱の場合は蒸気ドレンの混入はないが、加熱に時間がかかり豆乳粘度が上昇することが多いので近年はあまり使用されてない。
次に煮呉をオカラ分離機にて豆乳とオカラに分離する。近年はスクリュー式のオカラ分離機が普及し収量は以前より増加しているが、上記の引き水量では豆乳300kg(100%)、オカラ75kgが発生する。得られる豆乳の固形分は11.0%、オカラの水分は72〜80%程度である。引き水量を増やせば収量は殖えるが、豆乳濃度が下がり風味が落ちる。
本発明により、大豆からの抽出効率が飛躍的に伸び安価でおいしい豆乳や豆腐を消費者に提供することが可能となった。また、オカラの発生量を大幅に減らすことが可能になった。
以下、実施例を示し本発明を具体的に説明するが、これらに限られるものではない。
(1)本発明の実施の形態
本発明の実施形態は、引き水としてオカラの抽出水を使用し、50℃〜90℃の低温で蒸煮した後オカラを分離して得た豆乳を105〜130℃、3〜90秒間の高温で二度加熱処理する工程を含むことを特徴とする豆乳の製造方法である。最初の50℃〜90℃の低温での蒸煮はホールド時間は特に必要がなく達温排出でよい(なお、当然オカラを絞るのにクッションタンクで0〜30分程度ホールドされることはあるが品質に影響はない)。
また、前記加熱工程に加えて、凝固のための加熱や、容器包装後の殺菌加熱工程を適宜組み合わせても差し支えない。
(1)本発明の実施の形態
本発明の実施形態は、引き水としてオカラの抽出水を使用し、50℃〜90℃の低温で蒸煮した後オカラを分離して得た豆乳を105〜130℃、3〜90秒間の高温で二度加熱処理する工程を含むことを特徴とする豆乳の製造方法である。最初の50℃〜90℃の低温での蒸煮はホールド時間は特に必要がなく達温排出でよい(なお、当然オカラを絞るのにクッションタンクで0〜30分程度ホールドされることはあるが品質に影響はない)。
また、前記加熱工程に加えて、凝固のための加熱や、容器包装後の殺菌加熱工程を適宜組み合わせても差し支えない。
ここで、オカラ抽出水とは一度絞ったオカラに再度加水した後、オカラ分離機にてオカラを分離して得た抽出水のことである。
オカラの抽出の温度は冷水よりも温水が好ましい。冷水、温水での抽出による栄養成分の大きな違いはみられないが、冷水よりも温水のほうが糖質分(炭水化物)が多く甘味があり好ましい(表1参照)。冷水で実施すると微生物的な腐敗を起こす恐れもあるので温水を使用したほうが良い。今後特に指定がない限り発生したオカラに75℃の温水を加水混合しすぐにオカラ分離機にて分離したものをオカラ抽出水とする。
抽出に使用する水の量は多いほどオカラの栄養成分を引き出せるが、抽出水を廃棄せずに次工程の磨砕に引き水の代わりに全部使用するには、218kg程度までが限界である。
オカラの抽出の温度は冷水よりも温水が好ましい。冷水、温水での抽出による栄養成分の大きな違いはみられないが、冷水よりも温水のほうが糖質分(炭水化物)が多く甘味があり好ましい(表1参照)。冷水で実施すると微生物的な腐敗を起こす恐れもあるので温水を使用したほうが良い。今後特に指定がない限り発生したオカラに75℃の温水を加水混合しすぐにオカラ分離機にて分離したものをオカラ抽出水とする。
抽出に使用する水の量は多いほどオカラの栄養成分を引き出せるが、抽出水を廃棄せずに次工程の磨砕に引き水の代わりに全部使用するには、218kg程度までが限界である。
オカラ抽出水に使用するオカラは前工程で発生したオカラを使用することになるが、オカラ抽出水の抽出に使用したオカラ(以後、二度絞りオカラと記載する)を再度抽出しても固形分はほとんど抽出されないため使用できない。上記加水量(218kg)から発生するオカラ抽出水は240kg、二度絞りオカラは45kg発生する。従って、オカラの発生量は通常製法(75kg)に比べ60%にまで減容化できることになる。
更にオカラ抽出水は固形分を2%程度含有しており、通常の引き水(210kg)よりも増やした条件(240kg)で磨砕に使用しても、収量は330kg(110%)と増加し、固形分も11.0%と下がることはない。
しかし、通常の蒸煮条件でオカラ抽出水を引き水に使用し蒸煮を実施すると極端な粘度の増加を引き起こすので特殊な条件で蒸煮する必要がある。
表2に蒸煮温度と豆乳の品質についての関係を示した。米国産大豆(品種ビントン)を使用し、図1に示すようにオカラ抽出水を作成し、蒸煮時の温度を変えた場合の豆乳の収量と品質を確認した。なお、抽出用のオカラの蒸煮温度はオカラ抽出水で蒸煮する時の温度と同一とした。またオカラ分離後の豆乳の高温加熱条件は全て110℃で30秒の処理後10℃以下に冷却した。蒸煮温度が40℃では豆乳粘度は低く収量は337kg(112%)あるが豆乳固形分が10.5%と薄く、風味の弱い豆乳となった(表2試験区1)。蒸煮温度50℃〜90℃は固形分が11.0%以上で収量が330kg以上(110%以上)の良好な品質の豆乳が得られた(表2試験区2〜4)。蒸煮温度が95℃になると豆乳粘度が100cp以上と高くなり渋味も強い豆乳となった(表2試験区5)。豆腐用豆乳の製造では一般的に実施されている温度帯である100℃では粘度が急激に上昇してしまいオカラの発生量も通常より増えた。
オカラ抽出水を使用した場合、通常の蒸煮条件で豆乳粘度が増加する原因は明らかにされていないが、本発明者らは、オカラに多い塩基性7Sグロブリンとペクチンなどの多糖類が粘度上昇の原因であると推量した。
非特許文献1によれば、塩基性7Sグロブリンの項に「とくにこの蛋白質は大豆煮汁やオカラに多く含まれている」(62頁左欄3〜4行)と記載されている。また、文献中図7によれば7Sグロブリンは加熱すると90℃近辺から急激に粘度の上昇を生じて、冷却しても粘性は下がらない。11Sグロブリンや他の蛋白質は90℃以上に加熱しても粘度の急激な上昇は引き起こさない。このことからオカラ中に多い7Sグロブリンが関与しているものと推察される。また、高温での蒸煮によりオカラ中のペクチン等の大豆多糖類が溶出し、7Sグロブリンと絡み合い粘度が増加するのではないかと推察される。従って、なるべく低温で抽出することが必要であるが、40℃以下では抽出効率が下がるため50℃〜90℃が望ましい。
しかし、90℃以下で抽出した豆乳は微生物的に好ましくなく、青臭みも強い。よって、高温での加熱殺菌が必要になるが、105〜130℃、3〜90秒間の短時間高温加熱殺菌を組み合わせることが最良の形態である。表3に90℃でオカラを分離した豆乳に各温度と各時間で加熱殺菌処理した場合の豆乳の品質評価結果を示した。加熱にはAPV社製のプレート式UHT殺菌機を使用したがインジェクション方式でももちろん構わない。
加熱温度が100℃以下では粘度の上昇はないが、青臭みが十分とれず品質の良い豆乳が得られなかった。一方、加熱温度が140℃以上ではコゲ臭が発生し、粘度が上昇し飲みにくい豆乳になった。
表3に示した各豆乳について、にがり反応性を測定した結果を図2に示す。
ここで言う「にがり反応性」とは次のように定義される。アミログラフ測定機(装置名称:RVA(ラヒ゜ット゛・ヒ゛スコ・アナライサ゛ー;RVA-3D) フォス・ジャパン(株)製造)を使用して、10℃に冷却した豆乳27gに、にがり(大屋富にがり(株)中島販売元)0.16gを等量の水で希釈したもの(合計0.32g)をマイクロピペットで瞬時に添加して、80rpmで回転しつつ23分間で90℃になるように設定したときの粘度の値であり、この値が早い時間で高い値を示すほどにがりとの反応性が高くなり、豆腐の品質は悪くなる(離水が激しくなり、食感にざらつきが生じる)ことがわかっている。
ここで言う「にがり反応性」とは次のように定義される。アミログラフ測定機(装置名称:RVA(ラヒ゜ット゛・ヒ゛スコ・アナライサ゛ー;RVA-3D) フォス・ジャパン(株)製造)を使用して、10℃に冷却した豆乳27gに、にがり(大屋富にがり(株)中島販売元)0.16gを等量の水で希釈したもの(合計0.32g)をマイクロピペットで瞬時に添加して、80rpmで回転しつつ23分間で90℃になるように設定したときの粘度の値であり、この値が早い時間で高い値を示すほどにがりとの反応性が高くなり、豆腐の品質は悪くなる(離水が激しくなり、食感にざらつきが生じる)ことがわかっている。
140℃で2秒加熱殺菌した豆乳が8分以内で粘度が600cpにも上昇し極端ににがり反応性が早いことがわかった。一方、130℃以下の試験区では粘度の上昇開始が8分後以後であり、にがり反応性が遅いことがわかった。すなわち、豆腐の品質を良好に保つためには、130℃以下の加熱殺菌でなければならないことが分かった。
また表3に各豆乳を用いて豆腐を試作した結果も併せて示した。10℃に冷却した各豆乳1Lににがり(大屋富にがり(株)中島販売)0.85%を添加して300gの容器に充填包装し、85℃で60分間凝固した後10℃以下に冷却して豆腐を得た。その豆腐の品質分析結果を表3に示す。
表3に記載の結果から、加熱温度が100℃以下では食感は問題ないが、青臭い豆腐になった。一方、加熱温度が140℃以上ではコゲ臭が発生し、にがりとの反応性も著しく高くなり、離水の激しいボソボソした食感の悪い豆腐になった。すなわち、105℃〜130℃が適温であることがわかった。
本発明において豆乳固形分は、水分計(Kett社製)にて豆乳5gを110℃で50分間蒸発乾固させた値を計測した。豆腐業界では豆乳濃度計や糖度計にて測定した数値を「豆乳濃度」、「豆乳固形分濃度」と称することが多いが、豆乳濃度計や糖度計は目視によることが多いのでバラツキが大きいため、本発明では水分計にて固形分を測定した。この固形分値は豆乳濃度計や糖度計で測定した値よりも0.5%〜2.0%程度低い値となるので注意が必要である。
本発明において豆乳粘度は、10℃の豆乳180mlをB型粘度計((株)東京計器)のローターNo.1、回転数60rpmでセットし1分後の値を計測した。
官能評価方法としては、豆乳及び豆腐の官能評価に長年に渡って携わり熟知した10名のパネルにより試食を行い、評価した。豆乳の試飲は10℃、豆腐の評価時の温度は15℃とした。豆乳の試飲時の評価項目として、香りは「青臭み、コゲ臭」について主に評価し、飲みやすい粘度かどうかを評価した。豆腐の評価は、醤油、薬味等は使用せず生のまま食し、風味、甘み、食感について評価し、記載した。
本発明において豆腐の硬度は、本出願人の特許文献4を参考に、貫入値、圧縮値を下記のように定義づけ分析した。
・ 貫入値 ;直径3cm×高さ1.5cmの試料サンプルを直径10mmのプランジャーで、速度1mm/sの条件下で貫入し、測定した時のピーク値を示している。単位は(g/0.785cm2)である。以下の説明では簡略化のため単に「g」で表記した。なお、分析には、以下の圧縮値、咀嚼値の分析を含めて、(株)サン科学社製 レオテックス TYPE SD―305を用いた。測定時の温度はいずれも10℃である。
・ 圧縮値;直径3cm×高さ1.5cmの試料サンプルを直径40mmのプランジャーで、速度1mm/sの条件下で圧縮し測定した時のピーク値を示している。単位は(g/7.065cm2)である。以下の説明では簡略化のため単に「g」で表記した。
・ 圧縮値;直径3cm×高さ1.5cmの試料サンプルを直径40mmのプランジャーで、速度1mm/sの条件下で圧縮し測定した時のピーク値を示している。単位は(g/7.065cm2)である。以下の説明では簡略化のため単に「g」で表記した。
各測定値の示す傾向として、圧縮値/貫入値比が高いほど豆腐の食感として弾力があり、逆に低いとザラツキが大きくなり,脆いゲルの状態を示している。具体的数値としては、圧縮値/貫入値比が8.2〜14.5の範囲内にある豆腐が望ましい(特許文献4)。
すなわち、表3において試験区D以外が好ましいことが分かる。
本発明において豆腐の離水量は、10℃に冷却した充填豆腐300gを、容器から取り出し710μmのメッシュの上に1分間のせ離水した量を測定した。
本発明において豆腐の離水量は、10℃に冷却した充填豆腐300gを、容器から取り出し710μmのメッシュの上に1分間のせ離水した量を測定した。
(2)本発明の最良の形態
本発明の最良形態は、オカラ抽出水の濃度が、固形分で1〜4%であることを特徴とする豆乳の製造方法である。オカラ抽出時の加水量が多いほど二度絞りに発生するオカラ量を減らせることは可能だが、オカラ抽出水の固形分が1%より下であると固形分11.0%以上の風味ある豆乳を得ることができない。また加水を減らして濃いオカラ抽出水を製造し、磨砕時に適宜水で薄めて使用することは構わないが、オカラの膨潤度が高いためオカラと2倍量の水は最低限加水する必要があり、その時の固形分は4%である。
本発明の最良形態は、オカラ抽出水の濃度が、固形分で1〜4%であることを特徴とする豆乳の製造方法である。オカラ抽出時の加水量が多いほど二度絞りに発生するオカラ量を減らせることは可能だが、オカラ抽出水の固形分が1%より下であると固形分11.0%以上の風味ある豆乳を得ることができない。また加水を減らして濃いオカラ抽出水を製造し、磨砕時に適宜水で薄めて使用することは構わないが、オカラの膨潤度が高いためオカラと2倍量の水は最低限加水する必要があり、その時の固形分は4%である。
さらにオカラ抽出時の温度が50〜80℃で抽出することが適当である。温水の方が冷水に較べ、甘味や蛋白質の抽出効率がよく腐敗の恐れがない。ただし、80℃より高い高温になるとイソフラボンやサポニンなどの苦味や渋味物質が抽出され好ましくない。従って前記したように、粘性の観点からは抽出温度は50〜90℃が好ましいが、更に好ましくは50〜80℃で抽出することが適当である。また抽出にかかる時間は特に指定はなく、オカラが分散できればすぐに分離すればよい。
さらに、前記の豆乳の製造方法によって得られた豆乳が、豆腐用もしくは飲料用の豆乳として利用される。近年、豆腐を家庭で造る人も増加しており、豆腐用の豆乳として包装し、家庭で凝固剤を混ぜ電子レンジや湯煎で凝固させることも可能である。
さらに、前記の豆腐用豆乳を利用して、木綿豆腐、絹豆腐、充填豆腐、よせ豆腐、おぼろ豆腐、ゆし豆腐、油あげ、がんもどき、焼き豆腐、生あげ、厚揚げ、絹生あげ、ゆば等の豆腐もしくは豆腐加工品にも利用することができる。
[比較例1]
米国産大豆(ビントン)8kgを10℃で15時間浸漬した後、水切りして、28kgの引き水で、グラインダー((株)長沢機械製作所社製、サワーボーイNSG−08F)を用いて磨砕した。磨砕した呉に、消泡剤((株)理研ビタミン:エマルシ゛ースーハ゜ー88)45gを添加し、バッチ式蒸煮釜((株)間瀬製)で75℃に達した後すぐにスクリュー式オカラ分離機((株)丸井工業製)でオカラを分離し40kg(大豆60kg当たり300kg((100%))に相当)の豆乳とオカラ8.9kgを得た。この豆乳の固形分は11.0%であった。
米国産大豆(ビントン)8kgを10℃で15時間浸漬した後、水切りして、28kgの引き水で、グラインダー((株)長沢機械製作所社製、サワーボーイNSG−08F)を用いて磨砕した。磨砕した呉に、消泡剤((株)理研ビタミン:エマルシ゛ースーハ゜ー88)45gを添加し、バッチ式蒸煮釜((株)間瀬製)で75℃に達した後すぐにスクリュー式オカラ分離機((株)丸井工業製)でオカラを分離し40kg(大豆60kg当たり300kg((100%))に相当)の豆乳とオカラ8.9kgを得た。この豆乳の固形分は11.0%であった。
[実施例1]
比較例1で発生したオカラ8.9kgに29.1kgの80℃の温水を用いてバッチ式蒸煮釜に搬送し、3分間混合後、すぐにオカラ分離機でオカラを分離した。オカラ抽出水(固形分含量2.4%)は32kg得られ、オカラは6.0kgに減っていた。得られたオカラ抽出水32kgを引き水にして、浸漬したビントン大豆8kg(吸水後18kgに膨潤)を磨砕した。そして該呉をバッチ式蒸煮釜((株)間瀬製)で80℃に達した後すぐにスクリュー式オカラ分離機((株)丸井工業製)でオカラを分離し45kgの豆乳(大豆60kg当たり330kg((110%))に相当)を得た。
比較例1で発生したオカラ8.9kgに29.1kgの80℃の温水を用いてバッチ式蒸煮釜に搬送し、3分間混合後、すぐにオカラ分離機でオカラを分離した。オカラ抽出水(固形分含量2.4%)は32kg得られ、オカラは6.0kgに減っていた。得られたオカラ抽出水32kgを引き水にして、浸漬したビントン大豆8kg(吸水後18kgに膨潤)を磨砕した。そして該呉をバッチ式蒸煮釜((株)間瀬製)で80℃に達した後すぐにスクリュー式オカラ分離機((株)丸井工業製)でオカラを分離し45kgの豆乳(大豆60kg当たり330kg((110%))に相当)を得た。
その豆乳はまだ青臭いため、すぐにプレート式UHT殺菌機(APV製)で110℃で90秒の加熱処理を行い10℃以下に冷却した。その豆乳の固形分は12.5%であった。豆乳は青臭みが少なく甘味があり、粘度の低い飲みやすい豆乳であった。10℃に冷却した豆乳1Lににがり(大屋富にがり(株)中島販売元)0.85%を添加して300gの容器に充填包装し、85℃で60分間凝固した後10℃以下に冷却して豆腐を得た。得られた豆腐は青臭みの少なく、甘味の強いなめらかな美味な豆腐であった。
上記の工程を繰り返しても安定した品質で、豆乳収量の増加とオカラの減容化の良いことが確認できた。
[実施例2]
比較例1で発生したオカラ8.9kgに17.7kgの75℃の温水を用いてバッチ式蒸煮釜に搬送し、3分間混合後、すぐにオカラ分離機でオカラを分離した。オカラ抽出水(固形分含量4.0%)は20.6kg得られ、オカラは6.0kgに減っていた。
比較例1で発生したオカラ8.9kgに17.7kgの75℃の温水を用いてバッチ式蒸煮釜に搬送し、3分間混合後、すぐにオカラ分離機でオカラを分離した。オカラ抽出水(固形分含量4.0%)は20.6kg得られ、オカラは6.0kgに減っていた。
得られたオカラ抽出水20.6kgに水10.0kgを加水したもの(30.6kg:固形分含量2.5%)を引き水にして、浸漬したビントン大豆8kg(吸水後18kgに膨潤)を磨砕した。そしてその呉をバッチ式蒸煮釜((株)間瀬製)で75℃に達した後すぐにスクリュー式オカラ分離機((株)丸井工業製)でオカラを分離し42.6kgの豆乳(大豆60kg当たり319.5kg(106.5%)に相当)を得た。その豆乳はまだ青臭いため、すぐにプレート式UHT殺菌機(APV製)で110℃で60秒の加熱処理を行い60℃に冷却した。その豆乳の固形分は13.0%と高い値であった。豆乳は青臭みが少なく甘味と旨味が強くあり、粘度の低い飲みやすい極めておいしい豆乳であった。
60℃の豆乳20Lににがり(大屋富にがり(株)中島販売元)0.85%を添加混合し、型箱に流して静置させた。型箱に蒸気を吹き込み全体が85℃になるように30分間加温し熟成した。熟成後300gに切断し350gの容器に移し替え封入水50gを入れて包装し、80℃で30分ボイルした後10℃に冷却し絹ごし豆腐とした。同じく60℃の豆乳20Lににがり(大屋富にがり(株)中島販売元)0.95%を添加混合し、型箱に流して静置させた。型箱に蒸気を吹き込み全体が85℃になるように20分間加温し熟成した。熟成後一度崩し、濾布をしいた型箱に豆腐を詰め圧搾機で20分間圧搾し、300gに切断し350gの容器に移し替え封入水50gを入れて包装し、80℃で30分ボイルした後10℃に冷却し木綿豆腐とした。熟練したパネルの評価において市販豆腐に比較して、絹ごし豆腐及び木綿豆腐ともに甘味と旨味の極めて強いおいしい豆腐であった。
Claims (4)
- 引き水としてオカラの抽出水を用い、オカラの分離前に50〜90℃に加熱し、次いでオカラを分離して得られた豆乳をさらに105〜130℃、3〜90秒間加熱することを特徴とする豆乳の製造方法。
- 固形分含量が、1〜4%であるオカラ抽出水を用いることを特徴とする請求項1記載の豆乳の製造方法。
- 請求項1又は2記載の豆乳の製造方法によって得られた豆乳が、豆腐用又は飲料用の豆乳であることを特徴とする豆乳。
- 請求項3記載の豆腐用豆乳によって得られた豆腐又はその加工品。
Priority Applications (1)
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JP2005247207A JP2007060911A (ja) | 2005-08-29 | 2005-08-29 | 豆腐用豆乳とその製造方法 |
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WO2012157990A2 (ko) | 2011-05-19 | 2012-11-22 | 씨제이제일제당(주) | 신규한 두유 추출 방법 |
CN111248292A (zh) * | 2018-12-03 | 2020-06-09 | 永顺利食品机械股份有限公司 | 二段式加热煮浆制程及系统 |
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WO2012157990A2 (ko) | 2011-05-19 | 2012-11-22 | 씨제이제일제당(주) | 신규한 두유 추출 방법 |
CN103533847A (zh) * | 2011-05-19 | 2014-01-22 | Cj第一制糖株式会社 | 新的豆浆制作方法 |
CN111248292A (zh) * | 2018-12-03 | 2020-06-09 | 永顺利食品机械股份有限公司 | 二段式加热煮浆制程及系统 |
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