JP2007060899A - 永久磁石モータの駆動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機内部の磁極位置を、極性を含めて瞬時に検出する制御アルゴリズムを提供する。
【解決手段】電動機3の推定磁極軸であるdc軸上の電圧指令に対して、微小変化を与え、その結果、電流脈動成分が正となる期間、負となる期間の差、あるいは、正側、負側における電流変化率の差を利用して、磁極軸の極性を判別する。また、上記電圧指令に対する微小変化を、dc軸とそれに直交するqc軸の両方に加え、各軸上における電流脈動成分から、電動機の磁極位置を直接推定する。磁極の極性判別期間を別途設ける必要がなく、電源オンから起動までの期間を短縮でき、電動機の高速起動が実現できる。また、高速な磁極位置推定が実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石モータの制御に関し、特に電気角位置を検出するセンサを用いずに高性能な電動機制御を実現するシステムに関する。
同期電動機を電気角位置の検出なしに制御する手法は、特許文献1、特許文献2、非特許文献1等がある。どの方式も、同期電動機内部の磁極位置推定方法に関するものである。
特許文献1は、永久磁石型動機電動機(PMモータ)の突極性を利用して、磁極位置の推定を行うものである。PMモータの推定磁極軸(dc軸)に交番磁界を発生させ、この軸に対して直交する軸(qc軸)成分の交番電流(あるいは交番電圧)を検出し、これに基づいて、電動機内部の磁極位置を推定演算する。実際の磁極軸と推定磁束軸に誤差がある場合に、dc軸からqc軸に対してインダクタンスの干渉項が存在する特徴を利用しているが、交番電流(電圧)成分を抽出するためには、フーリエ級数展開や、バンドパスフィルタを使用する。
特許文献2は、PMモータの突極性、ならびに磁気飽和特性を利用して、磁極位置を推定演算するものである。推定アルゴリズムをステップ1とステップ2の二段階に分け、ステップ1ではPMモータの突極性を利用した磁極位置推定を行い、ステップ2では、磁気飽和によるインダクタンスの変化を測定し、磁極の極性を判別する。
非特許文献1は、PMモータの磁気飽和特性を利用して、磁極位置を推定演算するものである。PMモータに対して、高周波の正弦波電圧を印加し、それに伴い発生する電流波形を周波数分析し、第2次高調波成分の位相から、磁極の極性、ならびに磁極位置を推定演算する。
特開平7−245981号公報 特開平7−177788号公報 平成11年電気学会産業応用部門全国大会No.191「磁気非線形による電流歪みに着目したPMモータの磁極位置推定法」
特許文献1の手法は、PMモータのインダクタンスが、電気角位相θに対して、2θの関数で変化する原理を利用している。この原理に基づいて磁極位置推定を行うと、推定結果に180°の誤差が存在する場合があり、このままでは始動時に脱調する恐れがある。よって、磁極軸(d軸)の極性を判別する手段が別途必要になる。
特許文献2の手法は、ステップ1では特許文献1と同様に、電気角に対するインダクタンスの変化を利用し、磁極位置推定を行う。次に、ステップ2として、PMモータに対して電圧ステップを与え、その時の電流応答時間から磁極の極性判定を行う。ステップ2は、永久磁石による磁束と、電圧ステップによる磁束成分との関係で、磁気飽和が発生、あるいは減少し、結果的にインダクタンス(電気時定数)が変化する現象を利用している。この手法によれば、磁極の極性判別は可能であり、PMモータを確実に始動することが可能である。しかし、推定アルゴリズムが2段階(ステップ1、ステップ2)に分かれており、PMモータの起動までに時間を要するという問題がある。電源オンから、急加速を行いたいような用途への適用は難しく、また制御アルゴリズムも複雑になる。
非特許文献1は、PMモータに高周波(500Hz程度)を印加し、その結果生じるひずみ電流成分を抽出して、磁極の極性、ならびに磁極位置を推定するものである。この手法は、波形のひずみが磁気飽和に起因して生じる現象を利用しているため、磁極の極性判定が不要で、磁極位置推定ができる。しかしながら、高周波のひずみ成分を精度よく抽出する必要があり、電流波形の細かいサンプリングが、必要である。また、フーリエ級数展開などの複雑な処理を必要とする。フーリエ級数展開の精度を上げるには、ある程度長い期間の電流検出が必要であり、PMモータの始動までに時間を要する。
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、非突極型モータにも適用でき、極性判別と磁極位置を簡単なアルゴリズムで検出できる永久磁石モータの駆動システムを提供することにある。また、本方式によれば、始動または低速時の磁極位置を短時間で検出できる。
上記目的を達成する本発明は、永久磁石モータを制御する制御装置内で磁極の極性判別と磁極位置の検出、あるいは極性判別を含んで磁極位置を検出し、ベクトル制御を行うことを特徴とする。
極性の判別は、前記電動機内部の磁束の推定軸であるdc軸に対して微小電圧変化を与え、前記電動機に流れる電流の観測値に含まれる脈動成分に対し、該脈動成分の正側、ならびに負側の通流時間を計測し、この値に基づき、前記電動機内部の磁極の極性を判別する。あるいは、該脈動成分の正側、負側における電流変化率を計測し、この値に基づき、磁極の極性を判別する。
このときの磁極位置の検出は、上記した磁極の極性判別と並行して、前記電動機に流れる電流を前記dc軸と直交するqc軸で観測し、観測された電流の変化率成分を用いて、前記電動機内部の磁極位置の推定を行う。
本発明の別の磁極位置の検出は、前記電動機の推定磁束軸であるdc軸と該dc軸に直交するqc軸上の電圧指令に対して微小電圧変化を与え、前記電動機に流れる電流を前記dc、qc軸上で観測し、前記dc軸とqc軸で観測された電流値に含まれる脈動成分に対して、該脈動成分の正側および負側の通流時間に基づき、前記電動機内部の磁極位置を推定する。もしくは、該脈動成分の電流変化率を、該脈動成分の正側、負側に分離して検出し、これらの変化率値に基づいて、前記電動機内部の磁極位置を推定する。
前記磁極位置の推定と前記極性判別は並行して実施し、極性判別が完了した時点で、前記電圧指令に与える微小変化の周期を変更し、引き続き前記磁極位置推定を実施するようにしてもよい。
また、前記dc、qc軸上での電流脈動成分の変化率であるΔIdcp(dc軸電流の脈動成分の正側の電流変化率)、ΔIdcn(dc軸電流の脈動成分の負側の電流変化率)、ΔIqcp(qc軸電流の脈動成分の正側の電流変化率)、ΔIqcn(qc軸電流の脈動成分の負側の電流変化率)に対して、前記dc、qc軸の電気角位相θcと、前記電動機内部の磁極軸位相θとの軸誤差Δθ(=θc−θ)を、後述する式(10)により演算する。
あるいは、インダクタンスの変化に基づいて磁極位置を推定する。すなわち、前記dc、qc軸上における脈動成分の正負個別の電流変化率に対して、各軸、各符号の電流変化率の逆数を演算し、その値に基づいて前記電動機内部の磁極位置(極性を含めた磁極位置)を推定する。電流変化率の逆数はインダクタンスに比例する。
ここで、正負の電流変化率の逆数は、Lmdcp(=1/|ΔIdcp|)、Lmdcn(=1/|ΔIdcn|)、Lmqcp(=1/|ΔIqcp|)、Lmqcn(=1/|ΔIqcn|)であり、前記dc、qc軸の電気各位相θcと、前記電動機の磁極軸位相θとの軸誤差Δθ(=θc−θ)を、後述する式(13)により演算する。
本発明の永久磁石モータの駆動システムによれば、電動機に微小電圧変化を印加して、それに伴う電流脈動成分の正側および負側の通流時間または電流変化率に基づき、前記電動機内部の磁極の極性を簡単に判別できる効果がある。
また、この極性判別と並行して、公知の方法あるいは本発明の方法による磁極位置の検出を行うので、電動機の起動までの時間を短縮できる効果がある。なお、極性判別完了後に微小電圧変化の周期を変えることで、磁極位置推定に伴う電流高調波を抑制することができる。
本発明の永久磁石モータの駆動システムによれば、dc軸とこれに直交するqc軸上の電圧指令に対して微小変化を与え、それぞれの脈動電流成分の正側、及び負側の通流時間に基づいて磁極位置を推定する。電動機の飽和による脈動成分の変化を利用しているため、磁極の極性を含めた磁極位置推定が可能になる。
あるいは、前記脈動成分の電流変化率に関する関数として、逆正接関数を用いて演算を行うことで、制御軸と電動機の磁極軸との軸誤差Δθを直接演算できるようになるので、簡単なアルゴリズムによる磁極位置の検出が可能になる。
また、前記電流脈動成分の正負個別の電流変化率に対して、それらの逆数を演算し、電動機のインダクタンスの変化に基づく磁極位置推定を行うこともできるので、より精度の高い磁極位置推定が可能となる。
図1に本発明の第1の実施形態であるシステム構成図を示す。本システムは、電動機を制御する制御装置1、電動機を駆動するインバータ2および交流電動機3からなる。制御装置1内で、電動機3内部の磁束の推定軸であるdc軸を持ち、この軸に対して微小電圧変化を与える手段と、前記電動機に流れる電流を観測する手段とを備え、該電流の観測値に含まれる脈動成分に対し、該脈動成分の正側、ならびに負側の通流時間を計測し、この値に基づき、前記電動機内部の磁極の極性を判別するものである。
具体的には、電動機3の電流を検出する電流検出器4、電流検出値を制御装置2の回転座標軸dcqc軸へ座標変換するdq変換器5、電動機3の速度あるいはトルクを制御するベクトル制御器6、電動機3の電気角周波数ω1を積分し、電気角位置(位相)θcを演算する積分器7、dcqc軸上の電圧指令Vdc*、Vqc*を、三相交流の電圧指令に座標変換するdq逆変換器8、三相電圧指令に基づいて、インバータ2を制御するためのパルスを発生させるPWM発生器9、信号を加算する加算器10、電動機内部と制御器内での磁極位置の誤差Δθを演算する磁極推定器11、軸誤差Δθに基づき、制御器内の電気角位置θcを補正する補正ゲイン12、電圧指令に微小変化を与える微小電圧発生器13、及び特徴部分である磁極の極性推定器14によりなる。
次に、本実施形態の動作原理を説明する。ベクトル制御器6において、電動機3の速度、あるいはトルクを制御するための制御演算を行う。電流検出器4で検出された三相交流電流は、座標変換器5により、制御器内部の回転座標軸dc,qc軸上の値Idc、Iqcに変換される。電動機の磁極が存在する方向の成分をIdc、それと直交する成分をIqcとし、それぞれが所定の値になるように、ベクトル制御器6において、電動機3への印加電圧Vdc0*、Vqc0*の値が演算され出力される。これらの電圧指令は、再び三相交流量に変換され、PWM発生器9において、インバータ2をスイッチング動作させるためのパルス信号へと変換される。インバータ2は、PWM発生器9の信号により駆動され、制御装置1で演算された電圧指令に相当する電圧を、電動機3に印加する。
電動機3の磁極の位相θ(位置)が磁極位置検出器から直接検出できる場合は、その検出位相に基づいて三相の検出電流を座標変換することができるので、励磁電流成分Idc(平行な電流成分)とトルク電流成分が得られる。ベクトル制御器6はこれら二つの電流成分を独立に制御するもので、内部に電動機3の速度やトルクを所望の値にするためのトルク電流指令、励磁電流指令が存在し、それらに検出値Idc、Iqcが一致するように、電圧指令Vdc0*、Vqc0*の値を変化させる。なお、ベクトル制御については、参考文献:「ACサーボシステムの理論と設計の実際:杉本英彦著、総合電子出版」などに詳しい。
上記のように、ベクトル制御を行うには、電動機内部の磁極位置を検出する必要がある。本発明による電動機駆動システムでは、磁極位置検出器(センサ)を用いずに、電動機内部の磁極位置を検出するものである。
次に、本実施例の特徴部分である極性推定について説明する。なお、本実施形態における磁極位置推定は、例えば、特許文献1に記載の方法で推定できるものとする。
特許文献1では、PMモータの推定磁極軸(dc軸)に交番磁界を発生させ、この軸に対して直交する軸(qc軸)の交番電流(あるいは交番電圧)を検出し、これに基づいて電動機内部の磁極位置を推定演算している。実際の磁極軸と推定磁束軸とに誤差がある場合は、dc軸からqc軸に対してインダクタンスの干渉項が存在する特徴を利用し、qc軸に生じる交番電流が零になるように制御側の軸を修正して、dc軸を磁極軸に一致させる。磁極位置推定器11では上記の磁極位置推定アルゴリズムを実行し、軸誤差Δθはほぼ0度、あるいは180度に収束する。
前述したように、特許文献1における磁極位置推定アルゴリズムは、電動機の突極性によるインダクタンスの差を利用するものであり、このインダクタンスは電気角θに対して2θの関数で変化する。そのため、磁極位置の収束点は2箇所(0度、180度)に存在し、磁極の極性判定が必須になる。
初めに、極性推定に関する各ブロックの動作について説明する。微小電圧発生器13において電圧変化成分vhdを生成し、それをd軸電圧指令Vdc0*に加算する。vhdとしては、高周波の方形波等を使用する。vhdの加算により、dc軸上の電流には、電流リプルが発生する。この電流リプル成分から、磁極の極性を推定する。
次に、本実施形態の極性推定の動作原理を説明する。図2はdc軸と磁極の極性が一致している場合、図3はdc軸と磁極の極性が反転している場合である。図2、図3で、(a)は電動機内部の永久磁石磁束の方向と、制御軸(dcqc軸)の方向を示しており、(b)はIdcと一次磁束Φ1dの関係、(c)は電流リプル波形を示している。
図2の場合は、dc軸の正方向に電流を流すと、永久磁石磁束に対して磁束を増加させることになる。このため、トータルの一次磁束Φ1dは増加し、磁気飽和が生じる。この結果、インダクタンスが低下し、電流変化率が増加する。逆に、dc軸の負方向に電流を流すと、永久磁石磁束に対して磁束を減少させることになるため、磁気飽和は生じず、インダクタンスは変化しないため、正方向に電流を流した場合に比べて電流変化率は減少する。よって、電流リプル波形は、Idcが正の値の時の変化率が大きくなり、負の場合には緩やかな変化になる。
図3の場合は、図2の場合の逆の現象が発生し、(c)に示すように、電流が負の値の時に変化率が大きくなり、正の時には緩やかになる。これら電流リプル波形の特徴量を抽出することで、磁極の極性判別が可能になる。
図4を用いて、極性推定器14の構成を説明する。比較器15は2つの入力の大きさを比較し、「+」の入力が「−」の入力よりも大きい場合に「1」、逆の場合に「−1」を出力する。零信号発生器16は0を発生し、補正量演算器17は評価指数PFの値に応じて、位相オフセットを出力する。積分器7は図1のものと同一のものである。
図5の波形を用いて、極性推定器14の動作を説明する。(a)は、dc軸に加える微小電圧波形vhdである。vhdの印加により、電流検出値Idcは(b)のような波形になる。Idcを比較器15で0と比較し、正ならば比較器出力S=−1、負ならばS=1とする。Idcには、磁気飽和による波形のひずみが含まれるため、Idcが正、負の値を取る時間が異なっている。よって、符号信号であるS(比較器15の出力)は、デューティが50%にはならず、(c)のような波形になる。符号信号Sを積分器7で積分し、その値を極性判別信号PFとする。
PFは、Idcの電流変化率の大きな方向へ積分されて行く。図5の場合は、Idcが負の期間で電流変化率が大きく、この結果、PFは負の方向へ減少していく。PFが負になる場合は、磁極の極性が反転していて、補正量演算器17では180度のオフセットを出力し、磁極位置θcの値を補正する。磁極の極性が一致している場合は、PFは正の値に増加し、その場合は磁極位置θcの補正は行わない。
以上のように、微小電圧を磁極推定軸に印加し、その結果生じるリプル電流の正、負の通流期間を観測することで、磁極の極性判別が可能になる。なお、図4における積分器7は、極性推定精度を上げるために用いており、磁気飽和の著しいモータであれば、符号信号Sのデューティ比から直接極性を推定することも可能である。
上記では、電流脈動成分には直流成分が含まれないものとして説明をしたが、直流成分のある場合も、脈動成分のみを抽出(例えば平均値を差し引く)することで、同様の効果が得られる。これは、電動機の磁気飽和特性が、例えば図2(b)、図3(b)のように、Idcに対して曲線的に変化するためであり、直流バイアスが含まれる場合であっても、飽和によるインダクタンスの変化は多少なりとも存在するからである。以後の実施形態についても、簡略化のために電流検出値に直流成分がないものと仮定して説明するが、同様のことが成り立つ。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、電流リプル波形の正、負の期間を比較し、極性推定を行うものであった。これをマイコンを用いて実現するには、電流を高速に検出する(サンプルする)必要があり、実現が難しくなる。また、アナログ回路によりハード的に行うことは可能であるが、周辺回路が必要になる。
そこで、第2の実施形態ではこれらの問題を解決する。このため、前記電動機内部の磁束の推定軸であるdc軸に対して微小電圧変化を与え、前記電動機に流れる電流を観測し、該観測値に含まれる脈動成分に対し、その正側、負側における電流変化率を計測して、前記電動機内部の磁極の極性を判別する。
第2の実施形態は、図1における極性推定器14を、図6に示す極性推定器14Bに置き換えることで実現できる。図6において、10、17は、第1の実施形態における同じ番号のものと同一のものである。遅延器18は入力信号を1サンプルだけ遅らせ、絶対値演算器19は入力信号の絶対値を演算する。反転器20は入力信号の符号を反転させ、乗算器21は2つの入力信号の積を演算し、積分器7Bは乗算結果を積分する。
図7は第2の実施形態の各部の動作波形を示す。演算周期をTidとするディジタル制御系で実行するものとする。微小信号vhdは、演算周期Tidに同期して変化するように与える。この実施例では、Tidの4倍が、vhdの周期になるように設定している。この時、Idcは(b)のように変化する。IdcはTid周期の開始時にサンプリングされるため、図示のIdc(k)、Idc(k−1)のような波形が制御器内部に読み込まれる。Idc(k)は、図6の極性推定器14Bに入力され、前回値Idc(k−1)との差分が演算される。その後、絶対値演算器19で、絶対値(|ΔIdc|)が演算され、符号信号S2との積が取られる。
符号信号S2は、微小信号vhdの波形を利用する。もちろん、Idc自体の波形を利用しても良いが、零クロス近傍の微妙な点を誤検出する恐れがあるため、確実なvhdの波形を利用する。vhdの周波数が十分高い条件であれば、Idcのリプル成分の位相(符号)は、完全にVhdに対して固定されるとみなすことができる(抵抗による電圧降下を無視できる)。
|ΔIdc|と符号信号S2の積をΔPF2とする。ΔPF2は、図7(e)のようになる。負側の電流変化率が大きい場合には負に、正側の電流変化率が大きい場合は正に、それぞれオフセットを持った波形が得られる。よって、ΔPF2のオフセット量を判別することで、極性の判定が可能になる。
本実施例では、積分器7Bを用いてオフセットを検出している。ΔPF2を積分し(PF2)、オフセットの符号を求める。図7の場合、PF2は負に減少し、この場合の極性は反転している。補正量演算器17では、第1実施形態と同様に、θcに与えるオフセット量を演算する。
以上、本発明による第2の実施形態を用いることで、ディジタル制御系に適した実用的な極性推定が可能になる。なお、図6における積分器7Bは、ΔPF2のオフセット量を精度よく求めるために使用したものであり、磁気飽和の著しい電動機では、ΔPF2の平均値などから瞬時に極性を推定することも可能である。
次に本発明の第3の実施形態について、図8〜10を用いて説明する。第1、第2の実施形態は、磁極位置推定後の極性推定に関する実施形態であるが、第3の実施形態では、磁極位置推定と極性判定を平行して実行するものである。すなわち、電動機内部の磁束の推定軸であるdc軸と、それに直交する軸qc軸を持ち、このqc軸上で観測された電流変化率成分を用いて、前記電動機内部の磁極位置の推定を行い、これと平行して、上記した磁極の極性を判別することで実現できる。
図8において、部品番号1〜10、ならびに12、13は、図1の同じ番号のものと同一のものである。また、極性推定器14Bは、図6のものと同一のものである。図8の動作は、前述の第2の実施形態とほぼ同じであるが、本実施形態では、極性推定と同時に磁極位置推定器11Cにおいて、磁極位置推定演算を行う。磁極位置推定器11Cでは、微小電圧信号vhdと、電流検出値Iqcを用いて、磁極位置検出を行う。
次に、磁極位置推定器11Cの動作原理について説明する。突極性を持つ同期電動機の電圧方程式を、電動機の磁極軸を基準とするdq座標軸上で表現すると式(1)となる。
Figure 2007060899
式(1)において、Vd、Vqはそれぞれ電動機への印加電圧、Id、Iqは、電動機電流、rは電動 機の固定子抵抗、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、ω1は電気角周波数、KEは逆起電圧定数、pは微分演算子である。
dq軸と、制御上の座標軸dcqc軸との間に軸誤差Δθが存在する場合、dcqc軸上での電動機の電圧方程式は式(2)となる。
Figure 2007060899
さらに、式(2)より、式(3)となる。
Figure 2007060899
ここで、Vdc、およびVqcに、それぞれ微小電圧変化分vhd、vhqを加えるものとすると、式(4)が得られる。
Figure 2007060899
vhd、vhqにより、Idc、Iqcには微小変化が生じる。vhd、vhqの変化が短時間であり、基本波成分には寄与しないものと仮定すると、Idc、Iqcに関する状態方程式は、式(5)となる。
Figure 2007060899
vhq=0とし、微小期間Tidにおける電流変化量をΔIdc、ΔIqcと表記し、式(5)のqc軸成分を求めると、式(6)のようになる。
Figure 2007060899
よって、式(7)、式(8)が得られる。
Figure 2007060899
Figure 2007060899
式(8)より、電圧の微小変化を与えることで、軸誤差Δθを推定できることがわかる。
図9に、式(8)の磁極位置推定演算を実現するブロック図を示す。図9において、部品番号10、18は、第2の実施形態と同一のものであり、部品番号22、23は比例ゲイン、24は除算器である。磁極位置推定器11Cでは、Iqc(k)の差分によりΔIqcを演算し、比例ゲイン22、23によりゲイン倍し、最後にvhdの値で除算することで、軸誤差Δθを出力する。
図9の演算により、磁極位置は0度か180度のどちらかに収束するため、磁極の極性推定が必要になる。極性推定は、第2の実施形態で説明した極性推定器14Bにおいて実行される。本実施形態においては、磁極位置推定と極性推定を平行して実施することが可能である。その様子を、図10を用いて説明する。
図10では、時刻t=0において磁極位置推定と極性推定が同時にスタートしている。磁極の推定位置θcが、徐々に収束を開始している。この収束速度は、図8における補正ゲイン12の大きさで決まる。一方で、極性推定器14Bでは極性の推定を実行し、極性信号PF2の値が変化している。磁極位置推定が収束しつつある頃、時刻tpにおいて、PF2の値から極性を判別する。図10の場合は、極性が反転していたため、180度のオフセット量を加算する。極性推定後も磁極位置推定を継続し、最終的にはθcがθに一致する。
以上が、本発明による第3の実施形態である。本発明により、磁極の極性推定は、磁極位置推定演算と同時に実施することができ、推定開始から完了までの時間を大幅に改善できる。
なお、本実施形態の説明では、式(8)を磁極位置推定に用いる例を示したが、他の磁極位置推定方法でも、ここでの実施形態と同様に、極性推定と平行して実施することが可能である。
次に本発明の第4の実施形態について説明する。第3の実施形態は、磁極位置推定と極性推定を平行して同時に実行するものであった。第4の実施形態は、その時に用いる電圧微小信号vhdの周期に関する。vhdは、電動機に対して高調波成分を注入するものであり、磁極位置推定、ならびに極性推定のために必要なものであって、本来の電動機制御には不要のものである。よって、その成分はできる限り少ない方が良い。
極性推定を行うためには、演算周期Tidに対して、vhdの周期を少なくとも4×Tidにする必要がある。このため、vhdの重畳に伴う高調波成分が増加し、損失やトルク脈動の原因になる恐れがある。これらを抑制するためには、vhdの振幅はできる限り小さく、また、周波数はできる限り高い方が望ましい。一方、磁極位置推定演算を行う上では、vhdの周期は任意でよいため、極性推定結果が確定した後に(極性が認識できた後に)、vhdの周波数を切り替える方が良い。
図11は、第4の実施形態の動作を示す。時刻tsにおいてvhdの周期を切り替えている。この時、少なくとも時刻ts以前に、極性推定が完了している必要がある。図示のように、時刻tsからvhdの周期が半分になることで、電流リプルも半減し、トルク脈動の増加や、高調波による損失を低減できるようになる。
次に本発明の第5の実施形態について説明する。第1〜4の実施形態は、磁極の極性推定ならびに磁極位置推定を同時に実施するものであり、突極性を伴う電動機には有効である。しかし、非突極型の永久磁石型同期電動機では、高応答な磁極位置推定法が確立していないのが現状である。本発明の第5の実施形態では、非突極型の電動機の磁極位置推定方法を提供するものである。
すなわち、第5の実施形態では電動機の制御装置内で、電動機内部の推定磁束軸dc軸と、該dc軸に直交する軸qc軸を持つ。これらの2つの軸上の電圧指令に対して微小変化を与え、前記電動機に流れる電流をdc、qc軸上で観測し、dc軸およびqc軸で観測された電流値に含まれる脈動成分に対して、該脈動成分の正側、ならびに負側の通流時間に基づき、前記電動機内部の磁極位置を推定する。
図12は、第5の実施形態のシステム構成図である。部品番号1〜10及び12、13は、図1あるいは図8の同じ番号のものと同一のものである(ただし、電動機3は非突極型の交流電動機である)。磁極位置推定器11Dが本実施形態の特徴部分である。
実施形態5においては、これまでの実施形態と異なり、微小電圧発生器の出力を、dc軸とqc軸の両方に加算している。この結果、Idc、Iqcの両方の電流に脈動が発生する。磁極位置推定器11Dでは、IdcならびにIqcの両方の電流を取り込み、磁極位置を推定する。
図13に、磁極位置推定器11Dの構成を示す。部品番号7、15、16は、図4のものと同一のものである。磁極位置推定器11Dは、原理的には図4における極性推定器を、dc、qcの各軸成分毎に設けたものである。各々の積分器出力PFd、ならびにPFqは、各軸の電流に対して、電流変化率の大きな符号の方へ変化していく。電流変化率の大きな方向とは、すなわち磁石磁束の正の方向であり、この特徴を利用することで、磁極位置を推定することができる。
図14に、PFd、PFqと磁極軸の関係をベクトルを用いて示す。dcqc軸とdq軸が図の関係にある場合、磁極に近い軸方向へPFdとPFqは変化する。このため、PFdは正、PFqは負の値になる。よって、この場合、Δθは0〜90度の範囲に特定することが可能である。
このようにして、PFd、ならびにPFqの符号に基づいて、磁極位置演算器25では、軸誤差の演算を行う。磁極位置演算器25内部には、図15に示すPFd、PFqとΔθの関係表を備え、軸誤差Δθを特定することが可能である。この方式によれば、極性推定を行うことなく、直接磁極位置を90度の範囲内に特定することが可能である。
以上のように、本発明の第5の実施形態によれば、非突極型のモータであっても、磁気飽和によるインダクタンスの変化を利用することで、磁極位置の存在する領域を高速に特定することが可能である。
次に本発明の第6の実施形態について説明する。第5の実施形態では、図1のものと同様に、電流リプル波形の正、負の期間を比較し、極性推定を行うものであり、これをマイコンを用いて実現するには、電流を高速に検出する(サンプルする)必要がある。また、アナログ回路でハード的に実施することは可能であるが、外付けの周辺回路が必要になるという問題が生じる。第6の実施形態では、これらの問題を解決する極性位置推定方法を提供する。
第6の実施形態では、dc軸とqc軸の2つの圧指令に対して微小変化を与え、電動機に流れる電流をdc、qc軸上で観測し、観測された電流に含まれる脈動成分の電流変化率を、該脈動成分の正側、負側に分離して検出し、これらの変化率値に基づいて電動機内部の磁極位置を推定する。
図16に、第6の実施形態の磁極位置推定器11Eを示す。部品番号10、18、19、20、21は、図6における同じ番号のものと同一のものである。また、部品番号25は、図13のものと同一のものである。部品番号26は、入力値の平均値を演算する平均値演算器である。
図17に各部の動作波形を示す。第6の実施形態では、ディジタル制御を前提にしており、電流検出値Idc、Iqcの差分から電流変化率を演算し、磁極位置を推定するもので、動作自体は図6のものと同様である。微小信号vhにより、Idc、Iqcには、(b),(d)のような脈動分が生じる。それぞれの軸において、電流変化率の絶対値演算が行われ(c),(e)、符号信号との乗算が行われ、ΔPFd、ならびにΔPFqの波形が得られる(g),(i)。ここで、ΔPFdならびにΔPFqの平均演算を平均値演算器26で行い、演算周期Tidの2倍周期Thsで、(h),(j)のようなタイミングで出力する。
平均値演算器26の出力PFd、PFqの符号に基づいて、磁極位置演算25では図15の表に従い磁極位置の特定を行う。以上の動作を、ベクトル図で示すと、図18、図19のようになる。図18に示すように、各軸における電流リプルの変化率は、磁極軸に近いものほど値が大きくなる。これらの平均値は、図19のように永久磁石磁束Φの存在する方向に近づくことになる。
次に本発明の第7の実施形態について説明する。第6の実施形態は、非突極型の電動機が対象であり、突極型のモータに適用するには以下の問題がある。突極型においては、式(5)に示すように、軸誤差Δθがある場合、dc軸とqc軸の間に干渉項が存在する。よって、両方の軸の電圧指令に同時に微小信号を注入すると、この干渉成分の影響で磁極位置が特定できない場合が生じる。
第7の実施形態では、この問題を解決し、突極型モータにも適用できる磁極位置推定方法を提供する。すなわち、第5または第6の実施形態での磁極位置推定方法を実施する際、前記dc軸、qc軸の電圧指令に加える微小変化を、dc軸、qc軸に交互に与えることで解決する。
図20に第7の実施形態による微小信号発生器13F、磁極位置推定器11Fを示す。これは、図12における微小電圧発生器13と磁極位置推定器11Dとを置き換えたものである。
図20において、部品番号10、16、18、19、20、21、25は、これまでの実施形態における同じ番号のものと同一のものである。微小電圧発生器11Fには入力の平均値を演算する平均値演算器26Fを、磁極位置推定器13Fには方形波のパルスを発生するクロック発信器27を設ける。クロック発振器27の出力を受けて、方形波を発生させる方形波発振器28、クロック発振器28の出力を数えるカウンタ29、及びカウンタ29の出力信号に応じて、入力を切り換えるスイッチ30を設けている。
図21に動作波形を示す。クロック発振器27は、制御演算周期Tidに同期したクロック信号を出力する。方形波発振器28では、クロック信号を2分周し、微小電圧信号の元になるvhを作成する。一方で、クロック信号は、カウンタ29において4分周され、スイッチ30の切り換え信号として用いる。スイッチ30は、カウンタ29の値が1の場合には入力を図の「1」側に、0の場合は「0」側へと切り換える。
微小電圧発生器の出力は、(a)ならびに(d)のような波形になり、結果的にdc軸とqc軸の出力電圧に対して、交互に微小電圧が印加されることになる。微小電圧が交互に印加されるため、dc軸とqc軸間の干渉成分を考慮する必要がなく、それぞれの軸の電圧微小変化に対する電流変化率を、時間で区別して演算すればよい。
磁極位置推定器11Fでは、第6の実施形態における磁極位置推定器11Eとほぼ同様の動作を行う。Idc、Iqcの変化率を、それぞれ符号信号S2を用いて正負に分離し、平均値演算器26Fにおいて、平均値を演算する。(b)ならびに(e)がIdc、Iqcの波形であり、最終的には図17と同様にΔPFd、ならびにΔPFqの波形が得られる。この波形の平均値を、平均値演算器26Fにおいて演算し、PFd、PFqとする。ここでの平均値演算は、Tidの8周期分の平均値が必要になる。このようにして得られたPFd、PFqに基づいて、磁極位置演算器25において、磁極位置Δθが特定される。
以上のように、本実施形態による磁極位置検出器を用いることで、突極型の電動機に対しても、極性判別を用いることなく、直接磁極位置を特定できる磁極位置推定器が実現できる。
次に本発明の第8の実施形態について説明する。第5から第7に至る実施形態によれば、磁極位置推定器内のPFd、PFqの符号を用いることで、磁極位置を特定できる。Δθの存在する領域は特定できるが、Δθの値そのものを直接精度よく特定することはできない。第8の実施形態によれば、Δθを直接求めることが可能になる。
すなわち、実施形態6または7を実施する際、前記dc、qc軸上での電流脈動成分の変化率であるΔIdcp(dc軸電流の脈動成分の正側の電流変化率)、ΔIdcn(dc軸電流の脈動成分の負側の電流変化率)、ΔIqcp(qc軸電流の脈動成分の正側の電流変化率)、ΔIqcn(qc軸電流の脈動成分の負側の電流変化率)に対して、前記dc、qc軸の電気角位相θcと、前記電動機内部の磁極軸位相θとの軸誤差Δθ(=θc−θ)を、後述の式(10)により演算することで実現できる。
図22は実施形態8における磁極位置演算器の構成図である。磁極位置演算器25Gを、図13、16、20における磁極位置演算器25の代わりに用いる。符号反転器20、二つの入力X、Yに関して、逆正接(アークタンジェント)を演算するアークタンジェント演算器31を設けている。
PFd、PFqは、図19のベクトル図に代表されるように、dcqc軸上においては、永久磁石磁束の存在する方向のベクトルを形成する。よって、Δθは、式(9)よりアークタンジェントを演算して求めることができる。
Figure 2007060899
また、電流リプルを用いて表現すると、式(10)のようになる。
Figure 2007060899
なお、式(9),(10)においては、分母、分子の符号を考慮して演算することで、±180度の範囲でΔθを特定できる。これまでの実施形態と同様に、極性推定は必要としない。
以上、第8の実施形態を用いることで、非突極型、ならびに突極型のモータの磁極位置を、極性推定を用いることなく直接推定することが可能になる。
次に本発明の第9の実施形態について説明する。これまでの実施形態では、電流リプルの正負の変化率(あるいは通流期間)を利用して、変化率の違いから、磁極位置の極性推定、あるいは直接磁極位置を求めている。この原理は、電流リプルが、磁気飽和に直接関係しているという前提の元に成立するものである。
しかしながら、実際の電動機においては、磁気飽和の影響を最も大きく受けるのはインダクタンスであり、インダクタンスの変化の結果が、電流リプルの変化として顕在化することが考えられる。これは、電動機の飽和特性に依存するものであり、インダクタンスに基づいて磁極位置を推定した方がよい場合も考えられる。
第9の実施形態においては、インダクタンスの変化に基づいた磁極位置検出方法である。第6または第7の実施形態を実施する際、前記dc、qc軸上における脈動成分の正負個別の電流変化率に対して、各軸、各符号の電流変化率の逆数を演算し、その値に基づいて前記電動機内部の磁極位置(極性を含めた磁極位置)を推定することで実現できる。
図23は第9の実施形態による磁極位置推定器である。磁極位置推定器11Hは、例えば、図16や図20の代わりに用いる。部品番号10、18、19、21、26、25Gは、これまでの実施形態の同じ番号のものと同一のものである。部品番号33は、入力の逆数を演算する逆数演算器である。
図24は動作原理を説明するもので、dc軸、qc軸の正負の電流変化率から、インダクタンスを演算した結果を模式的にベクトル図に示したものである。図において、Lmdcpは、dc軸を流れる電流リプルの正側の電流変化率からインダクタンスを求めたもの、Lmdcnはdc軸のリプル電流の負側の変化率からインダクタンスを求めたものである。qc軸に関しても同様に定義している。
図24のベクトル図を見ればわかるように、各軸におけるインダクタンスは、永久磁石磁束の存在する方向とは、逆方向に大きくなる。この原理を利用すれば、磁極位置を推定することが可能である。
インダクタンスと電流変化率の関係は、式(11)または式(12)となる。
Figure 2007060899
Figure 2007060899
電圧Vが一定であれば、インダクタンスは電流変化率の逆数に比例することになる。よって、磁極位推定器11Hにおいては、電流リプルの絶対値の逆数を、逆数演算器33において演算し、その値をLmdc、Lmqcとし、磁極位置を推定する。これまでの実施形態と異なるのは、符号信号となるvhを、反転器を介さずに、直接用いている点である。
図25に各部の動作波形を示す。図において、符号信号S2Hは、vhと同位相になっている。これは、電流リプルとインダクタンスが反比例の関係にあるためである。その後、ΔPFd、ΔPFqを計算し、第6の実施形態(図16、17)と同様にして磁極位置を推定する。インダクタンスと軸誤差の関係を数式で表記すると、式(13)のようになる。
Figure 2007060899
なお、図23の磁極位置演算器25Gの代わりに、図13の磁極位置演算器25を用いても何ら問題はない。また、第7の実施形態に本磁極位置推定器11Hを適用することも可能である。以上、第9の実施形態を用いることで、インダクタンスを間接的に求め、インダクタンスの変化に基づく磁極軸推定が可能になる。
次に本発明の第10の実施形態について説明する。これまでの実施形態では、微小電圧発生器の出力は一定とし、電流リプルの変化率から磁極の極性推定、あるいは磁極位置推定を行っている。しかしながら、磁気飽和特性は、電動機個々により異なるため、電流リプルが感度よく検出できない場合も考えられ、その場合には磁極位置が特定できなくなる恐れがある。
第10の実施形態は、これらの問題を解決する磁極位置推定器を提供する。図26にシステム構成図を示す。部品番号1〜10、11E、12、13、21は、これまでの実施形態の同じ番号のものと同一のものである。ゲイン調整器32は、電流リプルΔIdc、ΔIqcの大きさに基づき、これらが所定値以上になるようにvhの大きさを調整する。ゲイン調整器32を備えることにより、自動的に電流リプルの大きさは変化し、常に感度よく電流リプルを観測することができるようになる。
この結果、どのような磁気飽和特性の電動機であっても磁極位置推定が可能になる。なお、電流リプル量が小さい時に、vhの大きさではなく、周波数を下げるようにしても、同様の効果が得られる。
また、すでに説明した第2の実施形態における磁極の推定方法及び、それを含んだ第3、第4の実施形態においても、十分な電流変化率を得るために、第10の実施形態を適用し、ゲイン調整器32を用いてvhの大きさを自動調整することは可能である。
次に本発明の第11の実施形態について説明する。実際に電動機を駆動する場合、上述の各実施形態で示したように、インバータ2(図1など)を用いる。インバータ2は、PWM発生器9の出力するパルスによって駆動される。PWM発生器9では、三相の電圧指令と、三角波キャリアとの比較によりパルスを作成する。この三角波キャリアは、通常は、電動機の駆動周波数に比べて十分高く設定されている。一方、磁極推定に用いる微小電圧変化vhも、電動機の駆動周波数に比べて十分高く設定する必要があるため、両者の干渉が問題となる場合がある。
本発明による第11の実施形態によれば、この問題を解決することが可能である。図27に、本発明における三角波キャリアと、微小信号vhの関係を示す。三角波キャリアの上下のピーク間を演算周期Tidとし、これに同期して微小電圧変化を与えればよい。
また、実際の電動機への印加電圧はパルス波形になるため、電流リプルIdcは図27のように、台形波状の波形になる。しかしながら、電流検出タイミングを、同図のように三角波キャリアの上下のピークとすることで、電流変化率の最も緩やかな部分を検出することが可能になり、リンギングなどの影響を排除できる。もちろん、磁極推定に必要な電流変化率は、差分値として演算できる。よって、第11の実施形態によれば、PWMに用いる三角波キャリアと、微小電圧波形の干渉を避け、安定した磁極位置推定が実現できる。
次に本発明の第12の実施形態について、図28を用いて説明する。これまでの実施形態の中で、軸誤差Δθを直接演算するものをいくつか示したが、その場合、磁極位置θcを直接修正していた(例えば、図1、図8など)。
第12の実施形態では、θcを補正する代わりに、ω1*を補正している。これは、軸誤差が生じた場合に、電気角周波数を補正することで、θcをθに一致させようというものであり、一種のPLLのような動作をする。この場合、ブロック7の積分器の入力が電動機速度の推定値になる。速度推定も同時に実現できるようになる。
本発明の第1の実施形態によるシステム構成図。 磁極軸を正しく推定している場合の磁気飽和と電流リプルの関係を示す図。 磁極軸を180度ずれて推定している場合の磁気飽和と電流リプルの関係を示す図。 第1の実施形態による極性推定器の構成図。 第1の実施形態による極性推定器の動作波形を示す図。 本発明の第2の実施形態による極性推定器の構成図。 第2の実施形態による極性推定器の動作波形を示す図。 本発明の第3の実施形態による極性推定器の構成図。 第3の実施形態による磁極位置推定器の構成図。 第3の実施形態による磁極位置・極性推定器の動作波形を示す図。 本発明の第4の実施形態による動作波形を示す図。 本発明の第5の実施形態によるシステム構成図。 第5の実施形態による磁極位置推定器の構成図。 第5の実施形態による磁極位置推定器の動作を示すベクトル図。 第5の実施形態による磁極位置の演算で用いるテーブル。 本発明の第6の実施形態による磁極位置推定器の構成図。 第6の実施形態による磁極位置推定器の動作を示す図。 第6の実施形態による電流変化率の大きさを示すベクトル図。 第6の実施形態による磁極位置推定器の動作を示すベクトル図。 本発明の第7の実施形態による微小電圧発生器及び磁極位置推定器の構成図。 第7の実施形態による微小電圧発生器及び磁極位置推定器の動作波形を示す図。 本発明の第8の実施形態による磁極位置演算器の構成図。 本発明の第9の実施形態による磁極位置推定器の構成図。 第9の実施形態によるインダクタンスの変化を示すベクトル図。 第9の実施形態による動作波形を示す図。 本発明の第11の実施形態によるシステム構成図。 本発明の第12の実施形態による動作を示す図。 本発明の第13の実施形態によるシステム構成図。
符号の説明
1…制御装置、2…インバータ、3…電動機、4…電流検出器、5…dq変換器、6…ベクトル制御器、7…積分器、8…dq逆変換器、9…PWM発生器、10…加算器、11,11C,11D,11E,11F,11H…磁極位置推定器、12…補正ゲイン、13,13F…微小電圧発生器、14,14B…極性推定器、25,25G…磁極位置演算器。

Claims (8)

  1. 永久磁石モータに任意の交流を印加するインバータと、該インバータに制御信号を送る制御装置を備えた永久磁石モータの駆動システムにおいて、
    前記制御装置は、前記永久磁石モータの推定磁束軸であるdc軸と該dc軸に直交するqc軸上の電圧指令に対して微小電圧変化を与える手段と、前記永久磁石モータに流れる電流を前記dc軸、qc軸上で観測する手段と、前記dc軸とqc軸で観測された電流値に含まれる脈動成分に対して、該脈動成分の正側および負側の通流時間に基づき、前記永久磁石モータ内部の磁極位置を推定する手段を設けることを特徴とする永久磁石モータの駆動システム。
  2. 永久磁石モータに任意の交流を印加するインバータと、該インバータに制御信号を送る制御装置を備えた永久磁石モータの駆動システムにおいて、
    前記制御装置は、前記永久磁石モータの推定磁束軸であるdc軸と該dc軸に直交するqc軸上の電圧指令に対して微小電圧変化を与える手段と、前記永久磁石モータに流れる電流を前記dc軸、qc軸上で観測する手段と、前記dc軸とqc軸で観測された電流値に含まれる脈動成分に対し、該脈動成分の電流変化率を、該脈動成分の正側、負側に分離して検出し、これらの変化率値に基づいて、前記永久磁石モータ内部の磁極位置を推定する手段を設けることを特徴とする永久磁石モータの駆動システム。
  3. 請求項2において、
    前記永久磁石モータが電気的突極性を有する場合に、前記微小電圧変化を、前記dc軸、qc軸に交互に与えることを特徴とした永久磁石モータの駆動システム。
  4. 請求項2または3において、
    前記dc、qc軸上での電流脈動成分の変化率であるΔIdcp(dc軸電流の脈動成分の正側の電流変化率)、ΔIdcn(dc軸電流の脈動成分の負側の電流変化率)、ΔIqcp(qc軸電流の脈動成分の正側の電流変化率)、ΔIqcn(qc軸電流の脈動成分の負側の電流変化率)に対して、前記dc、qc軸の電気角位相θcと、前記永久磁石モータの磁極軸位相θとの軸誤差Δθ(=θc−θ)を、(10)式により演算することを特徴とした永久磁石モータの駆動システム。
    Figure 2007060899
  5. 請求項2または3において、
    前記dc、qc軸上における脈動成分の正負個別の電流変化率に対して、各軸、各符号の電流変化率の逆数を演算し、該電流変化率の逆数に基づいて前記永久磁石モータ内部の極性を含めた磁極位置を推定することを特徴とした永久磁石モータの駆動システム。
  6. 請求項2〜5のいずれかにおいて、
    前記電圧指令に対する前記微小電圧変化に伴い発生する前記永久磁石モータの電流変化率を所定値と比較して、該所定値以上になるように前記微小電圧変化の大きさまたは電動機周波数を調整する手段を備えたことを特徴とした永久磁石モータの駆動システム。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記インバータを駆動する手段として、三角波キャリアを用いたパルス幅変調制御を行うものとし、前記微小電圧変化を前記三角波キャリアに同期して変化するステップ信号とすることを特徴とした永久磁石モータの駆動システム。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、
    前記永久磁石モータの実際の磁極位置と推定磁束軸の誤差角が減少するように、前記制御装置の電動機周波数を制御することを特徴とした永久磁石モータの駆動システム。
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