JP2007060420A - 色変換装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 入力系装置の色再現範囲内にある色信号を、該入力系装置の色再現範囲よりも狭い出力系装置の色再現範囲内の色信号へ変換する際に、入力系装置における色の相対関係が出力系装置で変化してしまうことがある。
【解決手段】 入力系装置の色再現範囲最外郭101上にある最大彩度色Sについて、これを出力系装置の色再現範囲内に圧縮した色の彩度S'を取得する。そして、出力系の色再現範囲において点S’よりも彩度の大きい斜線の領域を削除して、出力系装置の色再現範囲最外郭102を103に修正する。これにより、入力系装置における最大彩度色に対応する出力系装置の色が、出力系装置における最大彩度の色となるため、色変換による彩度の逆転を抑制することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は色変換装置およびその方法に関し、特に、色再現範囲の異なる装置間において色信号を変換する色変換装置およびその方法に関する。
画像入出力装置の色特性は装置によって様々であるため、カラー画像データを異なるデバイス間で利用する場合、再現される色が見かけ上で異なってしまうという課題がある。このような課題を解決し、異なる装置間においてカラー画像の色再現を統一する方法として、カラーマネージメントシステム(以下、CMS)が利用されている。
CMSにおいては、同一のカラー画像を複数の画像入出力装置(例えば、カラーコピー、カラーモニタ、デジタルカメラ、カラープリンタ等)で良好に再現するため、各装置の色信号を相互変換するための共通色空間(以下カラーマッピング色空間)を利用する。装置間の色合わせは、当該カラーマッピング色空間の色信号が一致するように、入力系装置の色信号を出力系装置の色信号へ変換することで実現する。ここで、入力系装置とは色合わせの目標となる装置を示し、例えば、カラープリンタBの印刷色を、カラープリンタAの印刷色に合わせる場合、カラープリンタAが入力系装置、カラープリンタBが出力系装置となる。また、カラーマッピング色空間としては、CIEXYZ、CIELAB等の測色値空間や、測色値から所定の変換によって求められる色空間が利用される。好適には、後述する色域圧縮において人間の知覚特性を考慮した処理を実現するため、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)、色相(色味)、の色知覚の三属性に対応した色空間が利用される。
ところで、入力系装置の色に、出力系装置では再現できない色が含まれることがある。この例を図17に示す。図17は、カラーマッピング色空間の一例を示す模式図であり、横軸は彩度、縦軸は明度を示している。また、同図において5001は入力系装置の色再現範囲最外郭を示し、この線よりも彩度の高い色は入力系装置で再現できない。同様に5002は出力系装置の色再現範囲最外郭を示し、この線よりも彩度の高い色は出力系装置で再現できない。このとき、点Aが示す色は、入力系装置の色再現範囲最外郭5001よりも彩度が小さく
出力系装置の色再現範囲最外郭5002よりも彩度が高いため、入力系装置では再現できるが、出力系装置では再現できない。
このように、入力系装置の色再現範囲が出力系装置の色再現範囲よりも大きい場合、入力系装置の色には出力系装置で再現できない色が含まれる。このような場合、CMSでは色域圧縮によって、入力系装置の色を出力系装置の色再現範囲内の色へ変換する。
色域圧縮を行う際には、出力色の印象ができるだけ変わらないように、入力系装置の色を出力系装置の色再現範囲内の色に変換する。色相(色味)が変わると色の印象が大きく変わってしまうため、一般に色域圧縮においては、色相一定の等色相面において明度と彩度を変換する。
ここで図18を用いて、一般的な色域圧縮について説明する。図18は、一般的な色圧縮例を示すカラーマッピング色空間の模式図であり、横軸は彩度、縦軸は明度を示す。また、5001,5002は図17と同様に、それぞれ入力系装置および出力系装置の色再現範囲最外郭を示す。また、点Aは入系装置の色、点Oは明度軸上の所定の定点を示し、点Ciは点Oと点Aとを結ぶ直線が入力系装置の色再現範囲最外郭5001と交わる点、点Coは上記直線が出力系装置の色再現範囲最外郭5002と交わる点を示す。図18に示す色域圧縮によれば、後述する色信号変換関数に基づいて、線分OCi上の点に対応する入力系装置の色を、線分OCo上の点に対応する出力系装置の色へ変換する。その結果、例えば点Aは、出力系装置の再現範囲内の色である点Bへ変換される(例えば、特許文献1参照)。
図19は、図18に示した色域圧縮に用いられた色信号変換関数の一例を示す模式図であり、横軸は上記線分OCi上の入力系装置の色、縦軸は上記線分OCo上の出力系装置の色を示す。同図において、Qは線分OCoと線分OQとの距離の比が、例えば、1:0.7となるような線分OCo上の点である。この色信号変換関数によれば、入力色が線分OQ上の点で示される低彩度色のときは、入力系装置の色がそのまま出力系装置で再現され、入力色が線分QCi上の点で示される高彩度色のときは、入力系装置の色の明度と彩度が変換されて、出力系装置で再現される。
特開2005-18695公報
上述したような色域圧縮方法では、カラーマッピング色空間における「色再現範囲最外郭の情報」を用いて、入力色を出力系装置の再現範囲内の色に変換する。そして一般に、色域圧縮で用いられる出力系装置の「色再現範囲最外郭の情報」は、少なくとも入力系装置の色再現範囲内において、出力系装置の色再現範囲を最大限利用するように作成される。しかしながら、色域圧縮において出力系装置の色再現範囲を最大限利用すると、以下に示すように好適な色再現が実現できないことがある。
図20は、カラーマッピング色空間の模式図であり、図18と同様の構成要素には同一符号を付与し、説明を省略する。図20において、点Sは入力系装置の最大彩度色を示し、点S'は色域圧縮によって変換された点Sの色に対応する出力系装置の色を示す。同図に示されるように、点Sが示す色は入力系装置における最大彩度の色であるにもかかわらず、点S'が示す色は出力系装置における最大彩度の色ではない。そのため、例えば、入力系装置において点Sよりも彩度の小さい点Tが示す色が、出力系装置では点S'よりも彩度の大きい点T'が示す色に変換され、彩度の逆転が生じてしまう。
このように彩度の逆転が発生してしまうことは、特に高彩度色の階調性が重視され、入力系装置における色の相対関係を出力系装置でも維持することが求められる場合に、問題となる。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、CMSによる色信号変換の際に、入力系装置における色の相対関係が出力系装置で変化してしまうことを抑制する、色信号変換装置およびその方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための一手法として、本発明の色信号変換方法は以下の工程を備える。
すなわち、入力系の色再現範囲内にある色信号を、該入力系の色再現範囲よりも狭い出力系の色再現範囲内の色信号へ変換する色変換方法であって、前記入力系の最大彩度色である入力系最大彩度色を取得する入力系最大彩度取得ステップと、前記入力系最大彩度色を前記出力系の色再現範囲内に変換した色を出力系対応色として取得する出力系対応色取得ステップと、前記出力系対応色の彩度を出力系最大彩度として取得する出力系最大彩度取得ステップと、前記出力系の色再現範囲内の全ての彩度が前記出力系最大彩度以下となるように、該色再現範囲を修正する出力系色再現範囲修正ステップと、を有し、該修正された出力系色再現範囲に基づいて、前記入力系の色信号を前記出力系の色信号に変換することを特徴とする。
以上の工程からなる本発明によれば、入力系装置の色再現範囲に応じて出力系装置の色再現範囲を修正することにより、CMSにおいて彩度の逆転を抑制して色の相対関係を維持し、良好な色域圧縮を実現することができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1に、本実施形態の色域圧縮処理を行うブロック構成を示す。同図において、色域圧縮部201は、入力系装置色再現範囲情報格納部202に格納された入力系装置の色再現範囲情報と、出力系装置色再現範囲情報格納部203に格納された出力系装置の色再現範囲情報とを用いた色域圧縮を行う。すなわち、入力系装置に対応した色信号LABを、出力系装置で再現可能な色信号L'A'B'に変換する。ここで、入力系装置色再現範囲情報格納部202および出力系装置色再現範囲情報格納部203に格納される色再現範囲情報は、例えば、離散的な色相角と明度とに関する最大彩度を保持したLUTである。色域圧縮部201は、当該LUTを用いた周知の色域圧縮方法または色域伸張方法によって、任意の色信号LABを出力系装置で再現可能な色信号L'A'B'に変換する。
本実施形態の色域圧縮処理においては、出力系装置色再現範囲情報格納部203に格納されている色再現範囲情報に対し、入力系装置の色再現範囲情報に応じた修正が施されていることを特徴とする。以下、この修正方法について詳細に説明する。
●色再現範囲情報の修正方法概要
本実施形態では、出力系装置の色再現範囲最外郭の一部を削除(カッティング)するように、出力系装置の色再現範囲情報を修正することによって、彩度の逆転を抑制する。
図2は、本実施形態における色再現範囲最外郭のカッティング方法を説明するカラーマッピング色空間の模式図であり、横軸は彩度、縦軸は明度を示す。図2において、101,102は、それぞれ入力系装置および出力系装置の色再現範囲最外郭を示す。また、同図において、点Sは入力系装置の最大彩度色を示し、点S'は色域圧縮によって変換された点Sの色に対応する出力系装置の色を示す。図2によれば、点Sが示す色は入力系装置における最大彩度の色であるにもかかわらず、点S'が示す色は出力系装置における最大彩度の色ではない。そこで本実施形態においては同図に示すように、出力系装置の色再現範囲から点S’よりも彩度の大きい斜線の領域を削除することによって、出力系装置の色再現範囲最外郭102が、103に修正される。
このように、出力系装置の色再現範囲内において点S'よりも彩度の大きい領域を削除することによって、出力系装置の色再現範囲内の全ての彩度が点S'以下となる。すなわち、入力系装置における最大彩度色に対応する出力系装置の色が、出力系装置における最大彩度の色となるため、色変換による彩度の逆転を抑制することができる。
●色再現範囲情報詳細
本実施形態における入力系装置および出力系装置の色再現範囲情報(以下、単に色再現範囲情報と称する)は、色域圧縮部201において入力色信号が色再現範囲内であるか色再現範囲外であるかを判定する際に参照される。
図3は、本実施形態における色再現範囲情報の一例を示すLUTである。当該LUTは、離散的な色相角と明度とに関する最大彩度を保持する。
色域圧縮部201においては、入力色信号が色再現範囲内であるか否かの判定を以下の手順で実施する。
まず、入力色信号の色相角と明度に基づき、上記LUTを用いた周知の補間方法によって、当該色相角と明度における最大彩度を求める。そして、得られた最大彩度と入力色信号の彩度を比較し、入力色信号の彩度が最大彩度と等しい、もしくは最大彩度よりも小さい場合は色再現範囲内と判定し、入力色信号の彩度が最大彩度よりも大きい場合は色再現範囲外と判定する。
●色再現範囲情報の修正方法詳細
図4は、本実施形態における出力系装置の色再現範囲情報の修正手順を示すフローチャートである。
まずステップS401において、入力系装置色再現範囲情報格納部202および出力系装置色再現範囲情報格納部203から、入力系装置および出力系装置の色再現範囲情報をそれぞれ取得する。そしてステップS402において、色相角hの初期設定を行う。
次にステップS403において、色相角hにおける入力系装置の最大彩度色を取得する。ここで入力系装置の最大彩度色は、ステップS401で取得した入力系装置の色再現範囲情報において、色相角hにおいて最大となる、最大彩度色を検索することによって求められる。
次にステップS404において、ステップS403で取得した入力系装置の最大彩度色に対応する、出力形装置の色を取得する。ここで入力系装置の最大彩度色に対応する出力系装置の色は、ステップS401で取得した入力系装置および出力系装置の色再現範囲情報に基づいて、当該入力系装置の最大彩度色を色域圧縮することによって求められる。
次にステップS405において、ステップS404で取得した出力系装置の対応色の彩度をCmaxとして取得した後、ステップS406において明度Lの初期設定を行う。次にステップS407において、ステップS401で取得した出力系装置の色再現範囲情報から、色相角hおよび明度Lに関する彩度Cを取得する。
そしてステップS408において、ステップS407で取得した彩度CがステップS405で取得した彩度Cmaxを超えるか否かを判定する。そして、彩度Cが彩度Cmaxを超える場合はステップS409へ進み、彩度Cが彩度Cmaxを超えない場合はステップS410へ進む。ステップS409では、出力系装置の色再現範囲情報の色相角hおよび明度Lに関する彩度をCからCmaxへ修正することによって、出力系装置における彩度のカッティングを実行する。
ステップS410においては、全ての明度Lについて処理が終了したか否かを判定し、終了した場合にはステップS411へ進み、終了していない場合にはステップS412へ進む。ステップS411では、全ての色相角hについて処理が終了した否かを判定し、終了した場合には処理を終了し、終了していない場合にはステップS413へ進む。
なお、ステップS412においては明度Lを更新してステップS407へ進み、また、ステップS413では色相角hを更新してステップS403へ進む。
以上のように出力系装置の色再現範囲情報における彩度カッティングが行われることによって、出力系装置において、入力系装置の最大彩度に対応する彩度が最大彩度となるように、色再現範囲情報が修正される。本実施形態の出力系装置色再現範囲情報格納部203
には、このように修正された色再現範囲情報が格納されている。
以上説明したように本実施形態によれば、入力系装置の色再現範囲内の色信号を出力系装置の色再現範囲内の色信号へ変換する色域圧縮の前処理として、入力系装置の色再現範囲情報に応じて出力系装置の色再現範囲情報を修正する。このとき、出力系装置の色再現範囲最外郭の一部を削除(カッティング)することによって、後段の色域圧縮では、各色相で入力系装置の最大彩度色が出力系装置の最大彩度色に変換され、彩度の逆転が抑制される。すなわち、入力系装置における色の相対関係が出力系装置で変わることを抑制し、良好な色域圧縮を実現することができる。
<第1実施形態の変形例1>
本実施形態における色再現範囲情報は、上述した例に制限されるものではない。図5は、本実施形態における色再現範囲情報の別の例を説明する等色相面の模式図であり、横軸は彩度、縦軸は明度を示す。また、図5において、501は色再現範囲最外郭、点Oは明度軸上の所定の色信号、点Pは色再現範囲最外郭上の色信号、θは彩度軸と直線OPとの成す角度、をそれぞれ示す。同図において、色再現範囲は、離散的な色相角と上記θに関する直線OPの距離(S)によって表わすことができる。この場合、色再現範囲情報は図6に示すように、離散的な色相角hとθに関する直線OPの距離Sを格納したLUTである。
ここで、入力色信号が色再現範囲内の色信号であるか否かの判定は、以下の手順で実施する。まず、入力色信号の色相角とθから、当該LUTを用いた公知の補間方法によって色再現範囲を示す直線OPの距離Sを求める。次に、入力色信号と上記点Oが示す色信号との距離S'を求め、当該S'が上記Sと等しい、もしくは上記Sよりも小さい場合は色再現範囲内と判定し、S'が上記Sよりも大きい場合には色再現範囲外と判定する。
上記、離散的な色相角hとθに関する直線OPの距離Sを格納したLUT(以下、LUT2)は、図3に示す離散的な色相角と明度に関する最大彩度を格納したLUT(以下、LUT1)を用いて作成することが可能である。また逆に、上記LUT1は上記LUT2を用いて作成することが可能である。よって、色再現範囲情報として上記LUT2が与えられた場合は、例えば、以下の手順で色再現範囲情報を修正することができる。すなわち、与えられたLUT2の色再現範囲情報を一旦LUT1に変換し、次にLUT1の色再現範囲情報を上記図4を用いて説明した手順で修正した後、再度LUT2に変換する。
LUT2はLUT1を用いて以下の手順で作成される。まず、離散的な色相角hとθに関して、上記直線OP上の点で且つ色再現範囲内の点である点Piと、同じく直線OP上の点で且つ色再現範囲外の点である点Poとを設定する。次にPiとPoとの中点Pmを求めて、点Pmが色再現範囲内の場合には、PiをPmで更新し、点Pmが色再現範囲外の場合にはPoをPmで更新する。PiとPmとの距離が所定の値以下になった時、Piは色再現範囲最外郭を近似する点であり、色相角hとθに関する色再現範囲情報は線分OPiの距離で与えられる。
同様に、LUT1はLUT2を用いて以下の手順で作成される。まず、離散的な色相角hと明度Lとに関して、彩度が小さく色再現範囲内である点Piと、彩度が大きく色再現範囲外である点Poとを設定する。次にPiとPoとの中点Pmを求めて、点Pmが色再現範囲内の場合には、PiをPmで更新し、点Pmが色再現範囲外の場合にはPoをPmで更新する。PiとPmとの距離が所定の値以下になった時、Piは色再現範囲最外郭を近似する点であり、色相角hと明度Lとに関する色再現範囲情報は、Piが示す色の彩度で与えられる。
以上説明したように変形例1によれば、色再現範囲情報が図6に示すように、任意の色相角において色再現範囲最外郭上の色信号が所定の彩度軸となす角度、および該彩度軸原点からの距離によって構成される。このような色再現範囲情報の構成でも、上述した第1実施形態と同様の修正が可能であり、同様の効果を得ることができる。
<第1実施形態の変形例2>
本実施形態における色再現範囲情報の、さらに別の例を説明する。色再現範囲最外郭は多角形の集合で表わすことが可能である。この場合、色再現範囲情報は例えば、上記多角形の頂点の座標で与えられる。図7は、本変形例の色再現範囲情報を示すLUTである。LUTには、色再現範囲最外郭を構成する三角形の頂点の座標(L,A,B)が格納されている。図8は、本変形例における色再現範囲情報の一例を説明するCIELAB色空間の模式図であり、点Oは色再現範囲内の所定の色信号、点X,Y,Zは色再現範囲最外郭上の色信号、点Aは入力色信号を示す。上記点X,Y,Zによって構成される三角形は、色再現範囲最外郭を三角形の集合で表現するとき、当該集合に含まれる三角形である。各点の座標をO(Lo,Ao,Bo)、X(Lx,Ax,Bx)、Y(Ly,Ay,By)、Z(Lz,Az,Bz)、A(La,Aa,Ba)とするとき、次式で与えられるパラメータp1,p2,p3,p4が全て0以上で且つ1以下である場合、入力色信号を示す点Aは、四面体OZYZの内部の点である。
Figure 2007060420
よって、色再現範囲内の点Oと、色再現範囲最外郭を構成する三角形の頂点X,Y,Zからなる四面体の集合について、上記パラメータp1,p2,p3,p4を確認すれば、入力色信号が色再現範囲内であるか否かを判定することができる。すなわち、いずれかの四面体において、「パラメータp1,p2,p3,p4が全て0以上で且つ1以下である」という条件が満たされた場合、入力色信号は色再現範囲内の色と判定され、その他の場合、入力色信号は色再現範囲外の色と判定される。
色再現範囲情報として図7に示すLUTが与えられた場合には、図9のフローチャートに示す手順で色再現範囲情報を修正する。
まずステップS801において、出力系装置の色再現範囲情報から、色再現範囲最外郭を構成する三角形の頂点の色信号の一つを設定する。次にステップS802において、ステップS801で設定した色信号から当該色信号の明度Lt、彩度Ct、色相角htを求める。
次にステップS803において、入力系装置の色再現範囲情報から、上記色相角htにおける離散的な明度に関する入力系装置の色再現範囲最外郭の彩度を取得する。色再現範囲最外郭の彩度は、上記変形例1で説明した方法によって求められる。すなわち、色相角htと所定の明度とを有する2つの色信号であって、当該色信号の片方が色再現範囲内であり、もう片方が色再現範囲外であり、当該2つの色の差が所定の閾値よりも小さい色信号、を探索する。これにより、色再現範囲最外郭の彩度は、当該2つの色信号のうちの、色再現範囲内にある色信号の彩度によって与えられる。
次にステップS804において、同様に上記色相角htにおける離散的な明度に関する出力系装置の色再現範囲最外郭の彩度を取得する。次にステップS805において、ステップS803で求めた入力系装置の色再現範囲最外郭の彩度から、色相角htにおける入力系装置の最大彩度色を取得する。次にステップS806において、ステップS805で取得した当該入力系装置の最大彩度色に対応する出力形装置の色を取得する。入力系装置の最大彩度色に対応する出力系装置の色は、入力系装置および出力系装置の色再現範囲情報に基づいて、当該入力系装置の最大彩度色を色域圧縮することによって求められる。
次にステップS807において、ステップS806で取得した色の彩度Cmaxを取得し、ステップS808において、ステップS802で取得した彩度CtがステップS807で取得した彩度Cmaxを超えるか否かを判する。彩度Ctが彩度Cmを超える場合はステップS809へ進み、彩度Ctが彩度Cmを超えない場合はステップS810へ進む。
ステップS809では、ステップS801で設定した色信号を、ステップS802で求めた明度Ltと色相角ht、およびステップS807で取得した彩度Cm、によって示される色信号へ修正することにより、実質的な彩度カッティングを行う。
そしてステップS810では、色再現範囲情報を構成する三角形の頂点の全ての色信号の処理が終了したか否かを判定し、終了していなければステップS801へ戻る。
以上説明したように変形例2によれば、色再現範囲情報が色再現範囲最外郭を示す三角形の頂点の座標によって構成される場合でも、上述した第1実施形態と同様の修正が可能であり、同様の効果を得ることができる。
<第1実施形態の変形例3>
本実施形態における色再現範囲最外郭のカッティング方法は、図2を用いて説明した例に制限されるものではない。図10は、カッティング方法の別の例を説明するカラーマッピング色空間の模式図であり、上記図2と同じ構成要素には同じ符号を付与し、説明を省略する。図10において、903は修正後の色再現範囲最外郭を示す。同図に示すように、本変形例における色再現範囲最外郭の修正では、入力系装置の最大彩度色Sに対応する出力系装置の色S'を通る所定の傾きの2直線を設定し、出力系装置の色再現範囲から当該直線よりも彩度の大きい範囲を削除する。
このように、点S'を通る直線よりも彩度の大きい範囲を削除することによって、入力系装置において最大彩度色よりも彩度の小さい色は、出力系装置においても最大彩度色よりも彩度の小さい色として再現される。さらに、カッティング境界として傾きの異なる2本の直線を利用することにより、上述した第1実施形態よりもきめ細かい制御が可能となる。第1実施形態の図2に示すカッティング方法はすなわち、変形例3における2本の直線を、傾きが無限大の1本に統合した場合に相当する。
図11は、本変形例のカッティングにおける色再現範囲情報の修正手順を示すフローチャートであり、図4と同じステップには同じ符号を付与し、説明を省略する。
同図によれば、ステップS401で色再現範囲情報を取得した後にステップS1002において、上記カッティングに利用するカッティング情報として、2直線の傾きα1およびα2を取得する。そして、ステップS402からステップS404によって、入力系装置の最大彩度色に対応する出力系装置の色を取得する。このとき、取得した出力系装置の対応色の彩度をCmax、明度をLmaxとして取得しておく。
次にステップS1005において、本変形例のカッティングに利用する2直線を設定する。当該2直線は、ステップS1002で取得した傾きα1およびα2と、ステップS404で取得した入力系装置の最大彩度色に対応する出力系装置の色(Cm,Lm)とに基づき、以下の式(3),(4)で与えられる。
L=α1(C−Cm)+Lm ・・・(3)
L=α2(C−Cm)+Lm ・・・(4)
その後、ステップS406で明度Lを初期設定した後、ステップS1007において、制限彩度Cmax'を取得する。当該制限彩度Cmax'は、上記ステップS406で設定した明度Lを式(3)に代入して得られる彩度Cと、式(4)に代入して得られる彩度Cとのうち、値の小さい彩度で与えられる。そしてステップ407において、出力系装置の色再現範囲最外郭の彩度である最大彩度Cを取得した後、ステップS1008において、ステップS407で取得した最大彩度CがステップS1007で取得した制限彩度Cmax'を超えるか否かを判定する。彩度Cが制限彩度Cmax'を超える場合はステップS1009へ進み、彩度Cが彩度Cmax'を超えない場合はステップS410へ進む。
ステップS1009においては、出力系装置の色再現範囲情報の色相角hおよび明度Lに関する彩度をCからCmax'へ修正することによって、出力系装置における彩度のカッティングを実行する。
以上説明したように変形例3によれば、入力系装置の最大彩度色に対応する出力系装置の色Sを通る2直線を設定し、出力系装置の色再現範囲について当該直線よりも彩度の大きい範囲を削除することによって、出力系装置の色再現範囲情報を修正する。これにより、上述した第1実施形態よりもさらにきめの細かい修正を可能とし、より良好な色域圧縮を実現することができる。
なお、変形例3は、上記変形例1または変形例2に対しても適用可能であることは言うまでもない。
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、上述した第1実施形態に示した出力系装置の色再現範囲修正方法を用いて、入力系装置の色信号を出力系装置の色信号へ変換するCMSを示す。
●CMS概要
図12に、第2実施形態に係る色信号変換装置の一実施形態としてのCMSの概要構成を示す。同図に示すように第2実施形態におけるCMSでは、入力系装置色信号変換部5401、色域圧縮部5402、出力系装置色信号変換部5403によって、入力系装置の色信号RGBを出力系装置の色信号R'G'B'へ変換する。この各部における変換時に、入力系装置プロファイル格納部5404、出力系装置プロファイル格納部5405、入力系装置色再現範囲情報格納部5406、出力系装置色再現範囲情報格納部5407が参照される。
入力系装置色信号変換部5401は、入力系装置プロファイル格納部5404に格納された入力系装置の色再現特性情報を用いて、入力系装置の色信号RGBを色域圧縮を行うための色空間であるカラーマッピング色空間の色信号LABに変換する。ここで、入力系装置プロファイル格納部5404に格納される入力系装置の色再現特性情報は、例えば、離散的な色信号RGBに関するカラーマッピング色空間の色信号LABを保持したルックアップテーブル(以下LUT)である。入力系装置色信号変換部5401は、当該LUTを用いた周知の補間方法によって、色信号RGBをカラーマッピング色空間の色信号LABに変換する。
色域圧縮部5402は、入力系装置色再現範囲情報格納部5406に格納された入力系装置の色再現範囲情報と、出力系装置色再現範囲情報格納部5407に格納された出力系装置の色再現範囲情報とを用いた色域圧縮を行う。すなわち、入力系装置色信号変換部5401によって変換された色信号LABを、出力系装置で再現可能な色信号L'A'B'に変換する。ここで、入力系装置色再現範囲情報格納部5406および出力系装置色再現範囲情報格納部5407に格納される色再現範囲情報は、例えば、離散的な色相角と明度とに関する最大彩度を保持したLUTである。色域圧縮部5402は、当該LUTを用いた周知の色域圧縮方法または色域伸張方法によって、任意の色信号LABを出力系装置で再現可能な色信号L'A'B'に変換する。
なお、この色域圧縮部5402が、上述した第1実施形態で示した色域圧縮部201に相当する。また同様に、入力系装置色再現範囲情報格納部5406および出力系装置色再現範囲情報格納部5407がそれぞれ、入力系装置色再現範囲情報格納部202および出力系装置色再現範囲情報格納部203に相当する。
出力系装置色信号変換部5403は、出力系装置プロファイル格納部5405に格納される出力系装置の色再現特性情報を用いて、カラーマッピング色空間の色信号L'A'B'を出力系装置の色信号R'G'B'へ変換する。ここで、出力系装置プロファイル格納部5405に格納される出力系装置の色再現特性情報は、例えば、離散的な色信号R'G'B'に関するカラーマッピング色空間の色信号L'A'B'を保持したLUTである。出力系装置色信号変換部5403は、当該LUTを用いた公知の検索方法および補間方法によって、色信号L'A'B'を対応する出力系装置の色信号R'G'B'に変換する。
第2実施形態においてはすなわち、図12に示すCMSにおいて、出力系装置色再現範囲情報格納部5407に格納する色再現範囲情報を、上記第1実施形態で説明した色再現範囲修正方法によって修正した後に、一連の色変換処理を行うことを特徴とする。
●色信号変換処理
図13は、第2実施形態のCMSにおける色信号変換手順を示すフローチャートである。まずステップS1101において、入力系装置プロファイル格納部5404および出力系装置プロファイル格納部5405に格納された、入力系装置の色再現特性情報および出力系装置の色再現特性情報を取得する。ここで、当該入力系装置の色再現特性情報は第1実施形態でも説明したように、離散的な入力系装置の色信号RGBに関するカラーマッピング色空間の色信号LABを保持したLUTである。このLUTは例えば、8ビットRGB色信号の9スライス格子点({R,G,B}={0,0,0},{0,0,32},{0,0,64},...,{0,0,255},{0,32,0},...,{255,255,255})に対応する測色値を格納したテーブルである。同様に、出力系装置の色再現特性情報は、離散的な出力系装置の色信号R'G'B'に関するカラーマッピング色空間の色信号L'A'B'を保持したLUTである。
次にステップS1102において、ステップS1101で取得した出力系装置の色再現特性情報から、出力系装置の色再現範囲情報を取得する。そしてステップS1103において、ステップS1101で取得した入力系装置の色再現特性情報から、入力系装置の色再現範囲情報を取得する。なお、これらの色再現範囲情報の取得方法の詳細については後述するが、取得された各色再現範囲情報はそれぞれ、出力系装置色再現範囲情報格納部5407および入力系装置色再現範囲情報格納部5406に格納される。
次にステップS1104において、ステップS1102で取得した出力系装置の色再現範囲情報と、ステップS1103で取得した入力系装置の色再現範囲情報に基づき、上記第1実施形態で説明した方法を用いて、出力系装置の修正色再現範囲情報を取得する。すなわち、このステップS1104において図4に示す処理を実行する。この処理によって、出力系装置色再現範囲情報格納部5407に格納されている色再現範囲情報が、彩度逆転を抑制するように更新される。
そして以下の処理から、実質的な色信号変換処理が開始される。まずステップS1105において、入力色信号RGBを取得する。
次にステップS1106で入力系装置色信号変換部5401において、ステップS1105で取得した入力色信号RGBと、ステップS1101で取得した入力系装置の色再現特性情報とに基づき、周知の補間方法を用いた色信号変換を行う。これにより、上記入力色信号RGBに対応するカラーマッピング色空間の色信号LABが取得される。
次にステップS1107で色域圧縮部5402において、ステップS1106で取得した色信号LABと、ステップS1103で取得した入力系装置の色再現範囲情報と、ステップS1104で取得した出力系装置の修正色再現範囲情報とに基づき、周知の色域圧縮を行う。これにより、上記色信号LABに対応する出力系装置の色再現範囲内の色信号L'A'B'が取得される。
次にステップS1108で出力系装置色信号変換部5403において、ステップS1107で取得した色信号L'A'B'と、ステップS1101で取得した出力系装置の色再現特性情報とに基づき、周知の補間、検索方法を用いた色信号変換を行う。これにより、上記色信号L'A'B'に対応する出力系装置の色信号R'G'B'が取得される。
そしてステップS1109において、全ての色信号について変換が終了したか否かを判定し、終了していない場合はステップS1105へ戻る。
●色再現範囲情報の取得方法
以下、上記ステップS1102およびS1103における、色再現範囲情報を取得する処理について、詳細に説明する。
上記ステップS1102およびS1103においては、ステップS1101で取得した色再現特性情報に基づいて色再現範囲情報を生成することを特徴とする。ここで色再現特性情報は上述したように、離散的なRGB格子点に対応するカラーマッピング色空間の色信号である。また色再現範囲情報は、上記変形例2で説明した図7に示すLUTであるとする。すなわち当該LUTは、カラーマッピング色空間において色再現範囲最外郭を構成する三角形の頂点の座標(色信号)を格納する。そして、カラーマッチング色空間における色再現範囲最外郭上の三角形は、一般にRGB色空間における色再現範囲最外郭上の三角形に対応する。よって、色再現範囲情報は、RGB色空間において色再現範囲最外郭を構成する三角形の集合を設定し、色再現特性情報を用いて当該三角形の頂点に対応するカラーマッチング色空間の色信号を取得し、当該色信号をLUTに格納することによって生成される。
図14は、RGB色空間における色再現範囲最外郭を示す模式図である。同図の拡大部分において黒丸は格子点を示し、当該格子点に対応するカラーマッピング色空間の色信号は、上記ステップS1101で取得される色再現特性情報に含まれる。また、図14に示すように色再現範囲最外郭は、上記格子点を頂点とする三角形の集合として表わすことができる。色再現範囲最外郭を構成する三角形は、例えば、三角形P1P2P3や三角形P2P3P4であり、色再現範囲情報のLUTには当該三角形の頂点に対応したカラーマッピング色空間の色信号が格納される。
なお、第2実施形態において説明した色再現範囲情報は上記例に限らず、他の構成であっても良いことは言うまでもない。例えば第1実施形態で説明した「離散的な色相角と明度に関する最大彩度を保持するLUT」や、変形例1で説明した「離散的な色相角hとθに関する距離Sを格納したLUT」であっても良い。これらの構成の色再現範囲情報は、上記「色再現範囲最外郭を構成する三角形の頂点の色信号を格納したLUT」を用いて取得することができる。
具体的には、「離散的な色相角と明度に関する最大彩度を保持するLUT」は以下の手順で取得される。すなわち、まず離散的な色相角と明度に関し、当該色相角と明度とを有する2つの色信号であり、当該色信号の片方が色再現範囲内であり、もう片方が色再現範囲外であり、当該2つの色の差が所定の閾値よりも小さい色信号を探索する。そして、当該2つの色信号のうち色再現範囲内である色信号の彩度を格納することによって、当該LUTが取得される。
また同様に、「離散的な色相角とθとに関する距離Sを格納したLUT」は以下の手順で取得される。すなわち、まず離散的な色相角とθとに関し、当該色相角とθとを有する2つ
の色信号であり、当該色信号の片方が色再現範囲内であり、もう片方が色再現範囲外であり、当該2つの色の差が所定の閾値よりも小さい色信号を探索する。そして、当該2つの色信号のうち色再現範囲内である色信号と色信号Oとの距離を格納することによって、当該LUTが取得される。
以上説明したように第2時実施形態によれば、上述した第1実施形態で示した修正色再現範囲情報を用いて、入力系装置の色信号を出力系装置の色信号へ変換する。すなわち、出力系装置の色再現特性から出力系装置の色再現範囲情報を取得し、当該色再現範囲情報を上記第1実施形態の色再現範囲修正方法によって修正し、入力色信号を、該修正された色再現範囲内の出力系装置の色信号へ変換する。これにより、各色相で入力系装置の最大彩度色が出力系装置の最大彩度色に変換され、入力系装置における色の相対関係が出力系装置で変わってしまう不具合を抑制することができる。
<第3実施形態>
以下、本発明に係る第3実施形態について説明する。第3実施形態は、上述した第2実施形態で示した色信号変換処理において、色再現範囲情報の修正をユーザ指示に基づいて実施することを特徴とする。
図15は、第3実施形態における色信号変換手順を示すフローチャートであり、第2実施形態の色信号変換手順を示す図13と同様の内容であるステップについては同一ステップ番号を付与し、詳細な説明を省略する。
まずステップS1301において、色再現範囲修正情報を取得する。この色再現範囲修正情報は、色再現範囲情報の修正を行うか否か、または/および色再現範囲情報の修正方法、または/および色再現範囲情報の修正に係わるパラメータ、を示すものである。第3実施形態の色信号変換方法においては、上記色再現範囲修正情報に基づいて、色信号の変換を行うことを特徴とする。
引き続き、ステップS1101乃至ステップS1103によって装置の色再現特性情報と色再現範囲情報を取得した後、ステップS1304において、ステップS1301で取得した色再現範囲修正情報に基づき、利用色再現範囲情報を設定する。ここで、ステップS1301で取得した色再現範囲修正情報が「色再現範囲情報の修正を行わない」という情報であれば、当該利用色再現範囲情報としてステップS1102で取得した出力系装置の色再現範囲情報を設定する。一方、色再現範囲修正情報が「色再現範囲情報の修正を行う」という情報であれば、当該利用色再現範囲情報として修正された色再現範囲情報を設定する。すなわち第3実施形態においては、ステップS1301で取得した、色再現範囲情報の修正方法や色再現範囲情報の修正に係わるパラメータと、ステップS1102およびステップS1103で取得した装置の色再現範囲情報とに基づき、出力系装置の色再現範囲情報を修正し、利用色再現範囲情報として設定する。なお、色再現範囲情報の修正は、上述した第1実施形態において説明した方法による彩度カッティングを行う。
引き続き、ステップS1105で入力色信号を取得し、ステップS1106で当該入力色信号をカラーマッピング色空間の色信号へ変換した後、ステップS1307において色域圧縮を行う。当該色域圧縮は、ステップS1304において設定した利用色再現範囲情報を用いて、ステップS1106で取得した色信号を上記利用色再現範囲内の色信号へ変換する。続いてステップS1108において、ステップS1307で取得した色信号を出力系装置の色信号へ変換する。そしてステップS1109において、全ての色信号に関して変換が終了したか否かを判定し、終了していなければステップS1105へ戻る。
●ユーザインターフェース
図16は、第3実施形態において色再現特性情報および色再現範囲修正情報を取得するためのユーザインターフェース(以下、UI)の一例を示す図である。図16に示すように当該UIは、入力系装置を指定するリストボックス1401、出力系装置を指定するリストボックス1402、色域圧縮方法を指定するリストボックス1403、を有する。当該UIはさらに、色再現範囲を修正するか否かを選択するチェックボタン1404、色再現範囲修正方法を指定するリストボックス1405、色再現範囲の修正レベルを指定するスライドバー1406、OKボタン1407、キャンセルボタン1408、を有する。
同図に示すUIにおいては、OKボタン1407が押下された時点での各種設定が有効となる。すなわち、OKボタン1407が押下されたタイミングで、リストボックス1401のプルダウンリストから選択された入力系装置について、そのプロファイルが読み込まれ、当該入力系装置の色再現特性が取得される。同様に、リストボックス1402のプルダウンリストから選択された出力系装置について、そのプロファイルが読み込まれ、当該出力系装置の色再現特性が取得される。また、リストボックス1403のプルダウンリストから選択された色域圧縮方法が設定され、図15のステップS1307における色域圧縮は、ここで設定された色域圧縮方法によって行われる。
チェックボタン1404がチェックされるとリストボックス1405が表示され、色再現範囲の修正方法が取得される。OKボタン1407が押下された時点でチェックボタン1404がチェックされた状態であれば、色再現範囲修正情報として「色再現範囲情報の修正を行う」が設定される。これにより図15のステップS1304において、修正された色再現範囲が利用色再現範囲情報に設定される。
一方、チェックボタン1404のチェックが解除されると、リストボックス1405はグレイアウトされる。OKボタン1407が押下された時点でチェックボタン1404のチェックが解除された状態であれば、色再現範囲修正情報として「色再現範囲情報の修正を行わない」が設定される。これにより図15のステップS1304において、利用色再現範囲情報にステップS1102で取得した出力系装置の色再現範囲情報が設定される。なお、チェックボタン1404には、「高彩度色の階調反転を抑制する」等のキャプションを使用してもよい。
リストボックス1405は、チェックボタン1404がチェックされると表示され、該チェックが解除されるとグレイアウトされる。チェックボタン1404がチェックされている場合に、リストボックス1405のプルダウンリストから色再現範囲修正方法を選択することが可能となり、該選択された方法で色再現範囲の修正が行われる。ここで選択可能な色再現範囲の修正方法としては例えば、第1実施形態で説明した方法や、変形例3で説明した方法であり、これらの修正方法の名称をあらかじめリストに登録しておく。
また、リストボックス1405で選択された修正方法にパラメータが必要な場合、当該パラメータを取得するためにスライドバー1406が表示される。一方、リストボックス1405で選択された修正方法には特にパラメータが必要ない場合、スライドバー1406はグレイアウトされる。当該パラメータとしては例えば、変形例3で説明した式(3),(4)のα1,α2である。スライドバー1406を最も左に設定した場合、α1に100、α2に-100が設定され、スライドバー1406を最も右に設定した場合、α1に5、α2に-5が設定される。
OKボタン1407が押下されると、その時点で選択されている情報により、該当する設定が更新される。一方、キャンセルボタン1408が押下されると、選択された情報はキャンセルされ、設定値は更新されない。
以上説明したように第3実施形態によれば、上記第2実施形態の色信号変換方法において、上記色再現範囲情報の修正を行うか否かまたは/および色再現範囲情報の修正方法または/および色再現範囲情報の修正パラメータを、対話的に設定することができる。したがって、ユーザの要求に柔軟に対応した、きめ細かい色信号変換が可能となる。
<他の実施形態>
以上、実施形態例を詳述したが、本発明において入力系装置および出力系装置として説明した2台の異なる装置による構成を、一つの装置内において異なるメディアに対応するものとして構成しても良い。例えば、1台のプリンタにおける光沢紙の色再現を、色再現範囲の異なる普通紙において再現する場合にも、本発明は好適である。
また本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。

尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。なお、この場合のプログラムとは、実施形態において図に示したフローチャートに対応したプログラムである。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD-ROM,DVD-R)などがある。
プログラムの供給方法としては、以下に示す方法も可能である。すなわち、クライアントコンピュータのブラウザからインターネットのホームページに接続し、そこから本発明のコンピュータプログラムそのもの(又は圧縮され自動インストール機能を含むファイル)をハードディスク等の記録媒体にダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせることも可能である。すなわち該ユーザは、その鍵情報を使用することによって暗号化されたプログラムを実行し、コンピュータにインストールさせることができる。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、実行されることによっても、前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、該プログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことが可能である。
本発明に係る一実施形態における色域圧縮処理を行う構成を示すブロック図である。 本実施形態における等色相面での色再現範囲の削除を説明する模式図である。 本実施形態における色再現範囲情報を示す図である。 本実施形態における色再現範囲の修正処理を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例1における等色相面での色再現範囲を示す図である。 本実施形態の変形例1における色再現範囲情報を示す図である。 本実施形態の変形例2における色再現範囲情報を示す図である。 本実施形態の変形例2におけるCIELAB色空間での色再現範囲情報を示す図である。 本実施形態の変形例2における色再現範囲の修正処理を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例3における等色相面での色再現範囲の削除を説明する図である。 本実施形態の変形例3における色再現範囲の修正処理を示すフローチャートである。 第2実施における色信号変換装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態における色信号変換処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるRGB色空間での色再現範囲最外郭を示す模式図である。 第3実施形態における色信号変換処理を示すフローチャートである。 第3実施形態における色信号変換情報取得用のUI例を示す図である。 一般的な色域圧縮を説明するための等色相面の模式図である。 一般的な色域圧縮を説明するための等色相面の模式図である。 一般的な色域圧縮における入出力変換関数例を示す図である。 一般的な色域圧縮による彩度逆転を説明するための等色相面の模式図である。

Claims (18)

  1. 入力系の色再現範囲内にある色信号を、該入力系の色再現範囲よりも狭い出力系の色再現範囲内の色信号へ変換する色変換方法であって、
    前記入力系の最大彩度色である入力系最大彩度色を取得する入力系最大彩度取得ステップと、
    前記入力系最大彩度色を前記出力系の色再現範囲内に変換した色を出力系対応色として取得する出力系対応色取得ステップと、
    前記出力系対応色の彩度を出力系最大彩度として取得する出力系最大彩度取得ステップと、
    前記出力系の色再現範囲内の全ての彩度が前記出力系最大彩度以下となるように、該色再現範囲を修正する出力系色再現範囲修正ステップと、を有し、
    該修正された出力系色再現範囲に基づいて、前記入力系の色信号を前記出力系の色信号に変換することを特徴とする色変換方法。
  2. 前記出力系の色再現範囲は、任意の色相角における明度−彩度色空間上で表され、
    前記色再現範囲修正ステップにおいては、任意の色相角における出力系の色再現範囲において、彩度が前記出力系最大彩度を超える領域を削除する
    ことを特徴とする請求項1記載の色変換方法。
  3. 前記色再現範囲修正ステップにおいては、任意の色相角における出力系の色再現範囲において、彩度が前記出力系最大彩度を通る所定の傾きの直線を超える領域を削除することを特徴とする請求項2記載の色変換方法。
  4. 前記色再現範囲修正ステップにおいては、任意の色相角における出力系の色再現範囲において、彩度が前記出力系最大彩度を通る所定の傾きの2本の直線のいずれかを超える領域を削除することを特徴とする請求項3記載の色変換方法。
  5. 前記出力系の色再現範囲は、任意の色相角に対する明度値および彩度値によって表されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の色変換方法。
  6. 前記出力系の色再現範囲は、任意の色相角において色再現範囲最外郭上の色信号が所定の彩度軸となす角度、および該彩度軸原点からの距離によって表されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の色変換方法。
  7. 前記出力系の色再現範囲は、色再現範囲最外郭を示す三角形の頂点座標によって表されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の色変換方法。
  8. さらに、前記入力系の色再現特性および前記出力系の色再現特性を取得する色再現特性取得ステップと、
    前記入力系の色再現特性および前記出力系の色再現特性に基づき、前記入力系の色再現範囲および前記出力系の色再現範囲を取得する色再現範囲取得ステップと、
    を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の色変換方法。
  9. さらに、前記入力系の色信号を、前記出力系と共通する色空間上に変換する入力系色変換ステップと、
    前記共通色空間上に変換された色信号を、前記入力系の色再現範囲と前記出力系の色再現範囲に基づき、前記出力系の色再現範囲内へ変換する色域圧縮ステップと、
    前記出力系の色再現範囲内へ変換された色信号を、前記出力系の色空間上に変換する出力系色変換ステップと、を有し、
    前記色域圧縮ステップにおいて参照される前記出力系の色再現範囲は、前記出力系色再現範囲修正ステップで修正された色再現範囲であることを特徴とする請求項8記載の色変換方法。
  10. さらに、色変換パラメータを入力するパラメータ入力ステップを有し、
    前記出力系色再現範囲修正ステップにおいては、前記色変換パラメータに基づいて、前記出力系の色再現範囲内の彩度が前記出力系最大彩度以下となるように、該色再現範囲を修正することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の色変換方法。
  11. 前記色変換パラメータは、前記出力系の色再現範囲に対する修正の可否を示す修正可否パラメータを含み、色域圧縮方法に関する情報を含み、
    前記出力系色再現範囲修正ステップにおいては、前記修正可否パラメータが修正可を示す場合に、前記出力系の色再現範囲を修正することを特徴とする請求項10記載の色変換方法。
  12. 前記色変換パラメータはさらに、前記出力系の色再現範囲の修正方法、および修正範囲を示すことを特徴とする請求項10または11記載の色変換方法。
  13. 前記色変換パラメータはさらに、前記入力系および前記出力系に対応する装置、および前記入力系の色信号を前記出力系の色再現範囲内の色信号へ変換するための方法を示すことを特徴とする請求項12記載の色変換方法。
  14. 前記パラメータ入力ステップにおいては、ユーザ指示に基づいて前記色変換パラメータを入力することを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の色変換方法。
  15. 入力系の色再現範囲内にある色信号を、該入力系の色再現範囲よりも狭い出力系の色再現範囲内の色信号へ変換する色変換装置であって、
    前記入力系の色信号を、前記出力系と共通する色空間上に変換する入力系色変換手段と、
    前記共通色空間上に変換された色信号を、前記入力系の色再現範囲と前記出力系の色再現範囲に基づき、前記出力系の色再現範囲内へ変換する色域圧縮手段と、
    前記出力系の色再現範囲内へ変換された色信号を、前記出力系の色空間上に変換する出力系色変換手段と、を有し、
    前記色域圧縮手段で参照される前記出力系の色再現範囲は、該色再現範囲内における全ての彩度が、前記入力系の最大彩度色を前記出力系の色再現範囲内に変換した色の彩度以下となるように設定されていることを特徴とする色変換装置。
  16. さらに、ユーザ指示に基づいて色変換パラメータを入力するユーザ指示手段を有し、
    前記色域圧縮手段で参照される前記出力系の色再現範囲は、前記色変換パラメータに基づいて設定されすることを特徴とする請求項15記載の色変換装置。
  17. 請求項1乃至14の何れかに記載された色変換方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  18. 請求項17に記載されたプログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータ可読の記録媒体。
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