図1は、本発明の実施の第1形態であるファクシミリ装置1の構成を大略的に示すブロック図である。通信装置であるファクシミリ装置1は、入力される送信対象情報2から、送信先の相手装置に関する相手情報3に基づいて、相手装置に応じたデータ形式の送信対象情報4を生成する生成手段5と、生成手段5によって生成された送信対象情報4を表す信号6を、相手装置へ送信する送信手段7と、相手情報3を操作入力する操作入力手段8とを含む。
本実施の形態では、相手情報3は、相手装置の情報出力形態の情報を含む。生成手段5は、相手装置の情報出力形態の情報に基づいて、相手装置で出力可能なデータ形式の送信対象情報4を生成する。
本実施の形態は、相手装置の情報出力形態として、以下の3つの情報出力形態を想定して説明する。第1の情報出力形態は、音声で表すデータ形式の情報を出力不可能でありかつ画像で表すデータ形式の情報を記録シートに印刷して出力可能であるという情報出力形態である。第2の情報出力形態は、音声で表すデータ形式の情報を出力不可能でありかつ文字で表すデータ形式の情報を記録シートに印刷して出力可能であるという情報出力形態である。第3の情報出力形態は、音声で表すデータ形式の情報を出力可能であるとともに、画像で表すデータ形式の情報を表示画面に表示して出力可能であり、かつ表示画面に表示させた画像の所定位置を選択可能であるとともに、音声で表すデータ形式の情報を出力する指示指令が与えられると音声で表すデータ形式の情報を出力することが可能であるという情報出力形態である。
生成手段5は、相手装置の情報出力形態が第1の情報出力形態であり、さらに、入力される送信対象情報2が音声で表すデータ形式の情報を含む場合、音声で表すデータ形式の情報から、予め定める規則に従って符号化された画像で表すデータ形式の情報を生成する。前記予め定める規則に従って符号化された画像は、2次元コードであり、詳しくはQR(Quick Response)コードである。
また生成手段5は、相手装置の情報出力形態が第2の情報出力形態であり、さらに、入力される送信対象情報2が音声で表すデータ形式の情報を含む場合、音声で表すデータ形式の情報から、文字で表すデータ形式の情報を生成する。
また生成手段5は、相手装置の情報出力形態が第3の情報出力形態であり、さらに、入力される送信対象情報2が音声で表すデータ形式の情報および画像で表すデータ形式の情報を含む場合、音声で表すデータ形式の情報と、所定位置にマークを有する画像で表すデータ形式の情報と、マークを選択することによって音声で表すデータ形式の情報を出力する指令を示すデータ形式の情報とを含む送信対象情報を生成する。
以下、音声で表すデータ形式の情報を、音声情報という場合がある。また画像で表すデータ形式の情報を、画像情報という場合がある。またQRコードで表すデータ形式の情報を、QRコード情報という場合がある。また文字で表すデータ形式の情報を、文字情報という場合がある。
図2は、ファクシミリ装置1の構成を示すブロック図である。図3は、ファクシミリ装置1の外観を示す正面図である。ファクシミリ装置1は、読取部11と、印刷部12と、表示部13と、表示制御部14と、タッチパネル部15と、パネル制御部16と、マイク17と、スピーカ18と、音声制御部19と、音声認識部20と、画像処理部21と、符号化復号化部22と、操作部23と、メモリ部24と、通信制御部25と、モデム部26と、回線制御部27と、システム制御部28とを含む。
前記生成手段5は、システム制御部28と音声認識部20と画像処理部21とによって構成される。また前記送信手段7は、通信制御部25とモデム部26と回線制御部27とによって構成される。また前記操作入力手段8は、操作部23によって構成される。
読取部11は、原稿を読み取って、画像情報である原稿画像情報を生成する。読取部11は、原稿を移動させる原稿送り装置と、イメージセンサとを有する。イメージセンサは、複数の撮像素子が1列に整列されて構成される。イメージセンサは、たとえば電荷結合形イメージセンサによって実現される。
印刷部12は、画像情報および文字情報を、記録シートに印刷して出力する。印刷部12は、記録シートを移動させる記録シート送り装置と、記録シートに向けてインク粒子を噴射するインクジェットヘッドとを有する。本実施の形態では、記録方式として、インクジェット記録方式が採用されるけれども、その他の記録方式、たとえば感熱記録方式および電子写真記録方式などが採用されてもよい。
表示部13および表示制御部14は、画像情報および文字情報を表示画面に表示して出力する。表示部13は、ファクシミリ装置1を利用している利用者に臨むように設けられる。表示部13は、たとえば液晶表示素子によって実現される。表示制御部14は、表示部13を駆動する駆動回路によって実現される。
タッチパネル部15およびパネル制御部16は、位置情報を入力する。タッチパネル部15は、表示部13に重ねて設けられる。パネル制御部16は、タッチパネル部15を駆動する駆動回路によって実現される。ファクシミリ装置1の利用者が手指をタッチパネル部15に当てると、手指が当たった位置が検出されて、位置情報が入力される。
マイク17は、音声情報を入力する。スピーカ18は、音声情報を出力する。マイク17およびスピーカ18は、ファクシミリ装置1を利用している利用者に臨むように設けられる。音声制御部19は、マイク17から与えられる音声情報を表す信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換するとともに、スピーカ18へ与える音声情報を表す信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換する。
音声認識部20は、マイク17から入力される音声情報に基づいて、音声を認識する。画像処理部21は、画像情報を処理する。たとえば、画像処理部21は、音声認識部20による認識結果に基づいて、QRコード情報を生成する。また画像処理部21は、音声認識部20による認識結果に基づいて、文字情報を生成する。符号化復号化部22は、情報を符号化して圧縮するとともに、情報を復号化して伸長する。
操作部23は、情報を操作入力する。操作部23からは、相手装置に関する相手情報、および相手装置の電話番号の情報などが操作入力される。操作部23は、ファクシミリ装置1を利用している利用者に臨むように設けられる。
メモリ部24は、情報を記憶する。メモリ部24には、読取部11からの原稿画像情報、音声制御部19からの音声情報、およびパネル制御部16からの位置情報などが記憶される。
通信制御部25は、所定のファクシミリ伝送制御処理を実行する。モデム部26は、通信制御部25と回線制御部27との間に介在し、通信制御部25から回線制御部27へ与えられる信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換するとともに、回線制御部27から通信制御部25へ与えられる信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。回線制御部27は、公衆回線網29を介して、信号を送信および受信する。また回線制御部27は、公衆回線網29の状態を監視し、公衆回線網29への接続および接続解除を制御し、相手装置との通信の開始および終了を制御する。
システム制御部28は、システムバス30を介して、読取部11と、印刷部12と、表示制御部14と、パネル制御部16と、音声制御部19と、音声認識部20と、画像処理部21と、符号化復号化部22と、操作部23と、メモリ部24と、通信制御部25とに接続され、前記各部11,12,14,16,19〜25をそれぞれ制御する。システム制御部28は、送信対象情報の入力処理および送信対象情報の送信処理などを実行する。システム制御部28は、中央演算処理装置などによって実現される。
図4は、システム制御部28による送信対象情報の入力処理を説明するためのフローチャートである。図5は、原稿31の一例を示す図である。図5に示す原稿31には、複数の図形32が描かれている。
システム制御部28による送信対象情報の入力処理は、読取部11の原稿送り装置に原稿31がセットされると、開始される。送信対象情報の入力処理を開始すると、ステップa1に進む。ステップa1では、音声情報を添付するか否かの判断を促すメッセージを、表示制御部14によって表示部13の表示画面に表示させ、ステップa2に進む。ステップa2では、操作部23によって操作入力される情報に応答して、音声情報を添付するか否かを判定する。
ステップa2において音声情報を添付すると判定すると、ステップa3に進む。ステップa3では、読取部11によって、原稿31を読み取って、原稿画像情報を生成し、ステップa4に進む。ステップa4では、符号化復号化部22によって、前記ステップa3で生成された原稿画像情報を符号化して圧縮する。さらに、圧縮された原稿画像情報を、メモリ部24に記憶させて、ステップa5に進む。ステップa5では、後述の図6に示す音声情報の添付処理を実行し、この後、送信対象情報の入力処理を終了する。
ステップa2において音声情報を添付しないと判定すると、ステップa7に進む。ステップa7では、読取部11によって、原稿31を読み取って、原稿画像情報を生成し、ステップa8に進む。ステップa8では、符号化復号化部22によって、前記ステップa7で生成された原稿画像情報を符号化して圧縮する。さらに、圧縮された原稿画像情報を、メモリ部24に記憶させ、この後、送信対象情報の入力処理を終了する。
図6は、システム制御部28による音声情報の添付処理を説明するためのフローチャートである。図7は、表示部13の表示画面に表示される画像を示す図である。音声情報の添付処理を開始すると、ステップb1に進む。
ステップb1では、図7(1)に示すように、原稿画像情報を、表示制御部14によって表示部13の表示画面に表示させる。表示部13の表示画面には、原稿画像情報に基づく画像の全部または一部、図7(1)においては一部が、表示される。原稿画像情報に基づく画像の、表示部13の表示画面に表示される部分は、たとえばファクシミリ装置1の利用者による操作部23の操作によって移動させることが可能である。表示部13の表示画面に原稿画像情報を表示させた状態で、ステップb2に進む。
ステップb2では、位置指定があったか否かを判定する。詳しくは、ファクシミリ装置1の利用者が手指をタッチパネル部15に当てると、位置情報が入力される。この位置情報の入力があったとき、位置指定があったと判定する。ファクシミリ装置1の利用者が手指を当てた位置には、図7(2)に示すように、位置が指定されたことを示すマーク33が表示される。位置指定があるまでステップb2の動作を繰り返し実行し、位置指定があったと判定すると、ステップb3に進む。ステップb3では、入力された位置情報を、メモリ部24に記憶させ、ステップb4に進む。
ステップb4では、音声入力を促すメッセージを、表示制御部14によって表示部13の表示画面に表示させ、ステップb5に進む。ステップb5では、マイク17からの音声入力があったか否かを判定する。音声入力があるまでステップb5の動作を繰り返し実行し、音声入力があったと判定すると、ステップb6に進む。
ステップb6では、入力された音声情報を、符号化復号化部22によって符号化して圧縮する。さらに、圧縮された音声情報を、メモリ部24に記憶させ、ステップb7に進む。音声入力があったとき、前記ファクシミリ装置1の利用者が手指を当てた位置には、図7(3)に示すように、音声が入力されていることを示すマーク34が表示される。このマーク34は、1種類であってもよく、あるいは複数の種類のうちから適宜選択することが可能になっていてもよい。
ステップb7では、操作部23によって操作入力される情報に応答して、音声情報添付作業を終了するか否かを判定する。音声情報添付作業を終了しないと判定すると、ステップb2に戻る。音声情報添付作業を終了すると判定すると、音声情報の添付処理を終了する。位置指定および音声入力が複数回、繰り返されると、図7(4)に示すように、表示部13の表示画面には、音声が入力されていることを示すマーク34が複数個、表示される。
図8は、メモリ部24に記憶される関連付け情報35を示す図である。音声情報の添付処理では、関連付け情報35が生成されて、メモリ部24に記憶される。メモリ部24には、関連付け情報35として、ページを示すページ情報36と、ページにおける位置を示す位置情報37と、添付される音声情報である添付音声情報を格納しているメモリ領域の先頭アドレスの値を示す情報38と、添付される画像情報である添付画像情報を格納しているメモリ領域の先頭アドレスの値を示す情報39とが、関連付けられて記憶されている。ページは、原稿毎に割り当てられる。位置情報37は、X座標を示す情報37aとY座標を示す情報37bとによって構成される。添付画像情報は、前記音声が入力されていることを示すマーク34についての画像情報である。
図9は、システム制御部28による送信対象情報の送信処理を説明するためのフローチャートである。この図9では、前記図4のステップa3〜a5で入力される各情報が送信対象情報となる場合、換言すれば、送信対象情報が原稿画像情報および添付音声情報を含む場合を想定して説明する。
システム制御部28による送信対象情報の送信処理は、送信すべき送信対象情報が選択され、かつ相手装置の電話番号の情報が入力されると、開始される。送信対象情報の送信処理を開始すると、ステップc1に進む。ステップc1では、操作部23によって操作入力される相手情報に応答して、相手装置の情報出力形態を判定する。
ステップc1において相手装置の情報出力形態が第1の情報出力形態であると判定すると、ステップc2に進む。ステップc2では、音声認識部20によって、送信対象情報に含まれる添付音声情報に基づいて、音声を認識し、ステップc3に進む。ステップc3では、画像処理部21によって、前記ステップc2での認識結果に基づいて、添付音声情報毎に、QRコード情報を生成し、ステップc4に進む。
ステップc4では、画像処理部21によって、原稿画像情報にQRコード情報を合成する。このとき、音声入力した位置にその音声に係るQRコードが配置されるように、原稿画像情報にQRコード情報を合成する。次のステップc5では、原稿画像情報にQRコード情報を合成した合成情報を含む送信対象情報を表す信号を、通信制御部25によって、回線制御部27を介して相手装置へ送信し、この後、送信対象情報の送信処理を終了する。
ステップc1において相手装置の情報出力形態が第2の情報出力形態であると判定すると、ステップc7に進む。ステップc7では、音声認識部20によって、送信対象情報に含まれる添付音声情報に基づいて、音声を認識し、ステップc8に進む。ステップc8では、画像処理部21によって、前記ステップc7での認識結果に基づいて、添付音声情報毎に、文字情報を生成し、ステップc9に進む。各文字情報には、所定の記号の情報がそれぞれ付加されている。
ステップc9では、画像処理部21によって、原稿画像情報に所定の記号の情報を合成する。このとき、音声入力した位置に、その音声に係る所定の記号が配置されるように、原稿画像情報に所定の記号の情報を合成する。次のステップc10では、原稿画像情報に所定の記号の情報を合成した合成情報および前記ステップc7で生成された文字情報を含む送信対象情報を表す信号を、通信制御部25によって、回線制御部27を介して相手装置へ送信し、この後、送信対象情報の送信処理を終了する。
ステップc1において相手装置の情報出力形態が第3の情報出力形態であると判定すると、ステップc11に進む。ステップc11では、添付音声情報と、所定位置にマークを有する画像で示すデータ形式の情報と、マークを選択することによって添付音声情報を出力する指令を示すデータ形式の情報とを含む送信対象情報を生成する。
所定位置は、音声入力した位置である。前記所定位置にマークを有する画像で示すデータ形式の情報は、原稿画像情報と、位置情報と、添付画像情報とを含む。このデータ形式の情報では、位置情報と添付画像情報とが関連付けられている。また前記マークを選択することによって添付音声情報を出力する指令を示すデータ形式の情報は、位置情報と、添付音声情報とを含む。このデータ形式の情報では、位置情報と添付音声情報とが関連付けられている。
次のステップc12では、前記ステップc11で生成された送信対象情報を表す信号を、通信制御部25によって、回線制御部27を介して相手装置へ送信し、この後、送信対象情報の送信処理を終了する。
図10は、伝送制御手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図10には、国際電信電話諮問委員会(CCITT)の勧告T.30に基づく伝送制御手順における信号シーケンスを示す。
伝送制御手順を開始すると、ファクシミリ装置1は、コーリングトーン(CNG)41を相手装置へ送信する。相手装置は、コーリングトーン41をファクシミリ装置1から受信すると、被呼端末識別信号(CED)42、非標準機能識別信号(NSF)43およびデジタル識別信号(DIS)44を順次、ファクシミリ装置1へ送信する。
ファクシミリ装置1は、被呼端末識別信号42、非標準機能識別信号43およびデジタル識別信号44を順次、相手装置から受信すると、非標準機能設定信号(NSS)45、トレーニング信号46およびトレーニングチェック信号(TCF)47を順次、相手装置へ送信する。相手装置は、非標準機能設定信号45、トレーニング信号46およびトレーニングチェック信号47を順次、相手装置から受信すると、受信準備確認信号(CFR)48をファクシミリ装置1へ送信する。ファクシミリ装置1は、受信準備確認信号48を相手装置から受信すると、最初のページのファクシミリメッセージ49を相手装置へ送信する。
ファクシミリメッセージ49を送信した後、ファクシミリ装置1は、他に送信すべきページがあるときは、マルチページ信号(MPS)50を相手装置へ送信する。相手装置は、マルチページ信号50をファクシミリ装置1から受信すると、メッセージ確認信号(MCF)51をファクシミリ装置1へ送信する。ファクシミリ装置1は、メッセージ確認信号51を相手装置から受信すると、次のページのファクシミリメッセージ52を相手装置へ送信する。
他に送信すべきページがある限り、前述のような、マルチページ信号、メッセージ確認信号およびファクシミリメッセージのやり取りを繰り返し、他に送信すべきページがなくなると、ファクシミリ装置1は、手順終了信号(EOP)53を相手装置へ送信する。相手装置は、手順終了信号53をファクシミリ装置1から受信すると、メッセージ確認信号54をファクシミリ装置1へ送信する。ファクシミリ装置1は、メッセージ確認信号54を相手装置から受信すると、切断命令信号(DCN)55を相手装置へ送信して、伝送制御手順を終了する。
図11は、第1の情報出力形態の相手装置において、ファクシミリ装置1からの情報を出力した状態を示す図である。第1の情報出力形態の相手装置は、本実施の形態のファクシミリ装置1から、前記図9のステップc5で送信される信号を受信すると、受信した信号が表す情報を記録シートに印刷して出力する。記録シートには、図11に示すように、QRコード61を有する画像62が形成される。
相手装置の利用者は、記録シートに形成されるQRコード61を、QRコード読取装置に読み取らせる。QRコード読取装置は、たとえばカメラ付き携帯電話機によって実現される。QRコード読取装置は、QRコード61を読み取って、このQRコード61に基づく音声または文字を出力する。これによって相手装置の利用者は、前記図6に示す音声情報の添付処理で入力される音声情報に相当する情報を把握することができる。
QRコード61を有する画像61において、QRコード61は、音声入力した位置に配置される。したがって相手装置の利用者は、QRコード61に基づく音声または文字による説明が、記録シートに形成される画像62のどの部分の説明であるかを、容易に判断することができる。
QRコードは、バーコードに比べて、省スペース化を図ることができる。したがって記録シートに形成される画像のうち原稿画像情報に基づく画像に与える影響を小さくすることができる。またQRコードは、汚れおよび欠損などがあっても識別可能であるので、より確実に、相手装置の利用者に情報を伝えることができる。
図12は、第2の情報出力形態の相手装置において、ファクシミリ装置1からの情報を出力した状態を示す図である。第2の情報出力形態の相手装置は、本実施の形態のファクシミリ装置1から、前記図9のステップc10で送信される信号を受信すると、受信した信号が表す情報を記録シートに印刷して出力する。記録シートには、図12(1)に示すように、所定の記号63を有する画像64が形成され、また他の記録シートには、図12(2)に示すように、文字情報に基づく文字65を有する画像66が形成される。
所定の記号63を有する画像64において、所定の記号63は、音声入力した位置に配置される。文字情報に基づく文字65を有する画像66において、文字情報に基づく文字65の先頭には、所定の記号67が付加されている。この所定の記号67は、図12(1)に示す所定の記号63を有する画像64における前記所定の記号63に対応付けられている。したがって相手装置の利用者は、図12(2)に示す文字情報に基づく文字65による説明が、図12(1)に示す所定の記号63を有する画像64のどの部分の説明であるかを、容易に判断することができる。
図13は、第3の情報出力形態の相手装置において、ファクシミリ装置1からの情報を出力した状態を示す図である。図14は、第3の情報出力形態の相手装置による情報出力処理を説明するためのフローチャートである。
第3の情報出力形態の相手装置は、本実施の形態のファクシミリ装置1から、前記図9のステップc12で送信される信号を受信すると、受信した信号が表す情報の出力処理を開始し、ステップd1に進む。ステップd1では、原稿画像情報を表示画面に表示し、ステップd2に進む。ステップd2では、原稿画像情報に加えて、添付画像情報を表示画面に表示する。このステップd2では、位置情報に基づいて、原稿画像情報に基づく画像68の所定位置に添付画像情報に基づくマーク69が重ねて、表示される。所定位置は、音声入力した位置である。
次のステップd3では、マーク69が選択されたか否かを判定する。マーク69が選択されるまでステップd3の動作を繰り返し実行し、マーク69が選択されるとステップd4に進む。ステップd4では、マーク69の位置に関連付けられた添付音声情報を再生して出力し、ステップd5に進む。ステップd5では、再生の終了を伝えるメッセージを表示画面に表示し、ステップd3に戻る。
このように相手装置では、所定位置にマーク69を有する画像を表示画面に表示する。そして表示画面に表示させた画像の前記マーク69が選択されることによって、音声情報を出力する。したがって相手装置の利用者は、説明を聞きたい部分のマーク69を選択することによって、その部分についての説明を聞くことができる。
相手装置の情報出力形態が第1または第2の情報出力形態であるとき、原稿画像情報には、他の情報が合成されるけれども、相手装置の情報出力形態が第3の情報出力形態であるとき、原稿画像情報には、他の情報が合成されない。したがって他の情報によって原稿画像情報を損ってしまうという不具合がない。これによって相手装置では、他の情報の影響を受けることなく、原稿画像情報に基づく画像を再現することができる。
相手装置では、マーク69の表示/非表示が選択可能であってもよい。相手装置は、原稿画像情報などを印刷して出力可能であってもよく、この場合、マークの有無が選択可能であってもよい。また相手装置では、受信した信号が表す情報をメモリ部に記憶しておくことによって、相手装置の利用者は、何度でも前記情報を確認することができる。
以上のような本実施の形態によれば、生成手段5は、入力される送信対象情報から、送信先の相手装置に関する相手情報に基づいて、相手装置に応じたデータ形式の送信対象情報を生成する。送信手段7は、生成手段5によって生成された送信対象情報を表す信号を、相手装置へ送信する。したがって相手装置へは、この相手装置に応じたデータ形式の送信対象情報を表す信号を送信することができる。これによって相手装置では、本実施の形態のファクシミリ装置1から受信した信号が表す情報を出力して、所望の情報を相手装置の利用者に確実に伝えることができ、利便性を向上させることができる。
前記相手情報は、相手装置の情報出力形態の情報を含む。生成手段5は、相手装置の情報出力形態の情報に基づいて、相手装置で出力可能なデータ形式の送信対象情報を生成する。したがって相手装置へは、この相手装置で出力可能なデータ形式の送信対象情報を表す信号を送信することができる。これによって相手装置では、本実施の形態のファクシミリ装置1から受信した信号が表す情報を確実に出力することができる。
相手情報は、操作入力手段8によって操作入力するので、相手装置に応じて相手情報を任意に操作入力することができる。
図15は、本発明の実施の第2形態であるファクシミリ装置71の構成を大略的に示すブロック図である。図16は、メモリ部24に記憶される送信記録テーブル72を示す図である。本実施の形態のファクシミリ装置71は、前述の第1形態のファクシミリ装置1に類似するので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のファクシミリ装置71は、相手情報を記憶する記憶手段73をさらに含む。記憶手段73は、メモリ部24によって構成される。メモリ部24には、送信記録テーブル72が記憶される。この送信記録テーブル72では、相手装置の電話番号の情報74とその相手装置に関する相手情報75とが関連付けられている。
システム制御部28は、送信対象情報の送信処理を実行したとき、送信先となった相手装置の電話番号の情報とその相手装置に関する相手情報とを関連付けて、送信記録テーブル72の一部としてメモリ部24に記憶させる。
システム制御部28は、送信対象情報の送信処理を開始すると、送信記録テーブル72を参照する。システム制御部28は、送信記録テーブル72に、送信先となる相手装置の電話番号の情報がないとき、操作部23によって操作入力される相手情報に応答して、相手装置の情報出力形態を判定する。システム制御部28は、送信記録テーブル72に、送信先となる相手装置の電話番号の情報があるとき、その相手装置の電話番号の情報に関連付けられている相手情報によって、相手装置の情報出力形態を判定する。相手装置の情報出力形態を判定した後のシステム制御部28の動作は、前記図9と同様である。
本実施の形態によれば、メモリ部24には、送信記録テーブル72が記憶され、この送信記録テーブル72には、送信先となった相手装置の電話番号の情報74とその相手装置に関する相手情報75とが関連付けられている。この送信記録テーブル72を参照して、システム制御部28は、相手装置の情報出力形態を判定する。したがって過去に送信先となった相手装置に対して送信するときは、その相手装置に関する相手情報を操作入力する必要がないので、相手情報の操作入力に要する手間を省くことができる。
本実施の形態の変更例を述べると、メモリ部24には、登録テーブルが記憶され、この登録テーブルでは、相手装置の電話番号の情報とその相手装置に関する相手情報とが関連付けられる。登録テーブルには、操作入力によって前記各情報が予め登録される。この変形例では、システム制御部28は、送信対象情報の送信処理を開始すると、登録テーブルを参照して、相手装置の情報出力形態を判定する。このような変更例では、登録済みの相手装置に対して送信するときは、その相手装置に関する相手情報を操作入力する必要がないので、相手情報の操作入力に要する手間を省くことができる。
図17は、本発明の実施の第3形態であるファクシミリ装置81の構成を大略的に示すブロック図である。本実施の形態のファクシミリ装置81は、前述の第1形態のファクシミリ装置1に類似するので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のファクシミリ装置81は、操作入力手段8に代えて受信手段82を含む。受信手段82は、通信制御部25とモデム部26と回線制御部27とによって構成される。受信手段82は、通信前手順となるフェーズBにおいて、相手装置から相手情報を表す信号83を受信する。フェーズBは、前処理の過程で、端末、伝送路などの状態確認および端末制御のためのシーケンスである。前記図10を参照して、相手情報を表す信号83は、図10における非標準機能識別信号43である。
システム制御部28は、送信対象情報の送信処理を開始すると、まず、受信手段82によって、相手装置から相手情報を表す信号83を受信する。次に、システム制御部28は、受信手段82によって受信した信号83が表す相手情報によって、相手装置の情報出力形態を判定する。相手装置の情報出力形態を判定した後のシステム制御部28の動作は、前記図9と同様である。
本実施の形態によれば、システム制御部28は、受信手段82によって、通信前手順において、相手装置から相手情報を表す信号83を受信する。次に、システム制御部28は、受信手段82によって受信した信号83が表す相手情報によって、相手装置の情報出力形態を判定する。したがって相手装置に対して送信するときに、その相手装置に関する相手情報を操作入力する必要がないので、相手情報の操作入力に要する手間を省くことができる。
前述の第1〜第3形態は、組み合わせてもよい。この場合、受信手段82によって受信した信号83が表す相手情報による相手装置の情報出力形態の判定を最も優先する。これによって相手装置で情報を出力することができないという不具合を、確実に防ぐことができる。
相手装置の情報出力形態は、前述の第1〜第3の情報出力形態に限らない。たとえば、相手装置の情報出力形態の情報は、複数の色を用いて印刷出力可能かどうかの情報であってもよい。一例として述べると、複数の色を用いて印刷出力可能である場合、2次元コードが特定の色で、印刷出力されてもよい。
本発明の実施の第4形態では、相手情報は、相手装置の情報出力形態の情報に代えて、相手装置の利用者に適した言語の情報を含む。本実施の形態のファクシミリ装置は、前述の第1形態のファクシミリ装置1に類似するので、共通する点は説明を省略する。本実施の形態では、生成手段は、相手装置の利用者に適した言語の情報に基づいて、相手装置の利用者に適した言語で表すデータ形式の送信対象情報を生成する。
本実施の形態では、相手装置の利用者に適した言語とは、相手装置の利用者が用いる国語または民族語を意味する。相手装置の利用者に適した言語とは、相手装置の利用者が用いる方言を意味してもよい。相手装置の利用者に適した言語とは、敬語および丁寧語などの言葉づかいを意味してもよい。相手装置の利用者に適した言語とは、幼児が用いる幼児語を意味してもよい。
本実施の形態によれば、相手情報は、相手装置の利用者に適した言語の情報を含み、生成手段は、相手装置の利用者に適した言語の情報に基づいて、相手装置の利用者に適した言語で表すデータ形式の送信対象情報を生成する。したがって相手装置へは、この相手装置の利用者に適した言語で表すデータ形式の送信対象情報を表す信号を送信することができる。これによって相手装置では、本実施の形態のファクシミリ装置から受信した信号が表す情報を、相手装置の利用者に適した言語で出力することができ、所望の情報を相手装置の利用者に確実に伝えることができ、利便性を向上させることができる。
本実施の形態の変更例を述べると、相手情報は、相手装置の情報出力形態の情報と、相手装置の利用者に適した言語の情報との両者を含む。生成手段は、相手装置の情報出力形態の情報および相手装置の利用者に適した言語の情報に基づいて、相手装置で出力可能でありかつ相手装置に適した言語で表すデータ形式の送信対象情報を生成する。このような変形例では、相手装置において、本実施の形態のファクシミリ装置から受信した信号が表す情報を確実に出力することができ、しかも相手装置の利用者に適した言語で出力することができる。
本発明の実施の第5形態では、相手情報は、相手装置の情報出力形態の情報に代えて、相手装置が設置される場所の情報を含む。本実施の形態のファクシミリ装置は、前述の第1形態のファクシミリ装置1に類似するので、共通する点は説明を省略する。本実施の形態では、生成手段は、相手装置が設置される場所の情報に基づいて、相手装置が設置される場所で用いる言語で表すデータ形式の送信対象情報を生成する。
本実施の形態では、相手装置が設置される場所とは、国または地域を意味する。相手装置が設置される場所で用いる言語とは、その場所における国語または民族語を意味する。相手装置が設置される場所で用いる言語とは、その場所における方言を意味してもよい。
相手装置が設置される場所と相手装置の電話番号との間には関連性があるので、相手装置の電話番号から相手装置が設置される場所を特定することができる。この点を考慮して、本実施の形態では、相手装置の電話番号の情報が、相手装置が設置される場所の情報として用いられる。
本実施の形態によれば、相手情報は、相手装置が設置される場所の情報を含み、生成手段は、相手装置が設置される場所の情報に基づいて、相手装置が設置される場所で用いる言語で表すデータ形式の送信対象情報を生成する。したがって相手装置へは、この相手装置が設置される場所で用いる言語で表すデータ形式の送信対象情報を表す信号を送信することができる。これによって相手装置では、本実施の形態のファクシミリ装置から受信した信号が表す情報を、相手装置が設置される場所で用いる言語で出力することができ、所望の情報を相手装置の利用者に確実に伝えることができ、利便性を向上させることができる。
本実施の形態の変更例を述べると、相手情報は、相手装置の情報出力形態の情報と、相手装置が設置される場所の情報との両者を含む。生成手段は、相手装置の情報出力形態の情報および相手装置が設置される場所の情報に基づいて、相手装置で出力可能でありかつ相手装置が設置される場所で用いる言語で表すデータ形式の送信対象情報を生成する。このような変形例では、相手装置において、本実施の形態のファクシミリ装置から受信した信号が表す情報を確実に出力することができ、しかも相手装置が設置される場所で用いる言語で出力することができる。
前述の実施の各形態では、本発明の通信装置は、ファクシミリ装置として実現されるけれども、その他の通信装置として実現されてもよい。たとえば、本発明の通信装置は携帯電話機として実現されてもよい。
本発明の実施の第6形態は、前述の実施の各形態のファクシミリ装置による通信方法である。本実施の形態によれば、入力される送信対象情報から、送信先の相手装置に関する相手情報に基づいて、相手装置に応じたデータ形式の送信対象情報を生成して、その送信対象情報を表す信号を、相手装置へ送信する。したがって相手装置へは、この相手装置に応じたデータ形式の送信対象情報を表す信号を送信することができる。これによって相手装置では、本実施の形態の通信方法によって送信された信号を受信し、受信した信号が表す情報を出力して、所望の情報を相手装置の利用者に確実に伝えることができ、利便性を向上させることができる。
本発明の実施の第7形態は、前述の実施の各形態のファクシミリ装置によって前記通信方法を実現するために実行されるプログラムである。本実施の形態によれば、前記プログラムをコンピュータで実行することによって、前記コンピュータに、(1)入力される送信対象情報から、送信先の相手装置に関する相手情報に基づいて、相手装置に応じたデータ形式の送信対象情報を生成する機能と、(2)生成された送信対象情報を表す信号を、相手装置へ送信する機能とを実現させることができる。
本発明の実施の第8形態は、前記プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。記録媒体は、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only
Memory)およびDVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)などによって実現される。本実施の形態の記録媒体が用いられることによって、前記プログラムのインストールおよび実行が可能となり、また前記プログラムの流通が可能となる。