JP2007055648A - エアゾール容器の残留内容物排出装置 - Google Patents

エアゾール容器の残留内容物排出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エアゾール製品の廃棄時に容易にエアゾール内容物を確実に全量排出することができ、エアゾール製品の廃棄時に起こりうる爆発事故等を防止可能とする。また、使用者の誤操作を防止し、安全にエアゾール内容物を全量排出することを可能とする。
【解決手段】エアゾール容器3の肩部4に下端を固定したワンタッチキャップ1の両側壁7間にステム8と接続した押釦5を配置し、この押釦5の上面にステム8の軸方向と交差して配置した押圧片14の両側に、ステム8の軸方向の両側に位置して係合突起15,16を突設する。また、この係合突起15,16を摺動及び回動可能に係合する係合溝17をワンタッチキャップ1の両側壁7の内面にステム8の軸方向と平行に形成するとともに、この係合突起15,16から係合溝17の上端に設けた突当部21までの長さよりも係合突起15,16から押圧片14の先端までの長さを長くし、この押圧片14の先端部を押釦5の押圧部18とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、エアゾール製品を廃棄する際に、内容物を全量排出するためのエアゾール容器の残留内容物排出装置に関するものである。
特開平8−133360号公報 特開平11−321943号公報 特開2002−80077号公報 特開2002−255266号公報 特開2002−282746号公報 特開2002−302175号公報 特開2002−326681号公報 特開2003−12058号公報 特開2003−12061号公報 特開2003−165588号公報 特開昭49−121214号公報 特開昭49−129218号公報 特開2001−55284号公報 特開2001−146281号公報
従来、エアゾール容器内に充填された内容物の使用後にエアゾール製品を廃棄する場合、エアゾール容器内に内容物を残留したまま廃棄すると、噴射ガスの膨張による爆発事故を引き起こす等の問題を生じる虞があった。そのため、特許文献1〜14に示す如く、エアゾール容器内に残留する内容物を全量排出するための残留内容物排出装置が提案されている。
例えば、特許文献1では、ステムを押圧する押釦の外周に係合突部を突設し、この係合突部を係合可能な係合受部を、エアゾール容器に接続したワンタッチキャップの内周に形成している。そして、エアゾール製品の使用時は、係合突部が係合受部に係合しない程度の押し下げ量で、押釦を押し下げて内容物の噴射を行う。そして、内容物の使用が終わり、エアゾール容器を廃棄する際には、押釦を大きく押し下げることにより、係合突部を係合受部に係合して、押釦の押圧状態を維持し、バルブを開放状態として内容物を全量排出することを可能としていた。
また、特許文献2、5、6、8においても、押釦及びワンタッチキャップに係合突起とその係合受部を形成しているが、通常の使用時には係合突起と係合受部とを非係合位置に配置し、押釦の押圧や押圧解除による復元が何等阻止されることはない。そして、エアゾール容器の廃棄の際は、押釦を押圧した状態で当該押釦を円周方向に回動することにより、係合突起と係合受部とが係合するものである。この係合により、押釦の押圧状態が維持され、内容物の全量排出を可能とするものであった。
また、特許文献3、4、7では、押釦に係合突起又は係合溝を設け、この係合突起に係合又は係合溝に挿入係合可能な係合部材を、ワンタッチキャップに設けている。そして、エアゾール容器の廃棄時に、押釦を押圧した後に、前記係合部材を折り曲げ又は弾性変形させて、係合部材を押釦の係合突起に係合又は係合溝に挿入することにより、押釦を固定して押圧状態を維持し、内容物の全量排出を可能とするものであった。
また、特許文献9では、押釦に設けた回動レバーを回動することにより、押釦の押圧状態で回動レバーの係合突起をワンタッチキャップの係合受部に係合することにより、内容物の連続排出を可能としている。一方、特許文献10では、押釦を被覆するヘッドカバー内面に板状の押圧部材を突設し、押釦の上面にこの押圧部材により押圧可能な係合段部を形成している。そして、通常使用時は押圧部材と係合段部とを非係合位置に配置し、廃棄時には、ヘッドカバーを回動して、押圧部材にて係合段部を押圧することにより、押釦を押し下げるとともにその押圧状態を維持して、エアゾール容器内の内容物を全量排出するものであった。
また、特許文献11、12では、押釦の押圧状態を保つための釘状の押圧部材を製作し、この押圧部材をエアゾール容器に接続するキャップに装着する。そして、エアゾール容器の廃棄時は、キャップを一旦外し、キャップ内部の貫通孔又は挿通溝に、前記釘状の押圧部材を挿通し、再びキャップをエアゾール容器に装着する。この装着により、押圧部材が押釦を押圧してバルブ機構を開放するとともに、押釦の押圧状態を維持することにより、エアゾール容器内の内容物の全量排出を可能とするものであった。
また、特許文献13、14においても、押釦の押圧部材を別個に形成して、廃棄時には、キャップに押圧部材を適宜取り付け、この押圧部材にて押釦を押圧するとともにこの押圧状態を維持して、内容物の全量排出を可能とするものであった。
しかしながら、上記特許文献1では、係合突部により押釦の押し下げ量が制限され、押釦の大きな押し下げができず、内容物の大量噴射を行うのが困難であるし、逆に、押釦の過剰な押し下げにより係合突部と係合受部とを誤って係合してしまう虞もあった。また、特許文献2、5、6、8では、全量排出を行う場合に押釦を押し下げながら円周方向に回動するのは、大きな力を必要とし、位置合わせの微調整が困難である。また、特許文献3、4、7では、ワンタッチキャップから係合部材が突出して邪魔となったり、内容物の噴射圧及び係合部材の弾性復元力と相俟って、係合部材と押釦との係合が解除される虞もあった。
また、特許文献9では、回動レバーの構造が複雑でコスト高となったり、回動レバーの脱落による紛失等の心配もあった。また、特許文献10では、押釦の押圧を維持するためにヘッドカバーを頑丈に形成する必要があり、やはりコスト高となったり、エアゾール装置が嵩張ってしまう可能性があった。
また、特許文献11〜14でも、押圧部材を別個に形成する必要があってコスト高となるとともに、押圧部材を取り付けたキャップ内部を確認しにくく、押圧部材と押釦との位置合わせを正確に行うのが困難であった。
また、上記の特許文献1〜14はいずれも複雑な構成を必要とし、装置を高価なものにするとともに、使用に複雑な手順を要求するものであった。
そこで本発明は、上述の如き課題を解決しようとするものであって、内容物の使用が終了したエアゾール製品を廃棄する際に、エアゾール容器に残留する内容物の全量を確実に排出することを可能とする。また、使用者が誤って全量排出状態としないよう、通常噴射と廃棄時の全量噴射の操作を確実に区別して操作可能とする。そして、内容物の全量排出により、エアゾール製品の爆発事故を防止しようとするものである。
本発明は、上述の如き課題を解決するため、エアゾール容器の肩部に下端を固定したワンタッチキャップの両側壁間にステムと接続した押釦を配置し、この押釦の上面にステムの軸方向と交差して配置した押圧片の両側に、ステムの軸方向の両側に位置して係合突起を突設し、この係合突起を摺動及び回動可能に係合する係合溝をワンタッチキャップの両側壁の内面にステムの軸方向と平行に形成するとともに、押釦の非押圧状態における係合突起から係合溝の上端に設けた突当部までの長さよりも係合突起から押圧片の先端までの長さを長くし、この押圧片の先端部を押釦の押圧部としたものである。
本発明では、上述の如く構成したものであって、エアゾール内容物の通常噴射は、押釦を指等で下方に押圧することによりエアゾール内容物の噴射を行うことができ、押圧を解除するとステムが復元して噴射を止めることが可能である。そして通常噴射が終了し、エアゾール容器を廃棄するためにエアゾール内容物の全量噴射を行う場合には、係合突起を軸として押圧片を立ち上げることにより、押圧片の押圧部で押釦の押圧状態を維持して全量噴射を行うことができる。したがって、エアゾール製品の廃棄時に容易にエアゾール内容物を確実に全量排出することができ、エアゾール製品の廃棄時に起こりうる爆発事故等を防止することができる。また、通常噴射時と全量噴射時では噴射のための操作方法が全く異なるため、通常噴射のつもりで使用者が誤って全量噴射状態とすることがなく、安全にエアゾール内容物を全量排出することが可能となる。
また、万一使用者が誤って全量噴射状態とした場合でも、立ち上げた押圧片を元に戻すのみで全量噴射状態を解除することができるため、誤操作の場合にも安全かつ容易に対応することができる。また、このように全量噴射の停止が可能であるため、エアゾール容器の廃棄時でなくとも、任意に全量噴射と停止動作を行うことにより、エアゾール内容物の噴射量を調節することができる。したがって、塗料等の広い面積への噴射や、殺虫剤の如く噴射開始後に使用者が室外に退避する場合の噴射に使用すれば効率的な塗布が可能となるものである。
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明すると、(1)はワンタッチキャップで、図1に示す如く、外周壁(2)の下端をエアゾール容器(3)の肩部(4)と係合可能とし、この外周壁(2)の内面側の中央部に押釦(5)の挿入間隔(6)を介して一対の側壁(7)を設けるとともに、この側壁(7)にステム(8)の軸方向と平行に溝を設け、係合溝(17)としている。
また、ワンタッチキャップ(1)の両側壁(7)間に設けた挿入間隔(6)に上下動可能に押釦(5)を挿入している。この押釦(5)は、図1に示す如く、ステム(8)の先端と接続する連通口(10)を設けるとともに、ステム(8)と連通してステム(8)から噴射したエアゾール内容物(11)が流通するための流通路(12)を形成している。そして、この流通路(12)の先端部には、エアゾール内容物(11)を外部に噴射するためのノズル(13)を設けている。
また、押釦(5)の上面に、図3及び図4に示す如くステム(8)の軸方向と交差して平板状の押圧片(14)を配置する。この押圧片(14)の両側には、図2に示す如く、ステム(8)の軸方向と交差する方向に円柱状の係合突起(15)(16)を一対突設している。この一対の係合突起(15)(16)は、ステム(8)の軸線と一対の係合突起(15)と(16)とを結ぶ線が交差するように配置するとともに、ワンタッチキャップ(1)の側壁(7)にステム(8)の軸方向と平行に設けた係合溝(17)に係合して、押圧片(14)を摺動及び回動可能としている。そして、押圧片(14)の一端を押釦(5)を押圧するための押圧部(18)とし、他端を指等を引っかけて立ち上げる立上部(20)とする。また、押釦(5)の非押圧状態に於いて、図3に示す如く、係合突起(15)(16)から係合溝(17)の上端に形成した突当部(21)までの長さよりも、係合突起(15)(16)から押圧部(18)までの長さを長く形成する。また、図3及び図4に示す如く、押圧片(14)と押釦(5)とは、押圧片(14)に設けた嵌合部(22)と押釦(5)に設けた突出部(23)とで着脱可能に連結している。
上述の如く構成したものにおいて、通常噴射を行う場合は、図3に示す非噴射状態から押圧片(14)を指等で押圧する。そうすると、係合突起(15)(16)が係合溝(17)内を下方に摺動するとともに、同時に図4に示す如く、押圧片(14)と押釦(5)が一体となってステム(8)を押圧し、エアゾール容器(3)内のバルブ(図示せず)を開放する。そして、ステム(8)からエアゾール内容物(11)が噴出し、押釦(5)の流通路(12)を通過してノズル(13)の先端から外部に噴射し、エアゾール内容物(11)の通常噴射を行うことができる。一方、指等による押圧片(14)の押圧をやめると、ステム(8)の復元力により押釦(5)及び押圧片(14)が図3の非噴射状態の位置に戻り、エアゾール容器(3)内のバルブ(図示せず)を閉止して通常噴射を止めることができる。
次に、上記通常噴射によるエアゾール容器(3)の使用が終了し、エアゾール容器(3)の廃棄のためのエアゾール内容物(11)の全量噴射を行う場合には、図3に示す非噴射状態から、図1に示す如く、嵌合部(22)と突出部(23)との連結を解除し、係合溝(17)に係合した係合突起(15)(16)を支点として押圧片(14)の立上部(20)に指等を引っかけて押圧片(14)を垂直に立ち上げる。そうすると、係合突起(15)(16)が係合溝(17)内で回動し摺動する。そして、係合突起(15)(16)から突当部(21)までの長さよりも係合突起(15)(16)から押圧部(18)までの長さを長く形成したことによって、係合突起(15)(16)が突当部(21)に突き当たって押圧片(14)の押圧部(18)が押釦(5)を押し下げてステム(8)を押圧し、エアゾール内容物(11)が噴射される。これと同時に、係合溝(17)はステム(8)の軸方向と平行に形成されるとともに、ステム(8)の軸線と一対の係合突起(15)と(16)とを結ぶ線が交差するよう形成しているため、押圧片(14)による押釦(5)の押圧状態を継続し、押圧片(14)から指等を離しても押圧片(14)が復元方向に戻ることはなく、エアゾール内容物(11)の確実な全量噴射を行うことができる。したがって、エアゾール製品の廃棄時にこのような全量噴射を行ってエアゾール内容物(11)を全量排出することにより起こり得る爆発事故等を防止することができる。
一方、全量噴射状態を解除する場合には、垂直に立ち上げた押圧片(14)を復元方向に回動すれば、ステム(8)の復元力により押釦(5)が図3の非噴射状態に戻ってエアゾール内容物(11)の噴射が止まる。したがって、万一使用者が誤って全量噴射状態にした場合であっても、押圧片(14)を復元方向に回動させるだけで容易に全量噴射状態を解除することができ、誤操作に対する対応も安全かつ容易に行うことができる。また、このように、押圧片(14)の立ち上げ及び戻す動作により任意に全量噴射動作と停止動作を行うことができるので、エアゾール内容物(11)の噴射量の調整が可能であるから、エアゾール容器(3)の廃棄時以外にも、例えば塗料等の噴射に使用すれば効率的な塗布が可能となる。
また、本発明のエアゾール容器(3)の残留内容物排出装置は、頭髪用品、化粧品、消臭・制汗剤、その他の人体用品、殺虫剤、コーティング剤、クリーナー、その他の家庭用品、工業用品、自動車用品、食品等のエアゾール製品に用いることができる。そして、頭髪用品として、ヘアースプレー、ヘアートリートメント、ヘアースタイリングフォーム、ヘアーシャンプー・リンス、酸性染毛剤、酸化型2剤タイプ永久染毛剤、カラースプレー・脱色剤、パーマ剤、育毛剤、ヘアートニック、寝癖直しスプレー、髪用フレグランス等に用いることができる。
また、化粧品として、シェービングフォーム、アフターシェーブローション、香水・オーデコロン、洗顔料、日焼け止め、ファンデーション、脱毛・脱色剤、浴用剤等に用いることができる。
また、消臭・制汗剤としては、制汗剤、消臭剤、ボディシャンプー等に用いることができる。また、その他の人体用品としては、筋肉消炎剤、皮膚疾患予防剤、皮膚疾患治療剤、水虫薬、害虫忌避剤、清拭剤、口腔清涼剤、口腔歯磨き剤、傷薬、やけど治療剤等に用いることができる。
また、殺虫剤としては、空間殺虫剤、ゴキブリ殺虫剤、園芸用殺虫剤、殺ダニ剤、不快害虫剤等に用いることができる。また、コーティング剤としては、家庭用塗料、自動車用塗料、アンダーコーティング等に用いることができる。
また、クリーナーとしては、ガラスクリーナー、硬質表面洗浄剤、浴用クリーナー、床・家具艶出しクリーナー、靴・皮革クリーナー、ワックス艶出し剤等に用いることができる。また、その他の家庭用品としては、室内消臭剤、トイレ用消臭剤、防水剤、洗濯糊、除草剤、衣類用防虫剤、防炎剤、除菌剤等に用いることができる。
また、工業用としては、潤滑防錆剤、接着剤、金属探傷剤、離型剤、コーキング剤等に用いることができる。また、自動車用としては、防曇剤、解氷剤、エンジンクリーナー等に用いることができる。その他、動物用品、趣味娯楽用品、食品、例えば、コーヒー、ジュース、クリーム、チーズ等に用いることができる。
本発明の全量排出状態における一実施例を示す断面図。 図1の平面図。 本発明の非噴射状態における一実施例を示す断面図。 本発明の通常の噴射状態における一実施例を示す断面図。
符号の説明
1 ワンタッチキャップ
3 エアゾール容器
4 肩部
5 押釦
7 側壁
8 ステム
14 押圧片
15 係合突起
16 係合突起
17 係合溝
18 押圧部
21 突当部

Claims (1)

  1. エアゾール容器の肩部に下端を固定したワンタッチキャップの両側壁間にステムと接続した押釦を配置し、この押釦の上面にステムの軸方向と交差して配置した押圧片の両側に、ステムの軸方向の両側に位置して係合突起を突設し、この係合突起を摺動及び回動可能に係合する係合溝をワンタッチキャップの両側壁の内面にステムの軸方向と平行に形成するとともに、押釦の非押圧状態における係合突起から係合溝の上端に設けた突当部までの長さよりも係合突起から押圧片の先端までの長さを長くし、この押圧片の先端部を押釦の押圧部としたことを特徴とするエアゾール容器の残留内容物排出装置。
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