JP2007055476A - 車両の駆動力配分制御装置 - Google Patents

車両の駆動力配分制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 操舵旋回時、高い応答性による前後輪駆動力配分により素早く旋回挙動を安定にすることができる車両の駆動力配分制御装置を提供すること。
【解決手段】 前後輪のうち一方を主駆動輪とし他方を副駆動輪とし、前後輪の駆動力配分を制御する駆動力配分制御手段を備えた車両において、ドライバーの操舵角微分値θ’を検出する操舵角微分値検出手段(ステップS1)を設け、ドライバーの操舵角微分値θ’が大きくなるほど後輪駆動力指令値TQDR2を増して、副駆動輪である左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を増大する制御を行う手段とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、前後輪のうち一方を主駆動輪とし他方を副駆動輪とし、前後輪の駆動力配分を制御する駆動力配分制御手段を備えた車両の駆動力配分制御装置の技術分野に属する。
従来、前後輪の駆動力配分を制御する駆動力配分制御手段を備えた車両において、車両のアンダーステア発生時にドライバのステアリング操作に応答して意図する旋回ラインに戻すことを目的とし、実旋回半径と目標旋回半径の差により検出されるアンダーステア程度が強いほど、オーバーステア方向の車両モーメントを得る側に駆動力配分を制御(例えば、FFベースの四輪駆動車にあっては、トランスファクラッチの締結力を強めて副駆動輪である後輪への駆動力配分比を高める制御)するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−185859号公報
しかしながら、従来の車両の駆動力配分制御装置にあっては、アンダーステア程度を、実際の横加速度と車速により算出した実旋回半径と、操舵角に基づき演算される目標旋回半径の差により検出する構成としていたため、アンダーステア程度の検出はアンダーステアが発生してからとなり、アンダーステア程度の検出に遅れが生じるし、さらに、このアンダーステア検出情報に基づき駆動力配分制御が事後的に開始されることで、車両挙動制御に遅れが生じてしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、操舵旋回時、高い応答性による前後輪駆動力配分により素早く旋回挙動を安定にすることができる車両の駆動力配分制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、前後輪のうち一方を主駆動輪とし他方を副駆動輪とし、前後輪の駆動力配分を制御する駆動力配分制御手段を備えた車両において、
運転者の操舵操作量微分値を検出する操舵操作量微分値検出手段を設け、
前記駆動力配分制御手段は、運転者の操舵操作量微分値が大きくなるほど前記副駆動輪へ伝達される駆動力配分比を増大する制御を行うことを特徴とする。
なお、「操舵操作量」は、操舵角、操舵輪の車輪速差、ステアリングラックの移動量等の上位概念であり、「操舵操作量微分値」は、これらの変化速度をいう。
よって、本発明の車両の駆動力配分制御装置にあっては、駆動力配分制御手段において、運転者の操舵操作量微分値が大きくなるほど前記副駆動輪へ伝達される駆動力配分比を増大する制御が行われる。すなわち、前輪駆動ベースの四輪駆動車では、運転者の操舵操作量微分値が大きくなるほど後輪へ伝達される駆動力が大きくなり、操舵操作量が小さくても操舵速度が高くなった時点からの予測制御により前輪側配分によるアンダーステアモーメントの発生そのものが事前に抑制される。また、後輪駆動ベースの四輪駆動車では、運転者の操舵操作量微分値が大きくなるほど前輪へ伝達される駆動力が大きくなり、操舵操作量が小さくても操舵速度が高くなった時点からの予測制御により後輪側配分によるオーバーステアモーメントの発生そのものが事前に抑制される。このように、運転者の旋回意思が応答良くあらわれる操舵操作量微分値を入力情報とするフィードフォワード制御を採用することで、目標旋回半径と実旋回半径との偏差を無くすようにフィードバック制御される従来例に対し、遅れなく高い応答性で車両挙動を制御できるようになる。この結果、操舵旋回時、高い応答性による前後輪駆動力配分により素早く旋回挙動を安定にすることができる。
以下、本発明の車両の駆動力配分制御装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の駆動力配分制御装置が適用されたハイブリッド四輪駆動車を示す全体システム図である。
実施例1の前輪駆動ベースによるハイブリッド四輪駆動車は、図1に示すように、エンジン1(第1駆動源)と、フロントモータ2F(第1駆動源)と、リアモータ2R(第2駆動源)と、左前輪タイヤ3FL(主駆動輪)と、右前輪タイヤ3FR(主駆動輪)と、左後輪タイヤ3RL(副駆動輪)と、右後輪タイヤ3RR(副駆動輪)と、フロントディファレンシャル4Fと、リアディファレンシャル4Rと、フロントトランスミッション5Fと、リアトランスミッション5Rと、を備えている。
前記フロントモータ2Fとリアモータ2Rは、電動発電機として、力行と回生の両方を行う。
前記左右前輪タイヤ3FL,3FRは、エンジン1とフロントモータ2Fのうち少なくとも一方を駆動源とし、フロントトランスミッション5Fを経過した駆動力が、フロントディファレンシャル4Fにより左右等配分にして駆動される。
前記左右後輪タイヤ3RL,3RRは、リアモータ2Rのみを駆動源とし、リアトランスミッション5Rを経過した駆動力が、リアディファレンシャル4Rにより左右等配分にして駆動される。なお、リアディファレンシャル4Rは、内部に設定された差動制限クラッチの締結力制御や、内部に設定された左クラッチと右クラッチに対する締結力制御により駆動力配分を制御可能としても良い。
実施例1のハイブリッド四輪駆動車の駆動力配分制御系は、図1に示すように、車輪速センサ6と、操舵角センサ7と、横加速度センサ8と、車速センサ9と、アクセル開度センサ10と、コントローラ11と、強電バッテリ12と、フロントインバータ13Fと、リアインバータ13Rと、を備えている。
前記車輪速センサ6は、左前輪速センサ6FL、右前輪速センサ6FR、左後輪速センサ6RL、右後輪速センサ6RRにより構成され、車輪速情報を得る。
前記操舵角センサ7からは操舵角情報を得る。前記横加速度センサ8からは横加速度情報を得る。前記車速センサ9からは車速情報を得る。前記アクセル開度センサ10からはアクセル開度情報を得る。
前記コントローラ11は、車輪速センサ6、操舵角センサ7、横加速度センサ8、車速センサ9、アクセル開度センサ10からの情報を読み込み、操舵角θが大きくなるほど、また、操舵角微分値θ’が大きくなるほど、リアモータ2Rの駆動力を大きくする、つまり、左右の後輪タイヤ3RL,3RRへ伝達される駆動力を大きくするフィードフォワード制御を行う。
前記強電バッテリ12は、両インバータ13F,13Rを経由して電力を両モータ2F,2Rに供給すると共に、両モータ2F,2Rによる発電電力を回収する役目も果たす。
前記フロントインバータ13Fとリアインバータ13Rは、強電バッテリ12の電気エネルギーを両モータ2F,2Rへ供給することと、両モータ2F,2Rにより回生した電気エネルギーを強電バッテリ12へ戻す役割を果たす。
図2は実施例1のコントローラ10にて実行される駆動力配分制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(駆動力配分制御手段)。
ステップS1では、操舵角θ、車速V、総駆動力T、前後輪回転速度差ΔVW、操舵角微分値θ’(操舵操作量微分値)、操舵角微分値不感帯θ'1を読み込み、ステップS2へ移行する。
ここで、「操舵角θ」は、操舵角センサ7からのセンサ値に基づき演算される。
「車速V」は、車速センサ9からのセンサ値に基づき演算される。
「総駆動力T」は、アクセル開度センサ10からのアクセル開度情報に基づき、運転者の要求駆動力として演算される。
「前後輪回転速度差ΔVW」は、左前輪速センサ6FLと右前輪速センサ6FRからの左右前輪速平均値と、左後輪速センサ6RLと右後輪速センサ6RRからの左右後輪速平均値と、の差により求められる(駆動スリップ相当値検出手段)。
「操舵角微分値θ’」は、1制御周期毎の操舵角θの差分、または、2次微分以上の演算処理により求められる(操舵操作量微分値検出手段)。
「操舵角微分値不感帯θ'1」は、操舵角微分値θ’の不感帯の上限を決める閾値として予め設定される。
ステップS2では、ステップS1でのθ,V,T,ΔVW,θ’,θ'1の読み込みに続き、前後輪回転速度差ΔVWによりゲインAを決定すると共に、車速Vにより操舵角不感帯θ1を決定し、ステップS3へ移行する。
ここで、前後輪回転速度差ΔVWに対するゲインAの決定は、前後輪回転速度差ΔVWが第1設定値ΔVW1までは急な傾きによる特性で与え、第1設定値ΔVW1を超えると緩やかな傾きによる特性で与える(図6参照)。
車速Vに対する操舵角不感帯θ1の決定は、車速Vが第1設定車速V1までの低車速領域では大きな値により与え、車速Vが第1設定車速V1から第2設定車速V2までの中車速領域では車速Vの上昇に対し比例的に低下する特性にて与え、車速Vが第2設定車速V2を超える高車速領域では、小さな値により与える(図5参照)。
ステップS3では、ステップS2でのゲインAおよび操舵角不感帯θ1の決定に続き、操舵角θが操舵角不感帯θ1を超えているか否かを判断し、YESの場合はステップS4へ移行し、NOの場合はリターンへ移行する。
ステップS4では、ステップS3でのθ>θ1との判断に続き、操舵角微分値θ’が操舵角微分値不感帯θ'1を超えているか否かを判断し、YESの場合はステップS5へ移行し、NOの場合はステップS9へ移行する。
ステップS5では、ステップS4でのθ’>θ'1の判断に続き、操舵角θと操舵角微分値θ’とを掛け合わせた値が0未満か否かを判断し、YESの場合はリターンへ移行し、NOの場合はステップS6へ移行する。
ステップS6では、ステップS5でのθ×θ’≧0との判断に続き、操舵角θに応じた後輪駆動力指令値TQDR1を計算し、ステップS7へ移行する。
ここで、後輪駆動力指令値TQDR1の計算式は、
TQDR1=A×B(θ−θ1)
但し、AはステップS2で決定されたゲイン、Bは操舵角θに応じたパラメータ、θは操舵角、θ1はステップS2で決定された操舵角不感帯である。
ステップS7では、ステップS6での後輪駆動力指令値TQDR1の計算に続き、操舵角微分値θ’に応じた後輪駆動力指令値TQDR2を計算し、ステップS8へ移行する。
ここで、後輪駆動力指令値TQDR2の計算式は、
TQDR2=A×C(θ’−θ'1)
但し、AはステップS2で決定されたゲイン、Cは操舵角微分値θ’に応じたパラメータ、θ’は操舵角微分値、θ'1はステップS1で読み込まれた操舵角微分値不感帯である。
ステップS8では、ステップS7での後輪駆動力指令値TQDR2の計算に続き、後輪駆動力指令値TQDRを、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2との和により計算し、ステップS10へ移行する。
ステップS9では、ステップS4でのθ’≦θ'1の判断に続き、操舵角θに応じた後輪駆動力指令値TQDRを計算し、ステップS10へ移行する。
ここで、後輪駆動力指令値TQDRの計算式は、
TQDR=A×B(θ−θ1)
但し、AはステップS2で決定されたゲイン、Bは操舵角θに応じたパラメータ、θは操舵角、θ1はステップS2で決定された操舵角不感帯である。
ステップS10では、ステップS8またはステップS9での後輪駆動力指令値TQDRの計算に続き、今回の制御周期での後輪駆動力指令値TQDR(n)が1制御周期前の後輪駆動力指令値TQDR(n-1)以上であるか否かを判断し、YESの場合はステップS11へ移行し、NOの場合はステップS12へ移行する。
ステップS11では、ステップS10でのTQDR(n)<TQDR(n-1)の判断に続き、前後輪回転速度差ΔVWが、前後輪回転速度差閾値ΔVWo以上であるか否かを判断し、YESの場合はステップS15へ移行し、NOの場合はステップS12へ移行する。
ここで、「前後輪回転速度差閾値ΔVWo」は、前輪駆動スリップの発生を示す閾値として設定される。
ステップS12では、ステップS11でのΔVW<ΔVWoとの判断に続き、前後輪回転速度差ΔVWが、前後輪回転速度差閾値ΔVW1以下であるか否かを判断し、YESの場合はステップS14へ移行し、NOの場合はステップS13へ移行する。
ここで、「前後輪回転速度差閾値ΔVW1」は、後輪駆動スリップの発生を示す閾値として設定される。
ステップS13では、ステップS11,12でのΔVW1<ΔVW<ΔVWoとの判断に続き、最初に読み込んだ後輪駆動力指令値TQDRを初期値とし、時間的要素により所定の勾配にて徐々に値を減少(図7(a))、または、操舵終了まで初期値を維持し、操舵終了すると所定の勾配にて徐々に値を減少(図7(b))することで、後輪駆動力指令値TQDRを設定し、ステップS15へ移行する。
ステップS14では、ステップS12でのΔVW≦ΔVW1との判断に続き、操舵角θに応じた後輪駆動力指令値TQDR1と、操舵角微分値θ’に応じた後輪駆動力指令値TQDR2のうち、セレクトローにより後輪駆動力指令値TQDRを決定し、ステップS15へ移行する。
ステップS15では、ステップS10でのTQDR(n)≧TQDR(n-1)の判断、もしくは、ステップS11でのΔVW≧ΔVWoの判断、もしくは、ステップS13での時間要素での後輪駆動力指令値TQDRの減少設定、もしくは、ステップS14でのセレクトローによる後輪駆動力指令値TQDRの決定に続き、総駆動力Tと後輪駆動力指令値TQDRとの差により前輪駆動力指令値TQDF(=T−TQDR)を決定し、リターンへ移行する。
次に、作用を説明する。
[駆動力配分制御作用]
前輪駆動ベースの車両で、主駆動輪である前輪側に駆動力が配分されたままで、旋回路に進入すると、前輪タイヤにて、駆動力と横力(コーナリングフォース)の全てを受け持たなければならないことで、例えば、前輪タイヤのフリクションサークルの限界域まで駆動力が高まっている状態で旋回路に進入すると、旋回のためのコーナリングフォースの発生余裕代が小さく、旋回路をトレースするのに必要なコーナリングフォースが発生せず、車両の旋回挙動としては、目標旋回ラインから外側に膨らむアンダーステア傾向を示すことになる。
そこで、実施例1では、主駆動輪と副駆動輪の駆動力配分によるアンダーステアモーメントの減少を、従来のフィードバック制御より早い応答性にて実現する車両(前輪駆動ベースによるハイブリッド四輪駆動車)の駆動力配分制御装置を提供することを目的としてなされた。
すなわち、加速緊急回避時等、高い車速を維持したまま速いハンドル操作により旋回する状況では、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS10→ステップS15へと進む流れとなり、前後輪駆動力配分としては、総駆動力Tが左右前輪3FL,3FRに配分されている前輪駆動状態から、左右後輪3RL,3RRへの駆動力配分比が増してゆき、左右前輪3FL,3FRのコーナリングフォースが応答良く復元し、素早くアンダーステアモーメントの低減を図ることができる。
実施例1での駆動力配分制御では、ステップS7での操舵角微分値θ’に応じた後輪駆動力指令値TQDR2の計算により、図3に示すように、ドライバーの操舵角微分値θ’が大きくなるほど後輪駆動力指令値TQDR2を増して、副駆動輪である左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を増大する制御が行われる。
この操舵角微分値対応制御により、加速緊急回避時等において、例えば、操舵角θのみに応じた駆動力配分制御より素早く左右後輪3RL,3RRへ駆動力配分をすることが可能となるため、左右前輪3FL,3FRのコーナリングフォースが早くなり、操舵角θのみに応じた駆動力配分制御より素早くアンダーステアモーメントの低減を図ることができる。
実施例1での駆動力配分制御では、図4に示すように、操舵角θに操舵角不感帯θ1を設け、操舵角θが操舵角不感帯θ1内のときに、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わない。
つまり、微小な操舵角θで、操舵角微分値θ’に応じ駆動力配分値を変更すると、路面外乱等により操舵角を修正する度に駆動力配分が行われ、駆動系部品への負荷増大や車両挙動に違和感を生じる可能性がある。
したがって、操舵角不感帯θ1以上にて操舵が行われた場合にのみ、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行うことで、駆動系部品への負荷増大や車両挙動に違和感を解消しつつ、アンダーステア挙動を効果的に抑制することができる。
実施例1での駆動力配分制御では、図5に示すように、操舵角不感帯θ1を、車速Vが第1設定車速V1までの低車速領域では大きな値により与え、車速Vが第1設定車速V1から第2設定車速V2までの中車速領域では車速Vの上昇に対し比例的に低下する特性にて与え、車速Vが第2設定車速V2を超える高車速領域では、小さな値により与えている。つまり、車速Vが第1設定車速V1以下の低車速領域のときには、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないようにしている。
例えば、駐車場での車庫入れ時等のように低車速領域では、ステア特性が問題とならず、駆動力配分制御を行う必要性が少ないと考えられる。逆に、車庫入れ時等でも駆動力配分制御が行われた場合には、駆動系部品への負荷増大や車両挙動に違和感を生じる可能性がある。
したがって、車速Vが第1設定車速V1以下の低車速領域のときには、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないことで、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
実施例1での駆動力配分制御では、図6に示すように、駆動力配分制御で用いるゲインAを、前後輪回転速度差ΔVWが第1設定値ΔVW1までは急な傾きによる特性で与え、第1設定値ΔVW1を超えると緩やかな傾きによる特性で与えている。
つまり、駆動スリップ相当値である前後輪回転速度差ΔVWが駆動スリップが高いことを示す値であるほど、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御のゲインAを高く設定している。
例えば、前輪タイヤのスリップ率が大きく後輪タイヤのスリップ率が小さく、前後輪回転速度差ΔVWが大きく出る時には、左右前輪3FL,3FRのコーナリングフォースが小さく、左右後輪3RL,3RRのコーナリングフォースが大きくなるため、アンダーステア傾向が大きく現れやすい。
したがって、前後輪回転速度差ΔVWが駆動スリップが高いことを示す値であるほど、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御のゲインAを高く設定することで、より効果的にアンダーステアの低減を図ることができる。
実施例1での駆動力配分制御では、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比が減少側に移行すると、図2のフローチャートにおいて、後輪駆動力指令値TQDRの減少判断ステップであるステップS10から、ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS15へと進む流れとなる。
そして、ステップS13では、後輪駆動力指令値TQDRの減少判断後、最初に読み込んだ後輪駆動力指令値TQDRを初期値とし、図7(a)に示すように、時間的要素により所定の勾配にて徐々に値を減少させる、または、図7(b)に示すように、操舵終了まで初期値を維持し、操舵終了すると所定の勾配にて徐々に値を減少させるようにしている。
つまり、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比が減少側に移行すると、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を止め、予め設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させるようにしている。
したがって、連続する操舵角入力に対して、頻繁に駆動力配分制御を行わないようにすることにより、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
実施例1での駆動力配分制御では、設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させている途中で、前後輪回転速度差ΔVWが、前輪駆動スリップを示す前後輪回転速度差閾値ΔVWo以上になると、図2のフローチャートにおいて、後輪駆動力指令値TQDRの減少判断ステップであるステップS10から、ステップS11→ステップS15へと進む流れとなる。そして、ステップS15では、ゲインA及び操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御に復帰するようにしている。
つまり、設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させている途中で、前後輪回転速度差ΔVWが、前輪駆動スリップを示す前後輪回転速度差閾値ΔVWo以上になると、図8に示すように、ゲインA及び操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御に復帰するようにしている。
したがって、低μ路等での走行時であって、左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比の減少により前輪側で再スリップが発生した場合、応答良く左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を増大させて再スリップを抑制することができる。
実施例1での駆動力配分制御では、操舵角微分値θ’が操舵角微分値不感帯θ'1以下の場合、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS9→ステップS10→ステップS15へと進む流れとなる。そして、ステップS9において、操舵角θに応じた後輪駆動力指令値TQDRが計算される。
つまり、操舵角微分値θ’に不感帯を設け、図9に示すように、操舵角微分値θ’が操舵角微分値不感帯θ'1内のときに、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないようにしている。
したがって、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御が必要な緊急回避時等にのみ効果的にアンダーステアを低減しながら、ゆっくりとしたハンドル操作による旋回時には、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないことにより、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
実施例1での駆動力配分制御では、操舵角θと操舵角微分値θ’とを掛け合わせた値が0未満であるとき、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→リターンへと進む流れとなる。
つまり、図10に示すように、操舵角絶対値|θ|が減少するとき、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないようにしている。
例えば、キックバック時等においては、操舵角微分値θ’が非常に大きな値となり、左右後輪3RL,3RRへ大きな駆動力を配分することがある。なお、「キックバック」とは、凹凸の激しい路面等を走行するときにハンドルに感じられる強い反動のことをいう。
したがって、キックバック等により操舵角絶対値|θ|が減少するとき、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないようにしているため、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
実施例1での駆動力配分制御では、加速緊急回避時等、高い車速を維持したまま速いハンドル操作により旋回する状況では、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS10→ステップS15へと進む流れとなる。そして、ステップS8では、後輪駆動力指令値TQDRが、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2との和により計算される。
つまり、図11に示すように、操舵角θ(絶対値)に応じた後輪駆動力指令値TQDR1(第1指令値)と操舵角微分値θ’に応じた後輪駆動力指令値TQDR2(第2指令値)とを足し合わせて駆動力配分制御を行うようにしている。
したがって、加速緊急回避時等において、例えば、操舵角θのみに応じた駆動力配分制御より素早く左右後輪3RL,3RRへ駆動力配分をすることが可能となるため、左右前輪3FL,3FRのコーナリングフォースが早くなり、操舵角θのみに応じた駆動力配分制御より素早くアンダーステアモーメントの低減を図ることができる。さらに、操舵角微分値θ’のみに応じた駆動力配分制御に比べ、操舵角θに応じた後輪駆動力指令値TQDR1を加えることで、制御量が増大し、後輪配分比の増大比率をより拡大することができる。
実施例1の駆動力配分制御では、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2との加算値に応じた駆動力配分制御にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比が減少側に移行すると、図2のフローチャートにおいて、後輪駆動力指令値TQDRの減少判断ステップであるステップS10から、ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS15へと進む流れとなる。
そして、ステップS13では、後輪駆動力指令値TQDRの減少判断後、最初に読み込んだ後輪駆動力指令値TQDRを初期値とし、例えば、図12に示すように、時間的要素により所定の勾配にて徐々に値を減少させるようにしている。
つまり、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2との加算値に応じた駆動力配分制御にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比が減少側に移行すると、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2との加算値に応じた駆動力配分制御を止め、予め設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させるようにしている。
したがって、連続する操舵角入力に対して、頻繁に駆動力配分制御を行わないようにすることにより、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
実施例1の駆動力配分制御では、予め設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させている途中で、前後輪回転速度差ΔVWが後輪駆動スリップを示す前後輪回転速度差閾値以下ΔVW1になると、図2のフローチャートにおいて、後輪駆動力指令値TQDRの減少判断ステップであるステップS10から、ステップS11→ステップS12→ステップS14→ステップS15へと進む流れとなる。そして、ステップS14において、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2とのセレクトローにより後輪駆動力指令値TQDRが決められる。
つまり、予め設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させている途中で、前後輪回転速度差ΔVWが後輪駆動スリップを示す前後輪回転速度差閾値以下ΔVW1になると、図13に示すように、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2とのセレクトローによる駆動力配分制御が行われる。
したがって、左右後輪3RL,3RRへの駆動力配分が大きくなり過ぎ、左右後輪3RL,3RRが駆動スリップ状態となったときには、左右後輪3RL,3RRへの駆動力配分をセレクトローにより時間的な減少に比べて大きく低減することで、応答良く左右後輪3RL,3RRの駆動スリップを抑制することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両の駆動力配分制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 前後輪のうち一方を主駆動輪とし他方を副駆動輪とし、前後輪の駆動力配分を制御する駆動力配分制御手段を備えた車両において、ドライバーの操舵角微分値θ’を検出する操舵角微分値検出手段(ステップS1)を設け、ドライバーの操舵角微分値θ’が大きくなるほど後輪駆動力指令値TQDR2を増して、副駆動輪である左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を増大する制御を行うため、操舵旋回時、高い応答性による前後輪駆動力配分により素早く旋回挙動を安定にすることができる。
(2) 前記駆動力配分制御手段は、操舵角θに操舵角不感帯θ1を設け、操舵角θが操舵角不感帯θ1内のときに、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないため、駆動系部品への負荷増大や車両挙動に違和感を解消しつつ、アンダーステア挙動を効果的に抑制することができる。
(3) 前記駆動力配分制御手段は、車速Vが第1設定車速V1以下の低車速領域のときには、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないため、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
(4) 前記駆動力配分制御手段は、駆動スリップ相当値としての前後輪回転速度差ΔVWを検出する前後輪回転速度差検出手段(ステップS1)を設け、駆動スリップ相当値である前後輪回転速度差ΔVWが駆動スリップが高いことを示す値であるほど、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御のゲインAを高く設定するため、より効果的にアンダーステアの低減を図ることができる。
(5) 前記駆動力配分制御手段は、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比が減少側に移行すると、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を止め、予め設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させるため、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
(6) 前記駆動力配分制御手段は、設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させている途中で、前後輪回転速度差ΔVWが、前輪駆動スリップを示す前後輪回転速度差閾値ΔVWo以上になると、ゲインA及び操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御に復帰するため、左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比の減少により前輪側で再スリップが発生した場合、応答良く左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を増大させて再スリップを抑制することができる。
(7) 前記駆動力配分制御手段は、操舵角微分値θ’に不感帯を設け、操舵角微分値θ’が操舵角微分値不感帯θ'1内のときに、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないため、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御が必要な緊急回避時等にのみ効果的にアンダーステアを低減しながら、ゆっくりとしたハンドル操作による旋回時、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
(8) 前記駆動力配分制御手段は、操舵角絶対値|θ|が減少するとき、操舵角微分値θ’に応じた駆動力配分制御を行わないため、キックバック等により操舵角絶対値|θ|が減少するとき、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
(9) 前記駆動力配分制御手段は、操舵角θに応じた後輪駆動力指令値TQDR1と操舵角微分値θ’に応じた後輪駆動力指令値TQDR2とを足し合わせて駆動力配分制御を行うため、左右前輪3FL,3FRのコーナリングフォースが早くなり、操舵角θのみに応じた駆動力配分制御に比べ、より素早くアンダーステアモーメントの低減を図ることができるのに加えて、後輪配分比の増大比率をより拡大することができる。
(10) 前記駆動力配分制御手段は、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2との加算値に応じた駆動力配分制御にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比が減少側に移行すると、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2との加算値に応じた駆動力配分制御を止め、予め設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させるため、左右後輪3RL,3RRへの駆動力印加に伴う違和感や駆動系部品への負荷増大を防止することができる。
(11) 前記駆動力配分制御手段は、予め設定した特性にて左右後輪3RL,3RRへ伝達される駆動力配分比を減少させている途中で、前後輪回転速度差ΔVWが後輪駆動スリップを示す前後輪回転速度差閾値以下ΔVW1になると、後輪駆動力指令値TQDR1と後輪駆動力指令値TQDR2とのセレクトローによる駆動力配分制御を行うため、左右後輪3RL,3RRへの駆動力配分が大きくなり過ぎ、左右後輪3RL,3RRが駆動スリップ状態となったとき、応答良く左右後輪3RL,3RRの駆動スリップを抑制することができる。
(12) 前記車両は、前輪を主駆動輪とし、後輪を副駆動輪とし、エンジン1とフロントモータ2Fにより前輪を駆動する第1駆動源と、リアモータ2Rにより後輪を駆動する第2駆動源と、を備えた前輪駆動ベースのハイブリッド四輪駆動車であり、前記駆動力配分制御手段は、前記第2駆動源の駆動力を制御することで副駆動輪へ伝達される駆動力を制御するため、制御応答性の高いリアモータ2Rに対する駆動力指令により、主駆動輪と副駆動輪の駆動力配分によるアンダーステアモーメントの減少を、従来のフィードバック制御より早い応答性にて実現することができる。
以上、本発明の車両の駆動力配分制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、前輪駆動ベースの四輪駆動車に対する適用例を示したが、後輪駆動ベースの四輪駆動車にも適用することができるもので、後輪駆動ベースの四輪駆動車の場合、主駆動輪と副駆動輪の駆動力配分によるオーバーステアモーメントの減少を、従来のフィードバック制御より早い応答性にて実現することができる。
実施例1では、駆動力配分制御手段として、操舵角θに応じた後輪駆動力指令値TQDR1と操舵角微分値θ’に応じた後輪駆動力指令値TQDR2との加算値により制御を行う例を示したが、操舵角微分値θ’に応じた後輪駆動力指令値TQDR2のみにより行う例としても良いし、また、操舵角θに応じた後輪駆動力指令値TQDR1と操舵角微分値θ’に応じた後輪駆動力指令値TQDR2とのセレクトハイにより制御を行う例としても良い。
実施例1では、操舵操作量微分値として、操舵角の差分を求める例を示したが、例えば、操舵輪の車輪速差、ステアリングラックの移動量、等の運転者の操舵操作に伴い変化する操舵系操作量の差分を求めても良いし、さらに、これらの2次微分以上の値を求めても良い。
実施例1では、駆動スリップ相当値検出手段として、前後輪回転速度差ΔVWを求める手段の例を示したが、車体速を基準とする前輪スリップ率や後輪スリップ率を求めても良いし、路面摩擦係数を推定しても良い。
実施例1では、前後輪にそれぞれモータを有するハイブリッド四輪駆動車への適用例を示したが、例えば、左右後輪にそれぞれモータを有するハイブリッド四輪駆動車等にも適用できるし、さらには、ハイブリッド四輪駆動車に限らず、主駆動源としてエンジンのみを搭載し、副駆動輪には、クラッチ等を介して駆動力を伝達するエンジン四輪駆動車や四輪駆動電気自動車等にも適用できる。実施例1では、駆動力配分制御手段として、主駆動輪と副駆動輪のそれぞれの駆動源の駆動力を直接制御する例を示したが、従来技術に記載されているように、駆動系にトランスファクラッチや差動制限クラッチ等を備え、クラッチ締結力制御により前後輪駆動力配分を制御するものにも適用できる。
実施例1の駆動力配分制御装置が適用されたハイブリッド四輪駆動車を示す全体システム図である。 実施例1のコントローラにて実行される駆動力配分制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の駆動力配分制御をあらわす操舵角微分値に対する後輪駆動力指令値(N・m)の特性図である。 実施例1の駆動力配分制御不感帯をあらわす操舵角に対する後輪駆動力指令値(flg)の特性図である。 実施例1の駆動力配分制御で用いられる車速に対する操舵角不感帯特性マップを示す特性図である。 実施例1の駆動力配分制御で用いられる前後輪回転速度差に対するゲインマップを示す特性図である。 実施例1の後輪への駆動力配分制御において時間的要素による2つの制御終了パターンを示すタイムチャートである。 実施例1の後輪への駆動力配分制御において時間的要素による制御終了パターンの途中で前輪が再び駆動スリップを生じたときのタイムチャートである。 実施例1の駆動力配分制御不感帯をあらわす操舵角微分値に対する後輪駆動力指令値(flg)の特性図である。 実施例1の駆動力配分制御を行わないキックバック時をあらわす操舵角微分値と操舵角のタイムチャートである。 実施例1の操舵角に応じた指令値と操舵角微分値に応じた指令値との和により行う駆動力配分制御での横方向・後輪駆動力・操舵角微分値と操舵角の絶対値・操舵角・アクセル開度の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1の操舵角に応じた指令値と操舵角微分値に応じた指令値との和により行う駆動力配分制御において時間的要素による制御終了パターンを示すタイムチャートである。 実施例1の後輪への駆動力配分制御において時間的要素による制御終了パターンの途中で後輪の駆動スリップを生じたときのタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン(第1駆動源)
2F フロントモータ(第1駆動源)
2R リアモータ(第2駆動源)
3FL 左前輪タイヤ(主駆動輪)
3FR 右前輪タイヤ(主駆動輪)
3RL 左後輪タイヤ(副駆動輪)
3RR 右後輪タイヤ(副駆動輪)
4F フロントディファレンシャル
4R リアディファレンシャル
5F フロントトランスミッション
5R リアトランスミッション
6 車輪速センサ
7 操舵角センサ(操舵操作量検出手段)
8 横加速度センサ
9 車速センサ
10 アクセル開度センサ
11 コントローラ
12 強電バッテリ
13F フロントインバータ
13R リアインバータ

Claims (12)

  1. 前後輪のうち一方を主駆動輪とし他方を副駆動輪とし、前後輪の駆動力配分を制御する駆動力配分制御手段を備えた車両において、
    運転者の操舵操作量微分値を検出する操舵操作量微分値検出手段を設け、
    前記駆動力配分制御手段は、運転者の操舵操作量微分値が大きくなるほど前記副駆動輪へ伝達される駆動力配分比を増大する制御を行うことを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、操舵操作量に不感帯を設け、操舵操作量が不感帯内のときに、操舵操作量微分値に応じた駆動力配分制御を行わないことを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  3. 請求項1または2に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、車速が設定車速以下の低車速領域のときに、操舵操作量微分値に応じた駆動力配分制御を行わないことを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    駆動スリップ相当値を検出する駆動スリップ相当値検出手段を設け、
    前記駆動力配分制御手段は、駆動スリップ相当値が駆動スリップが高いことを示す値であるほど、操舵操作量微分値に応じた駆動力配分制御のゲインを高く設定することを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  5. 請求項2乃至4の何れか1項に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、操舵操作量微分値に応じた駆動力配分制御にて副駆動輪へ伝達される駆動力配分比が減少側に移行すると、操舵操作量微分値に応じた駆動力配分制御を止め、予め設定した特性にて副駆動輪へ伝達される駆動力配分比を減少させることを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  6. 請求項5に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、設定した特性により副駆動輪へ伝達される駆動力配分比を減少させている途中で、駆動スリップ相当値が主駆動輪スリップを示す閾値以上になると、前記ゲイン及び前記操舵操作量微分値に応じた駆動力配分制御に復帰することを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、操舵操作量微分値に不感帯を設け、操舵操作量微分値が不感帯内のときに、操舵操作量微分値に応じた駆動力配分制御を行わないことを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、操舵操作量絶対値が減少するとき、操舵操作量微分値に応じた駆動力配分制御を行わないことを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、操舵操作量に応じた第1指令値と操舵操作量微分値に応じた第2指令値とを足し合わせて駆動力配分制御を行うことを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  10. 請求項9に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、第1指令値と第2指令値との加算値による駆動力配分制御を行うとき、副駆動輪へ伝達される駆動力配分比が減少側に移行すると、第1指令値と第2指令値との加算値による駆動力配分制御を止め、予め設定した特性にて副駆動輪へ伝達される駆動力配分比を減少させることを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  11. 請求項10に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、設定した特性にて副駆動輪へ伝達される駆動力配分比を減少させ、駆動力配分比を減少させている途中で、駆動スリップ相当値が副駆動輪スリップを示す閾値以下になると、第1指令値と第2指令値とのセレクトローによる駆動力配分制御を行うことを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  12. 請求項1乃至11の何れか1項に記載された車両の駆動力配分制御装置において、
    前記車両は、前輪を主駆動輪とし、後輪を副駆動輪とし、エンジンとモータの少なくとも一方により前輪を駆動する第1駆動源と、モータにより後輪を駆動する第2駆動源と、を備えた前輪駆動ベースのハイブリッド四輪駆動車であり、
    前記駆動力配分制御手段は、前記第2駆動源の駆動力を制御することで副駆動輪へ伝達される駆動力を制御することを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
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