JP2007055361A - 衝突物保護装置を備えた車両 - Google Patents

衝突物保護装置を備えた車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2007055361A
JP2007055361A JP2005241246A JP2005241246A JP2007055361A JP 2007055361 A JP2007055361 A JP 2007055361A JP 2005241246 A JP2005241246 A JP 2005241246A JP 2005241246 A JP2005241246 A JP 2005241246A JP 2007055361 A JP2007055361 A JP 2007055361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
collision object
airbag
pillar
collision
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005241246A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Okamoto
豊 岡本
Yuji Kikuchi
裕二 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2005241246A priority Critical patent/JP2007055361A/ja
Priority to DE102006033670A priority patent/DE102006033670B4/de
Priority to US11/459,686 priority patent/US20070023223A1/en
Publication of JP2007055361A publication Critical patent/JP2007055361A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 衝突物が衝突したときに、衝突物に加えられる衝撃力を確実に吸収緩和することができるとともに、前方視界を確保することができる車両を提供することを課題とする。
【解決手段】 衝突物の衝突を検知または予知したときに、車体の上面にエアバッグ10を膨張展開させる衝突物保護装置2を備えた車両1であって、衝突物保護装置2のエアバッグ10には、フロントピラーに沿って膨張展開する一対のピラー部が形成されており、二枚の透明基板3a,3bの間に透明な中間膜3cが挟まれている合わせガラスによってフロントウインドガラス3が構成され、中間膜3cは遮音性を備えていることを特徴としている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、衝突物が衝突したときに、衝撃を吸収して衝突物を保護する衝突物保護装置を備えた車両に関するものである。
車両への衝突を検知または予知したときに、車両の上面にエアバッグを膨張展開させることにより、衝突物に加えられる衝撃力を吸収緩和する衝突物保護装置としては、車両のフロントウインドガラスの下部に沿って膨張展開する本体部と、この本体部の両端部から屈曲して車両のフロントピラーの下部付近に沿って膨張展開する一対のピラー部とが形成された筒状の袋体からなるエアバッグを備えている衝突物保護装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、前記した従来の衝突物保護装置のエアバッグには、フロントウインドガラスの前面を覆うように展開する透明な裂傷防止膜が設けられており、この裂傷防止膜によってフロントウインドガラスの前面を覆うことにより、フロントウインドガラスに衝突した衝突物の衝撃力を吸収緩和することができるとともに、衝突物がフロントウインドガラスを貫通してしまうことを防ぐことができる。
特開2000−264146号公報(段落0015、0019、0020、図4)
しかしながら、前記した従来の衝突物保護装置では、裂傷防止膜はエアバッグの一部であり、エアバッグが膨張展開後に収縮したときには、フロントウインドガラスの前面を覆っている裂傷防止膜に撓みが生じることになる。
これにより、運転者は撓んだ裂傷防止膜を通して前方を見ることになり、前方の像に歪みが生じてしまうため、前方視界を確保することが困難になってしまうという問題がある。特に、裂傷防止膜の衝撃吸収性能を高めるために、その厚みや面積を増やした場合には、前方の像の歪みが大きくなるとともに、歪みが生じる領域が広くなるため、前方視界を確保することがより困難になってしまう。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、衝突物が衝突したときに、衝突物に加えられる衝撃力を確実に吸収緩和することができるとともに、前方視界を確保することができる衝突物保護装置を備えた車両を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、衝突物の衝突を検知または予知したときに、車体の上面にエアバッグを膨張展開させる衝突物保護装置を備えた車両であって、衝突物保護装置のエアバッグには、フロントピラーに沿って膨張展開する一対のピラー部が形成されており、二枚の透明基板の間に透明な中間膜が挟まれている合わせガラスによってフロントウインドガラスが構成され、中間膜は遮音性を備えていることを特徴としている。
ここで、中間膜とは、衝突物に加えられる衝撃力を吸収緩和させることができる薄い膜である。
このように、フロントピラーに沿って膨張展開する一対のピラー部をエアバッグに形成することにより、エアバッグによってフロントピラーを覆うことができ、衝突物がフロントピラーに直接衝突することを防ぐことができる。
また、フロントウインドガラスは、二枚の透明基板の間に透明な中間膜が挟まれた合わせガラスによって構成されており、衝突物に加えられる衝撃力を中間膜によって吸収緩和することができる。
したがって、本発明では、衝突物がエアバッグのピラー部に衝突した後に、フロントウインドガラスの上面に移動することにより、エアバッグおよびフロントウインドガラスによって、衝突物に加えられる衝撃力を確実に吸収緩和することができる。
さらに、中間膜は、透明基板の間に挟まれており、エアバッグの収縮に伴って撓むことがないため、衝突物の衝突後に前方視界を確保することができ、衝突後の回避操作を的確に行うことができる。
また、中間膜が遮音性を備えており、車両外部から車内に伝わる音を減少させることができるため、フロントウインドガラスの防音効果を向上させることができる。すなわち、防音効果があるフロントウインドガラスを利用して、衝突物に加えられる衝撃力の吸収緩和性能を向上させているため、衝突物保護装置を簡易な構造にすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
前記した衝突物保護装置を備えた車両において、エアバッグには、ピラー部のずれを防ぐ振れ止め手段が設けられていることが望ましい。
このように、ピラー部のずれを防ぐ振れ止め手段を設けることにより、エアバッグが膨張展開したときに生じる揺れ、膨張展開した後に作用する風圧、衝突物からの押圧力によって、ピラー部がフロントピラーの上面でずれてしまうことを防ぐことができるため、エアバッグによってフロントピラーが覆われた状態を保つことができる。
また、ピラー部がフロントピラーの上面でずれてしまうことを防ぐことができるため、ピラー部に衝突した衝突物を、ピラー部の外形に沿ってフロントウインドガラスの上面へ確実に移動させることができる。
なお、振れ止め手段としては、例えば、ピラー部の内部を長手方向に沿って区画する仕切壁であるテザーを設け、膨張展開させたピラー部の外周面において、車両の上面に重なる領域に、テザーとピラー部の内周面との接続部によって、内方に引き込まれた溝状の窪み部を形成し、この窪み部にフロントピラーの上面を入り込ませることにより、膨張展開させたピラー部をフロントピラーの上面に留まらせることができる。
また、振れ止め手段の他の構成としては、ピラー部の車幅方向における外側面部に生じる長手方向の伸びに抵抗するストラップや縫合部等を設け、ピラー部が車幅方向の内側に向かって倒れようとしたときに、外側面部に張力を生じさせ、ピラー部を車幅方向の外側に引っ張ることにより、ピラー部をフロントピラーの上面に留まらせることができる。
前記した衝突物保護装置を備えた車両において、中間膜は靭性を備えており、衝突物がフロントウインドガラスに衝突したときに、衝突物を貫通させることなく衝撃を吸収するように構成されていることが望ましい。
このように、中間膜は靭性を備えており、衝突物を貫通させることなく衝撃を吸収することができるため、衝突物がフロントウインドガラスを貫通してしまうことを確実に防ぐことができる。
前記した衝突物保護装置を備えた車両において、フロントウインドガラスは、エアバッグよりも衝撃を吸収するように構成されていることが望ましい。
このように、エアバッグよりもフロントウインドガラスの方が衝撃を吸収するように構成することにより、エアバッグに衝突した衝突物が、フロントウインドガラスの上面に移動したときに、衝突物に加えられる衝撃力を確実に吸収緩和することができる。
本発明の衝突物保護装置を備えた車両によれば、エアバッグにピラー部を形成することにより、エアバッグによってフロントピラーを覆うことができるとともに、フロントウインドガラスは、二枚の透明基板の間に透明な中間膜が挟まれた合わせガラスによって構成されており、衝突物に加えられる衝撃力を中間膜によって吸収緩和することができる。したがって、衝突物がフロントピラーに衝突することを防ぐことができ、さらに、衝突物がエアバッグのピラー部に衝突した後に、フロントウインドガラスの上面に移動することにより、衝突物に加えられる衝撃力を確実に吸収緩和することができる。
また、中間膜は、透明基板の間に挟まれており、エアバッグの収縮に伴って撓むことがないため、衝突物の衝突後に前方視界を確保することができ、衝突後の回避操作を的確に行うことができる。
さらに、中間膜が遮音性を備えており、車両外部から車内に伝わる音を減少させることができるため、フロントウインドガラスの防音効果を向上させることができる。すなわち、防音効果があるフロントウインドガラスを利用して、衝突物に加えられる衝撃力の吸収緩和性能を向上させているため、衝突物保護装置を簡易な構造にすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の車両を示した図で、(a)はエアバッグを膨張展開させる前の状態の平面図、(b)はエアバッグを膨張展開させた後の状態の平面図である。図2は、本実施形態の衝突物保護装置を示した図で、(a)は図1(a)のA−A断面図、(b)はフロントウインドガラスの拡大断面図である。図3は、本実施形態の衝突物保護装置を示した図で、エアバッグを膨張展開させた状態の側断面図である。図4は、本実施形態の衝突物保護装置を示した図で、図1(b)のB−B断面図である。
[車両の構成]
図1に示すように、本実施形態の車両1は自動車であり、この車両1が走行中に衝突物と衝突し、その衝突物が車両前部の上面に二次衝突したときに、その衝突物に加えられる衝撃力を吸収緩和するための衝突物保護装置2が車両前部に搭載されている。
[衝突物保護装置の構成]
図1に示す衝突物保護装置2は、車両1と衝突物との衝突を検知または予知する衝突判定装置(図示せず)と、衝突判定装置が車両1への衝突を検知または予知したときに、車両1の上面に膨張展開するエアバッグ10とを備えている。
衝突判定装置は、車両1に搭載されたセンサやレーダ(図示せず)からの信号に基づいて、車両1と衝突物との衝突を検知または予知するECU(Electronic Control Unit)によって構成されており、車両1への衝突を検知または予知したときには、エアバッグ10を膨張展開させるためのガスを発生させる二台のインフレータ20,20を作動させるように構成されている。なお、衝突判定装置は、既存の装置を用いて構成されており、その構成は限定されるものではない。
エアバッグ10は、図1(b)に示すように、筒状の袋体であり、車両1のフロントウインドガラス3の下部に沿って膨張展開する本体部11と、この本体部11の両端部から屈曲して車両1のフロントピラー1a,1a(図1(a)参照)に沿って膨張展開する一対のピラー部12,12とが形成されている。
膨張展開する前のエアバッグ10は、図2(a)に示すように、車両1のフード1bとフロントウインドガラス3との間に設けられたエアバッグモジュール30のリテーナ31の内部に折り畳まれた状態で収納されている。
エアバッグモジュール30は、フード1bの後端部に沿って、車幅方向に延長されており、エアバッグ10およびインフレータ20が収納されている箱状の容器であるリテーナ31を備えており、このリテーナ31の後方および両側に、水平板であるカウルトップ40が配置されることにより、フード1bとフロントウインドガラス3との間が塞がれている。
リテーナ31には、上部開口部31aが形成されており、上部開口部31aが蓋体であるリッド32によって塞がれることにより、リテーナ31の内部が密閉されている。
また、リテーナ31の底部には、インフレータ20が収納されており、このインフレータ20の上方でエアバッグ10が折り畳まれている。
なお、本実施形態では、二体のインフレータ20,20がリテーナ31内に配置されている(図1(a)参照)。
リッド32の下面には、L字形状に形成された板状部材であるヒンジ部材32aの一端が取り付けられ、このヒンジ部材32aの他端はリテーナ31の内面における前側の面に取り付けられている。ヒンジ部材32aの中間部は折り畳まれており、車両外部に向かって伸長可能となっている。
そして、図3に示すように、エアバッグ10が膨張展開したときには、エアバッグ10の膨張力によってリッド32が車両外部に向かって押し開けられることになり、リッド32の移動に伴ってヒンジ部材32aが伸長することにより、リッド32が車両外部の前方に向かって開くことになる。
エアバッグ10の本体部11は、図1(b)および図3に示すように、車両1のフロントウインドガラス3の外面下部に沿って、車幅方向に膨張展開する筒状の袋体であり、この袋体の内部を長手方向に沿って区画する二枚のテザー11a,11aが延設されている。各テザー11a,11aは略垂直になるように配置された仕切壁であり、各テザー11a,11aの上端縁11b,11bおよび下端縁11c,11cが、本体部11の内周面11dに接続されることにより、本体部11の上面部11e(フロントウインドガラス3と離間している側)と下面部11f(フロントウインドガラス3と近接している側)とが各テザー11a,11aを介して繋がれている。
このように、本体部11では、本体部11の上面部11eと下面部11fとが各テザー11a,11aを介して繋がれているため、本体部11を膨張展開させたときには、各テザー11a,11aと内周面11dとの接続部によって、本体部11の外周面が内方に引き込まれた状態となる。
これにより、膨張展開させた本体部11において、車両1の上面に重なる領域11gには、内方に引き込まれた溝状の窪み部11h,11hが長手方向に沿って形成されることになる。この窪み部11h,11hが形成されることによって、膨張展開させた本体部11の軸断面形状が幅広になり、本体部11の下面側が平坦状になるため、車両1の上面に重なる領域11gの幅が広くなっている。
エアバッグ10の各ピラー部12,12は、図1および図4に示すように、車両1の各フロントピラー1a,1aに沿って、上下方向に膨張展開する筒状の袋体である。なお、各ピラー部12,12は同一の構成であるため、以下の説明では、車両1の正面から見て右側のピラー部12について説明し、左側のピラー部12については説明を省略する。
ピラー部12には、袋体の内部を長手方向に沿って区画するテザー12a(特許請求の範囲における「振れ止め手段」)が延設されており、このテザー12aはフロントウインドガラス3に対して略垂直になるように配置された仕切壁であり、テザー12aの上端縁12bおよび下端縁12cが、ピラー部12の内周面12dに接続されることにより、ピラー部12の上面部12e(ピラー部1aと離間している側)と下面部12f(ピラー部1aと近接している側)とがテザー12aを介して繋がれている。
このように、ピラー部12の上面部12eと下面部12fとがテザー12aを介して繋がれているため、ピラー部12を膨張展開させたときには、本体部11と同様に、テザー12aの上端縁12bおよび下端縁12cと内周面12dとの接続部によって、ピラー部12の外周面が内方に引き込まれた状態となる。
これにより、膨張展開させたピラー部12において、車両1の上面に重なる領域12gには、内方に引き込まれた溝状の窪み部12hが長手方向に沿って形成されることになる。この窪み部12hが形成されることによって、膨張展開させたピラー部12の軸断面形状が幅広になり、ピラー部12の下面側が平坦状になるため、車両1の上面に重なる領域12gの幅が広くなっている。なお、窪み部12hは、フロントピラー1aの上面が入り込む位置に形成されている。
また、ピラー部12の上端部には、エアバッグ10に衝突した衝突物の跳ね返りを防ぐために、膨張展開したエアバッグ10内からガスを排出して内圧を調整するためのベントホール12iが設けられている。
[フロントウインドガラスの構成]
車両1のフロントウインドガラス3は、図2(b)に示すように、上下方向に配置されたガラス製の二枚の透明基板3a,3bの間に、透明な中間膜3cが挟まれている合わせガラスである。
中間膜3cは、遮音性を備えており、車両外部から車内に伝わる音を減少させることができる薄い膜である。
また、中間膜3cは靭性を備えており、衝突物を貫通させることなく衝撃を吸収するように構成されている。
本実施形態では、フロントウインドガラス3に中間膜3cを設けることにより、エアバッグ10よりもフロントウインドガラス3の方が衝撃を吸収するように構成されており、フロントウインドガラス3はエアバッグ10よりも衝撃吸収性能が高まっている。
なお、中間膜3cの材料は限定されるものではないが、例えば、PVB(ポリビニルブチラール)等を用いることができる。そして、中間膜3cの荷重/伸びは、0.4〜0.7N/mmであることが望ましい。
[車両の作用効果]
以上のように構成された車両1は、次のような作用効果を奏する。
衝突判定装置(図示せず)が、図1(a)に示す車両1に搭載されたセンサやレーダ(図示せず)からの信号に基づいて、車両1への衝突を検知または予知したときには、衝突判定装置は各インフレータ20,20を作動させることになり、各インフレータ20,20で発生したガスによって、図1(b)に示すように、エアバッグ10が車両1の上面に膨張展開することになる。
このとき、本実施形態の車両1では、フロントピラー1a,1aに沿って膨張展開する一対のピラー部12,12がエアバッグ10に形成されており、エアバッグ10によってフロントピラー1a,1aが覆われることになるため、衝突物がフロントピラー1a,1aに直接衝突することを防ぐことができる。
本実施形態では、図3および図4に示すように、膨張展開させたエアバッグ10の本体部11およびピラー部12において、車両1の上面に重なる領域11g,12gには、溝状の窪み部11h,12hが形成され、本体部11およびピラー部12の軸断面形状が幅広になるため、車両1の上面に重なる領域11g,12gの幅を広くすることができる。
また、ピラー部12の窪み部12hには、フロントピラー1aの上面が入り込むことになるため、ピラー部12をフロントピラー1aに係止させることができるとともに、ピラー部12と車両1の上面との接触面積を十分に確保することができる。
これにより、エアバッグ10が膨張展開したときに生じる揺れ、膨張展開した後に作用する風圧、衝突物からの押圧力によって、ピラー部12がフロントピラーの上面でずれてしまうことを防ぐことができるため、エアバッグ10によってフロントピラー1aが覆われた状態を保つことができる。
また、ピラー部12がフロントピラー1aの上面でずれてしまうことを防ぐことができるため、ピラー部12に衝突した衝突物を、ピラー部12の外形に沿ってフロントウインドガラス3の上面へ確実に移動させることができる。
そして、フロントウインドガラス3では、図2(b)に示すように、二枚の透明基板3a,3bの間に透明な中間膜3cが挟まれており、衝突の衝撃力が中間膜3cによって吸収緩和されることにより、エアバッグ10よりもフロントウインドガラス3の方が衝撃を吸収するように構成されている。このように、フロントウインドガラス3はエアバッグ10よりも衝撃吸収性能が高まっているため、エアバッグ10に衝突した衝突物がフロントウインドガラス3の上面に移動したときに、衝突物に加えられる衝撃力を確実に吸収緩和することができる。
また、中間膜3cは靭性を備えており、衝突物を貫通させることなく衝撃を吸収するため、衝突物がフロントウインドガラス3を貫通してしまうことを防ぐことができる。
さらに、中間膜3cは、二枚の透明基板3a,3bの間に挟まれており、エアバッグ10の収縮に伴って撓むことがないため、衝突物の衝突後に前方視界を確保することができ、衝突後の回避操作を的確に行うことができる。
また、中間膜3cは遮音性を備えているため、フロントウインドガラス3は防音効果が向上していることになる。すなわち、防音効果があるフロントウインドガラス3を利用して、衝突物に加えられる衝撃力の吸収緩和性能を向上させているため、衝突物保護装置2を簡易な構成にすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。本実施形態では、図4に示すように、ピラー部12の内部に延設したテザー12aによって、ピラー部12の外周面に形成された窪み部12hにフロントピラー1aを入り込ませることにより、ピラー部12のずれを防止しているが、ピラー部12の振れ止め手段の構成は限定されるものではない。
例えば、ピラー部12の外側面部にストラップや縫合部等を設け、ピラー部12が車幅方向の内側に向かって倒れようとしたときに、ピラー部12の外側面部に張力を生じさせ、ピラー部12を車幅方向の外側に引っ張ることにより、ピラー部12をフロントピラー1aの上面に留まらせるように構成することができる。
次に、本発明の効果を確認した実施例について説明する。この実施例では、前記実施形態の車両1を用いて衝突実験を行った結果を示す。
図5は、本実施例における実験結果を示しており、(a)は本発明におけるフロントピラーのHICとエアバッグのピラー部のHICを示した表、(b)は従来のフロントウインドガラスと本発明におけるフロントウインドガラスのHICを示した表である。
本実施例では、本発明のフロントウインドガラスの中間膜として、積水化学工業株式会社の商品名エスレック・アコースティック・フィルムを用いており、中間膜の厚みが0.76mm、各透明基板の厚みが2mmとなっている。
また、従来のフロントウインドガラスは、本発明のフロントウインドガラスと同じ厚みに形成されている。
衝突試験では、重さ4.8kg、直径165mmの球状体であるインパクタを車両に対して40km/hで衝突させたときのフロントウインドガラスおよびフロントピラーのHIC(Head Injury Criterion 頭部障害度)を測定している。
この衝突試験の結果、図5(a)の表に示すように、フロントピラーのHICは7977であるが、本発明のエアバッグのピラー部では、HICが505となっている。
さらに、図5(b)の表に示すように、従来のフロントウインドガラスではHICが350となっていたが、本発明のフロントウインドガラスでは、HICが192となっている。
このような実施例によって、本発明の車両では、エアバッグおよびフロントウインドガラスによって、衝突物に加えられる衝撃力を確実に吸収緩和することができることが分かった。
本実施形態の車両を示した図で、(a)はエアバッグを膨張展開させる前の状態の平面図、(b)はエアバッグを膨張展開させた後の状態の平面図である。 本実施形態の衝突物保護装置を示した図で、(a)は図1(a)のA−A断面図、(b)はフロントウインドガラスの拡大断面図である。 本実施形態の衝突物保護装置を示した図で、エアバッグを膨張展開させた状態の側断面図である。 本実施形態の衝突物保護装置を示した図で、図1(b)のB−B断面図である。 本実施例における実験結果を示しており、(a)は本発明におけるフロントピラーのHICとエアバッグのピラー部のHICを示した表、(b)は従来のフロントウインドガラスと本発明におけるフロントウインドガラスのHICを示した表である。
符号の説明
1 車両
1a フロントピラー
2 衝突物保護装置
3 フロントウインドガラス
3a 透明基板
3b 透明基板
3c 中間膜
10 エアバッグ
11 本体部
12 ピラー部
30 エアバッグモジュール
31 リテーナ
32 リッド
40 カウルトップ

Claims (4)

  1. 衝突物の衝突を検知または予知したときに、車体の上面にエアバッグを膨張展開させる衝突物保護装置を備えた車両であって、
    前記衝突物保護装置の前記エアバッグには、フロントピラーに沿って膨張展開する一対のピラー部が形成されており、
    二枚の透明基板の間に透明な中間膜が挟まれている合わせガラスによってフロントウインドガラスが構成され、
    前記中間膜は遮音性を備えていることを特徴とする衝突物保護装置を備えた車両。
  2. 前記エアバッグには、前記ピラー部のずれを防ぐ振れ止め手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の衝突物保護装置を備えた車両。
  3. 前記中間膜は靭性を備えており、前記衝突物が前記フロントウインドガラスに衝突したときに、前記衝突物を貫通させることなく衝撃を吸収するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の衝突物保護装置を備えた車両。
  4. 前記フロントウインドガラスは、前記エアバッグよりも衝撃を吸収するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の衝突物保護装置を備えた車両。
JP2005241246A 2005-07-26 2005-08-23 衝突物保護装置を備えた車両 Pending JP2007055361A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005241246A JP2007055361A (ja) 2005-08-23 2005-08-23 衝突物保護装置を備えた車両
DE102006033670A DE102006033670B4 (de) 2005-07-26 2006-07-20 Fahrzeug mit Kollisionsobjekt-Schutzeinrichtung
US11/459,686 US20070023223A1 (en) 2005-07-26 2006-07-25 Vehicle with collision object protection device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005241246A JP2007055361A (ja) 2005-08-23 2005-08-23 衝突物保護装置を備えた車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007055361A true JP2007055361A (ja) 2007-03-08

Family

ID=37919226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005241246A Pending JP2007055361A (ja) 2005-07-26 2005-08-23 衝突物保護装置を備えた車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007055361A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014503423A (ja) * 2011-01-27 2014-02-13 タカタ アーゲー 自動車両用のガスバッグ構成
JP2015104958A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 三菱自動車工業株式会社 車両用の車外者保護装置
JP2016506894A (ja) * 2013-02-20 2016-03-07 オートリブ ディベロップメント エービー 方向付けて膨張するエアバッグ装置
JP2019151138A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 豊田合成株式会社 歩行者用エアバッグ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001316140A (ja) * 2000-03-02 2001-11-13 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2003306100A (ja) * 2002-04-12 2003-10-28 Honda Motor Co Ltd 車両外置きエアバッグ装置
JP2005206445A (ja) * 2003-08-22 2005-08-04 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス及び合わせガラス用中間膜

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001316140A (ja) * 2000-03-02 2001-11-13 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2003306100A (ja) * 2002-04-12 2003-10-28 Honda Motor Co Ltd 車両外置きエアバッグ装置
JP2005206445A (ja) * 2003-08-22 2005-08-04 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス及び合わせガラス用中間膜

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014503423A (ja) * 2011-01-27 2014-02-13 タカタ アーゲー 自動車両用のガスバッグ構成
JP2016506894A (ja) * 2013-02-20 2016-03-07 オートリブ ディベロップメント エービー 方向付けて膨張するエアバッグ装置
JP2015104958A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 三菱自動車工業株式会社 車両用の車外者保護装置
JP2019151138A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 豊田合成株式会社 歩行者用エアバッグ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6219491B2 (ja) カーテンエアバッグのためのトップテザー
US7762579B2 (en) Ejection mitigation device
US8414017B2 (en) Roof airbag apparatus for vehicle
US10870407B2 (en) Airbag apparatus for vehicle
JP2007161167A (ja) 乗員保護装置
JP4797145B2 (ja) 車両用エアバッグ装置
JP2007161163A (ja) 乗員保護装置
JP5427220B2 (ja) カーテンエアバッグ
US20170028954A1 (en) Airbag Device
US20070057498A1 (en) Airbag device
JP4441444B2 (ja) 衝突物保護装置
JP2007030786A (ja) ロールオーバ保護装置
JP2007055361A (ja) 衝突物保護装置を備えた車両
KR100778579B1 (ko) 자동차용 커튼에어백의 장착구조
JP5004966B2 (ja) カーテンエアバッグ装置
JP3941398B2 (ja) 車両の内装材構造
JPH07277128A (ja) エアバッグ装置
JP4494949B2 (ja) 車両外置きエアバッグ装置
JP2008195190A (ja) 車両用エアバッグ装置
JP2018171988A (ja) カーテンエアバッグ装置
JP2006256386A (ja) 車両用エアバッグ装置
WO2009154098A1 (ja) カーテンエアバッグ装置
JP2006159971A (ja) 車両外置きエアバッグ装置
JP4224358B2 (ja) 自動車のフード
JP2006240385A (ja) エアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100608