JP2007055324A - 自動車およびその制御方法 - Google Patents

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誠 冨田
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Abstract

【課題】 運転者の指示に応じて走行すると共にスリップの発生をより抑制する。
【解決手段】 高出力モード設定スイッチ89がオン状態のときには、モータMG3の定格最大トルクTm3maxをモータMG3から出力すると共に車両に要求される要求トルクT*と後輪66a,66bに出力するトルクとの差分のトルクを所定のトルク制限で制限したトルクを前輪63a,63bに出力する。これにより、後輪66a,66bに比較的大きなトルクを出力することができると共に前輪63a,63b側に出力するトルクと後輪66a,66b側に出力するトルクとの差を小さくすることができる。この結果、運転者の指示に応じて走行することができると共に高出力モード設定スイッチ89がオン状態のときのスリップの発生をより抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車およびその制御方法に関する。
従来、この種の自動車としては、前輪に駆動力を出力可能なエンジンおよび第1モータと、後輪に駆動力を出力可能な第2モータとを備え、通常時には主として前輪を駆動して走行するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、スリップが検出されたときや運転者により駆動力切替スイッチがオンされたときには、通常時よりも駆動力が大きくなる傾向のマップを用いて、車速とアクセルペダルの踏込量とに基づいて設定された駆動力を第2モータから出力することにより、スリップを回避している。
特開2004−222413号公報
上述の自動車では、駆動力切替スイッチがオンされたときには、第2モータからの出力を大きくすることにより、スリップの発生を抑制している。しかしながら、上述の自動車のように、アクセルペダルの踏込量によって第2モータからの出力を変化させると、アクセルペダルの踏み込み量の程度によっては第2モータから十分な出力を得ることができずにスリップの発生を抑制できない場合が生じる。また、上述の自動車では、第2モータから後輪への出力を変化させたときにおける前輪への出力については具体的な記載がない。
本発明の自動車およびその制御方法は、運転者の指示に応じて走行することを目的の一つとする。また、本発明の自動車およびその制御方法は、高出力モードが設定された高出力モード時におけるスリップの発生を抑制することを目的の一つとする。
本発明の自動車およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
第1車軸に駆動力を出力可能な第1車軸用駆動力源と、
第2車軸に駆動力を出力可能で、定格値が前記第1車軸用駆動力源から前記第1車軸に出力可能な駆動力よりも小さい駆動力となる第2車軸用電動機と、
操作者の操作により前記電動機からの出力を高出力側にする高出力モードを設定する高出力モード設定手段と、
車両に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記高出力モード設定手段により前記高出力モードが設定されていない通常モード時には前記第2車軸用電動機の定格値の範囲内で設定された駆動範囲である通常駆動範囲内の駆動力が該第2車軸用電動機から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記第1車軸および前記第2車軸に出力されるよう前記第1車軸用動力源と該第2車軸用電動機とを制御し、前記高出力モード設定手段により前記高出力モードが設定された高出力モード時には前記第2車軸用電動機の定格値から許容される前記通常駆動範囲より高出力側の駆動範囲である高出力駆動範囲内の駆動力が前記第2車軸用電動機から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記第1車軸および前記第2車軸に出力されるよう前記第1車軸用動力源と該第2車軸用電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の自動車では、操作者の操作により第2車軸用電動機からの出力を高出力側にする高出力モードが設定されていない通常モード時には、第2車軸用電動機の定格値の範囲内で設定された駆動範囲である通常駆動範囲内の駆動力が第2車軸用電動機から出力されると共に車両に要求される要求駆動力に基づく駆動力が第1車軸および第2車軸に出力されるよう第1車軸用駆動力源と第2車軸用電動機とを制御する。一方、高出力モードが設定された高出力モード時には、第2車軸用電動機の定格値から許容される通常駆動範囲より高出力側の駆動範囲である高出力駆動範囲内の駆動力が第2車軸用電動機から出力されると共に車両に要求される要求駆動力に基づく駆動力が第1車軸および第2車軸に出力されるよう第1車軸用駆動力源と第2車軸用電動機とを制御する。即ち、高出力モード時には、第2車軸用電動機の定格値から許容される通常駆動範囲よりも高出力側の高出力範囲内の駆動力を第2車軸用電動機から出力するのである。これにより、操作者の操作に基づいて走行することができると共に高出力モード時におけるスリップの発生を抑制することができる。
こうした本発明の自動車において、前記制御手段は、前記高出力モード時には前記高出力駆動範囲内の最大駆動力が前記第2車軸用電動機から出力されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、高出力駆動範囲内の最大駆動力を第2車軸用電動機から出力することにより、アクセル操作量に応じた駆動力を第2車軸用電動機から出力するものに比して高出力モード時におけるスリップの発生をより抑制することができる。
また、本発明の自動車において、前記制御手段は、前記通常モード時には前記要求駆動力に対する所定の配分比により配分された駆動力が前記第1車軸と前記第2車軸とに出力されるよう制御し、前記高出力モード時には前記高出力駆動範囲内の最大駆動力が前記第2車軸用電動機から出力されると共に前記要求駆動力と前記最大駆動力に基づく駆動力との差分の駆動力が前記第1車軸に出力されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、高出力駆動範囲内の最大駆動力を第2車軸用電動機から出力することにより、アクセル操作量に応じた駆動力を第2車軸用電動機から出力するものに比して高出力モード時におけるスリップの発生をより抑制することができる。この場合、前記制御手段は、前記高出力モード時に前記要求駆動力が所定駆動力未満のときには、前記通常モード時の所定の配分比に比して該要求駆動力に対する前記第2車軸に出力する駆動力の割合が大きい第2の所定の配分比により該要求駆動力を配分した駆動力が前記第1車軸と該第2車軸とに出力されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、通常モード時に比して第2車軸に出力する駆動力を大きくすることができ、高出力モード時におけるスリップの発生をより抑制することができる。また、前記制御手段は、前記高出力モード時には前記通常モード時に前記第1車軸に出力する駆動力以下の駆動力を制限駆動力として前記要求駆動力と前記最大駆動力に基づく駆動力との差分の駆動力を制限した駆動力が前記第1車軸に出力されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、通常モード時に比して第1車軸に出力する駆動力と第2車軸に出力する駆動力との差を小さくすることができ、高出力モード時におけるスリップの発生をより抑制することができる。
さらに、本発明の自動車において、前記制御手段は、前記高出力モード時には前記通常モード時に前記第1車軸に出力する駆動力以下の駆動力が該第1車軸に出力されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、通常モード時に比して第1車軸に出力する駆動力と第2車軸に出力する駆動力との差を小さくすることができ、高出力モード時におけるスリップの発生をより抑制することができる。
或いは、本発明の自動車において、前記第1車軸用駆動力源は、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記第1車軸に連結された駆動軸とに接続され電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、前記第1車軸に動力を入出力可能な第1車軸用電動機と、を備えるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の自動車の制御方法は、
第1車軸に駆動力を出力可能な第1車軸用駆動力源と、第2車軸に駆動力を出力可能で、定格値が前記第1車軸用駆動力源から前記第1車軸に出力可能な駆動力よりも小さい駆動力となる第2車軸用電動機と、操作者の操作により前記電動機からの出力を高出力側にする高出力モードを設定する高出力モード設定スイッチと、を備える自動車の制御方法であって、
前記高出力モード設定スイッチにより前記高出力モードが設定されていない通常モード時には前記第2車軸用電動機の定格値の範囲内で設定された駆動範囲である通常駆動範囲内の駆動力が該第2車軸用電動機から出力されると共に車両に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記第1車軸および前記第2車軸に出力されるよう前記第1車軸用動力源と該第2車軸用電動機とを制御し、前記高出力モード設定スイッチにより前記高出力モードが設定された高出力モード時には前記第2車軸用電動機の定格値から許容される前記通常駆動範囲より高出力側の駆動範囲である高出力駆動範囲内の駆動力が前記第2車軸用電動機から出力されると共に車両に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記第1車軸および前記第2車軸に出力されるよう前記第1車軸用動力源と該第2車軸用電動機とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の自動車の制御方法によれば、操作者の操作により第2車軸用電動機からの出力を高出力側にする高出力モードが設定されていない通常モード時には、第2車軸用電動機の定格値の範囲内で設定された駆動範囲である通常駆動範囲内の駆動力が第2車軸用電動機から出力されると共に車両に要求される要求駆動力に基づく駆動力が第1車軸および第2車軸に出力されるよう第1車軸用駆動力源と第2車軸用電動機とを制御する。一方、高出力モードが設定された高出力モード時には、第2車軸用電動機の定格値から許容される通常駆動範囲より高出力側の駆動範囲である高出力駆動範囲内の駆動力が第2車軸用電動機から出力されると共に車両に要求される要求駆動力に基づく駆動力が第1車軸および第2車軸に出力されるよう第1車軸用駆動力源と第2車軸用電動機とを制御する。即ち、高出力モード時には、第2車軸用電動機の定格値から許容される通常駆動範囲よりも高出力側の高出力範囲内の駆動力を第2車軸用電動機から出力するのである。これにより、操作者の操作に基づいて走行することができると共に高出力モード時におけるスリップの発生を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続されると共にギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して前輪63a,63bの前軸64に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されたモータMG2と、デファレンシャルギヤ65を介して後輪66a,66bの後軸67に接続された回転軸68に減速ギヤ48を介して接続されたモータMG3と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の前輪63a,63bに出力される。
モータMG1,MG2,MG3は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42,43を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。ここで、モータMG3は、実施例では、エンジン22およびモータMG1,MG2から前輪63a,63bの前軸64に出力可能な駆動力の上限よりもモータMG3から後輪66a,66bの後軸67に出力可能な駆動力が小さくなる定格値のものを用いるものとした。インバータ41,42,43とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42,43が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2,MG3のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2,MG3のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2,MG3により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2,MG3は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2,MG3を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ44,45,46からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2,MG3に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42,43へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2,MG3を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2,MG3の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,モータMG3からの出力を高出力側にする高出力モード設定スイッチ89からのオンオフ信号などが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両から出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力が出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とモータMG3とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2とモータMG3との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2およびモータMG3の一方または両方とによってトルク変換されて出力されるようモータMG1,MG2,MG3を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2およびモータMG3の一方または両方とによるトルク変換を伴って要求動力が出力されるようモータMG1,MG2,MG3を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2およびモータMG3の一方または両方から要求動力に見合う動力が出力されるよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図2は、実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2,MG3の回転数Nm1,Nm2,Nm3,高出力モード設定スイッチ89の状態など制御に必要なデータを入力する(ステップS100)。ここで、回転数Nm1,Nm2,Nm3は、回転位置検出センサ44,45,46からのモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求される要求トルクT*と要求パワーP*とを設定する(ステップS110)。ここで、要求トルクT*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクT*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクT*を導出して設定するものとした。要求トルク設定用マップの一例を図3に示す。また、要求パワーP*は、設定した要求トルクT*に車速Vを乗じたものと充放電要求パワーPb*とロスLossとの和により計算したものを設定するものとした。
続いて、高出力モード設定スイッチ89のオンオフ状態を調べる(ステップS120)。高出力モード設定スイッチ89がオフ状態のときには、要求トルクT*を前輪63a,63bおよび後輪66a,66bに配分するために値D1を配分比Dに設定する(ステップS130)。ここで、値D1は、要求トルクT*に対する後輪66a,66bに出力するトルクの割合として車両の走行状態に基づいて値0〜値1の値が用いられる。例えば、通常走行時には前輪63a,63bだけにトルクが出力されるよう値0.0を値D1として用いたり、坂路走行時や発進走行時には前輪63a,63bと後輪66a,66bとの両方にトルクが出力されるよう値0.2や値0.3などを値D1として用いたり、前輪63a,63bと後輪66a,66bの一方にスリップが発生したスリップ発生時にはスリップが発生した輪に出力されるトルクの割合が小さくなると共にスリップが発生していない輪に出力されるトルクの割合が大きくなるような値D1を用いたりすることができる。
配分比Dを設定すると、値1から配分比Dを減じたものに要求トルクT*を乗じることにより前輪63a,63b側に出力すべき前輪側トルクTf*を設定すると共に配分比Dに要求トルクT*を乗じることにより後輪66a,66b側に出力すべき後輪側トルクTr*を設定する(ステップS140)。
そして、次式(1)に示すように、設定した後輪側トルクTr*を換算係数Grで除したものを減速ギヤ48のギヤ比Gbで除することによりモータMG3から出力すべき仮モータトルクTm3tmpを設定すると共に(ステップS150)、設定した仮モータトルクTm3tmpをモータMG3の通常の駆動範囲としての通常駆動範囲の最大トルクT1で制限することによりモータMG3のトルク指令Tm3*を設定する(ステップS160)。ここで、換算係数Grは、後輪66a,66bに作用するトルクを回転軸68に作用するトルクに換算するための係数である。また、通常駆動範囲の最大トルクT1は、モータMG3の回転数Nm3に基づいて設定することができる。モータMG3の回転数Nm3とモータMG3から出力可能な最大トルクとしての定格最大トルクTm3maxおよび通常駆動範囲の最大トルクT1との関係の一例を図4に示す。図中、実線は定格最大トルクTm3maxを示し、点線は通常駆動範囲の最大トルクT1を示す。図4に示すように、定格最大トルクTm3maxは、モータMG3の回転数Nm3が大きいほど小さくなる傾向に設定される。また、通常駆動範囲の最大トルクT1は、ノイズ等の発生を抑制するため、定格最大トルクTm3maxを所定トルクで制限したトルクなどに設定される。このようにモータMG3のトルク指令Tm3*を設定することにより、モータMG3を通常駆動範囲内で駆動することができる。
Tm3tmp=Tr*/Gr/Gb (1)
次に、要求パワーP*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS250)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーP*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図5に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーP*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定すると、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Ga;「Ga」は減速ギヤ35のギヤ比)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(2)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を設定すると共に設定した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(3)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS260)。ここで、式(2)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Gaで除したリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。式(2)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。また、式(3)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(3)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。なお、R軸上の上向きの2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Ga・ρ) (2)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (3)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを設定すると、次式(4)に示すように、前輪側トルクTf*を換算係数Gfで除したものからエンジン22からリングギヤ軸32aに直接伝達されるトルク(−Tm1*/ρ)を減じこれを更に減速ギヤ35のギヤ比Gaで除することによりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS270)。ここで、換算係数Gfは、前輪63a,63b側に作用するトルクをリングギヤ軸32aに作用するトルクに換算するための係数である。なお、式(4)は、前述した図6の共線図から容易に導き出すことができる。
Tm2*=(T*/Gf+Tm1*/ρ)/Ga (4)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2,MG3のトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2,MG3のトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS280)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動され、トルク指令Tm3*でモータMG3が駆動されるようインバータ41,42,43のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
一方、ステップS120で高出力モード設定スイッチ89がオン状態のときには、要求トルクT*を閾値Trefと比較する(ステップS170)。ここで、閾値Trefは、前述の図4で例示した定格最大トルクTm3maxでモータMG3を駆動してもよいか否かを判定するために用いられる閾値であり、モータMG3の定格などにより定められる。要求トルクT*が閾値Tref以上のときには、モータMG3の定格最大トルクTm3maxをモータMG3のトルク指令Tm3*に設定する(ステップS180)。前述したように、モータMG3はモータMG2よりも定格値(定格最大トルク)が小さいものを用いている。また、高出力モード設定スイッチ89がオフ状態のときには、配分比Dに値0.0や値0.2などが設定され主として前輪63a,63bにトルクを出力して走行している。したがって、このときには、後輪66a,66bには小さいトルクしか出力されないため、前輪63a,63bのスリップの発生を抑制できない場合が生じる。これに対して、高出力モード設定スイッチ89がオン状態のときに要求トルクT*が閾値Tref以上のときには、アクセル開度Accに拘わらずにモータMG3から定格最大トルクTm3maxを出力することにより、後輪66a,66bに比較的大きいトルクを出力することができるから、スリップの発生を抑制することができる。モータMG3のトルク指令Tm3*を設定すると、定格最大トルクTm3maxと減速ギヤ48のギヤ比Gbと換算係数Grとから得られる後輪66a,66bに出力するトルク(Tm3max・Gr・Gb)を要求トルクT*から減じることにより仮前輪側トルクTftmpを設定し(ステップS190)、後輪66a,66bに出力するトルク(Tm3max・Gr・Gb)に所定値kを乗じることにより前輪63a,63bに出力してもよいトルクの上限としての前輪側トルク制限Tfmaxを設定し(ステップS200)、設定した仮前輪側トルクTftmpを前輪側トルク制限Tfmaxで制限して前輪側トルクTf*を設定し(ステップS210)、前述したステップS250〜S280の処理を実行して、駆動制御ルーチンを終了する。ここで、所定値kは、前輪63a,63bに出力するトルクの後輪66a,66bに出力するトルクに対する割合を示すものであり、例えば、値1.0などの値を用いることができる。このように前輪側トルクTf*を設定することにより、高トルクモード設定スイッチ89がオフ状態のときに比して前輪側トルクTf*と後輪側トルクTr*との差を小さくすることができ、スリップの発生をより抑制することができる。
ステップS170で要求トルクT*が閾値Tref未満のときには、高出力モード設定スイッチ89がオフ状態のときの値D1よりも大きい値D2(例えば、値0.4や値0.5など)を配分比Dに設定し(ステップS220)、値1から配分比Dを減じたものに要求トルクT*を乗じることにより前輪側トルクTf*を設定すると共に配分比Dに要求トルクT*を乗じることにより後輪側トルクTr*を設定し(ステップS230)、設定した後輪側トルクTr*を換算係数Grで除したものを減速ギヤ48のギヤ比Gbで除することによりモータMG3のトルク指令Tm3*を設定し(ステップS240)、前述したステップS250〜S280の処理を実行して、駆動制御ルーチンを終了する。この場合でも、高出力モード設定スイッチ89がオフ状態のときに比して要求トルクT*に対する後輪側トルクTr*の割合を高くすることにより、前輪側トルクTf*と後輪側トルクTr*との差を小さくすることができ、スリップの発生をより抑制することができる。なお、ステップS170の閾値Trefは、モータMG3のトルク指令Tm3*が定格最大トルクTm3maxを超えない範囲として設定される。例えば、配分比Dが値0.5のときには、閾値Trefは、モータMG3が定格最大トルクTm3maxで駆動されたときに後輪66a,66bに出力されるトルク(Tm3max・Gr・Gb)の2倍以下の値に設定される。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、高出力モード設定スイッチ89がオン状態のときに要求トルクT*が閾値Tref以上のときには、定格最大トルクTm3maxをモータMG3から出力するから、高出力モード設定スイッチ89がオフ状態のときに比してモータMG3から大きいトルクを出力することができる。この結果、運転者の指示に応じた走行をすることができると共に高出力モード設定スイッチ89がオン状態のときのスリップの発生を抑制することができる。しかも、このときには、要求トルクT*と後輪側トルクTr*との差分のトルクを後輪側トルクTr*に基づくトルク制限Tfmaxで制限して前輪側トルクTf*を設定するから、高出力モード設定スイッチ89がオフ状態のときに比して前輪側トルクTf*と後輪側トルクTr*との差を小さくすることができ、スリップの発生をより抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、高出力モード設定スイッチ89がオン状態のときに要求トルクT*が閾値Tref以上のときには、定格最大トルクTm3maxをモータMG3から出力するものとしたが、通常駆動範囲よりも高出力側に設定された高出力範囲内のトルクであれば、定格最大トルクTm3maxに限られず、定格最大トルクTm3maxより若干小さいトルクなどをモータMG3から出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、高出力モード設定スイッチ89がオン状態のときには、要求トルクTr*が閾値Tref以上のときに定格最大トルクTm3maxをモータMG3から出力するものとしたが、要求トルクTr*の大きさに限られず、定格最大トルクTm3maxまたはそれよりも若干小さいトルクなどをモータMG3から出力するものとしてもよい。この場合でも、運転者の指示に応じて走行することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、高出力モード設定スイッチ89がオン状態のときに要求トルクT*が閾値Tref以上のときには、モータMG3から定格最大トルクTm3maxを出力すると共に要求トルクT*と後輪66a,66bに出力するトルク(Tm3max・Gr・Gb)との差分のトルクをトルク制限Tfmaxで制限したトルクを前輪63a,63bに出力するものとしたが、トルク制限Tfmaxを用いることなく、モータMG3から定格最大トルクTm3maxを出力すると共に要求トルクT*と後輪66a,66bに出力するトルク(Tm3max・Gr・Gb)との差分のトルクを前輪63a,63bに出力するものとしてもよい。また、実施例では、トルク制限Tfmaxは、後輪66a,66bに出力するトルク(Tm3max・Gr・Gb)に所定値k(値1.0)を乗じることにより設定するものとしたが、この所定値kは、値1.0に限られず、値1.5や値2.0などの値を用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、高出力モードスイッチ89がオフ状態のときには、配分比Dに基づいて前軸側トルクTf*と後軸側トルクTr*とを設定し、モータMG3のトルク指令Tm3*を設定するものとしたが、配分比Dを設定することなく、条件に応じてモータMG3のトルク指令Tm3*を設定するものとしてもよい。この場合の駆動制御ルーチンの一例を図7に示す。この駆動制御ルーチンは、図2の駆動制御ルーチンのステップS130〜S160の処理に代えてステップS130b,S140bの処理を行なう点を除いて図2の駆動制御ルーチンと同一である。したがって、図7の駆動制御ルーチンのうち図2の駆動制御ルーチンと同一の処理については、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。この駆動制御ルーチンでは、ステップS120で高出力モードスイッチ89がオフ状態のときには、路面状態などを考慮してモータMG3のトルク指令Tm3*を設定し(ステップS130b)、モータMG3のトルク指令Tm3*と減速ギヤ48のギヤ比Gbと換算係数Grとから得られる後輪66a,66bに出力するトルク(Tm3*・Gr・Gb)を要求トルクT*から減じることにより前輪側トルクTf*を設定し(ステップS140b)、ステップS250以降の処理を実行する。ここで、モータMG3のトルク指令Tm3*は、実施例では、モータMG3の回転数Nm3とトルクT1,T2,T3との関係を予め定めてマップとして記憶しておき、モータMG3の回転数Nm3が与えられると、車両の燃費やモータMG3の耐久性,路面状態などを考慮してトルクT1,T2,T3から一つを選択して設定するものとした。モータMG3の回転数Nm3と定格最大トルクTm3maxおよびトルクT1,T2,T3との関係を図8に示す。トルクT1,T2,T3は、この順にトルクが小さくなる傾向に設定され、いずれもモータMG3の回転数Nm3が大きいほど小さくなる傾向に設定される。例えば、路面が比較的乾いていて車両が通常走行を可能なときなどにはトルクT3を設定することができ、路面が湿っていてスリップを発生するおそれがあるときなどにはトルクT1を設定することができる。一方、ステップS120で高出力モードスイッチ89がオン状態のときには、図2の駆動制御ルーチンと同様に、要求トルクT*を閾値Trefと比較し(ステップS170)、要求トルクT*が閾値Tref以上のときには、前述のトルクT1,T2,T3のいずれよりも大きい定格最大トルクTm3maxをモータMG3のトルク指令Tm3*に設定し(ステップS180)、ステップS180以降の処理を実行する。この場合でも、高出力モードスイッチ89がオン状態のときに要求トルクT*が閾値Tref以上のときには、実施例と同様に、オフ状態のときに比してモータMG3から大きいトルクを出力することができ、運転者の指示に応じた走行をすることができると共にスリップの発生を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して前輪63a,63bの前軸64に接続されたリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ132と前輪63a,63bの前軸64に連結された駆動軸に接続されたアウターロータ134とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機130を備えるものとしてもよい。
実施例では、エンジン22とインバータ41,42,43により駆動されるモータMG1,MG2,MG3とを備えるハイブリッド自動車20に適用して説明したが、ハイブリッド自動車に限られず、図10の変形例の自動車220に例示するように、前輪63a,63bの前軸64に動力を出力するモータM1と、後輪66a,66bの後軸67に動力を出力し前輪63a,63bに出力可能な駆動力の上限よりも後輪66a,66bに出力可能な駆動力の上限が小さくなる定格値のモータM2とを備え、エンジンを備えないものとしてもよい。また、モータM1に代えてエンジンを備えるもの、即ち、前輪63a,63bの前軸64に動力を出力するエンジンと、後輪66a,66bの後軸67に動力を出力しエンジンよりも小さい定格値のモータM2とを備え留ものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 モータMG3の回転数Nm3と定格最大トルクTm3maxおよび通常駆動範囲の最大トルクT1との関係の一例を示す関係図である。 エンジン22の動作ラインの一例および目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例の駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 モータMG3の回転数Nm3と定格最大トルクTm3maxおよびトルクT1,T2,T3との関係の一例を示す関係図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例の自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、220 自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42,43 インバータ、44,45,46 回転位置検出センサ、48 減速ギヤ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 前輪、64 前軸、65 デファレンシャルギヤ、66a,66b 後輪、67 後軸、68 回転軸、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 高出力モード設定スイッチ、130 対ロータ電動機、132 インナーロータ 134 アウターロータ、MG1,MG2,MG3,M1,M2 モータ。

Claims (9)

  1. 第1車軸に駆動力を出力可能な第1車軸用駆動力源と、
    第2車軸に駆動力を出力可能で、定格値が前記第1車軸用駆動力源から前記第1車軸に出力可能な駆動力よりも小さい駆動力となる第2車軸用電動機と、
    操作者の操作により前記電動機からの出力を高出力側にする高出力モードを設定する高出力モード設定手段と、
    車両に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記高出力モード設定手段により前記高出力モードが設定されていない通常モード時には前記第2車軸用電動機の定格値の範囲内で設定された駆動範囲である通常駆動範囲内の駆動力が該第2車軸用電動機から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記第1車軸および前記第2車軸に出力されるよう前記第1車軸用動力源と該第2車軸用電動機とを制御し、前記高出力モード設定手段により前記高出力モードが設定された高出力モード時には前記第2車軸用電動機の定格値から許容される前記通常駆動範囲より高出力側の駆動範囲である高出力駆動範囲内の駆動力が前記第2車軸用電動機から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記第1車軸および前記第2車軸に出力されるよう前記第1車軸用動力源と該第2車軸用電動機とを制御する制御手段と、
    を備える自動車。
  2. 前記制御手段は、前記高出力モード時には前記高出力駆動範囲内の最大駆動力が前記第2車軸用電動機から出力されるよう制御する手段である請求項1記載の自動車。
  3. 前記制御手段は、前記通常モード時には前記要求駆動力に対する所定の配分比により配分された駆動力が前記第1車軸と前記第2車軸とに出力されるよう制御し、前記高出力モード時には前記高出力駆動範囲内の最大駆動力が前記第2車軸用電動機から出力されると共に前記要求駆動力と前記最大駆動力に基づく駆動力との差分の駆動力が前記第1車軸に出力されるよう制御する手段である請求項1記載の自動車。
  4. 前記制御手段は、前記高出力モード時に前記要求駆動力が所定駆動力未満のときには、前記通常モード時の所定の配分比に比して該要求駆動力に対する前記第2車軸に出力する駆動力の割合が大きい第2の所定の配分比により該要求駆動力を配分した駆動力が前記第1車軸と該第2車軸とに出力されるよう制御する手段である請求項3記載の自動車。
  5. 前記制御手段は、前記高出力モード時には前記通常モード時に前記第1車軸に出力する駆動力以下の駆動力を制限駆動力として前記要求駆動力と前記最大駆動力に基づく駆動力との差分の駆動力を制限した駆動力が前記第1車軸に出力されるよう制御する手段である請求項3または4記載の自動車。
  6. 前記制御手段は、前記高出力モード時には前記通常モード時に前記第1車軸に出力する駆動力以下の駆動力が該第1車軸に出力されるよう制御する手段である請求項1ないし4いずれか記載の自動車。
  7. 前記第1車軸用駆動力源は、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記第1車軸に連結された駆動軸とに接続され電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、前記第1車軸に動力を入出力可能な第1車軸用電動機と、を備える請求項1ないし6いずれか記載の自動車。
  8. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である請求項7記載の自動車。
  9. 第1車軸に駆動力を出力可能な第1車軸用駆動力源と、第2車軸に駆動力を出力可能で、定格値が前記第1車軸用駆動力源から前記第1車軸に出力可能な駆動力よりも小さい駆動力となる第2車軸用電動機と、操作者の操作により前記電動機からの出力を高出力側にする高出力モードを設定する高出力モード設定スイッチと、を備える自動車の制御方法であって、
    前記高出力モード設定スイッチにより前記高出力モードが設定されていない通常モード時には前記第2車軸用電動機の定格値の範囲内で設定された駆動範囲である通常駆動範囲内の駆動力が該第2車軸用電動機から出力されると共に車両に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記第1車軸および前記第2車軸に出力されるよう前記第1車軸用動力源と該第2車軸用電動機とを制御し、前記高出力モード設定スイッチにより前記高出力モードが設定された高出力モード時には前記第2車軸用電動機の定格値から許容される前記通常駆動範囲より高出力側の駆動範囲である高出力駆動範囲内の駆動力が前記第2車軸用電動機から出力されると共に車両に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記第1車軸および前記第2車軸に出力されるよう前記第1車軸用動力源と該第2車軸用電動機とを制御する
    自動車の制御方法。
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