JP2007051688A - 直動装置 - Google Patents

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Kazumi Ochi
和美 越智
Koji Ueda
光司 植田
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Abstract

【課題】直動装置の冷却構造を簡素なものとしてその小型化を図る手段を提供する。
【解決手段】ねじ軸またはナットの一方を回転させて他方を軸方向に移動させる直動装置において、ねじ軸およびナットの少なくとも一方に放射率50%以上の熱放射性被膜を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マシニングセンタ等の工作機械や、射出成形機、プレス成形機等の機械装置の送り機構等に用いられるボールねじ装置や遊星ローラねじ装置等のねじ軸またはナットの一方を回転させて他方を軸方向に移動させる直動装置に関する。
一般に、機械装置の送り機構に用いられる直動装置は、高い位置決め精度が要求され、これを満足させるために直動装置は予圧をかけて使用するのが一般的である。
この予圧をかけた状態や軸方向の荷重が負荷された状態で直動装置を運転すると、ねじ軸、転動体、ナット間の摩擦により熱が発生して各部品の温度を上昇させ、送り機構の各部品に熱変形が生じて位置決め精度を低下させることになり、直動装置を冷却することが求められる。
このような冷却を行う場合に、従来の直動装置としてのボールねじ装置は、ボール軸の軸芯に沿って設けられた冷却液流通孔の両端部に冷却液供給ジャケット部およびサーボモータとボール軸のカップリング部に冷却液回収ジャケット部を設け、それぞれのジャケット部に冷却液タンク、チラーユニット、ポンプ等からなる冷却液供給ユニットと冷却液回収ユニットを接続して循環式の冷却構造を有するボールねじ装置を構成し、ボール軸の短縮化を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−43991号公報(第4頁段落0015−第5頁段落0020、第1図、第3図)
しかしながら、上述した従来の技術においては、ボール軸に設けられた冷却液流通孔に、ボール軸の両端部に設けられたジャケット部を用いて冷却液供給ユニットと冷却液回収ユニットにより冷却液を循環させてボールねじ装置のボール軸を冷却しているため、冷却液の供給ユニット等の付属設備が必要であり、冷却構造が複雑となって大型化するという問題がある。
このことは、冷却構造の設置場所の設定の難しさや冷却構造の製作費用の増大という問題を生じさせる他、ボール軸に設けられた冷却液流通孔を通過する冷却液により振動が生じやすくなり、ストロークの大きな長尺のボールねじ装置への適用が困難になるという問題を生じさせる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、直動装置の冷却構造を簡素なものとしてその小型化を図る手段を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、ねじ軸またはナットの一方を回転させて他方を軸方向に移動させる直動装置において、前記ねじ軸およびナットの少なくとも一方に熱放射性被膜を形成したことを特徴とする。
これにより、本発明は、付属設備を用いなくても優れた冷却性能を発揮させることができ、直動装置の冷却機構の小型化および簡素化を図ることができると共に、ねじ軸の温度上昇に伴う熱変形を抑制して位置決め精度を高精度に保つことができるという効果が得られる。
以下に、図面を参照して本発明による直動装置の実施例について説明する。
図1は実施例1のボールねじ装置を示す断面図、図2は実施例1のボールねじ装置を示す側面図である。
図1、図2において、1は直動装置としてのボールねじ装置である。
2は直動装置のねじ軸としてのボール軸であり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、その外周面には略半円弧形状の軸軌道溝3が所定のリードで螺旋状に形成されている。
ボール軸2の両端部には、軸軌道溝3の谷径と略同等の外径を有する支持部4が設けられており、この支持部4に図示しない転がり軸受の内輪が嵌合してボール軸2を回転自在に支持する。
5は直動装置のナットとしてのボールナットであり、合金鋼等の鋼材で製作された円筒状部材であって、その内周面には軸軌道溝3と対向する略半円弧形状のナット軌道溝6が軸軌道溝3と同じリードで形成されている。
7は直動装置の転動体としてのボールであり、合金鋼等の鋼材等で製作された球体であって、軸軌道溝3とナット軌道溝6の間に複数装填されてボール軸2とボールナット5を螺合させる。本実施例では2つのボールナット5が一本のボール軸に間座8を介して螺合している。
間座8は、合金鋼等の鋼材等で製作された円環状部材であって、2つのボールナット5の間に配置され、2つのボールナット5を締付けて間座8を押圧することによりボール7が軸軌道溝3とナット軌道溝6の間に挟持され、ボールねじ装置1に適切な予圧が付与される。
9はボールねじ装置1の連結路としてのリターンチューブであり、鋼材や樹脂材料等で製作され、ボール7が循環できる内径を有する略U字形に曲折した管であって、ボールナット5の一部を軸方向に切欠いた平面5aに設けられた穴にその端部が嵌合して、ナット軌道溝6を連結する。
10はチューブ固定具であり、鋼材や樹脂材料等により製作された固定具であって、小ねじ等によりボールナット5の平面5aに締結してリターンチューブ9をボールナット5に固定する。
11はフランジ部であり、一方のボールナット5の外周部に設けられ、フランジ部11に設けたボルト穴により図示しない機械装置の移動体にボルト等で固定される。
15は熱放射性被膜であり、熱放射により熱を放出する機能を有する被膜であって、例えばコーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)75重量パーセントに、25重量パーセントのマンガン、鉄、銅、コバルト等の酸化物を添加したものを300〜1200℃で焼結させて3〜100μm程度の被膜厚さ(膜厚という。)に形成する。このようにして形成した熱放射性被膜15は80パーセント程度の放射率を示す。
本実施例の熱放射性被膜15は、ボールナット5の内周面を除く全面(間座8の外周面を含む。)、つまりボールナット5等の外表面に形成されている。
上記のボール軸2の軸軌道溝3とこれに対向するボールナット5のナット軌道溝6およびこれを連結するリターンチューブ9の内径面により循環路が形成され、この循環路に複数のボール7と所定の量の潤滑剤、例えばグリースが封入される。
これにより、軸軌道溝3とナット軌道溝6とがボール7を介して螺合し、ボール軸2を回転させることによってボール7が循環路を循環しながらボールナット5を軸方向に移動させる。これによりボール軸2の回転運動がボールナット5の直線運動に変換され、ボールねじ装置1が直動装置として機能する。
上記の構成の作用について説明する。
図2のように組立てたボールねじ装置1のボール軸2を図示しないモータ等の駆動装置によって回転させると、間座8により与えられた予圧およびボールナット5に負荷された軸方向の荷重に応じて軸軌道溝3、ボール7、ナット軌道溝6の間で摩擦により発熱し、その熱は熱伝導によりボールナット5を介して熱放射性被膜15に伝導する。
この熱放射性被膜15に伝導した熱は、熱放射性被膜15により温度の低いときは赤外線および/もしくは遠赤外線等の比較的波長の長い電磁波に変換され、温度の上昇に伴って波長の短い電磁波に変換されて熱放射性被膜15の表面から外部へ放射により放出され、ボールナット5、ボール7、ボール軸2の温度を低下させる。
この熱の放射は、ボールナット5等の材質には依存せず、熱放射性被膜15の表面状態にのみ依存するので、母材の熱伝導率等の熱的特性には関わりなく効率的に外部へ熱を放出することができる。また熱の放射は電磁波により熱を放出する熱の移動形式であるので、ボールねじ装置1が設置されている環境に関わりなく、例えば真空中であっても効率的に外部へ熱を放出することができる。
これにより、特別な付属装置を設置することなくボールねじ装置1を有効に冷却することができ、ボールねじ装置1の小型化を図ることができると共に、ボール軸2を中空にして冷却液を流すことがないので振動が発生することもない。
また、ボールねじ装置1の温度上昇を抑制してその焼付きおよび潤滑剤(特にグリース)の劣化を防止してボールねじ装置1の寿命を向上させることができる他、ボール軸2の温度上昇に伴う熱変形を抑制して位置決め精度を高精度に保つことができる。
なお、本実施例では、ボールナット5等の外表面に熱放射性被膜15を形成するとして説明したが、ボールナット5の外周面の一部に形成するようにしてもよい。
また、これらを併用するようにすれば、ボールねじ装置1の冷却性能を更に高めることができる。
このような熱放射性被膜15の冷却性能の効果を確認するために、以下に示す確認試験を行った。
図3は実施例1の確認試験の確認試験装置を示す側面図、図4は実施例1の確認試験の循環冷却機構付き試験装置を示す側面図である。
上記図1および図2と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
図3において、20は確認試験装置であり、基台21の両端部に設けられた支持板22に設置した図示しない転がり軸受によりボール軸2の支持部4の一部を回転自在に支持するように構成されている。
確認試験装置20においては、ボール軸2は一方の支持板22の外側から図示しない駆動装置により正逆可能に回転駆動され、ボールナット5のフランジ部11は図示しないブラケット等を介してリニアガイド装置等に接続してボールナット5の回転を停止させた状態でボールナット5の往復動を可能にしている。
また、ボールナット5のフランジ部11の端面には、ボールナット5の表面温度を計測するための温度センサ23が設置され、ボール軸2の図示しない駆動装置と接続された支持部4の反対側の支持部4の外周面にはボール軸2の振動を計測するための加速度ピックアップ24が設置されている。
なお、温度センサ23には柔軟性を有する信号線が接続されており、ボールナット5の移動を許容してその出力を計測することができるように構成されている。また加速度ピックアップ24にはテレメトリシステムまたは非接触式のICチップ等が設けられており、回転系からの信号を電波等により受信してその出力を計測することができるように構成されている。
図4において、25は循環冷却機構付き試験装置であり、本実施例の確認試験装置20による熱放射性被膜15の冷却性能の比較のために試験に用いた装置である。なお図3に示す確認試験装置20と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
本循環冷却機構付き試験装置25に用いたボール軸2には、その軸芯に沿って冷却孔26が設けられている。
循環冷却機構付き試験装置25においては、両方の支持板22の内部にメカニカルシールやリップシール等を利用したジャケット部が設けられ、駆動装置側の支持板22のジャケット部を貫通する支持部4にはその外周面から冷却孔26に連通する連通孔が設けられてジャケット部と連通し、反対側の支持板22のジャケット部には冷却孔26の開口部が開口している。
27は冷却装置であり、チラーユニットおよび冷却液タンク、ポンプ等により構成され、駆動装置側の支持板22に設けられた冷却液排出口28から冷却を終えた冷却液を回収すると共に反対側の支持板22に設けられた冷却液供給口29へチラ―ユニット等で温度を下げた冷却液を圧送する。
本試験においては、冷却液として水を用いている。またボール軸2およびボールナット5の材質はクロムモリブデン鋼(SCM420)である。
上記の確認試験装置20および循環冷却機構付き試験装置25を用いて熱放射性被膜15の放射率が異なる場合の冷却性能の確認試験を実施した。
確認試験には上記実施例で示したと同様にボールナット5等の外表面に放射率50パーセント(放射率50%品という。)、放射率40パーセント(放射率40%品という。)の熱放射性被膜15(膜厚10〜15μm)を形成したものおよび熱放射性被膜15を形成していないもの(熱放射性被膜なし品という。)を確認試験装置20に取付けて用いた。また参考のために図4に示した中空のボール軸2を用いた循環冷却機構付き試験装置25による冷却性能を測定した(中空軸冷却品という。)。
これらの試験においては、ボール軸2を正逆方向に回転させてボールナット5を往復移動させるときの平均回転速度を変化させ、ボールナット5の表面温度の温度上昇値を温度センサ23により測定した。
この確認試験の結果のグラフを図5に示す。図5において縦軸は温度上昇値、横軸は平均回転速度である。
図5に示すように、◇で示す熱放射性被膜なし品は、ほぼ平均回転速度に比例してボールナット5の表面温度が上昇し、平均回転速度1022rpmでその温度上昇値は約40℃に達する。
△で示す放射率40%品は、ほぼ平均回転速度に比例して表面温度が上昇し、平均回転速度1022rpmでその温度上昇値は約20℃に達する。
○で示す放射率50%品および□で示す中空軸冷却品は、平均回転速度に関わりなく2〜3℃程度の表面温度の温度上昇値に留まっている。
このように、放射率50%品は高速回転においても温度上昇が抑えられ、優れた冷却性能を有することが判る。これに対して放射率40%品は平均回転速度に応じて表面温度が上昇するので冷却性能が充分でなく、良好な冷却性能を得るためには熱放射性被膜15の放射率は50%以上であることが必要である。
次に、確認試験装置20を用いて熱放射性被膜15の膜厚が異なる場合の冷却性能および熱放射性被膜15を形成する部位による冷却性能の相違について以下に示す試験品により確認試験を実施した。
このとき、温度上昇値の測定に加えて加速度ピックアップ24による振動値の測定を行い、参考として循環冷却機構付き試験装置25についても同様の測定を行った。
図6は実施例1の確認試験のサンプル1を示す説明図であり、上記実施例で示したと同様にボールナット5等の外表面に熱放射性被膜15(図6に示す網掛け部。図7、図8において同様。)を形成したサンプルであって、主に熱放射性被膜15の膜厚が異なる場合の温度上昇値の測定に用いた。
図7は実施例1の確認試験のサンプル2を示す説明図であり、ボール軸2の支持部4の露出部に熱放射性被膜15を形成したサンプルである。
図8は実施例1の確認試験のサンプル3を示す説明図であり、ボールナット5等の外表面およびボール軸2の支持部4の露出部に熱放射性被膜15を形成したサンプルである。
上記のサンプルに以下に示す熱放射性機膜15を形成して試験品を製作した。
試験品1、サンプル1の熱放射性被膜15の膜厚を2μmとしたもの。
試験品2、サンプル1の熱放射性被膜15の膜厚を3〜5μmとしたもの。
試験品3、サンプル1の熱放射性被膜15の膜厚を10〜15μmとしたもの。
試験品4、サンプル1の熱放射性被膜15の膜厚を90〜100μmとしたもの。
試験品5、サンプル1の熱放射性被膜15の膜厚を120μmとしたもの。
試験品6、サンプル2の熱放射性被膜15の膜厚を10〜15μmとしたもの。
試験品7、サンプル3の熱放射性被膜15の膜厚を10〜15μmとしたもの。
試験品8、上記試験の熱放射性被膜なし品。
試験品9、上記試験の中空軸冷却品。
これらの試験品の熱放射性被膜15の放射率は全て50パーセントである。また確認試験の平均回転速度は1022rpmである。
確認試験における温度上昇値および試験品8(熱放射性被膜なし品)の振動値を1とした場合の各試験品の振動値の比率を表1に示す。
表1に示すように、熱放射性被膜15の膜厚は3μm以上、100μm以下(試験品2〜試験品4)であれば良好な冷却性能を示し、その範囲の外(試験品1、試験品5)になれば充分な冷却性能が得ることができなくなることが判る。
これは、熱放射性被膜15からの放熱は、その最表面の部分の状態によって決まり、3μm未満では熱放射性被膜15の特性を充分に発揮することができず、100μmを超えると熱放射性被膜15自身による熱伝導が放射特性に影響を及ぼすからである。
また、熱放射性被膜15を形成する部位は、試験品3、試験品6、試験品7より明らかなように、ボールナット5等の外表面のみに設けても、ボール軸2の支持部4の露出部に設けても、これら両方に設けるようにしても良好な冷却性能を得ることができる。
更に、振動値の比率を比較すると、ボール軸2が実軸である試験品1〜試験品8はその比率が1、つまり熱放射性被膜15を形成していないボールねじ装置1と同等であるのに対して、中空軸である試験品9は50%程度振動値が増加していることが判る。
これは、ボール軸2に設けた冷却孔26を冷却液が通過するときに発生する振動がボール軸2に伝わった結果である。
上記のように、本実施例の放熱性被膜15を用いた冷却機構は、放熱性被膜15をボールナット5の一部および/もしくはボール軸2の一部に形成すれば優れた冷却性能を発揮する共に振動を増加させることがないので、長尺のボール軸2であってもその温度上昇に伴う熱変形を抑制して位置決め精度を高精度に保つことができると共にボール軸2の振動を抑制して円滑な送り機構を実現することができる。このことは高速回転による高速送りを必要とする工作機械等の機械装置の送り機構の高速化、高精度化、送りストロークの長尺化および長寿命化に特に有効である。
また、本実施例の熱放射性被膜15によれば熱を電磁波に変換して外部に放出することができるので、真空中等の熱の伝導経路を設定できない環境に設置されたボールねじ装置1においても複雑な冷却機構を設置することなく前記と同様の冷却性能を発揮させることができる。
更に、簡素な構造で優れた冷却性能を発揮させることができ、冷却構造の製作費用の削減を図ることができる。
以上説明したように、本実施例では、直動装置としてのボールねじ装置のボール軸およびボールナットの少なくとも一方に熱放射性被膜を形成するようにしたことによって、付属設備を用いなくても優れた冷却性能を発揮させることができ、ボールねじ装置の冷却機構の小型化および簡素化を図ることができると共に、ボール軸の温度上昇に伴う熱変形を抑制して位置決め精度を高精度に保つことができる。
また、熱放射性被膜の放射率を50パーセント以上にすることによって、ボール軸の回転速度に関わらず優れた冷却性能を発揮させることができる。
更に、熱放射性被膜の膜厚を、3μm以上、100μm以下にすることによって、確実に優れた冷却性能を発揮させることができる。
更に、実軸のボール軸に熱放射性被膜を形成するようにしたことによって、冷却液を用いなくても優れた冷却性能を発揮させることができ、長尺の送りストロークを要するボールねじ装置への冷却機構の適用を容易に行うことができる。
更に、ボールねじ装置の温度上昇を抑制してその焼き付きや潤滑剤の劣化を防止することができ、ボールねじ装置の長寿命化を図ることができる。
なお、本実施例では、2つのボールナットをボール軸に螺合させて間座により予圧を与える形式のボールねじ装置を例に説明したが、1つのボールナットをボール軸に螺合させる形式のボールねじ装置の場合も同様である。この場合の発熱はボールねじ装置に負荷される軸方向の荷重によりボールがナット軌道溝と軸軌道溝とに挟持されることによって発生し、上記と同様にその熱は熱伝導によりボールナットを介して熱放射性被膜へ伝導し、熱放射性被膜により電磁波に変換されてその表面から外部へ放射により放出される。
また、本実施例においては、リターンチューブを連結路としてボールを循環させるチューブ式の循環方式を用いたボールねじ装置に本発明を適用した場合を例に説明したが、連結路は上記に限らず連結路をこま式やエンドキャップ式等とした循環方式のボールねじ装置に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
更に、本実施例においては、ボールねじ装置のボール軸を回転させてボールナットを軸方向に移動させるとして説明したが、ボールナットを回転させてボール軸を軸方向に移動させる形式のボールねじに本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
図9は実施例2の遊星ローラねじ装置を示す断面図である。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9において、31は直動装置としての遊星ローラねじ装置である。
32は直動装置のねじ軸としての中央軸であり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、その外周面には軸ねじ33が所定のピッチPおよびリードで螺旋状に形成されている。
中央軸32の両端部には、軸ねじ33の谷径と略同等の外径を有する支持部4が実施例1と同様に設けられており、中央軸32を回転自在に支持する。
34は直動装置のナットとしてのローラナットであり、合金鋼等の鋼材で製作された円筒状部材であって、その内周面には多条のナットねじ35が軸ねじ33と同じピッチPで形成されている。
36は直動装置の転動体としての遊星ローラであり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、両端部に円柱状の軸部37が形成されており、両方の軸部37の間の外周面には軸ねじ33と同じピッチPでローラねじ39が形成されている。
また、遊星ローラ36の両方の軸部37の内側に隣接して遊星ローラ36と同軸に平歯車を形成した遊星ピニオンギヤ38が設けられており、両方の遊星ピニオンギヤ38の間のローラねじ39が軸ねじ33とナットねじ35とに嵌合する。
40は保持器であり、樹脂材料や金属材料で製作された円環状部材であって、遊星ローラ36の軸部37が嵌合する保持孔が所定の角度ピッチで複数設けられており、遊星ローラ36の軸部37を保持孔で保持して中央軸32とローラナット34の間に複数の遊星ローラ36を所定の角度ピッチで配置する。
41はリングギヤであり、保持器40に保持された小径の平歯車である遊星ピニオンギヤ38に噛合う内歯の平歯車であって、ローラナット34の内側に圧入等により固定されており、遊星ピニオンギヤ38がリングギヤ41に噛合うことにより遊星ローラ36を一定の速度で公転させる。
本実施例の熱放射性被膜15は、ローラナット34の内周面を除く全面、つまりローラナット34の外表面に形成されている。
上記の中央軸32の軸ねじ33とローラナット34のナットねじ35とに、保持器40に保持されてリングギヤ41と遊星ピニオンギヤ38により公転を案内された遊星ローラ36のローラねじ39が嵌合し、中央軸32を回転させることによって遊星ローラ36が中央軸32の周りを自転しながら公転してローラナット34を軸方向に移動させる。これにより中央軸32の回転運動がローラナット34の直線運動に変換され、遊星ローラねじ装置31が直動装置として機能する。
このような構成の遊星ローラねじ装置31のローラナット34の外表面に熱放射性被膜15を形成することにより、上記実施例1と同様に遊星ローラねじ装置31に負荷された軸方向の荷重により軸ねじ33、ローラねじ39、ナットねじ35の間でそれぞれ摩擦により発熱してその熱がローラナット34を介して熱放射性被膜15へ伝導し、熱放射性被膜15により電磁波に変換されてその表面から外部へ放射により放出され、ローラナット34、遊星ローラ36、中央軸32の温度を低下させる。
また、中央軸32の支持部4の露出部のみに熱放射性被膜15を形成した場合およびローラナット34と中央軸32の両方に熱放射性被膜15を形成した場合も実施例1と同様である。
以上説明したように、本実施例では、直動装置としての遊星ローラねじ装置のローラナットの一部および/もしくは中央軸の一部に熱放射性被膜を形成するようにしても、上記実施例1と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施例においては、遊星ローラねじ装置の中央軸を回転させてローラナットを軸方向に移動させるとして説明したが、ローラナットを回転させて中央軸を軸方向に移動させる形式の遊星ローラねじ装置に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
実施例1のボールねじ装置を示す断面図 実施例1のボールねじ装置を示す側面図 実施例1の確認試験の確認試験装置を示す側面図 実施例1の確認試験の循環冷却機構付き試験装置を示す側面図 実施例1の確認試験の結果を示すグラフ 実施例1の確認試験のサンプル1を示す説明図 実施例1の確認試験のサンプル2を示す説明図 実施例1の確認試験のサンプル3を示す説明図 実施例2の遊星ローラねじ装置を示す断面図
符号の説明
1 ボールねじ装置
2 ボール軸
3 軸軌道溝
4 支持部
5 ボールナット
5a 平面
6 ナット軌道溝
7 ボール
8 間座
9 リターンチューブ
10 チューブ固定具
11 フランジ部
15 熱放射性被膜
20 確認試験装置
21 基台
22 支持板
23 温度センサ
24 加速度ピックアップ
25 循環冷却機構付き試験装置
26 冷却孔
27 冷却装置
28 冷却液排出口
29 冷却液供給口
31 遊星ローラねじ装置
32 中央軸
33 軸ねじ
34 ローラナット
35 ナットねじ
36 遊星ローラ
37 軸部
38 遊星ピニオンギヤ
39 ローラねじ
40 保持器
41 リングギヤ

Claims (3)

  1. ねじ軸またはナットの一方を回転させて他方を軸方向に移動させる直動装置において、
    前記ねじ軸およびナットの少なくとも一方に、熱放射性被膜を形成したことを特徴とする直動装置。
  2. 請求項1において、
    前記熱放射性被膜の放射率が、50パーセント以上であることを特徴とする直動装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記熱放射性被膜の膜厚が、3μm以上、100μm以下であることを特徴とする直動装置。
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