JP2001179573A - モータ内蔵主軸台における主軸冷却構造 - Google Patents

モータ内蔵主軸台における主軸冷却構造

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JP2001179573A JP37293799A JP37293799A JP2001179573A JP 2001179573 A JP2001179573 A JP 2001179573A JP 37293799 A JP37293799 A JP 37293799A JP 37293799 A JP37293799 A JP 37293799A JP 2001179573 A JP2001179573 A JP 2001179573A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、モータ内蔵型主軸台のロータの
発熱によって温度が上昇した主軸から、速やかに熱を捕
捉して主軸を冷却する主軸冷却構造を提供する。 【解決手段】 モータ3を内蔵した主軸台1において、
中空軸として形成された主軸6の中空部7には、熱伝導
率の高い材質で作られた熱伝導管50が遊挿され、主軸
6の内周面9の全域と熱伝導管50の外周面55の全域
とで作る空間部7には、流動性を備えた高熱伝導性物質
が充填される。高熱伝導性物質で捕捉され主軸6の熱
が、熱伝導管50の内部に供給される切削油または把持
装置33を作動する圧縮空気を介して外部に排出される
と共に、熱伝導管50の先端に設けられる把持装置33
から外部に放熱されることにより、主軸6が冷却され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、精密旋盤等のモ
ータ内蔵主軸台を用いた工作機械において、ロータ側の
主軸の冷却を主軸回転中心の形成した貫通孔を利用して
行う主軸冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機械部品、光学機械部品、精密機械
部品等の工作精度が要求される部品を製作するための精
密旋盤等の工作機械においては、切削加工の際に工作物
把持手段又は切削刃が取り付けられている回転軸(主
軸)に生じる反作用等によって回転軸に歪みが生じない
ように、強固な主軸台を設けて、主軸の支持剛性を向上
することが行われている。また、工作機械の主軸台は、
機械の稼働に伴って主軸とその主軸を回転自在に支持す
る軸受との間で回転摩擦熱を発生する。工作機械で加工
される工作物の加工精度に大きな影響を与える要因の一
つに、主軸台から発生する熱があげられている。
【0003】工作物の加工精度を維持するには適切な加
工条件に対応した刃物の選定が必要であるが、主軸台か
ら発生する熱を速やかに放散することも重要な課題とし
てその対策が急がれている。上記のような、摩擦熱の精
度への影響に対して、切削油や切削油に含まれる微細な
切り屑が主軸と軸受との間の間隙内に侵入するのを防止
したり、工作機械の主軸に放熱用のフィンを設けたり、
或いは主軸を軸受を介して支持する主軸ケーシングに放
熱用のフィンを設ける対策が案出されている。
【0004】一方、近年、工作機械においては、ビルト
イン形と呼称されるモータ内蔵方式の主軸台が広く採用
されてきている。モータ内蔵型の主軸台は、主軸を回転
可能に保持する前後一対の軸受間にモータを配置し、ロ
ータ軸をそのまま主軸とする構造である。従来から広く
普及してきた構造である、主軸台の上部にモータを搭載
してプーリを介して動力を伝達する方式や、主軸台の後
部にロータ軸芯と主軸の軸芯とを同芯状に配置して取り
付けたモータから動力を伝達する方式などに比べ、ビル
トイン形の主軸台は、全体的にも容積が略半分ほどに成
り、又、動力伝達のための部品が不要と成りそこから発
生する緩みも無くなることにより、主軸の回転速度も正
確に維持できる構造である。
【0005】モータ内蔵型の主軸台については、内蔵モ
ータが発する熱をいかに速やかに外部に放熱させるかと
いう大きな課題がある。従来から広く普及してきた方式
のものはモータが主軸台から離れた位置に設けられてお
り、モータの発熱が工作物の加工精度に及ぼす影響も少
なかったが、モータ内蔵型の主軸台の場合は、主軸に前
後に配設した軸受間にモータが内蔵配置される構造上、
モータに生じた熱を放置したままであれば工作物の加工
精度に大きく影響することになる。
【0006】そこでその解決策としてモータ内蔵主軸台
の冷却技術が、先行例として幾つか開示されている。例
えば、特開平4−2439号に開示される技術は、モー
タが内蔵されるハウジングの内部に空間を設け、モータ
外周から冷却する方法である。また、特開平4−411
52号には、内蔵モータのステータの温度変化を検出
し、冷却部での冷却温度が最適になるようにした制御方
法が開示されている。更に、特開平4−343638号
には、モータのロータを断熱部材を介在して主軸に固定
し、ロータの発熱が主軸に伝わらないようにした技術が
開示されている。
【0007】また、本出願人は、主軸自体にヒートパイ
プ機能を持たせ、工作物の加工精度に悪影響を与える回
転摩擦熱をその発生源近くで主軸全周から均一に且つ迅
速に受熱して主軸後部に設ける放熱器まで動力を用いる
ことなく導き、主軸の回転にともなって回転する放熱器
から大気中へと速やかに機外に放熱し、しかも冷却の性
能を半永久的に得ることができる工作機械の主軸台にお
ける主軸構造を提案している(特開平7−106533
号公報参照)。
【0008】上記のいずれの主軸構造も、ロータの発熱
で暖まった主軸側から速やかに放熱させることが困難な
構造ではない。ステータの冷却に関してはステータを内
蔵するフレームが大気に触れていることから多くの冷却
技術が開示されているが、主軸を含むロータ側はその大
半は主軸台の内部に収容されておりは大気に触れること
も少なく、主軸の熱が工作物の加工精度に及ぼす課題が
残されていた。
【0009】ロータ側に比べステータ側の冷却技術には
多くの提案がなされているのでステータ側では比較的簡
単に冷却が可能である。主軸は、一対の前後の軸受間に
回転可能に保持されており、特に、前方の軸受として
は、適正な与圧を与えられたアンギュラコンタクト形の
ベアリング軸受が多く採用されている。ベアリング軸受
を構成している外輪もステータ側に固着されているの
で、ステータ側の冷却を追及すればステータ側の冷却に
つれてアンギュラコンタクト形ベアリング外輪も冷却さ
れ、前方の軸受を構成するベアリング外輪が縮径の傾向
になるという問題が生じる。
【0010】一方、アンギュラコンタクト形ベアリング
内輪は主軸に固着されており、主軸側の冷却を怠れば主
軸の発熱の影響を受けて内輪には膨張歪みが現れる。そ
の結果、アンギュラコンタクト形ベアリンングの内外輪
温度差が大きくなり、適正であった与圧も、外輪の冷却
による縮径と内輪の膨張との相乗作用により、設計値を
大きく越え、アンギュラコンタクト形ベアリンングの寿
命の低下と強いては工作物の加工精度の悪化がもたらさ
れる。
【0011】
【発明が解決しょうとする課題】そこで、アンギュラコ
ンタクト形ベアリンングの内外輪温度差をなくして、ア
ンギュラコンタクト形ベアリンングに与えている与圧
が、長期にわたって設計値通りの状態を保ち工作物の加
工精度を維持することである。その為にはビルトインモ
ータの駆動にともない発熱する主軸から速やかに熱を奪
いさることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記の
課題を解決することであり、ビルトインモータを構成す
るロータ軸即ち主軸が帯びた熱を大気中に放熱させるた
めに、主軸の内径側から熱を捉え、捉えた熱は工作物を
切削するときに刃先や工作物へ供給する切削油を間接的
に介在して放熱させる方法であり、放熱の為に特別の装
置や制御を必要とせずコスト的にも安価なモータ内蔵主
軸における主軸冷却構造を提供することである。
【0013】この発明は、モータのロータが取り付けら
れた主軸、及び前記モータのステータが取り付けられる
と共に軸方向に離間して配設された一対の軸受を介して
前記主軸を回転自在に支持する本体フレームを具備する
モータ内蔵主軸台において、前記主軸を中空軸に構成
し、前記中空軸の内部に前記中空軸の内周面を介して前
記本体フレームの外部との間で熱伝導をする熱伝達手段
を配設し、前記モータの駆動に起因して前記主軸を昇温
させた熱を前記熱伝達手段よって前記外部に排出するこ
とを特徴とするモータ内蔵主軸台における主軸冷却構造
に関する。
【0014】この発明によるモータ内蔵主軸台における
主軸冷却構造は、上記のように構成されているので、モ
ータの駆動に起因して主軸を昇温させた熱は、主軸の内
周面を介して熱伝達手段によって集熱されて本体フレー
ムの外部に排出され、主軸の温度上昇を防止する。
【0015】前記熱伝達手段は、前記中空軸内に遊挿状
態に配設され且つ内部に油、空気等の集熱媒体が前記外
部との間で流通される熱伝導管である。主軸は内部に孔
や穴が形成される中空管であるが、中空管の中空部その
ものが、直接、集熱媒体を供給し戻す通路を形成してい
るのではなくて、中空部の中に集熱媒体のための供給チ
ューブが熱伝導管として遊挿されており、該熱伝導管が
圧縮空気や切削油の供給通路となる。前記熱伝導管は、
内部に前記集熱媒体としての油が流れる内側通路が形成
されている内管と、前記内管を覆い且つ前記内管との間
に前記集熱媒体としての空気が流れる外側通路が形成さ
れている外管とから構成されている。工作物が切削油を
必要としないドライカットの場合は、供給チューブは単
管形状に形成されるが、切削油を必要とするウエットカ
ットの場合は二重管形状に形成される。
【0016】前記熱伝導管は、熱伝導率の優れたアルミ
ニウム、銅又は真鍮等の金属材料で形成されている。こ
の発明は、ロータの発熱によって温度上昇した主軸を中
空部の内周面から放熱することにより冷却しようとする
ものであるので、内周面は熱を捕捉する物質に接触して
おかねばならない。主軸の中空部の内径は供給チューブ
の外径よりも大きく形成され、供給チューブは主軸の中
空部内に遊挿状態に配設されているため、供給チューブ
の外周面全域が主軸の中空内周面に接触していない。そ
のため、熱伝導管は、中空部内周面から発する熱を効率
良く捕捉するため、熱伝導率の優れた金属材料で形成さ
れている。
【0017】前記主軸の内周面と前記熱伝導管の外周面
との間に形成される空間部には、高熱伝導性物質が充填
されている。熱伝導管の外周面全域が主軸の内周面に熱
的に確実に接触させるため、熱伝導管の外周面と主軸の
内周面とで形成される空間部には、流動性が有り熱伝導
性の高い物質が充填される。充填物質は水銀が理想的で
あるが水銀特有の危険性や後処理を考慮すれば他の物質
がよい。即ち、前記高熱伝導性物質は、例えば、伝導性
シリコングリスに微細なアルミ粉末や銅粉等が混入され
た混合物とするのが好ましい。
【0018】前記主軸の中空部の内径は遊挿される熱伝
導管の外径に合わせて形成されている訳でなく、主軸台
の大きさが決定すれば自ずと中空部の内径も決定され
る。一方、熱伝導管の外径は、把持装置の大きさや、単
管形状か二重管形状などによって変更される。従って、
熱伝導管の外周面と主軸の中空部内周面とで形成される
空間部の幅が小さい場合は、主軸の中空部に遊挿する前
に熱伝導管の外周面全域に上記の充填物質を塗布してお
く。また、上記空間部の幅が大きい場合は、熱伝導管を
遊挿後に上記物質を主軸の一端からグリスガン等を用い
て圧入すれば良い。なお、主軸に対して熱伝導管も同体
回転を行うので上記充填物質が流出することも少ない
が、充填初期には滲み出ることを考慮すれば、主軸の両
端開口部はシール処理を実施することが望ましい。
【0019】前記主軸台の一端又は他端より外部に延出
した前記主軸の一端部及び他端部には、それぞれ、工作
物を把持する把持装置、若しくは前記把持装置の作動に
用いる圧縮空気又は加工治具や工作物への切削油を供給
するための回転継手が外気に晒された状態に取り付けら
れており、前記熱伝導管に伝達された熱は前記把持装置
と前記回転継手とから外気に放熱される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、こ
の発明によるモータ内蔵主軸台における主軸冷却構造の
実施例を説明する。図1はこの発明によるモータ内蔵主
軸台における主軸冷却構造の一実施例をその回転軸線を
含む垂直面で切断した縦断面図、図2は、図1に示すモ
ータ内蔵主軸台における主軸の縦断面図、図3は図2に
示す主軸の横断面図であり、図1の矢視A−Aで見た断
面図である。
【0021】図1〜図3を参照して、この発明によるモ
ータ内蔵主軸台における主軸冷却構造の実施例を説明す
る。図1に示すモータ内蔵主軸台1は、複数の取付け座
12で据付け床に据え置かれる本体フレーム2に組み込
まれているモータ3のための主軸台である。モータ3は
ロータ4、及びロータ4と電磁気的に相互作用をしてロ
ータ4に相対回転する回転力を与えるステータ5とから
成り、ロータ4は本体フレーム2を貫通して配設されて
いる主軸6の中央部において外周面8上に取り付けられ
ている。主軸6は内部に周面に形成された内周面9によ
って定められる中空部7を有する中空軸である。
【0022】本体フレーム2は、主軸台1を設置床に据
え付けるための据付けボルトがねじ込まれるねじ穴13
が形成された取付け座12を有する外側フレーム10
と、外側フレーム10に対して入れ子状に嵌合した内側
フレーム11とから構成されている。外側フレーム10
は、外側フレーム本体15と外側フレーム本体15から
主軸6の軸方向に延びる外側環状部16とから成る。外
側フレーム本体15は、軸受17を介して主軸6を一側
において回転自在に支持しており、軸受17は、内側及
び外側の間座18を介して隔置して設けられている2列
の軸受で構成されている。
【0023】内側フレーム11は、内側フレーム本体1
5と軸方向に対向した内側フレーム本体19と内側フレ
ーム本体19から主軸6の軸方向に延びる内側環状部2
0とを備えている。内側環状部20は外側環状部16の
内側に緊密に嵌合してモータ3を組み込む内部空間24
を形成しており、内側環状部20の内周面に、モータ3
のステータ5が取り付けられている。内側フレーム本体
19は、主軸6の他側において軸受22を介して主軸6
を回転自在に支持しており、軸受22は、軸受17と同
様に、間座23を介して隔置して設けられている2列の
軸受で構成されている。内側フレーム11は、内側フレ
ーム本体19から一体的に延びるフランジ部21を貫通
して外側フレーム本体19にねじ込まれる取付けボルト
14によって互いに結合されている。軸受17,22
は、アンギュラコンタクト型の軸受であり、ラジアル方
向及びスラスト方向の力を支持することができる。
【0024】モータ3を冷却するため、外側フレーム1
0に内部空間22に連通する冷却空気入口25が形成さ
れている。また、内部空間22内の空気を排出するた
め、内側フレーム11の内側フレーム本体19には冷却
空気出口26が形成されている。冷却空気入口25から
内部空間22内に送り込まれた冷却空気は、モータ3の
駆動に起因した発熱を受けて昇温したロータ4、ステー
タ5の内部空間22に晒されている表面から熱を奪っ
て、冷却空気出口26から外部に排出される。
【0025】ステータ5の冷却のため、外側フレーム1
0の外側環状部16と内側環状部20との間には、冷却
油が流れる通路が形成されている。この例では、外側環
状部16には、軸方向一端側に冷却油入口27が形成さ
れ、軸方向他端側に冷却油出口28が形成されている。
内側環状部20の外周面30には、冷却油が流れる縦横
の溝又は螺旋状溝から成る冷却油通路31が形成されて
おり、冷却油入口27が冷却油通路31の一側に、冷却
油出口28が冷却油通路31の他側に接続されている。
冷却油通路31は、外側環状部16の内周面29により
閉じられている。冷却油入口27を通じて送り込まれた
冷却油は、冷却油通路31を流れるうちに内側環状部2
0を介してステータ5から熱を奪い、ステータ5を冷却
する。
【0026】主軸6は、両端6a,6bがモータ内蔵主
軸台1の一端又は他端より外部に延出している。主軸6
の一端6aは、フランジ状に拡大されており、取付けボ
ルト34によって工作物を把持する把持装置33が取り
付けられている。工作物を把持するため、把持装置33
には、チャック爪35が設けられている。また、主軸6
の他端6bには、把持装置33の作動に用いる圧縮空気
又は加工治具や工作物への切削油等の流体を供給するた
めの回転継手37が取り付けられている。把持装置33
及び回転継手37は共に外気に晒された状態にあり、後
述するように主軸6を介して伝達された熱は、把持装置
33と回転継手37とから外気に放熱される。なお、一
方の軸受17,17は主軸6上にねじ係合する与圧調整
ナット36を締付け調節することにより、間座18を介
して強固に固定される。また、他方の軸受22は、主軸
6の他端6bにねじ込まれた締付けナット38によっ
て、間座23を介して主軸6上に強固に固定される。
【0027】モータ内蔵主軸台1は、冷却用油の漏れを
防止したり、内部に設けられているモータ3への異物の
侵入を防止するため、各所にシールが配設されている。
即ち、本体フレーム2の外側フレーム10と内側フレー
ム11との接合部分には、冷却用油の漏れを防止するO
リングのようなシール40,40が設けられている。ま
た、主軸6の両端には、後述する熱伝導管50との間を
シールするシール部材41,41が設けられている。シ
ール部材41,41は、シール抑え39によって、所定
の緊密さで押圧されている。
【0028】次に、モータ内蔵主軸台における主軸冷却
構造の詳細について説明する。モータ3のロータ4が取
り付けられた主軸6は、内部に貫通孔が形成された中空
軸に構成されているが、中空部7そのものが直接、集熱
媒体を供給し戻す通路を形成しているのではなく、中空
部7には、内周面9を介して本体フレーム2の外部との
間で熱伝導をする熱伝達手段としての熱伝導管50が配
設されている。主軸6の中空部7の内径は熱伝導管50
の外径よりも大きく形成されているので、熱伝導管50
は主軸6の中空部7内に遊挿状態に配設されている。熱
伝導管50は、冷却用の油、空気等の集熱媒体が流れる
ことができる構造に形成されている。モータ3の駆動に
起因して主軸6を昇温させた熱は、集熱媒体によって外
部との間で熱交換されて外部に排出されることにより、
主軸6の温度上昇が防止される。
【0029】集熱媒体としての冷却油は、主軸台1が適
用される工作機械が切削機械であるとき、回転継手37
を通じて切削加工に用いる加工治具や工作物へ供給され
る切削油とすることができる。また、集熱媒体としての
冷却空気も、工作機械の把持装置33の作動に用いる圧
縮空気を用いることができる。
【0030】熱伝導管50は、主軸6内に遊挿状態に配
設されているので、熱伝導管50の外周面55の全域が
主軸6の内周面9に接触していない。熱伝導管50は、
ロータ4の発熱によって温度上昇した主軸6を内周面9
から放熱することにより冷却しようとするものであるの
で、主軸6の内周面9から発する熱を効率良く捕捉する
ために熱伝導率の優れたアルミニウム、銅又は真鍮等の
金属材料で形成されている。
【0031】熱伝導管50の内部構造を図2及び図3に
示す断面図に基づいて説明する。図示の主軸台1は切削
油を必要とするウエットカットであるので、熱伝導管5
0は二重管形状に形成される。即ち、熱伝導管50は、
内管51と外管52との二重管から成り、内管52の内
部は、集熱媒体としての切削油が流れる内側通路53と
して用いられる。内管51と外管52との間の環状空間
は、集熱媒体としての圧縮空気が流れる外側通路54と
なっており、外側通路54には内管51と外管52との
間の距離を保つために適宜の位置に板状のセパレータ5
6が配設されている。主軸台1が工作物が切削油を必要
としないドライカットの場合には、熱伝導管50は、内
管51を省略して圧縮空気のみが流れる単管形状に形成
される。
【0032】主軸6の内周面9と熱伝導管50の外周面
55との間には、熱伝導を良好にするため流動性の有る
高熱伝導性物質が充填されている。高熱伝導性物質とし
ては水銀が理想的であるが、水銀特有の危険性や後処理
を考慮すれば、例えば、伝導性シリコングリスに微細な
アルミ粉末が混入された混合物とするのが好ましい。
【0033】主軸6の中空部7の内径は、遊挿される熱
伝導管50の外径に合わせて形成されている訳でなく、
主軸台1の大きさが決定すれば自ずと中空部7の内径も
決定される。一方、熱伝導管50の外径は、把持装置3
3の大きさや、単管形状か二重管形状などに依存する。
従って、熱伝導管50の外周面55と主軸6の中空部7
の内周面9とで形成される空間部の幅が小さい場合は、
主軸6の中空部7に遊挿する前に熱伝導管50の外周面
55に上記の高熱伝導性物質を塗布しておく。また、空
間部の幅が大きい場合は、熱伝導管50を遊挿後に上記
の高熱伝導性物質を主軸6の一端からグリスガン等を用
いて圧入すれば良い。なお、主軸6に対して熱伝導管5
0も同体回転を行うので高熱伝導性物質が流出すること
は少ないが、充填初期には滲み出ることを考慮すれば、
主軸6の両端開口部はシール41によるシール処理を実
施することが望ましい。
【0034】
【発明の効果】この発明によるモータ内蔵主軸台におけ
る主軸冷却構造は、上記に説明した構成を有しているの
で、次のような効果が得られる。即ち、この発明による
モータ内蔵主軸台における主軸冷却構造によれば、モー
タ内蔵主軸台の特性であるロータの発熱に起因して温度
が上昇していた主軸が主軸内に配設した熱伝導管により
効果的に冷却されるので、アンギュラコンタクト型軸受
軸受の内外輪温度差をなくし、従って与圧を適正値に保
つことができ、軸受の寿命を長期化することが可能にな
った。その結果、工作治具の位置精度が向上し、工作物
の加工精度を維持することが可能になる。特に、主軸か
らの熱は流動性の有る高熱伝導性物質を介して捕捉され
て熱伝導管に伝達されるので、主軸に形成する貫通孔は
特に面粗度を配慮することなく、又、貫通孔に遊挿する
供給チューブとしての熱伝導管も必ずしも直進性に優れ
ているものでなくてもよい。流動性の有る高熱伝導性物
質は、金属同志が接触するのは限られた箇所になるのに
比べ、主軸と熱伝導管とに対して全域にわたって接触す
るので、熱の捕捉能力が高く、捕捉した熱は熱伝導率の
高い熱伝導管を伝わり高速回転する把持装置や回転継手
37を通じて大気中に放熱される。
【0035】一般的な機械部品に比べ光学部品や情報関
連部品はμm単位の加工精度が要求され、オートローダ
を用いての自動化運転が広く採用されている。従って、
加工完了の都度、個々に工作物を測定することはまれ
で、セッティングが終了すれば連続した運転となり、次
のセッティング迄は初期の加工精度を維持する必要があ
る。また、これらの部品は小物であるのが通例でタクト
タイムも短く、内蔵モータの起動停止回数も多く、強い
ては内蔵モータの発熱も激しいが、この発明による主軸
の冷却構造によれば、主軸から熱は速やかに奪い去ら
れ、工作物の加工精度を長く維持することが可能とな
り、更に、特定の装置や制御を必要とせず主軸台をコス
ト的にも安価な技術で提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるモータ内蔵主軸台における主軸
冷却構造の一実施例をその回転軸線を含む垂直面で切断
した縦断面図である。
【図2】図1に示すモータ内蔵主軸台における主軸の縦
断面図である。
【図3】図2に示す主軸の横断面図であり、図1の矢視
A−Aで見た断面図である。
【符号の説明】
1 モータ内蔵主軸台 2 本体フレーム 3 モータ 4 ロータ 5 ステータ 6 主軸 6a 主軸台の一端 6b 主軸台の他端 7 空間部 9 主軸の内周面 17,22 軸受 33 把持装置 37 回転継手 50 熱伝導管(熱伝達手段) 51 内管 52 外管 53 内側通路 54 外側通路 55 熱伝導管の外周面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータのロータが取り付けられた主軸、
    及び前記モータのステータが取り付けられると共に軸方
    向に離間して配設された一対の軸受を介して前記主軸を
    回転自在に支持する本体フレームを具備するモータ内蔵
    主軸台において、前記主軸を中空軸に構成し、前記中空
    軸の内部に前記中空軸の内周面を介して前記本体フレー
    ムの外部との間で熱伝導をする熱伝達手段を配設し、前
    記モータの駆動に起因して前記主軸を昇温させた熱を前
    記熱伝達手段よって前記外部に排出することを特徴とす
    るモータ内蔵主軸台における主軸冷却構造。
  2. 【請求項2】 前記熱伝達手段は、前記中空軸内に遊挿
    状態に配設され且つ内部に油、空気等の集熱媒体が前記
    外部との間で流通される熱伝導管であることを特徴とす
    る請求項1に記載のモータ内蔵主軸台における主軸冷却
    構造。
  3. 【請求項3】 前記熱伝導管は、内部に前記集熱媒体と
    しての油が流れる内側通路が形成されている内管と、前
    記内管を覆い且つ前記内管との間に前記集熱媒体として
    の空気が流れる外側通路が形成されている外管とから構
    成されていることを特徴とする請求項2に記載のモータ
    内蔵主軸台における主軸冷却構造。
  4. 【請求項4】 前記熱伝導管は、熱伝導率の優れたアル
    ミニウム、銅又は真鍮等の金属材料で形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモ
    ータ内蔵主軸台における主軸冷却構造。
  5. 【請求項5】 前記主軸の内周面と前記熱伝導管の外周
    面との間に形成される空間部には、高熱伝導性物質が充
    填されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載のモータ内蔵主軸台における主軸冷却構造。
  6. 【請求項6】 前記熱伝導管の外周面には、高熱伝導性
    物質が塗布されていることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載のモータ内蔵主軸台における主軸冷
    却構造。
  7. 【請求項7】 前記高熱伝導性物質は、伝導性シリコン
    グリスに微細なアルミ粉末が混入された混合物であるこ
    とを特徴とする請求項5又は6に記載のモータ内蔵主軸
    台における主軸冷却構造。
  8. 【請求項8】 前記主軸台の一端又は他端より外部に延
    出した前記主軸の一端部及び他端部には、それぞれ、工
    作物を把持する把持装置、若しくは前記把持装置の作動
    に用いる圧縮空気又は加工治具や工作物への切削油を供
    給するための回転継手が外気に晒された状態に取り付け
    られており、前記熱伝導管に伝達された熱は前記把持装
    置と前記回転継手とから外気に放熱されることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータ内蔵主
    軸台における主軸冷却構造。
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