JP2007050422A - 電動プレス加工機 - Google Patents

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昭二 二村
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Abstract

【課題】 差動機構の不具合を検知する。
【解決手段】 スライダを複数の駆動源が協同して駆動する電動プレス加工機であって、個々の駆動源に対応してねじ軸機構と差動機構とを有する電動プレス加工機において、個々の差動機構が所定量だけ正しく作動しなかった状態を検知する微小変更動作検知手段を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数個の駆動源が協同してスライダを駆動し、かつ当該個々の駆動源がモータとねじ軸とナット部材とを有している電動プレス加工機に関し、個々の駆動源に対応して差動機構が備えられると共に、当該個々の差動機構が正常に動作したか否かを検知する微小変更動作検知手段を備えた電動プレス加工機に関する。
本願特許出願人は、例えば特許文献1において、プレス上型が設けられているスライダ上の複数の分散した位置に、モータとねじ軸とナット部材とを有する駆動源をもうけ、当該複数の駆動源が協同してスライダを駆動してプレス加工を行う電動プレス加工機を提示している。そして、当該電動プレス加工機において、複数個の駆動源の夫々に対応して、前記スライダと当該駆動源のナット部材との間の位置間隔を微小変更可能に構成した差動機構を設けることを提示している。
また特許文献2においては、差動機構について提案している。即ち電動プレス加工機において例えば定点加工が繰り返し行われる場合に、ねじ軸とナット部材との両者の間に存在する多数のボールとの接触位置が固定されることとなり、ねじ軸やボールやナット部材に非所望な損傷が生じる。この点を改善するために当該差動機構が設けられ、繰り返し行われるプレス動作の間の、1ショット(1回、以下同じ)あるいは予め定められた複数ショット(複数回、以下同じ)ごとに、当該差動機構を動作させて、前記の接触位置を微小変更させるようにしている。
特開2004─358525号公報 特開2002─144098号公報
例えば、前記特許文献1に開示されている如き電動プレス加工機であって、複数の駆動源が協同してスライダを駆動するようにした上で、当該個々の駆動源に対応して前記差動機構をもうけておいた場合には、次の如き問題を発生することが判った。
即ち、差動機構は後述するように、スライダと個々の駆動源におけるナット部材との間の位置間隔をいわば強制的に微小変更するようにしているものであるが、複数の差動部材が、いわば一斉に正しく所定の量の変更動作を行わないようになった場合、即ち、例えば1つの差動機構が前記の微小変更動作を行い得ない状態になった場合、
(i)プレス動作(1ショットのプレス動作)においては、スライダがいわば正しく水平に駆動される(傾きのない状態で駆動される)べきものであるが、スライダが非所望に傾けられてしまうことになりかねない。
(ii)この点を解消するために、スライダが上限待機位置に達した際の高さ位置を測定して前記スライダの傾きが生じないように構成した電動プレス加工機においては、前記例えば1つの差動機構においてのみ、前記の接触位置が固定されていて、ねじ軸やボールやナット部材に非所望な損傷が生じるが、その損傷の発生を全く気付かないで経過することになる。このような場合には、差動機構をもうけて前記の損傷の発生を防ぐことを公にしている電動プレス加工機の評価が大幅に低下する。
本発明は、差動機構が正常に動作しなかった場合を早期に検知するようにすることを目的としている。
本発明に係る電動プレス加工機としては、スライダを複数の駆動源によって協同して駆動する構成を持ち、かつ夫々の駆動源として、モータと、モータによって正回転・逆回転されるねじ軸と、ねじ軸と噛合するナット部材とを少なくとも備え、前記スライダと夫々の駆動源におけるナット部材との間に差動機構を有するものであれば足りる。
以下、特許文献1に開示されている電動プレス加工機をもとに説明する。
図1は本発明に係る電動プレス加工機の一実施例概略説明図を示している。
図1において、ベッド1とクラウン2と複数の支柱3とで形成された枠体4の内部には、2つのスライダ(第1のスライダ)5、スライダ(第2のスライダ)6が設けられ、各スライダ5、6の四隅には、支柱3と係合し支柱3の軸方向にスライダ5、6が自在に摺動する摺動穴がそれぞれ設けられている。
クラウン2の上面には、複数個の、例えば4つの取り付け台8が設けられており、各取り付け台8には、エンコーダを内蔵したACサーボモータ(第1のモータ)9が取り付けられている。
以下に説明する4つの取り付け台8に取り付けられた各ACサーボモータ9に関連する構成・構成部品は全く同じものであるので、その1つについて説明することにする。
取り付け台8の内部においてACサーボモータ9の軸に固着された早送り用のねじ軸(第1のねじ軸)10は、回転自在にクラウン2に軸支されると共に、スライダ6に固定されたナット部材11に螺合され、スライダ6の下方にさらに設けられているスライダ5を突出することが可能となっている。従って、上記4つのACサーボモータ9の同期した正回転・逆回転により、スライダ6が上昇或いは下降し、ACサーボモータ9の回転制御でスライダ6を往復運動させることができる。
スライダ6には、ねじ軸10を当該スライダ6にクランプする、すなわち固定するロック機構14が設けられている。このロック機構14が働くと、ねじ軸10がスライダ6に固定され、ねじ軸10とスライダ6とが一体化し、ねじ軸10とスライダ6とは相互に移動することができないようになっている。
スライダ6の上面には、複数個の、例えば4つの取り付け台15が設けられており、各取り付け台15には、エンコーダを内蔵した減速機16付のACサーボモータ(第2のモータ)17が取り付けられている。取り付け台15に取り付けられた各ACサーボモータ17に関連する構成・構成部品も全く同じものであるので、以下の説明でもその1つについて説明することにする。
取り付け台15の内部においてACサーボモータ17の軸に固着されたボールねじ軸(第2のねじ軸)18は、内部にボールとナット部材とが設けられたボールねじ機構19と螺合し、スライダ6に回転自在に軸支されている。ボールねじ軸18とスライダ5の上面に固定された当該ボールねじ機構19とで、スライダ6とスライダ5との両者が連結された構造となっている。つまり、取り付け台15に設けられた上記複数個のACサーボモータ17を同期して正回転或いは逆回転させることにより、スライダ5が上昇或いは下降し、ACサーボモータ17の回転制御でスライダ5を往復運動させることができる。即ち、プレス動作を繰り返し行うようにされる。
ボールねじ機構19を構成するナット部材と、図示スライダ5との間に差動機構81がもうけられ、差動機構駆動用モータ81−1を回転駆動させることによって、スライダ5と当該ナット部材との間の位置間隔を微小変動させることができるようにされる。差動機構81の機能については後述される。
スライダ5の下端面には上型7が取り付けられ、またベッド1にはこの上型7に対応する位置に下型20が設けられている。そしてベッド1とクラウン2との間に、スライダ5の位置を検出するパルススケール21が4つの支柱3に沿ってそれぞれ取り付けられている。即ち、4つのボールねじ機構19の取り付けられている箇所でのスライダ5の位置を個別に検出するように4つのパルススケール21が取り付けられている。そして上型7と下型20に載置された被加工物22との接触時でのスライダ5の位置を検出すると共に、スライダ5の上限待機位置及び下限降下位置を検出するようになっている。言うまでもなくプレス加工が行われつつある間でのスライダ5の平行制御(傾かないようにする制御)は、上記4つのパルススケール21を基準にして、制御装置23を介して行われる。
それぞれ複数個(4つ)のACサーボモータ9と、4個のACサーボモータ17との各回転を制御し、そしてねじ軸10をスライダ6に固定させ或いはその解除をさせるロック機構14を制御する制御装置23は、予め各種の設定値が入力されるようになっている他、スライダ5の位置検出をするための、すなわち上型7の位置検出をするためのパルススケール21が検出する位置信号を基に、制御動作を行う。即ち、制御装置23は、上限待機位置にある上型7が、下型20に載置された被加工物22と接触する時点あるいは接触する直前の時点までは、ACサーボモータ9によって下降するスライダ6を介して上型7を急速に降下させ、ACサーボモータ9の停止後、直ちにロック機構14をロックさせ、上型7が被加工物22と接触した時点あるいは接触する直前の時点から上型7が予め定められた下限降下位置(図1の上型7の想像線位置(7))まで降下する時点までは、上型7の降下をACサーボモータ17によって下降するスライダ5を介して、上記の急速降下速度に対して減速し、ACサーボモータ17をトルク付加モードにして、上型7が下型20に載置された被加工物22を押圧し、被加工物22を所定の形状にプレス加工を行う制御を行う。そして更に、上型7が下限降下位置に到達後は、ロック機構14のロックを解除すると共に、ACサーボモータ17によるスライダ5とACサーボモータ9によるスライダ6とを介して上型7を急速に上昇させる制御を行うようになっている。
ACサーボモータ9の停止後ロック機構14をロックしてねじ軸10をスライダ6に固定させる理由は、上型7が下型20に載置された被加工物22をプレスする際に生じる反力で、スライダ5、ボールねじ機構19及びボールねじ軸18などを介してスライダ6を上向きに移動させようとする力が働くが、そのような力が働いても、上記説明のねじ軸10とスライダ6との一体化により、ねじ軸10はその回転が阻止されるので、スライダ6は上向きに移動することはなく停止位置を維持させるためである。つまり上型7は被加工物22に所定のプレス荷重を付与することができる。
前記差動機構81は、次に示す如き機能を持つ。即ち、図1に示す構成の場合において、第2のスライダ6が下降されて前記早送り用のねじ軸10とロック機構14によって固定された状態の下で、上述した如く、ACサーボモータ17がトルク付加モードにされて回転し、ねじ軸18によるボールねじ機構19を介して第1のスライダ5を下降させてゆく。即ち、上型7と下型20とによって、プレス動作が1回行われる。このようなプレス動作を繰り返し実行してゆく定点加工が行われる際に図示の上型7と下型20との位置関係が同じ状態であるとすると、上型7が下型20を押圧する状態になった際での、ねじ軸18とボールとナット部材との接触位置の状態が、いつも同じ接触位置となってしまうことになる。このように接触位置がいつも同じ所になってしまうと、ねじ軸とボールとナット部材とで同じ位置の所で強い押圧力が働き、ねじ軸あるいはボールあるいはナット部材を局部的に損傷してしまうことになりかねない。
差動機構81は、このような非所望な損傷を防ぐために設けられている。即ち、繰り返し行われるプレス動作の1回あるいは予め定められた複数回ごとに、制御装置23による制御によって、差動機構駆動用モータ81−1を微小回転させて、ナット部材とスライダ5との間の位置間隔を例えば2μm程度変化させる。即ち、微小変動を生じさせる。
このように強制的に微小変動を生じさせた場合に、スライダ5が上限待機位置に達した際において、差動機構81を駆動させなかった場合にくらべて、上型7と下型20との距離が2μm程度変化していることになる。この2μm程度の変化を解消する必要があることから、図示構成においてはACサーボモータ17を微小回転させて、スライダ5の上限待機位置を元の距離に戻すことになる。この元の距離に戻す修正動作によって、ボールねじ機構19の内部で、ねじ軸とボールとナット部材との接触位置が僅かにズラされた状態となる。即ち、差動機構81を働かせることによって、ねじ軸あるいはボールあるいはナット部材が局部的に損傷されることがなくなる。
差動機構81は上述のように機能するものであるが、複数個の駆動源(図1図示の場合では複数個のACサーボモータ17)が協同してスライダ5を駆動している如きプレス加工機において、個々の駆動源に対応して存在する差動機構81のすべてが所定の量の変更動作を正しく行わないことが生じると、(i)スライダ5が上限待機位置において、非所望に傾斜してしまったり、(ii)あるいはこのような傾斜を生じさせないように図示のパルススケール21を基準に前記の修正動作が働かないようにすると、正しく所定の変更動作を行っていない差動機構81において上述の非所望な局部的な損傷が生じているにも拘わらず操作者に気付かれることなく経過してしまうことが判った。
本発明においては、差動機構81のいずれか1つでもが正しく所定の量の変更動作を行わない状態になったことを検知する微小変更動作検知手段をもうけるようにしている。
当該微小変更動作検知手段は、図示に示す制御装置23に対応づけて、検知手段23−1を設ければ足りる。
即ち、個々の差動機構81における差動機構駆動用モータ81−1は、制御装置23からの制御の下で駆動されるが、検知手段23−1は当該駆動制御時に差動機構駆動用モータ81−1がロック状態になったりあるいは駆動電流が過電流状態となったりしたことを検知するようにする。
あるいは、差動機構81が正しく駆動されると、スライダ5が上限待機位置に達した際に、上述の如く、本来あるべき位置から2μm程度移動しているはずであるが、この2μm程度の移動が正しく生じているか否かを図示のパルススケール21で検知するようにする。
以上説明した如く、本発明によれば、スライダを複数個の駆動源によって協同して駆動する電動プレス加工機において夫々の駆動源に対応して差動機構を取り付けている場合に、当該差動機構の1つでもが所定量だけの微小変更動作を行わないことが生じて当該差動機構に非所望な局部的な損傷を生じさせることが解消される。
図2は、図1に用いられている上型の移動機構部分の拡大説明図を示しており、図1と同じものは同一の符号が付されている。
図2において、クラウン2の上面に取り付けられた取り付け台8を貫通したACサーボモータ9の出力軸25は、ねじ軸10の先端部にカップリング26を介して連結されている。クラウン2に設けられた孔27には、ベアリングホルダ28を介してねじ軸10に嵌め込まれたベアリング29が取り付けられ、ACサーボモータ9によって駆動されるねじ軸10が回転自在にクラウン2に取り付けられている。
またスライダ6の上面に取り付けられた取り付け台15を貫通したACサーボモータ17の減速機16を介しての出力軸30は、ボールねじ軸18の先端部にカップリング31を介して連結されている。スライダ6に設けられた孔32には、ベアリングホルダ33を介してボールねじ軸18に嵌め込まれたベアリング34が取り付けられ、ACサーボモータ17によって駆動されるボールねじ軸18が回転自在にスライダ6に取り付けられている。
スライダ6に取り付けられたロック機構14は、スラスト荷重用のベアリング35、ロックナット36、クランプ片37及びロックナット弛緩機構38で構成され、弛緩を容易にするベアリング35を中間にして配置されたナット部材11とロックナット36とのダブルナットでねじ軸10を固定(ロックナット36に対するねじ軸10の回転停止)し、或いはねじ軸10を開放(ロックナット36に対するねじ軸10の回転自由)するようになっている。このナット部材11とロックナット36とのダブルナットでのねじ軸10の固定・開放は、当該ロックナット36に固着されたクランプ片37を介しロックナット36を僅かに正・逆回転させるロックナット弛緩機構38で行われるようになっている。
図3は差動機構とボールねじ機構との一実施例構造説明断面図を示している。なお、差動機構付ボールねじ機構については、本出願人によるものが特許文献2(特開2002−144098号公報)に公開されている。
図1で用いられている差動機構81とボールねじ機構19とは、図3図示の構造を備えており、ボールねじ軸18と複数のボール50とナット部材51とからなるボール軸受を備え、更に可動部材52と差動部材53と受け部材54とを有するボール軸受位置調整手段を備えている。
ナット部材51は、ボール50を介してボールねじ軸18とボールねじ係合すべくその孔部にボール溝55が設けられており、ボール50を介してのボールねじ軸18とナット部材51とのボールねじ係合によって、上型7の正確で高精度な位置制御ができるようになっている。
ナット部材51の下端部には、ボール軸受位置調整手段に属する所の、中心部にボールねじ軸18を貫通させるための孔が設けられた可動部材52が固定されている。当該可動部材52と、中心部にボールねじ軸18を貫通させるための孔が設けられ、かつ上端面に傾斜面56が形成されている受け部材54との間に、中心部にボールねじ軸18を貫通させると共に自身の摺動を可能にするに足る孔を備えた差動部材53が設けられている。そして当該差動部材53はその下端面が受け部材54に形成されている傾斜面56と同じ傾斜角で逆向きの傾斜面が形成されていて、差動部材53が、図面左右方向(図3のAの矢印両方向)に摺動し、可動部材52を介してナット部材51が垂直方向(図3のBの矢印両方向)にのみ移動するようになっている(図3ではナット部材51が垂直方向にのみ移動する拘束機構は図示省略されている)。
差動部材53を上記図面左右方向に移動させるためのねじ部57を差動機構駆動用モータ81−1で回転させ、ナット部材51を垂直方向に微小距離移動させることにより、ボールねじを構成するボール50とボール溝55との線接触又は点接触で係合するボールねじにあって、荷重時常に同一位置での線接触又は点接触で係合することから生じるボール50やボール溝55の局部的な磨耗や損傷を回避することができる。
即ち、上型7が最下点に達した時点で上型7を更に降下させようとする最大荷重が生じるが、同じ上型7及び同じ下型20と、同じ被加工物22とを用いてプレス加工を続けると、当該最大荷重におけるボールねじ軸18とボール50とナット部材51のボール溝55は、同じ決まった位置関係の下でボールねじ軸18とボール50とナット部材51とが局部的に接触し、この接触部に局部的に磨耗が生じる。当該差動機構81を用い、各プレス加工の都度、或いは所定回(例えば5回程度)の各プレス加工の都度、差動部材53を矢印A両方向に挿入し、或いは排出することによって、最大荷重での上述のボールねじ軸18とボール50とナット部材51のボール溝55との位置関係が僅かにズレてゆくことになり、磨耗が防止される。差動部材53を挿脱する状況は、1回の挿入で、径10mm程度のボール50の大径上で上記の接触部が2μm程度ずつズレてゆくようなものである。このようにすれば、差動部材53が約15700回挿入することによって、接触点がボール50の大径上を一周する。
図4は本発明において微小変更動作検知手段を設ける理由を説明する図である。なお、図4においては、説明を簡単にするため、スライダ5を駆動する複数のACサーボモータ17がクラウン2上に固定的に配置されている形態で示されている。そして、図中の符号は図1、図3に対応している。
図4(A)は、スライダ5が上限待機位置にある状態を表しており、即ち上型7が最上位位置(高さH0 )にある状態を表しており、そして差動機構81において差動部材53が最左端に位置しているとして描かれている。
図4(A)図示の状態から、ACサーボモータ17の回転によって、ねじ軸18とナット部材51を有するボールねじ機構19を介して、スライダ5が下降され、上型7と下型20とによって図示を省略した被加工物がプレス加工される。
図4(B)は、1回分のプレス加工が行われた後に、上述した如く、差動機構81内において差動部材53が図示右方向に移動されて上述の微小変更動作が行われ、かつACサーボモータ17がスライダ5を上限待機位置に引き上げた状態を表している。
なお、この間における差動部材53を図示右方向に移動させる微小変更動作は僅かであり、当該微小変更動作が行われたことによってスライダ5が上限待機位置に達した際の、上型7の高さ位置は図4(A)の場合にくらべて2μm程度(即ち、α=2μm程度)であるが、図4(B)においては大幅に変化したものとして描かれている。即ち、図4(B)におけるスライダ5の高さ位置が図4(A)の場合にくらべて大きく低下しているように描かれている。
本発明においては、図4(B)に示した如く、差動機構81内の差動部材53を移動させたことによって、スライダ5や上型7の高さ位置がαだけ変化したこととなるが、上述した如く、このαだけの変化を修正する必要があることから、ACサーボモータ17を微小回転させて、スライダ5や上型7の高さ位置をαだけ元に戻すようにする。
図4(C)は、図4(B)の状態から、高さ位置をαだけ元に戻した状態を表している。なお言うまでもなく、差動部材53の位置は図4(B)の状態のままであるが、ねじ軸18とナット部材51との接触位置は図4(A)の場合にくらべて変化している。
図4(C)図示の状態になった際には、スライダ5や上型7の高さ位置は図4(A)の状態と同じ位置にあり、図4(A)の状態と同じように次のプレス動作に入ることができる。
本発明において差動機構81の働きは、図4(A)ないし図4(C)に関連して説明したように、差動機構81内の差動部材53を強制的に移動させることによって、図4(C)に示した状態の下で、ねじ軸18とナット部材51との噛合位置に僅かな変化を与えるものである。即ち、図4(B)の状態からACサーボモータ17を微小駆動して上述の高さ位置のαだけの変化を元に戻すようにして、ねじ軸18とナット部材51との噛合位置に変化を与えるものである。
しかし、仮に、図4(A)図示の状態から図4(B)図示の状態に至る間において、差動機構81内における差動部材53が正しく移動しないとすると、次の問題が生じる。
即ち、図1に示す制御装置23においては、差動部材53が正しく移動しているものと判断して、ACサーボモータ17を駆動して上述の如く高さ位置をαだけ元に戻すように指令を発することになる。したがって、スライダ5や上型7は図4(A)の場合にくらべてαだけ高い位置に移動されてしまうことになる。
図4(D)は、図4(A)の場合にくらべてスライダや上型がαだけ高い位置に引き上げられてしまった状態を表している。
図1に示す如き電動プレス加工機において、例えば4個存在する駆動源(ACサーボモータ17をもつ駆動源)の1つが仮に図4(D)に示した如き状態になったとすると、残る3個の駆動源がスライダ上に設けられている位置に関しては図4(C)に示すような正しい状態になっているのに、差動部材53が移動しなかった駆動源に対応しては図4(D)に示す状態になってしまっている。
このために、図1に示すスライダ5は、例えば4隅の1つにおいて高さ位置がαだけ他と異なるものとなってしまい、スライダ5を水平に(即ち傾きなく)駆動するという点で異常が生じてしまう。
図4(D)に関連して説明した如き状態が生じることをなくするためもあって、次の対策をとるようにされる。即ち、図4(B)図示の状態にあるとき、即ちスライダ5が上限待機位置に達したときに、スライダ5や上型7がαだけ正しく変化しているか否かを、図1に示す4つのパルススケール21で確認し、正しく変化している場合に、制御装置23が図4(C)に示す状態の位置になるようにACサーボモータ17を駆動する対策を採用することが行われる。
このようにすると、上述の如く差動部材53が非所望に移動しなかった場合には図4(B)図示の状態の下でスライダ5や上型7がαだけ正しく変化していないことが判り、制御装置23はACサーボモータ17を微小駆動させない。即ち、スライダ5や上型7は図4(A)の状態のままとなる。勿論、差動部材53が所定量αの変化を与えるだけ正しく移動しなかった場合(変化量βを与えた場合)には、制御装置23はACサーボモータ17を駆動して、変化量βを元に戻すようにして図4(C)に示した状態にする。
このように制御装置23が図4(B)の状態の下で、4つのパルススケール21の計測結果でACサーボモータ17を微小駆動する制御態様を採用すると、図4(D)に関連して説明した如き問題、即ちスライダ5が非所望に傾斜してしまうという問題は生じない。
しかし、このためもあって、プレス装置を操作している操作者は、差動機構81が正しく動いていないことに気付くことが遅れてしまう。更に言えば、いずれか1つの駆動源に対応するボールねじ機構19内で局部的な磨耗や損傷が生じてしまう。このような事態になることは、差動機構をもうけてボールねじ機構19内での損傷を防止することを公表して販売している電動プレス加工機自体の評価を大幅に低下してしまう。
なお、差動機構として図3に示した如きものについて説明したが、本発明は、特許文献2に示されている他の差動機構が用いられる場合にも含むことは言うまでもない。
本発明に係る電動プレス加工機の一実施例概略説明図を示す。 図1に用いられている上型の移動機構部分の拡大説明図を示す。 差動機構とボールねじ機構との一実施例構造説明断面図を示す。 本発明において微小変更動作検知手段を設ける理由を説明する図である。
符号の説明
1 ベッド
2 クラウン
3 支柱
4 枠体
5 スライダ(第1のスライダ)
6 スライダ(第2のスライダ)
7 上型
9 ACサーボモータ(第1のモータ)
10 ねじ軸(第1のねじ軸)
11 ナット部材(第1の連結機構)
14 ロック機構
17 ACサーボモータ(第2のモータ)
18 ボールねじ軸(第2のねじ軸)
19 ボールねじ機構(第2の連結機構)
20 下型
21 パルススケール
22 被加工物
23 制御装置
23−1 検知手段
81 差動機構
81−1 差動機構駆動用モータ

Claims (3)

  1. ベッドとクラウンと複数の支柱とで形成された枠体と、
    上型が取り付けられると共に前記支柱を摺動するスライダと、
    当該スライダ上の複数の分散した位置に対応して設けられかつ当該スライダを協同して駆動するように設けられると共に、複数個の夫々が、モータと当該モータによって正回転・逆回転されるねじ軸と、当該ねじ軸に噛合するナット部材とを有する駆動源と、
    前記複数個の駆動源の夫々に対応して設けられ、前記スライダと当該個々のナット部材との間の位置間隔を微小変更可能に構成される差動機構と、
    を少なくとも備え、前記複数個の駆動源が協同して前記スライダを駆動し、前記上型と前記ベッドに対応して設けられる下型とによってプレス動作が繰り返し連続して行われ、当該プレス動作の1ショットあるいは予め定められた複数ショットごとに、前記複数個の差動機構が夫々前記間隔の微小変更動作を行うようにされた電動プレス加工機において、
    前記複数個の差動機構の夫々に対応して設けられ、個々の差動機構が行う前記間隔の微小変更動作について、所定の量の変更動作が行われたか否かを検知する微小変更動作検知手段を備えた
    ことを特徴とする電動プレス加工機。
  2. 前記微小変更動作検知手段は、前記夫々の差動機構における微小変更動作を駆動するモータについて、当該モータにおけるロック状態あるいは過電流を検知することを特徴とする請求項1記載の電動プレス加工機。
  3. 前記複数個の駆動源の夫々に対応して設けられ、当該駆動源が前記スライダ上に設けられている位置について、前記ベッドと、当該スライダ上に設けられた位置との距離を測定する位置検出器を備え、
    前記微小変更動作検知手段は、前記夫々の差動機構が微小変更動作を実行した後であって、前記スライダが上限待機位置に達した際の前記距離を検知することを特徴とする請求項1記載の電動プレス加工機。
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