JP2007048545A - リチウム/二硫化鉄一次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 保存時における開回路電圧の上昇を抑制することができ、高品質なリチウム/二硫化鉄一次電池を提供する。
【解決手段】 リチウム/二硫化鉄一次電池は、正極活物質を有する正極2と、負極活物質を有する負極3と、有機溶媒に電解質を溶解させてなる電解液とを備える。電解液には、含窒素複素環式化合物が添加されている。これにより、リチウム/二硫化鉄一次電池の保存時における開回路電圧上昇を抑制できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 リチウム/二硫化鉄一次電池は、正極活物質を有する正極2と、負極活物質を有する負極3と、有機溶媒に電解質を溶解させてなる電解液とを備える。電解液には、含窒素複素環式化合物が添加されている。これにより、リチウム/二硫化鉄一次電池の保存時における開回路電圧上昇を抑制できる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、二硫化鉄を正極活物質とする正極と、リチウムを負極活物質とする負極と、有機溶媒の電解液とを備えるリチウム/二硫化鉄一次電池に関する。
現在、市販されている1.5V級一次電池には、水溶液を電解液に用いるマンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、空気電池、ニッケル/亜鉛電池、および有機溶媒を電解液に用いるリチウム/二硫化鉄一次電池等がある。
リチウム/二硫化鉄一次電池は、正極活物質の二硫化鉄が約894mAh/g、負極活物質のリチウムが約3863mAh/gと、非常に高い理論容量を示す正・負極材料から構成されており、高容量かつ軽量、負荷特性、低温特性といった電池特性の面からも、極めて優れた電池である。
さらに、リチウム/二硫化鉄一次電池は、初期の開回路電圧(OCV)が1.7〜1.8V、平均放電電圧が1.3〜1.6V付近であり、他の1.5V級一次電池、例えば水溶液を電解液に用いるマンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、空気電池、ニッケル/亜鉛電池と互換性を有する点からもその実用価値は高い。
しかしながら、この電池系は、製造直後に、開回路電圧が実用電圧よりも高い電位まで上昇してしまうという問題がある。そこで、製造後に予備放電を行うことによって、開回路電圧を実用電圧まで低下させる手法がとられるが、長期間保管している間に再び開回路電圧が上昇し、場合によっては2Vを超えるという特徴を有している。
開回路電圧が上昇した状態にあるリチウム/二硫化鉄一次電池を機器に使用した場合には、使用機器側の保護回路が作動してしまうために、電源が入らず使用不可能となる。つまり他の1.5V級一次電池との互換性が失われる問題が生じてしまう。
開回路電圧の上昇の一因としては、導電剤に吸着されている酸素の影響が考えられる。この影響を抑制するために、例えば下記特許文献1には、電解液中に添加したイソキサゾール誘導体、正極中に添加した還元剤によって、導電剤中の活性種を還元除去する方法が記載されている。
また、開回路電圧の上昇の他の原因としては、外部からの水分進入とそれに伴う電池構成成分との反応が影響と考えられる。この影響を抑制するため、例えば下記特許文献2には、進入水分を、電解液中に添加したフェノールまたはヒドロキノン誘導体と優先的に反応させる方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、イソキサゾール誘導体が、開回路電圧の上昇の一因である活性種と反応してこれを除去することで、開回路電圧の上昇を抑制できるものである。一方で、この発明は、含窒素複素環式化合物を用いることで、正極に窒素系被膜を形成し、より効果的に開回路電圧の上昇を抑制するものである。
また、特許文献2に記載の方法は、劇物に指定されているフェノールを用いるため、使用に制限が生じ、さらに、フェノールおよびヒドロキノンが常温で結晶状態であるため、電解液に対する溶解力が小さい場合には、極めて微量しか添加することができなく、満足できるものではない。
したがって、この発明の目的は、保存時における開回路電圧の上昇を抑制することができ、高品質なリチウム/二硫化鉄一次電池を提供することにある。
本願発明者等は、長年リチウム/二硫化鉄一次電池の開回路電圧の上昇を抑制するために鋭意検討を続けてきた。その結果、電解液としての有機溶媒に、含窒素複素環式化合物を添加することで、長期保存時の開回路電圧の上昇を抑制することを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、この発明は、二硫化鉄を正極活物質とする正極と、
リチウムを負極活物質とする負極と、
有機溶媒に電解質を溶解してなる電解液とを備えたリチウム/二硫化鉄一次電池であって、
電解液中に含窒素複素環式化合物を含むことを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池である。
リチウムを負極活物質とする負極と、
有機溶媒に電解質を溶解してなる電解液とを備えたリチウム/二硫化鉄一次電池であって、
電解液中に含窒素複素環式化合物を含むことを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池である。
この発明によれば、リチウム/二硫化鉄一次電池の保存時における開回路電圧上昇を抑制でき、これにより、高品質なリチウム/二硫化鉄一次電池を実現できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態によるリチウム/二硫化鉄一次電池を示す。図1に示す電池は、いわゆる円筒型と呼ばれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶1の内部に、渦巻型電極体を有している。渦巻型電極体は、正極活物質を有する帯状の正極2と、負極活物質を有する帯状の負極3とが、イオン透過性を有するセパレータ4を介して多数回巻回されてなる。
電池缶1は、例えばニッケルメッキが施された鉄により、構成されており、一端部が閉鎖され、他端部が開放されている。電池缶1の内部には、渦巻型電極体を挟み込むように、周面に対して垂直に一対の絶縁板5および絶縁板6がそれぞれ配置されている。
電池缶1の開放端部には、電池蓋7と、この電池蓋7の内側に設けられた安全弁8及び熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)9とが、封口ガスケット10を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶1の内部は、密閉されている。
電池蓋7は、例えば電池缶1と同様の材料により構成されている。安全弁8は、熱感抵抗素子9を介して電池蓋7と電気的に接続されており、内部短絡又は外部からの加熱等により電池の内圧が一定以上となった場合に電池蓋7と渦巻型電極体との電気的接続を切断する、いわゆる電流遮断機構を備えている。
熱感抵抗素子9は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものであり、例えば、チタン酸バリウム系半導体セラミックスにより構成されている。封口ガスケット10は、例えば絶縁材料により構成されており、表面には、例えばアスファルトが塗布されている。
渦巻型電極体の正極2には、アルミニウム等よりなる正極リード11が接続されており、負極3には、ニッケル等よりなる負極リード12が接続されている。正極リード11は、安全弁8に溶接されることにより電池蓋7と電気的に接続されている。負極リード12は、電池缶1に溶接され電気的に接続されている。
また、正極2と負極3との間のセパレータ4には、非水電解質として、例えば非水電解液が含浸されている。セパレータ4は、正極2と負極3との間に配されることにより、正極2と負極3の物理的接触を防ぐ機能を有する。さらに、セパレータ4は、非水電解液を吸収することにより、孔中に非水電解液を保持し、放電時にリチウムイオンが通過できるものである。
[正極2]
正極2は、帯状の形状を有する正極集電体と、この正極集電体の両面に形成された正極合剤層とからなる。正極集電体は、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔である。
正極2は、帯状の形状を有する正極集電体と、この正極集電体の両面に形成された正極合剤層とからなる。正極集電体は、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔である。
正極合剤層は、例えば、正極活物質である二硫化鉄と、導電剤と、結着剤とからなる。正極活物質である二硫化鉄は、主に自然界に存在する黄鉄鉱(pyrite)を粉砕したものが用いられるが、化学合成、例えば、塩化第一鉄(FeCl2)を硫化水素(H2S)中にて焼成して得られる二硫化鉄なども使用可能である。
導電剤は、正極活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はされず、例えば、グラファイト、カーボンブラックなどの炭素粉末が挙げられる。結着剤としては、公知の結着剤を用いることができ、例えばポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂が挙げられる。
[負極3]
負極3は、帯状の形状を有する金属箔からなる。この負極活物質でもある金属箔の材料としては、リチウム金属またはリチウムにアルミなどの合金元素を添加したリチウム合金などが挙げられる。
負極3は、帯状の形状を有する金属箔からなる。この負極活物質でもある金属箔の材料としては、リチウム金属またはリチウムにアルミなどの合金元素を添加したリチウム合金などが挙げられる。
[電解液]
電解液としては、リチウム塩を電解質として、これを有機溶媒に溶解させた電解液が用いられる。ここで有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の、単独もしくは二種類以上の混合溶媒が使用可能である。
電解液としては、リチウム塩を電解質として、これを有機溶媒に溶解させた電解液が用いられる。ここで有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の、単独もしくは二種類以上の混合溶媒が使用可能である。
電解質としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ヨウ化リチウム(LiI)等が使用可能である。
[添加剤]
電解液中には、含窒素複素環式化合物を添加する。これにより、正極活物質であるFeS2上に安定な有機被膜を形成する、吸着活性種と反応する等によって、長期保存時の開回路電圧の上昇を抑制できる。これにより、長期保存後においても、例えば1.5V級一次電池との互換性を確保できる。
電解液中には、含窒素複素環式化合物を添加する。これにより、正極活物質であるFeS2上に安定な有機被膜を形成する、吸着活性種と反応する等によって、長期保存時の開回路電圧の上昇を抑制できる。これにより、長期保存後においても、例えば1.5V級一次電池との互換性を確保できる。
含窒素複素環式化合物としては、五員環または六員環の含窒素複素環式化合物、例えばピロール、ピリジン、イミダゾール等およびこれらの化合物の誘導体を用いることができる。
例えば、ピロールの誘導体としては、下記化1におけるR1〜R5が例えば水素基、アルキル基、フェニル基、アセチル基、トシル基、アミノ基、ハロゲン基等から選ばれるものであり、各官能基は、更なる置換基を有してもよい。
具体的に、ピロールの誘導体としては、例えば、3−アセチル−N−トシルピロール、1−(2アミノフェニル)ピロール、2,4−ジメチル−3−エチルピロール、2−エチルピロール、N−メチルピロール、1−フェニルピロール、3−アセチル−2,4−ジメチルピロール、1,2,5−トリメチルピロール、2−アセチルピロール、1−アミノピロール、1−(ジメチルアミノ)ピロール、N−トシルピロールなどを挙げることができる。
例えば、ピリジンの誘導体は、下記化2に示すR1〜R5が水素基、アルキル基、フェニル基、アセチル基、トシル基、アミノ基、ハロゲン基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メトキシ基、ビニル基等から選ばれるものであり、各官能基は、更なる置換基を有していてもよい。
具体的に、ピリジンの誘導体としては、例えば2,6−ジメトキシピリジン、2−アミノ−5−ブロモピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2−アミノ−4−メチル−3−ニトロピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、2−アミノピリジン、2,2´−ビピリジン、2−ブロモピリジン、2−クロロピリジン、2−エチルピリジン、2−フルオロピリジン、3−アセチルピリジン、4−フェニルピリジン、2−ビニルピリジン、3−アミノメチルピリジン、2,6−ジアミノピリジン、4−tert−ブチルピリジンなどが挙げられる。
添加剤の含有量としては、開回路電圧上昇の抑制効果を十分に得ることができ、かつ放電性能を保持できる点から、0.025容量%〜10容量%が好ましく、開回路電圧上昇の抑制効果をより十分に得ることができ、かつ放電性能をより保持できる点から、0.1容量%〜5容量%がより好ましい。なお、添加剤の含有量は、GC−MSにより電解液中の全有機溶媒に対する容量%で規定される。
[セパレータ]
セパレータとしては、例えば,ポリプロピレン、ポリエチレンといったポリオレフィン系の微多孔性フィルム等が使用可能である。
セパレータとしては、例えば,ポリプロピレン、ポリエチレンといったポリオレフィン系の微多孔性フィルム等が使用可能である。
次に、この発明の一実施形態によるリチウム/二硫化鉄一次電池の製造方法について説明する。
まず、例えば、正極活物質、結着剤および導電剤を混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散してペースト状の正極合剤スラリーとする。この正極合剤スラリーを正極集電体上に塗布して乾燥させた後、ローラプレス機などにより圧縮成型して正極合剤層を形成する。これにより、正極2が作製される。また、必要に応じて、添加剤を正極合剤に添加するようにしてもよい。
次に、上述のようにして得られた帯状の正極2と、帯状の形状を有する負極3と、帯状の形状を有するセパレータ3とを、例えば正極2、セパレータ4、負極3、セパレータ4の順に積層し、長手方向に多数回巻回して、渦巻型電極体を作製する。
次に、底部に絶縁板5が予め挿入され、内側に例えばニッケルメッキが予め施された電池缶1に、渦巻型電極体を収納する。そして、渦巻型電極体の上面に絶縁板6を配設する。その後、負極3の集電をとるために、例えばニッケルからなる負極リード12の一端を負極3に取り付け、他端を電池缶1に溶接する。
これにより、電池缶1は負極3と導通をもつことになり、外部負極となる。また、正極2の集電をとるために、例えばアルミニウムからなる正極リード11の一端を正極2に取り付け、他端を安全弁8を介して電池蓋7と電気的に接続する。これにより、電池蓋7は正極2と導通をもつこととなり、外部正極となる。
そして、この電池缶1の中に、電解質を有機溶媒に溶解させて調製した電解液に含窒素複素環式化合物を添加したものを注入した後に、アスファルトを塗布した封口ガスケット10を介して電池缶1をかしめる。これにより、電池蓋7が固定された円筒型のリチウム/二硫化鉄一次電池が作製される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、正極活物質としての二硫化鉄95重量%と、導電剤としての炭素粉末1.0重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン4重量%とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに十分に分散させて正極合剤スラリーとした。
まず、正極活物質としての二硫化鉄95重量%と、導電剤としての炭素粉末1.0重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン4重量%とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに十分に分散させて正極合剤スラリーとした。
次に、正極合剤スラリーを正極集電体の両面に塗布し、温度120℃で2時間乾燥させてN−メチル−2−ピロリドンを揮発させた後、一定圧力で圧縮成型して帯状の正極2を作製した。なお、正極集電体としては、厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔を用いた。
次に、以上のようにして作製された帯状の正極2と、厚さ150μmの金属リチウム負極3とを、正極2、セパレータ4、負極3、セパレータ4の順に積層してから多数回巻回し、外径9mmの渦巻型電極体を作製した。
以上のようにして得られた渦巻型電極体をニッケルメッキを施した鉄製電池缶1に収納した。そして、渦巻型電極体の上下両面に絶縁板5と絶縁板6を配設し、アルミニウム製の正極リード11を正極集電体から導出して電池蓋7に、ニッケル製の負極リード12を負極集電体から導出して電池缶1に溶接した。
次に、1、3−ジオキシラン(DOL)と、1、2−ジメトキシエタン(DME)が体積比で2:1の混合溶媒にヨウ化リチウム(LiI)を添加して、ヨウ化リチウムのモル濃度が1.0mol/lとなるように調製し、その後、ピロールを0.025容量%添加した電解液を、電池缶1に注入した。
次に、アスファルトが表面に塗布された絶縁封口ガスケット10を介して電池缶1をかしめることにより、電流遮断機構を有する安全弁8、熱感抵抗素子9および電池蓋7を固定して電池内の気密性を保持させた。以上により、直径約10mm、高さ約44mmの円筒型のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例2〜実施例12>
ピロールを、下記表1に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜実施例12のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
ピロールを、下記表1に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜実施例12のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<比較例>
添加剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例13〜実施例18>
添加剤として、ピロール誘導体であるN−メチルピロールを下記表2に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例13〜実施例18のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピロール誘導体であるN−メチルピロールを下記表2に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例13〜実施例18のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例19〜実施例24>
添加剤として、ピロール誘導体である2−エチルピロールを下記表3に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例19〜実施例24のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピロール誘導体である2−エチルピロールを下記表3に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例19〜実施例24のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例25〜実施例30>
添加剤として、ピロール誘導体である1−フェニルピロールを下記表4に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例25〜実施例30のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピロール誘導体である1−フェニルピロールを下記表4に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例25〜実施例30のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例31〜実施例36>
添加剤として、ピロール誘導体である2−アセチルピロールを下記表5に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例31〜実施例36のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピロール誘導体である2−アセチルピロールを下記表5に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例31〜実施例36のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例37〜実施例42>
添加剤として、ピロール誘導体である1−アミノピロールを下記表6に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例37〜実施例42のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピロール誘導体である1−アミノピロールを下記表6に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例37〜実施例42のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例43〜実施例48>
添加剤として、ピロール誘導体であるN−トシルピロールを下記表7に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例43〜実施例48のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピロール誘導体であるN−トシルピロールを下記表7に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例43〜実施例48のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例49〜実施例54>
添加剤として、ピロール誘導体である1−(2−アミノフェニル)ピロールを下記表8に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例49〜実施例54のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピロール誘導体である1−(2−アミノフェニル)ピロールを下記表8に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例49〜実施例54のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例55〜実施例60>
添加剤として、ピロール誘導体である1,2,5トリメチルピロールを下記表9に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例55〜実施例60のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピロール誘導体である1,2,5トリメチルピロールを下記表9に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例55〜実施例60のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例61〜実施例66>
添加剤として、ピロール誘導体である1−(ジメチルアミノ)ピロールを下記表10に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例61〜実施例66のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピロール誘導体である1−(ジメチルアミノ)ピロールを下記表10に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例61〜実施例66のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例67〜実施例78>
添加剤として、ピリジンを下記表11に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例67〜実施例78のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジンを下記表11に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例67〜実施例78のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例79〜実施例84>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−エチルピリジンを下記表12に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例79〜実施例84のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−エチルピリジンを下記表12に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例79〜実施例84のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例85〜実施例90>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−アミノピリジンを下記表13に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例85〜実施例90のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−アミノピリジンを下記表13に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例85〜実施例90のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例91〜実施例96>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−フェニルピリジンを下記表14に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例91〜実施例96のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−フェニルピリジンを下記表14に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例91〜実施例96のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例97〜実施例102>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−フルオロピリジンを下記表15に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例97〜実施例102のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−フルオロピリジンを下記表15に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例97〜実施例102のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例103〜実施例108>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−クロロピリジンを下記表16に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例103〜実施例108のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−クロロピリジンを下記表16に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例103〜実施例108のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例109〜実施例114>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−ブロモピリジンを下記表17に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例109〜実施例114のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−ブロモピリジンを下記表17に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例109〜実施例114のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例115〜実施例120>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−アセチルピリジンを下記表18に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例115〜実施例120のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−アセチルピリジンを下記表18に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例115〜実施例120のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例121〜実施例126>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−ビニルピリジンを下記表19に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例121〜実施例126のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−ビニルピリジンを下記表19に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例121〜実施例126のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例127〜実施例132>
添加剤として、ピリジン誘導体である2,2´−ビピリジンを下記表20に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例127〜実施例132のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2,2´−ビピリジンを下記表20に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例127〜実施例132のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例133〜実施例138>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−アミノ−3−ヒドロキシピリジンを下記表21に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例133〜実施例138のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−アミノ−3−ヒドロキシピリジンを下記表21に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例133〜実施例138のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例139〜実施例144>
添加剤として、ピリジン誘導体である2−アミノ−4−メチル−3−ニトロピリジンを下記表22に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例139〜実施例144のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2−アミノ−4−メチル−3−ニトロピリジンを下記表22に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例139〜実施例144のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例145〜実施例150>
添加剤として、ピリジン誘導体である2,6−ジメトキシピリジンを下記表23に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例145〜実施例150のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である2,6−ジメトキシピリジンを下記表23に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例145〜実施例150のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例151〜実施例156>
添加剤として、ピリジン誘導体である3−アミノメチルピリジンを下記表24に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例151〜実施例156のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
添加剤として、ピリジン誘導体である3−アミノメチルピリジンを下記表24に示す量で添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例151〜実施例156のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
上述のようにして得られた実施例1〜実施例156および比較例のリチウム/二硫化鉄一次電池を、電池容量の10%程度を予備放電した後、60℃の環境下に1000時間保存し、この保存後の電池の開回路電圧を測定した。
実施例1〜実施例156および比較例のリチウム/二硫化鉄一次電池を同様の条件で予備放電し、保存した後、10Ω放電0.9V終止の放電時間比(比較例を1.00)として算出した。
下記表1〜表24は、実施例1〜実施例156および比較例のリチウム/二硫化鉄一次電池の開回路電圧の測定結果および放電時間比を示す。
表1〜表24に示すように、含窒素複素環式化合物であるピロール、ピリジン、これらの誘導体の添加によって、開回路電圧の上昇を大幅に抑制できることがわかった。これは、含窒素複素環式化合物は、正極活物質であるFeS2上に安定な有機被膜を形成する、吸着活性種と反応する等によって、開回路電圧の上昇を抑制できるからである。
ピロールの添加量に対するOCV(実施例1〜実施例12)をプロットしたグラフを図2に示す。ピリジンの添加量に対するOCV(実施例67〜実施例78)をプロットしたグラフを図3に示す。図2および図3に示すように、開回路電圧の上昇を抑制する効果は、0.5容量%の添加量を境に飽和する傾向があることがわかる。
なお、便宜上、図示および説明を省略するが、実施例13〜実施例66および実施例78においても同様の傾向があることがわかる。すなわち、添加剤として、N−メチルピロール、2−エチルピロール、1−フェニルピロール、2−アセチルピロール、1−アミノピロール、N−トシルピロール、1−(2−アミノフェニル)ピロール、1,2,5トリメチルピロール、1−(ジメチルアミノ)ピロール、2−エチルピリジン、2−アミノピリジン、2−フェニルピリジン、2−フルオロピリジン、2−クロロピリジン、2−ブロモピリジン、2−アセチルピリジン、2−ビニルピリジン、2,2´−ビピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2−アミノ−4−メチル−3−ニトロピリジン、2,6−ジメトキシピリジン、3−アミノメチルピリジンを用いた場合も同様に回路電圧の上昇を抑制する効果は、0.5容量%の添加量を境に飽和する傾向があることがわかる。
さらに、ピロールの添加量に対する放電時間比(実施例1〜実施例12)をプロットしたグラフを図4に示す。ピリジンの添加量に対する放電時間比(実施例67〜実施例78)をプロットしたグラフを図5に示す。図4および図5に示すように、添加量が増加すると、放電性能の劣化が認められる。これは、イオン伝導度低下あるいは正負極への好ましくない程度の被膜形成など、電解液としての機能低下によるものである。また、放電性能の劣化は、10容量%以上の添加量で顕著なものとなることがわかる。
なお、便宜上、図示および説明を省略するが、実施例13〜実施例66および実施例78においても同様の傾向があることがわかる。すなわち、添加剤として、N−メチルピロール、2−エチルピロール、1−フェニルピロール、2−アセチルピロール、1−アミノピロール、N−トシルピロール、1−(2−アミノフェニル)ピロール、1,2,5トリメチルピロール、1−(ジメチルアミノ)ピロール、2−エチルピリジン、2−アミノピリジン、2−フェニルピリジン、2−フルオロピリジン、2−クロロピリジン、2−ブロモピリジン、2−アセチルピリジン、2−ビニルピリジン、2,2´−ビピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2−アミノ−4−メチル−3−ニトロピリジン、2,6−ジメトキシピリジン、3−アミノメチルピリジンを用いた場合も同様に、添加量が増加すると、放電性能の劣化が認められ、10容量%以上の添加量で放電性能の劣化が顕著なものとなることがわかる。
以上検討した結果、含窒素複素環式化合物の添加量は、開回路電圧の上昇の抑制効果を十分に得ることができ、かつ放電性能を保持できる点から、0.025容量%〜10容量%が好ましい。さらに、含窒素複素環式化合物の添加量は、開回路電圧の抑制効果をより十分に得ることができ、かつ放電性能をより保持できる点から、0.1容量%〜5容量%がより好ましいことがわかった。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の一実施形態では、円筒型のリチウム/二硫化鉄一次電池に対してこの発明を適用した例について示したが、この発明はこの形状の電池に限定されるものではない。例えば、この発明は、筒型に加え、ボタン型、コイン型、角型等の他の形状のリチウム/二硫化鉄一次電池に対しても適用可能である。
さらに、例えば、正極活物質として酸化第二銅、硫化鉄、鉄複合酸化物、三酸化ビスマス等を用い、負極としては、リチウムに加え、ナトリウム等のアルカリ金属やそれらの合金等を用いた場合にも適用可能である。
1・・・電池缶
2・・・正極
3・・・負極
4・・・セパレータ
5・・・絶縁板
6・・・絶縁板
7・・・電池蓋
8・・・安全弁
9・・・熱感抵抗素子
10・・・封口ガスケット
11・・・正極リード
12・・・負極リード
2・・・正極
3・・・負極
4・・・セパレータ
5・・・絶縁板
6・・・絶縁板
7・・・電池蓋
8・・・安全弁
9・・・熱感抵抗素子
10・・・封口ガスケット
11・・・正極リード
12・・・負極リード
Claims (4)
- 二硫化鉄を正極活物質とする正極と、
リチウムを負極活物質とする負極と、
有機溶媒に電解質を溶解してなる電解液とを備えたリチウム/二硫化鉄一次電池であって、
上記電解液中に含窒素複素環式化合物を含むことを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池。 - 請求項1において、
上記電解液中に上記含窒素複素環式化合物を0.025容量%〜10容量%含むことを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池。 - 請求項1において、
上記含窒素複素環式化合物は、ピロールまたはピロール誘導体であることを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池。 - 請求項1において、
上記含窒素複素環式化合物は、ピリジンまたはピリジン誘導体であることを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池。
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---|---|---|---|
JP2005230411A JP2007048545A (ja) | 2005-08-09 | 2005-08-09 | リチウム/二硫化鉄一次電池 |
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JP7464747B2 (ja) | 2021-01-07 | 2024-04-09 | エルジー エナジー ソリューション リミテッド | リチウム-硫黄二次電池用電解液及びこれを含むリチウム-硫黄二次電池 |
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-
2005
- 2005-08-09 JP JP2005230411A patent/JP2007048545A/ja active Pending
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