JP2007066827A - リチウム/二硫化鉄一次電池 - Google Patents

リチウム/二硫化鉄一次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 保存時における開回路電圧の上昇を抑制することができ、高品質なリチウム/二硫化鉄一次電池を提供する。
【解決手段】 リチウム/二硫化鉄一次電池は、正極集電体上に正極活物質である二硫化鉄を含む正極合剤を有する正極2と、負極活物質を有する負極3と、有機溶媒に電解質を溶解させてなる電解液とを備える。正極集電体には銅箔を用いる。これにより、保存時の開回路電圧の上昇を抑制できる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、二硫化鉄を正極活物質とする正極と、リチウムを負極活物質とする負極と、有機溶媒の電解液とを備えるリチウム/二硫化鉄一次電池に関する。
現在、市販されている1.5V級一次電池には、水溶液を電解液に用いるマンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、空気電池、ニッケル/亜鉛電池、および有機溶媒を電解液に用いるリチウム/二硫化鉄一次電池等がある。
リチウム/二硫化鉄一次電池は、正極活物質の二硫化鉄が約894mAh/g、負極活物質のリチウムが約3863mAh/gと、非常に高い理論容量を示す正・負極材料から構成されており、高容量かつ軽量、負荷特性、低温特性といった電池特性の面からも、極めて優れた電池である。
さらに、リチウム/二硫化鉄一次電池は,初期の開回路電圧(OCV)が1.7〜1.8V、平均放電電圧が1.3〜1.6V付近であり、他の1.5V級一次電池、例えば水溶液を電解液に用いるマンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、空気電池、ニッケル/亜鉛電池と互換性を有する点からもその実用価値は高い。
しかしながら、この電池系は、製造直後に、開回路電圧が実用電圧よりも高い電位まで上昇してしまうという問題がある。そこで、製造後に予備放電を行うことによって、開回路電圧を実用電圧まで低下させる手法がとられるが、長期間保管している間に再び開回路電圧が上昇し、場合によっては2Vを超えるという特徴を有している。
開回路電圧が上昇した状態にあるリチウム/二硫化鉄一次電池を機器に使用した場合には、使用機器側の保護回路が作動してしまうために、電源が入らず使用不可能となる。つまり他の1.5V級一次電池との互換性が失われる問題が生じてしまう。
開回路電圧の上昇の一因としては、導電剤に吸着されている酸素の影響が考えられる。この影響を抑制するために、例えば下記特許文献1には、電解液中に添加したイソキサゾール誘導体、正極中に添加した還元剤によって、導電剤中の活性種を還元除去する方法が記載されている。
特開昭59−181464号公報
また、開回路電圧の上昇の他の原因としては、外部からの水分進入とそれに伴う電池構成成分との反応が影響と考えられる。この影響を抑制するため、例えば下記特許文献2には、進入水分を、電解液中に添加したフェノールまたはヒドロキノン誘導体と優先的に反応させる方法が記載されている。
特開平8−153521号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、イソキサゾール誘導体が、開回路電圧の上昇の一因である活性種と反応してこれを除去することで、開回路電圧の上昇を抑制できるものである。一方で、この発明は、正極集電体として銅箔を用いることで、正極に安定な無機被膜を形成して、より効果的に開回路電圧の上昇を抑制するものである。
また、特許文献2に記載の方法は、劇物に指定されているフェノールを用いるため、使用に制限が生じ、さらに、フェノールおよびヒドロキノンが常温で結晶状態であるため、電解液に対する溶解力が小さい場合には、極めて微量しか添加することができなく、満足できるものではない。
したがって、この発明の目的は、保存時における開回路電圧の上昇を抑制することができ、高品質なリチウム/二硫化鉄一次電池を提供することにある。
本願発明者等は、長年リチウム/二硫化鉄一次電池の開回路電圧の上昇を抑制するために鋭意検討を続けてきた。その結果、正極集電体として銅箔を用いることによって、保存時の開回路電圧の上昇を抑制することを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上述した課題を解決するために、この発明は、
正極集電体上に正極活物質である二硫化鉄を含む正極合剤を有する正極と、
リチウムを負極活物質とする負極と、
有機溶媒に電解質を溶解してなる電解液とを備えたリチウム/二硫化鉄一次電池であって、
正極集電体が銅箔であることを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池である。
この発明によれば、保存時の開回路電圧の上昇を抑制できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態によるリチウム/二硫化鉄一次電池を示す。図1に示す電池は、いわゆる円筒型と呼ばれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶1の内部に、渦巻型電極体を有している。渦巻型電極体は、正極活物質を有する帯状の正極2と、負極活物質を有する帯状の負極3とが、イオン透過性を有するセパレータ4を介して多数回巻回されてなる。
電池缶1は、例えばニッケルメッキが施された鉄により、構成されており、一端部が閉鎖され、他端部が開放されている。電池缶1の内部には、渦巻型電極体を挟み込むように、周面に対して垂直に一対の絶縁板5および絶縁板6がそれぞれ配置されている。
電池缶1の開放端部には、電池蓋7と、この電池蓋7の内側に設けられた安全弁8及び熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)9とが、封口ガスケット10を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶1の内部は、密閉されている。
電池蓋7は、例えば電池缶1と同様の材料により構成されている。安全弁8は、熱感抵抗素子9を介して電池蓋7と電気的に接続されており、内部短絡又は外部からの加熱等により電池の内圧が一定以上となった場合に電池蓋7と渦巻型電極体との電気的接続を切断する、いわゆる電流遮断機構を備えている。
熱感抵抗素子9は,温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものであり、例えば、チタン酸バリウム系半導体セラミックスにより構成されている。封口ガスケット10は、例えば絶縁材料により構成されており、表面には、例えばアスファルトが塗布されている。
渦巻型電極体の正極2には、例えばアルミニウム等よりなる正極リード11が接続されており,負極3には、例えばニッケル等よりなる負極リード12が接続されている。正極リード11は、安全弁8に溶接されることにより電池蓋7と電気的に接続されている。負極リード12は、電池缶1に溶接され電気的に接続されている。
また、正極2と負極3との間のセパレータ4には、非水電解質として、例えば非水電解液が含浸されている。セパレータ4は、正極2と負極3との間に配されることにより、正極2と負極3の物理的接触を防ぐ機能を有する。さらに、セパレータ4は、非水電解液を吸収することにより、孔中に非水電解液を保持し、放電時にリチウムイオンが通過できるものである。
[正極2]
正極2は、帯状の形状を有する正極集電体と、この正極集電体の両面に形成された正極合剤層とからなる。
正極集電体としては、銅(Cu)箔を用いる。具体的に銅箔としては、電解銅箔、圧延銅箔を用いることができる。銅箔を正極集電体として用いることによって、開回路電圧の上昇を抑制できる。
銅箔から溶出した銅イオンは、硫黄(S)と化合物を作りやすく、正極に取り込まれることで安定な無機被膜を形成しているものと考えられる。また、Cu−S化合物を形成することで、正極が異なる環境におかれ、開回路電圧の上昇の要因となる反応を抑制できるものと推定される。
さらに、銅箔は、その柔軟な材質から薄箔化が可能であるため、インプット容量を増加させることができる。したがって、銅箔としては、放電容量をより増加できる点から厚さ15μm以下の銅箔を用いることが好ましい。
正極合剤層は、例えば、正極活物質である二硫化鉄(FeS2)と、導電剤と、結着剤とからなる。正極活物質である二硫化鉄は、主に自然界に存在する黄鉄鉱(pyrite)を粉砕したものが用いられるが、化学合成、例えば、塩化第一鉄(FeCl2)を硫化水素(H2S)中にて焼成して得られる二硫化鉄なども使用可能である。
また、例えば銅粉末を添加した正極合剤を用いることもできる。これにより、正極集電体として銅箔を用いることで得られる開回路電圧の上昇を抑制できる効果および銅粉末を含む正極合剤を用いることで得られる開回路電圧の上昇を抑制できる効果を得ることができ、より著しく開回路電圧の上昇を抑制できる。
導電剤としては、正極活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はされず、例えば、グラファイト、カーボンブラックなどの炭素粉末を用いることができる。
結着剤としては、公知の結着剤を用いることができ、例えばポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂を用いることができる。
[負極3]
負極3は、帯状の形状を有する金属箔からなる。この負極活物質でもある金属箔の材料としては、リチウム金属またはリチウムにアルミニウムなどの合金元素を添加したリチウム合金等を用いることができる。
[電解液]
電解液としては、リチウム塩を電解質として、これを有機溶媒に溶解させた電解液を用いることができる。ここで有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の、単独もしくは二種類以上の混合溶媒を用いることができる。
電解質としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ヨウ化リチウム(LiI)等を用いることができる。
[セパレータ]
セパレータとしては、例えば,ポリプロピレン、ポリエチレンといったポリオレフィン系の微多孔性フィルム等が使用可能である。
次に、この発明の一実施形態によるリチウム/二硫化鉄一次電池の製造方法について説明する。
まず、例えば、正極活物質、結着剤および導電剤を混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散してペースト状の正極合剤スラリーとする。この正極合剤スラリーを正極集電体上に塗布して乾燥させた後、ローラプレス機などにより圧縮成型して正極合剤層を形成する。これにより、正極2が作製される。
次に、上述のようにして得られた帯状の正極2と、帯状の形状を有する負極3と、帯状の形状を有するセパレータ3とを、例えば正極2、セパレータ4、負極3、セパレータ4の順に積層し、長手方向に多数回巻回して、渦巻型電極体を作製する。
次に、底部に絶縁板5が予め挿入され、内側に例えばニッケルメッキが予め施された電池缶1に、渦巻型電極体を収納する。そして、渦巻型電極体の上面に絶縁板6を配設する。その後、負極3の集電をとるために、例えばニッケルからなる負極リード12の一端を負極3に取り付け、他端を電池缶1に溶接する。
これにより、電池缶1は負極3と導通をもつことになり、外部負極となる。また、正極2の集電をとるために、例えばアルミニウムからなる正極リード11の一端を正極2に取り付け、他端を安全弁8を介して電池蓋7と電気的に接続する。これにより、電池蓋7は正極2と導通をもつこととなり、外部正極となる。
そして、この電池缶1の中に、電解質を有機溶媒に溶解させて調製した電解液を注入した後に、アスファルトを塗布した封口ガスケット10を介して電池缶1をかしめる。これにより、電池蓋7が固定された円筒型のリチウム/二硫化鉄一次電池が作製される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、正極活物質としての二硫化鉄95重量%と、導電剤としての炭素粉末1.0重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン4重量%とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに十分に分散させて正極合剤スラリーとした。
次に、正極合剤スラリーを正極集電体である厚さ20μmの電解銅箔の両面に塗布し、温度120℃で2時間乾燥させてN−メチル−2−ピロリドンを揮発させた後、一定圧力で圧縮成型して帯状の正極2を作製した。
次に、以上のようにして作製された帯状の正極2と、厚さ150μmの金属リチウム負極3とを、正極2、セパレータ4、負極3、セパレータ4の順に積層してから多数回巻回し、外径9mmの渦巻型電極体を作製した。
以上のようにして得られた渦巻型電極体をニッケルメッキを施した鉄製電池缶1に収納した。そして、渦巻型電極体の上下両面に絶縁板5と絶縁板6を配設し、アルミニウム製の正極リード11を正極集電体から導出して電池蓋7に、ニッケル製の負極リード12を負極集電体から導出して電池缶1に溶接した。
次に、1,3−ジオキシラン(DOL)と、1,2−ジメトキシエタン(DME)が体積比で2:1の混合溶媒にヨウ化リチウム(LiI)を添加して、ヨウ化リチウムのモル濃度が1.0mol/lとなるように調製した。
次に、アスファルトが表面に塗布された絶縁封口ガスケット10を介して電池缶1をかしめることにより、電流遮断機構を有する安全弁8、熱感抵抗素子9および電池蓋7を固定して電池内の気密性を保持させた。以上により、直径約10mm、高さ約44mmの円筒型のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例2>
正極集電体として厚さ15μmの電解銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例3>
正極集電体として厚さ10μmの電解銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例4>
正極集電体として厚さ5μmの電解銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例5>
正極集電体として厚さ20μmの圧延銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例6>
正極集電体として厚さ15μmの圧延銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例6のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した
<実施例7>
正極集電体として厚さ10μmの圧延銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例7のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例8>
正極集電体として厚さ5μmの圧延銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例8のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<比較例1>
正極集電体として厚さ20μmのAl箔を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<比較例2>
正極集電体として厚さ20μmのNi箔を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
次に、正極集電体には、厚さ20μmのAl箔および厚さ20μmの銅箔を用いて、さらに粒子径2.5μmの銅粉末を正極合剤に対して添加し、実施例9〜実施例11および比較例3〜比較例5のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例9>
正極集電体として厚さ20μmの銅箔を用い、さらに粒子径2.5μmの銅粉末を正極合剤に対して0.1wt%添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例9のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例10>
正極集電体として厚さ20μmの銅箔を用い、さらに粒子径2.5μmの銅粉末を正極合剤に対して1.0wt%添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例10のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<実施例11>
正極集電体として厚さ20μmの銅箔を用い、さらに粒子径2.5μmの銅粉末を正極合剤に対して2.0wt%添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例11のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<比較例3>
正極集電体として厚さ20μmのAl箔を用い、さらに粒子径2.5μmの銅粉末を正極合剤に対して0.1wt%添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<比較例4>
正極集電体として厚さ20μmのAl箔を用い、さらに粒子径2.5μmの銅粉末を正極合剤に対して1.0wt%添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例4のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
<比較例5>
正極集電体として厚さ20μmのAl箔を用い、さらに粒子径2.5μmの銅粉末を正極合剤に対して2.0wt%添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例5のリチウム/二硫化鉄一次電池を作製した。
開回路電圧の測定
上述のようにして得られた実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例5のリチウム/二硫化鉄一次電池を、電池容量の10%程度を予備放電した後、60℃の環境下に1000時間保存し、この保存後の電池の開回路電圧を測定した。
表1は、実施例1〜実施例7および比較例1〜比較例2について、正極集電体に用いた金属、厚み(μm)、開回路電圧(OCV)を示す。表2は、実施例9〜実施例11および比較例3〜比較例5のリチウム/二硫化鉄一次電池について、正極集電体に用いた金属、銅粉末添加量(wt%)、開回路電圧(OCV)を示す。
Figure 2007066827
Figure 2007066827
評価1
表1に示すように、正極集電体として銅箔を用いた実施例1〜実施例8は、正極集電体としてAl箔を用いた比較例1および正極集電体としてNi箔を用いた比較例2に対して、開回路電圧が著しく低い。したがって、正極集電体として、銅箔を用いた場合のみ、開回路電圧の上昇を著しく抑制できることがわかる。
さらに、表1に示すように、正極集電体として電解銅箔を用いた実施例1〜実施例4および正極集電体として圧延銅箔を用いた実施例5〜実施例8の開回路電圧は、ほぼ同じである。したがって、正極集電体として、用いる銅箔の製法および厚さの如何を問わず開回路電圧の上昇を著しく抑制できることがわかる。
以上より、正極集電体として銅箔を用いた場合のみ、その製法および厚さの如何を問わず開回路電圧の上昇を大幅に抑制できることがわかった。
評価2
表2に示すように、正極集電体としてAl箔を用いた場合でも銅粉末を添加することで、開回路電圧の上昇が大幅に抑制されていることがわかる。
さらに、実施例9〜実施例11の開回路電圧は、比較例3〜比較例5の開回路電圧より低い。これより、正極集電体に銅箔を用い、さらに、銅粉末添加を組み合わせることで、より著しく開回路電圧の上昇を抑制できることがわかった。
放電時間比の測定
次に、実施例1〜実施例4および比較例1のリチウム/二硫化鉄一次電池を、電池容量の10%程度を予備放電した後、60℃の環境下に1000時間保存し、この保存後の電池の40Ω放電0.9V終止の放電容量を測定し、比較例1の放電容量を1.00とした放電時間比を算出した。
表3は、実施例1〜実施例4および比較例1のリチウム/二硫化鉄一次電池について、正極集電体に用いた金属、厚み、放電時間比(比較例1を1.00として算出)を示す。
Figure 2007066827
評価3
表3に示すように、銅箔を薄くすることによって、巻回数が増加するため放電時間を長くできることがわかる。銅箔は、その柔軟な材質から薄箔化することが可能であり、インプット容量を増加させることができる。
これにより、放電容量の増加を実現できる。さらに、表3に示すように、実施例2から実施例4にかけて、放電容量が著しく増加している。したがって、放電容量を著しく増加できる点から、厚さ15μm以下の銅箔を用いることが好ましいことがわかった。
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、実施例には、単4形のリチウム/二硫化鉄一次電池を用いたが、この発明は、正極活物質として、酸化二銅、硫化鉄、鉄複合酸化物、三酸化ビスマス等を用い、負極としては、リチウムに加え、ナトリウム等のアルカリ金属やそれらの金属を用いた場合も適用可能である。また、電池形状も筒型に加え、ボタン型、コイン型、角型などにも適用可能である。
この発明の一実施形態によるリチウム/二硫化鉄一次電池の構造を示す断面側面図である。
符号の説明
1・・・電池缶
2・・・正極
3・・・負極
4・・・セパレータ
5・・・絶縁板
6・・・絶縁板
7・・・電池蓋
8・・・安全弁
9・・・熱感抵抗素子
10・・・封口ガスケット
11・・・正極リード
12・・・負極リード

Claims (2)

  1. 正極集電体上に正極活物質である二硫化鉄を含む正極合剤を有する正極と、
    リチウムを負極活物質とする負極と、
    有機溶媒に電解質を溶解してなる電解液とを備えたリチウム/二硫化鉄一次電池であって、
    上記正極集電体が銅箔であることを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池。
  2. 請求項1において、
    上記銅箔の厚さが15μm以下であることを特徴とするリチウム/二硫化鉄一次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114335583A (zh) * 2021-12-31 2022-04-12 四川大学 锂一次电池及其电解液

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