JP2007047752A - トナー及びその製造方法、並びに画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を重合させてトナーを造粒し、前記ラジカル重合性単量体の重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であるトナーの製造方法である。
【選択図】図1
Description
前記溶融粉砕法によるトナーの製造方法においては、得られるトナーの形状の均一性を確保するためには、各構成材料をいかに均一に分散し、粉砕するかということが重要となる。基本的には、粉砕トナーの形状は不定形であり、かつ、その粉砕断面がランダムとなることから、形状及び構造の制御は非常に困難である。また、多くの色材、離型剤、帯電制御剤などを添加すると、粉砕工程の際に、これら添加したものがその結晶面で劈開することにより表面側に露出しやすく、個々の粒子内での帯電性の偏り等、流動性や帯電性能等のトナー特性など品質の低下が発生しやすいといった問題が生ずる。
前記乳化分散法は、ポリマーなどを含むトナー材料と水系媒体とを混合し、乳化乃至分散させることにより油滴を形成させてトナーを製造する方法である(特許文献1、及び特許文献2参照)。また、前記溶解懸濁法については、例えば、特許文献3などに記載されている。
加えて、前記重合トナーは、製造時に発生する廃液処理の課題や、乾燥のための熱エネルギーを必要とするといった工法上の制約を抱えており、コスト高になる可能性を潜在的に有している。また、水資源の観点や、CO2発生の観点からも地球環境負荷の小さいトナーの製造方法の提供が望まれている。
前記課題を改良するため、例えば特許文献5、特許文献6、及び特許文献7では、超臨界流体中で樹脂を溶解するのではなく、予め溶融混練した着色樹脂を不溶解の状態で分散剤を用い、剪断力を与えて粒子化する方法を提案している。しかし、これらの方法では、材料選択の幅は広がるが、粒径分布が広くなるという欠点があり、特に最近のトナーで要求される高精細な画像を得るためには、粒径分布が広いことは致命的な欠点となる。
また、本発明では、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中でラジカル重合性単量体を原料として重合を行い、得られる重合物(樹脂)が超臨界流体中で不溶となる性質を巧みに利用しながら造粒を行うことで、従来に比べて、かなり粒径分布が狭いトナーを高収率で得ることができると共に、高精細な画像を得られることを知見した。更に、本発明では、出発原料として樹脂ではなく、ラジカル重合性単量体を使用することから原料コストと製造工程の省力化などにより大幅にコストを抑えられることも知見した。
<1> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を重合させてトナーを造粒するトナーの製造方法であって、
前記ラジカル重合性単量体の重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であることを特徴とするトナーの製造方法である。
<2> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を分散重合させてトナーを造粒するトナーの製造方法であって、
前記ラジカル重合性単量体の分散重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であることを特徴とするトナーの製造方法である。
<3> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を懸濁重合させてトナーを造粒するトナーの製造方法であって、
前記ラジカル重合性単量体の懸濁重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であることを特徴とするトナーの製造方法である。
<4> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を重合させて、得られた樹脂微粒子を凝集乃至会合させて造粒するトナーの製造方法であって、
前記樹脂微粒子が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であることを特徴とするトナーの製造方法である。
<5> ラジカル重合性単量体が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに可溶である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<6> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<7> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中に、界面活性剤を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<8> 界面活性剤が、フッ素含有化合物及びケイ素含有化合物から選択される少なくとも1種である前記<7>に記載のトナーの製造方法である。
<9> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中に、分散剤を含む前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<10> 分散剤が、無機微粒子及び有機微粒子のいずれかを含有する前記<9>に記載のトナーの製造方法である。
<11> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、エントレーナーを含む前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<12> エントレーナーの含有量が、0.1〜10質量%である前記<11>に記載のトナーの製造方法である。
<13> エントレーナーが、常温常圧(25℃、0.1MPa)下でトナー結着樹脂に対して貧溶媒である前記<11>から<12>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<14> エントレーナーが、メタノール、エタノール、及びプロパノールから選択される低級アルコールである前記<11>から<13>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されることを特徴とするトナーである。
<16> 重量平均粒径が3〜10μmであり、かつ該重量平均粒径と個数平均粒径との比(重量平均粒径/個数平均粒径)が1.00〜1.25である前記<15>に記載のトナーである。
<17> 前記<15>から<16>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<18> 一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれかである前記<17>に記載の現像剤である。
<19> 前記<15>から<16>のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<20> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<15>から<16>のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<21> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を前記<15>から<16>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<22> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<15>から<16>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
前記ラジカル重合性単量体の重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である。
本発明のトナーの製造方法は、第2形態では、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を分散重合させてトナーを造粒し、
前記ラジカル重合性単量体の分散重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である。
本発明のトナーの製造方法は、第3形態では、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を懸濁重合させてトナーを造粒し、
前記ラジカル重合性単量体の懸濁重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である。
本発明のトナーの製造方法は、第4形態では、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を重合させて、得られた樹脂微粒子を凝集乃至会合させて造粒し、前記樹脂微粒子が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である。
前記第1形態から第4形態のいずれかに記載のトナーの製造方法においては、水系媒体の代わりに超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用い、該超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、ラジカル重合性単量体の重合と、トナーへの造粒を行うことによって、シャープな粒度分布を有し、帯電性能などトナー特性が良好であり、かつ低コスト、低環境負荷であるトナーを効率よく製造することができる。
本発明のトナーの製造方法は、第1形態では、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を重合させてトナーを造粒する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなり、
前記ラジカル重合性単量体の重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である。
本発明のトナーの製造方法は、第2形態では、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を分散重合させてトナーを造粒する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなり、
前記ラジカル重合性単量体の分散重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である。
本発明のトナーの製造方法は、第3形態では、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を懸濁重合させてトナーを造粒する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなり、
前記ラジカル重合性単量体の懸濁重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である。
本発明のトナーの製造方法は、第4形態では、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を重合させて、得られた樹脂微粒子を凝集乃至会合させて造粒する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなり、
前記樹脂微粒子(重合体)が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である。
前記第1形態から第4形態のいずれかに記載のトナーの製造方法において、ラジカル重合性単量体が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに可溶であることが好ましい。
本発明のトナーは、本発明の前記第1形態から第4形態のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造される。
以下、本発明のトナーの製造方法の説明を通じて、本発明のトナーの詳細についても明らかにする。
また、前記重合物が前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶(非相溶)であるとは、のぞき窓が付いた高圧容器(50ml)内に試験材料としての重合物1gを入れ、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを混合し、一定時間(例えば30分間)経過した後、高圧容器内を目視観察した時に、白濁又は相分離した状態であることを意味する。
前記ラジカル重合性単量体を重合させて造粒する工程は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を重合、分散重合、懸濁重合、又は重合させて得られた樹脂微粒子を凝集乃至会合させて造粒する工程である。
前記超臨界流体とは、気体と液体の中間的な性質を持ち、物質移動や熱移動が早く、粘度が低いなどの性質を有すると共に、温度、圧力を変化させることによって、その密度、誘電率、溶解度パラメータ、自由体積などを連続的に大きく変化させることができる流体を意味する。更に、前記超臨界流体は、有機溶媒と比べて極めて小さな界面張力のため、微少な起伏(表面)であっても追随し、超臨界流体で濡らすことができる。
前記超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度及び圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度、臨界圧力が低いものが好ましく、また、前記亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度及び圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記超臨界流体又は前記亜臨界流体は、1種単独で単体として使用してもよいし、2種以上を併用して混合物として使用してもよい。
前記界面活性剤としては、超臨界流体に対する親和性部分とラジカル重合性単量体に対する親和性部分を同一分子内に有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超臨界CO2の場合であれば、フッ素基、ケイ素基、カルボニル基、短い炭化水素基、プロピレンオキサイドなどの嵩高い基を有する化合物が、親CO2基として作用するので好ましく、これらの中でも、フッ素含有化合物、ケイ素含有化合物、カルボニル基含有化合物が特に好ましい。
また、これらポリジメチルシロキサンに類似の化合物原料も多数市販されており(例えば、アヅマックス社カタログ)、それらを使用しても、いろいろな界面活性剤を得ることができる。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、有機微粒子、無機微粒子などを挙げることができる。これらの中でも、シリコーン変性された無機微粒子、フッ素変性された無機微粒子、含フッ素系有機微粒子、シリコーン系有機微粒子が好ましい。
前記無機微粒子としては、例えば、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化チタン、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物が挙げられる。これらの中でも、シリカが特に好ましい。
(1)CF3(CH2)2SiCl3
(2)CF3(CF2)5SiCl3
(3)CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3
(4)CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3
(5)CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3
(6)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)C12
(7)CF3(CH2)2Si(OCH3)3
(8)CF3(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
(9)CF3(CF2)3(CH2)2Si(OCH3)3
(10)CF3(CF2)5CONH(CH2)2Si(OC2H5)3
(11)CF3(CF2)4COO(CH2)2Si(OCH3)3
(12)CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3
(13)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
(14)CF3(CF2)7SO2NH(CH2)3Si(OC2H5)3
(15)CF3(CF2)8(CH2)2Si(OCH3)3
また、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、エントレーナー(共沸剤)を添加することもできる。該エントレーナーの添加により、重合性単量体の重合がより容易に行われる。前記エントレーナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、極性有機溶媒が好ましい。該極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサン、トルエン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、アンモニア、メラミン、尿素、チオエチレングリコールなどが挙げられる。これらの中でも、常温(25℃)、常圧(0.1MPa)下でトナー結着樹脂に対し貧溶媒である低級アルコール系溶媒が好適である。ここで、前記貧溶媒であるとは、溶媒1L中における樹脂の溶解度が0.1g以下であることを意味する。
また、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかとエントレーナーとの混合流体におけるエントレーナーの含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、エントレーナーとしての効果が得られ難くなることがあり、10質量%を超えると、エントレーナーの液体としての性質が強くなりすぎ、超臨界乃至は亜臨界状態が得られにくくなることがある。
前記樹脂微粒子(トナー母体粒子)としては、画像の形成に用いられる樹脂微粒子である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粉砕法、重合法により得られる樹脂微粒子などが挙げられる。該重合法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、懸濁法、乳化法、分散法などが挙げられる。
なお、前記トナーは、前記粉砕法、重合法の他、マイクロカプセル化法(スプレードライ法、コアセルベーション法等)などにより製造されてもよい。
前記樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
また、ソープフリー乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合樹脂、熱硬化性樹脂、などで形成された樹脂微粒子は粒径分布がシャープであり好適である。これらの中でも、分散重合法で得られた樹脂微粒子は、更に粒径がシャープであるため好適である。また、トナーに低温定着性を付与するなら、ポリエステル系樹脂やポリオール系樹脂からなる樹脂微粒子を選択することができる。つまり、狙いとするトナーの設計に併せて樹脂選択を行うことができる。
まず、親水性有機液体に、該親水性有機液体に溶解する高分子化合物分散剤を加え、これに該親水性液体には溶解するが、生成する重合体は該親水性液体には膨潤されるかほとんど溶解しない。これに1種又は2種以上のビニルモノマーを加えて粒子を形成する。予め、目的の粒子径よりは小さいが粒度分布の狭い重合体を利用して上述の系にて成長させる反応も含まれる。成長反応に利用するモノマーは種粒子を製造したものと同じモノマーでもまた、別のモノマーでもよいが、重合体は親水性有機液体に溶解してはならない。
前記親水性有機液体を主体とした溶媒にSO4 2−、NO2 −、PO4 3−、Cl−、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、その他の無機質イオンが存在した状態で重合を行ってもよい。また、重合開始時と重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ生成する重合体粒子の平均粒子径、粒子径分布、乾燥条件などを調節することができる。
前記重合開始剤の添加量は、ビニルモノマー100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。重合は親水性有機液体に高分子分散剤を完全に溶解した後、1種又は2種以上のビニルモノマー、重合開始剤等を添加し、反応槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しながら、用いた重合開始剤の分散速度に対応した温度に加熱して行う。なお、重合初期の温度が生成する粒子径に大きな影響を与えるため、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を少量の溶媒に溶かして投入した方が好ましい。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸等の酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによって樹脂微粒子表面に官能基を導入できる。また、使用する分散剤として酸基、塩基性基を有するものを選択することよって樹脂微粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記トナー材料としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、結着樹脂と、離型剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含み、更に必要に応じて、樹脂微粒子、帯電制御剤などのその他の成分を含むものが挙げられる。
ここで、前記樹脂微粒子(トナー母体粒子)の形成に用いられる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、少なくともラジカル重合性単量体を含む組成物を重合させて、トナーを造粒するための耐圧容器と、前記超臨界流体を供給する加圧ポンプと、を備えた装置が好適に挙げられる。該装置を用いた処理方法としては、まず、前記耐圧容器に前記少なくともラジカル重合性単量体を含む組成物を仕込み、該耐圧容器内に、加圧ポンプにより前記超臨界流体を供給し、前記ラジカル重合性単量体を含む組成物に前記超臨界流体を接触させて、樹脂微粒子を造粒する。そして、前記超臨界流体を、常温(25℃)、常圧(0.1MPa)下に戻すと、該超臨界流体が気体となるため、溶媒の除去が不要となる他、従来必要とされていた樹脂微粒子表面の洗浄で生ずる廃水が不要となり、環境への負荷が低減される。
具体的には、前記樹脂被覆層の形成を行う温度としては、0〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。前記温度が60℃を超えると、樹脂微粒子が溶解することがある。
超臨界流体とするガスとして二酸化炭素(CO2)を用いた。少なくともラジカル重合性単量体を含む組成物を反応容器9内に投入した。
反応容器9内の圧力が7.3MPa以上にて、反応容器9内は超臨界状態となる。また、各バルブ5、7を調整して反応容器9内の圧力を20MPaに設定し、反応容器9内の、少なくともラジカル重合性単量体を含む組成物を溶解させた状態に設定した。この状態で、バルブ5、7を閉じ、反応容器9内の溶解状態を120分間維持し、超臨界流体を十分拡散、回流させた。その後、バルブ7を開き、反応容器内の圧力を10MPaに調整し、そのまま60分維持した。その後、再度高圧ポンプ側から二酸化炭素ガスを導入し反応容器内の圧力を10MPaに保ちながら二酸化炭素の導入を続けた。このとき上記混合溶液に含まれている超臨界流体二酸化炭素と、超臨界二酸化炭素中に溶解させた少なくともラジカル重合性単量体を含む組成物は、図示していない回収機構により回収され、更に図示していない分別装置により二酸化炭素と少なくともラジカル重合性単量体を含む組成物とに互いに分離され、それぞれ再利用される。
ここで、前記樹脂微粒子の分子量は、GPC(gel permeation chromatography)によって、以下の条件で測定することができる。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6質量%の試料を0.1mL注入
以上の条件で測定した樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して樹脂微粒子の個数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)として算出した。
前記ワックス類としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオレフィンワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記合成炭化水素ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックスが挙げられる。
前記天然ワックス類としては、例えば、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックスなどが挙げられる。
前記石油ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
前記高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などが挙げられる。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある他、定着機への紙の巻き付きなどが発生することがある。
また、市販染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保土ケ谷化学株式会社製の愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8;BASF社製のSudan染料Yellow−146,150、Orange−220、Red−290,380,460、Blue−670;三菱化成株式会社製のダイアレジンYellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−A;オリエント化学工業株式会社製のオイルカラーYEllow−3G,GG−S,#105、Orange−PS,PR,#201、Scarlet−#308,Red−5B,Brown−GR,#416、Green−BG、#502、Blue−BOS、IIN、Black−HBB,#803,EB,EX;住友化学工業株式会社製のスミプラストブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC;日本化薬株式会社製のカヤロンポリエステルブラックEX−SF300、カヤセットRed−B、ブルーA−2R、等を使用することができる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記樹脂微粒子に添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
本発明のトナーは、本発明の前記トナーの製造方法により製造され、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記画像濃度が、1.90未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
前記画像濃度は、例えば、imagio Neo 450(株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定し、その平均値を算出することにより、測定することができる。
前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上、159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器(SMT社製、UH−50)で20kHz,50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4,000〜8,000個/10−3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上、159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1,200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上、159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
前記重量平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、10μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記重量平均粒径と個数平均粒径との比(重量平均粒径/個数平均粒径)が、1.25を超えると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーが薄層化し、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、また、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
ここで、前記ガラス転移温度(Tg)とは、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定することができる。
〔測定条件〕
・サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
・サンプル量:5mg
・リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
・雰囲気:窒素(流量50ml/min)
・温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は、前記島津製作所製データ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線から同装置内のガラス転移点解析機能を用いてガラス転移温度を求める。本発明ではガラス転移温度としては、ガラス転移し始める最初のショルダー部分の温度をガラス転移温度とした。
本発明で用いる現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリアなどの適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記量が0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明の前記トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
本発明で用いられるトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
本発明で用いられるプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
次に、図2に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明で用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図5中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
ものではない。
−界面活性剤1(パーフルオロアクリレート樹脂)の合成−
パーフルオロオクチルアクリレートを、耐圧反応セルの内容積100体積部に対して30体積部を仕込み、超臨界流体としての二酸化炭素を供給ボンベにより前記反応セル内に供給し、加圧ポンプと温調器で30MPa、80℃に調節した。これに、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を前記パーフルオロオクチルアクリレート100質量部に対して1質量部添加し、24時間反応を行った。
反応終了後、背圧弁を使用して、流量5.0L/minで6時間かけて、超臨界二酸化炭素を外部へフローし、残留モノマーを除去した後、常温(25℃)、常圧(0.1MPa)まで徐々にもどして、「界面活性剤1」を合成した。得られた界面活性剤1のガラス転移温度(Tg)は50.5℃であった。
−界面活性剤2の合成−
パーフルオロオクチルアクリレート30mol%と、スチレン70mol%とからなる混合モノマーを、耐圧反応セルの内容積100体積部に対して30体積部を仕込み、超臨界流体としての二酸化炭素を供給ボンベにより前記反応セル内に供給し、加圧ポンプと温調器で30MPa、80℃に調節した。これに、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を前記混合モノマー100質量部に対して1質量部添加し、24時間反応を行った。
反応終了後、背圧弁を使用して、流量5.0L/minで6時間かけて、超臨界二酸化炭素を外部へフローし、残留モノマーを除去した後、常温(25℃)、常圧(0.1MPa)まで徐々にもどして、「界面活性剤2(共重合体)」を合成した。
−界面活性剤3の合成−
Mono Methacryloxypropyl Terminated Poly Dimethylsiloxane(アヅマックス社製、MCR-M17)70mol%と、スチレン24mol%と、ブチルアクリレート6mol%とからなる混合モノマーを、耐圧反応セルの内容積100体積部に対して30体積部を仕込み、超臨界流体としての二酸化炭素を供給ボンベにより前記反応セル内に供給し、加圧ポンプと温調器で30MPa、80℃に調節した。これに、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を前記、モノマー100質量部に対して1質量部添加し、24時間反応を行った。
反応終了後、背圧弁を使用して、流量5.0L/minで6時間かけて、超臨界二酸化炭素を外部へフローし、残留モノマーを除去した後、常温(25℃)、常圧(0.1MPa)まで徐々にもどして、「界面活性剤3」を合成した。
−分散剤1の合成−
マグネチックスターラーとトラップとを備えた丸底フラスコで110℃、24時間乾燥させた5質量部の酸化チタン(テイカ株式会社製、MT−500B)に、150質量部の脱水トルエンと、1.5質量部のCF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3を加え、更に緩衝剤として酢酸を0.5質量部加えた。得られた懸濁液を50〜60℃で7時間還流させ、室温に冷却し、その後、吸引濾過した。続いて、濾物をトルエンで洗浄し、110℃で4時間乾燥を行った。その後、エタノールで洗浄し、110℃で4時間乾燥して、メノー乳鉢で粉砕し、白色粉末の「分散剤1」を合成した。
−重合性単量体組成物の調製−
スチレン80質量部、及びn−ブチルアクリレート20質量部からなる重合性単量体(得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)=55℃(計算値))と、界面活性剤1を0.5質量部と、ジビニルベンゼン0.3質量部と、天然ガス系フィッシャートロプシュワックス(Dシェル・MS社製、商品名:FT−100、融点92℃)2質量部と、を高剪断力で混合可能なホモミキサー(特殊機化工株式会社製、TK式)により、11,000rpmの回転数で攪拌し、混合させて、均一分散を行い、「重合性単量体組成物1(混合液)」を調製した。
得られた「重合性単量体組成物1」100質量部、耐圧処理セルに充填し、超臨界流体としての二酸化炭素を選択し、該二酸化炭素を供給ボンベにより前記処理セル内に供給し、加圧ポンプと温調器で30MPa、80℃に調節した。これに、重合開始剤としてのAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を3質量部添加し、24時間反応を行った。
反応終了後、背圧弁を使用して、流量5.0L/min、6時間、超臨界二酸化炭素をフローし、残留モノマーを除去した後、オイルブラックHBB(オリエント化学株式会社製)0.5質量部、及びオイルオレンジ201(オリエント化学株式会社製)0.02質量部を添加し、1時間染色を行った後、常温(25℃)、常圧(0.1MPa)まで徐々にもどした。以上により、「トナー1」を作製した。
のぞき窓が付いた高圧容器(内容積50ml)内に前記重合性単量体1gを入れ、超臨界流体としての二酸化炭素を混合し、30分間経過した後、高圧容器内を目視観察したところ、白濁又は相分離を起こさず可溶であった。
また、のぞき窓が付いた高圧容器(内容積50ml)内に前記重合性単量体の重合物1gを入れ、超臨界流体としての二酸化炭素を混合し、30分間経過した後、高圧容器内を目視観察したところ、白濁又は相分離を起こし不溶であった。
−重合性単量体組成物の調製−
スチレン80質量部、及びn−ブチルアクリレート20質量部からなる重合性単量体(得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)(計算値)=55℃)と、界面活性剤2を1質量部と、ジビニルベンゼン0.3質量部と、カルナウバワックス(東洋ペトロライト株式会社製、商品名:CWT01)5質量部と、C.I.ピグメントブルー(15:3)7質量部と、を高剪断力で混合可能なホモミキサー(特殊機化工株式会社製、TK式)により、11,000rpmの回転数で攪拌し、混合させて均一分散を行い、「重合性単量体組成物2(混合液)」を調製した。
得られた「重合性単量体組成物2」100質量部と、分散剤としてのシリカ微粒子(平均粒径20nm)1質量部とを、前記ホモミキサーを取り付けた耐圧処理セルに充填し、超臨界流体としての二酸化炭素を選択し、該二酸化炭素を供給ボンベにより前記処理セル内に供給し、加圧ポンプと温調器で10MPa、65℃に調節し、10000rpmで攪拌しながら、重合開始剤としてV−65(和光純薬株式会社製、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を5質量部添加し、24時間反応を行った。
反応終了後、背圧弁を使用して、流量5.0L/min、6時間、超臨界二酸化炭素をフローし、残留モノマーを除去した後、常温(25℃)、常圧(0.1MPa)まで徐々にもどして、「トナー2」を作製した。
のぞき窓が付いた高圧容器(内容積50ml)内に前記重合性単量体1gを入れ、超臨界流体としての二酸化炭素を混合し、30分間経過した後、高圧容器内を目視観察したところ、白濁又は相分離を起こさず可溶であった。
また、のぞき窓が付いた高圧容器(内容積50ml)内に前記重合性単量体の重合物1gを入れ、超臨界流体としての二酸化炭素を混合し、30分間経過した後、高圧容器内を目視観察したところ、白濁又は相分離を起こし不溶であった。
−重合性単量体組成物の調製−
スチレン80質量部、及びn−ブチルメタクリレート20質量部からなる重合性単量体、界面活性剤3を2質量部と、ジビニルベンゼン0.3質量部とを高剪断力で混合可能なホモミキサー(特殊機化工株式会社製、TK式)により、11,000rpmの回転数で攪拌し、均一に混合して、「重合性単量体組成物3(混合液)」を調製した。
合成エステルワックス(日本油脂株式会社製、商品名:WEP05)5質量部と、C.I.ピグメントブルー(15:3)7質量部を、ホモミキサーを取り付けた耐圧処理セルに充填し、超臨界流体として二酸化炭素を選択し、該二酸化炭素を供給ボンベにより前記処理セル内に供給し、加圧ポンプと温調器を用いて25MPa、80℃に調整し、10000rpmで充分に攪拌した。これを25MPa、50℃に圧力と温度を調整し、「分散液1」を作製した。
前記「重合性単量体組成物3」100質量部、攪拌機を取り付けた耐圧処理セルに充填し、超臨界流体として二酸化炭素を選択し、該二酸化炭素を供給ボンベにより前記処理セル内に供給し、加圧ポンプと温調器で25MPa、80℃に調節し、攪拌しながら、重合開始剤としてV−65(和光純薬株式会社製、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を2質量部添加し、24時間反応を行った。
反応終了後、背圧弁を使用して、流量5.0L/min、6時間、超臨界二酸化炭素をフローし、残留モノマーを除去した後、25MPa、50℃で分散液1を添加し、凝集させ、合着させて、「トナー3」を作製した。
のぞき窓が付いた高圧容器(内容積50ml)内に前記重合性単量体1gを入れ、超臨界流体としての二酸化炭素を混合し、30分間経過した後、高圧容器内を目視観察したところ、白濁又は相分離を起こさず可溶であった。
また、のぞき窓が付いた高圧容器(内容積50ml)内に前記重合性単量体の重合物1gを入れ、超臨界流体としての二酸化炭素を混合し、30分間経過した後、高圧容器内を目視観察したところ、白濁又は相分離を起こし不溶であった。
実施例2において、シリカ微粒子の代わりに、分散剤1を使用した以外は、実施例2と同様にして、「トナー4」を作製した。
前記「重合性単量体組成物1」100質量部、耐圧処理セルに充填し、エントレーナーとして、耐圧容器体積に対して、エタノール1体積%を充填した。超臨界流体として二酸化炭素を選択し、該二酸化炭素を供給ボンベにより前記処理セル内に供給し、加圧ポンプと温調器で30MPa、80℃に調節した。これに、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を3質量部添加し、24時間反応を行った。
反応終了後、背圧弁を使用して、流量5.0L/min、6時間、超臨界二酸化炭素をフローし、残留モノマーを除去した後、オイルブラックHBB(オリエント化学株式会社製)0.5質量部、及びオイルオレンジ201(オリエント化学株式会社製)0.02質量部を添加し、1時間染色を行った後、常温(25℃)、常圧(0.1MPa)まで徐々にもどして、「トナー5」を作製した。
のぞき窓が付いた高圧容器(内容積50ml)内に前記重合性単量体1gを入れ、超臨界流体としての二酸化炭素を混合し、30分間経過した後、高圧容器内を目視観察したところ、白濁又は相分離を起こさず可溶であった。
また、のぞき窓が付いた高圧容器(内容積50ml)内に前記重合性単量体の重合物1gを入れ、超臨界流体としての二酸化炭素を混合し、30分間経過した後、高圧容器内を目視観察したところ、白濁又は相分離を起こし不溶であった。
−樹脂微粒子の調製−
撹拌翼、冷却コンデンサー、及び窒素ガス導入管を取り付けた密閉可能な反応容器を恒温水槽内に取り付け、この反応容器内に、次の組成のものを仕込んだ。
・エタノール・・・・70質量部
・蒸留水・・・30質量部
・ポリビニルピロリドン・・・4質量部
・スチレン・・・28質量部
・エチルアクリレート・・・10質量部
・n−ブチルメタクリレート・・・2質量部
・エチレングリコールジメタクリレート・・・0.2質量部
・四塩化炭素・・・0.03質量部
・過酸化ベンゾイル・・・0.6質量部
反応開始から12時間後に室温に冷却して分散液を得た。一部をサンプリングしてガスクロマトグラフィーで内部標準法による測定を行った結果、重合率は90%を超えていることを確認した。以上により、「樹脂微粒子1」を合成した。
得られた「樹脂微粒子1」について、以下のようにして、コールターマルチサイザー(100μmアパチャーチューブ)による粒度分布を測定したところ、重量平均粒径(D4)6.83μm、個数平均粒径(Dn)6.04μm、その比(D4/Dn)が1.13であった。
−樹脂混練物の調製−
スチレン−アクリル系樹脂(ガラス転移温度=65℃)178質量部に、カルナウバワックス(東洋ペトロライト株式会社製、商品名:CWT01)10質量部、の割合の原材料をヘンシェルミキサーに投入、10分間混合した原材料混合物を、三井鉱山株式会社製ニーディクスMOS140−800を用いて、130℃以下で溶融混練し、分散させて、樹脂混練物(P−1)を得た。
前記樹脂混練物(P−1)150質量部と、界面活性剤2を10質量部、フタロシアニン顔料(C.I.ピグエントブルー(15:3))10質量部、及び帯電制御剤(サリチル酸アルミニウム)1質量部を、櫛歯型の羽根を有する攪拌機、ヒーター、温度及び圧力モニターが組み込まれた耐圧反応セル(1,000mL)に投入し、超臨界流体として二酸化炭素を選択し、該二酸化炭素を供給ボンベにより前記処理セルに供給し、加圧ポンプと温度調製器で25MPa、90℃に調節し、3,000rpmで3時間、攪拌を行った。これを4℃まで冷却した後、減圧バルブを徐々に開放し、比較トナー2を作製した。
得られた比較トナー2は、以下のようにして測定したコールターマルチサイザー(100μmアパチャーチューブ)による粒径分布が、重量平均粒径(D4)は11.5μm、個数平均粒径(Dn)は5.5μmであった。また、比(D4/Dn)は、2.09と非常に分布が広いとともに微粉、及び粗粉の発生も見られた。
のぞき窓が付いた高圧容器(内容積50ml)内に前記スチレン−アクリル系樹脂1gを入れ、超臨界流体としての二酸化炭素を入れて、25MPa、90℃で攪拌しながら、30分間経過した後、高圧容器内を目視観察したところ、相分離を起こし不溶であった。
得られた各トナーについて、コールターカウンター法による重量平均粒径及び粒度分布を、コールターカウンターTA−II又はコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定した。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加えた。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加えた。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの重量、及び個数を測定して、重量分布と個数分布を算出した。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めた。結果を表1に示す。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
〔粒径分布(D4/Dn)の評価〕
◎:D4/Dnが1.15未満
○:D4/Dnが1.15以上、1.25未満
△:D4/Dnが1.25以上、1.50未満
×:D4/Dnが1.50以上
得られた各トナー100質量部に疎水性シリカ0.7質量部と、疎水化酸化チタン0.3質量部をヘンシェルミキサーにて混合した。次に、得られた外添剤処理を施した各トナー5質量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95質量%からなる「現像剤1〜7」を調製した。
なお、「現像剤1〜7」に使用されているトナーは、「トナー1〜5」及び「比較トナー1〜2」に、それぞれ対応している。
得られた各現像剤について、タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を形成した。該ベタ画像の形成は、前記複写紙8,000枚に対して、繰り返し行った。得られたベタ画像の画像濃度を、初期及び8,000枚耐久後について、目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。この評価は本発明の画像形成方法の実施例に相当する。
〔評価基準〕
○:初期及び8,000枚耐久後において、画像濃度に変化がなく、高画質が得られた。
△:8,000枚耐久後において、やや画像濃度が低下し、画質が低下した。
×:8,000枚耐久後において、著しく画像濃度低下し、画質が大きく低下した。
前記画像形成後において、有機感光体(OPC)へのトナーの融着を、目視により観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:トナーの感光体への融着が認められなかった。
△:トナーの感光体への融着がやや認められた。
×:トナーの感光体への融着が認められた。
各現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求めた。なお、トナー濃度は4.5〜5.5質量%に調整した。
以上の評価結果から、総合的にみて、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:良好
×:不良
比較例1のトナーは、染料による着色性が低いことによって画像濃度も低いが、超臨界流体を用いると、染料が樹脂微粒子の内部にまで進入するため十分な染着と画像濃度となることも判った。
比較例2のトナーでは、超臨界流体中にスチレン−アクリル系樹脂を溶解させて、トナー粒子を析出させているが、スチレン−アクリル系樹脂の超臨界流体に対する溶解度が低いため、シャープな粒度分布のトナーが得られないものであった。
また、本発明のトナーの製造方法では、廃液がほとんど発生しないとともに、常圧に戻すだけで、いきなり乾燥した重合法トナーが得られることから、低コスト、低環境負荷、省エネルギー、省資源であるため、従来工法と比べて、画期的なトナー製造方法であることが確認できた。
3 加圧ポンプ
5、7、8 バルブ
9 反応容器
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (17)
- 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を重合させてトナーを造粒するトナーの製造方法であって、
前記ラジカル重合性単量体の重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を分散重合させてトナーを造粒するトナーの製造方法であって、
前記ラジカル重合性単量体の分散重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を懸濁重合させてトナーを造粒するトナーの製造方法であって、
前記ラジカル重合性単量体の懸濁重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中で、少なくともラジカル重合性単量体を重合させて、得られた樹脂微粒子を凝集乃至会合させて造粒するトナーの製造方法であって、
前記樹脂微粒子が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であることを特徴とするトナーの製造方法。 - ラジカル重合性単量体が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに可溶である請求項1から4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含む請求項1から5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中に、界面活性剤を含む請求項1から6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 界面活性剤が、フッ素含有化合物及びケイ素含有化合物から選択される少なくとも1種である請求項7に記載のトナーの製造方法。
- 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中に、分散剤を含む請求項1から8のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 分散剤が、無機微粒子及び有機微粒子のいずれかを含有する請求項9に記載のトナーの製造方法。
- 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、エントレーナーを含む請求項1から10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- エントレーナーの含有量が、0.1〜10質量%である請求項11に記載のトナーの製造方法。
- エントレーナーが、常温常圧(25℃、0.1MPa)下でトナー結着樹脂に対して貧溶媒である請求項11から12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- エントレーナーが、メタノール、エタノール、及びプロパノールから選択される低級アルコールである請求項11から13のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 請求項1から14のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されることを特徴とするトナー。
- 重量平均粒径が3〜10μmであり、該重量平均粒径と個数平均粒径との比(重量平均粒径/個数平均粒径)が1.00〜1.25である請求項15に記載のトナー。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項15から16のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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