JP2012110888A - 粒子の製造方法、トナーの製造方法、トナー、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、画像形成装置、及び粒子製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の製造方法によると、第1の圧縮性流体と圧可塑性材料とを接触させて溶融体を作製し、作製された溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、この溶融体を噴射して造粒する。これにより、粒度分布の狭い小粒径の粒子を製造することが可能になるという効果を奏する。
【選択図】図4
Description
以下、本発明の第1の実施形態に係る粒子の製造方法について説明する。第1の実施形態に係る粒子の製造方法は、第1の圧縮性流体と圧可塑性材料とを接触させて、圧可塑性材料の溶融体を作製する溶融工程と、この溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、溶融体を噴射して造粒する造粒工程とを有する。
先ず、本実施形態の粒子の製造方法で用いられる粒子の原料について説明する。本実施形態では、上述のとおり圧可塑性材料を用いて粒子が製造され、必要に応じてその他の原料が併用される。
本実施形態において、圧可塑性材料とは、圧力を加えることによりガラス転移温度が低下する性質を有する材料であり、より具体的には、熱を加えなくても圧力を加えることにより可塑化する材料を意味する。圧可塑性材料は、例えば、圧縮性流体と接触させることによって圧力を加えると、この圧可塑性材料の大気圧でのガラス転移温度(Tg)より低い温度で可塑化される。
本実施形態では、製造される粒子の特性や加工性等に応じてその他の原料を併用して粒子を製造することができる。例えば、本実施形態によって製造される粒子がトナーである場合、トナー原料として上記の圧可塑性材料の他、着色剤、圧縮性流体中で機能する界面活性剤、分散剤、離型剤、帯電制御剤、圧可塑性材料でない結晶性ポリエステル等を含んでも良い。以下、各種のトナー原料について説明する。
着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、PEG系界面活性剤等が挙げられる。これらはパーフルオロアルキル基(Rf基)やポリジメチルシロキサン基(PDMS基)、ポリエチレングリコール基(PEG基)などを主鎖あるいは側鎖に含有する化合物であり、オリゴマーや高分子の形態をとることもある。
上記の分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機微粒子、無機微粒子などを挙げることができる。これらの中でも、アクリル変性された無機微粒子、シリコーン変性された無機微粒子、フッ素変性された無機微粒子、含フッ素系有機微粒子、シリコーン系有機微粒子等が好ましく、アクリル変性された無機微粒子がより好ましい。これらの分散剤は、圧縮性流体に溶融するものであることが好ましい。
上記の離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類等が好適に挙げられる。上記のワックス類としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましい。このような帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。これらの中でも、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。金属塩に用いられる金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素、ニッケル、鉄、クロム、ジルコニウム、などが挙げられる。
上記の結晶性ポリエステルとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性に優れるという点で、分子量分布がシャープであり、且つ、低分子量のものが好ましく、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量Mの分布で、横軸をlog(M)、縦軸を重量%で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であり、重量平均分子量(Mw)で1,000〜30,000、数平均分子量(Mn)で500〜6,000、Mw/Mnが2〜8であるものがより好ましい。
上記の圧可塑性材料とともに用いても良いその他の成分としては、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等が挙げられる。上記の流動性向上剤とは、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
次に、図2及び図3を用いて本実施形態の粒子の製造方法で用いられる圧縮性流体について説明する。図2は、温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。図3は、本実施形態において圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。
続いて、本実施形態の粒子の製造方法に用いられる粒子製造装置について説明する。図4は、本実施形態の粒子の製造方法に用いられる粒子製造装置の一例を示す模式図である。粒子製造装置1には、超高圧管等によって接続されて第1の経路を構成するボンベ11、ポンプ12a、バルブ13a、温度調節器付き高圧セル14、ポンプ12b、バルブ13bが設けられている。また、粒子製造装置1には、超高圧管等によって接続されて第2の経路を構成するボンベ21、ポンプ22、バルブ23、及びヒータ26とが設けられている。更に、粒子製造装置1には、第1の経路および第2の経路のそれぞれの末端にその端部が接続する混合装置31と、混合装置31の他端に接続するノズル32とが設けられている。
本実施形態に係る粒子の製造方法は、上述のとおり溶融工程と造粒工程とを含み、必要に応じて適宜選択されるその他の工程を含む。上記の各工程おける処理おび粒子製造装置1の動作について説明する。
まず、溶融工程における処理・動作について説明する。ここでは、図4の粒子製造装置1を用いた一例について説明する。本実施形態の粒子の製造方法における溶融工程は、第1の圧縮性流体と圧可塑性材料とを接触させて圧可塑性材料の溶融体を作製する工程である。なお、本実施形態において「圧可塑性材料の溶融体」とは、圧可塑性材料が圧縮性流体と接触することで、膨潤しつつ可塑化、液状化した状態を意味する。
続いて、本実施形態の粒子の製造方法における造粒工程について説明する。この造粒工程は、溶融工程で作製された溶融体に圧縮性流体(第2の圧縮性流体)を供給しつつ、この溶融体を噴射して造粒する工程である。
本実施形態の製造方法で製造される粒子としては、上記の製造方法によって製造されたものであれば特に制限されず、目的に応じて適宜選択され、例えば、日用品、医薬品、化粧品、トナー等の粒子が挙げられる。本実施形態の製造方法で製造される粒子の形状、大きさ、材質などについて製造物の目的などに応じて適宜選択されは特に制限はない。ただし、粒子が実質的に有機溶媒を含有しないことが好ましい。本実施形態の製造方法によると、圧縮性流体を用いることにより、有機溶媒を用いずに粒子の製造が可能である。これにより、実質的に有機溶媒を含まない粒子が得られる。尚、粒子が有機溶媒を実質的に含有しないとは、以下の測定方法により測定される粒子中の有機溶媒の含有量が検出限界以下であることを言う。
粒子の残留溶媒量は、以下の測定方法により測定される。測定対象となる粒子1重量部に2−プロパノール2重量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、粒子中の溶媒を抽出する。上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A,SHIMADZU)で分析し、粒子中の溶媒および残留モノマーを定量することにより溶媒濃度を測定する。かかる分析時の測定条件は、以下の通りである。
装置 :島津GC−14A
カラム :CBP20−M 50−0.25
検出器 :FID
注入量 :1〜5μl
キャリアガス :He 2.5kg/cm2
水素流量 :0.6kg/cm2
空気流量 :0.5kg/cm2
チャートスピード:5mm/min
感度 :Range101×Atten20
カラム温度 :40℃
Injection Temp :150℃
上記の粒子の製造方法において、トナー原料を用いることによりトナーが製造される。具体的には、トナーの製造方法は、第1の圧縮性流体と圧可塑性材料を含むトナー原料とを接触させて、圧可塑性材料を溶融体として含むトナー溶融体を作製する溶融工程と、トナー溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、トナー溶融体を噴射して造粒する造粒工程と、を有する。
本実施形態の現像剤は、本実施形態のトナーを少なくとも含有してなり、適宜キャリア等の選択された成分を含有してなる。このような現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
上記のキャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
本実施形態の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができる。
本実施形態のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、本実施形態の製造方法で製造されたトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを有する。このプロセスカートリッジは、必要に応じて適宜選択されるその他の手段を有してなる。
本実施形態の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
上記の静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。この静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
上記の現像工程は、静電潜像を、本実施形態のトナー又は現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。この可視像の形成は、例えば、静電潜像を本実施形態のトナー又は現像剤を用いて現像することにより行うことができ、上記の現像手段により行うことができる。
上記の転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用いこの中間転写体上に可視像を一次転写した後、可視像を記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。また、トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、この複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
上記の定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置によって定着させる工程であり、各色のトナーに対し記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。この定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。この加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ等が挙げられる。この加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。尚、本実施形態においては、目的に応じて、定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
上記の除電工程は、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。この除電手段としては、特に制限はなく、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
上記のクリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。このクリーニング手段としては、特に制限はなく、静電潜像担持体上に残留する電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができる。このようなクリーニング手段としては、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
上記のリサイクル工程は、クリーニング工程により除去されたトナーを現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。このリサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
上記の制御工程は、各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。この制御手段としては、上記の各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
以下、図7を用いて、本発明の第2の実施形態に係る粒子の製造方法について、第1の実施形態に係る粒子の製造方法と異なる点を説明する。図7は、第2の実施形態の粒子の製造方法に用いられる粒子製造装置2の一例を示す模式図である。第2の実施形態に係る粒子の製造方法は、予め加熱溶融した圧可塑性材料と、第1の圧縮性流体とを接触させて、圧可塑性材料の溶融体を作製する溶融工程と、溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、溶融体を噴射して造粒する造粒工程とを有する。
本実施形態の粒子の製造方法に用いられる粒子製造装置2には、超高圧管等によって接続されて第1の経路を構成するボンベ11、ポンプ12a、バルブ13a、ヒータ16、及びバルブ13bが設けられている。また粒子製造装置2にはバルブ13aとバルブ13bとの間の合流点Aに圧可塑性樹脂を供給するために温度調節器付きセル24、ポンプ12c、及びバルブ13cが設けられている。更に、粒子製造装置2には、超高圧管等によって接続されて第2の経路を構成するボンベ21、ポンプ22、バルブ23、及びヒータ26が設けられている。また、粒子製造装置2には、第1の経路および第2の経路のそれぞれの末端にその端部が接続する混合装置31と、混合装置31の他端に接続するノズル32とが設けられている。
本実施形態に係る粒子の製造方法は、上述のとおり溶融工程と造粒工程とを含み、必要に応じて適宜選択されるその他の工程を含む。上記の各工程おける処理おび粒子製造装置2の動作について説明する。
溶融工程では、先ず、圧可塑性材料や、製造される粒子がトナーである場合には着色剤等の原料が温度調節器付きセル24内に入れられる。この場合、粒子の原料が複数の材料を含むときには、これらの材料を予めミキサー等で混合し、ロールミル等で溶融混練させておいても良い。次に、温度調節器付きセル24を密閉し、攪拌機によって原料を攪拌すると共に、加熱して溶融させる。圧可塑性材料を加熱溶融する際の温度は、圧可塑性材料が加熱溶融する温度であれば特に制限はない。
続いて、本実施形態の粒子の製造方法における造粒工程について説明する。この造粒工程は、溶融工程で作製された溶融体に圧縮性流体(第2の圧縮性流体)を供給しつつ、この溶融体を噴射して造粒する工程である。
上記実施形態では、粒子の製造方法に用いられる製造装置が図4又は図7に示される粒子製造装置(1,2)である場合について説明したが、これに限るものではない。この場合、PGSS法で用いられる一般的な噴射装置に第2の経路の各手段及び混合手段31等を設けたものを使用することができる。
上記実施形態では、圧可塑性材料と圧縮性流体とを含む溶融体を大気中に噴射する場合について説明したが、これに限るものではない。この場合、溶融体を大気よりも圧力が高くノズル32内よりも圧力が低い環境に溶融体を噴射することができる。この場合、噴射速度(出口線速)をコントロールすることで、粒径や粒径分布の制御性を高めることができる。また、この場合、ジュール・トムソン効果による冷却に対してヒータ加熱を抑えることができ、省エネ、低コスト化などの効果が得られる。
例に制限されるものではない。なお、実施例中、部はすべて質量部を表す。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応させた。さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応させた後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応させてポリエステル樹脂1を得た。得られたポリエステル樹脂1は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25、圧力とガラス転移温度との関係を示すグラフにおける傾きが−10℃/MPaであった。
窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,4−ブタンジオール25モル、フマル酸23.75モル、無水トリメリット酸1.65モル、ハイドロキノン5.3gを入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させた。さらに8.3KPaにて1時間反応させ[結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂1]は、融点119℃、Mn710、Mw2100、酸価24、水酸基価28であった。
実施例1では図4の粒子製造装置1を用いてトナーを製造した。実施例1において、第1の圧縮性流体はボンベ11に貯蔵された二酸化炭素を加熱・加圧して得られたものであり、第2の圧縮性流体はボンベ21に貯蔵された二酸化炭素を加熱・加圧して得られたものである。
ポリエステル樹脂1 95部
着色剤(銅フタロシアニンブルー) 5部
パラフィンワックス(融点79℃) 5部
上記トナー原料をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。この混練物を図4で示される粒子製造装置1の高圧セル14に投入し、超臨界流体として二酸化炭素を130℃、65MPaになるように導入し、1時間攪拌を行った。このときの得られた溶融体(トナー溶融物)の粘度は、3mPa・sであった。尚、溶融体の粘度の測定には、ケンブリッジ・ビスコシティー社製粘度測定装置(VISCOlab PVT)を使用した。測定は測定部にサンプルをセットし、温度、圧力を制御し、粘度が一定になったところをその温度、圧力における粘度とした。次にバルブ23を開き、ポンプ22とヒータ26とを使用し、65MPa、135℃を維持するように、超臨界二酸化炭素をノズル32より噴射した。この状態でバルブ13bを開き、ポンプ12bを作動させ、トナー溶融物を噴射し、トナー1を得た。このとき、ポンプ12aと背圧弁14aを調整することにより高圧セル14内は、温度130℃、圧力65MPaを一定に維持するようにした。得られたトナー粒子は、体積平均粒径(Dv)5.1μm、個数平均粒径(Dn)4.5μm、Dv/Dn1.13であった。
実施例1において、噴射時の高圧セル14内の処理温度、処理圧力を表1で示される値に変更する以外は、実施例1と同様に操作して、トナー2〜12、比較トナー1〜4を得た。尚、比較トナー1〜4については、トナー溶融物の可塑化が不充分であり造粒することができなかった。
実施例1において、トナー原料に結晶性ポリエステル1を5部、追加して使用する以外は、実施例1と同様に操作して、トナー13を得た。
実施例14では図7の粒子製造装置2を用いてトナーを製造した。実施例14において、第1の圧縮性流体はボンベ11に貯蔵された二酸化炭素を加熱・加圧して得られたものであり、第2の圧縮性流体はボンベ21に貯蔵された二酸化炭素を加熱・加圧して得られたものである。
実施例14において、トナー原料のポリエステル樹脂1をポリ乳酸に変更し、噴射時に合流点Aを通過する溶融体の処理温度、処理圧力を表1で示される値に変更する以外は、実施例14と同様に操作して、トナー15を得た。
実施例1において、バルブ23を閉じポンプ22を使用しない以外は、実施例1と同様に操作して、比較トナー粒子5を得た。
普通紙の転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)に低付着量となる0.3±0.1mg/cm2の付着量におけるベタ画像出力後、画像濃度を濃度計X−Rite(X−Rite社製)により測定し、画像濃度1.4以上を◎、1.35以上1.4未満を○、1.3以上1.35未満を△、1.3未満を×とした。
画像面積率95%チャートを1000枚出力後の清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満である。
○:ブランクとの差が0.005〜0.010である。
△:ブランクとの差が0.011〜0.02である。
×:ブランクとの差が0.02を超える。
温度40℃、湿度90%RHの環境下、画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color8100)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、各トナーを用いて画像面積率5%チャート連続100000枚出力耐久試験を実施後の複写機内のトナー汚染状態を目視にて、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:トナー汚れがまったく観察されず良好な状態である。
○:わずかに汚れが観察される程度であり問題とならない。
△:少し汚れが観察される程度である。
×:許容範囲外で非常に汚れがあり問題となる。
画像面積率20%チャートを感光体から紙に転写後、クリーニングの直前における感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満である。
○:ブランクとの差が0.005〜0.010である。
△:ブランクとの差が0.011〜0.02である。
×:ブランクとの差が0.02を超える。
各トナーを用いて、画像面積率12%の文字画像パターンを用いて、連続10万枚出力耐久試験を実施し、そのときの帯電量の変化を評価した。スリーブ上から現像剤を少量採取し、ブローオフ法により帯電量変化を求め、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:帯電量の変化が5μc/g未満である。
△:帯電量の変化が5μc/g以上10μc/g以下である。
×:帯電量の変化が10μc/gを超える。
画像面積率100%、75%、及び50%の帯チャートを1000枚出力後の現像ローラ、及び感光体上のフィルミングを観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:まったくフィルミングが発生していない。
○:うっすらとフィルミングの発生を確認できる。
△:スジ状にフィルミングが発生している。
×:全面にフィルミングが発生している。
11 ボンベ
12a ポンプ(第1流体供給手段の一例)
12b ポンプ
22 ポンプ(第2流体供給手段の一例)
13a,13b,23 バルブ
14 温度調節器付き高圧セル(溶融槽の一例)
14a 背圧弁
16,26 ヒータ
21 ボンベ
31 混合装置
32 ノズル(溶融体噴射手段の一例)
101 静電潜像担持体
102 帯電手段
103 露光手段による露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
10 感光体ドラム
20 帯電ローラ
30 露光装置
40 現像装置
41 現像ベルト
42 現像剤収容部
43 現像剤供給ローラ
44 現像ローラ
45 現像ユニット
50 中間転写体
51 ローラ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 中間転写体用クリーニングブレード
95 記録媒体
100 画像形成装置
T 粒子
実施例1において、バルブ23を閉じポンプ22を使用しない以外は、実施例1と同様
に操作して、参考トナーを得た。
Claims (13)
- 第1の圧縮性流体と圧可塑性材料とを接触させて、前記圧可塑性材料の溶融体を作製する溶融工程と、
前記溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、前記溶融体を噴射して造粒する造粒工程と、を有することを特徴とする粒子の製造方法。 - 前記溶融工程が、予め加熱溶融した前記圧可塑性材料と前記第1の圧縮性流体とを接触させる工程であることを特徴とする請求項1に記載の粒子の製造方法。
- 前記溶融体の粘度が20mPa・s以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子の製造方法。
- 前記圧可塑性材料が、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
- 前記第1の圧縮性流体及び前記第2の圧縮性流体のそれぞれが、超臨界二酸化炭素又は液化二酸化炭素を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
- 第1の圧縮性流体と、圧可塑性材料を含むトナー原料と、を接触させて、前記圧可塑性材料を溶融体として含むトナー溶融体を作製する溶融工程と、
前記トナー溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、前記トナー溶融体を噴射して造粒する造粒工程と、を有することを特徴とするトナーの製造方法。 - 請求項6に記載のトナーの製造方法により製造されたことを特徴とするトナー。
- 有機溶媒を実質的に含有しないことを特徴とする請求項7に記載のトナー。
- 請求項7又は8に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
- 静電潜像担持体と、
請求項7又は8に記載のトナーを用いて前記静電潜像担持体上に静電潜像を現像し、可視像を形成する現像手段とを有し、
画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像形成工程で形成された前記静電潜像を請求項7又は8に記載のトナーを用いて現像し、可視像を形成する現像工程と、
前記現像工程で形成された前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記転写工程で転写された転写像を前記記録媒体に定着する定着工程と、
を有することを特徴とする画像形成方法。 - 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像形成手段によって形成された前記静電潜像を請求項7又は8に記載のトナーを用いて現像し、可視像を形成する現像手段と、
前記現像手段によって形成された前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段によって転写された転写像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 第1の圧縮性流体を供給する第1流体供給手段と、
前記第1流体供給手段によって供給された前記第1の圧縮性流体と、圧可塑性材料とを内部で接触させることで、前記圧可塑性材料の溶融体が作製される溶融槽と、
第2の圧縮性流体を供給する第2流体供給手段と、
前記第2流体供給手段によって供給された前記第2の圧縮性流体とともに前記溶融槽で作製された前記溶融体を噴射する溶融体噴射手段と、を有することを特徴とする粒子製造装置。
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