JP2001312098A - トナーおよびその製造方法 - Google Patents

トナーおよびその製造方法

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JP2001312098A JP2000128439A JP2000128439A JP2001312098A JP 2001312098 A JP2001312098 A JP 2001312098A JP 2000128439 A JP2000128439 A JP 2000128439A JP 2000128439 A JP2000128439 A JP 2000128439A JP 2001312098 A JP2001312098 A JP 2001312098A
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Katsumi Adachi
克己 足立
Masasane Sakuma
将実 佐久間
Kiyoshi Toizumi
潔 戸泉
Tasuke Kamimura
太介 上村
Tadashi Iwamatsu
正 岩松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー中の着色剤成分の含有量を増加させて
も、上記着色剤成分による着色力を維持できて、着色剤
成分の含有量増加に起因するトナーの使用量低減によっ
て、上記トナーを用いる画像形成装置の小型化を図る。 【解決手段】 結着樹脂成分18を超臨界流体22中に
て溶解する。着色剤成分20を超臨界流体22中に混合
する。結着樹脂成分18を、その溶解度を低下させて粒
子状に析出させ、粒子状に析出した結着樹脂成分18内
に着色剤成分20が分散したトナーを作製する。上記ト
ナーでは、着色剤成分20の含有量を増加させても、超
臨界流体22により、粒子状に析出した結着樹脂成分1
8内における着色剤成分20の分散性を維持できて、着
色力も維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
やイオンフロー方式により、像担持体上に形成された静
電潜像を現像するためのトナーおよびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザープリンター、LED(Light Em
itting Diode)プリンターやデジタル複写機等の電子写
真方式を用いた画像形成装置は、感光体表面を一様に帯
電させ、画像情報に対応してレーザービームやLED等
により光照射して所望の静電潜像を形成し、現像部によ
り、この静電潜像をトナー(現像剤)によって可視化し
て可視画像を形成し、これを記録材に転写せしめ、定着
部によりトナーを記録材に固定化して画像を得るもので
ある。
【0003】近年、画像形成装置に対する小型化の要求
はますます高まってきている。電子写真方式の画像形成
装置においては、小型化を達成する上で、画像形成装置
中におけるトナーの占める体積がかなり大きい。特に、
近年のネットワーク環境においては、複数の人間が1台
の画像形成装置を使用し、その印字量も膨大であるた
め、使用者の使い勝手の良さを考慮した場合、トナーを
大容量にて内蔵する必要がある。
【0004】近年、カラー画像出力に対する要求も増加
しており、カラー画像形成装置では、3色または4色の
トナーを使用するため、トナーの占める容積は画像形成
装置中において、より大きなものとなる。更には、カラ
ー画像の場合、多色の重ね合わせにより色再現を行う
が、このとき、記録材(例えば紙やOHPシート等)上
のトナー量が多くなり、これを熱定着させる場合、モノ
クロ画像に比べて、多量の熱量を必要とするため、定着
部の大型化が必要となる。
【0005】また、トナーの製造方法については、より
省エネルギーで、環境に対する影響の小さい手法が要求
されている。現在のトナーの製造方法としては、従来よ
りの溶融混練粉砕法や、近年では液体溶媒中での重合法
(懸濁法、乳化法、分散法、等)によるものが主流であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
トナーの製造方法では、用いるトナー量を減少させるた
めに、着色剤の含有量を増加させた場合、トナー中の着
色剤の分散性が不良となり易く、分散性が不良の場合、
着色剤の含有量を増加させても、かえって上記着色剤に
よる着色力が低下するという問題を生じている。
【0007】つまり、一般的に、トナー中に含まれる着
色剤(カーボンブラックやカラー顔料など)の含有量
は、数〜10重量%程度までである。また、必要な画像
濃度を得るために、約0.7〜1mg/cm2 程度のト
ナー量が要求される。このような制約から、前述のよう
に大容量のトナーの内蔵が必要である。
【0008】よって、トナーにおける着色剤の含有量を
増加させることができれば、画像情報を表現するのに必
要な、単位トナー量を低減でき、装置中におけるトナー
部の占有容積も減少できる。この場合、トナーの結着樹
脂中における着色剤の分散性を向上させる必要がある。
分散性が不良の場合、着色剤の含有量を増加させても、
かえって着色力が低下するという問題がある。
【0009】重合法では、着色剤の分散性をさらに向上
させるのが非常に困難である。例えば、最も一般的な懸
濁重合法の場合、原材料(モノマーや着色剤の混合物)
中での均一分散も然ることながら、重合反応中における
着色剤粒子の再凝集が生じ易くなり、分散性を維持しな
がら、現状以上の着色剤の含有量の達成が非常に困難で
ある。
【0010】また、溶融混練粉砕法では、着色剤の分散
に関しては、溶融混練時の剪断力が大きく、また、混練
後に急速に冷却することで、着色剤粒子の再凝集を抑制
でき、重合法に比べて有利ではある。
【0011】しかしながら、溶融混練粉砕法のトナーで
は、溶融混練した樹脂片を粉砕し、所望の粒子径に設定
していくという製法上、粉砕時に、着色剤粒子が存在す
る部分からへき開し易いことから、表面に着色剤粒子が
多数露出した構造になり、トナーの電気特性(帯電特
性)に悪影響を与えるという問題点が生じている。
【0012】さらに、溶融混練粉砕法のトナーでは、多
数の着色剤粒子を混入した場合、着色剤粒子と結着樹脂
間の界面が機械的に弱く、粉砕工程にて粒子が破壊され
て所望する粒度分布のトナーを安定に得られないという
問題も生じている。
【0013】その上、環境に対する影響を考慮した場
合、重合法では、多量の有機溶媒を用いるため、これら
に対する環境対策(洗浄、廃液処理など)が必要である
し、液体中で作製するため、乾燥工程が必要であり、そ
の乾燥のために多大なエネルギーを必要とするという問
題点が生じている。
【0014】懸かる各問題に鑑み、本発明の目的は、超
臨界流体あるいは亜臨界流体を利用して、トナー中の着
色剤の含有量を増加しつつ、その分散性を維持し、少量
のトナーで所望の画像品位を達成できると共に、省エネ
ルギー化も達成できるトナーおよびその製造方法を提供
することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のトナーの製造方
法は、以上の課題を解決するために、結着樹脂成分を、
超臨界流体中あるいは亜臨界流体中にて溶解して、着色
剤成分と混合し、上記超臨界流体中あるいは亜臨界流体
中における結着樹脂成分の溶解度を低下せしめて、上記
結着樹脂成分を、結着樹脂成分の内部に着色剤成分を分
散させながら粒子状に析出させることを特徴としてい
る。
【0016】上記方法によれば、少なくとも、結着樹脂
成分を超臨界流体あるいは亜臨界流体中にて溶解して、
着色剤成分と混合し、上記結着樹脂成分の溶解度を低下
させて、上記結着樹脂成分を粒子状に析出させること
で、粒子状に析出した結着樹脂成分内に着色剤成分が分
散したトナーを作製できる。
【0017】このとき、超臨界流体あるいは亜臨界流体
中に、着色剤成分を混合したことにより、超臨界流体あ
るいは亜臨界流体の有する大きな拡散係数によって上記
着色剤成分の分散性を向上でき、かつ、着色剤成分の凝
集も抑制できることにより、析出した結着樹脂成分中で
の着色剤成分の分散性を向上できる。
【0018】また、上記方法では、結着樹脂成分の超臨
界流体あるいは亜臨界流体での溶解、析出という工程に
より、トナーを作製できるため、トナーの作製時間を従
来より短くできる。
【0019】これにより、上記方法では、着色剤成分の
含有量を増加させても、着色剤成分の分散性が良好なこ
とから、従来のように着色剤成分を増加させたときの着
色力の低下や着色剤成分の過大な露出によるトナー帯電
特性の不安定化が回避され、良好な画像形成を維持でき
る。
【0020】その上、上記方法では、着色剤成分の含有
量の増加に伴いトナー使用量を低減できて、上記トナー
を用いた画像形成装置の小型化も図れると共に、超臨界
流体あるいは亜臨界流体における溶解度を変化させるこ
とによって結着樹脂成分の析出を短時間にて行うことが
できるため、従来の重合法や溶融混練粉砕法によるトナ
ーの製造方法と比べると、トナー製造にかかるエネルギ
ーの低減、生産コストの削減が可能となる。
【0021】本発明の他のトナーの製造方法は、前記の
課題を解決するために、結着樹脂成分の原材料となる1
種類以上の単量体を、第1の超臨界流体中あるいは第1
の亜臨界流体中にて重合させて高分子体である結着樹脂
成分を生成し、次いで、結着樹脂成分を、第2の超臨界
流体中あるいは第2の亜臨界流体中にて溶解して着色剤
成分と混合し、上記第2の超臨界流体中あるいは第2の
亜臨界流体中における結着樹脂成分の溶解度を低下せし
めて、上記結着樹脂成分を、結着樹脂成分の内部に着色
剤成分を分散させながら粒子状に析出させることを特徴
としている。
【0022】上記方法によれば、さらに、超臨界流体あ
るいは亜臨界流体中での重合により、結着樹脂成分を調
製することにより、結着樹脂成分の製造にかかるコスト
も軽減され、生産コストの低減が可能である。
【0023】上記製造方法においては、超臨界流体中あ
るいは亜臨界流体中における、結着樹脂成分の溶解度の
低下は、急速膨張、貧溶媒導入、界面活性剤導入の何れ
かの方法によることが好ましい。上記方法によれば、超
臨界流体中あるいは亜臨界流体中における、結着樹脂成
分の溶解度の低下を確実にできて、トナーの製造を安定
化できる。
【0024】上記製造方法では、超臨界流体中あるいは
亜臨界流体中には、離型剤(ワックス)成分を含ませて
もよい。上記方法によれば、超臨界流体あるいは亜臨界
流体中に混合する材料として、離型剤(ワックス)成分
を含め、かつ、溶解させた離型剤(ワックス)成分を、
溶解させた結着樹脂成分や着色剤成分より早く析出させ
ることで、ワックス内抱型のトナーを提供することがで
きる。
【0025】それゆえ、このようなワックス内抱型のト
ナーでは、従来必要であった、画像形成装置の定着部で
のオイル塗布機構を省くことができて、画像形成装置の
小型化に寄与できる。
【0026】また、上記方法では、溶解させた、離型剤
(ワックス)成分および結着樹脂成分をほぼ同時に析出
させることで、結着樹脂成分中に均一に離型剤(ワック
ス)成分が分散したトナーを製造できる。よって、上記
方法では、離型剤(ワックス)成分の偏在や凝集を回避
できるから、上記トナーのトナー帯電特性やトナー熱溶
融挙動を安定化でき、上記トナーを用いて画像形成した
場合、良好な画像品位を得ることができる。
【0027】上記製造方法においては、結着樹脂成分と
常温常圧下にて非相溶である少なくとも1種類以上の溶
媒を、超臨界流体中あるいは亜臨界流体中に混合するこ
とが望ましい。
【0028】上記方法によれば、結着樹脂成分と常温常
圧下にて非相溶な溶媒が、常温常圧下にて得られたトナ
ー同士間に介在することにより、得られたトナー同士の
合一を防止できる。よって、上記方法では、所望の粒子
径を有するトナーを安定して得られるから、トナー作製
後の再解砕や分級等の作業が不要となり、トナーの製造
コストの低減に貢献できる。
【0029】本発明のさらに他の、トナーの製造方法
は、前記の課題を解決するために、結着樹脂成分と、着
色剤成分とを有する母核トナー粒子のための表面改質材
成分を、超臨界流体中あるいは亜臨界流体中にて溶解し
て、上記母核トナー粒子と混合し、上記超臨界流体中あ
るいは亜臨界流体中における表面改質材成分の溶解度を
低下せしめて、上記表面改質材成分を、上記母核トナー
粒子の表面に析出させることを特徴としている。
【0030】上記方法によれば、多量の着色剤成分を母
核トナー粒子に含有させて高い着色力を有するトナーで
も、上記表面改質材成分により覆われることによって、
得られたトナーの表面への着色剤成分の露出を小さくで
きて、着色剤成分の表面への過大な露出によるトナー帯
電特性の劣化を防止できるので、良好な帯電特性を有す
るトナーが得られる。
【0031】また、上記方法では、表面改質材成分によ
り、トナーの表面が覆われることによって、機械的強度
を向上できるから、長期使用によるトナーの解砕も軽減
される。
【0032】この結果、上記方法においては、得られた
トナーを用いることにより、安定した画像形成を提供で
きるだけではなく、トナー製造に係るエネルギーの低
減、生産コストの削減が可能である。
【0033】上記製造方法においては、結着樹脂成分
と、着色剤成分とを有する母核トナー粒子のための表面
改質材成分を、超臨界流体あるいは亜臨界流体中での重
合により生成してもよい。つまり、上記方法は、表面改
質材成分の原材料となる1種類以上の単量体を、第1の
超臨界流体中あるいは第1の亜臨界流体中で重合させて
高分子体である表面改質材成分を生成し、次いで、表面
改質材成分を、第2の超臨界流体中あるいは第2の亜臨
界流体中にて溶解して、前記母核トナー粒子と混合し、
上記第2の超臨界流体中あるいは第2の亜臨界流体中に
おける表面改質材成分の溶解度を低下せしめて、上記表
面改質材成分を、上記母核トナー粒子の表面に析出させ
てもよい。
【0034】上記方法によれば、さらに、第1の超臨界
流体あるいは第1の亜臨界流体中での重合により、表面
改質材成分を調製することにより、結着樹脂成分の製造
にかかるコストも軽減され、生産コストの低減が可能で
ある。
【0035】上記製造方法においては、超臨界流体中あ
るいは亜臨界流体中における表面改質材成分の溶解度の
低下は、急速膨張、貧溶媒導入、界面活性剤導入の何れ
かの方法によることが好ましい。上記方法によれば、超
臨界流体中あるいは亜臨界流体中における、表面改質材
成分の溶解度の低下を確実にできて、トナーの製造を安
定化できる。
【0036】上記製造方法においては、母核トナー粒子
を、溶融混練粉砕法にて作製することが望ましい。上記
方法によれば、母核トナー粒子中に、着色剤成分を多量
に含有させても、着色剤成分の分散性が溶融混練粉砕法
によって良好であり、得られたトナーの着色力を高める
ことができ、また、母核トナー粒子の表面に露出した着
色剤成分も、表面改質材成分により覆われるため、着色
剤成分の露出によるトナーの帯電特性の劣化も回避でき
る。
【0037】これらにより、上記方法では、着色力を維
持しながら、着色剤成分の含有量を高めて、上記トナー
を用いる画像形成装置の小型化に有利であると共に、溶
融混練粉砕法自身も、表面改質材成分の形成と同様に、
洗浄・乾燥工程が不要となり、トナー製造の低コスト化
に貢献できる。
【0038】上記製造方法においては、母核トナー粒子
は、離型剤(ワックス)成分を含んでいてもよい。上記
方法では、離型剤(ワックス)成分を含んだ母核トナー
粒子を用いることにより、従来必要であった、画像形成
装置の定着部でのオイル塗布機構を省くことができて、
上記トナーを用いた画像形成装置の小型化に寄与でき、
また、得られたトナーの低融点化を促すことが可能な離
型剤(ワックス)成分を含むことにより、上記トナーを
用いた画像形成装置の定着工程での省エネルギー化にも
貢献できる。
【0039】また、上記方法では、表面改質材成分によ
る被覆によって、従来のような、添加した離型剤(ワッ
クス)成分が表面に露出することによる、不具合も解消
されることから、上記トナーを用いて画像形成した場
合、良好な画像品位を得ることができる。
【0040】上記製造方法においては、母核トナー粒子
の結着樹脂成分と、表面改質材成分とが互いに異なるも
のであることが好ましい。上記方法によれば、超臨界流
体あるいは亜臨界流体中において、例えば、母核トナー
粒子を固体状態に維持し、表面改質材成分のみを溶解さ
せる条件設定を容易化できるので、トナーの製造上の条
件制約が緩和され、より安定したトナーの表面改質が可
能となる。
【0041】その上、上記方法では、例えば、表面改質
材成分となる樹脂成分の溶融温度を、母核トナー粒子の
結着樹脂成分の溶融温度より高く設定することにより、
得られたトナー全体としては、定着時の溶融温度が低く
しても、トナーの表層側に、溶け難い殻状のコートであ
る表面改質材成分が存在するので、上記トナーの不適切
な箇所での溶融・固着が抑制された、機能分離型のトナ
ーを容易に提供することが可能となる。
【0042】上記製造方法においては、表面改質材成分
は、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂であって
もよい。上記方法によれば、表面改質材成分をポリエス
テル系樹脂またはアクリル系樹脂とすることで、母核ト
ナー粒子内の着色剤成分の発色を妨げることなく、高品
位な画像形成を行うことができるトナーを安定に製造で
きる。
【0043】上記製造方法では、表面改質材成分と常温
常圧下にて非相溶である少なくとも1種類以上の溶媒
を、超臨界流体中あるいは亜臨界流体中に混合すること
が望ましい。上記方法によれば、得られたトナー同士の
合一を上記溶媒の介在により防止できて、所望の粒子径
を有するトナーを安定して得られ、トナー作製後の再解
砕や分級等の作業が不要となり、製造コストの低減に貢
献できる。
【0044】上記製造方法においては、着色剤成分の含
有率が、結着樹脂成分に対し、10重量%以上であるこ
とが望ましい。上記方法によれば、少量のトナーでも、
所望の画像品位が得られ、上記トナーを用いた画像形成
装置の小型化に寄与できる。
【0045】上記製造方法では、超臨界流体あるいは亜
臨界流体は、二酸化炭素であることが好ましい。上記方
法によれば、二酸化炭素が安価であるので、得られたト
ナーの低価格化が可能となり、ランニングコストの安い
画像形成装置を提供できるだけではなく、二酸化炭素は
毒性や可燃性も無く、トナーの製造上での安全性の面で
も好適である。
【0046】上記製造方法においては、着色剤成分とし
てカーボンブラックを含んでいてもよい。上記方法によ
れば、着色剤成分がカーボンブラックであるので、より
低価格で、カーボンブラックの良好な分散性を有する、
光学的および電気的特性に優れたモノクロトナーを供給
でき、かつ、所望の画像品位が少量で得られるため、画
像形成装置全体の小型化にも有効である。
【0047】上記製造方法においては、着色剤成分とし
て、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の内の何れかの
色の顔料を含んでいてもよい。上記方法によれば、着色
剤成分として、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の内
の何れかの色の顔料を含むトナーを製造でき、着色剤成
分の良好な分散性を有する、光学的および電気的特性に
優れたカラートナーを提供でき、かつ、所望の画像品位
が少量で得られるため、画像形成装置全体の小型化に有
効である。
【0048】上記製造方法では、超臨界流体中あるいは
亜臨界流体中に、帯電制御剤成分を含ませてもよい。上
記方法によれば、超臨界流体あるいは亜臨界流体中に、
帯電制御剤成分を混合することで、トナーの表面近傍に
帯電制御剤成分が偏在するトナーを簡便に、かつ、安定
に得られ、添加した帯電制御剤成分をトナーの帯電制御
に有効に利用できる。また、トナーの帯電制御に大きく
作用しない、トナーの内部には、帯電制御剤成分の存在
確率が小さいため、トナー単位重量当たりの、高価格な
帯電制御剤成分量を小さくできて、得られたトナーの低
価格化が可能である。
【0049】上記製造方法においては、帯電制御剤成分
を外添してもよい。上記方法によれば、帯電制御剤成分
を外添することで、トナーの表面近傍に帯電制御剤成分
が偏在するトナーを簡便に、かつ、安定に得られ、添加
した帯電制御剤成分をトナーの帯電制御に有効に利用で
きる。また、トナーの帯電制御に大きく作用しない、ト
ナーの内部には、帯電制御剤成分の存在確率が小さいた
め、トナー単位重量当たりの、高価格な帯電制御剤成分
量を小さく設定できて、得られたトナーの低価格化が可
能である。
【0050】その上、上記方法では、帯電制御剤を超臨
界流体あるいは亜臨界流体中に溶解させる条件を設定し
たり、上記帯電制御剤成分の析出順序を制御したりする
といった製造プロセスの条件設定の制約も緩和できるこ
とから、安定した品質のトナーを供給できる。
【0051】本発明のトナーは、前述の課題を解決する
ために、上記の各製造方法の何れかの方法にて作製され
ていることを特徴としている。上記構成によれば、着色
剤成分の優れた分散性により、上記着色剤成分の含有量
を大きく設定しても、上記着色剤成分の着色力を維持で
きる。
【0052】この結果、上記構成では、トナーの使用量
を低減しても、優れた画像形成能を維持しながら、上記
トナーを用いた画像形成装置の小型化に寄与できる。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明の実施の各形態について図
1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0054】〔実施の第一形態〕本発明の実施の第一形
態に係るトナーについて、その製造方法に基づき説明す
ると、上記製造方法は、結着樹脂成分を、超臨界流体中
あるいは亜臨界流体中にて溶解して、着色剤成分と混合
し、上記超臨界流体中あるいは亜臨界流体中における結
着樹脂成分の溶解度を低下せしめて、上記結着樹脂成分
を、結着樹脂成分の内部に着色剤成分を分散させながら
粒子状に析出させる方法である。
【0055】物質の温度・圧力をある一定条件(臨界
点)以上に設定すると、気相と液相とでの密度が等しい
状態の流体となり、この臨界点近傍以上の温度・圧力下
での流体が超臨界流体と呼ばれている。また、超臨界点
未満であっても、臨界点に近い条件でも超臨界流体に近
い状態となり、このような流体を亜臨界流体と呼ぶ。
【0056】超臨界流体あるいは亜臨界流体(以下の、
超臨界流体の記載では、特に断らないかぎり亜臨界流体
も含むものとする)中では、気体の性質と液体の性質が
共に現れる。例えば、密度は液体に近く(気体の数10
0倍程度)、粘度は気体に近く(液体の1/10ないし
1/100程度)、拡散係数も液体の1/10ないし1
/100程度、熱伝導度は液体に近い(気体の100倍
程度)とすることができる。
【0057】超臨界流体は、一般的に非常に物を溶かす
力が大きく、温度・圧力の変化により物質の溶解力を大
幅に変化させることができる性質を有している。これ
は、反応溶媒や抽出溶媒としては非常に優れたものであ
り、近年、物質の分離・抽出・精製等の分野で盛んに研
究がされている。例として、コーヒーにおけるカフェイ
ン抽出や、廃棄物の分離・抽出等が挙げられる。
【0058】また、超臨界流体中に、所望の物質を溶解
し、急速膨張〔RESS法(RapidExpansion of Superc
ritical Solution)〕させたり、貧溶媒や界面活性剤を
添加したりすることで、超臨界流体中における溶質分の
溶解度が大幅に低下し、この作用によって溶解していた
物質が析出することを利用した微粒子の作製等も行われ
ている。
【0059】超臨界流体を用いて、微粒子を作製する方
法としては、例えば特開平10−133417号公報に
記載されている技術がある。この方法は、あくまでトナ
ーに外添される微粒子の製造方法に関するものであり、
トナー自身の製造方法については、何ら記載されていな
い。
【0060】本発明者らは、超臨界流体に関する前述の
ような性質に着目し、これをトナー作製への適用を種々
試み、本発明を見出した。すなわち、前述したようにト
ナーを用いる電子写真方式の画像形成装置における小型
化を達成するのに、トナーの着色力を高めることが重要
である。この場合に、トナー中の着色剤量を増加させる
際に着色剤の分散性を向上させなければならない。
【0061】ここで、着色剤成分とトナーの結着樹脂成
分とを反応容器中にて超臨界流体中に混合することによ
り、超臨界流体の特徴である物質を良く溶かし、およ
び、大きな拡散係数により、溶解した物質(着色剤成
分)または混合した物質(微粒子の着色剤成分)が、上
記物質の凝集を防止しながら、均一に分散する。この作
用により着色剤成分は超臨界流体において良好な分散状
態となる。
【0062】この後、反応容器内の超臨界流体を、例え
ば減圧することにより、溶解していた溶質成分が析出し
てくる。このとき、RESS法等の方法によって、超臨
界流体における、溶質の溶解度を急速に低下させると、
溶解していた結着樹脂成分が微粒子状となって析出す
る。この際、超臨界流体中で着色剤成分が良好な分散状
態となっているため、結着樹脂成分の微粒子中に着色剤
成分が均一に分散された状態で、微粒子状のトナーを得
ることができる。
【0063】ここで、超臨界流体として使用可能な物質
として、例えば、CO2 、N2 、CH4 、C2 6 、C
3 H、NH3 、CF3 Cl、CH3 OH、C2 5
H、H2 O等が挙げられる。
【0064】また、結着樹脂成分としては、トナーに用
いられる樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポ
リスチレン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン
/アクリル共重合体などのスチレン系樹脂や、ポリエチ
レン、ポリエチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレ
ン/ビニルアルコール共重合体などのエチレン系樹脂、
ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ま
た、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルフタレ
ート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
マレイン酸系樹脂等を用いることができる。上記結着樹
脂成分の、重量平均分子量は、103 から106 の範囲
内が望ましい。
【0065】着色剤成分としては、例えば、カーボンブ
ラックや、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロ
ームイエロー、ウルトラマリンイエロー、メチレンブル
ー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレ
ンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ローズベ
ンガル、ジスアゾイエロー、カーミン6B、キナクリド
ン系顔料等が挙げられる。上記着色剤成分の粒子径(1
次粒子)は、40nm〜400nm、好ましくは、10
0nm〜200nmである。
【0066】また、超臨界流体に混合する上記の結着樹
脂成分や着色剤成分に加え、超臨界流体あるいは亜臨界
流体と溶質間との親和力を高めるために、添加助剤(エ
ントレーナー)を加えてもよい。
【0067】添加助剤としては、使用する超臨界流体の
物質と、混合する溶質との組み合わせにもよるが、アル
コール類(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等)や、ケトン類(メチルエチルケト
ン、アセトン、シクロヘキサノン等)や、エーテル類
(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、炭化水
素類(トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン等)や、エ
ステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルアセテー
ト、アルキルカルボン酸エステル等)や、ハロゲン化炭
化水素類(クロロベンゼン、ジクロロメタン等)や、
水、アンモニア、等が挙げられる。ただし、水やアンモ
ニアを添加助剤として用いる場合は、水、アンモニアを
超臨界流体あるいは亜臨界流体として用いないときであ
る。
【0068】次に、本発明のトナーを作製するための製
造装置としては、例えば図1に示すにような構成が挙げ
られる。まず、超臨界流体とする物質が充填されたガス
ボンベ1より、反応容器に向けガスが供給される。この
ガスは加圧ポンプ2により所望の圧力に高められる。ま
た、エントレーナー(添加助剤)3も同様に加圧ポンプ
4で所望の圧力まで高められる。これら高圧ガスやエン
トレーナー3はバルブ5、6を介して反応容器7に送ら
れる。このとき、図示しないが、予熱コイル等で高圧ガ
スを所望の温度近くまで温調してもよい。また、反応容
器7へ導入する前に、超臨界ガスとエントレーナー3と
を図示していないが予め別の容器中で混合しておいても
よい。
【0069】反応容器7中には、トナー材料となる結着
樹脂成分18と着色剤成分20を封入しておき、この反
応容器7は例えばヒーター8やあるいは図示していない
が恒温水槽等で所望の温度となるよう構成されている。
また、前記のバルブ5、6により、反応容器7内は所望
の圧力となるように調整される。これら温度、圧力は温
度計13、圧力計14によりモニターされる。このよう
にして反応容器7中には超臨界状態となった超臨界流体
22、エントレーナー3、結着樹脂成分18、着色剤成
分20が混合された状態となる。このとき、必要に応じ
て、図示していないが、攪拌装置(例えば、プロペラ状
の攪拌装置等)にて反応容器7内を攪拌してもよい。
【0070】図2(a)ないし図2(d)に、超臨界流
体22を用いてのトナー作製における概略の各工程図を
示す。図2(a)に示すように、導入前の、結着樹脂成
分18および着色剤成分20は固体状であるが、超臨界
流体22中では、図2(b)に示すように、エントレー
ナー3の作用も働いて、結着樹脂成分18が溶解して、
結着樹脂分子18aとなり、また、着色剤成分20も反
応容器7中にて溶解し、または1次粒子に解きほぐされ
て分散した着色剤20aとなり、それぞれ、それら両者
間に介在する超臨界流体22やエントレーナー3の各分
子により互いに拡散し合った状態となっている。
【0071】このような状態を維持し、図1に示す減圧
バルブ9を開くことによって、反応容器7内の超臨界流
体22が急速膨張する。このとき、超臨界流体22中に
溶解していた各溶質の溶解度は、それぞれ著しく低下
し、その結果、各溶質が微粒子状にそれぞれ析出する。
【0072】この工程において、着色剤成分20および
結着樹脂成分18と、エントレーナー3および超臨界流
体22との間での親和性、および、反応容器7の圧力調
整条件を適切に設定することで、図2(c)に示すよう
に、微粒子状に析出した結着樹脂成分18中に、さらに
着色剤成分20がほぼ均一に分散した状態にて抱埋され
た状態となっているトナー微粒子12を得ることができ
る。これらトナー微粒子12は、ノズル10を介して、
粒子捕集箱11にて採取され、3μm〜7μmの体積平
均粒子径を有するものである。
【0073】上記工程においては、急速膨張に代えて、
上記粒子捕集箱11中へ、超臨界流体22中に溶解して
いる溶質成分に対して貧溶媒として作用する溶媒(例え
ば、溶質としての結着樹脂成分18に対して不活性なガ
ス等)を満たし、または、界面活性剤〔ニューセラミッ
クス(1995),No. 1, 8頁を参照下さい〕を注入
し、この中に前記超臨界流体22を導入することによっ
て、溶質成分を急速に析出させ、トナー微粒子12を生
成せしめた後、これら超臨界流体22や貧溶媒成分また
は界面活性剤を除去し、トナーを作製してもよい。
【0074】この後、このようなトナーに対し、必要に
応じて、流動性等を調整するために、シリカ等の微粉体
等を公知の手法(例えば、乾式のミキサー等)により外
添処理し、最終のトナーを作製してもよい。
【0075】このように作製されたトナーは、結着樹脂
成分18に対し、10重量%以上の多量の着色剤成分2
0を含有したものでも、着色剤成分20の分散性が良好
であり、また、大部分の着色剤成分20が結着樹脂成分
18中に抱埋された状態であるので、トナー微粒子12
の表面への着色剤成分20の露出も小さいものとなって
いる。
【0076】図3に示すように、本発明に係る実施の第
一形態のトナー(図3中の細実線にて示し、トナー
量:0.2mg/cm2 、着色剤量30重量%)では、
その分光透過特性は、従来の重合法で作製された標準的
な着色剤含有量のトナー(図3中の細破線にて示し、
トナー量:0.9mg/cm2 、着色剤量7重量%)を
用いた一般的なトナー使用量の分光透過特性と比べ、少
量で、ほぼ同等な所望の分光透過特性が得られている。
【0077】また、上記従来の重合法で作製されたトナ
ー(図3中の一点鎖線に示し、トナー量:0.2mg
/cm2 、着色剤量7重量%)を、上記実施の第一形態
のトナーと同様に少量となるように用いた場合、その分
光透過特性は、トナー量が少ないため、本来、吸収させ
たい波長領域(500nm〜600nm)の吸収が十分
に得られず、発色不良を生じるという不具合を有してい
る。
【0078】また、着色剤量を増加させて従来の重合法
で作製したトナー(図3中の二点鎖線にて示し、トナ
ー量:0.3mg/cm2 、着色剤量20重量%)で
は、本来、透過させたい各波長領域(400nm〜50
0nmや600nm〜700nm)の吸収が増え、所望
の分光透過特性が得られない、つまり発色不良となって
いる。
【0079】さらに、特にトナーを溶融混練粉砕法で作
製した、従来の場合には、粉砕工程で着色剤界面での解
砕が起こり易く、トナー表面に着色剤が多量に露出した
状態となる。このような従来のトナーでは、トナー帯電
特性が劣化し、地カブリや画像の劣化が生じ易くなる。
【0080】しかしながら、本発明のトナーでは、その
ような各劣化の発生が防止されて、良好なトナー帯電特
性が得られ、かつ、発色不良も回避されて画像形成も良
好なものとなっている。さらに、超臨界流体22の反応
溶媒としての優れた特徴から、トナー微粒子12の原料
となる物質を溶解し、分散し、粒子形状とするまでの時
間は、従来法の重合法等と比べて、著しく短い。また、
反応溶媒となる超臨界流体22は、減圧膨張させること
で気体として排出可能であるから、粒子状のトナーの作
製後の洗浄・乾燥工程も不要である。
【0081】通常、重合法などでトナーを作製すると、
重合時間だけで数時間を要し、さらにはその前後の材料
の分散工程や、洗浄・乾燥工程を含めると、さらに数時
間が必要である。これに比べ、本発明の方法では、数分
から数十分の時間で完了でき、トナー製造にかかるエネ
ルギーの低減、生産コストの削減が可能である。
【0082】その上、結着樹脂成分18を、超臨界流体
22中で、少なくとも一つの単量体成分の重合によって
作製してもよい。この場合、所望の結着樹脂成分18の
原材料成分となる単量体(モノマー)と適切な重合開始
剤を超臨界流体22中に導入し、重合反応せしめる温
度、圧力に設定すればよい。この場合も、上述したよう
な効果が得られるだけでなく、結着樹脂成分18の製造
にかかるコストも軽減され、得られたトナーの低価格化
に貢献する。
【0083】さらには、前記エントレーナー3として、
常温・常圧下では、結着樹脂成分18と非相溶なものを
選択することが好ましい。すなわち、超臨界流体22を
減圧し除去した際に、図4(a)に示すように、エント
レーナー3成分がわずかにトナー微粒子12に付着して
残存し、これらが結着樹脂成分18と相溶性の場合、図
4(b)に示すように、得られたトナー微粒子12同士
の合一が発生することがあり、図5に示すように、所望
の粒子径のものが得られないことがある。
【0084】しかしながら、前記エントレーナー3とし
て、常温・常圧下では、結着樹脂成分18と非相溶なも
のを選択することで、トナー微粒子12同士の合一を防
止できて、所望の粒子径のトナーを安定して得られる。
また、トナー作製後の再解砕や分級等の作業が不要とな
り、製造コストの低減に貢献できる。
【0085】さらに、本発明の着色剤成分20の分散性
が良好な特性を利用すれば、従来法のような着色剤の含
有量よりも多くの着色剤成分20をトナーに対し添加す
ることができる。これによって、より少量のトナー使用
量でも所望の画像品位が得られ、上記トナーを収納して
いる画像形成装置の小型化に有効である。、通常、従来
法にて作製されたトナーでは、着色剤量は、結着樹脂成
分100重量%に対し、数重量%程度であり、本発明の
作用を効果的に発揮するには、着色剤成分20の含有量
としては、結着樹脂成分18に対し、10重量%以上、
50重量%以下の添加量とすることで、画像形成装置の
小型化に貢献できる。
【0086】超臨界流体22とする物質としては、様々
な選択肢があるが、その中でも、二酸化炭素の使用が望
ましい。二酸化炭素は、約31℃、約7.3MPaにて
超臨界状態となる。臨界温度がほぼ室温付近であるた
め、比較的容易に超臨界状態を得ることができる。ま
た、二酸化炭素は、毒性や可燃性も無く、安全性の面で
も好適である。さらには、二酸化炭素は、原料ガスとし
ても安価であり、より低価格化を達成する上で望まし
い。
【0087】また、モノクロのトナーにおいては、添加
する着色剤成分20として、カーボンブラックが好適で
ある。これは、粉体の状態でもよいし、グラフト処理さ
れたものであってもよい。カーボンブラックの1次粒子
径は、10nmないし100nm、好ましくは20nm
ないし50nm程度と非常に小さいため、カーボンブラ
ック粒子は、それら同士の凝集が生じ易い。
【0088】しかしながら、本発明のように超臨界流体
22中での良好な分散性を利用することで、得られたト
ナーの結着樹脂成分18中の着色剤成分20の分散性を
向上できる。さらに、カーボンブラックは、比較的低価
格であり、これを分散性の良好な状態で使いこなすこと
で、より低価格で良好な光学特性を有するトナーを提供
できる。
【0089】また、着色剤成分20として、シアン、マ
ゼンタ、イエローの色相を有するものを添加してもよ
く、この場合では、得られたトナーは、カラートナーと
して利用できる。上記各色相を呈するための着色剤成分
20としては、例えば、前述の各顔料を挙げることがで
きる。これらの着色剤成分20は、粉体の状態で供給し
てもよいし、また、結着樹脂成分18中に高濃度に添加
したマスターバッチ状であってもよい。
【0090】前述したように、カラートナーを用いたカ
ラー画像形成では、モノクロ画像よりもさらに多くのト
ナーを用いる。よって、本発明を適用した、顔料である
着色剤成分20の含有率の多い着色の高めたトナー使用
は、カラー画像形成装置の小型化に非常に有効である。
【0091】反応容器7中の超臨界流体22に混合する
成分として、離型剤(ワックス)成分を含めてもよい。
ワックス成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
【0092】ワックス成分と結着樹脂成分18と着色剤
成分20とを、超臨界流体22およびエントレーナー3
に対する親和力を適切な関係とすることで、超臨界流体
22を減圧(または貧溶媒あるいは界面活性剤を導入)
する過程において、各溶質成分の溶解度を相違させて、
例えば、ワックス成分を一番早く析出するように設定す
れば、先に析出した粒子状のワックス成分の周りに、続
いて、析出した結着樹脂成分18と着色剤成分20とが
付着し、ワックス内抱型のトナーとすることができる。
【0093】このようなワックス内抱型のトナーでは、
トナー中央部にワックス成分が存在し、その周りに、結
着樹脂成分18中に着色剤成分20が分散された層を覆
っているものが好ましい。
【0094】このようなワックス内抱型のトナーの製造
条件としては、全ての溶質成分が超臨界流体22に溶解
している状態から、減圧膨張あるいは貧溶媒添加等の操
作により、ワックス成分、着色剤成分20並びに結着樹
脂成分18の順で析出させる、以下の各条件a.〜c.
が挙げられる。
【0095】条件a.(ワックス成分を析出させる) 少なくともワックス成分同士の親和力が、ワックス成分
と超臨界流体22との親和力を上回ることによって、ワ
ックス成分のみがある程度の大きさで析出。このとき、
結着樹脂成分18は超臨界流体22中に溶解し、着色剤
成分20も凝集することなく、1次粒子の状態で超臨界
流体22中に分散している。
【0096】条件b.(着色剤成分20および結着樹脂
成分18を析出させ、析出した結着樹脂成分18中に着
色剤成分20を分散させる) 着色剤成分20と結着樹脂成分18との2成分間の親和
力が、これら2成分と超臨界流体22との親和力よりも
大きくなる。また、ワックス成分と超臨界流体22との
親和力が、前記の親和力よりも小さい。さらに、析出し
たワックス成分と、着色剤成分20および結着樹脂成分
18との親和力より、着色剤成分20と結着樹脂成分1
8との間の親和力の方が大きくなるようにする。よっ
て、このときは、超臨界流体22中に、析出したワック
ス成分と、着色剤成分20が分散された結着樹脂成分1
8が分離した状態で存在している。
【0097】条件c.(ワックス成分上に、着色剤成分
20が分散された結着樹脂成分18を析出させる) このときは、析出したワックス成分と、着色剤成分20
が分散された結着樹脂成分18との親和力が、その親和
力以外の全ての物質間の親和力よりも大きい状態とな
り、ワックス成分を、着色剤成分20が分散された結着
樹脂成分18で覆った形状のトナーとなる。
【0098】このような各条件a.〜c.によりトナー
を製造する際には、反応溶媒である、エントレーナー3
を含む超臨界流体22と、各溶質成分、また各溶質成分
間の親和力を以下の各条件A.〜C.のように設定すれ
ばよい。
【0099】条件A.(ワックス成分を析出) ワックス成分と超臨界流体22との間の親和力<(ワッ
クス成分同士の間の親和力、着色剤成分20および結着
樹脂成分18と超臨界流体22との間の親和力) 条件B.(着色剤成分20および結着樹脂成分18を析
出させ、結着樹脂成分18中に着色剤成分20を分散さ
せる) ワックス成分と超臨界流体22との間の親和力<(ワッ
クス成分同士の間の親和力、着色剤成分20および結着
樹脂成分18と超臨界流体22との間の親和力)<析出
したワックス成分と、着色剤成分20および結着樹脂成
分18との間の親和力<着色剤成分20と結着樹脂成分
18との間の親和力 条件C.(ワックス成分上に、着色剤成分20が分散さ
れた結着樹脂成分18を析出させる) ワックス成分と超臨界流体22との間の親和力<(ワッ
クス成分同士の間の親和力、着色剤成分20および結着
樹脂成分18と超臨界流体22との間の親和力)<着色
剤成分20と結着樹脂成分18との間の親和力<析出し
たワックス成分と、着色剤成分20が分散された結着樹
脂成分18との間の親和力 なお、このようなワックス内抱型のトナーにおいて、着
色剤成分20の配合位置を、上記の各親和力の設定を、
上記以外の種々に設定することで、ワックス成分と結着
樹脂成分18との間、または、ワックス成分内というよ
うに任意に設定することもできる。
【0100】カラートナーを用いた画像形成法では、一
般的に多量のトナーを使用するため、紙などの印字媒体
上にトナーを熱溶融し圧力をかけて固定化する工程(定
着工程)において、定着部材との離型性を向上させるた
めにシリコンオイルなどを塗布する方式が一般的である
が、ワックス内抱型のトナーでは定着部でのオイル塗布
機構が不要となり、装置の小型化に寄与できる。
【0101】また、ワックス成分を、結着樹脂成分18
や着色剤成分20と同等の溶解度変化を生じるように設
定すれば、結着樹脂成分18中に均一に分散した状態の
ワックス分散型のトナーとすることができる。
【0102】特にモノクロトナーでは、カラー画像形成
に比べ、多量のオイルは必要としないものの、微小量の
ワックス成分が存在することが好ましく、従来では、微
小量のワックス成分をトナー内に添加して必要な特性を
得ている。
【0103】しかしながら、従来のトナーでは、ワック
ス成分が集まり易いことから、上記ワックス成分の分散
性が不良になり易く、そのような分散性が不良な場合、
集合したワックス成分の露出による帯電特性の劣化や、
ワックス成分の配合量の不安定化に基づきトナーの熱溶
融挙動が不良となり、上記従来のトナーを用いた画像形
成装置においては十分な画質が得られないという不具合
を生じていた。
【0104】一方、本発明では、超臨界流体22中でワ
ックス成分を均一に溶解または分散できるから、ワック
ス成分の分散均一性に優れたトナーを作製することがで
き、上記不具合を回避した上記トナーを用いることによ
り、良好な画像品位を得ることができる。
【0105】ワックス分散型のトナーの製造では、ワッ
クス成分および着色剤成分20、結着樹脂成分18の順
で析出させることが好ましい。このような製造条件とし
ては、以下の条件d.および条件e.が挙げられる。
【0106】条件d(ワックス成分および着色剤成分2
0を析出させる) ワックス成分と着色剤成分20を析出させる。このと
き、ワックス成分と着色剤成分20とが付着し合わない
ように設定することが望ましい。
【0107】条件e(結着樹脂成分18を析出させる) 結着樹脂成分18を析出させ、ワックス成分および着色
剤成分20を結着樹脂成分18中に分散させ、トナー粒
子とする。このとき、ワックス成分と着色剤成分20と
の親和力より、ワックス成分と結着樹脂成分18との親
和力を高めにことにより、ワックス成分および着色剤成
分20を結着樹脂成分18中に良好に分散できる。
【0108】このような各条件d.〜e.によりトナー
を製造する際には、反応溶媒である、エントレーナー3
を含む超臨界流体22と、各溶質成分、また各溶質成分
間の親和力を以下の各条件D.〜E.のように設定すれ
ばよい。
【0109】条件D.(ワックス成分および着色剤成分
20を析出) ワックス成分と超臨界流体22との間の親和力、およ
び、着色剤成分20と超臨界流体22との間の親和力<
結着樹脂成分18と超臨界流体22との間の親和力 条件E.(結着樹脂成分18を析出) ワックス成分と超臨界流体22との間の親和力、およ
び、着色剤成分20と超臨界流体22との間の親和力<
結着樹脂成分18と超臨界流体22<着色剤成分20と
ワックス成分との間の親和力<結着樹脂成分18と、着
色剤成分20並びにワックス成分との間の親和力 さらに、トナーの帯電特性を調整する帯電制御剤成分
を、超臨界流体22中に供給してトナーを作製してもよ
い。帯電制御剤成分としては、例えば第4級アンモニウ
ム塩、ニグロシン、アミノ化合物、または有機染料、特
に、クロム含金染料や塩基性染料とその塩が知られてお
り、例えば、ベンジルジメチル−ヘキサデシルアンモニ
ウムクロライド、デシル−トリメチルアンモニウムクロ
ライド、ニグロシン塩基、ニグロシンヒドロクロライ
ド、サフラニンγ、クリスタルバイオレット等が挙げら
れる。
【0110】帯電制御剤成分と結着樹脂成分18、着色
剤成分20の超臨界流体22およびエントレーナー3に
対する親和力を適切な関係とすることで、超臨界流体2
2を減圧する過程において各溶質成分の溶解度を相違さ
せて、例えば、帯電制御剤成分の親和力を最も大きくな
るよう設定して、減圧過程で、結着樹脂成分18と着色
剤成分20とが先に析出して微粒子を形成し、この後
に、帯電制御剤成分が上記微粒子の表面上に析出するよ
うにすれば、帯電制御剤成分がトナー表面に偏在した状
態のトナーが得られる。
【0111】一般に、トナーの帯電は、トナー表面近傍
の電荷量に依存していることから、トナーの表面抵抗が
トナーの帯電状態に影響する。帯電制御剤成分は、その
トナーの表面抵抗を制御する目的で添加される。また、
帯電制御剤成分が比較的高価であるので、上記帯電制御
剤成分を含むトナーでは、トナー単位重量当たりの含有
量を低くできる程、上記トナーを低価格化できる。
【0112】よって、本発明のようなトナーでは、表面
近傍に帯電制御剤成分を偏在させことができるため、添
加した帯電制御剤成分をトナーの帯電制御に対し有効に
作用させることが可能となる。
【0113】また、トナーの帯電制御に大きく作用しな
い、トナー内部には帯電制御剤成分の存在確率が小さい
ため、帯電制御剤成分によるトナーの帯電制御能を維持
しながら、トナー単位重量当たりの帯電制御剤成分の含
有量を少なく設定でき、トナーの低価格化が可能であ
る。
【0114】このような帯電制御剤成分が表面に偏在し
たトナーの作製において、各成分と超臨界流体22との
親和力の設定について以下に説明する。まず、全ての溶
質成分が超臨界流体22に溶解している状態から、減圧
膨張等の溶解度を低下させる操作により、(着色剤成分
20並びに結着樹脂成分18)、帯電制御剤成分を、こ
の順で析出させることが好ましい。このような製造条件
としては、以下の条件f.および条件g.が挙げられ
る。
【0115】条件f.(着色剤成分20および結着樹脂
成分18を析出させる) 着色剤成分20および結着樹脂成分18を析出させ、結
着樹脂成分18中に着色剤成分20を分散させる。
【0116】条件g.(帯電制御剤成分を析出させる) 次いで、帯電制御剤成分を析出させ、着色剤成分20を
含んだ結着樹脂成分18成分の表面近傍に、帯電制御剤
成分を付着させる。なお、このとき、着色剤成分20の
結着樹脂成分18中での分散状態を維持するため、結着
樹脂成分18と着色剤成分20との親和力を最も大きく
設定しておくことが望ましい。
【0117】このような各条件f.〜g.によりトナー
を製造する際には、反応溶媒である、エントレーナー3
を含む超臨界流体22と、各溶質成分、また各溶質成分
間の親和力を以下の各条件F.〜G.のように設定すれ
ばよい。
【0118】条件F.(着色剤成分20および結着樹脂
成分18を析出) 着色剤成分20および結着樹脂成分18と超臨界流体2
2との間の親和力<帯電制御剤成分と超臨界流体22と
の間の親和力 条件G.(帯電制御剤成分を析出) (着色剤成分20、結着樹脂成分18および帯電制御剤
成分)と超臨界流体22との間の親和力<帯電制御剤成
分と結着樹脂成分18との間の親和力<結着樹脂成分1
8と着色剤成分20との間の親和力 なお、ワックス成分を含める場合は、前述の各条件A.
〜E.を、必要に応じてそれぞれ満たすように設定すれ
ばよい。
【0119】また、超臨界流体22とする物質や、エン
トレーナー3、結着樹脂成分18、着色剤成分20の組
み合わせによっては、上述のような、超臨界流体22を
減圧した際の溶解度の関係を設定できない場合もある。
このような場合は、得られたトナー粒子と帯電制御剤を
ミキサー等に投入し、混合し、外添処理することで、ト
ナー表面近傍に帯電制御剤を配置したトナーとしてもよ
い。このようにして作製されたトナーは上述の如き効果
が同様に呈される。
【0120】〔実施の第二形態〕本発明に係る実施の第
二形態のトナーとしては、表面改質材成分により表面改
質されたトナーが挙げられる。上記トナーは、例えば図
6および図7に示すように、母核トナー粒子26と、ト
ナー表面への表面改質材成分24とを反応容器7の超臨
界流体22中にて混合し、表面改質材成分24を上記超
臨界流体22中に溶解し、かつ、母核トナー粒子26を
1次粒子まで解きほぐしながら分散させ、この後、反応
容器7内の超臨界流体22を前述と同様の方法により減
圧することにより、溶解していた表面改質材成分24が
母核トナー粒子26の表面上に析出させたものが挙げら
れる。
【0121】このような作用によって、得られたトナー
では、着色剤成分20を多量に含んだ母核トナー粒子2
6の表面上に、表面改質材成分24がコートされた状態
となるので、最終のトナーにおいては、トナーの表面に
着色剤成分20が多量に露出することが防止され、か
つ、表面改質材成分24のコートにより機械的強度も改
善されたものとなる。
【0122】表面改質材成分24としては、上記の母核
トナー粒子26の結着樹脂成分18を用いることができ
る。さらに望ましくは、母核トナー粒子26の結着樹脂
成分18と異なる樹脂成分とする方が、母核トナー粒子
26を溶解せずに、表面改質材成分24だけを溶解する
ための条件制約が緩和され、製造上好ましい。
【0123】表面改質材成分24の樹脂成分と、母核ト
ナー粒子26の結着樹脂成分18とが同分類の物質、例
えば、ポリエステル系樹脂同士、アクリル系樹脂同士な
どであっても、分子量や、結晶化度や官能基の違いなど
により、超臨界流体22中での溶解度差を生じるように
条件設定(超臨界流体22とする物質や、エントレーナ
ー3の種類、温度・圧力条件など)すれば、母核トナー
粒子26は溶かさず、表面改質材成分24のみを溶解さ
せることも可能である。しかしながら、設定条件の制約
が厳しくなり、トナーの製造が不安定化する場合があ
る。
【0124】そこで、表面改質材成分24の樹脂成分
と、母核トナー粒子26の結着樹脂成分18とが互いに
異なる物質とすることで、製造上の条件制約が緩和さ
れ、より安定したトナーの表面改質が可能となる。
【0125】このような母核トナー粒子26の体積平均
粒子径は、3μmから7μmまでの範囲内ものが好まし
い。3μm未満の母核トナー粒子26は、好ましい溶融
混練粉砕法による製造が困難であり、7μmを超える
と、画像形成の際の画質が劣化して望ましくない。
【0126】さらには、例えば、表面改質材成分24の
樹脂成分を溶融温度の高いものとし、母核トナー粒子2
6の結着樹脂成分18を、上記表面改質材成分24の樹
脂成分よりも溶融温度が低いものに設定した場合、得ら
れた表面改質されたトナーでは、全体として定着時の溶
融温度が低いものの、表層側は溶け難い殻でコートされ
て、不要な箇所での溶融・固着の発生が抑制された機能
分離型のトナーを提供できる。
【0127】また、上記表面改質材成分24としては、
定着工程でトナーを溶融させた際、母核トナー粒子26
内の着色剤成分20による発色を良好とするために、可
視光領域における分光透過特性が良好なものが望まし
い。特に、カラー画像出力においては、色重ねによる2
次色、3次色を再現する必要があり、結着樹脂による不
必要な光の吸収を極力抑える必要がある。
【0128】そこで、可視光領域における分光透過特性
をより向上させるために、表面改質材成分24となる樹
脂成分として、光学特性に優れたポリエステル系樹脂や
アクリル系樹脂が好適である。これらの材料で表面改質
されたトナーでは、定着工程により溶融された際に、ト
ナー内の着色剤成分20の発色を妨げることなく、高品
位な画像を呈することができる。
【0129】このような表面の改質されたトナーの作製
の各工程について、図6および図7に基づいて説明する
と、まず、表面改質材成分24および母核トナー粒子2
6が反応容器7内にて混合された超臨界流体22中で
は、エントレーナー3の作用も働いて、表面改質材成分
24の樹脂成分が溶解する。
【0130】所望の時間、このような状態を維持し、次
に、減圧バルブ9を開くことによって、反応容器7内の
超臨界流体22が急速膨張する。このとき、超臨界流体
22中に溶解していた溶質つまり上記表面改質材成分2
4の樹脂成分の溶解度は著しく低下し、その結果、溶質
である上記表面改質材成分24の樹脂成分が析出し、母
核トナー粒子26の表面に表面改質材成分24がコート
された状態で表面改質トナー28を得ることができる。
これら表面改質トナー28は、ノズル10をかいして粒
子捕集箱11にて採取される。
【0131】なお、上記の溶解度を低下させる方法とし
ては、上述した急速膨張に代えて、前述の各方法(貧溶
媒や界面活性剤の導入)を用いることもできる。さら
に、得られた表面改質トナー28に対し、前述と同様
に、流動性調整剤としてシリカ微粒子等を外添してもよ
い。
【0132】また、上記母核トナー粒子26としては、
着色剤成分20の含有量が多い前述のトナー微粒子12
を用いてもよいが、従来の溶融混練解砕法に基づくトナ
ー粒子を用いる方が望ましい。
【0133】従来、着色剤をトナーに対し多量含有させ
た場合、トナー内において着色剤の分散性が不良である
と、かえって着色剤の着色性が低下することがある。ト
ナーの製造に重合法を用いた場合では、着色剤の分散性
をさらに向上させることが非常に難しい。例えば、最
も、一般的な懸濁重合法の場合、原材料(モノマーや着
色剤の混合物)中での、着色剤粒子の均一分散も、重合
反応中における着色剤粒子の再凝集が生じ易くなり、現
状以上の着色剤部数の添加が困難である。
【0134】一方、溶融混練粉砕法では、溶融混練して
着色剤が混合された結着樹脂片を粉砕して、所望の粒子
径のトナーを作製している。このため、上記溶融混練粉
砕法では、着色剤の分散に関しては、溶融混練時の剪断
力が大きく、また、混練後に急速に冷却することで、着
色剤粒子の再凝集を抑制でき、重合法に比べて有利では
ある。
【0135】しかしながら、溶融混練粉砕法では、粉砕
してトナーを作製するという製法上の理由から、得られ
たトナーは、その表面に着色剤粒子が多数露出した構造
になり、得られたトナーの電気特性(帯電特性)に悪影
響を与える。さらには、多量の着色剤を含有させると、
着色剤と結着樹脂間の界面が機械的に弱いため、粉砕工
程にて、得られたトナーが、所望する粒子径より微細化
し易いという欠点がある。
【0136】しかしながら、そのような溶融混練粉砕法
によるトナーに対し、本発明に係る表面改質法を適用し
て表面改質されたトナーを作製することで、上記欠点を
補うことができるため、母核トナー粒子26としては、
調製し易い溶融混練粉砕法にて作製されたトナーを用い
ることが望ましい。
【0137】この場合、本発明に係る、表面改質された
トナーは、母核トナー粒子26における着色剤成分20
の含有量を従来より多くしても、トナーの着色力を少な
くとも維持できることから、前述と同様に、上記トナー
を用いた画像形成装置の小型化に有利である。また、溶
融混練粉砕法自身も乾式のプロセスであり、本発明の表
面改質法とと同様に洗浄・乾燥工程が不要であり、トナ
ー製造の低コスト化にも貢献できる。
【0138】このような表面改質されたトナーでは、前
述した離型剤(ワックス)成分を、溶融混練粉砕法にて
調製されたトナーに含めてもよい。
【0139】溶融混練粉砕法にて調製されたトナーに対
し、単にワックス成分を多量に添加した場合、前述した
ように、画像形成装置の定着部でのオイル塗布機構を省
けるために、小型化を図れるが、トナーの表面にワック
ス成分が露出し、使用過程において、このワックス成分
が溶融し、画像形成装置内の不適切な箇所に、トナーが
融着したりするという不都合を生じることがある。
【0140】しかしながら、そのようなトナーに対し、
前述の本発明に係る表面改質を行うことにより、上記不
都合を回避でき、かつ、前記のオイル塗布機構も省ける
ために、画像形成装置の小型化も図れる。
【0141】また、画像形成装置自身の省エネルギー化
を目的として、トナーの低融点化を行う試みもある。こ
のような試みの場合、結着樹脂成分18中に低融点化を
促すワックス成分を含有させるが、この際、ワックス成
分が多量にトナー表面に露出すると前述と同様な不都合
を引き起こす恐れがある。この点についても、本発明に
係る表面改質法を、トナーの製造に適用することで良好
な画像形成を呈することが可能となる。
【0142】
【実施例】以下、本発明について具体的な各実施例に基
づき説明するが、本発明は以下の各実施例に限定される
ものではない。
【0143】〔実施例1〕本実施例1に係るトナーの製
造には、図1に示すようなトナー製造装置を用いる。反
応容器7の容積は、例えば1000cm3 のものであ
る。本実施例1では、超臨界流体22とするガスとして
二酸化炭素を用いる。また、エントレーナー3として
は、メタノール(一般的な試薬用の市販品である)を用
いる。
【0144】結着樹脂成分18としては、ポリエステル
系樹脂(三洋化成工業株式会社製、商品名:EP20
8)を50g、これを100重量%とした場合、着色剤
成分20としてカーボンブラック(三菱化学株式会社
製、商品名:MA100 )を10重量%ないし30重量%を
反応容器7内に予め投入しておく。なお、常温・常圧条
件下において、上記エントレーナー3は、結着樹脂成分
18と非相溶な関係のものである。
【0145】ガスボンベ1より供給された、二酸化炭素
ガスは加圧ポンプ2にて昇圧され、バルブ6を介して反
応容器7に導入される。エントレーナー3であるメタノ
ールも加圧ポンプ4を介して反応容器7に200ml導
入する。
【0146】ここで、排出用の減圧バルブ9は閉じたま
まであり、高圧状態の二酸化炭素の導入により、反応容
器7内の圧力が上昇する。また、ヒーター8にて反応容
器7内の温度を調整する。本実施例1では、320Kに
調整する。
【0147】反応容器7内の圧力が、7.3MPa以上
にて、反応容器7内は超臨界状態となる。本実施例1で
は、各バルブ5、6を調整して反応容器7内の圧力を2
0MPaに設定し、反応容器7内の、少なくとも結着樹
脂成分18を溶解させた状態に設定する。
【0148】この状態を、例えば20分間維持した後、
減圧バルブ9を開けて、反応容器7内の混合溶液をノズ
ル10より粒子捕集箱11内に排出することで急速膨張
させると、略球状に析出した結着樹脂成分18中に着色
剤成分20がほぼ均一に分散されて含有されたトナー微
粒子12は粒子捕集箱11内に堆積して捕集される。
【0149】このとき、上記混合溶液に含まれている超
臨界流体22としての二酸化炭素と、エントレーナー3
としてのメタノールは、図示していない回収機構により
回収され、さらに図示していない分別装置により二酸化
炭素とメタノールとに互いに分離され、それぞれ再利用
される。
【0150】本実施例1では、常温・常圧条件下におい
て、結着樹脂成分18と非相溶なエントレーナー3を使
用しているため、仮に、得られたトナー微粒子12の表
面にエントレーナー3が微量付着していても、各トナー
微粒子12同士の合一(つまり相互間での結合)が発生
せず、微細な状態のままのトナー微粒子12を得ること
ができる。この後、流動性等を調整するためにシリカ
(日本エアロジル株式会社製、商品名:R972)0.1重
量%を公知の手法(例えば、乾式のミキサー等)により
外添処理し、最終のトナーを得る。
【0151】こうして作製されたトナーは、着色剤成分
20の含有量が高く、かつ、着色剤成分20の分散性が
優れていることから、少量でも所望の印字濃度が得ら
れ、所定の印字枚数を得るのに必要なトナー量も従来の
トナーを用いた場合に比べ、数分の1で済み、トナー交
換サイクルを短くすることなく、使い勝手のよい、小型
の画像形成装置を提供することができる。
【0152】従来法(例えば公知の溶融混練粉砕法)
で、本実施例1のような高濃度の着色剤成分20を含有
させて作製したトナーの場合、画像品位としては地カブ
リの発生や、使用環境によりトナー帯電量の不安定さが
増し、良好な画像形成が阻害される。
【0153】また、従来法では、長期使用によりトナー
粒子が解砕し、微粉が発生したり、粒径分布が変化し、
画像品位が劣化するという不具合を生じる。しかしなが
ら、本発明を適用したトナーでは、上記のような不具合
を防止できて、良好な画像形成が安定して得られる。
【0154】〔実施例2〕上記実施例1では、結着樹脂
成分18として予め樹脂(高分子)状としたものを用い
たが、以下のようにして結着樹脂成分18の原料となる
単量体を用いても、本発明のトナーを作製することが可
能である。
【0155】本実施例2では、結着樹脂成分18とし
て、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いるこ
とを想定し、反応容器7内にPMMAの原料となる、メ
チルメタクリレート単量体を50g投入し、さらに重合
開始剤としてアゾビス−イソブチロニトリル(AIB
N)を1重量%程度投入し、前述の如く二酸化炭素を反
応容器7内に昇圧して導入し、第1の超臨界状態とす
る。このときの反応容器7内の条件として、温度が33
0Kないし340K、圧力が約20MPaに設定されて
いる。
【0156】この状態で1時間ないし2時間定置し、第
1の超臨界状態にて重合反応を行い、所望の結着樹脂成
分18としてのPMMAを超臨界流体22に溶解した状
態で生成する。
【0157】この後、前記実施例1に記載の着色剤成分
20を反応容器7内に導入し、反応容器7内の温度を3
20K、圧力を20MPaの第2の超臨界状態とし、前
記実施例1と同様に操作して、トナーを作製する。この
トナーにおいても、前記実施例1で述べたような効果が
呈される。
【0158】〔実施例3〕本発明に係るカラーのトナー
を作製する場合、着色剤成分20としては、前述の発明
の実施の形態の欄にて例として挙げた各顔料等を用いる
ことができる。本実施例3では、例としてマゼンタ色の
トナーの場合について述べる。本実施例3では、前記実
施例1と同様な装置、方法にて、カラーのトナーを作製
するが、着色剤成分20として顔料であるカーミン6B
を10重量%ないし30重量%となるように設定する。
【0159】このとき、着色剤成分20を、顔料等が結
着樹脂成分18中に高濃度に分散したマスターバッチと
してもよい。この際のマスターバッチ添加量は着色剤成
分20が10重量%ないし30重量%となるように設定
すればよい。また、マスターバッチの樹脂成分は、結着
樹脂成分18と同じ物にするのが望ましい。この方が、
超臨界流体22とエントレーナー3との混合体に対する
溶解度設定のパラメーターが増加せず、よりトナー作製
が簡便になるためである。
【0160】後は前述の実施例1あるいは実施例2と同
様に操作してトナーを作製する。また、シアン色やイエ
ロー色のトナーを作製する場合は、混合する着色剤成分
20を前述の例として挙げた物にすればよい。本実施例
3の記載の方法に基づいて作製されたトナーについて
も、前述の実施例1にて述べた効果が呈され、さらに、
カラー画像形成装置においては、カラー画像形成装置を
より小型化するのに有効である。
【0161】〔実施例4〕上記各実施例1〜3におい
て、反応容器7中に導入する物質として、離型剤(ワッ
クス)成分を導入してもよい。本実施例4では、ワック
ス成分としてポリプロピレン(三洋化成株式会社製、商
品名:550P)およびポリエチレン(ヘキストジャパン株
式会社製、商品名:PE130 )を結着樹脂成分18が10
0重量%に対して、それぞれ、2重量%、1.5重量%
を導入する。このような各物質を反応容器7内に用意
し、前記各実施例1〜3と同様な操作にてトナーを作製
する。本実施例4に係るトナーにおいても、前記実施例
1にて述べた効果が呈されるだけでなく、ワックス成分
の添加によって、良好な定着性能も得られる。
【0162】〔実施例5〕上記各実施例1〜4におい
て、反応容器7中に導入する物質として帯電制御剤成分
を導入してもよい。本実施例5では、帯電制御剤成分と
して、クロム含金染料(オリエント化学株式会社製、商
品名:ボントロンS-34)を結着樹脂成分18が100重
量%に対して、1重量%を導入する。このように反応容
器7内の各物質を用意し、前記各実施例1〜4と同様な
方法にてトナーを作製する。
【0163】本実施例5に係るトナーについても、前記
実施例1〜4にて述べた効果が呈される。その上、本実
施例5に係るトナーは、さらに良好な帯電特性が得られ
るだけではなく、その効果が少量の帯電制御剤で達成さ
れるので、トナーの低コスト化に有効で、ランニングコ
ストの安い画像形成装置を提供できるものとなってい
る。
【0164】〔実施例6〕前記各実施例1〜4において
作製された外添前のトナー微粒子12を粒子捕集箱11
より取り出し、ヘンシェルミキサー等の乾式混合機によ
り帯電制御剤を外添処理する。
【0165】本実施例6に係るトナーについても、前記
実施例1〜4にて述べた効果が呈される。その上、本実
施例6に係るトナーは、さらに良好な帯電特性が得られ
るだけではなく、その効果が少量の帯電制御剤で達成さ
れるので、トナーの低コスト化に有効で、ランニングコ
ストの安い画像形成装置を提供できるものとなってい
る。さらには、本実施例6に係るトナーは、トナー製造
条件の制約も緩和できるので、安定した品質のトナー供
給が可能となる。
【0166】〔実施例7〕本実施例7に係るトナーの製
造には、図1に示すようなトナー製造装置を用いる。反
応容器7の容積は、例えば1000cm3 のものであ
る。本実施例7では、超臨界流体22とするガスとして
二酸化炭素を用いる。また、エントレーナー3として
は、メタノール(一般的な試薬用の市販品である)を用
いる。
【0167】母核トナー粒子26としては、スチレン−
アクリル系樹脂(積水化学株式会社製、商品名:エスレ
ック P598 )を結着樹脂成分18とし、着色剤成分20
としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品
名:MA100 )を20重量%となるように配合したもので
ある。上記母核トナー粒子26は、公知の溶融混練粉砕
法にて作製され、体積平均粒子径が約5μmのものであ
る。
【0168】上記の、50gの母核トナー粒子26と、
表面改質材成分24としての樹脂成分としてポリエステ
ル系樹脂5gとを反応容器7内に予め投入しておく。な
お、常温・常圧条件下において、上記エントレーナー3
は、結着樹脂成分18、および表面改質材成分24の樹
脂成分とそれぞれ非相溶な関係なものである。
【0169】ガスボンベ1より供給された、二酸化炭素
ガスは加圧ポンプ2にて昇圧され、バルブ6を介して反
応容器7に導入される。エントレーナー3であるメタノ
ールも加圧ポンプ4を介して反応容器7に200ml導
入する。
【0170】ここで、排出用の減圧バルブ9は閉じたま
まであり、高圧状態の二酸化炭素の導入により、反応容
器7内の圧力が上昇する。また、ヒーター8にて反応容
器7内の温度を調整する。本実施例7では、320Kに
調整する。
【0171】反応容器7内の圧力が、7.3MPa以上
にて、反応容器7内は超臨界状態となる。本実施例7で
は、各バルブ5、6を調整して反応容器7内の圧力を2
0MPaに設定し、反応容器7内の、少なくとも、表面
改質材成分24の樹脂成分を超臨界流体22中に溶解さ
せた状態に設定する。
【0172】この状態を、例えば20分間維持した後、
減圧バルブ9を開けて、反応容器7内の混合溶液をノズ
ル10より粒子捕集箱11内に排出することで急速膨張
させると、母核トナー粒子26の表面上に表面改質材成
分24が析出し、これを粒子捕集箱11内に堆積させて
捕集する。
【0173】このとき、超臨界流体22としての二酸化
炭素と、エントレーナー3としてのメタノールは、図示
していない回収機構により回収され、さらに図示してい
ない分別装置により二酸化炭素とメタノールとに互いに
分離され、それぞれ再利用される。
【0174】本実施例7では、常温・常圧条件下におい
て、表面改質材成分24の樹脂成分と非相溶なエントレ
ーナー3を使用しているため、仮に、得られた表面改質
されたトナー微粒子の表面にエントレーナー3が微量付
着していても、各トナー微粒子同士の合一(つまり相互
間での結合)が発生せず、微細な状態のままのトナー微
粒子を得ることができる。この後、流動性等を調整する
ためにシリカ(日本エアロジル株式会社製、商品名:R9
72)0.1重量%を公知の手法(例えば、乾式のミキサ
ー等)により外添処理し、最終のトナーを得る。
【0175】こうして作製されたトナーは、着色剤成分
20の含有量が高く、かつ、着色剤成分20の分散性が
優れていることから、少量でも所望の印字濃度が得ら
れ、所定の印字枚数を得るのに必要なトナー量も従来の
トナーを用いた場合に比べ、数分の1で済み、トナー交
換サイクルを短くすることなく、使い勝手のよい、小型
の画像形成装置を提供することができる。
【0176】従来法(例えば公知の溶融混練粉砕法)
で、本実施例7のような高濃度の着色剤成分20を含有
させて作製したトナー(表面改質無)の場合、画像品位
としては地カブリの発生や、使用環境によりトナー帯電
量の不安定さが増し、良好な画像形成が阻害される。
【0177】また、従来法では、長期使用によりトナー
粒子が解砕し、微粉が発生したり、粒径分布が変化し、
画像品位が劣化するという不具合を生じる。しかしなが
ら、本発明を適用した、トナーでは、表面改質材成分2
4による表面改質によって、上記のような不具合を防止
できて、良好な画像形成が安定して得られる。
【0178】〔実施例8〕上記実施例7では、表面改質
材成分24の樹脂成分として予め樹脂(高分子)状とし
たものを用いたが、以下のようにして上記樹脂成分の原
料となる単量体を用いても、本発明の、表面改質された
トナーを作製することが可能である。
【0179】本実施例8では、図6に示すように構成の
製造装置を用いる。表面改質材成分24の樹脂成分とし
て、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を
用い、反応容器7内にPMMAの原料となる、メチルメ
タクリレート単量体を5g、さらに重合開始剤としてア
ゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)を1重量%程
度投入し、前述の如く二酸化炭素を反応容器7内に昇圧
して導入し、第1の超臨界状態とする。このときの反応
容器7内の条件として、温度が330Kないし340
K、圧力が約20MPaに設定されている。
【0180】この状態で1時間ないし2時間静置し、第
1の超臨界状態にて重合反応を行い、表面改質材成分2
4の所望の樹脂成分としてのPMMAを超臨界流体22
に溶解した状態で生成する。この場合、表面改質材成分
24としての樹脂成分は、粒子捕集箱11内にて生成さ
れるのではなく、反応容器7内に生成される。
【0181】この後、前記実施例7に記載の母核トナー
粒子26を母核トナー粒子収容器15からバルブ16を
介して反応容器7内に導入し、反応容器7内の温度を3
20K、圧力を20MPaの第2の超臨界状態とし、前
記実施例7と同様に操作して、トナーを作製する。この
トナーにおいても、前記実施例7で述べたような効果が
呈される。
【0182】〔実施例9〕前記の各実施例7、8に基づ
くカラーのトナーを作製する場合、着色剤成分20とし
ては、前述の発明の実施の形態の欄にて例として挙げた
各顔料等を用いることができる。本実施例9では、例と
してマゼンタ色のトナーの場合について述べる。本実施
例9では、前記実施例7と同様な装置、方法にて、カラ
ーのトナーを作製するが、着色剤成分20として顔料で
あるカーミン6Bを20重量%となるように設定する。
【0183】後は前述の実施例7あるいは実施例8と同
様に操作してトナーを作製する。また、シアン色やイエ
ロー色のトナーを作製する場合は、混合する着色剤成分
20を前述の例として挙げた物にすればよい。本実施例
9の記載の方法に基づいて作製されたトナーについて
も、前述の実施例7にて述べた効果が呈され、さらに、
カラー画像形成装置においては、カラー画像形成装置を
より小型化するのに有効である。
【0184】さらに、本実施例9に係る、カラーのトナ
ーでは、表面改質材成分24の樹脂成分として、ポリエ
ステル系樹脂を用いることにより、着色剤成分20の発
色を妨げることなく、良好な画像形成が呈される。ま
た、上記樹脂成分として、アクリル系樹脂を用いても同
様に良好な画像形成が呈される。
【0185】このように作製されたトナーでは、図3の
太線(トナー量0.3mg/cm 2 、着色剤量20重
量%)に示すように、少量でも従来のトナーと同等の分
光透過特性が得られる。
【0186】また、比較のため、可視光領域の分光透過
特性が不良な表面改質材を用いたトナー(トナー量0.
3mg/cm2 、着色剤量20重量%)の場合は、図3
の太破線に示すように、本来、透過率を高めたい波長
領域において不必要な吸収が増加している。
【0187】したがって、本実施例9のように、表面改
質材成分24に可視光領域の分光透過特性が良好な樹脂
成分(ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂)を用いた
場合は、所望の分光透過特性が得られ、良好な画像形成
が行えるトナーとなることが判る。
【0188】上記分光透過特性の測定方法は以下の通り
である。まず、所定量のトナーをガラスプレート等の透
明板上に薄層形成し、これを加熱して上記トナーを溶融
させてトナー層を有するサンプルとする。上記サンプル
を市販の分光光度計にセットし、上記トナー層の分光透
過率を計測して分光透過特性としている。
【0189】〔実施例10〕上記各実施例7〜9におい
て、母核トナー粒子26中に離型剤(ワックス)成分を
導入してもよい。本実施例10では、ワックス成分とし
てポリプロピレン(三洋化成株式会社製、商品名:550
P)およびポリエチレン(ヘキストジャパン株式会社
製、商品名:PE130 )を母核トナー粒子26の100重
量%に対して、それぞれ、2重量%、1.5重量%を導
入する。このような母核トナー粒子26を用意し、前記
各実施例7〜9と同様な操作にてトナーを作製する。
【0190】本実施例10に係るトナーについても、前
記各実施例7〜9にて述べた効果が呈されるだけでな
く、ワックス成分の多量露出による不具合点も生じず、
定着温度を低減できるものとなっている。さらに、母核
トナー粒子26中のワックス成分を増加させた場合に
は、画像形成装置の定着部でのオイル塗布機構を省略化
でき、上記画像形成装置の小型化にも貢献できる。
【0191】図8に示すように、表面改質前の母核トナ
ー粒子26では、図8(a)に示すように、粒子状の結
着樹脂成分18の表面に、各着色剤成分20や各ワック
ス成分32の一部が露出した状態となっている。一方、
本実施例10に基づく表面改質トナー28では、図8
(b)に示すように、上記結着樹脂成分18の表面に露
出した各着色剤成分20や各ワックス成分32も表面改
質材成分24により覆われて露出が防止されている。
【0192】〔実施例11〕上記各実施例7〜10にお
いて、反応容器7中に導入する物質として帯電制御剤成
分を導入してもよい。本実施例11では、帯電制御剤成
分として、クロム含金染料(オリエント化学株式会社
製、商品名:ボントロンS-34)を表面改質材成分24の
樹脂成分100重量%に対し、1重量%を導入する。こ
のように反応容器7内の各物質を用意し前記各実施例7
〜11と同様な方法にてトナーを作製する。
【0193】本実施例11に係るトナーについても、前
記実施例7〜10にて述べた効果が呈される。その上、
本実施例11に係るトナーは、さらに良好な帯電特性が
得られるだけではなく、その効果が少量の帯電制御剤で
達成されるので、トナーの低コスト化に有効で、ランニ
ングコストの安い画像形成装置を提供できるものとなっ
ている。
【0194】図9に示すように、帯電制御剤34を従来
の、例えば溶融混練粉砕法にて調製したトナー36で
は、図9(a)に示すように、粒子状の結着樹脂成分1
8の表面に、各着色剤成分20や各ワックス成分32の
一部が露出した状態となり、また、各帯電制御剤34が
結着樹脂成分18の表面近傍だけではなく、結着樹脂成
分18の内部にも分散した状態となっている。
【0195】一方、本実施例11に基づく表面改質トナ
ー28では、図9(b)に示すように、上記結着樹脂成
分18の表面に露出した各着色剤成分20や各ワックス
成分32も表面改質材成分24により覆われて露出が防
止されると共に、帯電制御剤34が表面改質材成分24
と共に表面改質トナー28の表面近傍に偏在するように
なっている。
【0196】〔実施例12〕前記各実施例7〜10にお
いて作製された外添前の表面改質されたトナーを粒子捕
集箱11より取り出し、ヘンシェルミキサー等の乾式混
合機により帯電制御剤を外添処理する。
【0197】本実施例12に係るトナーについても、前
記実施例7〜10にて述べた効果が呈される。その上、
本実施例12に係るトナーは、さらに良好な帯電特性が
得られるだけではなく、その効果が少量の帯電制御剤で
達成されるので、トナーの低コスト化に有効で、ランニ
ングコストの安い画像形成装置を提供できるものとなっ
ている。さらには、本実施例12に係るトナーは、トナ
ー製造条件の制約も緩和できるので、安定した品質のト
ナー供給が可能となる。
【0198】
【発明の効果】本発明のトナーの製造方法は、以上のよ
うに、少なくとも、結着樹脂成分を超臨界流体あるいは
亜臨界流体中にて溶解して、着色剤成分と混合し、上記
結着樹脂成分の溶解度を低下させて、上記結着樹脂成分
を粒子状に析出させることで、粒子状に析出した結着樹
脂成分内に着色剤成分が分散したトナーを作製する方法
である。
【0199】それゆえ、上記方法は、超臨界流体あるい
は亜臨界流体を用いたことにより、着色剤成分の含有量
を増加させても、着色剤成分の分散性が良好なことか
ら、従来のように着色剤成分を増加させたときの着色力
の低下や着色剤成分の露出によるトナー帯電特性の不安
定化が回避できて、良好な画像形成を維持できるという
効果を奏する。
【0200】その上、上記方法では、着色剤成分の含有
量の増加に伴いトナー使用量を低減できて、上記トナー
を用いた画像形成装置の小型化も図れると共に、結着樹
脂成分の析出を短時間にて行うことができるため、従来
の重合法や溶融混練粉砕法によるトナーの製造方法と比
べると、トナー製造にかかるエネルギーの低減、生産コ
ストの削減が可能となるという効果を奏する。
【0201】本発明の他のトナーの製造方法は、以上の
ように、少なくとも結着樹脂成分および着色剤成分を有
する母核トナー粒子と、母核トナー粒子の表面への表面
改質材成分を超臨界流体あるいは亜臨界流体中にて混合
し、上記表面改質材成分を溶解した後、上記表面改質材
成分を、その溶解度を低下させて、母核トナー粒子の表
面上に析出させ、表面改質されたトナーを作製する方法
である。
【0202】それゆえ、上記方法は、多量の着色剤成分
を母核トナー粒子に含有させて高い着色力を有するトナ
ーでも、上記表面改質材成分により覆われることによっ
て、トナーの表面への着色剤成分の露出を小さくでき
て、得られたトナーの良好な帯電特性が得られる。
【0203】また、上記方法では、上記表面改質材成分
により覆われることによって、機械的強度にも優れるか
ら、長期使用によるトナーの解砕も軽減され、安定した
画質を提供できるだけではなく、トナー製造に係るエネ
ルギーの低減、生産コストの削減が可能であるという効
果を奏する。
【0204】本発明のトナーは、以上のように、上記の
各製造方法の何れかにより作製された構成である。それ
ゆえ、上記構成は、着色剤成分の優れた分散性により、
上記着色剤成分の含有量を大きく設定しても、上記着色
剤成分の着色力を維持することが可能となる。
【0205】この結果、上記構成では、トナーの使用量
を低減しても、優れた画像形成能を維持しながら、上記
トナーを用いた画像形成装置の小型化に寄与できるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの製造に用いるトナー製造装置
の模式図である。
【図2】上記トナーの作製における概略の各工程図であ
る。
【図3】本発明に係る各トナー、および比較のための従
来トナーおよび比較トナーの各分光透過特性をそれぞれ
示すグラフである。
【図4】上記トナーの製造方法において、エントレーナ
ー成分が結着樹脂成分と相溶性の場合、得られたトナー
微粒子同士の合一が発生する様子を示す説明図である。
【図5】上記の合一が発生した場合の、得られたトナー
の粒径分布の変動を示すグラフである。
【図6】本発明のトナーの製造に用いる他のトナー製造
装置の模式図である。
【図7】上記トナーの作製における概略の各工程図であ
る。
【図8】本発明に係る実施例10に示したトナーの説明
図であって、(a)は、表面改質材成分によりコートし
ない場合、(b)は表面改質材成分によりコートした場
合を示す。
【図9】本発明に係る実施例11に示したトナーの説明
図であって、(a)は、表面改質材成分によりコートし
ない場合、(b)は表面改質材成分によりコートした場
合を示す。
【符号の説明】
12 トナー微粒子 18 結着樹脂成分 20 着色剤成分 22 超臨界流体 24 表面改質材成分 26 母核トナー粒子 28 表面改質トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸泉 潔 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 上村 太介 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 岩松 正 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 AA11 AA13 AA21 AB03 AB04 AB07 CA04 CA08 CA14 DA01

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結着樹脂成分を、超臨界流体中あるいは亜
    臨界流体中にて溶解して、着色剤成分と混合し、 上記超臨界流体中あるいは亜臨界流体中における結着樹
    脂成分の溶解度を低下せしめて、上記結着樹脂成分を、
    結着樹脂成分の内部に着色剤成分を分散させながら粒子
    状に析出させることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】結着樹脂成分の原材料となる1種類以上の
    単量体を、第1の超臨界流体中あるいは第1の亜臨界流
    体中にて重合させて高分子体である結着樹脂成分を生成
    し、 次いで、結着樹脂成分を、第2の超臨界流体中あるいは
    第2の亜臨界流体中にて溶解して着色剤成分と混合し、 上記第2の超臨界流体中あるいは第2の亜臨界流体中に
    おける結着樹脂成分の溶解度を低下せしめて、上記結着
    樹脂成分を、結着樹脂成分の内部に着色剤成分を分散さ
    せながら粒子状に析出させることを特徴とするトナーの
    製造方法。
  3. 【請求項3】超臨界流体中あるいは亜臨界流体中におけ
    る結着樹脂成分の溶解度の低下は、急速膨張、貧溶媒導
    入、界面活性剤導入の何れかの方法によることを特徴と
    する請求項1または2記載のトナーの製造方法。
  4. 【請求項4】超臨界流体中あるいは亜臨界流体中には、
    離型剤(ワックス)成分を含むことを特徴とする請求項
    1ないし3の何れかに記載のトナーの製造方法。
  5. 【請求項5】結着樹脂成分と常温常圧下にて非相溶であ
    る少なくとも1種類以上の溶媒を、超臨界流体中あるい
    は亜臨界流体中に混合することを特徴とする請求項1な
    いし4の何れかに記載のトナーの製造方法。
  6. 【請求項6】結着樹脂成分と、着色剤成分とを有する母
    核トナー粒子のための表面改質材成分を、超臨界流体中
    あるいは亜臨界流体中にて溶解して、上記母核トナー粒
    子と混合し、 上記超臨界流体中あるいは亜臨界流体中における表面改
    質材成分の溶解度を低下せしめて、上記表面改質材成分
    を、上記母核トナー粒子の表面に析出させることを特徴
    とするトナーの製造方法。
  7. 【請求項7】結着樹脂成分と、着色剤成分とを有する母
    核トナー粒子のための表面改質材成分の原材料となる1
    種類以上の単量体を、第1の超臨界流体中あるいは第1
    の亜臨界流体中で重合させて高分子体である表面改質材
    成分を生成し、 次いで、表面改質材成分を、第2の超臨界流体中あるい
    は第2の亜臨界流体中にて溶解して、前記母核トナー粒
    子と混合し、 上記第2の超臨界流体中あるいは第2の亜臨界流体中に
    おける表面改質材成分の溶解度を低下せしめて、上記表
    面改質材成分を、上記母核トナー粒子の表面に析出させ
    ることを特徴とするトナーの製造方法。
  8. 【請求項8】超臨界流体中あるいは亜臨界流体中におけ
    る表面改質材成分の溶解度の低下は、急速膨張、貧溶媒
    導入、界面活性剤導入の何れかの方法によることを特徴
    とする請求項6または7記載のトナーの製造方法。
  9. 【請求項9】母核トナー粒子を、溶融混練粉砕法にて作
    製することを特徴とする請求項6ないし8の何れかに記
    載のトナーの製造方法。
  10. 【請求項10】母核トナー粒子は、離型剤(ワックス)
    成分を含むことを特徴とする請求項6ないし9の何れか
    に記載のトナーの製造方法。
  11. 【請求項11】母核トナー粒子の結着樹脂成分と、表面
    改質材成分とが互いに異なるものであることを特徴とす
    る請求項6ないし10の何れかに記載のトナーの製造方
    法。
  12. 【請求項12】表面改質材成分は、ポリエステル系樹脂
    であることを特徴とする請求項6ないし11の何れかに
    記載のトナーの製造方法。
  13. 【請求項13】表面改質材成分は、アクリル系樹脂であ
    ることを特徴とする請求項6ないし11の何れかに記載
    のトナーの製造方法。
  14. 【請求項14】表面改質材成分と常温常圧下にて非相溶
    である少なくとも1種類以上の溶媒を、超臨界流体中あ
    るいは亜臨界流体中に混合することを特徴とする請求項
    6ないし13の何れかに記載のトナーの製造方法。
  15. 【請求項15】着色剤成分が、結着樹脂成分に対し、1
    0重量%以上であることを特徴とする請求項1ないし1
    4の何れかに記載のトナーの製造方法。
  16. 【請求項16】超臨界流体あるいは亜臨界流体は、二酸
    化炭素であることを特徴とする請求項1ないし15の何
    れかに記載のトナーの製造方法。
  17. 【請求項17】着色剤成分としてカーボンブラックを含
    むことを特徴とする請求項1ないし16の何れかに記載
    のトナーの製造方法。
  18. 【請求項18】着色剤成分として、シアン色、マゼンタ
    色、イエロー色の内の何れかの色の顔料を含むことを特
    徴とする請求項1ないし16の何れかに記載のトナーの
    製造方法。
  19. 【請求項19】超臨界流体中あるいは亜臨界流体中に、
    帯電制御剤成分を含むことを特徴とする請求項1ないし
    18の何れかに記載のトナーの製造方法。
  20. 【請求項20】帯電制御剤成分を外添することを特徴と
    する請求項1ないし18の何れかに記載のトナーの製造
    方法。
  21. 【請求項21】請求項1ないし20の何れかの製造方法
    により作製されていることを特徴とするトナー。
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