JP2007046451A - 集合住宅の用途に供する建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築物の高さを10m以内かつ4階建てであって、しかも、居室の天井高さは、最大限に確保できる共同住宅を用途とする多層建築物を提供する。
【解決手段】住戸が配置された4つの階を地上に有し、地盤面から屋上床板の天端までの高さが10m以下であり、ある階と当該ある階の1つ下の階とが床板13で仕切られている建築物であって、ある階は、住戸21内に水廻り設備と、この水廻り設備に接続され略水平方向に延びる横排水管41と、横排水管41が接続され高さ方向に延びる縦排水管42と、を備え、横排水管41は、床板13を貫通して、床板13の下側で略水平方向に延び、ある階の床板13の下側にはある階の1つ下の階の水廻り設備の天井裏45が形成され、天井裏45にはある階の1つ下の階と建築物の外部を連通する排気管43が設けられ、排気管43は、天井裏45内で横排水管41と非交差に配置されることを特徴とする建築物。
【選択図】図1

Description

本発明は、開放感と生活空間としての快適性を有する集合住宅の用途に供する多層建築物に関するものである。
従来から共同住宅のひとつの形態として多層建築物が建てられているが、多層建築物の場合、その階高は2600mm程度必要であり、4階建てとした場合には、10mを超えるものとなっていた。
ところが、建築物の高さが10mを超えると、色々な規制にかかることになり(例えば、日影規制の適用除外を定める建築基準法56条の2)、近隣にも迷惑がかかることになっていた。
これを避けるために10m以下の多層建築物を建てようとすると、この高さ内に収めるために、階層を減らして3階建てとしたり、あるいは、1階部分を地下構造としたものにするしかなかった。
当然のことながら、10m以下の4階建てを作るために様々な努力がなされてはいるが、トイレや風呂場などの水廻り(以降、「水場」という)があるために、その排水管を配管するために100mm程度の置き床を設ける必要があり、これに排気スペースとしての250mmを、快適な居住スペース確保のための天井高さが最低の2100mmにスラブ厚さ150mmを考慮すると、2600mmの階高の限界を超えることができず、結果として、10mを切ることはできなかったのである。
また、置き床を設置しない場合は階高を2500mm程度にすることができるが、「水場」に隣接して「水場」ごとにパイプスペースを設けなければならなかった(特許文献1参照)。これにつき、置き床を設置しない場合は床部分の配管スペースが確保できないので、隣接したパイプスペース内で縦排水管に直接接続することが必要とされている。
その他に、階高を2500mm程度にした場合は、室内の高さ方向のスペースも小さくなるので、通常の天井高さを有するユニットバスは設置できない。
さらに、通常の多層建築物の屋上スラブの外周部にはパラペットを、高さ500mm程度形成するのが一般的である。これは、屋上の防水材をパラペットに立ち上げて防水材の端部を処理するために必要とされている。
特開2004−225273号公報
したがって、3階建ての共同住宅を建設することとなるが、4階建ての共同住宅を建設した場合に比べて1棟当たりの住戸数が減少するため、土地の面積当たりの住居の供給数が少なくなり、土地を有効利用して都市を活性化するという観点からは不利である。
また、置き床を設置しないで多層建築物の階高を低くする場合には、「水場」ごとにパイプスペースを設けなければならないが、室内のレイアウトが制限されたり、パイプスペースが増えてしまい、専有部分を削らざるを得なかった。
さらには、最上階にパラペットを形成する場合、建築物の高さを10m以内にするためには、パラペットの高さ分を各階の階高から引くので、居室内の天井高さを低くしなければならず、室内の快適性が損なわれている。
その他、階高を低くした場合には、一般的な天井高さを有するユニットバスは設置できないので、天井高さを低くしたユニットバスを設置するため、ユニットバス内の快適性が損なわれている。
そこで、本発明は、かかる従来の問題点を解決すべく、建築物の高さを10m以内かつ4階建てであって、住戸内において、最大限の天井高さを確保できる共同住宅の用途に供する多層建築物を提供することを目的とする。
以上のような目的を達成するために、本発明は、4つの階を地上に有し、地盤面から屋上床板の天端までの高さが10m以下である多層建築物において、各階を仕切る床を単層とし、上階の排水管をすぐ下の天井裏にまで貫通させるとともに、その下階の排気管とともにまとめて、快適性の面からも天井高さがある程度許容される水廻りの部分にこれらを収納するようにしたことを特徴とする。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 住戸が配置された4つの階を地上に有し、地盤面から屋上床板の天端までの高さが10m以下であり、ある階と当該ある階の1つ下の階とが床板で仕切られている建築物であって、前記ある階は、前記住戸内に水廻り設備と、この水廻り設備に接続され略水平方向に延びる横排水管と、この横排水管が接続され高さ方向に延びる縦排水管と、を備え、前記横排水管は、前記床板を貫通して、前記床板の下側で略水平方向に延び、前記ある階の床板の下側には前記ある階の1つ下の階の水廻り設備の天井裏が形成され、この天井裏には前記ある階の1つ下の階と建築物の外部を連通する排気管が設けられ、この排気管は、前記天井裏内で前記横排水管と非交差に配置されることを特徴とする建築物。
(1)の発明によると、地上4階建てとすることで、地上3階建てとした場合と比べて、同じ面積の土地により多くの住戸を設けることができるので、土地を有効利用することができる。また、居住環境が良好な地域は、日影規制の対象となっている場合があるが、建築物の高さを10m以内にすることで、この居住環境が良好な地域で日影規制の適用除外(建築基準法第56条の2)を受けることができる。したがって、地上4階建てとしつつ、建築物の高さを10m以内にすることで、居住環境が良好な地域に、地上3階建てとした場合と比べて、より多くの住戸を提供できる。
また、ある階の横排水管をスラブを貫通させてある階の1階下の天井裏内に落とすことで、上階の横排水管と下階の排気管を下階の天井裏で横配管できる。よって、水廻り設備が設置される水場に、横排水管を配管するための置き床を設ける必要がなくなる。
さらに、ある階の横排水管が配管される当該ある階の1つ下の階の天井裏内で、ある階の横排水管と当該ある階の1つ下の階の排気管は、非交差に配置した。よって、当該ある階の1つ下の階の天井裏内の高さを、これらの管を交差させて配置した場合比べて、低く抑えることができる。したがって、建築物の高さを10m以内かつ4階建てであって、住戸内において、最大限の天井高さを確保できる共同住宅の用途に供する多層建築物を提供できる。
(2)(1)に記載の建築物において、前記ある階は、耐力壁で複数の前記住戸が仕切り形成され、前記耐力壁の少なくとも一部は、前記住戸の内部と前記住戸の外部とを仕切り、前記水廻り設備は、前記住戸毎に複数設けられ、各住戸の前記複数の水廻り設備は平面視で略四方形に各住戸の略半分の範囲の床板に設置され、この範囲は少なくとも一部分は前記住戸の内部と前記住戸の外部とを仕切り形成する前記耐力壁に接することを特徴とする建築物。
(2)の発明によると、水廻り設備を住戸の略半分の範囲の床板に設置し、この範囲は少なくとも一部分は住戸の内部と住戸の外部とを仕切り形成する耐力壁に接した。よって、水廻り設備の排水管や排気管を、住戸の水廻り設備が設置された範囲外に通すことなく、住戸の外部に配管できる。したがって、住戸の水廻り設備が設置された範囲外にリビングを設けることで、このリビングに、水廻り設備の排水管や排気管を配管するための天井裏を設ける必要がないので、このリビングの天井高さを、天井裏を設けた場合に比べて高くできる。また、水廻り設備の排水管や排気管を配管するための梁型を設ける必要がないので、このような梁型により家具の配置が制限されることを防止できる。
(3)(1)または(2)のいずれかに記載の建築物において、屋上床板と、この屋上床板の端部に鉛直方向で地盤面に向かって形成される外壁と、前記屋上床板の上面に敷設される防水シートと、この防水シートの端部に取り付けられる押さえ金物と、を備え、前記屋上床板は、略水平の屋上床面が形成され、前記屋上床板の端部は、前記屋上床面と略同一平面上から前記屋上床面より略45mm立ち上がった位置の間で形成され、前記押さえ金物は前記床板の上面端部でありかつ前記外壁の外部面上端に設けられることを特徴とする建築物。
(3)の発明によると、屋上床板は略水平に設け、押さえ金物を床板の上面端部でありかつ外壁の外部面上端に設けたので、屋上の防水性能を維持しつつ、パラペットの高さを抑えることができる。よって、地上4階建で、建築物の高さを10m以内の建築物のパラペットの高さを抑えたことで、通常のパラペットの高さ(500mm前後)分を各階の階高に割り振ることができる。したがって、階高の住戸の天井高さを、通常のパラペットを設けた場合に比べて、高くすることができる。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の建築物において、1階床板の上面が前記地盤面と略同じ高さで形成されていることを特徴とする建築物。
(4)の発明によると、1階床板の上面が前記地盤面と略同じ高さで形成した。よって、地上4階建で、建築物の高さを10m以内の建築物の1階の一部を地下に形成しないので、1階の住戸内の黴の発生を抑制できる。
(5)(1)から(4)のいずれかに記載の建築物において、鉄筋コンクリート造の地中梁と、この地中梁の上端に形成された鉄筋コンクリート造の1階外壁と、を備え、この1階外壁のうち地盤面からの高さが少なくとも100mm以上の部分は、前記地中梁とともに形成されることを特徴とする建築物。
(5)の発明によると、1階外壁のうち地盤面からの高さが少なくとも100mm以上の部分は、地中梁とともに形成した。よって、コンクリート打ち継ぎ部分を地盤面から100mm以上上げることができるので、地中梁と1階の外壁とのコンクリート打ち継ぎ部分から住戸内部への漏水を防止することができる。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の建築物において、前記水廻り設備は、キッチンを含み、前記キッチンは、上部にキッチン幕板とキッチン天井とで形成されたキッチン天井裏を有し、前記キッチン天井裏は、前記天井裏の下方で形成され、前記排気管は、前記横排水管と前記キッチン天井裏で交差させて配置されることを特徴とする建築物。
(6)の発明によると、キッチン天井裏を形成することで、居室の天井裏では、交差することができない排気管と横排水管の交差が可能となるので、より経済的な配管が可能となる。
(7)(2)に記載の建築物において、各住戸の複数の前記横排水管は、1本または2本に集約され、前記縦排水管に接続することを特徴とする建築物。
(7)の発明によると、天井裏で横排水管を集約して、任意の位置の縦排水管に横排水管を接続できる。したがって、縦排水管の本数を最小限にすることで、縦排水管を収納するパイプスペースの容積を最小限とすることができるので、階高を低くした場合でも、居住空間を最大限の広さで確保できる。
(8)(3)に記載の建築物において、前記屋上床板には、ルーフドレインが設置され、このルーフドレインの下部には、雨水横排水管が接続され、前記外壁には、雨水排水縦管が設置され、前記雨水横排水管は、前記屋上床板を貫通して、前記屋上床板の下側で略水平方向に延び、前記雨水排水縦管に接続されることを特徴とする建築物。
(8)の発明によると、ルーフドレイン(例えば、縦引きドレイン)の雨水横排水管を屋上床板を貫通して、屋上床板の下側で配管した場合でも、クローゼット天井裏内及び/又はキッチン天井裏内で、雨水横排水管を配管できるので、居室の天井高さを最大限に確保することができる。
(9)(8)に記載の建築物において、最上階の住戸には、それぞれクローゼット及び/又はキッチンが設けられ、このクローゼットは、上部にクローゼット天井裏を有し、前記キッチンは、上部にキッチン幕板とキッチン天井とで形成されたキッチン天井裏を有し、前記ルーフドレインは、前記クローゼット天井裏の上方及び/又は前記キッチン天井裏の上方に配置されることを特徴とする建築物。
(9)の発明によると、ルーフドレイン(例えば、縦引きドレイン)の雨水横排水管を屋上床板を貫通して、屋上床板の下側で配管した場合でも、クローゼット天井裏内及び/又はキッチン天井裏内で、雨水横排水管を配管できるので、居室の天井高さを最大限に確保することができる。
(10)(9)に記載の建築物において、前記屋上床板は、前記ルーフドレインを中心とした所定範囲をこの所定範囲以外の部分より地盤面からの高さを低くしたスラブ段差を設けたことを特徴とする建築物。
(10)の発明によると、ルーフドレインを中心とした所定範囲の屋上床板天端レベルを下げることで、屋上床面を略水平とした場合でも、的確に雨水の排水処理を行える。
(11)(10)に記載の建築物において、前記スラブ段差は、前記クローゼット天井裏及び最上階の水回り設備の天井裏に配置されることを特徴とする建築物。
(11)の発明によると、屋上床板にスラブ段差を設けた場合でも、居室の天井高さを低くする必要がないので、屋上床面を略水平とした場合でも、的確に雨水をドレインに集水できるとともに、居室の天井高さを最大限に確保することができる。
(12)(10)または(11)に記載の建築物において、前記スラブ段差の高さは、略100mmであることを特徴とする建築物。
(12)の発明によると、屋上床板にスラブ段差を設ける場合でも、スラブ段差の高さを略100mmとすることで、既製の材料を使用してスラブ段差形成のための型枠組みを行うことができるので、建築物の施工が容易になる。
(13)(1)から(12)のいずれかに記載の建築物において、前記水廻り設備は、ユニットバスを含み、このユニットバスの近傍には前記横排水管が前記床板を貫通するための開口部が前記床板に形成され、前記横排水管は、前記床板の上側で水平方向に延び、前記ユニットバスの床面の高さは前記床板から135mm以上であって175mm以下であることを特徴とする建築物。
(13)の発明によると、建築物の階高を低くした場合でも、横排水管を下階に貫通させるための開口部がユニットバスの近傍に形成されているので、ある階の床板の上側であって、ユニットバスの床面の下側で、水勾配をとるためのスペースを確保しない構成とすることも可能となる。この場合には、ある階の床板からユニットバスの床面までの高さを短くでき、既製品のユニットバスを設置することができるので、ユニットバス内の天井高さを最大限に確保することができる。
(14)(13)に記載の建築物において、前記ユニットバスの床面の高さは前記床板から135mmを超えていて175mm以下であることを特徴とする建築物。
(14)の発明によると、建築物の階高を低くした場合でも、ユニットバス内の天井高さを最大限に確保しつつ、ユニットバスの下で、ユニットバスの排水口から横排水管を下階に貫通するまでの間においても、横排水管に水勾配をとりつつ配管できるので、より排水の流れがよくなる。
(15)(8)から(14)のいずれかに記載の建築物において、前記ある階の前記床板の上に形成された逆梁と、この逆梁の上端に形成され前記ある階を囲む前記外壁と、を備え、前記外壁には、サッシが取り付けられる開口部が設けられ、この開口部は、前記逆梁の上端から前記ある階の1つ上の階の床板の下端に至ることを特徴とする建築物。
(15)の発明によると、居室の最も高い位置に、採光としてのサッシを設けることができ、居室内を明るくできるので、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(16)(15)に記載の建築物において、前記サッシは、窓枠と、この窓枠に取り付けられたガラスと、前記窓枠の内側に取り付けられた木枠と、を備え、この木枠には、物干し金物が取り付けられることを特徴とする建築物。
(16)の発明によると、バルコニーを設けない居室にも、サッシの木枠を利用し、簡易かつコンパクトに、物干し金物を取り付けられるので、居室内に物干し竿をかけることができ、また、居室内に洗濯物を干すので、家を留守にする場合でも、盗難の心配がなく、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(17)(2)に記載の建築物において、前記耐力壁の壁面には、前記床板に至るまで壁仕上げ材が貼られていることを特徴とする建築物。
(17)の発明によると、床と壁の見切りとしての巾木を設けず、床から天井までが同じ柄の壁仕上げ材を貼るので、視覚的に天井が高く感じることができるので、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(18)(2)、(7)または(17)に記載の建築物において、前記耐力壁のうち少なくとも1つには、玄関扉と、この玄関扉の上側に設けられた棚板と、が取り付けられ、この棚板は、前記玄関扉の幅を有することを特徴とする建築物。
(18)の発明によると、下駄箱を設ける必要がないので、生活空間としての主となるリビングをより広くすることができる。また、棚板であるので、箱であれば上に積み重ねることができ、20代もしくは30代の居住者は、靴を複数所有し、使わない靴は使用後も購入時の箱に入れて保管しておくという生活習慣にも合致しているので、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(19)(1)から(18)のいずれかに記載の建築物において、コンクリート製の壁を有し、この壁の少なくとも一部はセパ穴が露出したコンクリート打放し仕上げであり、前記セパ穴の底部には、セパレーター先端のボルトが突出し、このボルトには、壁掛け金物が螺合されることを特徴とする建築物。
(19)の発明によると、本来モルタルで埋めるはずのセパ穴のボルト部分を利用することで、コンクリートの壁に穴を開けずに壁掛け金物を取り付けることができ、また、壁掛け金物を接着剤でコンクリート壁に取り付けた場合は、重量物を掛けることはできないが、本発明の様にボルト部にナットにより壁掛け金物を螺合することで、重量物を掛けることも可能となる。そして、脚の長いナットを螺合すれば、ハンガー掛けとして利用することができ、また、2ヶ所の同じ高さのボルト部分に脚の長いナットをそれぞれ螺合し、これらの脚の長いナットの上に板を設置することで、飾り棚とすることもできる。このように、居住者の様々な生活スタイルに対応することができるので、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(20)(2)、(7)、(17)または(18)に記載の建築物において、平面視で各住戸の略半分の範囲をそれぞれ前記外壁を含む2つのリビングに2分割する飾り壁が設けられ、この飾り壁は、コンクリート製であり、前記床板上面から1つ上の階の床板下面に至ることを特徴とする建築物。
(20)の発明によると、リビングを平面視で比較的大きくとった場合、居住者の生活スタイルに合わせて、リビングを2分割できると共に、床板のたわみや振動を軽減することができ、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(21)(1)から(20)のいずれかに記載の建築物において、電気配線シャフトとメーターボックスと、を備え、前記電気配線シャフトと前記メーターボックスとは、各階毎に1箇所または2箇所に集結して配置されることを特徴とする建築物。
(21)の発明によると、各階毎に電気配線シャフトとメーターボックスを集結させて納めることにより、共用スペースの縮小化が図れるとともに、美観の向上を図ることが可能となる。
(22)(21)に記載の建築物において、前記電気配線シャフトと前記メーターボックスとは、各階の住戸数が2戸乃至9戸の場合に、各階毎に1箇所に集結して配置されることを特徴とする建築物。
(22)の発明によると、各階毎に電気配線シャフトとメーターボックスを集結させて1箇所納めることにより、共用スペースの縮小化、美観の向上を図ることが可能となるとともに、建築設備のメンテナンスをより容易に行うことが可能となる。
(23)(21)に記載の建築物において、前記電気配線シャフトと前記メーターボックスとは、各階の住戸数が7戸乃至16戸の場合に、各階毎に2箇所に集結して配置されることを特徴とする建築物。
(23)の発明によると、各階毎に電気配線シャフトとメーターボックスを集結させて2箇所納めることにより、各階の住戸数が多くなった場合でも、共用スペースの縮小化、美観の向上を図ることが可能となるとともに、建築設備のメンテナンスをより容易に行うことが可能となる。
本発明によれば、地上4階建てとすることで、地上3階建てとした場合と比べて、同じ面積の土地により多くの住戸を設けることができるので、土地を有効利用することができる。また、居住環境が良好な地域は、日影規制の対象となっている場合があるが、建築物の高さを10m以内にすることで、この居住環境が良好な地域で日影規制の適用除外(建築基準法第56条の2)を受けることができる。したがって、地上4階建てとしつつ、建築物の高さを10m以内にすることで、居住環境が良好な地域に、地上3階建てとした場合と比べて、より多くの住戸を提供できる。
また、ある階の横排水管をスラブを貫通させてある階の1階下の天井裏内に落とすことで、上階の横排水管と下階の排気管を下階の天井裏で横配管できる。よって、水廻り設備が設置される水場に、横排水管を配管するための置き床を設ける必要がなくなる。
さらに、ある階の横排水管が配管される当該ある階の1つ下の階の天井裏内で、ある階の横排水管と当該ある階の1つ下の階の排気管は、非交差に配置した。よって、当該ある階の1つ下の階の天井裏内の高さを、これらの管を交差させて配置した場合比べて、低く抑えることができる。したがって、建築物の高さを10m以内かつ4階建てであって、住戸内において、最大限の天井高さを確保できる共同住宅の用途に供する多層建築物を提供できる。
本発明に係る好適な実施形態の一例について、図面に基づいて以下に説明する。
〔建築物の構成〕
図1は本発明の実施形態に係る建築物11の断面図である。
この図1に示されるように、本実施形態に係る建築物11は、鉄筋コンクリートの外壁12と鉄筋コンクリートの床板13で各階が仕切り形成されている4階建ての建物である。ここにおいて、1階の床板13と鉄筋コンクリートの耐圧盤15と鉄筋コンクリートの地中梁14で仕切られた配管用ピット16が形成されている。
図2は、建築物11の2階から4階の平面図である。この図2により、建築物11の各階の構成について説明する。
図2に示されるように、各階は鉄筋コンクリートの耐力壁25で仕切られ、4つの住戸21と階段23、階段室24、共用廊下22が形成されている。
図3は、住戸21の代表的な部屋タイプの平面詳細図である。この図3により、建築物11の住戸21の構成について説明する。
図3に示されるように、住戸21はリビング31、玄関32、トイレ33、ユニットバス34、キッチン35、洗濯機置き場36、パイプスペース37を有している。
そして、トイレ33、ユニットバス34、キッチン35、洗濯機置き場36(以降、水場とする。)には、図1に示す様に、床板13には開口部19が水場ごとに形成されるとともに、下がり天井44が床板13の下側から高さ方向で下側に150mmから250mmの深さで形成されている。
図4に示されるように、この下がり天井44は軽量鉄骨46で下地を組み、この下地にプラスターボード47をビス止めし、このプラスターボード47にビニールクロス66が貼られている。なお、下がり天井44はこれらの材料に限定されるものではなく、また、下がり天井44を設けないこともある。この場合、上階の床板13の下面に横排水管41と排気管43が露出して設置されるので、都会的な雰囲気を持つ住戸とすることができる。
〔水場の天井高さに係る構成〕
本実施例に係る建築物11は、以下の構成により、階高を低くした場合でも、水場で快適な天井高さを確保できる。
2階から4階のある階の水廻り設備に接続される横排水管41は、図4に示す様に、床板13の開口部19を貫通して、床板13の下面と前記下がり天井44との間(以降、天井裏45とする)で、水平方向に配管され、図6に示す様に、パイプスペース37内の縦排水管42に接続されている。また、横排水管41は天井裏45で自由に配管できるので、水廻り設備毎に隣接してパイプスペースを設ける必要がない。
図7に示されるように、排気管43は水廻り設備に接続され、建物の内部と建物の外部を連通している。
ある階の横排水管41は、ある階の1つ下の階の排気管43と共に、天井裏45で配管されている。また、図6と図7に示す様に、横排水管41と排気管43は互いに交差しないように配置されている。これにより、天井裏45の高さを150mmから250mmとすることができる。
さらに、図12に示すように、各住戸の水廻り設備に含まれるキッチン上部には、天井裏45の下に、キッチン幕板90とキッチン天井91とで形成されたキッチン天井裏95が形成されている。そして、キッチン天井裏95では、排気管43と横排水管41とが交差するように配置されている。天井裏45内では、交差することができなかった排気管43と横排水管41とをキッチン天井裏95内で交差することが可能となるので、例えば、迂回しなければならなかった排気管43を直接外壁12に接続できるので、施工コストを軽減することが可能となる。
〔リビングの天井高さに係る構成〕
本実施例に係る建築物11は、以下の構成により、階高を低くした場合でも、リビングで開放的な天井高さを確保できる。
図3に示されるように、水場は、平面視で住戸21の略半分の範囲に略四方形で集約され、この範囲の一部は耐力壁25に接している。これにより、下がり天井44を設ける範囲も、平面視で住戸21の略半分の範囲とすることができるので、住戸21のその他の範囲をリビング31とし、リビング31は下がり天井44を設ける必要がなく、リビング31の天井高さを、ある階の床板13上面に敷設された木質フローリング17の上面から、ある階の1つ上の階の床板13の下面までとすることができる。したがって、リビング31では開放的な天井高さを確保できる。なお、床板13の上面に敷設される床仕上げ材は木質フローリングに限られるものでなく、クッションフロア等の様々な素材が用いられる。
図6に示されるように、横排水管41は縦排水管42から水平方向で最も離れた水廻り設備に接続された横排水管41に、その他の水廻り設備に接続された横排水管41を接続することで、横排水管41を1本又は2本に集約し、縦排水管42に接続されている。これにより、縦排水管の本数を減らすことができ、パイプスペースの容積を減らすことができる。
〔居室の天井高さを最大限高くするための構成〕
本実施例に係る建築物11は、以下の構成により、建築物の高さが制限される場合でも、居室の天井高さを最大限に確保できる。
図8は、本発明に係る略水平の屋上床板51に敷設した防水シート52の端部に押さえ金物53が設けられている実施例の断面図である。
図8に示されるように、鉄筋コンクリートの屋上床板51の上面全面に防水シート52は接着されており、防水シート52の上面端部の全周にはアルミ製の押さえ金物53が設けられている。押さえ金物53は略L字型であり、各面の奥行きは略50mmであり、一面は防水シート52の端部に、他の面は外壁12の最上部の端部に面する様に設けられている。そして、押さえ金物53により防水シートの接合部分はシーリング55で止水されている。これにより、パラペットが低くても若しくはパラペットを設けない場合でも、建築物の屋上の防水シートの端部の止水ができるので、地盤20の上面から建物の天端までの高さを低くすることができる。なお、防水シートはアスファルト防水やその他の防水材であってもよい。
本実施例に係る建築物11は、屋上床板51の端部をパラペットとして45mm立ち上げているが、このパラペットの高さをさらに低くすることもできるし、さらにパラペットを設けないこともできる。
図13は、最上階の平面図である。また、図14は、図13におけるAA断面図すなわち、屋上床板51にルーフドレイン82が設置された場所の断面図である。図13に示すように、ルーフドレイン82は、クローゼット87の上方の屋上床板51に設置されている。そして、図14に示すように、ルーフドレイン82の下部には、雨水横排水管80が接続されている。雨水横排水管80は、屋上床板51を貫通して、屋上床板51の下側であって、クローゼット天井88の上側に形成されたクローゼット天井裏89内及びキッチン天井裏95内で、略水平方向に延び、外壁に沿って配管された雨水排水縦管81に接続されている。
図14に示すように、屋上床板51は、ルーフドレイン82を中心とした所定範囲をこの所定範囲以外の部分より地盤面からの高さを低くしたスラブ段差85を設けられ、ルーフドレイン82に向けて所定範囲以外の部分高さから勾配がつけられている。さらに、屋上床板51上面に貼られた防水シート52も当該勾配に沿ってルーフドレイン82まで貼られている。
スラブ段差85は、図13に示すように、クローゼット天井裏89及び最上階の水回り設備の天井裏45に配置されている。また、スラブ段差を設ける所定範囲は、ルーフドレイン82を中心とした800mmから1000mmの方形であり、その厚さは、略100mmである。
屋上床板51は、スラブ厚さが150mmであり、上面には、断熱材として厚さ15mmの硬質ウレタンフォームが敷設され、その上に防水シート52が貼られている。また、防水シート52の端部は、押さえ金物53、ビス54及びシーリング55で固定されている。なお、屋上床板51において、上述したルーフドレイン82に向けて勾配を採った部分には、断熱材として厚さ15mmの硬質ウレタンフォームは敷設していないが、屋上床板51の下面において、断熱材として発泡ウレタンを15mmの厚さで吹き付けている。
ルーフドレイン82は、鋳物製であり、雨水横排水管80、雨水排水縦管81の管径は、その直径が75mmから100mmである。また、クローゼット天井裏89内及びキッチン天井裏95内で、ルーフドレイン82からの雨水横排水管80を配管しているため、クローゼット87及びキッチン35の天井高さは、1950mm〜2050mmとなっている。
屋上床板51に設けたルーフドレイン82を、最上階の住戸におけるクローゼット87及びキッチン35の上方に配置することで、雨水横排水管80をクローゼット天井裏89内及びキッチン天井裏95内で配管し、外壁に出すことができる。これにより、最上階の住戸内リビング部分の天井及び水場部分の天井を所定の高さに確保するとともに、共用部の廊下、階段部分の天井も所定の高さに確保することが可能となる。
〔ユニットバスの天井高さを最大限高くするための構成〕
本実施例に係る建築物11は、以下の構成により、階高を低くした場合でも、ユニットバス内で通常の天井高さを確保できる。
図5に示されるように、ある階のユニットバス34の横排水管41は、ユニットバス34の排水口の近傍で、床板13の開口部19を貫通して、ある階の1つ下の階の天井裏45で配管されている。したがって、ある階のユニットバス34の下で横排水管41の水勾配を設ける必要がないので、ユニットバス34の脚ボルト49の長さを短くすることができ、ユニットバス34の床面の高さは、床板13から通常は195mm以上で230mm以下必要であるところを、135mm以上で175mm以下とすることができる。
ここで、ユニットバスの床面の高さとは、ユニットバス34内の洗い場スペース50の床面の水上側の面から床板13までの高さをいう。そして、この高さは、脚ボルト49の長さによって決められる。本実施例では、通常のユニットバスの床面の高さより低くするために、脚ボルトの一部を切断したものが使用されている。
また、ユニットバス34に取り付ける換気扇は、高さが通常300mmであるものを、高さが170mmの薄型の換気扇が設置されている。
以上より、ある階の階高を2480mmとし、床板13の厚さを150mmとすると、ユニットバス34の設置場所の高さは2330mmとなり、ユニットバス34の床面の高さ165mmとし、通常のユニットバスの天井の天端までの高さ1985mmと換気扇の高さ170mmを合わせると2320mmとなる。したがって、建築物11の階高を低くした場合でも、ユニットバスの天井高さを詰めることなく、通常の天井高さを有するユニットバス34を設置することができる。
なお、本実施例の1階から3階では、ユニットバスの床面の高さを165mmとしているが、ユニットバス34の排水口の底部から床板13の上面までの間には、クリアランスの10mmに水勾配を確保するための20mmを合わせた30mmの空間があるので、この空間を無くせばユニットバスの床面の高さは135mmまで低くすることができる。一方、換気扇の天端から1つ上の階の床板13の下面までの間にも10mmの空間があるので、これらの空間を無くせばユニットバスの床面の高さは175mmとすることができる。
また、本実施例の4階では、ユニットバスの床面の高さを165mmとしているが、ユニットバス34の排水口の底部から床板13の上面までの間には、クリアランスの10mmに水勾配を確保するための5mmを合わせた15mmの空間があるので、この空間を無くせばユニットバスの床面の高さは150mmまで低くすることができる。一方、換気扇の天端から1つ上の階の床板13の下面までの間にも10mmの空間があるので、これらの空間を無くせばユニットバスの床面の高さは175mmとすることができる。
そして、本実施例の1階から3階では、ユニットバスの床面の高さを135mmを超えた高さとした場合は、ユニットバス34の下でも、排水口の底部から床板13の上面までの間に水勾配をとるスペースができるので、排水の流れをさらによくすることができる。
また、本実施例の4階では、ユニットバスの床面の高さを150mmを超えた高さとした場合は、ユニットバス34の下でも、排水口の底部から床板13の上面までの間に水勾配をとるスペースができるので、排水の流れをさらによくすることができる。
あるいは、本実施例の1階から3階では、ユニットバス34の床面の高さを135mmとし、換気扇の天端から1つ上の階の床板13の下面までの間の10mmの空間を無くせば、1階から3階の階高をさらに40mm低くすることができる。
また、本実施例の4階では、ユニットバス34の床面の高さを150mmとし、換気扇の天端から1つ上の階の床板13の下面までの間の10mmの空間を無くせば、4階の階高をさらに25mm低くすることができる。
〔土地を有効利用するための構成〕
本実施例に係る建築物11は、以下の構成により、建築基準法の規制を回避しつつ、土地を有効利用するとともに、水場の快適な天井高さと、リビングの開放的な天井高さを最大限に確保できる。
建築物11は4階建てで、1階から3階までの階高は2.48mであり、4階の階高は2.465mであり、屋上床板上面に水勾配を形成するため水上である屋上床板51の中心部から端部に向かってコンクリートを0.04m増し打ちし、パラペットを0.045m設けている。そして、1階の床面の上面を地盤20の上面から0.02m下げることで、建築物11の地盤20の上面から屋上床板51の天端までの高さは9.97mとなる。
なお、上記の屋上床板51の端部のパラペットの分の0.045mと、1階から3階のユニットバス34の排水口の下の空間0.03mと、4階のユニットバス34の排水口の下の空間0.015mと、換気扇の上の空間0.01mを無くすることで、0.045mに上下合わせて0.04mの1階から3階の3階分と、上下合わせて0.025mの4階の1階分と、を合算した0.19m分を建築物11の地盤20の上面から屋上床板51の天端までの高さから引くと、建築物の高さを9.78mまで低くすることができる。
そして、水場(ユニットバスを除く)の天井高さは、天井裏45の高さを1階から3階は218mmとし、4階では215mmとすることで、1階から3階までの天井高さは2100mmで、4階の天井高さは2088mmとなり、生活空間として快適な天井高さを確保できる。
また、リビングの天井高さは、建築物11の床板13、51の厚さが150mmであり、床仕上げ材である木質フローリング17の厚さは12mmであるので、1階から3階までのリビング31の天井高さは2318mmで、4階のリビング31の天井高さは2303mmとなり、開放感のある天井高さを確保できる。
〔住戸を快適な生活空間とするための構成〕
本実施例に係る建築物11は、以下の構成により、住戸をより快適な生活空間とすることができる。
(A)1階の床板の上面が地盤20の上面と略同じ高さであることを特徴とする建築物。
(B)逆梁の天端から、上階の床板下面の高さであるサッシが取り付けられていることを特徴とする建築物。
(C)木枠に物干し金物が取り付けられていることを特徴とする建築物。
(D)壁に貼られているビニールクロスが、床仕上げ材表面まで貼り延ばされていることを特徴とする建築物。
(E)玄関扉の上端に棚板が取り付けられていることを特徴とする建築物。
(F)コンクリート打放し仕上げの壁のセパ穴に壁掛け金物が取り付けられていることを特徴とする建築物。
(G)リビングを2分割する飾り壁が形成されていることを特徴とする建築物。
(H)1階の外壁の地盤20の上面から100mmを地中梁とともに形成することを特徴とする建築物。
以下に、(A)から(H)の建築物について具体的に説明する。
(A)の建築物は、4階建てで、かつ、建築物の高さが地盤20の上からの高さ10m以内であるにもかかわらず、各階の階高を低くすることで、1階を地下構造とする必要がないので、1階の居室でも十分な通風と採光を確保することができ、快適な生活空間とすることができる。
(B)の建築物は、図1に示す様に、2階から4階の逆梁18は各階の床板13の上に形成され、外壁12は逆梁18の上に形成され、外壁12には開口部が設けられ、この開口部にアルミ製サッシ61が取り付けられる。そして、このアルミ製サッシの垂直方向の高さは逆梁18の天端から上階の床板13の下面までであり、水平方向は1000mmから1800mmの巾で、リビング31の外壁12の略中央に取り付けられる。
また、1階には逆梁はないので、1階のリビング31に取り付けられるアルミ製サッシの垂直方向の高さは、1階の床板13の上面から2階の床板13の下面までとしている。これにより、採光のためのサッシの面積を上階より大きくできるので、2階から4階に比べて日光が入りにくい1階の居室でも明るく開放的な空間とすることができる。
(C)の建築物は、図9に示されるように、外壁12の開口部にアルミ製の窓枠63が取り付けられ、窓枠63の部屋内部には木枠64が取り付けられ、木枠64には物干し金物65が取り付けられる。物干し金物65の取り付け位置は、図2に示す様に、各住戸21のリビング31の外壁12の開口部に取り付けられるアルミ製サッシ61に取り付けられ、垂直方向の高さは、図1に示すように床板13の上面から垂直方向に1000mmから2000mmの間で取り付けられる。また、物干し金物は、木枠に固定する台座部と、この台座部に一端が取り付けられる物干し竿掛け部分から成り、この物干し竿掛け部分は台座部に取り付けられた部分を支点として回動する。したがって、物干し掛け部分は未使用時には木枠64に沿う様に収納されるので、使用時は物干し竿を室内に設置することができ、また、未使用時は収納されているので、生活動線を遮ることもない。
(D)の建築物は、図2に示されるように、各住戸21の耐力壁25には壁仕上げ材としてビニールクロス66が貼られ、ビニールクロス66は天井から床仕上げ材である木質フローリング17の上面まで貼られている。また、巾木は設けず、同じ柄のビニールクロスが天井から床まで貼られているので、視覚的に天井を高く感じることができ、開放的な空間とすることができる。
(E)の建築物は、図3に示されるように、棚板68が、玄関扉67の上端と、玄関扉67直交する両側の壁に玄関扉67の上端と同じ高さに設けた棚受け材と、に取り付けられているので、靴を購入時の箱に収納し、この棚板の上面に積み重ねることができ、狭い玄関であっても、多くの靴を収納することができる。
(F)の建築物は、図10に示されるように、コンクリート打放し仕上げとした壁71にセパ穴72が形成され、セパ穴72は、床板13の上面から垂直方向に1500mmから2000mmの間に形成され、セパ穴埋めの処理はしていない。すなわち、モルタル等で埋められてはいない。したがって、セパ穴72の底部にはセパレーター73のボルト部分74が突起している。そして、壁掛け金物75の一方の端部はナット形状となっており、セパレーター73のボルト部分74と互いに螺合されているので、壁掛け金物を取り付ける釘等で壁を傷めることもなく、重量物を壁掛け金物を壁に取り付けることができる。また、脚の長いナットを螺合すれば、ハンガー掛けとして利用することができる。さらには、2ヶ所の同じ高さのボルト部分74に脚の長いナットをそれぞれ螺合し、これらの脚の長いナットの上に板を設置することで、飾り棚とすることもできる。そして、この板の材料を木製やガラス製とすることで、居住者のライフスタイルにより合った生活空間とすることができる。
(G)の建築物は、図11に示されるように、飾り壁76が、住戸21の平面視で略半分の範囲に設けられたリビング31に形成される。そして、飾り壁76はコンクリート製であり、リビング31を外壁12に対して直交方向に2分割する様に形成され、床板13の上面から1つ上の階の床板13の下面まで鉛直方向に形成されている。また、飾り壁76の一部分を円形、方形等の開口を形成し、この開口に半透明の硝子を嵌め込むことで、リビングを分割して使用しつつ、明るく開放感のある空間とすることができる。なお、硝子はその他の光を通す材料に置き換えることができる。
(H)の建築物は、1階の外壁12を地盤20の上面から100mmまでは、地中梁と1階の床板とともにコンクリートを打設することで、1階の外壁の一部を基礎と一体的に形成することができる。その後、基礎と一体的に形成された1階の外壁の一部の上面を、図1に示される、コンクリート打ち継ぎ部分78とし、その他の1階の外壁のコンクリートを打設し、コンクリート打ち継ぎ部分78の外部に面する部分全周にシーリングで防水処理をする。したがって、図1に示されるように、コンクリート打ち継ぎ部分78を地盤20の上面から100mm上げることで、コンクリート打ち継ぎ部分からの漏水を防止することができる。
〔共用スペースの縮小化を図るとともに、美観化を向上するための構成〕
図13に示すように、階段が設けられた共用スペースには、ある階(例えば、図13には最上階を示している)に1箇所のパイプスペース100が設けられている。
図15は、パイプスペース100の断面図である。図15に示すように、パイプスペース100は、電気配線シャフト(以降EPS110とする)とメーターボックス(以降MB120とする)から構成されている。そして、各階の住戸数が2戸乃至9戸の場合には、(例えば、図13では4戸の住戸を示している)EPS110とMB120は1箇所に集結して配置されている。また、各階の住戸数が7戸乃至16戸の場合には、EPS110とMB120を2箇所に集結して配置することもできる。
このように、EPS110とMB120とを各階毎に1箇所または2箇所に集結して配置することで、共用スペースの縮小化が図れるとともに、美観の向上を図ることが可能となる。
図16は、パイプスペース100の扉が閉じられた状態を正面から観た図であり、図17は、パイプスペース100の扉が開けられた状態を正面から観た図である。図17に示すように、EPS110の内部は、上方に各住戸の積算電力計111が戸数分配置され、下方にはMDF112が配置されるとともに、電力幹線、弱電配線(縦)が納められている。また、1階のEPSにおいては、共用盤等も設置される。なお、建築物の仕様によっては、EPSには、インターネット盤、CATV用盤等も設置される。
図17に示すように、MB120の内部には、上方にガスメーター122が戸数分配置され、下方には水道メーター121が配置されるとともに、給水管、ガス管(縦)が納められている。
本発明は、開放感と生活空間としての快適性を有する集合住宅の用途に供する多層建築物に利用可能である。
(1)ある階と当該ある階の1つ下の階とが床板で仕切られている建築物であって、前記ある階は、水廻り設備と、この水廻り設備に接続され略水平方向に延びる横排水管と、この横排水管が接続され高さ方向に延びる縦排水管と、を備え、前記横排水管は、前記床板を貫通して、前記床板の下側で略水平方向に延びることを特徴とする建築物。
(1)の発明によると、ある階の横排水管をスラブを貫通させてある階の1階下の天井内に落とすことで、上階の横排水管と下階の排気管を下階の天井裏で横配管でき、「水場」に置き床を設置する必要がないので、階高を低くした場合でも、水場の快適な天井高さを確保できる。
(2)(1)に記載の建築物において、ある階の床板の下側には当該ある階の1つ下の階の水廻り設備の天井裏が形成され、この天井裏には当該ある階の1つ下の階と建築物の外部を連通する排気管が設けられ、この排気管は、前記天井裏内で前記横排水管と非交差に配置されることを特徴とする建築物。
(2)の発明によると、水場に設けられた天井裏内で横排水管と排気管が交差しないので、水場の天井高さをより高くでき、階高を低くした場合でも、水場で快適な天井高さを確保できる。
(3)(2)に記載の建築物において、前記水廻り設備は、キッチンを含み、前記キッチンは、上部にキッチン幕板とキッチン天井とで形成されたキッチン天井裏を有し、前記キッチン天井裏は、前記天井裏の下方で形成され、前記排気管は、前記横排水管と前記キッチン天井裏で交差させて配置されることを特徴とする建築物。
(3)の発明によると、キッチン天井裏を形成することで、居室の天井裏では、交差することができない排気管と横排水管の交差が可能となるので、より経済的な配管が可能となる。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の建築物において、前記ある階は、耐力壁で複数の住戸が仕切り形成され、前記水廻り設備は、前記住戸毎に複数設けられ、各住戸の水廻り設備は平面視で略四方形に各住戸の略半分の範囲の床板に設置され、この範囲は少なくとも一部分は各住戸を仕切り形成する前記耐力壁に接することを特徴とする建築物。
(4)の発明によると、水廻り設備を住戸の略半分の範囲の床板に設置することで、住戸の水場以外の天井高さをより高くすることができるので、階高を低くした場合でも、天井が高く開放感のあるリビングを設けることができる。
(5)(4)に記載の建築物において、各住戸の複数の前記横排水管は、1本または2本に集約され、前記縦排水管に接続することを特徴とする建築物。
(5)の発明によると、天井裏で横排水管を集約して、任意の位置の縦排水管に横排水管を接続できる。したがって、縦排水管の本数を最小限にすることで、縦排水管を収納するパイプスペースの容積を最小限とすることができるので、階高を低くした場合でも、居住空間を最大限の広さで確保できる。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の建築物において、屋上床板と、この屋上床板の端部に鉛直方向で地盤面に向かって形成される外壁と、前記屋上床板の上面に敷設される防水シートと、この防水シートの端部に取り付けられる押さえ金物と、を備え、前記屋上床板は略水平に設けられ、前記押さえ金物は前記床板の上面端部でありかつ前記外壁の外部面上端に設けられることを特徴とする建築物。
(6)の発明によると、パラペットが低くても、屋上の防水シートの端部を屋上床板に固定することができるので、パラペットの通常必要な高さの分を各階の階高に割り振ることができ、建築物の高さが制限される場合でも、居室の天井高さを最大限に確保することができる。
(7)(6)に記載の建築物において、前記屋上床板には、ルーフドレインが設置され、このルーフドレインの下部には、雨水横排水管が接続され、前記外壁には、雨水排水縦管が設置され、前記雨水横排水管は、前記屋上床板を貫通して、前記屋上床板の下側で略水平方向に延び、前記雨水排水縦管に接続されることを特徴とする建築物。
(7)の発明によると、ルーフドレイン(例えば、縦引きドレイン)の雨水横排水管を屋上床板を貫通して、屋上床板の下側で配管し、雨水排水縦管に接続するので、パラペットを設けない場合でも、的確に雨水の排水処理を行うことができる。
(8)(7)に記載の建築物において、最上階の住戸には、それぞれクローゼット及び/又はキッチンが設けられ、このクローゼットは、上部にクローゼット天井裏を有し、前記キッチンは、上部にキッチン幕板とキッチン天井とで形成されたキッチン天井裏を有し、前記ルーフドレインは、前記クローゼット天井裏の上方及び/又は前記キッチン天井裏の上方に配置されることを特徴とする建築物。
(8)の発明によると、ルーフドレイン(例えば、縦引きドレイン)の雨水横排水管を屋上床板を貫通して、屋上床板の下側で配管した場合でも、クローゼット天井裏内及び/又はキッチン天井裏内で、雨水横排水管を配管できるので、居室の天井高さを最大限に確保することができる。
(9)(7)または(8)に記載の建築物において、前記屋上床板は、前記ルーフドレインを中心とした所定範囲をこの所定範囲以外の部分より地盤面からの高さを低くしたスラブ段差を設けたことを特徴とする建築物。
(9)の発明によると、ルーフドレインを中心とした所定範囲の屋上床板天端レベルを下げることで、屋上床面を略水平とした場合でも、的確に雨水の排水処理を行える。
(10)(9)に記載の建築物において、前記スラブ段差は、前記クローゼット天井裏及び最上階の水回り設備の天井裏に配置されることを特徴とする建築物。
(10)の発明によると、屋上床板にスラブ段差を設けた場合でも、居室の天井高さを低くする必要がないので、屋上床面を略水平とした場合でも、的確に雨水をドレインに集水できるとともに、居室の天井高さを最大限に確保することができる。
(11)(9)または(10)に記載の建築物において、前記スラブ段差の高さは、略100mmであることを特徴とする建築物。
(11)の発明によると、屋上床板にスラブ段差を設ける場合でも、スラブ段差の高さを略100mmとすることで、既製の材料を使用してスラブ段差形成のための型枠組みを行うことができるので、建築物の施工が容易になる。
(12)(1)から(11)のいずれかに記載の建築物において、前記水廻り設備は、ユニットバスを含み、このユニットバスの近傍には前記横排水管が前記床板を貫通するための開口部が前記床板に形成され、前記横排水管は、前記床板の上側で水平方向に延び、前記ユニットバスの床面の高さは前記床板から135mm以上であって175mm以下であることを特徴とする建築物。
(12)の発明によると、建築物の階高を低くした場合でも、横排水管を下階に貫通させるための開口部がユニットバスの近傍に形成されているので、ある階の床板の上側であって、ユニットバスの床面の下側で、水勾配をとるためのスペースを確保しない構成とすることも可能となる。この場合には、ある階の床板からユニットバスの床面までの高さを短くでき、既製品のユニットバスを設置することができるので、ユニットバス内の天井高さを最大限に確保することができる。
(13)(12)に記載の建築物において、前記ユニットバスの床面の高さは前記床板から135mmを超えていて175mm以下であることを特徴とする建築物。
(13)の発明によると、建築物の階高を低くした場合でも、ユニットバス内の天井高さを最大限に確保しつつ、ユニットバスの下で、ユニットバスの排水口から横排水管を下階に貫通するまでの間においても、横排水管に水勾配をとりつつ配管できるので、より排水の流れがよくなる。
(14)(1)から(13)のいずれかに記載の建築物において、4つの階を有し、地盤面から屋上床板の天端までの高さが10m以下であることを特徴とする建築物。
(14)の発明によると、4階建ての建築物を建設する場合でも、建築物の高さを10m以内にすることで、日影規制の適用除外を受けることができる(建築基準法第56条の2)。また、高さ制限や斜線制限のある地域でも4階建ての建築物の建設が可能となるので、法規制を回避し、土地を有効利用することができる。
(15)(14)に記載の建築物において、1階床板の上面が前記地盤面と略同じ高さで形成されていることを特徴とする建築物。
(15)の発明によると、4階建ての建築物の高さを10m以内にした場合でも、1階の一部を地下構造とすることがないので、1階の住戸を快適な生活空間とすることができる。
(16)(6)から(11)のいずれかに記載の建築物において、前記ある階の前記床板の上に形成された逆梁と、この逆梁の上端に形成され前記ある階を囲む前記外壁と、を備え、前記外壁には、サッシが取り付けられる開口部が設けられ、この開口部は、前記逆梁の上端から前記ある階の1つ上の階の床板の下端に至ることを特徴とする建築物。
(16)の発明によると、居室の最も高い位置に、採光としてのサッシを設けることができ、居室内を明るくできるので、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(17)(16)に記載の建築物において、前記サッシは、窓枠と、この窓枠に取り付けられたガラスと、前記窓枠の内側に取り付けられた木枠と、を備え、この木枠には、物干し金物が取り付けられることを特徴とする建築物。
(17)の発明によると、バルコニーを設けない居室にも、サッシの木枠を利用し、簡易かつコンパクトに、物干し金物を取り付けられるので、居室内に物干し竿をかけることができ、また、居室内に洗濯物を干すので、家を留守にする場合でも、盗難の心配がなく、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(18)(4)または(5)に記載の建築物において、前記耐力壁の壁面には、前記床板に至るまで壁仕上げ材が貼られていることを特徴とする建築物。
(18)の発明によると、床と壁の見切りとしての巾木を設けず、床から天井までが同じ柄の壁仕上げ材を貼るので、視覚的に天井が高く感じることができるので、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(19)(4)、(5)または(18)に記載の建築物において、前記耐力壁のうち少なくとも1つには、玄関扉と、この玄関扉の上側に設けられた棚板と、が取り付けられ、この棚板は、前記玄関扉の幅を有することを特徴とする建築物。
(19)の発明によると、下駄箱を設ける必要がないので、生活空間としての主となるリビングをより広くすることができる。また、棚板であるので、箱であれば上に積み重ねることができ、20代もしくは30代の居住者は、靴を複数所有し、使わない靴は使用後も購入時の箱に入れて保管しておくという生活習慣にも合致しているので、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(20)(1)から(19)のいずれかに記載の建築物において、コンクリート製の壁を有し、この壁の少なくとも一部はセパ穴が露出したコンクリート打放し仕上げであり、前記セパ穴の底部には、セパレーター先端のボルトが突出し、このボルトには、壁掛け金物が螺合されることを特徴とする建築物。
(20)の発明によると、本来モルタルで埋めるはずのセパ穴のボルト部分を利用することで、コンクリートの壁に穴を開けずに壁掛け金物を取り付けることができ、また、壁掛け金物を接着剤でコンクリート壁に取り付けた場合は、重量物を掛けることはできないが、本発明の様にボルト部にナットにより壁掛け金物を螺合することで、重量物を掛けることも可能となる。そして、脚の長いナットを螺合すれば、ハンガー掛けとして利用することができ、また、2ヶ所の同じ高さのボルト部分に脚の長いナットをそれぞれ螺合し、これらの脚の長いナットの上に板を設置することで、飾り棚とすることもできる。このように、居住者の様々な生活スタイルに対応することができるので、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(21)(6)に記載の建築物において、平面視で各住戸の略半分の範囲をそれぞれ前記外壁を含む2つのリビングに2分割する飾り壁が設けられ、この飾り壁は、コンクリート製であり、前記床板上面から1つ上の階の床板下面に至ることを特徴とする建築物。
(21)の発明によると、リビングを平面視で比較的大きくとった場合、居住者の生活スタイルに合わせて、リビングを2分割できると共に、床板のたわみや振動を軽減することができ、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(22)(1)から(21)のいずれかに記載の建築物において、鉄筋コンクリート造の地中梁と、この地中梁の上端に形成された鉄筋コンクリート造の1階外壁と、を備え、この1階外壁のうち地盤面からの高さが少なくとも100mm以上の部分は、前記地中梁とともに形成されることを特徴とする建築物。
(22)の発明によると、コンクリート打ち継ぎ部分を地盤面から100mm以上上げることにより、地中梁と1階の外壁とのコンクリート打ち継ぎ部分からの漏水を防止することができ、住戸を快適な生活空間とすることができる。
(23)(1)から(22)のいずれかに記載の建築物は、電気配線シャフトとメーターボックスと、を備え、前記電気配線シャフトと前記メーターボックスとは、各階毎に1箇所または2箇所に集結して配置されることを特徴とする建築物。
(23)の発明によると、各階毎に電気配線シャフトとメーターボックスを集結させて納めることにより、共用スペースの縮小化が図れるとともに、美観の向上を図ることが可能となる。
(24)(23)に記載の建築物において、前記電気配線シャフトと前記メーターボックスとは、各階の住戸数が2戸乃至9戸の場合に、各階毎に1箇所に集結して配置されることを特徴とする建築物。
(24)の発明によると、各階毎に電気配線シャフトとメーターボックスを集結させて1箇所納めることにより、共用スペースの縮小化、美観の向上を図ることが可能となるとともに、建築設備のメンテナンスをより容易に行うことが可能となる。
(25)(23)に記載の建築物において前記電気配線シャフトと前記メーターボックスとは、各階の住戸数が7戸乃至16戸の場合に、各階毎に2箇所に集結して配置されることを特徴とする建築物。
(25)の発明によると、各階毎に電気配線シャフトとメーターボックスを集結させて2箇所納めることにより、各階の住戸数が多くなった場合でも、共用スペースの縮小化、美観の向上を図ることが可能となるとともに、建築設備のメンテナンスをより容易に行うことが可能となる。
本発明によれば、建築物の高さが10m以内に制限される地域でも、1階を地下構造とせずに、4階建ての建築物の建設が可能となる。これによって、法規制を回避しつつ、土地の有効利用と効率の高い資本回収が実現できることになる。この場合には、階高を低くすることとなるが、天井が高く開放感のあるリビングが確保できるので、全体高さを低くしたことによる快適性の低下の心配がない。また、横排水管を床板上面で配管しないので、置き床を設ける必要がない。これによって、水場でも生活空間として圧迫感のない天井高さが確保できる。また、横排水管を集約し、パイプスペースを最小限にできるので、居住空間を最大限広くすることができる。その他に、ユニットバスの床面の高さを低くすることで、通常の天井高さを有するユニットバスが設置でき、ユニットバス内でも圧迫感のない天井高さが確保できる。さらには、壁やサッシの設置位置等により、住戸を快適な生活空間とする建築物の提供をすることができる。
本発明の好適な実施例に係る建築物の断面図である。 本発明の好適な実施例に係る建築物の2階から4階の平面図である。 本発明の好適な実施例に係る住戸の平面詳細図である。 本発明によるトイレの横排水管が床板を貫通して水平方向に配管される実施例を示す断面図である。 本発明によるユニットバスの横排水管が床板を貫通して水平方向に配管される実施例を示す断面図である。 本発明の好適な実施例に係る建築物の2階から4階の排水設備の平面図である。 本発明の好適な実施例に係る建築物の2階から4階の排気設備の平面図である。 本発明による略水平の屋上床板に敷設した防水シートの端部に押さえ金物が設けられている実施例の断面図である。 外壁の開口部に取り付けられるアルミ製サッシの水平方向の断面図である。 コンクリート打放し仕上げとした壁の水平方向の断面図である。 本発明の飾り壁を設けた場合の好適な実施例に係る住戸の平面詳細図である。 本発明による横排水管がキッチン天井裏において排気管と交差して配管される実施例を示す断面図である。 本発明の好適な実施例に係る建築物の最上階の平面図である。 本発明の好適な実施例に係る建築物の屋上床板にルーフドレインが設置された場所の断面図である。 本発明の好適な実施例に係る建築物のパイプスペースの断面図である。 本発明の好適な実施例に係る建築物のパイプスペースの扉が閉じられた状態を正面から観た説明図である。 本発明の好適な実施例に係る建築物のパイプスペースの扉が開けられた状態を正面から観た説明図である。
符号の説明
11 建築物
12 外壁
13 床板
14 地中梁
15 耐圧盤
16 配管用ピット
17 木質フローリング
18 逆梁
19 開口部
20 地盤
21 住戸
22 共用廊下
23 階段
24 階段室
25 耐力壁
31 リビング
32 玄関
33 トイレ
34 ユニットバス
35 キッチン
36 洗濯機置き場
37 パイプスペース
41 横排水管
42 縦排水管
43 排気管
44 下がり天井
45 天井裏
46 軽量鉄骨
47 プラスターボード
48 浴槽
49 脚ボルト
50 洗い場スペース
51 屋上床板
52 防水シート
53 押さえ金物
54 ビス
55 シーリング
61 アルミ製サッシ
62 障子
63 窓枠
64 木枠
65 物干し金物
66 ビニールクロス
67 玄関扉
68 棚板
71 コンクリート打放し仕上げとした壁
72 セパ穴
73 セパレーター
74 セパレーターのボルト部分
75 壁掛け金物
76 飾り壁
78 コンクリート打ち継ぎ部分
80 雨水横排水管
81 雨水排水縦管
82 ルーフドレイン
85 スラブ段差
86 スラブ下断熱材
87 クローゼット
88 クローゼット天井
89 クローゼット天井裏
90 キッチン幕板
91 キッチン天板
95 キッチン天井裏
100 パイプスペース
110 EPS
111 各住戸の積算電力計
112 MDF
120 MB
121 水道メーター
122 ガスメーター

Claims (23)

  1. 住戸が配置された4つの階を地上に有し、地盤面から屋上床板の天端までの高さが10m以下であり、
    ある階と当該ある階の1つ下の階とが床板で仕切られている建築物であって、
    前記ある階は、前記住戸内に水廻り設備と、この水廻り設備に接続され略水平方向に延びる横排水管と、この横排水管が接続され高さ方向に延びる縦排水管と、を備え、
    前記横排水管は、前記床板を貫通して、前記床板の下側で略水平方向に延び、
    前記ある階の床板の下側には前記ある階の1つ下の階の水廻り設備の天井裏が形成され、この天井裏には前記ある階の1つ下の階と建築物の外部を連通する排気管が設けられ、
    この排気管は、前記天井裏内で前記横排水管と非交差に配置されることを特徴とする建築物。
  2. 請求項1に記載の建築物において、
    前記ある階は、耐力壁で複数の前記住戸が仕切り形成され、
    前記耐力壁の少なくとも一部は、前記住戸の内部と前記住戸の外部とを仕切り、
    前記水廻り設備は、前記住戸毎に複数設けられ、
    各住戸の前記複数の水廻り設備は平面視で略四方形に各住戸の略半分の範囲の床板に設置され、この範囲は少なくとも一部分は前記住戸の内部と前記住戸の外部とを仕切り形成する前記耐力壁に接することを特徴とする建築物。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の建築物において、
    屋上床板と、この屋上床板の端部に鉛直方向で地盤面に向かって形成される外壁と、前記屋上床板の上面に敷設される防水シートと、この防水シートの端部に取り付けられる押さえ金物と、を備え、
    前記屋上床板は、略水平の屋上床面が形成され、
    前記屋上床板の端部は、前記屋上床面と略同一平面上から前記屋上床面より略45mm立ち上がった位置の間で形成され、
    前記押さえ金物は前記床板の上面端部でありかつ前記外壁の外部面上端に設けられることを特徴とする建築物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の建築物において、
    1階床板の上面が前記地盤面と略同じ高さで形成されていることを特徴とする建築物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の建築物において、
    鉄筋コンクリート造の地中梁と、この地中梁の上端に形成された鉄筋コンクリート造の1階外壁と、を備え、
    この1階外壁のうち地盤面からの高さが少なくとも100mm以上の部分は、前記地中梁とともに形成されることを特徴とする建築物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の建築物において、
    前記水廻り設備は、キッチンを含み、
    前記キッチンは、上部にキッチン幕板とキッチン天井とで形成されたキッチン天井裏を有し、
    前記キッチン天井裏は、前記天井裏の下方で形成され、
    前記排気管は、前記横排水管と前記キッチン天井裏で交差させて配置されることを特徴とする建築物。
  7. 請求項2に記載の建築物において、
    各住戸の複数の前記横排水管は、1本または2本に集約され、前記縦排水管に接続することを特徴とする建築物。
  8. 請求項3に記載の建築物において、
    前記屋上床板には、ルーフドレインが設置され、
    このルーフドレインの下部には、雨水横排水管が接続され、
    前記外壁には、雨水排水縦管が設置され、
    前記雨水横排水管は、前記屋上床板を貫通して、前記屋上床板の下側で略水平方向に延び、前記雨水排水縦管に接続されることを特徴とする建築物。
  9. 請求項8に記載の建築物において、
    最上階の住戸には、それぞれクローゼット及び/又はキッチンが設けられ、
    このクローゼットは、上部にクローゼット天井裏を有し、
    前記キッチンは、上部にキッチン幕板とキッチン天井とで形成されたキッチン天井裏を有し、
    前記ルーフドレインは、前記クローゼット天井裏の上方及び/又は前記キッチン天井裏の上方に配置されることを特徴とする建築物。
  10. 請求項9に記載の建築物において、
    前記屋上床板は、前記ルーフドレインを中心とした所定範囲をこの所定範囲以外の部分より地盤面からの高さを低くしたスラブ段差を設けたことを特徴とする建築物。
  11. 請求項10に記載の建築物において、
    前記スラブ段差は、前記クローゼット天井裏及び最上階の水回り設備の天井裏に配置されることを特徴とする建築物。
  12. 請求項10または11に記載の建築物において、
    前記スラブ段差の高さは、略100mmであることを特徴とする建築物。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の建築物において、
    前記水廻り設備は、ユニットバスを含み、このユニットバスの近傍には前記横排水管が前記床板を貫通するための開口部が前記床板に形成され、
    前記横排水管は、前記床板の上側で水平方向に延び、
    前記ユニットバスの床面の高さは前記床板から135mm以上であって175mm以下であることを特徴とする建築物。
  14. 請求項13に記載の建築物において、
    前記ユニットバスの床面の高さは前記床板から135mmを超えていて175mm以下であることを特徴とする建築物。
  15. 請求項8から14のいずれかに記載の建築物において、
    前記ある階の前記床板の上に形成された逆梁と、この逆梁の上端に形成され前記ある階を囲む前記外壁と、を備え、
    前記外壁には、サッシが取り付けられる開口部が設けられ、
    この開口部は、前記逆梁の上端から前記ある階の1つ上の階の床板の下端に至ることを特徴とする建築物。
  16. 請求項15に記載の建築物において、
    前記サッシは、窓枠と、この窓枠に取り付けられたガラスと、前記窓枠の内側に取り付けられた木枠と、を備え、
    この木枠には、物干し金物が取り付けられることを特徴とする建築物。
  17. 請求項2に記載の建築物において、
    前記耐力壁の壁面には、前記床板に至るまで壁仕上げ材が貼られていることを特徴とする建築物。
  18. 請求項2、7、または17に記載の建築物において、
    前記耐力壁のうち少なくとも1つには、玄関扉と、この玄関扉の上側に設けられた棚板と、が取り付けられ、
    この棚板は、前記玄関扉の幅を有することを特徴とする建築物。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載の建築物において、
    コンクリート製の壁を有し、この壁の少なくとも一部はセパ穴が露出したコンクリート打放し仕上げであり、
    前記セパ穴の底部には、セパレーター先端のボルトが突出し、このボルトには、壁掛け金物が螺合されることを特徴とする建築物。
  20. 請求項2、7、17、または18に記載の建築物において、
    平面視で各住戸の略半分の範囲をそれぞれ前記外壁を含む2つのリビングに2分割する飾り壁が設けられ、
    この飾り壁は、コンクリート製であり、前記床板上面から1つ上の階の床板下面に至ることを特徴とする建築物。
  21. 請求項1から20のいずれかに記載の建築物は、電気配線シャフトとメーターボックスと、を備え、
    前記電気配線シャフトと前記メーターボックスとは、各階毎に1箇所または2箇所に集結して配置されることを特徴とする建築物。
  22. 請求項21に記載の建築物において、
    前記電気配線シャフトと前記メーターボックスとは、各階の住戸数が2戸乃至9戸の場合に、各階毎に1箇所に集結して配置されることを特徴とする建築物。
  23. 請求項21に記載の建築物において、
    前記電気配線シャフトと前記メーターボックスとは、各階の住戸数が7戸乃至16戸の場合に、各階毎に2箇所に集結して配置されることを特徴とする建築物。
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