JP2007046040A - 洗剤粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペースト形成性が抑制され、かつ発熱性が低い洗剤粒子、該洗剤粒子の製造方法及び該洗剤粒子を含有した高嵩密度洗剤組成物を提供すること。
【解決手段】直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS-Na)及びX線回折法で検出されない芒硝とX線回折法で検出される芒硝を含有する洗剤粒子であって、モル比にて〔X線回折法で検出されない芒硝〕/〔LAS-Na〕が0.1〜1.0であり、且つモル比にて〔X線回折法で検出される芒硝〕/〔化学的に定量される芒硝〕が0.5〜0.9である洗剤粒子、洗剤粒子の製造方法、並びに前記洗剤粒子を、又は前記製造方法により得られる洗剤粒子を含有してなる、嵩密度500g/L以上の高嵩密度洗剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下、LAS-Naという)及び芒硝を含有する洗剤粒子に関する。本発明は乾式中和によりかかる洗剤粒子を製造する方法に関する。さらに本発明は、かかる洗剤粒子を含有する高嵩密度洗剤組成物に関する。
洗剤工業界では最近、嵩密度の比較的高い粉末洗剤の製造方法が注目されている。LAS-Naを含むこの種の粉末は、前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの酸前駆体(以下LAS-Sという)をその場で水酸化ナトリウム又は炭酸ナトリウムのようなアルカリによって中和しながら製造されている。
例えば、特許文献1には、流動化させた粒状固形アルカリ無機物質及びリサイクル微紛に液体酸前駆体を加えて中和する方法が開示されている。
しかしながら、この公報には、リサイクル微粉の組成が明確に規定されておらず、また、洗剤を洗濯機で使用する際のペースト形成性、及び手洗いを行うときの発熱性についての何らの記載や示唆もない。
特表2002-528599号公報
本発明の目的は、ペースト形成性が抑制され、かつ発熱性が低い洗剤粒子を提供することである。
また、本発明の目的はかかる洗剤粒子の製造方法を提供することである。
さらに本発明の目的は、かかる洗剤粒子を含有してなる高嵩密度洗剤組成物を提供することである。
本発明の要旨は、
〔1〕 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS-Na)及びX線回折法で検出されない芒硝とX線回折法で検出される芒硝を含有する洗剤粒子であって、モル比にて〔X線回折法で検出されない芒硝〕/〔LAS-Na〕が0.1〜1.0であり、且つモル比にて〔X線回折法で検出される芒硝〕/〔化学的に定量される芒硝〕が0.5〜0.9である洗剤粒子、
〔2〕 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの液体酸前駆体(LAS-S)と硫酸の混合物を、水溶性固体アルカリ無機物質により粉末無水芒硝を含む混合物中で乾式中和を行う工程を有する洗剤粒子の製造方法であって、乾式中和を行うにあたり、LAS-S 1モルに対して、硫酸を0.1〜1.0モルの比率で存在させ、且つ粉末無水芒硝と硫酸の合計1モルに対して粉末無水芒硝を0.5〜0.9モルの比率で存在させる洗剤粒子の製造方法、
〔3〕 前記〔1〕記載の洗剤粒子を、又は前記〔2〕記載の製造方法により得られる洗剤粒子を含有してなる、嵩密度500g/L以上の高嵩密度洗剤組成物に関する。
本発明に記載の製造方法を用いることで、洗濯機底部でのペースト形成性が極めて低く、また、手洗い時に不快な溶解熱の発生が低い洗剤粒子を得ることができるという効果が奏される。
本発明の洗剤粒子の製造方法は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の液体酸前駆体(LAS-S)と硫酸の混合物を、水溶性固体アルカリ無機物質により粉末無水芒硝を含む混合物中で乾式中和を行う工程を有する洗剤粒子の製造方法であって、乾式中和を行うにあたり、LAS-S 1モルに対して、硫酸を0.1〜1.0モルの比率で存在させ、且つ粉末無水芒硝と硫酸の合計1モルに対して粉末無水芒硝を0.5〜0.9モルの比率で存在させることを特徴とする。
本発明において、上記方法によって、洗剤粒子及び高嵩密度洗剤組成物を製造できる。すなわち、意図的な硫酸の存在下で、LAS-Sを水溶性固体アルカリ無機物質で乾式中和して得られる洗剤粒子は、粒子の粘着性が低く、かつ粒径の小さい洗剤粒子となる。
しかし、粒径の小さな洗剤粒子は洗濯機で使用する際にペーストを形成し易いという傾向があった。また、従来の洗剤粒子では水溶性固体アルカリ無機物質の含有量が多いと、手洗い時に洗剤粒子の発熱が感じられ、使用者に好ましくない感覚を与えるものであった。これに対して、本発明のように乾式中和を行うにあたり、粉末無水芒硝を添加することで粒径が小さな場合でも、ペーストが形成せず、発熱も許容値に抑えられるという利点がある。
本発明の製造方法における乾式中和の態様としては、所定量の硫酸及び粉末無水芒硝の存在下で乾式中和が行われる態様であれば特に限定されるものではないが、例えば、LAS-Sと硫酸の混合物と、水溶性固体アルカリ無機物質と粉末無水芒硝とを混合して乾式中和を行う態様が挙げられる。
以下、本発明の製造方法の一例としての上記の態様について、より詳細に説明する。
本態様においては、1)混合工程、2)乾式中和工程、の各工程に分けることができる。次いで各工程について説明する。
1)混合工程
本工程は、乾式中和に先立ち、予めLAS-Sと硫酸を混合する工程である。
また、本発明で用いられるLAS-Sの中で、その製造方法により残存硫酸を含むものがある。
本発明で使用されるLAS-S(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)は、以下の代表的な二方法により、製造される。
(1)オレウム(発煙硫酸)スルホン化法
(2)SOガススルホン化法
(1)は、古典的な直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の製造法であって、生成物中には直鎖アルキルベンゼンスルホン酸1モルに対して、0.3モル程度の硫酸を含み得る。又、(2)は、生成物中の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の純度が高く、残存硫酸の量は比較的低く、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸1モルに対して、通常残存硫酸は0.2モル以下である。現在は、品質及び生産性の面から、純度の高い直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の製造法として、主として(2)の製造法が用いられ、本発明においては、(2)により製造された直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を好適に用いる。
このように、LAS-Sには硫酸が予め存在している場合がある。このような硫酸の量、即ち、LAS-S中に予め存在する硫酸の量は特に限定されるものではないが、得られる洗剤粒子の色相の観点から、該LAS-S 1モルに対して0.09モル以下であることが好ましく、0.06モル以下であることがより好ましい。なお、LAS-Sにおけるアルキル基の炭素数は、10〜16が好ましい。
本発明の製造方法において存在させる硫酸の量は、LAS-S 1モルに対して0.1〜1.0モルであり、好ましくはLAS-S 1モルに対して0.1〜0.8モル、より好ましくは0.15〜0.65モルである。洗剤粒子の粗粒化抑制の観点から、硫酸の量は0.1モル以上であることが好ましく、濃縮洗剤の配合組成の自由度確保の観点から1.0モル以下であることが好ましい。
また、本発明において存在させる粉末無水芒硝の量と、上記硫酸の量は、粉末無水芒硝と硫酸の合計1モルに対して、粉末無水芒硝を0.5〜0.9モルであり、0.6〜0.88モルが好ましい。洗濯機でのペースト形成を抑制する観点から、0.5モル以上であり、洗剤粒子の粗粒化抑制の観点から、0.9モル以下である。
なお、LAS-S中に予め存在する硫酸の量が上記の範囲に満たない場合、又は該LAS-S中に予め存在する硫酸の量が上記の範囲内であっても、より小さな洗剤粒子を得たい場合、LAS-S等の原料成分に硫酸を意図的に添加することが好ましい。
本工程において用いられる混合機としては特に限定されるものではなく、例えば攪拌機を備えた液体用混合槽等が挙げられる。また、混合の程度も、各成分が一様に混合する程度で良い。混合する際の他の条件(温度、攪拌機のヘッドスペース部の窒素置換)としては特に限定はない。
2)乾式中和工程
本工程は、前工程で得られたLAS-Sと硫酸の混合物と、水溶性固体アルカリ無機物質及び粉末無水芒硝とを混合し、LAS-Sと硫酸の乾式中和を行う工程である。なお、本工程においては、LAS-S及び硫酸の添加により、中和反応と造粒が同時並行的に起こり、中和粒子が形成される。
具体的には、本工程は以下に示す工程(a)と工程(b)を含む。
即ち、
工程(a):上述の混合工程で得られた混合物中のLAS-Sと硫酸の混合物を中和するのに必要な量(中和当量)以上の水溶性固体アルカリ無機物質、粉末の無水芒硝、及び/又は一般に洗剤組成物に用いられる公知の物質とを混合する工程;
工程(b):工程(a)で得られる混合物に、上述の混合工程で得られたLAS-Sと硫酸の混合物を添加することにより、工程(a)で得られた混合物を粒状に維持しつつ、中和する工程、
である。
工程(a)について
水溶性固体アルカリ無機物質としては、通常洗剤組成物においてアルカリ剤として用いられるものが挙げられ、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸カリウム等が例示される。これらは単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。水溶性固体アルカリ無機物質の中でも、好ましい実施態様として炭酸ナトリウムがあり、炭酸ナトリウムは最終組成物において、洗剤ビルダー及びアルカリ剤として機能させ得るものである。従って、LAS-Sと硫酸の混合物を中和するのに必要な量に、上記機能のための炭酸ナトリウムを加えた量で、本工程においてかかる水溶性固体アルカリ無機物質を添加混合させることにより、中和反応を良好に行うことができる。
即ち、かかる水溶性固体アルカリ無機物質の量は、LAS-S及び硫酸の中和に必要な量(中和当量)より実質的に多い量が好ましく、例えば、好ましくは中和当量の1〜20倍であり、より好ましくは2〜15倍、さらに好ましくは3〜10倍である。
本発明に用いられる粉末無水芒硝とは、硫酸ナトリウム十水和塩のモル分率が50%以下の硫酸ナトリウムをいう。なお、モル分率は、標品を100℃で恒量まで乾燥し、無水物とする事によって確認することができる。
粉末無水芒硝としては、商品名「中性無水芒硝」(四国化成工業株式会社製)等が挙げられる。
ここで、粉末とは平均粒径が50〜500μmの粒子であることをいう。
さらに本工程においては、一般に洗剤組成物に用いられる公知の物質を添加して混合しても良い。かかる物質としては、トリポリリン酸塩、結晶性又は非結晶性アルカリ金属アルミノケイ酸塩、結晶性ケイ酸塩、炭酸カルシウム、蛍光剤、顔料、再汚染防止剤(ポリカルボキシレートポリマー、ナトリウムカルボキシメチルセルロース等)、粒子状界面活性剤(脂肪酸又はその塩、アルキル硫酸塩等)、噴乾粉末、珪藻土、方解石、カオリン、ベントナイト、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。かかる物質はその用途に応じて任意に用いられる。
例えば、本工程においてアルカリ金属アルミノケイ酸塩を添加すると、水不溶分が発生する。
ここで、水不溶分とは、1Lビーカーに10℃の水を1L入れ、洗剤粒子1gを投入し、マグネチックスターラーで10分間攪拌後、200メッシュ(74μm)の篩に通し、105℃30分乾燥後、残存分を秤量して求めるものである。水不溶分が0.5重量%を超えると使用者が認知できるため、好ましくない。
本工程において、アルカリ金属アルミノ珪酸塩を最終洗剤組成物の5重量%を超えて投入すると、水不溶分が0.5重量%を超える。従って、本工程でさらにアルカリ金属アルミノ珪酸塩を添加する場合、得られる洗剤粒子の5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。このため、洗剤の設計上必要な該アルミノケイ酸塩は、乾式中和後の工程に投入することが望ましい。
アルカリ金属アルミノケイ酸塩の平均粒径は1〜30μmが好適である。
なお、上記アルミノケイ酸塩の平均粒径は体積基準で算出されるものであり、レーザー回折式粒度分布測定装置:LA-500(堀場製作所(株)製)を用いて測定される値である。
また、結晶性ケイ酸塩、炭酸カルシウム、蛍光剤、顔料、再汚染防止剤、粒子状界面活性剤、噴乾粉末、珪藻土、方解石、カオリン、ベントナイト、亜硫酸ナトリウム等の量は特に限定されない。
工程(a)において用いられる、上記の各成分を混合するための混合機としては特に限定されるものではないが、攪拌造粒機が好適に用いられる。攪拌造粒機としては特に限定されるものではないが、攪拌羽根と解砕/分散用チョッパー(又はこれに機能的に同等なもの)を具備するものが好ましい。
本発明に用いられる攪拌造粒機の具体例としては、バッチ式のものとして、バーチカルグラニュレータ((株)パウレック製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、レディゲミキサー((株)マツボー製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、ゲーリッケミキサー(明治機械(株)製)等が挙げられる。特に好ましくは、レディゲミキサー、プロシェアミキサーである。連続式のものとして、連続式レディゲミキサー(中速ミキサー:滞留時間が比較的長い)や、高速ミキサー(滞留時間が比較的短い)としてCBリサイクラー(Loedige 製)、タービュライザー(ホソカワミクロン(株)製)、シュギミキサー((株)パウレック製)、フロージェットミキサー((株)粉研製)等が挙げられる。なお、本発明においては上記ミキサーを適宜組み合わせて用いても良い。
また、攪拌造粒機は、内部の温度を調節するためのジャケットを具備するものや、ガス吹き込み操作を行うためのノズルを具備するものがより好適である。
工程(a)における混合の程度は特に限定されるものではなく、各成分が一様に混合する程度であれば良い。例えば攪拌造粒機を用いる場合、攪拌造粒機の作動条件としては、例えば、混合時間は5分間以内が好ましい。主軸攪拌速度及び解砕/分散用チョッパー速度は機種によって適宜設定し得るが、例えばバッチ式のものであれば、主軸攪拌周速度は2〜15m/sが好ましく、解砕/分散用チョッパー周速度は20〜60m/sが好ましい。
工程(b)について
工程(b)において、LAS-Sが乾式中和されるためには、水溶性固体アルカリ無機物質に、LAS-S、又はLAS-Sと硫酸の混合物を徐々に添加すれば良い。LAS-S又は上述の混合物の添加に要する時間は添加する量に依存するため一概には言えないが、バッチ式の場合、一般的には1分以上、より好ましくは1〜10分、更に好ましくは2〜7分である。ここで、LAS-S又は上述の混合物の添加を著しく短時間で行うと、未反応のLAS-Sが蓄積し、過度の凝集を引き起こす傾向があるため、1分以上で添加することが好ましい。
また、かかるLAS-S又は上述の混合物の添加方法としては、連続的または複数回に分割して行ってもよく、添加手段は複数設けても良い。
なお、工程(b)において使用することのできる混合機としては特に限定されるものではないが、上述の工程(a)において例示された攪拌造粒機が好適なものである。
また、LAS-S又は上述の混合物の添加後、さらに攪拌造粒機を30秒以上、より好ましくは1分以上作動させても良い。このような操作を行うことにより、中和反応及び造粒操作を完結させることができるため好適である。
工程(b)においては、ガスを吹き込みつつ中和を行うことが好ましい。これは中和反応で生じた余剰の水分を蒸発させ、かつ粒状物をガスを用いて冷却させることにより粒状物が大きな塊となるのを防止するためである。かかるガスとしては、Nガス、空気等が挙げられる。ガスの吹き込み量(通気量)は特に限定されないが、粒状物100重量部に対して毎分0.2重量部以上が好ましく、毎分2重量部以上がより好ましい。
また、所望の洗剤組成物の組成に石鹸(脂肪酸ナトリウム)が含まれる場合、工程(b)において、任意で脂肪酸を添加し、脂肪酸の乾式中和を行ってもよい。添加順序としては、LAS-S又はLAS-Sと硫酸の混合物の添加後に脂肪酸を添加することが望ましく、さらにはLAS-S又はLAS-Sと硫酸の混合物の添加後に攪拌造粒機を30秒以上、より好ましくは1分以上作動させた後に脂肪酸を添加することがより望ましい。これは、LAS-Sまたは硫酸の中和が完了していない場合に、LAS-Sまたは硫酸が脂肪酸と反応して着色物を生成し、製品の外観を劣化させる場合があるためである。なお、脂肪酸を添加するかわりに、LAS-S又はLAS-Sと硫酸の混合物を添加した後の任意の工程において、石鹸を添加しても構わない。
上述のごとくして、乾式中和工程が完結する。
以上の本発明の製造方法により得られる洗剤粒子について、さらに表面改質を行っても良い。即ち、本発明の洗剤粒子の製造方法は、乾式中和を行う工程の後さらに流動助剤を添加して表面改質を行う工程を有していても良い。洗剤粒子の表面改質を行うことにより、得られる洗剤粒子のさらなる流動性の向上、保存安定性の向上を図ることができるため、例えば、本洗剤粒子を洗剤組成物の一成分として用いる場合、好適である。表面改質は、得られる洗剤粒子を攪拌造粒機で混合しつつ、流動助剤としての表面改質剤を添加する(表面改質工程)ことにより実施される。
表面改質剤としては通常用いられる公知のものが使用でき、結晶性又は非結晶性アルカリ金属アルミノケイ酸塩(ゼオライト)、方解石、ケイソウ土、シリカ等が好適に用いられる。かかるアルミノケイ酸塩は、平均粒径が10μm以下のものがより好ましい。またその量としては、最終産物である洗剤組成物の5〜50重量%が好ましく、7〜40重量%がより好ましい。なお、表面改質剤の平均粒径は体積基準で算出されるものであり、レーザー回折式粒度分布測定装置:LA-500(堀場製作所(株)製)を用いて測定される値である。
また、表面改質剤を添加した場合の攪拌造粒機の運転時間は特に限定されないが、1〜5分間が好ましい。
なお、本製造方法において、得ようとする洗剤組成物の組成により、所望の液体成分を添加する(液体成分添加工程)ことができる。液体成分の添加時期は特に限定されるものではなく、乾式中和を行う工程の前又はその途中、或いは後に行ってもよいが、表面改質剤の添加前が好ましい。但し、液体成分の添加後、得られた洗剤粒子が良好な流動性及び/又は良好な保存安定性を有する場合には、流動助剤としての表面改質剤を添加することは必要ではない。
液体成分としては、例えば非イオン界面活性剤、水溶性ポリマー(ポリエチレングリコール、アクリル酸マレイン酸コポリマー等)、水等の洗剤組成物中の任意の液体成分が挙げられる。液体成分は一成分のみを用いてもよく、二成分以上を併用しても良い。液体成分の量としては、洗剤組成物の凝集抑制の観点から、最終産物である洗剤組成物の20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
さらに本発明においては、一般に洗剤組成物に用いられている公知の物質を乾式中和工程の後に添加して混合しても良い。例えば、液体成分添加工程の前及び/又は表面改質工程の前に添加しても良い。かかる物質としては、トリポリリン酸塩、結晶性又は非結晶性アルカリ金属アルミノケイ酸塩、結晶性ケイ酸塩、炭酸カルシウム、蛍光剤、顔料、再汚染防止剤(ポリカルボキシレートポリマー、ナトリウムカルボキシメチルセルロース等)、粒子状界面活性剤(脂肪酸又はその塩、アルキル硫酸塩等)、噴乾粉末、珪藻土、方解石、カオリン、ベントナイト、亜硫酸ナトリウム、石鹸等が挙げられる。かかる物質は、その用途に応じて任意に用いられる。
また、液体成分の添加を表面改質剤の添加前に行った場合の攪拌造粒機の運転時間は特に限定されないが、0.5〜8分間が好ましい。
即ち、本発明の洗剤粒子の製造方法としては、
(1):乾式中和を行う工程の後さらに液体成分を添加する工程を有する態様、
(2):(1)の態様における液体成分を添加する工程の後さらに流動助剤を添加して表面改質を行う工程を有する態様、
も好適な態様として挙げられる。
上記のようにして表面改質された洗剤粒子の色相は特に限定されるものではないが、例えば、表面改質された洗剤粒子の粒径を350〜500μmに揃え、かかる洗剤粒子を光電色彩計により計測した場合、ハンターLab表色系のL値で90以上が好ましい。
なお、本発明において、さらにその他の任意成分を添加しても良い。かかる任意成分としては、例えば酵素、香料、漂白剤、色素等が挙げられる。かかる成分は、本発明の製造方法によって得られる洗剤粒子と上記の成分とを、回転ドラム等の混合機を用いて混合することにより配合される。
本発明における実施形態としては、上記の方法に限定されるものではない。即ち、本発明は、LAS-Sの乾式中和による、公知の嵩密度の高い粉末洗剤組成物および製品の製造方法に適用可能である。
このようにして得られる本発明の洗剤粒子は、LAS-Na及びX線回折法で検出されない芒硝とX線回折法で検出される芒硝を含有する洗剤粒子であって、モル比にて〔X線回折法で検出されない芒硝〕/〔LAS-Na〕=0.1〜1.0であり、且つモル比にて〔X線回折法で検出される芒硝〕/〔化学的に定量される芒硝〕=0.5〜0.9であることを特徴とする。
本発明の洗剤粒子の最大の特徴は、全ての芒硝ではなく、一部の芒硝がX線回折法で検出されること、即ち、X線回折法で検出される芒硝と検出されない芒硝が存在することである。
ここで、X線回折法で一部の芒硝が検出されるとは、X線回折法による試料の分析において、定量した芒硝の含量が、後述する化学的定量法によって求めた含量よりも少ないことを示す。
洗剤粒子中の芒硝のうち、一部がX線回折法で検出されなくなる理由としては、中和時に予めLAS-Sと硫酸を混合することにより、それらの中和物(LAS-Naと芒硝)が分子レベルで混合し、X線回折法で検出し得る結晶構造をとれないことに起因すると考えられるが、詳細については明確ではない。
X線回折法は以下のようにして行った。粉末X線回折(XRD)装置(理学電機製RINT2500VPC、光源Cu Kα、管電圧40 kV、管電流120 mA)を用い、2θ=5〜50°の範囲を走査間隔0.01°、走査速度10°/min、発散縦制限スリット10 mm、発散スリット1°、受光スリット0.3 mm、散乱スリット自動の条件で室温にて測定した。
例えば、後述の実施例1の洗剤粒子のX線回折パターンは、JCPDSのNo.37-1465から硫酸ナトリウム、No.39-0222から4A型ゼオライト、No.19-1130から炭酸ナトリウムの混合物であると同定される(図1)。
一方、洗剤粒子中の無機塩の含有量は、例えばイオンクロマトグラフィー等の分析手段により化学的に定量することができる。例えば、無機塩が硫酸塩である場合、例えばイオンクロマトグラフィー等の分析手段によってあらかじめ作成した硫酸イオンの検量線を用いて粒子に含有する硫酸塩を定量することが可能であり、本発明の洗剤粒子においても、粒子に含有される硫酸塩を化学的に定量することが可能である。
本発明では、イオンクロマトグラフィーの測定は、以下のようにして行った。硫酸イオン1000mg/L標準液(イオンクロマト用)10mLを正確にとり、イオン交換水で全量を100mLにする。この溶液を順次希釈し、10,20,30,40及び50mg/L溶液を調製し、イオンクロマトに供し、検量線を作成する。装置:Dionex社製イオンクロマト320、カラム:IonPac AS11-HG、AG11-HG、溶離液:10〜40mmol/L(0〜25分)KOH(EG40使用)、流量:1.5ml/min、恒温槽温度:35℃、検出器:電気伝導度、サプレッサー:ASRS(200mA)の条件で測定した。試料は洗剤2gにイオン交換水を加え、全量を200mLとし、20分間攪拌する。その後、流動パラフィンを適量添加し、約80℃水浴中で30分間加熱・溶解し、冷却後、この溶液の上澄み10mLを正確にとり、イオン交換水で全量を100mLにし、試料導入量25μLをイオンクロマトに供した。
また、LAS-Naの定量については、例えば合成洗剤試験方法(JIS K3362)における陰イオン界面活性剤の定性及び定量方法を用いて実施することができる。
さらに、粉末無水芒硝の量は、図2と図3に示されるように、洗剤のX線回折パターンより求めることができる。ここで、「X線回折法で検出される芒硝」は、回折強度分布からJCPDSのNo.37-1465(硫酸ナトリウム)の最も強いピーク(d=2.784)の回折強度と2番目に強いピーク(d=4.658)の回折強度を縦軸にプロットした時の、各々の回帰曲線から求まるX切片の平均値を用いて定量する事ができる。具体的には、後述の実施例4の洗剤粒子に対し、X線回折法を行う直前に粉末無水芒硝を3.1%、8.3%各々添加し、均一に混合した後にX線回折強度分布を求めた(図2)。粉末芒硝の添加量を横軸に、JCPDSのNo.37-1465(硫酸ナトリウム)の最も強いピーク(d=2.784)の回折強度を縦軸にプロットし、回帰直線のX切片を求めたところ、-4.28であった(図3)。また同様に、2番目に強いピーク(d=4.658)のデータから求めたX切片は-5.07であった。2つのX切片の平均値は-4.68%であり、実施例4の洗剤粒子に含まれている粉末無水芒硝の量4.55%の逆数とほぼ一致することが分かる。このように、粉末無水芒硝の量が未知の試料に対し、粉末無水芒硝を添加してX線回折強度を求めることにより、試料に元々含まれる粉末無水芒硝を定量する事ができる。以上のようにして〔X線回折法で検出される芒硝〕/〔化学的に定量される芒硝〕のモル比を求めることができる。なお、「化学的に定量される芒硝」とは、例えば、イオンクロマトグラフィー等の分析手段によって定量した硫酸ナトリウムをいう。
本発明の洗剤粒子は、LAS-Na及びX線回折法で検出されない芒硝とX線回折法で検出される芒硝を含有する洗剤粒子であって、モル比にて〔X線回折法で検出されない芒硝〕/〔LAS-Na〕が0.1〜1.0であり、且つモル比にて〔X線回折法で検出される芒硝〕/〔化学的に定量される芒硝〕が0.5〜0.9であるものである。
〔X線回折法で検出されない芒硝〕/〔LAS-Na〕について、洗剤粒子の粗粒化抑制の観点から、モル比は0.1以上であり、0.15以上が好ましく、洗剤組成物の配合自由度確保の観点から1.0以下であり、0.8以下が好ましく、0.65以下がさらに好ましい。
〔X線回折法で検出される芒硝〕/〔化学的に定量される芒硝〕について、洗濯機でのペースト抑制の観点から、モル比は0.5以上、好ましくは0.6以上、であり、洗剤粒子の粗粒化抑制の観点から0.9以下、好ましくは0.88以下である。
さらに、乾式中和工程におけるアルカリ金属アルミノ珪酸塩の添加量は、最終洗剤組成物の5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。
このような本発明の洗剤粒子は、(1)ペースト形成の課題を克服し、及び(2)手洗い時の発熱が少ない、という性質を有する。以下、本発明の洗剤粒子の詳細な性質について説明する。
(1)ペースト形成性
本発明者らは、本発明の洗剤粒子が極めて低いペースト形成性を示すことを見出した。
ここで、ペースト形成性は、洗濯機を用いて評価することができる。
全自動洗濯機(ナショナル・パナソニック製、パルセーター型、満水量45L、低水位21L、攪拌力強弱切替)の洗濯槽の底のパルセーターの上に、18gの洗剤を直径約5cmになるように置き、洗剤に直接水流があたらないように水(10℃)を低水位まで入れる。水を入れて5分経過後、弱水流での攪拌を開始し、2分後に停止、排水を行う。洗濯槽の内部に残った洗剤の形状を目視判定する。
<評価>
○:残存なし
△:直径3cm以下の残存あり
×:直径3cmを越える残存あり
ペースト形成は、洗剤の粒子径と溶解速度に関係すると考えられる。
大きなペーストが洗濯槽に残ると、衣類へ付着し、着用時に肌荒れを起こす等の問題が生じる。このため、ペースト形成性が低い洗剤が望まれる。
後述の実施例では、いずれも残存がなく、比較例よりも優れていることがわかる。
(2)手洗い時の発熱性
本発明者らは、本発明の洗剤粒子が手洗い時の発熱性に極めて優れていることを見出した。
手洗い時の発熱は、実際に洗濯する際に、手で感じ取ることができる。しかし、定量的な計測が困難であるため、モデル系での評価を行い、その値と手洗いの相関をとった。後述するモデル系での温度上昇が10℃を超える際に、実際の手洗いで「熱い」と感じる。本発明品は、この値を十分に下回るものである。
モデル系での測定は、以下のようにして行った。洗剤25gと水25gを温度調節して各々室温にあわせる。発泡スチロール製のカップの中で洗剤と水を混合し、熱電対式デジタル温度計で混合物の温度を測定する。温度は最初に急激に上昇し、通常1〜数分で最高点に達して下降する。最高の温度を記録し、室温との差分を求め、温度上昇(単位:℃)とする。
後述の実施例では全て温度上昇が6〜8℃で、目標とする10℃以下を満たしている。
LAS-Naの量は、所望の洗剤組成物の組成より適宜設定し得るが、中和反応により生成するLAS-Naとして、最終産物である洗剤組成物の10〜40重量%が好ましく、12〜35重量%がより好ましく、15〜30重量%がさらに好ましい。上記範囲が本発明の効果が顕著に現れる範囲である。
また、洗剤粒子中のLAS-Naの量は、所定の洗浄力とあわ立ちを得るために、必要十分な量として、10重量%以上40重量%未満が好ましく、15〜30重量%がより好ましい。
また、本発明の洗剤粒子、又は本発明の製造方法により得られる洗剤粒子を含有する高嵩密度洗剤組成物は嵩密度500g/L以上のものであり、以下の物性を示すものがより好ましい。
嵩密度:650〜950g/Lのものが好ましい。なお、本明細書において嵩密度は、JIS K 3362で規定された方法で求められる値である。
粒径:平均粒径については、粒子溶解速度の観点から700μm以下のものが好ましく、300〜600μmのものがより好ましい。なお、本明細書において洗剤組成物の平均粒径は、JIS K 8801の標準篩を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率から求められる値である。
流動性:流動時間は、JIS K 3362により規定された嵩密度測定用のホッパーから、100mLの粉末が流出するのに要する時間である。
なお、本発明の高嵩密度洗剤組成物は、前記洗剤粒子と一般に洗剤組成物に用いられている公知の物質を乾式中和工程の後に添加して混合して調製することができる。
前記の高嵩密度洗剤組成物は、衣料用洗剤、産業用洗浄剤等として好適に使用される。
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
実施例1
レディゲミキサーFKM-130D((株)マツボー製)高速ミキサーを用いて、表1に示す組成の洗剤組成物を35kg単位で製造した。このミキサーは攪拌羽根と解砕/分散用チョッパーに相当する剪断機を具備するものである。
操作は以下のように実施した。
<粉体混合>
固体成分である、炭酸ナトリウム(ライト灰:セントラル硝子(株)製、平均粒径56.1μm)12.03重量部、粉末無水芒硝(中性無水芒硝:四国化成(株)製、平均粒径110μm)3.50重量部及び蛍光剤0.11重量部を、レディゲミキサーにより、攪拌羽根回転数130rpm(周速度3.4m/s)、剪断機回転数2850rpm(周速度27m/s)の条件で1分間混合した。
<中和>
ミキサーを前記と同条件で作動させながら、予め混合させておいたLAS-S 5.80重量部及び98%硫酸0.40重量部を4分間で加えた。この間、ミキサージャケットには25℃の水を通して冷却した。この段階で、温度は最高75℃に達した。尚、この段階を通して、反応混合物は粒状であった。なお、上記のLASはSOガススルホン化法により製造されたものであり、0.09重量部の硫酸を含有するものであった。即ち、LAS-S 1モル中硫酸を0.05モル含むものであった。また、中和の際のLAS-Sと硫酸との割合は、LAS-S 1モルに対して硫酸0.29モルであった。炭酸ナトリウムはLAS-Sと硫酸の中和に必要な量の約8倍であった。
LAS添加後、引き続きミキサーを同条件で1分間作動させ、さらに脂肪酸(炭素数14〜18、タイター40〜50℃)を0.48重量部添加し、ミキサーを同条件で1分間作動させ、中和反応及び造粒操作を完結した。
また、LAS-S添加開始直後より、中和反応完結までの間、通気(毎分300L)を行った。この時の粒状物(炭酸ナトリウム、粉末無水芒硝、蛍光剤)の総重量は15.64kgであり、空気(25℃)の重量は毎分355g、すなわち通気量は粒状物100重量部に対して毎分2.3重量部であった。
<液体成分の添加>
さらにノニオン界面活性剤(1級アルコールEO付加物、炭素数12〜14、エチレンオキサイド付加モル数:6モル)2.10重量部添加し、1分間混合後、40重量%アクリル酸マレイン酸コポリマー水溶液を0.88重量部ミキサーに加え1分30秒間混合し、続いてゼオライト(10.50重量部)を加え、さらに2分間ミキサーを作動させた。なお、上記ゼオライトは1.05重量部の結晶水を含有するものであった。
<アフターブレンド>
回転ドラムを用いて、酵素(0.18重量部)と前記で得られた洗剤組成物を混合し、更に香料(0.07重量部)を噴霧し、高嵩密度洗剤組成物の最終粉末を得た。
得られた洗剤組成物の粒子は、1180μmパス収率が78.3%、平均粒径が505μm、嵩密度が855g/L、流動性が5.7秒であった。また、ペースト形成性は、○(残存なし)、発熱性は8℃、水不溶分は0.1重量%と、優れた品質の粒子であった(表2)。
実施例2
用いる成分の重量比を表1のようにした以外は、実施例1と同様の操作により洗剤組成物を得た。
洗剤組成物の粒子は、1180μmパス収率が69.1%、平均粒径が620μm、嵩密度が790g/L、流動性が6.8秒であった。また、ペースト形成性は、○(残存なし)、発熱性は6℃、水不溶分は0.1重量%と、優れた品質の粒子であった(表2)。
なお、中和の際のLAS-Sと硫酸との割合は、LAS-S 1モルに対して硫酸0.61モルであった。また、炭酸ナトリウムはLAS-Sと硫酸の中和に必要な量の約5倍であった。
実施例3
用いる成分の重量比を表1のようにした以外は、実施例1と同様の操作により洗剤組成物を得た。なお表1のSTPPはトリポリリン酸ナトリウムを示す。
洗剤組成物の粒子は、1180μmパス収率が65.8%、平均粒径が639μm、嵩密度が825g/L、流動性が6.1秒であった。また、ペースト形成性は○(残存なし)、発熱性
は8℃、水不溶分は0.1重量%と、優れた品質の粒子であった。(表2)
なお、中和の際のLAS-Sと硫酸との割合は、LAS-S 1モルに対して硫酸0.24モルであった。また、炭酸ナトリウムはLAS-Sと硫酸の中和に必要な量の約4倍であった。
実施例4
用いる成分の重量比を表1のようにした以外は、実施例1と同様の操作により洗剤組成物を得た。
洗剤組成物の粒子は、1180μmパス収率が63.1%、平均粒径が522μm、嵩密度が797g/L、流動性が8.0秒であった。また、ペースト形成性は○(残存なし)、発熱性は8℃、水不溶分は0.1重量%と、優れた品質の粒子であった(表2)。
なお、中和の際のLAS-Sと硫酸との割合は、LAS-S 1モルに対して硫酸0.28モルであった。また、炭酸ナトリウムはLAS-Sと硫酸の中和に必要な量の約8倍であった。
比較例1
用いる成分の重量比を表1のようにした以外は、実施例1と同様の操作により洗剤組成物を得た。
得られた洗剤組成物の粒子は、1180μmパス収率が84.7%、平均粒径が319μm、嵩密度が800g/L、流動性が7.4秒であった。また、ペースト形成性は、×(直径5cmの残存)、発熱性は14℃と、実施例1のものより劣るものであった(表2)。
なお、炭酸ナトリウムはLAS-Sと硫酸の中和に必要な量の約11倍であった。
比較例2
用いる成分の重量比を表1のようにした以外は、実施例1と同様の操作により、洗剤組成物を得た。
得られた洗剤組成物の粒子は、1180μmパス収率が55.9重量%、平均粒径が858μm、嵩密度が811g/L、流動性が6.7秒であった。また、ペースト形成性は、×(直径5cmの残存)、発熱性は12℃と、実施例1より劣るものであった(表2)。
なお、炭酸ナトリウムはLAS-Sと硫酸の中和に必要な量の約7倍であった。
比較例3
用いる成分の重量比を表1のようにした以外は、実施例1と同様の操作により、洗剤組成物を得た。
得られた洗剤組成物の粒子は、1180μmパス収率が80.6重量%、平均粒径が394μm、嵩密度が636g/L、流動性は測定不可であった。また、ペースト形成性は、×(直径5cmの残存)、発熱性は16℃と、水不溶分は0.6%と、実施例1より劣るものであった(表2)。
なお、本比較例において、炭酸ナトリウムはLAS-Sと硫酸の中和に必要な量の約9倍であった。
Figure 2007046040
Figure 2007046040
所定量の硫酸及び所定量の粉末芒硝の存在下で、LAS-Sを水溶性固体アルカリ無機物質で中和することにより、ペースト形成性が低く、溶解熱が低い洗剤組成物を得ることができる。
図1は、実施例1と比較例2の洗剤粒子のX線回折パターンを示す図である。JCPDSのNo.39-0222から4A型ゼオライト、No.19-1130から炭酸ナトリウムはいずれの洗剤粒子にも含まれ、No.37-1465から硫酸ナトリウムは実施例1のみ、No.15-0700から重曹は比較例2のみに含まれることがわかる。 図2は実施例4の洗剤粒子に対し、X線回折法を行う直前に粉末無水芒硝を3.1%、8.3%各々添加し、均一に混合した後に回折強度分布を求め、実施例4の回折強度分布と並べたものである。 図3は実施例4への粉末芒硝の添加量を横軸に、図2の回折強度分布からJCPDSのNo.37-1465(硫酸ナトリウム)の最も強いピーク(d=2.784)の回折強度と2番目に強いピーク(d=4.658)の回折強度を縦軸にプロットし、各々の回帰直線のX切片を求めたものである。図2と図3より、粉末無水芒硝の量が未知の試料に対し、粉末無水芒硝を添加してX線回折強度を求めることにより、試料に元々含まれる粉末無水芒硝を定量する事ができることがわかる。

Claims (7)

  1. 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS-Na)及びX線回折法で検出されない芒硝とX線回折法で検出される芒硝を含有する洗剤粒子であって、モル比にて〔X線回折法で検出されない芒硝〕/〔LAS-Na〕が0.1〜1.0であり、且つモル比にて〔X線回折法で検出される芒硝〕/〔化学的に定量される芒硝〕が0.5〜0.9である洗剤粒子。
  2. 洗剤粒子中のLAS-Naが10重量%以上40重量%未満である請求項1記載の洗剤粒子。
  3. 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの液体酸前駆体(LAS-S)と硫酸の混合物を、水溶性固体アルカリ無機物質により粉末無水芒硝を含む混合物中で乾式中和を行う工程を有する洗剤粒子の製造方法であって、乾式中和を行うにあたり、LAS-S 1モルに対して、硫酸を0.1〜1.0モルの比率で存在させ、且つ粉末無水芒硝と硫酸の合計1モルに対して粉末無水芒硝を0.5〜0.9モルの比率で存在させる洗剤粒子の製造方法。
  4. LAS-SがSOガススルホン化法によって得られる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸である、請求項3記載の製造方法。
  5. LAS-Sに予め存在している硫酸の量が、LAS-S 1モルに対して、0.09モル以下である請求項3又は4記載の製造方法。
  6. 乾式中和工程においてアルカリ金属アルミノケイ酸塩をさらに添加する場合、添加量が洗剤粒子中の5重量%以下である請求項3〜5いずれか記載の製造方法。
  7. 請求項1又は2記載の洗剤粒子を、又は請求項3〜6いずれか記載の製造方法により得られる洗剤粒子を含有してなる、嵩密度500g/L以上の高嵩密度洗剤組成物。
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