JP2007045971A - 封止材用組成物及び光学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】透明であり、厚膜形成が可能であり、しかも耐光性に優れた封止材用組成物及び光学デバイスを提供すること。
【解決手段】封止材用組成物は、水素原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、置換若しくは無置換の炭化水素基、ケイ素原子含有基、及びそれらを組み合わせた基等の官能基を有し、又は他のシルセスキオキサン構造に結合した構造を有するシルセスキオキサン化合物と場合により、これらの官能基と反応しうる基を有するシクロブタン等の環状化合物を含有した硬化特性にすぐれた組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は封止材用組成物及び光学デバイスに関し、特に、透明であり、厚膜形成が可能であり、しかも耐光性に優れた封止材用組成物及び光学デバイスに関する。
近年、波長400nm以下の短波長の光を発光する光学素子、例えば発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)などが開発されてきており、情報通信、情報記録、ディスプレイの分野において使用されてきている。このような光学素子は、基板などに搭載して封止材で封止されて使用されている。従来、LEDなどの光学素子の封止材としては透明エポキシ樹脂が使用されている。この透明エポキシ樹脂は、耐光性が悪く、可視光や紫外線により経時的に黄変するという問題がある。
特開2004−359933号公報においては、このような光学素子の封止材として、ケイ素を含んだネットワーク型オリゴマーであるシルセスキオキサンからなる材料を用いることが開示されている(特許文献1)。シルセスキオキサンからなる材料を用いた封止材は透明エポキシ樹脂を用いた封止材よりも耐光性に優れているので、光学素子の封止材用の材料として期待されている。また、その他にも、カゴ型シルセスキオキサン化合物を用いた発光ダイオード用の封止材が開示されている(特許文献2,3)。
特開2004−359933号公報 特開2004−238589号公報 特開2005−89601号公報
しかしながら、シルセスキオキサンのみからなる封止材は、厚膜形成すると、クラックが発生してしまうという問題があり、厚膜形成やバルク形成により封止材を所望の形状に成形したりすることができないという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、透明であり、厚膜形成が可能であり、しかも耐光性に優れた封止材用組成物及び光学デバイスを提供することを目的とする。
本発明の封止材用組成物は、下記式(1)の構造を有するシルセスキオキサン化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2007045971
式(1)中、R及びXは、水素原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、置換若しくは無置換の炭化水素基、ケイ素原子含有基、及びそれらを組み合わせた基、又は他のシルセスキオキサン構造への結合を表す。
この構成によれば、上記式(1)の構造を有するシルセスキオキサン化合物を含有するので、封止材を構成する材料がフレキシブルになる。その結果、厚膜形成やバルク形成を行ったとしてもクラックの発生を防止することが可能となる。しかもこの封止材用組成物は、シルセスキオキサン化合物を含むので、硬化後の封止材としては透明で耐光性に優れたものとなる。
本発明の光学デバイスは、基体上に搭載された光学素子と、前記光学素子上に被覆され、上記封止材用組成物を硬化させてなる封止材と、を具備することを特徴とする。
この構成によれば、封止材用組成物がクラックのない状態で厚膜形成やバルク形成可能であるので、所望の形状に成形したりすることや、キャビティなどの凹部に充填させることが可能である。したがって、通常の封止材と同じような供給方法で簡単に光学素子を封止することができる。その結果、透明であり、耐光性に優れ、光学素子を封止してなる光学デバイスを得ることができる。
本発明の封止材用組成物は、上記式(1)の構造を有するシルセスキオキサン化合物を含有するので、透明であり、厚膜形成が可能であり、しかも耐光性に優れたものである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の封止材用組成物は、上記式(1)の構造を有するシルセスキオキサン化合物を含有することを特徴とする。
本発明に係るシルセスキオキサン化合物とは、1)一分子中に上記式(1)の構造が一つだけ含まれるシルセスキオキサン化合物;2)複数の上記式(1)の構造が重合してなるシルセスキオキサン重合体、を含む。
上記式(1)において、Rは、水素原子、水酸基、一価の有機基、又は他のシルセスキオキサン構造への結合、から選ばれ、Rはすべて同一でも異なっていても良い。前記一価の有機基としては、アルコキシル基、アリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭化水素基、ケイ素原子含有基、及びそれらを組み合わせた基が挙げられる。
上記アルコキシル基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。アルコキシル基の炭素原子数としては1〜6個が好ましい。
上記アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基などが挙げられる。
上記炭化水素基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル(n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチルなど)、ヘキシル(n−ヘキシル、i−ヘキシル、シクロヘキシルなど)、ヘプチル(n−ヘプチル、i−ヘプチルなど)、オクチル(n−オクチル、i−オクチル、t−オクチルなど)、ノニル(n−ノニル、i−ノニルなど)、デシル(n−デシル、i−デシルなど)、ウンデシル(n−ウンデシル、i−ウンデシルなど)、ドデシル(n−ドデシル、i−ドデシルなど)などの非環式又は環式の脂肪族炭化水素基;ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、スチレニルなどの非環式又は環式のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジルなどのアラルキル基;PhCH=CH−基のようなアラアルケニル基;フェニル基、トリル基あるいはキシリル基のようなアリール基;4−アミノフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ビニルフェニル基のような置換アリール基などが挙げられる。
なお、前記炭化水素基の水素原子又は主鎖骨格の一部は、エーテル結合、エステル基(結合)、水酸基、カルボニル基、カルボン酸無水物結合、チオール基、チオエーテル結合、スルホン基、アルデヒド基、エポキシ基、アミノ基、アミド基(結合)、ウレア基(結合)、イソシアネート基、シアノ基などの極性基(極性結合);フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子などの置換基で部分的に置換されていても良い。
また、前記置換又は無置換の炭化水素基中の置換基も含めた全炭素原子数は、通常20個以下であるが、これに限定されるものではない。耐熱性などを考慮すると、全炭素原子数は、好ましくは16個以下、より好ましくは6個以下であることが好ましい。
ケイ素含有基としては、例えば、下記式(2)、式(3)で表す構造の基などが挙げられる。ケイ素原子含有基中のケイ素原子数は、通常1〜10個、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個であるが、これに限定されるものではない。
Figure 2007045971
式(2)中において、n'は、通常1〜10の整数であり、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数であるが、これに限定されるものではない。式(2)において、置換基R2,R3,R4は、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、塩素原子、又は炭素数1〜10個、好ましくは炭素数1〜6個の有機基である。前記アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
前記炭素数1〜10個の有機基の例としては、各種の置換又は無置換の炭化水素基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基などの脂肪族炭化水素基;ビニル基、プロペニル基などの不飽和炭化水素結合含有基;フェニル基、ベンジル基、又はフェネチル基のような芳香族炭化水素基;CF3CH2CH2−などの含フッ素アルキル基;アミノアルキル基などの極性基置換アルキル基などが挙げられる。
式(2)中で表されるケイ素原子含有基の具体的な例としては、トリメチルシロキシ基(Me3Si−)、ジメチルフェニルシロキシ基(Me2PhSiO−)、ジフェニルメチルシロキシ基、フェネチルジメチルシロキシ基、ジメチル−n−ヘキシルシロキシ基、ジメチルシクロヘキシルシロキシ基、ジメチルオクチルシロキシ基、(CH33SiO[Si(CH32O]q−(q=1〜9)、2−フェニル−2,4,4,4−テトラメチルジシロキシ基(OSiPhMeOSiMe3)、4,4−ジフェニル−2,2,4−トリメチルジシロキシ(OSiMe2OSiMePh2)、2,4−ジフェニル−2,4,4−トリメチルジシロキシ(OSiPhMeOSiPhMe2)、ビニルジメチルシロキシ基、3−グリシジルプロピルジメチルシロキシ基、3−アミノプロピルジメチルシロキシ基(H2NCH2CH2CH2Me2SiO−)、H2NCH2CH2CH2Me(HO)SiO−、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメチルシロキシ基(H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO−)、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me(HO)SiO−などが挙げられる。
Figure 2007045971
式(3)中において、Raは炭素数1〜10個の2価の炭化水素基であり、炭素数は、好ましくは2〜6個であり、より好ましくは2又は3個である。Raの具体例としては、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−(CH2)p−(p=4〜10)などのアルキレン基が挙げられる。
式(3)におけるR2,R3,R4,R5,R6は、式(2)におけるR2,R3,R4と同じである。n''は、0又は1〜9の整数であるが、好ましくは0又は1〜5の整数、特に好ましくは0,1又は2である。
次に、複数の上記式(1)の構造が重合してなるシルセスキオキサン重合体について説明する。このシルセスキオキサン重合体は、直鎖状、分枝状、三次元網目状に結合していても良い。また、シルセスキオキサン構造同士は、直接結合されていても良く、任意の原子又は官能基、例えば、酸素原子又は有機基を介して結合されていても良い。なお、有機基としては、炭化水素基、オキシアルキレン基、シロキサン基、それらの重合体、並びにそれらを組み合わせた構造などが挙げられる。
前記炭化水素基及びその重合体としては、−(CH2s−、(sは自然数)で表されるアルキレン基、芳香族炭化水素基などが挙げられる。−(CH2s−におけるsは、1以上100以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。具体的には、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ポリエチレン構造などが挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニレン基などが挙げられる。
前記オキシアルキレン基及びその重合体−(R’O)t−(tは自然数)としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンなどが挙げられる。上記tは1以上100以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。
前記シロキサン基及びその重合体としては、例えば、下記式(4)で表される構造が挙げられる。
Figure 2007045971
ここで、R2,R3は式(2)におけるR2,R3と同じである。n'''は自然数である。
上記の炭化水素基、オキシアルキレン基、シロキサン基及びそれらの重合体は、水素原子又は骨格の一部が有機基によって部分的に置換されていても良い。有機基としては、例えば、エーテル結合、エステル基(結合)、水酸基、カルボニル基、カルボン酸無水物結合、チオール基、チオエーテル結合、スルホン基、アルデヒド基、エポキシ基、アミノ基、アミド基(結合)、ウレア基(結合)、イソシアネート基、シアノ基などの極性基(極性結合)、ジエン(結合)、共役ジエン(結合)、フェニレン基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。
なお、材料の成型性を考慮すると、シルセスキオキサン同士を結合する有機基にシロキサン基が含有されていることが好ましい。
前記シルセスキオキサン重合体の数平均分子量は、500以上40万以下が好ましく、より好ましくは500以上5万以下である。
本発明のシルセスキオキサン化合物における上記式(1)の構造の含有量としては、20重量%以上100重量%以下が好ましく、40重量%以上100重量%以下がより好ましい。なお、シルセスキオキサン化合物の構造は、1H−NMR及び29Si−NMRを用いることにより確認することができる。
本発明の封止材用組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記シルセスキオキサン化合物以外の成分が含有されていてもよい。例えば、上記式(1)のRと反応し得る官能基を複数有する化合物が含まれていると、硬化特性が向上するため好ましい。そのような化合物が環状化合物であると、封止材用組成物が硬化した際に、シルセスキオキサン化合物同士の間に介在して分子や原子の動きを許容する、いわばクッションのような役割を果たす。すなわち、環状化合物が介在することにより、分子構造がフレキシブルになる。これにより、硬化後の封止材にクラックが発生することを防止できる。そのため、封止材用組成物を厚膜形成したりバルク形成したりすることができる。
この環状化合物の骨格としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどのシクロアルカン構造;テトラシクロシロキサンなどのシクロシロキサン構造;ベンゼンなどの芳香環構造などが挙げられる。環状化合物の骨格としては、シクロアルカン構造やシクロシロキサン構造であることが好ましい。特に、環状化合物が、多官能ビニルシクロアルカン(例えば、多官能ビニルシクロヘキサン)又は多官能シクロシロキサンであることが好ましい。
また、環状化合物は、上記シルセスキオキサン化合物と反応し得る官能基を複数有する。シルセスキオキサン化合物と反応し得る官能基は、該シルセスキオキサン化合物に結合されている官能基に応じて適宜選択することができる。例えば、シルセスキオキサン化合物又は環状化合物の一方に、ビニル基やアリル基などのオレフィンが結合されている場合には、他方の官能基には、Si−H基、アリル基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などを選択する。また、有機ケイ素化合物又は環状化合物の一方に、アミン、酸無水物、フェノール、チオール、アルコール、ルイス酸、イミダゾール、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩などが結合されている場合には、他方の官能基には、エポキシ基などを選択する。さらに、シルセスキオキサン化合物又は環状化合物の一方に、アクリル基やメタクリル基が結合されている場合には、他方の官能基には、アリル基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などを選択することができる。
本発明の封止材用組成物において、シルセスキオキサン化合物と環状化合物との間の割合は、硬化後の封止材を構成する材料の分子構造のフレキシブル度を考慮して、同程度であることが好ましい。特に、両者間の割合は、ユニット換算でシルセスキオキサン化合物:環状化合物=1:2〜2:1であることが好ましい。封止材用組成物において両者がこのような割合で存在することにより、シルセスキオキサン化合物中のシルセスキオキサン間に効率良く環状化合物を介在させることができ、封止材を構成する材料のフレキシブル度をより高めることができる。なお、本発明の封止材用組成物において、シルセスキオキサン化合物及び環状化合物以外に他の化合物、例えば硬化後の封止材を構成する材料の分子構造をフレキシブルにする化合物(例えば、直鎖状構造を有する化合物など)が含まれていても良い。
本発明の封止材用組成物において、シルセスキオキサン化合物と環状化合物とを混合する方法としては、それぞれの化合物を固相で混合する方法や、それぞれの化合物を有機溶剤、例えばテトラヒドロフランやトルエンで溶解し、液相で混合し、その後有機溶剤を揮発させる方法などが挙げられる。
上述した本発明に係る封止材用組成物が発光ダイオード、半導体レーザ、フォトダイオードなどの光学デバイスの封止に用いられる場合には、基体上に被封止材である光学素子を搭載し、この光学素子が被覆されるように上記封止材用組成物を供給し、その後封止材用組成物を硬化させる。ここで、光学素子が被覆されるように封止材用組成物を供給する方法としては、封止材用組成物を必要に応じて所定の粘度となるように粘度調整し、光学素子上に吐出して封止材用組成物を硬化させる方法(ポッティング)や、光学素子に吐出した後に、所定の型を用いて封止材用組成物を硬化させる方法などが挙げられる。封止材用組成物の供給の際の条件は、封止材用組成物におけるシルセスキオキサン化合物や環状化合物の種類、粘度などを考慮して適宜設定する。また、封止材用組成物を硬化させる方法としては、加熱硬化法や光硬化法などが挙げられる。なお、加熱硬化や光硬化は、有機ケイ素化合物や環状化合物の官能基を加熱硬化タイプの官能基や光硬化タイプの官能基にすることにより適宜選択することができる。また、硬化条件は、封止材用組成物におけるシルセスキオキサン化合物や環状化合物の官能基の種類などを考慮して適宜設定する。
このようにして封止材用組成物を硬化させてなる封止材は、シルセスキオキサン間に環状化合物が介在している構造を有する。この構造において環状化合物がシルセスキオキサン間でクッションの役割を果たすと考えられるので、封止材を構成する材料がフレキシブルになる。その結果、厚膜形成やバルク形成を行ったとしてもクラックの発生を防止することが可能となる。しかもシルセスキオキサン化合物がシルセスキオキサンを含むので、硬化後の封止材としては透明で耐光性に優れたものとなる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例1)
(1)シルセスキオキサンの合成
300mLの三口フラスコにフェニルトリメトキシシラン(Gelest製)24g、水酸化ナトリウム(関東化学製)3.2g、水2.5g及び脱水イソプロピルアルコール(関東化学製、以下IPAと略す)120mLを仕込んだ。窒素パージ後に80℃にて4時間反応させた後、室温まで冷却し、1N酢酸水溶液を160mL加えた。析出物を濾過により回収し、アセトニトリルで洗浄し、化合物A5gを得た。
続いて、この部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンA5gをテトラヒドロフラン(関東化学製)35mLに溶解し、トリエチルアミン(関東化学製)2gを加えた。この溶液にジメチルクロロシラン(Gelest製)1.7gを滴下して6時間室温で撹拌した。析出した塩を濾過した後、溶媒を留去して下記の構造を有するシルセスキオキサン化合物Bを5g得た。
Figure 2007045971
(2)シルセスキオキサン重合体の合成
シルセスキオキサン化合物B4g、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン(Gelest社製)2.3g、及び白金触媒(プラチナ(0)−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン触媒の3重量%キシレン溶液、Aldrich社製)0.1gをテトラヒドロフラン(脱水 関東化学製)20mLに溶解して窒素下60℃にて3時間反応させることにより、シルセスキオキサン重合体を合成した。この重合体の数平均分子量をGPC(ゲル濾過クロマトグラフィ)により測定したところ約10000であった。
(3)シルセスキオキサン重合体の成型
このシルセスキオキサン重合体1.64gとジビニルテトラメチルジシロキサン(アルドリッチ社製)1gとを混合しガラス型枠に流し込んだのち100℃で30分間、続いて200℃で3時間加熱して硬化させて無色透明の成型体を得た。
(4)耐光性試験
この成型体について、透明性、耐光性、クラックの発生、表面タック性を調べる。なお、透明性及びクラックの発生は、目視により判断し、表面タック性は、硬化した成型体を指で触ったときの感触により判断する。また、耐光性は、超高圧水銀ランプ スポットキュアUVF352S(三永電機社製、商品名)を用いたスポットキュア装置から石英ファイバを介して、成型体が存在する領域のうちの5mmφ程度の領域に5000mW/cm2のエネルギー密度の光を照射し、成型体の光透過率の変化を観察することにより調べる。また、成型体の温度を変化させて光透過率の変化も観察する。なお、ここでは、光源に分光フィルタUV−33(旭テクノガラス社製、商品名)を用いて、300nm以下の波長成分をカットして評価する。その結果、成型体は、透明であり、クラックの発生がなく、指で触ってもべたつかず、光透過率の変化が現れず耐光性に優れていることが分かる。
このように本実施の形態に係る封止材用組成物は、クラックのない状態で厚膜形成やバルク形成可能であるので、所望の形状に成形したりすることや、キャビティなどの凹部に充填させることが可能である。したがって、通常の封止材と同じような供給方法で簡単に光学素子を封止することができる。その結果、透明であり、耐光性に優れ、光学素子を封止してなる光学デバイスを得ることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態における数値や材料についてこれに限定されず、適宜変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態においては、硬化後の封止材を構成する材料においてシルセスキオキサン化合物中のシルセスキオキサン間に介在して膜又はバルクをフレキシブルにする材料として環状化合物を用いた場合について説明しているが、本発明においては、このような膜又はバルクをフレキシブルにする材料として、上述した機能を発揮する範囲内で環状化合物以外の化合物を単独でもしくは環状化合物と共に用いても良い。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。

Claims (2)

  1. 下記式(1)の構造を有するシルセスキオキサン化合物を含有することを特徴とする封止材用組成物。
    Figure 2007045971
    式(1)中、R及びXは、水素原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、置換若しくは無置換の炭化水素基、ケイ素原子含有基、及びそれらを組み合わせた基、又は他のシルセスキオキサン構造への結合を表す。
  2. 基体上に搭載された光学素子と、前記光学素子上に被覆され、請求項1記載の封止材用組成物を硬化させてなる封止材と、を具備することを特徴とする光学デバイス。
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