JP2007045385A5 - - Google Patents

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ホイールモータ装置
本発明は、駆動輪毎に設けられるホイールモータ装置であって、可変回転出力ユニットからの可変回転出力を減速して駆動輪のホイールに伝達するホイールモータ装置に関する。
駆動輪を独立駆動し得るように車輌に設置されるホイールモータ装置は、従来から公知である。
斯かるホイールモータ装置は、共働する油圧ポンプユニット等のアクチュエータとは離間された状態で、対応する駆動輪に近接設置され得る為、一対の駆動車軸を差動的に接続するディファレンシャルギヤを備えたトランスアクスル装置に比して、一対の駆動輪の間に自由空間を確保でき、車輌の設計自由度を向上させることができる。
ところで、従来のホイールモータ装置のなかには、可変回転出力ユニットとして作用する油圧モータユニットと駆動輪との間に、減速ギヤトレーンを有する減速ユニットが備えられたものが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
この減速ギヤトレーンを備えたホイールモータ装置は、前記油圧モータユニットにおける油圧モータ本体として低トルク・高回転型油圧モータ本体を使用できる為、前記油圧モータ本体の小型化と共に、該油圧モータ本体からの作動油リーク量の減少を図ることができる。
しかしながら、従来の減速ギヤトレーン付ホイールモータ装置は、前記減速ギヤトレーンとして遊星歯車機構を用いている為に部品点数が多くなり、これにより、コスト高と共に構造複雑化を招くという問題があった。
又、前記減速ギヤトレーンとして平行(外接)歯車機構を用いたホイールモータ装置も提案されているが、斯かるホイールモータ装置は径方向に大型化してしまうという問題がある。
米国特許第6811510号明細書
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、可変回転出力ユニットからの可変回転動力を駆動輪に減速伝達する減速ギヤ機構を備えたホイールモータ装置において、前記減速ギヤ機構の部品点数の削減及び小型化を図り、小径のタイヤを備える小型車両にも充分適応できるように装置全体の構造簡略化及び小型化を達成し得るホイールモータ装置の提供を、一の目的とする。
本発明は、前記目的を達成する為に、可変回転出力体用ハウジングに収容された可変回転出力体の回転動力を基準軸線回りに回転する可変回転出力軸を介して出力する可変回転出力ユニットと、前記可変回転出力軸の回転を減速する減速ギヤ機構及び該減速ギヤ機構を収容するギヤハウジングを有する減速ユニットとを備えたホイールモータ装置であって、前記減速ギヤ機構は、前記可変回転出力軸に対して基準軸線回り相対回転不能とされた入力軸と、前記基準軸線から偏心された回転中心を有する偏心部材であって、前記入力軸に対して相対回転不能とされた偏心部材と、前記偏心部材に相対回転自在に支持された外歯部材であって、外周面に外歯が設けられた外歯部材と、前記外歯部材の外径より大きな内径を有する内歯部材であって、前記外歯と噛合する内歯が該外歯とは異なる歯数だけ設けられた内歯部材と、前記外歯部材における前記基準軸線回りの回転成分によって、該基準軸線回りに回転する減速回転出力部材とを有しているホイールモータ装置を提供する
前記内歯部材は、回転不能に固定される。前記外歯部材には、前記基準軸線と平行な方向に延びるカム孔が形成されている。前記減速回転出力部材は、前記カム孔の内径より小さい外径を有し且つ該カム孔に挿通されたキャリアピンと、前記キャリアピンを支持し且つ前記基準軸線回りに回転するフランジ部と、前記フランジ部と共に前記基準軸線回りに回転する出力軸部とを有している。前記出力軸部は、少なくとも一部が前記ギヤハウジングの外方へ突出されている。さらに、前記減速回転出力部材は、前記入力軸と対向する内端面に該入力軸の突入を許容する凹部を有しており、前記減速ユニットは、前記入力軸の外周面と前記凹部の内周面との間に介挿される入力軸用軸受部材を有している。前記ギヤハウジングは、油貯留可能とされており、前記減速回転出力部材には、一端部が前記ギヤハウジングの内部空間内において外周面に開き且つ他端部が前記凹部内に開く油通路が形成されている。
一態様においては、前記ギヤハウジングには、内部空間と外方とを連通する第1油ポートが形成される。前記第1油ポートは、該ホイールモータ装置が前記基準軸線回り第1位置において車輌フレームに装着された際に、前記減速回転出力部材のうち前記油通路の一端部が位置する部位の外周面と側面視においてオーバーラップするような位置に設けられる。
好ましくは、前記ギヤハウジングには、該ホイールモータ装置が前記第1位置に位置する際に、前記第1油ポートより下方に位置する第2油ポートが形成される。
さらに好ましくは、前記ホイールモータ装置は、前記第1位置から前記基準軸線回りに変位された第2位置においても車輌フレームに装着可能とされ、該ホイールモータ装置が前記第2位置に位置する際には、前記第2油ポートは、前記減速回転出力部材のうち前記油通路の一端部が位置する部位の外周面と側面視においてオーバーラップするように位置し、且つ、前記第1油ポートは、前記第2油ポートより下方に位置するように配置され、該ホイールモータ装置が前記第1位置に位置する際の前記第1油ポートの上下方向位置と、該ホイールモータ装置が前記第2位置に位置する際の前記第2油ポートの上下方向位置とは、基準軸線を基準にして上下に変位するように配置される。
本発明は、前記目的を達成するために、可変回転出力体用ハウジングに収容された可変回転出力体の回転動力を基準軸線回りに回転する可変回転出力軸を介して出力する可変回転出力ユニットと、前記可変回転出力軸の回転を減速する減速ギヤ機構及び該減速ギヤ機構を収容するギヤハウジングを有する減速ユニットとを備えたホイールモータ装置であって、前記減速ギヤ機構は、前記可変回転出力軸に対して基準軸線回り相対回転不能とされた入力軸と、前記基準軸線から偏心された回転中心を有する偏心部材であって、前記入力軸に対して相対回転不能とされた偏心部材と、前記偏心部材に相対回転自在に支持された外歯部材であって、外周面に外歯が設けられた外歯部材と、前記外歯部材の外径より大きな内径を有する内歯部材であって、前記外歯と噛合する内歯が該外歯とは異なる歯数だけ設けられた内歯部材と、前記外歯部材における前記基準軸線回りの回転成分によって、該基準軸線回りに回転する減速回転出力部材とを有するホイールモータ装置を提供する。
前記内歯部材は、回転不能に固定される。前記外歯部材には、前記基準軸線と平行な方向に延びるカム孔が形成されている。前記減速回転出力部材は、前記カム孔の内径より小さい外径を有し且つ該カム孔に挿通されたキャリアピンと、前記キャリアピンを支持し且つ前記基準軸線回りに回転するフランジ部と、前記フランジ部と共に前記基準軸線回りに回転する出力軸部とを有しており、前記出力軸部は、少なくとも一部が前記ギヤハウジングの外方へ突出されている。
前記可変回転出力体用ハウジング及び前記ギヤハウジングは着脱可能に連結されている。前記ギヤハウジングは、ギヤハウジング本体と、前記ギヤハウジング本体及び前記可変回転出力体用ハウジングの間に挟持される中空部材であって、前記内歯部材として作用する中空部材とを有する。前記減速ギヤユニットは、前記減速回転出力部材を軸受支持する減速回転出力部材用第1軸受部材を有する。前記減速回転出力部材用第1軸受部材は、前記減速回転出力部材の外周面に設けられた凹部に係入される内輪体と、前記ギヤハウジング本体の内周面及び前記中空部材の内周面に跨るように設けられた凹部に係入される外輪体と、前記内輪体及び前記外輪体の間に配設された転動体とを有する。
さらに、本発明は、可変回転出力体用ハウジングに収容された可変回転出力体の回転動力を基準軸線回りに回転する可変回転出力軸を介して出力する可変回転出力ユニットと、前記可変回転出力軸の回転を減速する減速ギヤ機構及び該減速ギヤ機構を収容するギヤハウジングを有する減速ユニットとを備えたホイールモータ装置であって、前記減速ギヤ機構は、前記可変回転出力軸に対して基準軸線回り相対回転不能とされた入力軸と、前記基準軸線から偏心された回転中心を有する偏心部材であって、前記入力軸に対して相対回転不能とされた偏心部材と、前記偏心部材に相対回転自在に支持された外歯部材であって、外周面に外歯が設けられた外歯部材と、前記外歯部材の外径より大きな内径を有する内歯部材であって、前記外歯と噛合する内歯が該外歯とは異なる歯数だけ設けられた内歯部材と、前記外歯部材における前記基準軸線回りの回転成分によって、該基準軸線回りに回転する減速回転出力部材とを有するホイールモータ装置を提供する。
前記内歯部材は、回転不能に固定される。前記外歯部材には、前記基準軸線と平行な方向に延びるカム孔が形成されている。前記減速回転出力部材は、前記カム孔の内径より小さい外径を有し且つ該カム孔に挿通されたキャリアピンと、前記キャリアピンを支持し且つ前記基準軸線回りに回転するフランジ部と、前記フランジ部と共に前記基準軸線回りに回転する出力軸部とを有している。前記出力軸部は、少なくとも一部が前記ギヤハウジングの外方へ突出されている。前記可変回転出力ユニットは、前記可変回転出力体として作用する油圧モータ本体と、前記可変回転出力軸として作用するモータ軸と、前記可変回転出力体用ハウジングとして作用するモータハウジングと、前記油圧モータ本体の給排油量を画する斜板とを含む油圧モータユニットとされる。前記斜板は、前記基準軸線回りの異なる位置で前記モータハウジング内に設置可能とされている。
さらに、本発明は、可変回転出力体用ハウジングに収容された可変回転出力体の回転動力を基準軸線回りに回転する可変回転出力軸を介して出力する可変回転出力ユニットと、前記可変回転出力軸の回転を減速する減速ギヤ機構及び該減速ギヤ機構を収容するギヤハウジングを有する減速ユニットとを備えたホイールモータ装置であって、前記減速ギヤ機構は、前記可変回転出力軸に対して基準軸線回り相対回転不能とされた入力軸と、前記基準軸線から偏心された回転中心を有する偏心部材であって、前記入力軸に対して相対回転不能とされた偏心部材と、前記偏心部材に相対回転自在に支持された外歯部材であって、外周面に外歯が設けられた外歯部材と、前記外歯部材の外径より大きな内径を有する内歯部材であって、前記外歯と噛合する内歯が該外歯とは異なる歯数だけ設けられた内歯部材と、前記外歯部材における前記基準軸線回りの回転成分によって、該基準軸線回りに回転する減速回転出力部材とを有するホイールモータ装置を提供する。
前記内歯部材は、回転不能に固定される。前記外歯部材には、前記基準軸線と平行な方向に延びるカム孔が形成されている。前記減速回転出力部材は、前記カム孔の内径より小さい外径を有し且つ該カム孔に挿通されたキャリアピンと、前記キャリアピンを支持し且つ前記基準軸線回りに回転するフランジ部と、前記フランジ部と共に前記基準軸線回りに回転する出力軸部とを有している。前記出力軸部は、少なくとも一部が前記ギヤハウジングの外方へ突出されている。該ホイールモータ装置は、前記出力軸部が突出される出力側の端部とは反対側の端部に、車輌フレームへの取付部を有している。
本発明に係るホイールモータ装置は、可変回転出力ユニットからの回転動力を減速する減速ギヤ機構が、可変回転出力軸に対して基準軸線回り相対回転不能とされた入力軸と、前記入力軸の基準軸線回りの回転に伴って該基準軸線から偏心された回転中心回りに回転する偏心部材と、前記偏心部材に相対回転自在に支持され且つ外周面に外歯が設けられた外歯部材と、内周面に前記外歯と噛合する内歯が該外歯とは異なる歯数だけ設けられた内歯部材と、前記外歯部材における前記基準軸線回りの回転成分によって、該基準軸線回りに回転する減速回転出力部材とを有している。前記内歯部材は回転不能に固定され、且つ、前記外歯部材には前記基準軸線と平行な方向に延びるカム孔が形成されている。前記減速回転出力部材は、前記カム孔の内径より小さい外径を有し且つ該カム孔に挿通されたキャリアピンと、前記キャリアピンを支持し且つ前記基準軸線回りに回転するフランジ部と、前記フランジ部と共に前記基準軸線回りに回転する出力軸部とを有しており、前記出力軸部は、少なくとも一部が前記ギヤハウジングの外方へ突出されている。
従って、前記減速ギヤ機構が遊星歯車機構によって構成された従来のホイールモータ装置に比して、部品点数の削減及び組立効率の向上によるコストの低廉化を図ることができる。
又、前記減速ギヤ機構が平行歯車機構によって構成されたホイールモータ装置に比して、径方向に小型化を図ることができると共に、部品点数の削減及び組立効率の向上によるコストの低廉化を図ることができる。
さらに、前記減速ギヤ機構によって減速された回転が、出力軸部を介してギヤハウジングの外方へ出力されている。従って、前記出力軸部を駆動輪のホイール内に突入させることができ、小型タイヤを備える小型車輌にも十分適応できる。
前記ギヤハウジングを油貯留可能とすると共に、前記減速回転出力部材における前記入力軸と対向する内端面に該入力軸の突入を許容する凹部を形成し、前記減速ユニットに前記入力軸の外周面と前記凹部の内周面との間に介挿される入力軸用軸受部材を備え、前記減速回転出力部材に、一端部が前記ギヤハウジングの内部空間内において外周面に開き且つ他端部が前記凹部内に開く油通路を形成すれば、前記減速ギヤ機構の軸線方向長さを可及的に短縮させつつ前記入力軸を安定的に支持することができ、さらに、前記入力軸用軸受部材や前記偏心部材及び前記外歯部材に潤滑油を効率的に供給できる。
又、前記可変回転出力体用ハウジング及び前記ギヤハウジングを着脱可能に連結し、前記ギヤハウジングが、ギヤハウジング本体と、前記ギヤハウジング本体及び前記可変回転出力体用ハウジングの間に挟持される中空部材であって、前記内歯部材として作用する中空部材とを有するものとし、前記減速ギヤユニットに、前記減速回転出力部材を軸受支持する減速回転出力部材用第1軸受部材を設け、前記減速回転出力部材用第1軸受部材が、前記減速回転出力部材の外周面に設けられた凹部に係入される内輪体と、前記ギヤハウジング本体の内周面及び前記中空部材の内周面に跨るように設けられた凹部に係入される外輪体と、前記内輪体及び前記外輪体の間に配設された転動体とを有するように構成すれば、前記第1軸受部材によって、前記ギヤハウジング本体及び前記中空部材の位置合わせを行うことができる。
又、前記可変回転出力ユニットを、前記可変回転出力体として作用する油圧モータ本体と、前記可変回転出力軸として作用するモータ軸と、前記可変回転出力体用ハウジングとして作用するモータハウジングと、前記油圧モータ本体の給排油量を画する斜板とを含む油圧モータユニットとし、前記斜板を、前記基準軸線回りの異なる位置で前記モータハウジング内に設置可能とすれば、同一構成の一対のホイールモータ装置を左右一対の駆動輪にそれぞれ適用する場合に、一方のホイールモータ装置における斜板を他方のホイールモータ装置における斜板に対してモータ軸回り180度変位させるだけで、一方のホイールモータ装置における一対のモータ側作動油ポートの配置と、他方のホイールモータ装置における一対のモータ側作動油ポートの配置とを、車輌の仮想中央垂直面Lを基準にして面対称に位置させることができる。
又、前記ホイールモータ装置における前記出力軸部が突出される出力側の端部とは反対側の端部に、車輌フレームへの取付部を設ければ、前記ホイールモータ装置が装着される車輌フレームと前記ホイールモータ装置によって駆動される駆動輪とを可及的に離間させることができる。また、斯かる構成によれば、前記ホイールモータ装置に設けられるモータ側作動油ポート等の油ポートが車輌フレームより車輌幅方向外方に位置することになり、これらの油ポートへの配管接続作業を容易に行うことができる。
実施の形態1
以下、本発明に係るホイールモータ装置の好ましい一実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施の形態に係るホイールモータ装置100Aが適用された車輌1Aの平面図を示す。
前記ホイールモータ装置100Aは、離間配置されるアクチュエータと共働して可変回転動力を出力する可変回転出力ユニットと、該可変回転出力ユニットからの回転動力を減速して駆動輪に伝達する減速ユニット300Aとを備えている。
本実施の形態に係るホイールモータ装置100Aは、後述するように、前記可変回転出力ユニットとして油圧モータユニット200Aを備えている。
従って、前記作業車輌1Aは、前記アクチュエータとして、油圧ポンプユニット500を備えている。
詳しくは、前記車輌1Aは、図1に示すように、車輌前後方向に沿って配設された一対のメインフレーム31及び該一対のメインフレーム31の間に延びるクロスメンバ32を有する機体フレーム30と、一対の駆動輪60と、前記一対の駆動輪60をそれぞれ駆動し得るように構成された本実施の形態に係る一対のホイールモータ装置100Aと、前記機体フレーム30に支持されたエンジン(図示せず)と、該エンジンによって作動的に駆動される油圧ポンプユニット500であって、前記一対のホイールモータ装置100Aにおける油圧モータユニットと共働してHSTを形成する油圧ポンプユニット500とを備えている。
図示の形態においては、前記車輌1Aは、前記構成に加えて、機体フレーム30の前方に支持された一対の操舵輪70と、車輌前後方向に関し、前記一対の操舵輪70及び前記駆動輪60の間に配設されたモア装置80と、該モア装置80によって刈り取られた草を車輌後方へ搬送するための搬送経路を形成するダクト90と、作動油の油溜めとして用いられる外部タンク10とを備えている。
前記油圧ポンプユニット500は、プーリー等の動力伝達機構を介して駆動源から動力伝達可能な状態で、前記一対のメインフレーム31に支持されている。
詳しくは、図1に示すように、該油圧ポンプユニット500は、前記エンジンの出力軸に作動連結される入力軸510と、前記入力軸510によって駆動される単一の油圧ポンプ本体(図示せず)と、前記油圧ポンプ本体を囲繞すると共に、前記入力軸510を支持するポンプケース530を有している。
本実施の形態においては、前記油圧ポンプユニット500は、外部操作に応じて、前記油圧ポンプ本体の吐出方向及び油量を変化させ得る可変容積型とされている。
即ち、該油圧ポンプユニット500は、前記構成に加えて、前記油圧ポンプ本体の吐出方向及び油量を変化させる可動斜板等の出力調整部材(図示せず)と、該出力調整部材の傾転位置を操作させる制御軸550(図1参照)とを有している。
前記制御軸550は、適宜のリンク機構を介して、運転席近傍に備えられた変速ペダル等の変速操作部材に連係されている。
前記油圧ポンプ本体は、前記一対の作動油ライン400を介して、前記ホイールモータ装置100Aにおける油圧モータ本体に流体接続されている。
詳しくは、前記ポンプケース530には、一端部が前記油圧ポンプ本体に流体接続され且つ他端部が外表面に開口して一対のポンプ側作動油ポート610P(図1参照)を形成する一対のポンプ側作動油路(図示せず)が形成されている。
詳細は後述するが、前記油圧モータユニット200Aにおけるモータハウジング230Aには、一端部が油圧モータ本体210に流体接続され且つ他端部が外表面に開口して一対のモータ側作動油ポート420Pを形成する一対のモータ側作動油路420が形成されている。
そして、前記一対のポンプ側作動油路及び前記一対のモータ側作動油路420が、一対の作動油配管410によって流体接続されており、これにより、前記一対の作動油ライン400が形成されている。
詳しくは、本実施の形態においては、前述の通り、前記油圧ポンプユニット500は、単一の油圧ポンプ本体を有している。
前記一対の作動油配管410の一方410Fは、一端部が前記一対のポンプ側作動油路のうち前進時高圧側の作動油路に流体接続され、且つ、他端部が分岐されている。
前記一対の作動油配管410の他方410Rは、一端部が前記一対のポンプ側作動油路のうち後進時高圧側の作動油路に流体接続され、且つ、他端部が分岐されている。
そして、前記一方の作動油配管410Fの分岐他端部は、それぞれ、前記一対のホイールモータ装置100Aの各前進時高圧側のモータ側作動油路420に流体接続されている。
同様に、前記他方の作動油配管410Rの分岐他端部は、それぞれ、前記一対のホイールモータ装置100Aの各後進時高圧側のモータ側作動油路420に流体接続されている。
なお、前記ポンプケース530は、前記油圧ポンプ本体が挿通し得る開口が設けられたポンプケース本体(図示せず)と、前記開口を閉塞するように前記ポンプケース本体に連結されるポンプ側ポートブロック(図示せず)とを備えている。
そして、前記一対のポンプ側作動油路は、前記ポンプ側ポートブロックに形成されている。
前記油圧ポンプユニット500は、図1に示すように、さらに、チャージポンプユニット580を有している。
該チャージポンプユニット580は、前記ポンプ軸510によって駆動されるチャージポンプ本体(図示せず)と、該チャージポンプ本体を囲繞するように前記ポンプケース530に連結されるチャージポンプケースとを有している。
該チャージポンプユニット580からの圧油は、例えば、前記HSTへの作動油補給用として用いられる。
次に、前記ホイールモータ装置100Aについて説明する。
図2に、前記作業車輌1Aにおける一方の駆動輪(図示の形態においては左側駆動輪)60に適用された前記ホイールモータ装置100Aの断面図であって、垂直面から45度変位された切断面における断面図を示す。
図3に、図2における前記ホイールモータ装置100Aの拡大図を示す。
又、図4に、図1におけるIV-IV線に沿った前記ホイールモータ装置100Aの縦断面図を示す。
なお、一方の駆動輪(左側駆動輪)60に提供されるホイールモータ装置100Aと、他方の駆動輪(右側駆動輪)60に適用されるホイールモータ装置100Aとは、車輌の仮想中央長手線L(図1参照)を基準にして平面視において鏡像関係とされる。
前記ホイールモータ装置100Aは、図2〜図4に示すように、可変回転出力ユニットとして作用する前記油圧モータユニット200Aと、前記油圧モータユニット200Aからの回転動力を減速して対応する駆動輪60に伝達する減速ユニット300Aとを備えている。
前記油圧モータユニット200Aは、前述の通り、前記油圧ポンプユニット500と共働して、正逆可能な無段変速回転を出力するHSTを構成している。
具体的には、図2〜図4に示すように、該油圧モータユニット200Aは、前記一対の作動油ライン400を介して前記油圧ポンプ本体と流体接続される油圧モータ本体210と、該油圧モータ本体210を相対回転不能に支持するモータ軸220と、前記油圧モータ本体210を収容すると共に、前記モータ軸220を軸線回り回転自在に支持するモータハウジング230Aと、前記油圧モータ本体210の給排油量を画する斜板260とを備えている。
前記モータハウジング230Aには、前述の通り、一端部が前記油圧モータ本体210に流体接続され且つ他端部が外表面に開口して前記モータ側作動油ポート420Pを形成する前記一対のモータ側作動油路420が形成されている。
詳しくは、前記モータハウジング230Aは、前記油圧モータ本体210を囲繞するモータハウジング本体240Aと、前記モータハウジング本体240Aに着脱可能に連結されるモータ側ポートブロック250Aとを備えている。
前記モータハウジング本体240Aは、図3及び図4に示すように、前記油圧モータ本体210を囲繞する中空の周壁241を有している。
前記周壁241は、軸線方向一端側に前記油圧モータ本体210が挿通し得る開口242が設けられており、軸線方向他端側は閉塞された閉塞端面243とされている。
前記モータ側ポートブロック250Aは、前記閉塞端面243との間に前記油圧モータ本体210を挟持した状態で前記開口242を閉塞するように、前記モータハウジング本体241に着脱可能に連結されている。
なお、本実施の形態においては、前記モータハウジング230Aには、前記モータハウジング本体240A及び前記モータ側ポートブロック250Aによって画されるモータ収容空間を外部に連通する為の油ポート230Pが形成されている。
好ましくは、図2及び図3に示すように、前記油ポート230Pは一対設けられる。そして、一方の油ポート230Pが油流入口として使用され、且つ、他方の油ポート230Pが油流出口として使用される。
斯かる構成を備えることにより、前記モータ収容空間内に油が滞留することを防止できる。
より好ましくは、図1に示すように、前記油タンク10の内部空間,前記一対のホイールモータ装置100Aにおける各モータハウジング230Aの内部空間及び前記油圧ポンプユニット500におけるポンプハウジング530の内部空間を、外部配管450を介して無端状に流体接続させることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記油タンク10の小型化を図りつつ、貯留油の滞留を防止して、該貯留油の温度上昇を有効に防止できる。
前記一対のモータ側作動油路420は、前記モータ側ポートブロック250Aに形成されている。
より詳しくは、前記モータ側ポートブロック250Aは、前記モータ収容空間を向く内表面に、前記油圧モータ本体210が摺接されるモータ当接面を有している。
前記一対のモータ側作動油路420は、一端部がキドニーポートを介して前記モータ当接面に開口され、且つ、他端部が外表面に開口して前記モータ側作動油ポート420Pを形成している。
前記油圧モータ本体210は、前記モータ当接面と前記斜板260との間に挟持された状態で、前記モータ軸220に相対回転不能に支持されている。
図5に、前記油圧モータ本体の近傍の部分拡大図を示す。
詳しくは、図3〜図5に示すように、前記油圧モータ本体210は、前記一対のモータ側作動油路420に対して油給排可能なように前記モータ当接面に当接された状態で前記モータ軸220に相対回転不能に支持されたシリンダブロック211と、該シリンダブロック211に軸線方向進退自在に収容されたピストン212であって、自由端部が前記斜板260に当接されたピストン212とを有している。
なお、本実施の形態においては、図5に示すように、前記ピストン212の自由端部にはシュー215が設けられており、該ピストン212はシュー215を介して前記斜板260に当接されている。
前記斜板260は、前記ピストン212の進退範囲を規制しており、これにより、前記油圧モータ本体210の給排油量が画されるようになっている。
好ましくは、図3〜図5に示すように、前記斜板260は、前記モータハウジング本体240Aに着脱自在とされる。
本実施の形態においては、前記斜板260は、前記モータハウジング本体240Aにおける前記閉塞端面243に、締結部材265を介して着脱可能に固定されている。
なお、図5に示すように、本実施の形態においては、前記斜板260は、前記モータハウジング本体240Aに着脱可能とされた斜板受け部材261と、該斜板受け部材261に保持されるシート部材262とを備えている。
このように、前記斜板260を前記モータハウジング本体240Aと別体とすることにより、所定の傾転角度を有する一の斜板260a(図5における実線)と、異なる傾転角度を有する他の斜板260b(図5における破線参照)とを交換させることができ、これにより、前記HSTの無段変速域を容易に変更させることができる。
より好ましくは、前記斜板260は、前記モータハウジング本体240Aに対する取付位置を前記モータ軸220回りに変更可能とされる。
斯かる構成を備えることにより、同一構成の一対のホイールモータ装置100Aを左右一対の駆動輪60にそれぞれ適用する場合に、一方のホイールモータ装置100Aにおける斜板260(図6の実線)を他方のホイールモータ装置100A’における斜板260’(図6の破線)に対してモータ軸220回り180度変位させるだけで、一方のホイールモータ装置100Aにおける一対のモータ側作動油ポート420Pの配置と、他方のホイールモータ装置100A’における一対のモータ側作動油ポート420P’の配置とを、車輌の仮想中央垂直面L(図1参照)を基準にして面対称に位置させることができる。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記斜板260及び前記ピストン212は、前記シュー215を介して当接されるように構成されているが、図7に示すように、前記ピストン212の自由端部が直接的に当接されるタイプの斜板270を備えることも可能である。
又、本実施の形態においては、前記油圧モータユニット200Aは固定斜板260を備えているが、これに代えて、可動斜板280を備えることも可能である(図8参照)。
斯かる構成によれば、前記油圧モータ本体210及び前記油圧ポンプ本体によって形成されるHSTの無段変速領域を拡大させることができる。
なお、図8に示すように、前記油圧モータユニット200Aが可動斜板280を備える場合には、該油圧モータユニット200Aには、前記可動斜板280を傾転させる為の制御軸(図示せず)が備えられる。
前述した斜板260,270,280の交換や斜板260,270の設置位置変更に代えて又は加えて、前記油圧モータ本体210を変更することによって、HSTの無段変速領域を変更させることも可能である。
具体的には、ピストンの数量が異なる油圧モータ本体や、ピストン1個あたりの容量が異なる油圧モータ本体に変更することができる。
前記モータ軸220は、出力端部を形成する一端部が前記モータハウジング230Aの外方へ延在された状態で該モータハウジング230Aに支持されている。
本実施の形態においては、前記モータ軸220は、前記一端部が前記モータ側ポートブロック250Aを貫通して外方へ延在され、且つ、他端部が前記モータハウジング230Aの内部空間内において終焉するように前記モータハウジング本体240Aの前記閉塞端壁243に支持されている。
前記減速ユニット300Aは、前述の通り、前記可変回転出力ユニットからの可変回転動力を減速して、対応する駆動輪60のホイール61に伝達するように構成されている。
斯かる減速ユニット300Aを備えることにより、前記可変回転出力ユニットの小型化を図ることができる。
特に、本実施の形態におけるように、前記可変回転出力ユニットとして前記油圧モータユニット200Aを備える場合には、前記減速ユニット300Aを備えることにより、前記油圧モータ本体210として低トルク・高回転型油圧モータ本体を用いることができる為、これにより、油圧モータ本体210の小型化と共に、該油圧モータ本体210からの作動油リーク量の減少を図ることができる。
具体的には、前記減速ユニット300Aは、図3及び図4に示すように、前記モータ軸220の回転動力を減速する減速ギヤ機構310Aと、該減速ギヤ機構300Aを収容するように前記モータハウジング230Aに着脱可能に連結されるギヤハウジング370とを備えている。
本実施の形態においては、前記減速ギヤ機構310Aは、ハイポサイクロイド型減速機構とされている。
図9に、図4におけるIX-IX線に沿った前記減速ギヤ機構300Aの縦断面図を示す。
図3,図4及び図9に示すように、該減速ギヤ機構310Aは、基準軸線RL上に位置する前記モータ軸220と同一軸線上において該モータ軸220に対して軸線回り相対回転不能とされた入力軸320と、前記基準軸線RLから偏心された回転中心を有する偏心部材330であって、前記入力軸320に対し相対回転不能とされた偏心部材330と、前記偏心部材330に相対回転自在に外挿された外歯部材340と、前記外歯部材340の外径より大きな内径を有し、該外歯部材340を覆う位置において回転不能に固定された内歯部材350と、前記外歯部材340の前記基準軸線RL回りの回転成分によって該基準軸線RL回りに回転する減速回転出力部材360とを備えている。
図3及び図4に示すように、本実施の形態においては、前記入力軸320は前記モータ軸220と一体形成されている。
当然ながら、該入力軸320を前記モータ軸220とは別体とすることも可能である。
前記偏心部材330は、図9に示すように、軸線が前記基準軸線RLに対してeだけ変位されており、前記入力軸320の基準軸線回りの回転に応じて、偏心回転するようになっている。
本実施の形態においては、前記偏心部材330は前記入力軸320とは別体とされているが、当然ながら、該偏心部材330を前記入力軸と一体形成することも可能である。
前記外歯部材340は、外周面に設けられた歯数Z1の外歯341と、軸方向一端面及び他端面の間を貫通するカム孔342とを有している。
好ましくは、前記カム孔342は、前記基準軸線RL回りに複数設けられる。
前記内歯部材350は、内周面に前記外歯341と噛合する内歯351が設けられている。該内歯351は、前記外歯341の歯数Z1とは異なる歯数Z2とされている。
前記減速回転出力部材360は、前記カム孔342に挿通されるキャリアピン361と、前記キャリアピン361を支持し且つ基準軸線RL回りに回転するフランジ部362と、前記フランジ部362と共に基準軸線RL回りに回転する出力軸部363とを有している。
前記キャリアピン361は、図9に示すように、前記基準軸線RLに対する前記偏心部材330の偏心量eに応じた量だけ前記カム孔342より小径とされている。
前述の通り、本実施の形態においては、前記外歯部材340には複数のカム孔342が設けられている。
従って、前記減速回転出力部材360は、前記複数のカム孔342にそれぞれ挿通される複数のキャリアピン361を有している。
本実施の形態においては、前記減速回転出力部材360から、対応する駆動輪60のホイール61に動力が伝達されるようになっている。
具体的には、前記出力軸部363は、図3及び図4に示すように、基準軸線RL上において前記ギヤハウジング370の内方及び外方に跨るように該ギヤハウジング370に支持されている。
前記フランジ部362は、前記出力軸部363のうち前記ギヤハウジング370の内部空間内に位置する部位に相対回転不能に設けられている。
斯かる構成の減速ギヤ機構310Aにおいては、前記入力軸320の基準軸線RL回りの回転に伴って、前記偏心部材330が前記基準軸線RLに対して偏心回転すると、前記外歯部材340も前記偏心部材330と共に前記基準軸線RLに対して偏心回転する。この際、該外歯部材340は、前記外歯341が前記内歯351と噛合されている為、前記外歯341の歯数Z1及び前記内歯351の歯数Z2によって画される減速比だけ減速回転される。
斯かる外歯部材340の減速偏心回転によって、前記キャリアピン361は、前記カム孔342の内周面上を転がりながら、基準軸線RL回りに公転する。そして、該キャリアピン361の基準軸線回りの公転が、前記出力軸部363を介して前記ギヤハウジング370の外方へ出力される。
好ましくは、前記ホイールモータ装置100Aは、図2〜図4に示すように、前記偏心部材330として前記基準軸線方向に沿って並設された一対の第1及び第2偏心部材330a,330bを備え、且つ、前記外歯部材340として一対の前記第1及び第2偏心部材330a,330bにそれぞれ対応した一対の第1及び第2外歯部材340a,340bを備えることができる。
詳しくは、図9に示すように、前記第1及び第2偏心部材330a,330bは、前記基準軸線RLを基準にして180度変位されている。
前記第1及び第2外歯部材340a,340bには、それぞれ、第1及び第2外歯341a,341bと、前記基準軸線RLと平行な方向に延びる第1及び第2カム孔342a,342bであって、前記基準軸線RLを基準にして周方向略同一位置に位置する第1及び第2カム孔342a,342bとが形成されている。
このように、前記基準軸線RL回りに180度変位された第1及び第2偏心部材330a,330bを備えることにより、偏心部材330の回転に伴う偏心トルクの相殺化を図ることができ、これにより、前記入力軸320を基準軸線RL回りに安定して回転させることができる。
なお、斯かる形態においては、前記内歯351は、前記第1及び第2外歯341a,341bの双方と噛合し、且つ、前記キャリアピン361は、互いに対向する前記第1及び第2カム孔342a,342bの双方に内挿される。
好ましくは、図3及び図4に示すように、前記減速回転出力部材360には、前記入力軸320と対向する内端面に該入力軸320の突入を許容する凹部365が形成される。そして、前記入力軸320の外周面と前記凹部365の内周面との間に入力軸用軸受部材325を配設させることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記減速ギヤ機構310Aの軸線方向長さを可及的に短縮させつつ、前記入力軸320を安定的に支持することができる。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記入力軸320は、単一軸によって前記モータ軸220と一体形成されている。
該単一軸は、図3に示すように、前記減速回転出力部材360と対向する入力軸側の端部が前記入力軸用軸受部材325によって支持され、前記入力軸側の端部とは反対側のモータ軸側の端部が前記モータハウジング本体240Aに設けられたモータ軸用軸受部材225によって支持され、且つ、中間部が前記モータ側ポートブロック250Aによって支持されている。
前記ギヤハウジング370は、前記出力軸部363の先端が外方へ突出された状態で前記減速回転出力部材360を支持すると共に、前記減速ギヤ機構310Aを収容するように、前記モータハウジング230Aに連結されている。
本実施の形態においては、図3及び図4に示すように、前記ギヤハウジング370は、ギヤハウジング本体380と、前記ギヤハウジング本体380及び前記モータハウジング230Aに挟持される中空部材390とを備えている。
前記中空部材390は、内周面に前記内歯351が設けられている。即ち、本実施の形態においては、前記中空部材390が前記内歯部材350として作用している。
なお、本実施の形態においては、図3及び図4に示すように、前記モータ軸220は、前記出力端部がモータ側ポートブロック250Aを貫通して外方へ延在されている。
そして、前記ギヤハウジング370は、前記モータ軸220の出力端部を囲繞するように、前記モータ側ポートブロック250Aに連結されている。
前記中空部材390は、前記モータハウジング230Aと対向する対向端面及び該対向端面とは反対側の端面の双方が開口とされている。
前記ギヤハウジング本体380は、前記中空部材390と対向する対向端面が開口とされ、且つ、該対向端面とは反対側の端面が閉塞されている。
斯かるギヤハウジング370は、前記減速回転出力部材360を前記基準軸線RL回り回転自在に支持している。
詳しくは、前記減速ユニット300Aには、前記減速回転出力部材360を軸受支持する減速回転出力部材用第1及び第2軸受部材301,302が設けられている。
図3及び図4に示すように、前記第1及び第2軸受部材301,302は、それぞれ、前記減速回転出力部材360の前記フランジ部361及び前記出力軸部363を支持している。
好ましくは、前記第1軸受部材301は、前記減速回転出力部材360を支持すると共に、前記ギヤハウジング本体380及び前記中空部材390の位置合わせを行うように構成される。
詳しくは、図3に示すように、前記第1軸受部材301は、前記減速回転出力部材360の外周面に設けられた凹部に係入される内輪体301aと、前記ギヤハウジング本体380の内周面及び前記中空部材390の内周面に跨るように設けられた凹部に係入される外輪体301bと、前記内輪体301a及び前記外輪体301bの間に配設された転動体301cとを有している。
より好ましくは、前記第1軸受部材301は、前記入力軸320の軸線方向に関し、少なくとも一部が前記入力軸用軸受部材325とオーバーラップするように配設され(図3及び図4参照)、これにより、前記入力軸320及び前記減速回転出力部材360をより安定的に支持できる。
本実施の形態においては、前記ギヤハウジング370は、内部空間が油貯留可能とされており、貯留油が前記減速ギヤ機構310Aにおける潤滑油として作用している。
このように、前記ギヤハウジング370が油貯留可能とされている態様においては、好ましくは、図4に示すように、前記減速回転出力部材360に、一端部が前記ギヤハウジング370の内部空間内において外周面に開き且つ他端部が前記凹部365内に開く潤滑用油通路460を形成することができる。
斯かる油通路460を設けることにより、前記入力軸用軸受部材325や、前記偏心部材330a,330b及び前記外歯部材340a,340bに、潤滑油を効率的に供給できる。
図10に、図4におけるX-X線に沿った断面図を示す。
図10に示すように、前記ギヤハウジング370には、内部空間と外方とを連通する第1油ポート371Pが形成されている。
好ましくは、前記第1油ポート371Pは、該ホイールモータ装置100Aが車輌フレーム30に装着された状態において、前記減速回転出力部材360のうち前記油通路460の一端部が位置する部位(以下、油流入部位という)の外周面と側面視においてオーバーラップするような位置に設けられる。
斯かる構成においては、前記第1油ポート371Pを、前記ギヤハウジング370内への給油口として用いることにより、前記ギヤハウジング370内の貯留油による前記減速ギヤ機構310Aの撹拌抵抗を可及的に低減させつつ、前記油通路460内に貯留油を流入させることができる。
即ち、前記構成においては、前記減速回転出力部材360は一部だけが貯留油内に浸ることになる為、ギヤハウジング370内が貯留油で充満される態様に比して、前記減速ギヤ機構310Aの撹拌抵抗を低減させることができる。
さらに、斯かる構成によれば、前記減速回転出力部材360が軸線回りに回転すると、前記油通路460の一端部が必ず貯留油内に浸ることになる。つまり、該減速回転出力部材360の軸線回りの回転によって、該貯留油が前記油通路460内に流入することになり、これにより、前記減速ギヤ機構310Aへの潤滑油供給を効率的に維持することができる。
より好ましくは、図10に示すように、前記ギヤハウジング370に、該ホイールモータ装置100Aが車輌フレーム30に装着された状態において、前記第1油ポート371Pよりも下方に位置する第2油ポート372Pを設けることができる。
斯かる構成においては、前記第2油ポート372Pを油流入口として用い、且つ、前記第1油ポート371Pを油流出口として用いることで、前記ギヤハウジング370内の貯留油の滞留を防止しつつ、前記貯留油の油面を前述の所望位置に維持することができる。
ここで、前記ホイールモータ装置100Aの車輌フレーム30への装着状態について説明する。
図2及び図3に示すように、該ホイールモータ装置100Aは、前記減速回転出力部材360の前記出力軸部363が突出される側とは反対側の端部(以下、車輌幅方向内端部という)に、前記車輌フレーム30への取付部110が設けられている。
前述の通り、本実施の形態においては、前記モータハウジング本体240Aと前記ギヤハウジング370との間に前記モータ側ポートブロック250Aが位置している。
即ち、本実施の形態においては、前記モータハウジング本体240Aにおける前記閉塞端面243が、前記車輌幅方向内端部を形成しており、従って、前記閉塞端面243に前記取付部110が設けられている。
詳しくは、図2及び図3に示すように、前記閉塞端面243には、径方向外方へ延びるフランジ部が設けられており、該フランジ部に、前記取付部110として作用する取付用孔又は取付用スリットが形成されている。
このように、前記ホイールモータ装置100Aにおける車輌幅方向内端部に前記取付部110を設けることにより、前記車輌フレーム30と前記駆動輪60とを可及的に離間させることができる(図2参照)。
また、斯かる構成によれば、前記第1及び第2油ポート371P,372P並びに前記モータ側作動油ポート420Pが車輌フレーム30より車輌幅方向外方に位置することになる。従って、これらの油ポートへの配管接続作業を容易に行うことができる。
好ましくは、前記取付部110は、前記ホイールモータ装置100Aが基準軸線RL回り複数位置で前記車輌フレーム30に装着され得るように構成される。
即ち、前記取付部110は、前記ホイールモータ装置100Aが、少なくとも、基準軸線RL回りの第1位置と、該第1位置から基準軸線RL回りに変位された第2位置とにおいて前記車輌フレームに装着されることを許容するようになっている。
斯かる構成を備えることにより、前記ホイールモータ装置100Aに設けられる前記モータ側作動油ポート420Pや前記第1及び第2油ポート371P,372Pの向きを変更させることができ、従って、これらの油ポートに接続される配管を効率的に配置させることができる。
より好ましくは、該ホイールモータ装置100Aが基準軸線RL回り第2位置において車輌フレーム30に装着される場合(図11参照)には、前記第2油ポート372Pが側面視において前記減速回転出力部材360における油流入部位が形成された部位とオーバーラップし且つ前記第1油ポート371Pが該第2油ポート372Pより下方に位置するように構成すると共に、該ホイールモータ装置100Aが前記第1位置に位置する際の前記第1油ポート371Pの上下方向位置(図10参照)と、該ホイールモータ装置100Aが前記第2位置に位置する際の前記第2油ポート372Pの上下方向位置(図11参照)とが、基準軸線RLを基準にして上下に変位するように構成し得る。
斯かる構成を備えることにより、前記ホイールモータ装置100Aの車輌フレーム30への取付位置を変更するだけで、前記ギヤハウジング370内の貯留油の油面位置を容易に変更できる。
例えば、図10に示す油面位置では、前記油通路460への油流入が不十分な場合には、前記ホイールモータ装置100Aを図11に示す第2位置において車輌フレーム30に取り付けることで、前記油通路460への油流入量を増大させることができる。
なお、本実施の形態においては、前記ホイールモータ装置100Aの取付部110は、基準軸線RL回りに90度離間配置された4つの取付用孔又は取付用スリットを有しており、該ホイールモータ装置100Aは車輌フレーム30に対して基準軸線RL回りに90度変位された位置で装着されるように構成されている。
斯かる構成においては、例えば、前記第1油ポート371P及び第2油ポート372Pを、前記ホイールモータ装置100Aが第1位置に位置する際に、基準軸線RLを通る仮想水平線HL及び仮想垂直線VLからそれぞれ該基準軸線RL回りに同一角度α変位された位置に設けることにより、該ホイールモータ装置100Aが第1位置に位置する際の第1油ポート371Pの上下方向位置(図10参照)と、該ホイールモータ装置100Aが第2位置に位置する際の第2油ポート372Pの上下方向位置(図11参照)とを、異ならせることができる。
さらに、本実施の形態に係るホイールモータ装置100Aは、前記構成に加えて、前記モータ側作動油ポート420Pと前記第1及び第2油ポート371P,372Pとの相対位置を変更させ得るように構成されている。
具体的には、該ホイールモータ装置100Aは、前記ギヤハウジング370及び前記モータハウジング本体240Aの前記基準軸線RL回りの位置を固定したまま、前記モータ側ポートブロック250A及び前記斜板260を基準軸線RL回りに位置変更させ得るように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記第1及び第2油ポート371P,372Pの位置を、例えば、図10に示す位置に固定したまま、前記モータ側作動油ポート420Pの向きを、図12A及び図12Bにおける(a)〜(d)に示すように、変更させることができる。
従って、前記第1及び第2油ポート371P,372Pに接続される配管と、前記モータ側作動油ポート420Pに接続される配管とを、それぞれ、適切に配置させることができる。
なお、図12A及び図12B中のHL及びVLは、それぞれ、仮想水平線及び仮想垂直線である。
又、前記第1及び第2油ポート371P,372Pと前記モータ側作動油ポート420Pとの相対位置を変更可能とする為の構造は、前記構成に限定されるものではない。
例えば、前記第1及び第2油ポート371P,372Pが形成された前記ギヤハウジング本体380を、前記中空部材390に対して基準軸線RL回りの異なる位置で連結可能とすることも可能である。
さらには、前記ギヤハウジング370を、前記モータハウジング230Aに対して基準軸線RL回りの異なる位置で連結可能とすることも可能である。
また、本実施の形態においては、前述の通り、前記ホイールモータ装置100Aの車輌幅方向内端部に前記取付部110を設けたが、当然ながら、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。
図13に、前記取付部110が車輌幅方向内端部及び外端部の間に設けられたホイールモータ装置100A’の断面図を示す。
このように、前記取付部110を、車輌幅方向に関しホイールモータ装置100Aの中間領域に設けることにより、前記作動油配管410が車輌フレーム30より車輌幅方向内方に位置することになり、従って、車輌走行中に該作動油配管410が外部に接触して破損等することを有効に防止できる。
なお、図13に示す形態においては、前記モータ側作動油ポート420Pが前記車輌フレーム30に干渉することを防止する為に、前記モータ側作動油路420は、一端部が油圧モータ本体210に流体接続され、且つ、他端部がモータハウジング本体240Aの外表面に開口されている。
実施の形態2
以下、本発明に係るホイールモータ装置の他の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図14に、前記作業車輌1Aにおける左側駆動輪60に適用された本実施の形態に係るホイールモータ装置100Bの断面図であって、垂直面から45度変位された切断面における断面図を示す。
又、図15に、前記ホイールモータ装置100Bの縦断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前記実施の形態1においては、前述の通り、前記モータ側ポートブロック250Aが前記モータハウジング本体240Aと前記ギヤハウジング370との間に挟持されているが、本実施の形態に係るホイールモータ装置100Bにおいては、モータハウジング本体240Bがモータ側ポートブロック250Bと前記ギヤハウジング370との間に位置している。
具体的には、図14及び図15に示すように、該ホイールモータ装置100Bは、油圧モータユニット200Bと、前記減速ギヤユニット300Aとを備えている。
前記油圧モータユニット200Bは、前記モータハウジング230Aがモータハウジング230Bに変更されている点を除き、前記実施の形態1における油圧モータユニット200Aと同一である。
即ち、前記油圧モータユニット200Bは、前記油圧モータ本体210と、前記モータ軸220と、前記油圧モータ本体210を収容すると共に、前記モータ軸220を基準軸線RL回り回転自在に支持するモータハウジング230Bと、前記斜板260とを備えている。
前記モータハウジング230Bは、図14及び図15に示すように、前記油圧モータ本体210を囲繞するモータハウジング本体240Bと、前記モータハウジング本体240Bに着脱可能に連結されるモータ側ポートブロック250Bとを有している。
前記モータハウジング本体240Bは、該ホイールモータ装置100Bが車輌フレーム30に装着された状態を基準にして、車輌幅方向内方を向く端部に前記油圧モータ本体210が挿通し得る開口242が設けられ、且つ、車輌幅方向外方を向く端部が前記閉塞端面243とされている。
前記モータ側ポートブロック250Bは、前記開口242を閉塞するように前記モータハウジング本体240Bに着脱可能に連結されている。
そして、図14に示すように、車輌幅方向に関し最も内方に位置する該モータ側ポートブロック250Bに、前記取付部110が設けられている。
なお、前記減速ユニット300Aは、前記閉塞端面243に着脱可能に連結されている。
従って、本実施の形態においては、前記モータ軸220は、出力端部を形成する一端部が前記モータハウジング本体240Bの閉塞端面243を貫通して外方へ延在され且つ前記一端部とは反対側の他端部が前記モータ側ポートブロック250B内において終焉された状態で、該閉塞端面243及び該モータ側ポートブロック250Bによって基準軸線RL回り回転自在に支持されている。
斯かるホイールモータ装置100Bにおいても、前記実施の形態1におけると同一の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、車輌幅方向内端部に前記取付部110を設けたが(図14参照)、前記取付部を、該ホイールモータ装置の車輌幅方向内端部及び外端部の間に設けることも可能である。
図16に、前記取付部が車輌幅方向内端部及び外端部の間に設けられたホイールモータ装置100B’の断面図を示す。
図16に示す形態においては、前記モータハウジング本体240Bの前記閉塞面243に径方向外方へ延在されたフランジ部を一体形成し、該フランジ部に前記取付部110を設けている。
斯かる構成によれば、前記実施の形態1における図13の構成と同様、車輌走行中に作動油配管410が外部に接触して破損等することを有効に防止できる。
実施の形態3
以下、本発明に係るホイールモータ装置のさらに他の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図17に、前記作業車輌1Aにおける左側駆動輪60に適用された本実施の形態に係るホイールモータ装置100Cの断面図であって、垂直面から45度変位された切断面における断面図を示す。
又、図18に、図17の拡大図を示す。
さらに、図19に、前記ホイールモータ装置100Cの縦断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1又は2におけると同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係るホイールモータ装置100Cは、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置100Aにおいて、前記偏心部材330及び前記外歯部材340が共に単一とされると共に、斯かる単一の偏心部材330に起因する偏心モーメントを削減又は低減する為のバランスウエイト335を有している。
詳しくは、該ホイールモータ装置は、図17〜図19に示すように、前記油圧モータユニット200Aと、前記油圧モータユニット200Aに分離可能に連結される減速ユニット300Cであって、該油圧モータユニット200Aからの回転動力を減速して対応する駆動輪に伝達する減速ユニット300Cとを備えている。
前記減速ユニット300Cは、前記モータ軸220の回転動力を減速する減速ギヤ機構310Cと、該減速ギヤ機構310Cを収容するように前記モータハウジング230Aに着脱可能に連結される前記ギヤハウジング370とを備えている。
前記減速ギヤ機構310Cは、前記入力軸320と、単一の前記偏心部材330と、単一の前記外歯部材340と、前記内歯部材350と、前記減速回転出力部材360とに加えて、前記バランスウエイト335を備えている。
図20に、図19におけるXX-XX線に沿った断面図を示す。
図18〜図20に示すように、前記バランスウエイト335は、前記基準軸線RLに対する前記偏心部材330の偏心方向とは反対方向に延びるウエイト部336を有するように、前記入力軸320に相対回転不能に支持されている。
該バランスウエイト335を備えることにより、前記偏心部材330及び前記外歯部材340が共に単一とされているにも拘わらず、該単一の偏心部材330及び該単一の外歯部材340の回転に起因する偏心モーメントを低減又は削減することができる。
従って、部品点数の削減を図りつつ、前記入力軸320の前記基準軸線回りの回転を安定化させることができる。
斯かるホイールモータ装置100Cにおいても、前記実施の形態1におけると同一の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、車輌幅方向内端部に前記取付部を設けたが(図17参照)、前記取付部110を、ホイールモータ装置100C’の車輌幅方向内端部及び外端部の間に設けることも可能である(図21参照)。
図21に示す形態においては、前記中空部材390と前記ギヤハウジング本体380とを連結する為の連結構造を前記取付部110として兼用している。
より詳しくは、前記中空部材390と前記ギヤハウジング本体380とを締結する為のボルト等の締結部材を利用して、該ホイールモータ装置100C’を車輌フレーム30に装着させている。
このように、前記取付部110をホイールモータ装置100C’の車輌幅方向内端部及び外端部の間に設ければ、車輌走行中に作動油配管410が外部に接触して破損等することを有効に防止できる。
実施の形態4
以下、本発明に係るホイールモータ装置のさらに他の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図22に、前記作業車輌1Aにおける左側駆動輪60に適用された本実施の形態に係るホイールモータ装置100Dの断面図であって、垂直面から45度変位された切断面における断面図を示す。
又、図23に、該ホイールモータ装置100Dの縦断面図を示す。
なお、図中、前記各実施の形態におけると同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図22及び図23に示すように、本実施の形態に係るホイールモータ装置100Dは、前記実施の形態2に係るホイールモータ装置100Bにおいて、前記偏心部材330及び前記外歯部材340が共に単一とされると共に、斯かる単一の偏心部材330に起因する偏心モーメントを削減又は低減する為のバランスウエイト335を有している。
斯かるホイールモータ装置100Dにおいても、前記各実施の形態におけると同様の効果を得ることができる。
なお、当然ながら、図24に示すように、本実施の形態に係るホイールモータ装置においても、前記取付部110を車輌幅方向内端部及び外端部の間に設けることができる。
実施の形態5
以下、本発明に係るホイールモータ装置のさらに他の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図25に、本実施の形態に係るホイールモータ装置100Eの断面図を示す。
なお、図中、前記各実施の形態におけると同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前記実施の形態1〜4においては、前述の通り、前記減速回転出力部材360が、前記基準軸線RL回りに回転する前記出力軸部363に加えて、該出力軸部363と共に前記基準軸線RL回りに回転する前記フランジ部362と、該フランジ部362に支持された前記キャリアピン361とを有するものとしている。そして、前記キャリアピン361を前記外歯部材340に設けたカム孔342に挿入している。
即ち、前記各実施の形態においては、前記カム孔342,前記キャリアピン361及び前記フランジ部362が、前記外歯部材340から前記基準軸線RL回りの回転成分を取り出す回転成分取出機構を形成している。
これに対し、本実施の形態においては、前記各実施の形態とは異なる形態の回転成分取出機構を備えている。
具体的には、本実施の形態に係るホイールモータ装置100Eは、前記外歯部材330に代えて外歯部材330Eを有し、且つ、前記減速回転出力部材360に代えて減速回転出力部材360Eを有している。
なお、図25に示すように、本実施の形態においては、図24に示すホイールモータ装置100D’と実質的に同一のホイールモータ装置において、前記外歯部材340及び前記減速回転出力部材360に代えて、それぞれ、前記外歯部材340E及び前記減速回転出力部材360Eを備える場合を例に説明するが、当然ながら、前記各実施の形態において説明した種々の形態のホイールモータ装置において、前記外歯部材340E及び前記減速回転出力部材360Eを備えることも可能である。
前記外歯部材340Eは、前記偏心部材330に相対回転自在に外挿されており且つ外周面に歯数Z1の外歯341を有している点は前記外歯部材340と同一であるが、前記カム孔342の代わりに内周面に歯数Z3の内歯345を有している点において前記外歯部材340と異なっている。
前記減速回転出力部材360Eは、前記基準軸線RL回りに回転する出力軸部363を有している点においては前記減速回転出力部材360と同一であるが、前記フランジ部362及び前記キャリアピン361の代わりに、前記内歯345と噛合するように前記出力軸部363の外周面に外歯368が設けられている点において前記減速回転出力部材360と異なっている。
前記減速回転出力部材360Eの前記外歯368の歯数Z4は、前記外歯部材340Eの前記内歯345の歯数Z3より少ない歯数とされている。
斯かる構成の前記ホイールモータ装置100Eにおいては、前記外歯部材340Eの前記内歯345及び前記減速回転出力部材360Eの前記外歯368が、前記外歯部材340Eから前記基準軸線RL回りの回転成分を取り出す回転成分取出機構を形成している。
好ましくは、図25に示すように、前記減速回転出力部材360E及び前記入力軸320の対向端部を相対回転自在な状態で凹凸係合させることができる。
具体的には、前記減速回転出力部材360E及び前記入力軸320の一方の対向端部(図示の形態においては前記減速回転出力部材360Eの端部)に凹部365を設け、且つ、他方の対向端部(図示の形態においては前記入力軸320の端部)に前記凹部365内に突入される凸部228を設けると共に、該凸部228及び前記凹部365の間にブッシュ等の軸受部材229を介挿させることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記入力軸220及び前記減速回転出力部材360Eの前記基準軸線RL回りの回転安定化を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、前記減速回転出力部材360Eは、軸線方向に離間された第1及び第2軸受部材301,302を介して、前記ギヤハウジング本体380に支持されているが(図25参照)、当然ながら、該減速回転出力部材360Eの軸線長さ等の諸条件に応じて、単一の軸受部材301のみを備えることも可能である(図26参照)。
又、前記各実施の形態においては、前記ギヤハウジング370は、前記ギヤハウジング本体380に加えて、前記中空部材390を備えるように構成されており、該中空部材390の内周面に前記内歯351を設けていたが、本実施の形態におけるように、前記中空部材390を削除して、モータハウジング230Eが前記内歯部材350を収容するように構成することも可能である。
具体的には、該モータハウジング230Eは、モータハウジング本体240Eと、前記モータ側ポートブロック250Bとを有している。
前記モータハウジング本体240Eは、前記モータ側ポートブロック250Bとの共働下に前記油圧モータ本体210を収容する油圧モータ収容部に加えて、該油圧モータ収容部に一体形成された内歯部材収容部を有している。
又、本実施の形態においては、前記各実施の形態におけると同様に、前記減速回転出力部材360Eが前記出力軸部363を有するように構成し、該減速回転出力部材360Eを介して減速回転動力を外部へ出力させるように構成したが、これに代えて、図27に示すように、ギヤハウジング本体380Eを介して減速回転動力を外部へ出力させることも可能である。
具体的には、図27に示すように、前記減速回転出力部材として、前記外歯部材340Eの前記内歯345と噛合する歯数Z4の外歯368を有するギヤ部材1360を備えることができる。
そして、前記ギヤハウジング本体380に代えて、前記ギヤ部材1360の外歯368と噛合する歯数Z4の内歯388が設けられたギヤハウジング本体380Eを備えることができる。
斯かる構成においては、前記ギヤハウジング本体380Eが、対応する駆動輪60のホイール61に相対回転不能に連結される。
好ましくは、前記ギヤ部材は、前記入力軸に相対回転自在に支持される。
なお、当然ながら、前記各実施の形態においても、図27に示すように、ギヤハウジング本体380Eを介して減速回転動力を外部へ出力させることも可能である。
又、前記各実施の形態においては、前記モータ軸220における出力端部とは反対側の他端部を前記モータハウジング230内において終焉させるように構成したが、図25〜図27において二点鎖線で示すように、該モータ軸220の他端部を外方へ延在させることも可能である。
このように、前記モータ軸220の他端部を前記モータハウジング230から外方へ延在させることにより、該他端部を機械式ブレーキ装置の制動部として利用することができる。
実施の形態6
以下、本発明に係るホイールモータ装置のさらに他の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図28に、本実施の形態に係るホイールモータ装置100Fの断面図を示す。
なお、図中、前記各実施の形態におけると同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前記ホイールモータ装置100Fは、前記各実施の形態とは異なる形態の回転成分取出機構を備えている。
具体的には、図28に示すように、該ホイールモータ装置100Fは、前記実施の形態5に係るホイールモータ装置100Eにおいて、前記減速回転出力部材360Eに代えて減速回転出力部材360Fを備えると共に、さらに、前記外歯部材340E及び該減速回転出力部材360Fを作動連結する揺動部材700を備えている。
前記減速回転出力部材360Fは、前記基準軸線RL回り回転自在に前記ギヤハウジング本体380に支持されている。
詳しくは、該減速回転出力部材360Fは、前記基準軸線RL回り回転自在とされた中空の出力軸部363Fを有している。
該中空の出力軸部363Fには、内周面にスプライン369が形成されている。
前記揺動部材700は、軸線方向第1端部に前記外歯部材340Eの前記内歯345と噛合する第1係合凸部710を有し、且つ、軸線方向第2端部に前記出力軸部363Fの前記スプライン369と噛合する第2係合凸部720を有している。
斯かる構成の該揺動部材700は、前記外歯部材340Eの回転に伴って、前記基準軸線RL及び該揺動部材700の回転軸線ALの交点Cを揺動支点として前記第1端部が揺動しつつ、該回転軸線AL回りに回転するようになっている。
好ましくは、前記第1係合凸部710は、前記外歯部材340Eの前記内歯345の回転中心線ELと前記回転軸線ALとの交点Eを中心とした円弧状の外周面形状を有するものとされる。
そして、前記第2係合凸部720は、前記揺動支点Cを中心とした円弧状の外周面形状を有するものとされる。
このように、前記第1及び第2係合凸部710,720の外周面形状を円弧状とすることにより、前記揺動部材700の姿勢に拘わらず、該第1係合凸部710と前記内歯345との噛合関係、及び、前記第2係合凸部720と前記スプライン369との噛合関係を良好に維持することができる。
なお、本実施の形態においては、図28に示すように、前記減速回転出力部材360Fは、前記出力軸部363Fの外端部にフランジ部364を有しており、該フランジ部364を介して対応する前記駆動輪60のホイール61に減速回転動力を出力するように構成されているが、当然ながら、図29に示すように、前記出力軸部363Fの外端部から減速回転動力を出力するように構成することも可能である。
又、本実施の形態においても、図27に示すように、ギヤハウジング本体380Eを介して減速回転動力を外部へ出力させることも可能である。
前記各実施の形態においては、本発明に係るホイールモータ装置100A〜100Fを、非駆動輪70がアッカーマン式操舵機構によって操舵される操舵輪とされた前記車輌1Aに適用した場合を例に説明したが、当然ながら、本発明は他の形態の車輌に適用することも可能である。
例えば、非駆動輪がキャスタ輪75とされた車輌1Bであって、前記一対の駆動輪60をそれぞれ独立して変速駆動するように構成された車輌1Bに適用することも可能である。
斯かる車輌1Bは、図30に示すように、前記油圧ポンプユニット500を一対、備えている。
該車輌1Bにおいては、前記一対のホイールモータ装置100A〜100Dは、それぞれ、前記一対の油圧ポンプユニット500に、一対の作動ライン400を介して流体接続されており、前記一対の駆動輪60の一方(例えば、左側駆動輪)を独立して逆転可能に無段変速駆動する第1HSTと、前記一対の駆動輪60(例えば、右側駆動輪)の他方を独立して逆転可能に無段変速駆動する第2HSTとを有するものとされている。
又、図31に示すように、前後輪間の中央位置且つ左右輪間の中央位置において垂直方向に沿うように配設された枢支軸35を介して前フレーム36及び後フレーム37が揺動自在に連結された胴体屈折式車輌1Cにおいて、前フレーム36に支持された一対の前方側駆動輪65のホイール66及び後フレーム37に支持された一対の後方側駆動輪60のホイール61を、それぞれ、前記ホイールモータ装置100A〜100Fによって駆動させることも可能である。
斯かる胴体屈折式車輌1Cにおいては、油圧ポンプユニット500が支持されるフレーム(図31においては後フレーム37)とは反対側のフレーム(図31においては前フレーム36)に支持されるホイールモータ装置100A〜100Fと、該油圧ポンプユニット500との間は、途中に弾性パイプ430を有する作動油ライン400によって流体接続される。
なお、図31に示す車輌1Cは、車輌前方に作業機80を有している。
又、図31中の符号45はエンジンプーリーであり、符号46はテンションプーリーである。符号800は作業機80へエンジン動力を伝達するための駆動体であり、前記枢支軸35と同一軸線上に回転中心がある2連のPTO出力プーリーが配置され、該プーリーの一方にエンジンプーリー45からの駆動を受ける第1伝動ベルトが巻回され、他方に作業機入力プーリーとの間で第2伝動ベルトが巻回されている。
前記各車輌1A〜1Cにおいては、図1,図30及び図31に示す通り、前記ポンプハウジング530の内部空間と前記油タンク10の内部空間とを外部配管450を介して流体接続させ、該ポンプハウジング530及び該油タンク10によって画される油溜め空間内の貯留油を、前記チャージポンプユニット580の油源としている。そして、前記ポンプハウジング530の内部空間と前記一対のホイールモータ装置100の一方におけるモータハウジング230の内部空間との間、該一対のホイールモータ装置100の各モータハウジング230の内部空間の間、及び、該一対のホイールモータ装置100の他方におけるモータハウジング230の内部空間と前記油タンク10の内部空間との間を、それぞれ、外部配管450によって流体接続させることで、前記モータ収容空間内の油の滞留を防止しているが、これに代えて、図32〜図34にように、前記チャージポンプユニット580からのチャージリリーフ油を前記ポンプハウジング530内に戻さずにオイルクーラー900によって冷却させてから、前記一対のホイールモータ装置100における各モータハウジング230を経由させて、前記油タンク10へ戻すように構成することができる。
このように、前記チャージポンプユニット580からの圧油の少なくとも一部を前記オイルクーラー900へ供給し、且つ、該オイルクーラー900によって冷却された圧油が、前記一対のホイールモータ装置100における各モータハウジング230を通過してから、前記油タンク10へ戻るように構成すれば、前記モータハウジング230内の前記油圧モータ本体210の温度上昇をより有効に防止できる。従って、前記HSTの伝動効率の悪化を有効に抑えることができる。
さらに、前記各実施の形態においては、前記回転出力ユニットとして油圧モータユニット200A,200Bを例に説明したが、当然ながら、該油圧モータユニット200A,200Bに代えて電動モータユニットを用いることも可能である。
図1は、本発明に係るホイールモータ装置が適用される車輌の平面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係るホイールモータ装置の断面図であり、垂直面に対して45度変位された切断面における断面を示している。 図3は、図2の拡大図である。 図4は、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置の縦断面図であり、図1におけるIV-IV線に沿った断面を示している。 図5は、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置における油圧モータ本体近傍の部分拡大図である。 図6は、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置における油圧モータ本体近傍の部分拡大図であり、一方の駆動輪に適用されるホイールモータ装置における固定斜板を実線で示し、且つ、他方の駆動輪に適用されるホイールモータ装置における固定斜板を破線で示している。 図7は、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置における油圧モータ本体近傍の部分拡大図であり、異なるタイプの固定斜板が備えられた変形例を示している。 図8は、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置における油圧モータ本体近傍の部分拡大図であり、可動斜板が備えられた変形例を示している。 図9は、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置における減速ギヤ機構の縦断面図であり、図4におけるIX-IX線に沿った断面を示している。 図10は、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置におけるギヤハウジング本体の縦断面図であり、図4におけるX-X線に沿った断面を示している。 図11は、前記ギヤハウジング本体の縦断面図であり、図10に示す状態からギヤハウジング本体を基準軸線回りに90度回転させた状態を示している。 図12Aは、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置におけるモータ側ポートブロックの縦断面図であって、図4におけるXII-XII線に沿った断面を示しており、図12(a)及び(b)は、それぞれ、前記モータ側ポートブロックを基準軸線回りに90度回転させた状態を示している。 図12Bは、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置におけるモータ側ポートブロックの縦断面図であって、図4におけるXII-XII線に沿った断面を示しており、図12(c)及び(d)は、それぞれ、前記モータ側ポートブロックを基準軸線回りに90度回転させた状態を示している。 図13は、前記実施の形態1に係るホイールモータ装置の変形態様の断面図であり、垂直面に対して45度変位された切断面における断面を示している。 図14は、本発明の実施の形態2に係るホイールモータ装置の断面図であり、垂直面に対して45度変位された切断面における断面を示している。 図15は、前記実施の形態2に係るホイールモータ装置の縦断面図である。 図16は、前記実施の形態2に係るホイールモータ装置の変形態様の断面図であり、垂直面に対して45度変位された切断面における断面を示している。 図17は、本発明の実施の形態3に係るホイールモータ装置の断面図であり、垂直面に対して45度変位された切断面における断面を示している。 図18は、図17の拡大図である。 図19は、前記実施の形態3に係るホイールモータ装置の縦断面図である。 図20は、前記実施の形態3に係るホイールモータ装置における減速ギヤ機構の縦断面図であり、図19におけるXX-XX線に沿った断面を示している。 図21は、前記実施の形態3に係るホイールモータ装置の変形態様の断面図であり、垂直面に対して45度変位された切断面における断面を示している。 図22は、本発明の実施の形態4に係るホイールモータ装置の断面図であり、垂直面に対して45度変位された切断面における断面を示している。 図23は、前記実施の形態4に係るホイールモータ装置の縦断面図である。 図24は、前記実施の形態4に係るホイールモータ装置の変形態様の断面図であり、垂直面に対して45度変位された切断面における断面を示している。 図25は、本発明の実施の形態5に係るホイールモータ装置の断面図である。 図26は、図25に示すホイールモータ装置の変形例の断面図である。 図27は、図25に示すホイールモータ装置のさらに他の変形例の断面図である。 図28は、本発明の実施の形態6に係るホイールモータ装置の断面図である。 図29は、図28に示すホイールモータ装置の変形例の断面図である。 図30は、本発明に係るホイールモータ装置が適用される他の車輌の平面図である。 図31は、本発明に係るホイールモータ装置が適用されるさらに他の車輌の平面図である。 図32は、図1に示す車輌の変形例の平面図である。 図33は、図30に示す車輌の変形例の平面図である。 図34は、図31に示す車輌の変形例の平面図である。
符号の説明
1A,1B,1C 車輌
30 車輌フレーム
60,65 駆動輪
100A〜100F ホイールモータ装置
110 取付部
200A,200B 油圧モータユニット(可変回転出力ユニット)
210 油圧モータ本体(可変回転出力体)
220 モータ軸(可変回転出力軸)
230A,230B,230E モータハウジング
260,270,280 斜板
300A,300C 減速ユニット
301 減速回転出力部材用第1軸受部材
301a 内輪体
301b 外輪体
301c 転動体
310A,310C 減速ギヤ機構
320 入力軸
325 入力軸用軸受部材
330 偏心部材
330a,330b 第1及び第2偏心部材
335 バランスウエイト
336 ウエイト部
340,340E 外歯部材
340a,340b 第1及び第2外歯部材
341 外歯
341a,341b 第1及び第2外歯
342 カム孔
342a,342b 第1及び第2カム孔
345 外歯部材の内歯
350 内歯部材
360,360E,360F 減速回転出力部材
361 キャリアピン
362 フランジ部
363,363F 出力軸部
365 凹部
368 減速回転出力部材の外歯
369 減速回転出力部材のスプライン
370 ギヤハウジング
371P,372P 第1及び第2油ポート
380,380E ギヤハウジング本体
390 中空部材
460 潤滑用油通路
700 揺動部材
710 第1係合凸部
720 第2係合凸部
RL 基準軸線

Claims (7)

  1. 可変回転出力体用ハウジングに収容された可変回転出力体の回転動力を基準軸線回りに回転する可変回転出力軸を介して出力する可変回転出力ユニットと、前記可変回転出力軸の回転を減速する減速ギヤ機構及び該減速ギヤ機構を収容するギヤハウジングを有する減速ユニットとを備えたホイールモータ装置であって、
    前記減速ギヤ機構は、前記可変回転出力軸に対して基準軸線回り相対回転不能とされた入力軸と、前記基準軸線から偏心された回転中心を有する偏心部材であって、前記入力軸に対して相対回転不能とされた偏心部材と、前記偏心部材に相対回転自在に支持された外歯部材であって、外周面に外歯が設けられた外歯部材と、前記外歯部材の外径より大きな内径を有する内歯部材であって、前記外歯と噛合する内歯が該外歯とは異なる歯数だけ設けられた内歯部材と、前記外歯部材における前記基準軸線回りの回転成分によって、該基準軸線回りに回転する減速回転出力部材とを有し
    前記内歯部材は、回転不能に固定され、
    前記外歯部材には、前記基準軸線と平行な方向に延びるカム孔が形成されており、
    前記減速回転出力部材は、前記カム孔の内径より小さい外径を有し且つ該カム孔に挿通されたキャリアピンと、前記キャリアピンを支持し且つ前記基準軸線回りに回転するフランジ部と、前記フランジ部と共に前記基準軸線回りに回転する出力軸部とを有しており、
    前記出力軸部は、少なくとも一部が前記ギヤハウジングの外方へ突出されており、
    前記減速回転出力部材は、前記入力軸と対向する内端面に該入力軸の突入を許容する凹部を有し、
    前記減速ユニットは、前記入力軸の外周面と前記凹部の内周面との間に介挿される入力軸用軸受部材を有しており、
    前記ギヤハウジングは、油貯留可能とされており、
    前記減速回転出力部材には、一端部が前記ギヤハウジングの内部空間内において外周面に開き且つ他端部が前記凹部内に開く油通路が形成されていることを特徴とするホイールモータ装置。
  2. 前記ギヤハウジングには、内部空間と外方とを連通する第1油ポートが形成されており、
    前記第1油ポートは、該ホイールモータ装置が前記基準軸線回り第1位置において車輌フレームに装着された際に、前記減速回転出力部材のうち前記油通路の一端部が位置する部位の外周面と側面視においてオーバーラップするような位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ装置。
  3. 前記ギヤハウジングには、該ホイールモータ装置が前記第1位置に位置する際に、前記第1油ポートより下方に位置する第2油ポートが形成されていることを特徴とする請求項2に記載のホイールモータ装置、
  4. 該ホイールモータ装置は、前記第1位置から前記基準軸線回りに変位された第2位置においても車輌フレームに装着可能とされており、
    該ホイールモータ装置が前記第2位置に位置する際には、前記第2油ポートは、前記減速回転出力部材のうち前記油通路の一端部が位置する部位の外周面と側面視においてオーバーラップするように位置し、且つ、前記第1油ポートは、前記第2油ポートより下方に位置しており、
    該ホイールモータ装置が前記第1位置に位置する際の前記第1油ポートの上下方向位置と、該ホイールモータ装置が前記第2位置に位置する際の前記第2油ポートの上下方向位置とは、基準軸線を基準にして上下に変位することを特徴とする請求項3に記載のホイールモータ装置。
  5. 可変回転出力体用ハウジングに収容された可変回転出力体の回転動力を基準軸線回りに回転する可変回転出力軸を介して出力する可変回転出力ユニットと、前記可変回転出力軸の回転を減速する減速ギヤ機構及び該減速ギヤ機構を収容するギヤハウジングを有する減速ユニットとを備えたホイールモータ装置であって、
    前記減速ギヤ機構は、前記可変回転出力軸に対して基準軸線回り相対回転不能とされた入力軸と、前記基準軸線から偏心された回転中心を有する偏心部材であって、前記入力軸に対して相対回転不能とされた偏心部材と、前記偏心部材に相対回転自在に支持された外歯部材であって、外周面に外歯が設けられた外歯部材と、前記外歯部材の外径より大きな内径を有する内歯部材であって、前記外歯と噛合する内歯が該外歯とは異なる歯数だけ設けられた内歯部材と、前記外歯部材における前記基準軸線回りの回転成分によって、該基準軸線回りに回転する減速回転出力部材とを有し、
    前記内歯部材は、回転不能に固定され、
    前記外歯部材には、前記基準軸線と平行な方向に延びるカム孔が形成されており、
    前記減速回転出力部材は、前記カム孔の内径より小さい外径を有し且つ該カム孔に挿通されたキャリアピンと、前記キャリアピンを支持し且つ前記基準軸線回りに回転するフランジ部と、前記フランジ部と共に前記基準軸線回りに回転する出力軸部とを有しており、
    前記出力軸部は、少なくとも一部が前記ギヤハウジングの外方へ突出されており、
    前記可変回転出力体用ハウジング及び前記ギヤハウジングは着脱可能に連結され、
    前記ギヤハウジングは、ギヤハウジング本体と、前記ギヤハウジング本体及び前記可変回転出力体用ハウジングの間に挟持される中空部材であって、前記内歯部材として作用する中空部材とを有し、
    前記減速ギヤユニットは、前記減速回転出力部材を軸受支持する減速回転出力部材用第1軸受部材を有しており、
    前記減速回転出力部材用第1軸受部材は、前記減速回転出力部材の外周面に設けられた凹部に係入される内輪体と、前記ギヤハウジング本体の内周面及び前記中空部材の内周面に跨るように設けられた凹部に係入される外輪体と、前記内輪体及び前記外輪体の間に配設された転動体とを有していることを特徴とするホイールモータ装置。
  6. 可変回転出力体用ハウジングに収容された可変回転出力体の回転動力を基準軸線回りに回転する可変回転出力軸を介して出力する可変回転出力ユニットと、前記可変回転出力軸の回転を減速する減速ギヤ機構及び該減速ギヤ機構を収容するギヤハウジングを有する減速ユニットとを備えたホイールモータ装置であって、
    前記減速ギヤ機構は、前記可変回転出力軸に対して基準軸線回り相対回転不能とされた入力軸と、前記基準軸線から偏心された回転中心を有する偏心部材であって、前記入力軸に対して相対回転不能とされた偏心部材と、前記偏心部材に相対回転自在に支持された外歯部材であって、外周面に外歯が設けられた外歯部材と、前記外歯部材の外径より大きな内径を有する内歯部材であって、前記外歯と噛合する内歯が該外歯とは異なる歯数だけ設けられた内歯部材と、前記外歯部材における前記基準軸線回りの回転成分によって、該基準軸線回りに回転する減速回転出力部材とを有し、
    前記内歯部材は、回転不能に固定され、
    前記外歯部材には、前記基準軸線と平行な方向に延びるカム孔が形成されており、
    前記減速回転出力部材は、前記カム孔の内径より小さい外径を有し且つ該カム孔に挿通されたキャリアピンと、前記キャリアピンを支持し且つ前記基準軸線回りに回転するフランジ部と、前記フランジ部と共に前記基準軸線回りに回転する出力軸部とを有しており、
    前記出力軸部は、少なくとも一部が前記ギヤハウジングの外方へ突出されており、
    前記可変回転出力ユニットは、前記可変回転出力体として作用する油圧モータ本体と、前記可変回転出力軸として作用するモータ軸と、前記可変回転出力体用ハウジングとして作用するモータハウジングと、前記油圧モータ本体の給排油量を画する斜板とを含む油圧モータユニットとされており、
    前記斜板は、前記基準軸線回りの異なる位置で前記モータハウジング内に設置可能とされていることを特徴とするホイールモータ装置。
  7. 可変回転出力体用ハウジングに収容された可変回転出力体の回転動力を基準軸線回りに回転する可変回転出力軸を介して出力する可変回転出力ユニットと、前記可変回転出力軸の回転を減速する減速ギヤ機構及び該減速ギヤ機構を収容するギヤハウジングを有する減速ユニットとを備えたホイールモータ装置であって、
    前記減速ギヤ機構は、前記可変回転出力軸に対して基準軸線回り相対回転不能とされた入力軸と、前記基準軸線から偏心された回転中心を有する偏心部材であって、前記入力軸に対して相対回転不能とされた偏心部材と、前記偏心部材に相対回転自在に支持された外歯部材であって、外周面に外歯が設けられた外歯部材と、前記外歯部材の外径より大きな内径を有する内歯部材であって、前記外歯と噛合する内歯が該外歯とは異なる歯数だけ設けられた内歯部材と、前記外歯部材における前記基準軸線回りの回転成分によって、該基準軸線回りに回転する減速回転出力部材とを有し、
    前記内歯部材は、回転不能に固定され、
    前記外歯部材には、前記基準軸線と平行な方向に延びるカム孔が形成されており、
    前記減速回転出力部材は、前記カム孔の内径より小さい外径を有し且つ該カム孔に挿通されたキャリアピンと、前記キャリアピンを支持し且つ前記基準軸線回りに回転するフランジ部と、前記フランジ部と共に前記基準軸線回りに回転する出力軸部とを有しており、
    前記出力軸部は、少なくとも一部が前記ギヤハウジングの外方へ突出されており、
    該ホイールモータ装置は、前記出力軸部が突出される出力側の端部とは反対側の端部に、車輌フレームへの取付部を有していることを特徴とするホイールモータ装置。
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