JP4250489B2 - 作業機の車輪駆動構造 - Google Patents

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Description

本発明は、乗用型芝刈り機や農用トラクタなどの作業機利用可能な車輪駆動構造に係り、特には、主推進用の後車輪を駆動する構造に関する。
乗用芝刈り機の後車輪を駆動する構造としては、エンジン動力によって駆動される油圧式無段変速装置の前後向き軸心の変速動力を伝動ケースに入力し、この動力を前後向きの複数の伝動軸を介して下方に伝え、最終の記伝動軸における前後向き軸心の回転をベベルギヤ機構で横向き軸心の回転に変換し、変換された横向き軸心の回転動力を横長伝動で左右に分配して左右の車軸を駆動するよう構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような駆動構造では、伝動ケースを、前後向きの軸類を組み込むケースブロックと、横向きの軸類を組み込むケースブロックを別体に構成して連結するのが一般的である(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−170859号公報 特開2002−81523号公報
複数のケースブロックを連結して伝動ケースを構成する構造では、ケースブロックを成型する金型が多く必要になるとともに、各ケースブロックに部品を組み込んでからケースブロックを連結する必要があるために組み立てに手数がかかる。また、ケース内に貯留した潤滑油の洩れ出しを防止するために、応力が集中しやすい横長ケースブロックの基部連結箇所における強度を特に高いものにしたり、ケース肉厚を厚くして強度アップを図るような必要があり、全体的に伝動ケースがコスト高になりがちであった。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、伝動ケースの合理的な改良によって車輪駆動構造のコスト低減を図ることを主たる目的としている。
〔第1の発明の構成、作用、および、効果〕
第1の発明に係る作業機の車輪駆動構造は、入力軸に入力された前後向き軸心の回転動力を順次伝達する前後向き軸心の軸間での動力伝達を行うギヤ群、前後向き軸心の回転を横向き軸心の回転に変換するベベルギヤ伝動手段、変換された横向き軸心の回転動力を左右に分配する横長伝動軸、横長伝動軸に連動連結される左右の車軸を、単一の伝動ケースに装備し、前記ギヤ群の下側に前記ベベルギヤ伝動手段を配設し、前記ベベルギヤ伝動手段の下側に前記横長伝動軸を配設すると共に、前記横長伝動軸から上下方向に変位させた位置に前記左右の車軸を配設し、前記左右の車軸を装備する左右のケース部を前記伝動ケースの左右両側部に一体連設すると共に、前記伝動ケースを、前後の分割ケース部分を接合連結した二つ割り構造に構成し、前記伝動ケースを二つ割りにする前後方向での割り位置を、前記横長伝動軸及び前記左右の車軸の前後方向での位置と一致させてあることを特徴とする。
この構成によると、前後に割られた分割ケース部分に全ての部品を組み付けた上で両分割ケース部分を接合連結することで伝動ケースの組み立てが完了する。この場合、ケース接合部の全周が縦向きのフランジ連結状となるので、この連結部自体が上下方向の荷重に対して剛性の高いリブ機能を発揮することになり、ケース肉厚を厚くしなくても伝動ケース全体が上下方向荷重に対して強度の高いものとなる。
従って、第1の発明によると、伝動ケースを形成するための金型が少なくなるとともに部品の組み付けを能率よく行うことができ、金型コストの節減および組み付け生産性の効率向上によって車輪駆動構造全体のコスト低減を図ることができる。しかも、前後分割構造によって伝動ケース自体を上下方向荷重に対して強度の高いものに構成できるので、ケースを薄肉化して軽量化を図る上でも有効となる。
〔第2の発明の構成、作用、および、効果〕
第2の発明に係る作業機の車輪駆動構造は、第1の発明において、前記横長伝動軸と左右の前記車軸との間にそれぞれサイドクラッチを介在してあることを特徴とする。
この構成によると、通常は左右の車輪は横長伝動軸からの動力を受けて等速で駆動され、直進性に優れた走行を行うことができ、また、操向車輪が操向された側、つまり、旋回内側となる車輪のサイドクラッチを切ることで小回り旋回が可能となる。
従って、第2の発明によると、第1の発明の上記効果をもたらすとともに、芝刈り機のように機動性の要求される作業機に有効に活用できる。
〔第3の発明の構成、作用、および、効果〕
第3の発明に係る作業機の車輪駆動構造は、第1又は第2の発明において、エンジン動力が前記入力軸を介して伝達される油圧式無段変速装置の出力を前記伝動ケースに入力するよう構成し、前記伝動ケース下部から取り出した潤滑油をチャージ油として前記油圧式無段変速装置に供給するとともに、前記油圧式無段変速装置からのドレン油を前記伝動ケースにおける潤滑必要箇所に分配供給するよう構成してあることを特徴とする。
この構成によると、油圧式無段変速装置を任意に変速操作することで、無段での前後進を行うことができるとともに、この油圧式無段変速装置に装備されるチャージ油強制供給系を利用して伝動ケースにおける潤滑必要箇所を潤滑することができる。また、伝動ケースの潤滑油がチャージ油強制供給系によって循環されることで、潤滑油全体の冷却を図り、局部的な潤滑油の温度上昇を回避することができる。
従って、第3の発明によると、第1又は第2の発明の上記効果をもたらすとともに、潤滑性能、および、冷却性能の面でも優れた車輪駆動構造を構成することができる。
〔第4の発明の構成、作用、および、効果〕
第4の発明に係る作業機の車輪駆動構造は、第1〜第3のいずれか一つの発明において、前記伝動ケースの前後向きの外面に前後向き軸心の油圧式無段変速装置を連結し、前記油圧式無段変速装置の上部に配設された前後向き軸心の入力用ポンプ軸に前記入力軸を連動連結すると共に、前記油圧式無段変速装置の下部に配設された前後向き軸心の出力用モータ軸に前記ベベルギヤ伝動手段を介して前記横長伝動軸を連動連結し、前記前後の分割ケース部分のうちの前記油圧式無段変速装置を連結する分割ケース部分の外面に凹入部を形成し、前記凹入部によって形成される前記伝動ケースの外面とこれに対抗する前記油圧式無段変速装置の外面との間の空隙に、前記油圧式無段変速装置の出力用モータ軸から出力される回転動力を順次伝達する前後向き軸心の伝動軸間での動力伝達を行うギヤ群を配備してあることを特徴とする。
この構成によると、動ケースの外面とこれに対抗する油圧式無段変速装置の外面との間の狭い間隔にギヤ群を収容するので、ギヤを支持した伝動軸を、伝動ケースと油圧式無段変速装置に亘って短い軸受けスパンで支持することができる。
従って、第4の発明によると、第1〜第3のいずれか一つの発明の上記効果をもたらすとともに、ギヤ群を合理的に装着することで軸受けスパンの短い確実な軸支構造とすることができる。
〔第5の発明の構成、作用、および、効果〕
第5の発明に係る作業機の車輪駆動構造は、第4の発明において、前記油圧式無段変速装置のポートブロックが前記伝動ケースに面するように前記伝動ケースと油圧式無段変速装置とを連結し、前記伝動ケースにおける前後向き軸心の前記伝動軸の一端を支持する軸受けを前記ポートブロックに組み付けてあることを特徴とする。
この構成によると、油圧式無段変速装置のポートブロックは内部に油路を形成する関係で相当厚い部材で構成されるものであり、この厚いポートブロックを円形に凹入させることで軸受けを強固に嵌入支持することができる。
従って、第5の発明によると、第4の発明の上記効果をもたらすとともに、確実な軸支によって騒音や振動の少ない駆動を行うことができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明に係る作業車の一例である乗用型芝刈り機の全体側面図が示されている。この乗用型芝刈り機は、操向される前車輪1および向き固定の後車輪2がそれぞれ駆動される4輪駆動型に構成された乗用型の走行機体3の下腹部に、油圧シリンダ4(図10参照)で駆動昇降される四連リンク機構5を介してモーアMが昇降操作可能に吊り下げ連結されるとともに、車体後部にモーアMで刈取った刈芝を集める集草容器6が連結された構造となっている。
走行車体3に備えられた左右一対の主フレーム7の前部には、左右に前車輪1を操向可能に装備した前車軸ケース8がローリング可能に装備されるとともに、ボンネット9で覆われたエンジン10が搭載され、また、主フレーム7の後部には左右に後車輪2を装着した伝動ケース11が連結固定されている。また、主フレーム7の上部には、ステップ12が搭載連結されるとともに、このステップ12の後部に連設された左右フェンダ部12aの間に運転座席13が配備されている。
図3の伝動系統図に示すように、エンジン10から出力された前後軸心の回転動力は伝動軸14を介して伝動ケース11の入力軸15に前方から伝達されて、ケース内で走行系と作業系に分岐される。
図3〜図5に示すように、前記入力軸15は、伝動ケース11の後端に連結された前後進切換え可能な油圧式無段変速装置(HST)16の入力用ポンプ軸16aに突合せ連結されており、この無段変速装置16に入力された動力は、前進用あるいは後進用に無段変速されて出力用モータ軸16bから出力され、出力ギヤG1、ギヤG2、ベベルギヤG3,G4、および、ギヤG5,G6によって横向き軸心の回転動力に変換されて横長伝動軸17に伝達され、その後、横長伝動軸17から左右のサイドクラッチ18および減速ギヤG7,G8を経て左右の車軸19に振り分け伝達されるようになっている。また、無段変速装置16の出力用モータ軸16bから取り出された変速動力は出力ギヤG9およびギヤG10を介して前車輪駆動軸20に伝達され、この前車輪駆動軸20からケース前方に取り出された動力が、車体下腹部に沿って前方に延出配備された伝動軸21,22を介して前車軸ケース8のデフ機構23に伝達され、前車輪1が後車輪2同調した速度で駆動される。
また、入力軸15に伝達された動力の一部はギヤG11で作業系の動力として取り出され、ギヤG12,G13を介してPTOクラッチ24に伝達された後、ケース前面に突設したPTO軸25から取り出され、伝動軸26を介してモーアMに伝達されるようになっている。ここで、図4中に示すように、入力軸15から作業系動力を分岐する前記ギヤG11は、入力軸15と入力用ポンプ軸16aとを連結する軸継ぎ手としても機能している。
なお、エンジン10から伝動ケース11への動力伝達系に介在される軸継ぎ手27、および、前車輪1への動力伝達系に介在される軸継ぎ手28は、図11示すように、球状軸端部29の外周に前後方向の長溝30を介して伝動ボール31を係入させて、任意の屈折角度での動力伝達が可能な構造のものが利用されている。
前記無段変速装置16は、前記入力用ポンプ軸16aで駆動されるアキシャルプランジャ型の可変容量ポンプP16と、前記出力用モータ軸16bを駆動するアキシャルプランジャ型の固定容量モータM16とを上下に組み込んだケーシング16cの前面に厚板ブロック状のポートブロック16dを連結して構成されたものであり、常時駆動される入力用ポンプ軸16aがケーシング16cを貫通して後方に突出され、その突出端に無段変速装置16に対する冷却ファン32が取付けられるとともに、出力用モータ軸16bの後端に作用するブレーキ33が備えられて、運転部に備えた図示されていないブレーキペダルに連動連結されている。また、可変容量ポンプP16の斜板角度を変更して出力用モータ軸16bの回転速度およびその回転方向を任意に変更するための変速操作軸(トラニオン軸)34がケーシング16cの左側面に備えられ、運転部に備えた図示されていない変速レバーあるいは変速ペダルに連係されて、任意に変速操作されるようになっている。
前記伝動ケース11は、無段変速装置16を後面に連結した縦長の主ケース部11aの下部に、左側の車軸19を備えた左減速ケース部11b(左のケース部に相当)と、前記横長伝動軸17を挿通する横長ケース部11cを一体連設するとともに、横長ケース部11cの右端に右側の車軸19を備えた右減速ケース部11d(右のケース部に相当)を一体連設したアルミダイキャストケースとして構成されるとともに、伝動ケース11全体が前後二つ割りに構成され、前後の分割ケース部分11F,11Rが接合されてその全周がボルト締め連結されている。
なお、図2の正面図に示すように、伝動ケース11の主ケース部11aは、走行車体3に対して左横側方(図2では右側)に偏って配備されており、その偏在によって空けられた車体下方空間に、モーア5から放出された刈芝を集草容器6に導くダクト35が配備されている。
図4に示すように、伝動ケース11における前記主ケース部11aの後面は、無段変速装置16におけるポートブロック16dの前面に接合連結される周辺部以外の部分が前方に凹入されて、主ケース部11aの後面とポートブロック16dの前面との間に前後に狭い空隙s(分割ケース部分11Rの外面の凹入部)が形成され、この空隙sに、無段変速装置16の出用モータ軸16bに取付けた後車輪駆動用の出力ギヤG1と前車輪駆動用の出力ギヤG9、出力ギヤG1に咬合するギヤG2、出力ギヤG9に咬合するギヤG10、が収容されるとともに、この空隙sにおける潤滑油レベルを監視する検油ゲージ36がケース上面に差込み装着されている。ここで、ポートブロック16dの前面には、出力用モータ軸16bを支承する軸受け37、ベベルギヤG3に一体化した支軸38の後端を支承する軸受け39、および、前車輪駆動軸20の後端を支承する軸受け40がそれぞれ嵌入支持され、ギヤ伝動部の前後方向でのコンパクト化が図られている。
図5に示すように、前記サイドクラッチ18は、横長伝動部材17にシフト可能にスプライン装着されたクラッチボス41、横長伝動部材17に対して遊転するギヤG7と一体化したクラッチドラム42、クラッチボス41とクラッチドラム42にそれぞれ係合されて交互に積層された多数のクラッチディスク43、クラッチボス41をスライド付勢してクラッチディスク43を圧接するバネ44、等を備えた多板式クラッチに構成されている。
このサイドクラッチ18は、通常は、クラッチボス41をバネ44でシフトしてクラッチディスク43群を圧接することで、クラッチボス41からクラッチドラム42へ動力を伝達するクラッチ入り状態に保持されており、伝動ケース11に軸支装着したシフトフォーク45を回動操作して、クラッチボス41をバネ44に抗して後退変位させることでクラッチディスク43の圧接を解除してクラッチボス41からクラッチドラム42への動力伝達を断つくクラッチ切り状態が得られるように構成されている。
図2に示すように、前記シフトフォーク45の支軸46は伝動ケース11の前面に突設されており、その突出端部にクラッチレバー47が連結されている。なお、図示されていないが、左右のサイドクラッチ18を操作する各クラッチレバー47は、前車輪1のステアリング機構に機械的に連動連結されており、前車輪1を直進状態から設定角度以上に左あるいは右に操向すると、その操向操作に連動して旋回内側となる後車輪2のサイドクラッチ18だけが自動的に切り操作されて、左右前車輪1と旋回外側の後車輪2による3輪駆動で旋回が行われ、旋回内側の後車輪2で芝を傷めることなく小回り旋回することができるようになっている。
図7に示すように、前記PTOクラッチ24は、湿式多板クラッチに構成されており、伝動ケース11の前記入力軸15からの動力を受けるギヤG13がPTO軸25に遊嵌装着され、このギヤG13のボス部に咬合連結されたクラッチドラム51と、PTO軸25にシフト可能にスプライン装着したクラッチボス52との間に、それぞれに係合されたクラッチディスク53が交互に重合されている。
クラッチボス52の内部空間には、このクラッチボス52を図中左方にスライド付勢してクラッチディスク群53を圧接するバネ54が組み込まれ、常態ではPTOクラッチ24がクラッチ入り状態に保持され、クラッチボス52がバネ64に抗し図中右方に後退変位されることでクラッチディスク53の圧接が解除されてクラッチ切り状態がもたらされるようになっている。
また、伝動ケース11内の前部には、横向きの操作軸55を介して揺動操作される操作フォーク56が配備されるとともに、この操作フォーク56によって後方へ押圧操作される押圧板57がクラッチボス52に遊嵌装着されている。この押圧板57は、クラッチボス52の外周に段差状に形成された受け面wに後方から受け止め支持されており、操作フォーク56の後方への操作力が押圧板57および受け面wを介してクラッチボス52に伝えられ、クラッチボス52がバネ54に抗して後方(クラッチ切り方向)に押圧変位されるようになっている。ここで、図8に示すように、前記押圧板57の外周部適所が伝動ケース11の内面に係合されて、押圧板57がクラッチ軸心方向には変位可能に、かつ、クラッチ軸心回りには回動不能に支持されている。
このように構成されたPTOクラッチ24は、上記したように、常時はバネ54によってクラッチ入り状態に付勢されており、前記操作軸55の外端に連結したクラッチ操作レバー58を操作して操作フォーク56を揺動させると、押圧板57を介してクラッチボス52がバネ54に抗して後退変位されてPTOクラッチ24がクラッチ切り状態に切換えられ、クラッチドラム51からクラッチボス52への動力伝達が断たれるとともに、回転不能な押圧板57に受け面wを介して圧接されているクラッチボス52に回転摩擦抵抗が付与されてPTO軸25に回転制動がかけられる。これによって、動力伝達が断たれたモーア5の慣性回転が抑制される。
図10に、この芝刈り機に備えられた油圧系の回路図が示されており、図中のPは油圧ポンプ、61は前記モーア昇降用の油圧シリンダ4を作動制御するロータリ式の制御バルブ、62は前車輪1を操向操作するパワーステアリング用のコントローラ、63はカートリッジ型のオイルフィルタであり、伝動ケース11に貯留した潤滑油がこの油圧系の作動油として利用されている。
図4に示すように、前記油圧ポンプPは、伝動ケース11の上端部前面に取付けられ、前記入力軸15にギヤG14およびギヤG15を介して連動連結されたポンプ駆動軸64によって駆動されるようになっており、伝動ケース11の下端部からストレーナ65を通して取り出した油をパイプ66を介して吸引し、その吐出油を圧油供給パイプ67で圧送するように構成されている。油圧ポンプPからの圧油は、制御バルブ61、パワーステアリング用コントローラ62、および、オイルフィルタ63を経た後、油圧式無段変速装置16のチャージ油路に供給され、余剰油および各部からのドレン油はオイルタンクとしての伝動ケース11に還元される。
前記制御バルブ61等を内臓したバルブブロック68は伝動ケース11の上部に配備されており、そのポンプポートが前記圧油供給パイプ57を介して油圧ポンプPに接続されるとともに、そのシリンダポートに前記油圧シリンダ4が、また、出力ポートに前記パワーステアリング用コントローラ62がそれぞれ配管接続されている。また、このバルブブロック68の背面に前記オイルフィルタ63が脱着自在に装着されている。
油圧式無段変速装置16からのドレン油は、ポートブロック16dの前面から排出されるようになっており、このドレン油が潤滑油として伝動ケースの潤滑必要箇所に以下のようにして供給されている。
すなわち、図6に示すように、ポートブロック16dの前面に形成されたドレンポートdpには案内パイプ71の上端が差込み接続されるとともに、案内パイプ71の下端が、伝動ケース11を構成する後側の分割ケース部分11Rの下部に一体形成した横長伝動軸支承用のボス部72に差込み接続され、さらに、案内パイプ71の中間部から分岐した中間パイプ71aが後側の分割ケース部分11Rの上部に設けられたボス部73に差込み接続されている。
図5に示すように、案内パイプ71の下端部から前記ボス部72に供給された潤滑油は、軸受けボス内に形成された環状溝74および横長伝動軸17の内部に形成された軸内油路75を介して左右のサイドクラッチ18におけるクラッチボス41の内側に供給されるようになっており、クラッチ切り操作された際のクラッチディスク43間への潤滑油供給が十分行えるようにして、クラッチ切り性能を高めるとともに、摩擦伝動部が局部的に高温になるのを防止している。
また、図7に示すように、案内パイプ71の中間パイプ71aから上方のボス部73に供給された潤滑油は、PTO軸25の軸内油路76を介してPTOクラッチ24の内部、および、押圧板57とクラッチボス52との摺接部位に供給されるようになっており、クラッチ切り操作された際のクラッチディスク間へ潤滑油供給を十分行うとともに、クラッチ入り時における押圧板57とクラッチボス52との摺動部位への潤滑油供給を十分なものにし、もって、クラッチ切り性能を高めるとともに、摩擦伝動部および摺動部位が局部的に高温になるのを防止している。
さらに、上方のボス部73に供給された潤滑油の一部は、ギヤG12の支軸77を支承するボス部78にナイロン製のチューブ79を介して供給され、ギヤG12を遊転支持するニードル軸受け80に支軸77の軸内油路81を介して供給するよう構成されている。なお、図9に示すように、前記チューブ79は、前側の分割ケース部分11Fの接合面に形成された溝82に嵌め込み支持されている。
上記のように構成された伝動ケース11への潤滑油の充填および補給は検油ゲージ36を抜いて行うことになるが、左右の減速ケース部11b,11dの上端部と主ケース部11aの上端部に装着されたアダプタ83,84に亘ってゴムホース85が装着されて、潤滑油供給時に左右の減速ケース部11b,11dの上部に溜まった空気をゴムホース85を介して主ケース部11aの上端部に逃がすように構成されている。ここで、図12,図13に示すように、減速ケース部11b,11dに装着されたエルボ状のアダプタ83の先端には抜け止め用の爪83aが形成されるとともに、ケース側の角孔86に嵌入する角形外周部83bが備えられており、減速ケース部11b,11dへの打ち込み装着されたアダプタ83を一定の姿勢に固定できるようになっている。なお、アダプタ83の円形外周部83cにはOリング87が装着されており、打ち込み装着状態での気密が保たれている。
乗用型芝刈り機の全体側面図 伝動ケースの正面図 伝動系統図 伝動部の一部切欠き側面図 伝動ケースの縦断背面図 伝動ケースの要部を縦断した側面図 PTOクラッチの縦断側面図 PTOクラッチに装備された制動手段の正面図 潤滑油供給用チューブの組付け状態を示す断面図 油圧回路図 軸継ぎ手の縦断側面図 ホース接続用アダプタの断面図 ホース接続用アダプタの斜視図
符号の説明
11 伝動ケース
11b 左減速ケース部(左のケース部)
11d 右減速ケース部(右のケース部)
11F 分割ケース部分
11R 分割ケース部分
15 入力軸
16 油圧式無段変速装置
16a 入力用ポンプ軸
16b 出力用モータ軸
16d ポートブロック
17 横長伝動軸
18 サイドクラッチ
19 車軸
37 軸受け
39 軸受け
40 軸受け
s 空隙(凹入部)

Claims (5)

  1. 入力軸に入力された前後向き軸心の回転動力を順次伝達する前後向き軸心の軸間での動力伝達を行うギヤ群、前後向き軸心の回転を横向き軸心の回転に変換するベベルギヤ伝動手段、変換された横向き軸心の回転動力を左右に分配する横長伝動軸、横長伝動軸に連動連結される左右の車軸を、単一の伝動ケースに装備し、
    前記ギヤ群の下側に前記ベベルギヤ伝動手段を配設し、前記ベベルギヤ伝動手段の下側に前記横長伝動軸を配設すると共に、前記横長伝動軸から上下方向に変位させた位置に前記左右の車軸を配設し、
    前記左右の車軸を装備する左右のケース部を前記伝動ケースの左右両側部に一体連設すると共に、
    前記伝動ケースを、前後の分割ケース部分を接合連結した二つ割り構造に構成し、
    前記伝動ケースを二つ割りにする前後方向での割り位置を、前記横長伝動軸及び前記左右の車軸の前後方向での位置と一致させてあることを特徴とする作業機の車輪駆動構造。
  2. 前記横長伝動軸と左右の前記車軸との間にそれぞれサイドクラッチを介在してあ請求項1記載の作業機の車輪駆動構造。
  3. エンジン動力が前記入力軸を介して伝達される油圧式無段変速装置の出力を前記伝動ケースに入力するよう構成し、前記伝動ケース下部から取り出した潤滑油をチャージ油として前記油圧式無段変速装置に供給するとともに、前記油圧式無段変速装置からのドレン油を前記伝動ケースにおける潤滑必要箇所に分配供給するよう構成してあ請求項1又は2記載の作業機の車輪駆動構造。
  4. 前記伝動ケースの前後向きの外面に前後向き軸心の油圧式無段変速装置を連結し、
    前記油圧式無段変速装置の上部に配設された前後向き軸心の入力用ポンプ軸に前記入力軸を連動連結すると共に、前記油圧式無段変速装置の下部に配設された前後向き軸心の出力用モータ軸に前記ベベルギヤ伝動手段を介して前記横長伝動軸を連動連結し、
    前記前後の分割ケース部分のうちの前記油圧式無段変速装置を連結する分割ケース部分の外面に凹入部を形成し、
    前記凹入部によって形成される前記伝動ケースの外面とこれに対抗する前記油圧式無段変速装置の外面との間の空隙に、前記油圧式無段変速装置の出力用モータ軸から出力される回転動力を順次伝達する前後向き軸心の伝動軸間での動力伝達を行うギヤ群を配備してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業機の車輪駆動構造。
  5. 前記油圧式無段変速装置のポートブロックが前記伝動ケースに面するように前記伝動ケースと油圧式無段変速装置とを連結し、前記伝動ケースにおける前後向き軸心の前記伝動軸の一端を支持する軸受けを前記ポートブロックに組み付けてあ請求項4記載の作業機の車輪駆動構造。
JP2003326314A 2003-09-18 2003-09-18 作業機の車輪駆動構造 Expired - Fee Related JP4250489B2 (ja)

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