JP2007045228A - ハイルーフの取付け構造 - Google Patents

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Hideaki Komai
秀章 駒井
Kazunori Takatani
和典 高谷
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Abstract

【課題】 ルーフパネルに重量物を取り付けても接合部に亀裂や破損を生じることがない、より耐久性の優れたハイルーフの取付け構造を提供する。
【解決手段】 ボディー本体11の開口部に、所定の高さを有するハイルーフ用のルーフパネル2を取り付けるためのハイルーフの取付け構造であって、ルーフパネル2の側縁フランジ2b及びルーフリインフォースメント5の端末フランジ5bがドリップチャンネル部6において接合され、かつブラケット部材7を介してルーフリインフォースメント5(ブラケット接合部5a)がサイドアウターパネル上部11cに連結される。これにより、ボディー本体11の開口部に取り付けたルーフパネル2からの入力が、ドリップチャンネル部6とサイドアウターパネル上部11cとに分散して荷重される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ハイルーフの取付け構造に関し、詳細には補器類などの重量物が取り付けられたハイルーフを備える特装車などに、ハイルーフを取付けるための構造に関する。
従来、トラックやバン型車などでは天井高を高くするために、ベースとなるボディー本体にハイルーフ用のルーフパネルを取り付けてハイルーフ仕様とした車両が知られている。そして、ボディー本体にルーフパネルを取り付けるための構造として、各種のハイルーフの取付け構造が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
図11は、従来のハイルーフの取付け構造を示す断面図である。図11に示すように、従来のハイルーフ車100では、所定の高さを有するハイルーフ用のルーフパネル101の内面に、車幅方向に帯状に延びる複数のルーフリインフォースメント102が配設される。そして、車両の前後方向に延びるアウタパネル103aとインナパネル103bとからなる閉断面のボディー本体103の開口部に沿って、ルーフパネル101が載置される。
ここで、ボディー本体103のアウタパネル103aには、断面溝状のレール体であるドリップチャンネル部104が前後方向に沿って溶接固定されている。ルーフパネル101及び各ルーフリインフォースメント102は、このドリップチャンネル部104の溝内面にルーフパネル101の側縁フランジ110とルーフリインフォースメント102の端末フランジ120とを上下に重ね合わせて一体にスポット溶接される。また、各ルーフリインフォースメント102間では、ルーフパネル101の側縁フランジ110はドリップチャンネル部104の溝内面に直接スポット溶接される。これにより、ハイルーフ車100では、ボディー本体103にルーフパネル101が一体に取り付けられた構造をなす。
特開平8−295186号公報 特開平9−254815号公報
ところで、ハイルーフ車としては、ボディー上縁からルーフ高が200mm程度のものが一般的であるが、特殊用途に用いられる特装車ではルーフ高が400mm以上となるものも存在する。そして、特装車ではその用途や目的に応じて、ルーフパネルのルーフリインフォースメントに補器類を設置したり、ルーフパネルの外側面に警告灯を設置したりなど、ルーフパネル自体に重量物Sを設置する場合がある(図11参照)。そのため、図11に示すように、これらの重量物Sの荷重や運転時の応力などのルーフパネル101からの入力が、アウタパネル103aとドリップチャンネル部104とを溶接した接合部108や、側縁フランジ110及び端末フランジ120とドリップチャンネル部104とを溶接した接合部109などに集中してしまい、重量物Sの重さや応力の大きさによっては接合部108,109などで亀裂や破損を生じる問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ルーフパネルとボディー本体との接合部にルーフパネルからの入力が集中することなく、ルーフパネルに重量物を取り付けても接合部に亀裂や破損を生じることがない、より耐久性の優れたハイルーフの取付け構造の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のハイルーフの取付け構造は、ボディー本体の開口部に、所定の高さを有するハイルーフ用のルーフパネルを取り付けるためのハイルーフの取付け構造であって、前記ボディー本体の開口部に取り付けた前記ルーフパネルからの入力が、前記ボディー本体のドリップチャンネル部と、前記ボディー本体のサイドアウターパネル上部とに荷重されることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のハイルーフの取付け構造は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記ルーフパネルは、前記ボディー本体の開口部に対向する曲面に横架されたルーフリインフォースメントを備えており、前記ルーフパネルは前記ボディー本体の開口部に載置されて、前記ドリップチャンネル部において、前記ルーフパネルの側端縁及び前記ルーフリインフォースメントの端縁部が接合され、かつ前記サイドアウターパネル上部において、前記ルーフリインフォースメントが連結されることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のハイルーフの取付け構造は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記ルーフリインフォースメントと前記サイドアウターパネル上部とは、各々の間に架設されるブラケット部材によって連結されることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のハイルーフの取付け構造は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記ブラケット部材は、前記サイドアウターパネル上部に固定される第1ブラケットと、前記ルーフリインフォースメントに固定される第2ブラケットと、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを連結するブラケット連結部材とを備えている。
請求項1に係る発明のハイルーフの取付け構造では、ボディー本体の開口部にハイルーフ用のルーフパネルを取り付けるものであって、ボディー本体の開口部に取り付けたルーフパネルからの入力が、ドリップチャンネル部とサイドアウターパネル上部とに荷重される。よって、ルーフパネルとボディー本体との接合部にルーフパネルからの入力が集中することなく、ルーフパネルに重量物を取り付けても接合部に亀裂や破損を生じることがない、より耐久性の優れたハイルーフの取付け構造とすることができる。
また、請求項2に係る発明のハイルーフの取付け構造では、請求項1に記載の発明の効果に加え、ルーフパネルはボディー本体の開口部に載置されて、ドリップチャンネル部においてルーフパネルの側端縁及びルーフリインフォースメントの端縁部が接合され、かつサイドアウターパネル上部においてルーフリインフォースメントが連結される。よって、ルーフパネルからの入力が、ドリップチャンネル部とサイドアウターパネル上部とに分散して荷重されるので、ドリップチャンネル部への応力を軽減することができる。
また、請求項3に係る発明のハイルーフの取付け構造では、請求項2に記載の発明の効果に加え、ルーフリインフォースメントとサイドアウターパネル上部とは各々の間に架設されるブラケット部材によって連結される。よって、ブラケット部材によってルーフリインフォースメントとサイドアウターパネル上部とを連結し、ルーフパネルからの入力の一部をサイドアウターパネル上部で受けることができる。
また、請求項4に係る発明のハイルーフの取付け構造では、請求項3に記載の発明の効果に加え、ブラケット部材は、サイドアウターパネル上部に固定される第1ブラケットと、ルーフリインフォースメントに固定される第2ブラケットとを、ブラケット連結部材によって連結したものである。よって、ドリップチャンネル部以外の位置でルーフパネルとボディー本体とを確実に接合することができる。
以下、本発明に係るハイルーフの取付け構造の実施の形態について、ルーフパネル2が取り付けられた特装車1を例示して説明する。図1は、特装車1の斜め後方から見た外観斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る特装車1は、特殊用途に用いられる特装車であり、車室内の天井高を高くするためにハイルーフ用のルーフパネル2を取り付けたハイルーフ仕様となっている。これは、ルーフパネル2自体に補器類などの重量物S(図2参照)を設置できるようなスペースを確保するためであり、本実施の形態ではルーフパネル2のルーフ高は約400mmである。そして、下方に開口するように湾曲した容器状をなすルーフパネル2は、鋼板を加工して成形されたものであり、特装車1のボディー本体11の上方に向けた開口部に取り付けられて、特装車1の天井部を形成する。
次に、ルーフパネル2の取り付け構造について説明する。図2は、ルーフパネル2とボディー本体11の接合部分(A−A線)における矢視方向断面図である。
図2に示すように、ルーフパネル2には、左右両側に向けて徐々に下方に湾曲した曲面である側縁2aが形成されており、側縁2aの下端縁部が特装車1の外側方向に屈曲した側縁フランジ2bが形成されている。そして、ルーフパネル2の内面に、前後方向に所定の間隔をおいて、車幅方向に帯状に延びるレール体である複数のルーフリインフォースメント5が配設されている。このルーフリインフォースメント5は、ルーフパネル2を支持及び補強する骨組み部材であり、その下端縁部は側縁フランジ2bと同様に外側方向に屈曲した端末フランジ5bが形成されている。また、ルーフリインフォースメント5におけるブラケット部材7が接合される部位が、ブラケット接合部5aである。ブラケット接合部5aには、あらかじめブラケット部材7の接合に用いられるボルト55F,55R及びナット64が溶接固定されている(図3、4参照)。
一方、ボディー本体11は、その外側面をなすサイドアウターパネル11aと、その内側面をなすサイドインナーパネル11bとで構成されている。そして、サイドアウターパネル11aの上縁部であるサイドアウターパネル上部11cと、サイドインナーパネル11bの上縁部であるサイドインナーパネル上部11dとは溶接により接合されているため、ボディー本体11の内部は閉口状態となっている。
そして、サイドアウターパネル11aの車外側の側面には、降雨時や洗車時に車室内への水の浸入を防ぐためのドリップチャンネル部6が、ボディー本体11の長手方向(前後方向)の全長にわたって設けられている。ドリップチャンネル部6は、ボディー本体11の外側上方に向けて開口するようにくの字に曲げられた断面溝状のレール体であり、その上側壁面6bがサイドアウターパネル11aの外側面と重ね合わせてスポット溶接されている。一方、ドリップチャンネル部6の下側壁面6aは、ボディー本体11から外側に略平坦に突出しており、下側壁面6aの端縁部6cは上方に屈曲して断面溝状を形成している。
このような各構成を有する特装車1では、ルーフパネル2をボディー本体11に取り付ける場合、ルーフパネル2の側縁フランジ2bと、ルーフリインフォースメント5の端末フランジ5bとを、ドリップチャンネル部6の溝内の底面(下側壁面6a)で上方より重ね合わせてスポット溶接する。また、各ルーフリインフォースメント5の間では、ルーフパネル2の側縁フランジ2bはドリップチャンネル部6の溝内の底面(下側壁面6a)に直接スポット溶接する。さらに、ブラケット部材7を、ブラケット接合部5a及びサイドアウターパネル上部11cの間に架設する。これにより、ルーフパネル2は、ドリップチャンネル部6とサイドアウターパネル上部11cとで各々支持及び固定される。
なお、本実施の形態の特装車1では、ルーフパネル2に7本のルーフリインフォースメント5が車幅方向に横架されており、図2に示すようなブラケット部材7の架設及びドリップチャンネル部6での溶接による取付け構造が、特装車1の両側面で計14箇所存在することになるが、他の13箇所における取付け構造も図2と基本的に同じであり、その詳細は省略する。
次に、ブラケット部材7の構成について説明する。図3は、ブラケット部材7の取付け部分をリア側上方からみた外観斜視図である。図4は、ブラケット部材7の取付け部分の背面図である。図5は、下部ブラケット8の背面図である。図6は、下部ブラケット8の平面図である。図7は、下部ブラケット8の右側面図である。図8は、上部ブラケット9の背面図である。図9は、上部ブラケット9の平面図である。図10は、上部ブラケット9の右側面図である。なお、図4〜図10では、特装車1の左側面方向が正面方向にあたり、特装車1の右側面方向が背面方向にあたり、特装車1のフロント方向が左方向にあたり、特装車1のリア方向が右方向にあたる。
図3及び図4に示すように、ブラケット部材7は、下部ブラケット8及び上部ブラケット9が連結固定された構成をなす。また、下部ブラケット8の下端部がサイドアウターパネル上部11cに溶接結合されており、上部ブラケット9の上縁部がブラケット接合部5aに連結固定されている。これにより、ルーフパネル2とボディー本体11とは、ブラケット部材7によって接合される。
ブラケット部材7には、下部ブラケット8及び上部ブラケット9を連結固定するボルト51F,51R,52,53を各々挿嵌するための貫通孔であるネジ穴71F,71R,72,73が形成されている。また、上部ブラケット9をルーフリインフォースメント5に連結固定するボルト54,55F,55Rを各々挿嵌するための貫通孔であるネジ穴74,75F,75Rが形成されている。
また、各ボルト51F,51R,52,53,54,55F,55Rには、各々を係止するためのナット61F,61R,62,63,64,65F,65Rが係合されている。本実施の形態では、ボルト51F,51R,55F,55Rはウェルドボルトであり、ボルト52,53,54はそれよりも若干大きいサイズの六角ボルトである。ナット61F,61R,65F,65Rは六角ナットであり、ナット62,63,64は正方形状のウェルドナットである。なお、先述のように、ボルト55F,55R及びナット64はあらかじめブラケット接合部5aに溶接固定されている。
ここで、下部ブラケット8の構造について説明する。下部ブラケット8は、金属板を屈曲させて断面がハット型に成形されており、その溝部を車室外側(図3の右上方向)に向けて、サイドアウターパネル上部11cから車室内側(図3の左下方向)に若干傾斜するように立設されている。なお、下部ブラケット8の溝部は、後述の上部ブラケット9の溝部に密接に収容可能な幅及び深さで形成されている。
図5乃至図7に示すように、下部ブラケット8の両側縁部のうち、溝部の開口部からフロント側(図3の左上方向,図5及び図6の右方向)に突出した平面には、ボルト51Fを挿嵌するための貫通孔であるネジ穴81Fが形成されており、溝部の開口部からリア側(図3の右下方向,図5及び図6の左方向)に突出した平面には、ボルト51Rを挿嵌するための貫通孔であるネジ穴81Rが形成されている。
また、下部ブラケット8の溝部内の底面には、ボルト52,53が各々係合される正方形状の金属板からなるナット62,63が上下に並べて設けられており、各ナット62,63にボルト52,53を各々挿嵌するための貫通孔であるネジ穴82,83が形成されている。また、下部ブラケット8の下端部には、車室外側(図3の右上方向,図6の下方向,図7の右方向)に向けて突出した平面であるボディー側接合部84が形成されており、このボディー側接合部84がサイドアウターパネル上部11cと溶接によりあらかじめ面接合されている。
次に、上部ブラケット9の構造について説明する。上部ブラケット9は、下部ブラケット8と同様に、金属板を屈曲させて断面がハット型に成形されており、その開口部を車室外側(図3の右上方向)に向けて、下部ブラケット8と平行をなすように下部ブラケット8の上縁部から立設されている。なお、上部ブラケット9の溝部は、ルーフリインフォースメント5のブラケット接合部5aを密接に収容可能な幅及び深さで形成されている。
図8乃至図10に示すように、上部ブラケット9の両側縁部のうち、溝部の開口部からフロント側(図3の左上方向,図8及び図9の右方向)に突出した平面には、その下縁部にボルト51Fを挿嵌するための貫通孔であるネジ穴91Fが形成されており、その上縁部にボルト55Fを挿嵌するための貫通孔であるネジ穴75Fが形成されている。一方、溝部の開口部からリア側(図3の右下方向,図8及び図9の左方向)に突出した平面には、その下縁部にボルト51Rを挿嵌するための貫通孔であるネジ穴91Rが形成されており、その上縁部にボルト55Rを挿嵌するための貫通孔であるネジ穴75Rが形成されている。
また、上部ブラケット9の溝部内の底面には、ボルト52,53を各々挿嵌するための貫通孔であるネジ穴92,93が上下に並べて形成されている。さらに、溝部内の底面における上縁部には、ボルト54を挿嵌するための貫通孔であるネジ穴74が形成されている。また、上部ブラケット9の上端部は、車室外側(図3の右上方向,図9の下方向,図10の右方向)に向けて段差が設けられた平面であるルーフ側接合部99が形成されており、このルーフ側接合部99がブラケット接合部5aと各種ボルト・ナットにより面接合される。
このようなブラケット部材7を取り付ける場合、あらかじめ下部ブラケット8をサイドアウターパネル上部11cに立設しておき、ボディー本体11の開口部にルーフパネル2を載置した後、下部ブラケット8に車室内側から上部ブラケット9を重ね合わせる。すなわち、上部ブラケット9の溝部を下部ブラケット8の溝部に嵌め込み、下部ブラケット8の上側部分の表面と上部ブラケット9の下側部分の背面とを面接触させる。それとともに、上部ブラケット9の溝部にルーフリインフォースメント5のブラケット接合部5aを嵌め込み、上部ブラケット9の上側部分の背面とブラケット接合部5aの表面とを面接触させる。
このとき、下部ブラケット8の各ネジ穴81F,81R,82,83がそれぞれ上部ブラケット9の各ネジ穴91F,91R,92,93と一致するように、下部ブラケット8と上部ブラケット9を重ね合わせる。さらに、ルーフリインフォースメント5に凸設されたボルト55F,55Rが、それぞれ上部ブラケット9のネジ穴75F,75Rに挿嵌されるように、下部ブラケット8と上部ブラケット9を重ね合わせる。
なお、図3及び図4に示すように、下部ブラケット8及び上部ブラケット9を重ね合わせた結果、ブラケット部材7においてネジ穴81F,91Fが連通した貫通孔がネジ穴71Fであり、ネジ穴81R,91Rが連通した貫通孔がネジ穴71Rであり、ネジ穴82,92が連通した貫通孔がネジ穴72であり、ネジ穴83,93が連通した貫通孔がネジ穴73である。
そして、ネジ穴72,73にボルト52,53を各々挿嵌し、それをナット62,63で各々係止する。一方、ネジ穴71F,71Rにボルト51F,51Rを各々挿嵌し、それをナット61F,61Rで各々係止する。これにより、上部ブラケット9は下部ブラケット8に連結固定される。
さらに、ルーフリインフォースメント5のブラケット接合部5aにおいて、ボルト54をネジ穴74に挿嵌してナット64で係止する。一方、ネジ穴75F,75Rに挿嵌されたボルト55F,55Rを、ナット75F,75Rで各々係止する。これにより、上部ブラケット9はブラケット接合部5aに連結固定される。すなわち、ブラケット部材7が、ブラケット接合部5aとサイドアウターパネル上部11cとに架設される。
このようなハイルーフの取付け構造により、ルーフパネル2の側縁フランジ2b及びルーフリインフォースメント5の端末フランジ5bが直接接合されるドリップチャンネル部6と、ルーフリインフォースメント5がブラケット部材7を介して接合されるサイドアウターパネル上部11cとで、ルーフパネル2が各々支持及び固定される。そして、重量物Sの荷重や運転時の応力などのルーフパネル2からの入力が、ドリップチャンネル部6とサイドアウターパネル上部11cとに分散して荷重される。
以上、本実施の形態に係るハイルーフの取付け構造では、ボディー本体11の開口部に取り付けたルーフパネル2からの入力が、ドリップチャンネル部6とサイドアウターパネル上部11cとに分散して荷重される。よって、ルーフパネル2からの入力がドリップチャンネル部6に集中することなく、ルーフパネル2に重量物Sを取り付けてもドリップチャンネル部6に亀裂や破損を生じることがない、より優れた耐久性を実現することができる。
また、ルーフパネル2の側縁フランジ2b及びルーフリインフォースメント5の端末フランジ5bがドリップチャンネル部6において接合され、かつブラケット部材7を介してルーフリインフォースメント5(ブラケット接合部5a)がサイドアウターパネル上部11cに連結される。よって、ルーフパネル2からの入力の一部をサイドアウターパネル上部11cで受けることで、ルーフパネル2からの入力がドリップチャンネル部6とサイドアウターパネル上部11cとに分散して荷重されるので、ドリップチャンネル部6への応力を軽減することができる。
また、下部ブラケット8と上部ブラケット9とを各種ボルト及びナットで連結したブラケット部材7によって、ルーフリインフォースメント5(ブラケット接合部5a)とサイドアウターパネル上部11cとを連結するので、ドリップチャンネル部6以外の位置でルーフパネル2とボディー本体11とを確実に接合することができる。
ところで、上記実施の形態において、ルーフパネル2の側縁フランジ2bが本発明の「ルーフパネルの側端縁」に相当し、ルーフリインフォースメント5の端末フランジ5bが本発明の「ルーフリインフォースメントの端縁部」に相当する。また、下部ブラケット8が本発明の「第1ブラケット」に相当し、上部ブラケット9が本発明の「第2ブラケット」に相当し、ボルト51F,51R,52,53及びナット61F,61R,62,63が本発明の「ブラケット連結部材」に相当する。
なお、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能なことはいうまでもない。
上記実施の形態では、ルーフリインフォースメント5(ブラケット接合部5a)とサイドアウターパネル上部11cとをブラケット部材7で連結しているが、ルーフリインフォースメント5(ブラケット接合部5a)とサイドアウターパネル上部11cとを連結することができれば、他の連結部材を用いてもよい。例えば、ブラケット部材7に代えて、サイドアウターパネル上部11cから棒状部材や弾性部材などを立設して、その上端部をルーフリインフォースメント5(ブラケット接合部5a)に連結するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、下部ブラケット8と上部ブラケット9とを連結したブラケット部材7を用いているが、ルーフリインフォースメント5(ブラケット接合部5a)とサイドアウターパネル上部11cとを連結することができれば、他のブラケット部材を用いてもよい。例えば、ルーフリインフォースメント5(ブラケット接合部5a)とサイドアウターパネル上部11cとを一体で連結可能な高さを有するブラケット部材を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、ブラケット部材7をブラケット接合部5aとサイドアウターパネル上部11cとの間に架設しているが、ルーフパネル2からの入力をサイドアウターパネル上部11cで受けることができれば、ブラケット接合部5a以外の位置にブラケット部材7を連結してもよい。例えば、ルーフパネル2の内面における任意の部位とサイドアウターパネル上部11cとを、ブラケット部材7で連結するようにしてもよい。
また、本発明に係るハイルーフの取付け構造は、特殊用途に用いられて重量物Sが積載される特装車1に限定されず、RV車や貨物用車などのハイルーフ構造を有する車両であれば適用することができることはいうまでもない。
本発明のハイルーフの取付け構造は、ハイルーフ構造を有する車両にルーフパネルを取り付けるための構造等として利用できる。
特装車1の斜め後方から見た外観斜視図である。 ルーフパネル2とボディー本体11の接合部分(A−A線)における矢視方向断面図である。 ブラケット部材7の取付け部分をリア側上方からみた外観斜視図である。 ブラケット部材7の取付け部分の背面図である。 下部ブラケット8の背面図である。 下部ブラケット8の平面図である。 下部ブラケット8の右側面図である。 上部ブラケット9の背面図である。 上部ブラケット9の平面図である。 上部ブラケット9の右側面図である。 従来のハイルーフの取付け構造を示す断面図である。
符号の説明
1 特装車
2 ルーフパネル
2a 側縁
2b 側縁フランジ
5 ルーフリインフォースメント
5a ブラケット接合部
5b 端末フランジ
6 ドリップチャンネル部
6a 下側壁面
6b 上側壁面
6c 端縁部
7 ブラケット部材
8 下部ブラケット
9 上部ブラケット
11 ボディー本体
11a サイドアウターパネル
11b サイドインナーパネル
11c サイドアウターパネル上部
11d サイドインナーパネル上部
51F,51R,52,53,54,55F,55R ボルト
61F,61R,62,63,64,65F,65R ナット
71F,71R,72,73,74,75F,75R ネジ穴
84 ボディー側接合部
99 ルーフ側接合部

Claims (4)

  1. ボディー本体の開口部に、所定の高さを有するハイルーフ用のルーフパネルを取り付けるためのハイルーフの取付け構造であって、
    前記ボディー本体の開口部に取り付けた前記ルーフパネルからの入力が、前記ボディー本体のドリップチャンネル部と、前記ボディー本体のサイドアウターパネル上部とに荷重されることを特徴とするハイルーフの取付け構造。
  2. 前記ルーフパネルは、前記ボディー本体の開口部に対向する曲面に横架されたルーフリインフォースメントを備えており、
    前記ドリップチャンネル部において、前記ルーフパネルの側端縁及び前記ルーフリインフォースメントの端縁部が接合され、かつ前記サイドアウターパネル上部において、前記ルーフリインフォースメントが連結されることを特徴とする請求項1に記載のハイルーフの取付け構造。
  3. 前記ルーフリインフォースメントと前記サイドアウターパネル上部とは、各々の間に架設されるブラケット部材によって連結されることを特徴とする請求項2に記載のハイルーフの取付け構造。
  4. 前記ブラケット部材は、
    前記サイドアウターパネル上部に固定される第1ブラケットと、
    前記ルーフリインフォースメントに固定される第2ブラケットと、
    前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを連結するブラケット連結部材と
    を備えることを特徴とする請求項3に記載のハイルーフの取付け構造。
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