JP2007045123A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置並びに液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置並びに液滴吐出ヘッドの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 サイズを小さくすることができ、しかもノズル、吐出室等を高密度化、多列化することが可能な液滴吐出ヘッドを得ること。
【解決手段】 液滴を吐出する複数のノズル孔16が形成されたノズル基板5と、底壁が振動板11を構成し吐出用液滴を溜めておく吐出室12となる複数の凹部が形成されたシリコン製のキャビティ基板3と、振動板11に隙間を介して対向する共通電極7が形成された電極基板2と、吐出室12に液滴を供給するリザーバ13となる凹部、リザーバ13から吐出室12へ液滴を移送するための供給口14、及び吐出室12からノズル孔16へ液滴を移送するノズル連通孔15を有するリザーバ基板4と、振動板11を静電駆動するキャビティ基板3に作り込まれたドライバIC18とを備え、共通電極7が密閉されている液滴吐出ヘッド。
【選択図】 図2
【解決手段】 液滴を吐出する複数のノズル孔16が形成されたノズル基板5と、底壁が振動板11を構成し吐出用液滴を溜めておく吐出室12となる複数の凹部が形成されたシリコン製のキャビティ基板3と、振動板11に隙間を介して対向する共通電極7が形成された電極基板2と、吐出室12に液滴を供給するリザーバ13となる凹部、リザーバ13から吐出室12へ液滴を移送するための供給口14、及び吐出室12からノズル孔16へ液滴を移送するノズル連通孔15を有するリザーバ基板4と、振動板11を静電駆動するキャビティ基板3に作り込まれたドライバIC18とを備え、共通電極7が密閉されている液滴吐出ヘッド。
【選択図】 図2
Description
本発明は液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関し、特にその小型化、高密度化に関連するものである。
昨今の静電駆動方式のインクジェットプリンタでは、高解像度画像の高速印刷及び多色印刷のために、インクジェットヘッドの多ノズル化及び多列化が進んでおり、それに伴って1列当たりのノズル及び吐出室の数が増加し、ノズル列の長尺化が進んでいる。このノズル列は一般的に、1列ごとに異なった色のインク(例えば、赤、緑、青など)を吐出するようになっている。
従来の液体噴射ヘッド及び液体噴射装置において、インク流路及び電気熱変換素子を設けた基板の表面に素子の駆動制御用ICを直接実装すると共に、該ICを駆動するための入力信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)を基板に実装したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−210969号公報(図1、図2)
しかし、上記のような素子の駆動制御用ICを基板上に実装する液体噴射ヘッドでは(例えば、特許文献1参照)、以下のような問題があった。
・製造に際して歩留まり低下やコスト上昇を招く。
・ノズル列密度はICの実装密度に拘束される。
・アクチュエータを構成する電極とICとの接点に寄生容量が発生して、高駆動周波数化と低消費電力化の点において不利となる場合がある。
・ICはその厚さを薄くする必要があり、ICの薄形化工程などにコストがかかる。
・製造に際して歩留まり低下やコスト上昇を招く。
・ノズル列密度はICの実装密度に拘束される。
・アクチュエータを構成する電極とICとの接点に寄生容量が発生して、高駆動周波数化と低消費電力化の点において不利となる場合がある。
・ICはその厚さを薄くする必要があり、ICの薄形化工程などにコストがかかる。
本発明は、上記課題に対応してなされたもので、サイズを小さくすることができ、しかもノズル、吐出室などを高密度化、多列化することが可能な液滴吐出ヘッド及びその液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を提供することを目的とする。加えて、アクチュエータを構成する電極とICとの接点に発生する寄生容量を少なくでき、製造コストも低減できる液滴吐出ヘッド及びその液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を提供することも目的としている。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、底壁が振動板を構成し吐出用液滴を溜めておく吐出室となる複数の凹部が形成されたシリコン製のキャビティ基板と、前記振動板に隙間を介して対向する電極が形成された電極基板と、前記吐出室に液滴を供給するリザーバとなる凹部、前記リザーバから前記吐出室へ液滴を移送するための供給口、及び前記吐出室から前記ノズル孔へ液滴を移送するノズル連通孔を有するリザーバ基板と、前記振動板を静電駆動する前記キャビティ基板に作り込まれたドライバICとを備え、前記電極基板、前記キャビティ基板、前記リザーバ基板、前記ノズル基板が順に積層され、前記電極が密閉されているものである。
この液滴吐出ヘッドによれば、ドライバICを実装する工程がなくなり、製造工程数の低減と製造コストの削減に寄与する。また、ドライバICの実装密度に拘束されることなく電極を形成できるので、ノズル列密度の向上にも寄与する。
この液滴吐出ヘッドによれば、ドライバICを実装する工程がなくなり、製造工程数の低減と製造コストの削減に寄与する。また、ドライバICの実装密度に拘束されることなく電極を形成できるので、ノズル列密度の向上にも寄与する。
上記液滴吐出ヘッドにおいては、前記電極基板の前記電極を共通電極とし、前記各吐出室の底壁を個別電極とすることが好ましい。これによれば、異なる基板に形成されているICと共通電極の接点の面積をノズル密度に拘束されることなく大きくとることができるので、接続の確実性が向上する。
また、前記共通電極は前記電極基板の表面の溝内に形成され、かつ前記溝の一端で前記溝の周囲壁にまで乗り上げて形成されていて、前記ICが前記溝の周囲壁に乗り上げて形成された共通電極上に配置されて前記共通電極と直接接続される態様が好ましい。これによれば、キャビティ基板に形成する振動板、個別電極、絶縁膜の膜厚を調整することで、共通電極に対する接点が比較的容易に形成できる。
また、前記共通電極は前記電極基板の表面の溝内に形成され、かつ前記溝の一端で前記溝の周囲壁にまで乗り上げて形成されていて、前記ICが前記溝の周囲壁に乗り上げて形成された共通電極上に配置されて前記共通電極と直接接続される態様が好ましい。これによれば、キャビティ基板に形成する振動板、個別電極、絶縁膜の膜厚を調整することで、共通電極に対する接点が比較的容易に形成できる。
また、前記共通電極の密閉領域とは別の領域に形成された溝内に、ICから配線を引き出す外部接続端子を形成しているのが好ましい。これによれば、共通電極部分から外部接続端子を引き出す構造の場合に行っていた共通電極のある隙間(振動室とも称する)を有機物などで封止することが不要となる。従って、コストの削減や耐久性の向上に寄与できる。
また、前記個別電極が前記振動板の表面に形成され、前記個別電極を含めて前記振動板が絶縁膜で被膜されているのが好ましい。これにより、個別電極を共通電極から絶縁することができるとともに、吐出室の液滴からの保護も可能となる。しかも、キャビティ基板に形成された個別電極とICとを接続しているため接続が容易で、その接続に起因する寄生容量も低減する。従って、高駆動周波数化と低消費電力化が可能となる。
また、前記振動板が前記キャビティ基板に形成されたエッチングストップ層と絶縁膜との間にあるのが好ましい。これによれば、キャビティ基板と振動板を同一の素材にすることができ、熱膨張係数差や応力差による不具合を回避することができる。
また、前記個別電極が前記振動板の表面に形成され、前記個別電極を含めて前記振動板が絶縁膜で被膜されているのが好ましい。これにより、個別電極を共通電極から絶縁することができるとともに、吐出室の液滴からの保護も可能となる。しかも、キャビティ基板に形成された個別電極とICとを接続しているため接続が容易で、その接続に起因する寄生容量も低減する。従って、高駆動周波数化と低消費電力化が可能となる。
また、前記振動板が前記キャビティ基板に形成されたエッチングストップ層と絶縁膜との間にあるのが好ましい。これによれば、キャビティ基板と振動板を同一の素材にすることができ、熱膨張係数差や応力差による不具合を回避することができる。
また、前記個別電極が金属薄膜からなることが好ましい。こうすることで、厚さが均一で電気伝導性に優れ、振動板の動作に悪影響を及ぼさないしなやかな電極を容易に形成することができる。
また、前記振動板と前記絶縁膜が同じ物質からなることが好ましい。これにより、振動板及び絶縁膜の除去を同時に実施することができるという利点が得られる。
また、前記振動板と前記絶縁膜が同じ物質からなることが好ましい。これにより、振動板及び絶縁膜の除去を同時に実施することができるという利点が得られる。
また、前記キャビティ基板は単結晶シリコンとし、前記振動板は酸化シリコン、窒化シリコン、アルミナ、のいずれかからなるものであることが好ましい。これにより、厚さが均一な振動板を容易に形成することができる。また、振動板を上記の種類のものとすることで、それらをキャビティ基板の吐出室をエッチングする際のエッチングストップ層として機能させることができる。なお、窒化シリコンは酸化シリコンに比べ、ウェットエッチング耐性に優れる。一方、アルミナは酸化シリコンに比べ、ドライエッチング耐性に優れる。
また、前記キャビティ基板は単結晶シリコンとし、前記振動板はポリシリコンから構成してもよい。これによれば、厚さが均一な振動板を容易に形成することができることに加え、前記キャビティ基板と振動板を同一の素材にすることができ、熱膨張係数差や応力差による不具合を回避することができる。また、高精度な個別電極を拡散で容易に形成することが可能となる。
また、前記キャビティ基板は単結晶シリコンとし、前記振動板はポリシリコンから構成してもよい。これによれば、厚さが均一な振動板を容易に形成することができることに加え、前記キャビティ基板と振動板を同一の素材にすることができ、熱膨張係数差や応力差による不具合を回避することができる。また、高精度な個別電極を拡散で容易に形成することが可能となる。
また、前記共通電極及び前記外部接続端子がITOからなることが好ましい。これにより、表面状態が良好で振動板が張り付かない電極を容易に形成できる。しかも、透明であるため、アクチュエータの観察が容易に行える。さらに、共通電極と外部接続端子を同時に形成できるので有利である。
また、前記電極基板は硼珪酸ガラスであることであることが好ましい。硼珪酸ガラスはシリコン製のキャビティ基板と線膨張係数が近似するので、電極基板とキャビティ基板の接合及びそれ以降の工程で高温プロセスを採用しても接合界面に応力が発生せず、界面欠陥を減らすことができる。
また、前記電極基板は硼珪酸ガラスであることであることが好ましい。硼珪酸ガラスはシリコン製のキャビティ基板と線膨張係数が近似するので、電極基板とキャビティ基板の接合及びそれ以降の工程で高温プロセスを採用しても接合界面に応力が発生せず、界面欠陥を減らすことができる。
本発明の液滴吐出装置は、その液滴吐出ヘッドとして上記いずれかの液滴吐出ヘッドを備えたものである。この液滴吐出装置は、上述したような液滴吐出ヘッドに伴う効果により、小型で耐久性に優れた装置となっている。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、シリコン製のキャビティ基板に、静電駆動用のドライバIC、前記ICで駆動制御される複数の個別電極及び振動板を形成するステップと、共通電極が形成された電極基板と前記キャビティ基板を、前記共通電極と前記個別電極とを隙間を介して対向させ、かつ前記共通電極と前記ICとを接続させて接合するステップと、前記電極基板と接合された前記キャビティ基板の個別電極対応部分に、吐出用液滴を溜めておく吐出室となる凹部を形成するステップと、液滴を貯えておくリザーバとなる凹部、前記リザーバから前記吐出室へ液滴を移送するための供給口、及び前記吐出室からノズル孔へ液滴を移送するノズル連通孔を有するリザーバ基板を、前記キャビティ基板に接合するステップと、複数の前記ノズル孔が形成されたノズル基板を、前記リザーバ基板に接合するステップとを備える。なおこれには、振動板が拡散処理されて個別電極を兼用している場合も含む。
この方法により、ドライバICを実装する必要が無くなり、製造の際の工程数とコストの削減が図れる。また、ドライバICの実装密度に拘束されることなく電極を形成できるので、ノズル列密度も向上する。
この方法により、ドライバICを実装する必要が無くなり、製造の際の工程数とコストの削減が図れる。また、ドライバICの実装密度に拘束されることなく電極を形成できるので、ノズル列密度も向上する。
なお、前記個別電極を拡散を利用して形成することが好ましい。これによれば、高精度な電極を半導体プロセスで容易に形成することができる。しかも、駆動による断線などの欠陥のない耐久性の高い電極を提供できる。
また、前記電極基板と前記キャビティ基板とを表面活性常温接合することが好ましい。電極基板とキャビティ基板の接合には陽極接合が広く行われているが、陽極接合では300℃以上の高温と600V以上の強電界が必要となる。これに対して、表面活性常温接合では常温かつ無電界で接合するため、接合時にドライバICを破壊するリスクが回避できる。
さらに、前記キャビティ基板の前記吐出室用の凹部をドライエッチングで形成することが好ましい。ドライエッチングは、サイドエッチング量が小さいく垂直性に優れるため、高密度かつ高精度なキャビティを形成できる。また、ドライプロセスのため対向する電極で構成される振動室へ薬液が浸入するリスクを回避できる。
また、前記電極基板と前記キャビティ基板とを表面活性常温接合することが好ましい。電極基板とキャビティ基板の接合には陽極接合が広く行われているが、陽極接合では300℃以上の高温と600V以上の強電界が必要となる。これに対して、表面活性常温接合では常温かつ無電界で接合するため、接合時にドライバICを破壊するリスクが回避できる。
さらに、前記キャビティ基板の前記吐出室用の凹部をドライエッチングで形成することが好ましい。ドライエッチングは、サイドエッチング量が小さいく垂直性に優れるため、高密度かつ高精度なキャビティを形成できる。また、ドライプロセスのため対向する電極で構成される振動室へ薬液が浸入するリスクを回避できる。
実施形態1
図1は本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図、図2は図1に示す液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態の縦断面図であり、図1におけるA−A方向断面を示している。なお、図2の外部接続端子20の部分は図1では現れていない。図1及び図2に示す液滴吐出ヘッド1は、ノズル基板5の表面側に設けられたノズル孔16から液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプのものであり、また静電気力により駆動される静電駆動方式のものである。以下、図1及び図2を用いて本実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの構造及び作用について説明する。
図1は本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図、図2は図1に示す液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態の縦断面図であり、図1におけるA−A方向断面を示している。なお、図2の外部接続端子20の部分は図1では現れていない。図1及び図2に示す液滴吐出ヘッド1は、ノズル基板5の表面側に設けられたノズル孔16から液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプのものであり、また静電気力により駆動される静電駆動方式のものである。以下、図1及び図2を用いて本実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの構造及び作用について説明する。
本実施形態1に係る液滴吐出ヘッド1は、従来の一般的な静電駆動方式の液滴吐出ヘッドのように3層構造ではなく、電極基板2、キャビティ基板3、リザーバ基板4、及びノズル基板5の4層構造となっている。すなわち、リザーバ基板4の一方の面にはノズル基板5が接合されており、リザーバ基板4の他方の面にはキャビティ基板3が接合されている。またキャビティ基板3のリザーバ基板4が接合された面と反対側の面には、電極基板2が接合されている。このように、液滴吐出ヘッド1は、電極基板2、キャビティ基板3、リザーバ基板4、ノズル基板5が順に接合されている。
電極基板2はガラスあるいはシリコンなどからなる。なおガラスの場合には、厚さが1mm程度の硼珪酸ガラスを利用することが好ましい。その理由はシリコン製のキャビティ基板3と線膨張係数が近似しているからである。
電極基板2には表面に複数の電極形成用の溝6aの列が形成されている。電極形成用の溝6aの深さは、例えば深さ0.3μmであり、これらの溝6aの内部には、全ての溝6a間で共通する共通電極7が、例えばITO(Indium Tin Oxide)を0.1μmの厚さでスパッタして作製されている。そして、電極基板2とキャビティ基板3を接合した後の共通電極7とキャビティ基板3の対向面(振動板11が形成された領域)の隙間(振動室ともいう)21は0.2μmとなっている。この例の場合、隙間21は電極基板2の電極形成用の溝6aの形状とキャビティ基板3の底面によって密閉状態とされている。
また、電極基板2には液滴供給孔10aが形成されており、この液滴供給孔10aは電極基板2を貫通している。
電極基板2には表面に複数の電極形成用の溝6aの列が形成されている。電極形成用の溝6aの深さは、例えば深さ0.3μmであり、これらの溝6aの内部には、全ての溝6a間で共通する共通電極7が、例えばITO(Indium Tin Oxide)を0.1μmの厚さでスパッタして作製されている。そして、電極基板2とキャビティ基板3を接合した後の共通電極7とキャビティ基板3の対向面(振動板11が形成された領域)の隙間(振動室ともいう)21は0.2μmとなっている。この例の場合、隙間21は電極基板2の電極形成用の溝6aの形状とキャビティ基板3の底面によって密閉状態とされている。
また、電極基板2には液滴供給孔10aが形成されており、この液滴供給孔10aは電極基板2を貫通している。
図2に示すように、共通電極7はその一端において、キャビティ基板3に作り込まれたドライバIC18に接続されている。すなわち、共通電極7は電極基板2の電極形成用の溝6a内に形成されるとともに、その溝6aの一端では溝周囲壁にまで乗り上げて形成されている。この電極形成用の溝6aの周囲壁に乗り上げて形成された共通電極7の接続部9上に、ドライバIC18が配置されて共通電極7と電気的に直接接続されている。これにより、キャビティ基板3に作り込まれたドライバIC18と電極基板2の共通電極7との接点数を少なくでき、これらの間の接点に起因する寄生容量の発生を低減することができる。また、ドライバIC18と共通電極7の接点の面積をノズル密度に拘束されることなく大きくとることができる。
さらに、電極基板2は溝6aとキャビティ基板3の底面で形成される共通電極7の密閉領域とは別の領域に、外部接続端子用の溝6bを備え、その溝6b内にドライバIC18から配線を引き出す外部接続端子20を形成している。このようにすることで、液滴吐出ヘッドのアクチュエータを構成する電極7,17を封止材を用いることなく、密閉構造とすることが可能となっている。
さらに、電極基板2は溝6aとキャビティ基板3の底面で形成される共通電極7の密閉領域とは別の領域に、外部接続端子用の溝6bを備え、その溝6b内にドライバIC18から配線を引き出す外部接続端子20を形成している。このようにすることで、液滴吐出ヘッドのアクチュエータを構成する電極7,17を封止材を用いることなく、密閉構造とすることが可能となっている。
キャビティ基板3はシリコン製で、例えば単結晶シリコン基板などからなる。キャビティ基板3は、振動板11として作用する底壁を有した吐出室(ノズル孔16へ吐出液を送り出す部屋)12となる凹部12aが、共通電極7の複数の列に対応して複数形成されている。また、その振動板11の表面には、電極基板2の共通電極7に対応する個別電極17が金属薄膜で形成されている。そして、それらの振動板11及び個別電極17は、酸化シリコンの絶縁膜19で被膜されている。絶縁膜19は振動板11の駆動時における絶縁破壊及びショートを防止する作用を果たしている。
このキャビティ基板3には、液滴吐出のためのアクチュエータを構成している振動板11の振動を静電駆動制御するためのドライバIC18が、半導体プロセスによって直接作り込まれている。
また、キャビティ基板3には、キャビティ基板3を貫通する液滴供給孔10bが形成されている。
このキャビティ基板3には、液滴吐出のためのアクチュエータを構成している振動板11の振動を静電駆動制御するためのドライバIC18が、半導体プロセスによって直接作り込まれている。
また、キャビティ基板3には、キャビティ基板3を貫通する液滴供給孔10bが形成されている。
振動板11は、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、アルミナ(Al2O3)、あるいはポリシリコン(Poly-Si)などから構成することができる。なお、酸化シリコン、窒化シリコン、アルミナを振動板とする場合には、キャビティ基板3表面に予め形成したそれらを、吐出室12の凹部12a形成時のエッチングストップ層として利用できる。ポリシリコンを振動板とする場合には拡散を利用して振動板11を個別電極17としても作用させることができるので、半導体プロセスによる高精度な個別電極17を形成することができる。
リザーバ基板4は、例えば単結晶シリコンからなり、吐出室12に液滴を供給するためのリザーバ(共通液滴室)13となる凹部13aが形成されており、凹部13aの底面には、リザーバ13からキャビティ基板3の吐出室12へ液滴を移送するための流路である供給口14が形成されている。また、凹部13aの底面には、その底面を貫通する液滴供給孔10cが形成されている。リザーバ基板4に形成された液滴供給孔10cと、キャビティ基板3に形成された液滴供給孔10b及び電極基板2に形成された液滴供給孔10aは、リザーバ基板4、キャビティ基板3及び電極基板2が接合された状態において互いに繋がって、外部からリザーバ13内へ液滴を供給するための液滴供給孔10を形成している(図2参照)。
さらに、リザーバ基板4には、キャビティ基板3の各吐出室12に連通し、吐出室12からノズル孔16に液滴を移送するためのノズル連通孔15が、リザーバ基板4を貫通して形成されている。
さらに、リザーバ基板4には、キャビティ基板3の各吐出室12に連通し、吐出室12からノズル孔16に液滴を移送するためのノズル連通孔15が、リザーバ基板4を貫通して形成されている。
ノズル基板5は、液滴吐出用のノズル孔16を備えた基板であり、例えば厚さ100μmのシリコン基板からなる。ノズル孔16はキャビティ基板3の各吐出室12にリザーバ基板4のノズル連通孔15を介して連通しており、各吐出室12に対応した数だけ形成されている。なお、本実施形態1では、ノズル孔16を2段に形成することで液滴を吐出する際の直進性を向上させている(図2参照)。
次に、上記のような各基板2〜5が積層されてなる液滴吐出ヘッド1の作用について説明する。リザーバ13には液滴供給孔10を介して外部からインクなどの液滴が供給されている。また、吐出室12にはリザーバ13から供給口14を介して液滴が供給されている。ドライバIC18には、外部接続端子20を介して液滴吐出装置の制御部(図示せず)から駆動信号であるパルス電圧が供給されている。ドライバIC18は上記制御部の制御信号に対応して、各振動板11に対応した個別電極17に0Vから40V程度のパルス電圧を印加し、例えば個別電極17をプラスに帯電させ、共通電極7をマイナスに帯電させる。このとき振動板11は静電気力によって共通電極7側に吸引されて撓む。次にパルス電圧をオフにすると、振動板11にかけられた静電気力がなくなり振動板11は復元する。このとき吐出室12の内部の圧力が急激に上昇し、吐出室12内の液滴がノズル連通孔15を介してノズル孔16から外部に吐出されることとなる。その後、液滴がリザーバ13から供給口14を通じて吐出室12内に補給されて初期状態に戻る。
図3は、図1及び図2に示す液滴吐出ヘッド1が搭載された液滴吐出装置であるインクジェットプリンタの制御系の一例を示す概略ブロック図である。
液滴吐出ヘッド1が搭載された液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッド1を駆動制御するための液滴吐出ヘッド駆動制御装置41を有しており、この液滴吐出ヘッド駆動制御装置41は、CPU42aを中心に構成された制御部42を備えている。CPU42aにはパーソナルコンピュータなどの外部装置43からからバス43aを介して印刷情報が供給され、また内部バス42bを介してROM44a、RAM44b及びキャラクタジェネレータ44cが接続されている。
液滴吐出ヘッド1が搭載された液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッド1を駆動制御するための液滴吐出ヘッド駆動制御装置41を有しており、この液滴吐出ヘッド駆動制御装置41は、CPU42aを中心に構成された制御部42を備えている。CPU42aにはパーソナルコンピュータなどの外部装置43からからバス43aを介して印刷情報が供給され、また内部バス42bを介してROM44a、RAM44b及びキャラクタジェネレータ44cが接続されている。
制御部42では、RAM44b内の記憶領域を作業領域として用いて、ROM44a内に格納されている制御プログラムを実行し、キャラクタジェネレータ44cから発生するキャラクタ情報に基づき、液滴吐出ヘッド1を駆動するための制御信号を生成する。制御信号は論理ゲートアレイ45及び駆動パルス発生回路46を介して、印刷情報に対応した駆動制御信号となって、コネクタ47を経由して液滴吐出ヘッド1に内蔵されたドライバIC18に供給されるほか、COM発生回路46aに供給される。またドライバIC18には、印字用の駆動パルス信号V3、制御信号LP、極性反転制御信号REVなども供給される。なおCOM発生回路46aは、例えば駆動パルスを発生するための共通電極IC(図示せず)から構成されている。
COM発生回路46aでは、供給された上記の各信号に基づき、液滴吐出ヘッド1の共通電極7に印加すべき駆動信号(駆動電圧パルス)をその共通出力端子COM(図示せず)から出力する。またドライバIC18では、供給された上記の各信号及び電源回路50から供給される駆動電圧Vpに基づき、各個別電極17に印加すべき駆動信号(駆動電圧パルス)を、各個別電極17に対応した個数の個別出力端子SEGから出力する。共通出力端子COMの出力と個別出力端子SEGの出力との電位差が、各振動板11に対応する個別電極17と共通電極7との間に印加される。振動板11の駆動時(液滴の吐出時)には指定された向きの駆動電位差波形を与え、非駆動時には駆動電位差を与えないようになっている。
図4は、ドライバIC18及びCOM発生回路46aの内部構成の一例を示す概略ブロック図である。なお、図4に示すドライバIC18及びCOM発生回路46aは、1組で64個の個別電極17及び共通電極7に駆動信号を供給するものとする。
ドライバIC18は電源回路50から高電圧系の駆動電圧Vp及び論理回路系の駆動電圧Vccが供給されて動作するCMOSの64ビット出力の高耐圧ドライバである。ドライバIC18は、供給された駆動制御信号に応じて、駆動電圧パルスとGND電位の一方を、個別電極7に印加する。
ドライバIC18は64ビットのシフトレジスタ61を有し、シフトレジスタ61はシリアルデータとして論理ゲートアレイ45より送信された64ビット長のDI信号入力を、DI信号に同期する基本クロックパルスであるXSCLパルス信号入力によりデータをシフトアップし、シフトレジスタ61内のレジスタに格納するスタティクシフトレジスタとなっている。DI信号は64個の個別電極7のそれぞれを選択するための選択情報をオン/オフにより示す制御信号であり、この信号がシリアルデータとして送信される。
ドライバIC18は電源回路50から高電圧系の駆動電圧Vp及び論理回路系の駆動電圧Vccが供給されて動作するCMOSの64ビット出力の高耐圧ドライバである。ドライバIC18は、供給された駆動制御信号に応じて、駆動電圧パルスとGND電位の一方を、個別電極7に印加する。
ドライバIC18は64ビットのシフトレジスタ61を有し、シフトレジスタ61はシリアルデータとして論理ゲートアレイ45より送信された64ビット長のDI信号入力を、DI信号に同期する基本クロックパルスであるXSCLパルス信号入力によりデータをシフトアップし、シフトレジスタ61内のレジスタに格納するスタティクシフトレジスタとなっている。DI信号は64個の個別電極7のそれぞれを選択するための選択情報をオン/オフにより示す制御信号であり、この信号がシリアルデータとして送信される。
また、ドライバIC18は64ビットのラッチ回路62を有し、ラッチ回路62はシフトレジスタ61内に格納された64ビットデータを制御信号(ラッチパルス)LPによりラッチしてデータを格納し、格納されたデータを64ビット反転回路63に信号出力するスタティクラッチである。ラッチ回路62では、シリアルデータのDI信号が各振動板11の駆動を行うための64セグメント出力を行うための64ビットのパラレル信号へと変換される。
反転回路63では、ラッチ回路62から入力される信号と、REV信号との排他的論理和をレベルシフタ64へ出力する。レベルシフタ64は、反転回路63からの信号の電圧レベルをロジック系の電圧レベル(5Vレベル又は3.3Vレベル)からヘッド駆動系の電圧レベル(0〜45Vレベル)に変換するレベルインターフェイス回路である。
反転回路63では、ラッチ回路62から入力される信号と、REV信号との排他的論理和をレベルシフタ64へ出力する。レベルシフタ64は、反転回路63からの信号の電圧レベルをロジック系の電圧レベル(5Vレベル又は3.3Vレベル)からヘッド駆動系の電圧レベル(0〜45Vレベル)に変換するレベルインターフェイス回路である。
SEGドライバ65は、64チャンネルのトランスミッションゲート出力となっていて、レベルシフタ64の入力によりSEG1〜SEG64のセグメント出力に対して、駆動電圧パルス入力か又はGND入力のいずれかを出力する。COM発生回路46aに内蔵されたCOMドライバ66は、REV入力に対して駆動電圧パルスか又はGND入力のいずれかをCOMへ出力する。
XSCL、DI、LP及びREVの各信号は、ロジック系の電圧レベルの信号であり、論理ゲートアレイ45よりドライバIC18に送信される信号である。
このようにドライバIC18及びCOM発生回路46aを構成することにより、駆動するセグメント数(振動板11の数)が増加した場合においても容易に液滴吐出ヘッド1の振動板11の駆動する駆動電圧パルスとGNDとを切り替えることが可能となる。
XSCL、DI、LP及びREVの各信号は、ロジック系の電圧レベルの信号であり、論理ゲートアレイ45よりドライバIC18に送信される信号である。
このようにドライバIC18及びCOM発生回路46aを構成することにより、駆動するセグメント数(振動板11の数)が増加した場合においても容易に液滴吐出ヘッド1の振動板11の駆動する駆動電圧パルスとGNDとを切り替えることが可能となる。
本実施形態1の液滴吐出ヘッド1は、静電駆動制御のためのドライバIC18がキャビティ基板3に半導体プロセスによって予め作り込まれているので、液滴吐出ヘッド1のサイズが小さく、しかもノズル孔16の多列化、高密度化が可能となっている。また、電極基板2の共通電極7とキャビティ基板3のドライバIC18との電気的な接触面積をノズル密度に拘束されることなく大きくでき、その接続を確実にすることができる。さらに、ドライバIC18を実装する作業が不要となり、また、電極基板2の共通電極7とキャビティ基板3のドライバIC18との電気的な接点数も少なくできるので、製造コストも大きく低減することが可能となる。さらに、共通電極7と個別電極17とが対向する隙間(振動室)21が、電極基板2の溝6aとキャビティ基板3の底面とによって密閉されているので、それを封止材などを用いて封止する場合に比べて耐久性が向上する。
次に、液滴吐出ヘッド1の製造方法について説明する。以下では、まず、液滴吐出ヘッド1を構成するキャビティ基板3、リザーバ基板4、ノズル基板5並びに電極基板2の各製造方法を順に説明し、最後にそれらの組み付け方法を説明する。
(A)キャビティ基板3の製造方法−実施例1
図5〜図6はキャビティ基板3の製造方法の一例を示す工程図である。以下、これらの図に沿って説明する。まず、キャビティ基板3となる適当な厚さのシリコン基板3aの片面に、ドライバIC18を半導体プロセスにより形成する(図5-a)。
次に、シリコン基板3aのドライバIC18形成側面に、振動板11となる酸化シリコン膜をプラズマCVDで成膜し、さらに、後から形成される個別電極17との接点17aとなる箇所をパターニングする(図5−b)。
次に、上記酸化シリコン膜の表面に、個別電極17となる金属膜をスパッタで形成し、その全面を個別電極17の形状に合わせてパターニングする(図5−c)。
次に、絶縁膜19となる酸化シリコン膜をプラズマCVDで成膜し、共通電極7の接点7a、外部接続端子20の接点20a、及び外部接続端子用開口部21aをパターニングする(図5−d)。なお、この際、振動板11の酸化シリコンも同時にパターニングされる。
次に、図5−dまでの工程が完了したシリコン基板3aと、振動板11に対応する共通電極7が形成された電極基板2とを隙間21を介して接合する(図5−e)。この接合は、接着剤、又は陽極接合あるいは表面活性常温接合などを利用して行うことができる。なお、電極基板2の製造方法および接合方法については後で改めて詳細に説明する。
次に、シリコン基板3aを所望の厚さに研削し、更に表面の加工変質層をエッチングなどを利用して除去する(図6−f)。
次に、シリコン基板3aの振動板11形成側と反対側の表面にレジスト25を塗布し、吐出室用の凹部12a、液滴供給孔10b及び外部接続端子用開口部21aをパターニングする(図6−g)。
次に、ICP(Inductively Coupled Plasma)放電によるドライエッチングで、吐出室用の凹部12a、液滴供給孔10b及び外部接続端子用開口部21aを形成する(図6−h)。
そして、液滴供給孔10bの底部に残った酸化シリコン膜を電極基板2側からRIE(Reactive Ion Etching)で除去する(図6−i)。以上で電極基板2に接合されたキャビティ基板3の加工が完了する。
図5〜図6はキャビティ基板3の製造方法の一例を示す工程図である。以下、これらの図に沿って説明する。まず、キャビティ基板3となる適当な厚さのシリコン基板3aの片面に、ドライバIC18を半導体プロセスにより形成する(図5-a)。
次に、シリコン基板3aのドライバIC18形成側面に、振動板11となる酸化シリコン膜をプラズマCVDで成膜し、さらに、後から形成される個別電極17との接点17aとなる箇所をパターニングする(図5−b)。
次に、上記酸化シリコン膜の表面に、個別電極17となる金属膜をスパッタで形成し、その全面を個別電極17の形状に合わせてパターニングする(図5−c)。
次に、絶縁膜19となる酸化シリコン膜をプラズマCVDで成膜し、共通電極7の接点7a、外部接続端子20の接点20a、及び外部接続端子用開口部21aをパターニングする(図5−d)。なお、この際、振動板11の酸化シリコンも同時にパターニングされる。
次に、図5−dまでの工程が完了したシリコン基板3aと、振動板11に対応する共通電極7が形成された電極基板2とを隙間21を介して接合する(図5−e)。この接合は、接着剤、又は陽極接合あるいは表面活性常温接合などを利用して行うことができる。なお、電極基板2の製造方法および接合方法については後で改めて詳細に説明する。
次に、シリコン基板3aを所望の厚さに研削し、更に表面の加工変質層をエッチングなどを利用して除去する(図6−f)。
次に、シリコン基板3aの振動板11形成側と反対側の表面にレジスト25を塗布し、吐出室用の凹部12a、液滴供給孔10b及び外部接続端子用開口部21aをパターニングする(図6−g)。
次に、ICP(Inductively Coupled Plasma)放電によるドライエッチングで、吐出室用の凹部12a、液滴供給孔10b及び外部接続端子用開口部21aを形成する(図6−h)。
そして、液滴供給孔10bの底部に残った酸化シリコン膜を電極基板2側からRIE(Reactive Ion Etching)で除去する(図6−i)。以上で電極基板2に接合されたキャビティ基板3の加工が完了する。
(B)キャビティ基板3の製造方法−実施例2
図7〜図8はキャビティ基板3の製造方法の他の例を示す工程図である。以下、これらの図に沿って説明する。まず、キャビティ基板3となる適当な厚さのシリコン基板3aの片面に、ドライバIC18を半導体プロセスにより形成する(図7-a)。
次に、シリコン基板3aのドライバIC18形成側面に、エッチングストップ層11aとなる酸化シリコン膜をプラズマCVDで成膜し、さらに、個別電極の接点17aとなる箇所をパターニングする(図7−b)。
次に、振動板11となるポリシリコン層をCVDで形成し、シリコン基板3aの片側面全域をP型にする。その後、個別電極17の形状に合わせてN型、P型の順で拡散し、個別電極17となる拡散領域を形成する(図7−c)。なお、このようにして形成された拡散電極の斜視図を、電極基板2側から見た図として図9に示しておく。
次に、絶縁膜19となる酸化シリコン膜をプラズマCVDで成膜し、共通電極の接点7a、外部接続端子20の接点20a及び外部接続端子用開口部21aをパターニングして開口する(図7−d)。
次に、図7−dまでの工程が完了したシリコン基板3aと、振動板11に対応する共通電極7が形成された電極基板2とを隙間21を介して接合する(図7−e)。
次に、シリコン基板3aを所望の厚さに研削し、更に表面の加工変質層をエッチングなどを利用して除去する(図8−f)。
次に、シリコン基板3aの振動板11形成側と反対側の表面にレジスト25を塗布し、吐出室用の凹部12a、液滴供給孔10b及び外部接続端子用開口部21aをパターニングする(図8−g)。
次に、ICP放電によるドライエッチングで、吐出室用の凹部12a、液滴供給孔10b及び外部接続端子用開口部21aを形成する(図8−h)。
そして、液滴供給孔10bの底部に残った酸化シリコン膜/ポリシリコン層/酸化シリコン膜を、電極基板2側からRIEで除去する(図8−i)。以上で電極基板2に接合されたキャビティ基板3の加工が完了する。
図7〜図8はキャビティ基板3の製造方法の他の例を示す工程図である。以下、これらの図に沿って説明する。まず、キャビティ基板3となる適当な厚さのシリコン基板3aの片面に、ドライバIC18を半導体プロセスにより形成する(図7-a)。
次に、シリコン基板3aのドライバIC18形成側面に、エッチングストップ層11aとなる酸化シリコン膜をプラズマCVDで成膜し、さらに、個別電極の接点17aとなる箇所をパターニングする(図7−b)。
次に、振動板11となるポリシリコン層をCVDで形成し、シリコン基板3aの片側面全域をP型にする。その後、個別電極17の形状に合わせてN型、P型の順で拡散し、個別電極17となる拡散領域を形成する(図7−c)。なお、このようにして形成された拡散電極の斜視図を、電極基板2側から見た図として図9に示しておく。
次に、絶縁膜19となる酸化シリコン膜をプラズマCVDで成膜し、共通電極の接点7a、外部接続端子20の接点20a及び外部接続端子用開口部21aをパターニングして開口する(図7−d)。
次に、図7−dまでの工程が完了したシリコン基板3aと、振動板11に対応する共通電極7が形成された電極基板2とを隙間21を介して接合する(図7−e)。
次に、シリコン基板3aを所望の厚さに研削し、更に表面の加工変質層をエッチングなどを利用して除去する(図8−f)。
次に、シリコン基板3aの振動板11形成側と反対側の表面にレジスト25を塗布し、吐出室用の凹部12a、液滴供給孔10b及び外部接続端子用開口部21aをパターニングする(図8−g)。
次に、ICP放電によるドライエッチングで、吐出室用の凹部12a、液滴供給孔10b及び外部接続端子用開口部21aを形成する(図8−h)。
そして、液滴供給孔10bの底部に残った酸化シリコン膜/ポリシリコン層/酸化シリコン膜を、電極基板2側からRIEで除去する(図8−i)。以上で電極基板2に接合されたキャビティ基板3の加工が完了する。
(C)リザーバ基板4の製造方法
図10〜図11はリザーバ基板4の製造方法の一例を示す工程図である。以下、これらの図に沿って説明する。まず、リザーバ基板4となるシリコン基板4aの全面に熱酸化膜27を形成し、キャビティ基板3と対峙する側の面(以下、C面と称する)に、ノズル連通孔15、供給口14、液滴供給孔10cをパターニングする(図10-a)。なお、シリコン基板4aは、厚さが例えば180μmで面方位が100の基板とする。
この例では、キャビティ基板3の吐出室12に対応する領域22も凹部(第2キャビティ22と称す)とするようにパターニングしているが、リザーバ基板4に第2キャビティ22は必ずしも必要なものではない。
パターニングした後の熱酸化膜27の厚さは、
ノズル連通孔15部=0、供給口14部=液滴供給孔10c部<第2キャビティ22部
とする。
次に、シリコン基板4aのC面のノズル連通孔15をICPで150μm程度ドライエッチングする(図10−b)。
次に、シリコン基板4aの熱酸化膜27をハーフエッチングする。この場合、供給口14部及び液滴供給孔10c部では熱酸化膜27がない状態とし、他の部分はその厚みを薄くする(図10−c)。
次に、シリコン基板4aのC面のノズル連通孔15、供給口14及び液滴供給孔10cをICPで25μm程度ドライエッチングする(図10−d)。
次に、シリコン基板4aの熱酸化膜27を再びハーフエッチングする。この場合、第2キャビティ部22では熱酸化膜27がない状態とし、他の部分はその厚みを薄くする(図10−e)。
次に、シリコン基板4aのC面のノズル連通孔15、供給口14及び液滴供給孔10cをICP放電で25μm程度ドライエッチングする。この工程により、ノズル連通孔15はシリコン基板4aを貫通する(図11−f)。
次に、シリコン基板4aの熱酸化膜27を剥離する(図11−g)。
次に、シリコン基板4aに再び熱酸化膜27を形成し、ノズル基板5と対峙する面側(以下、N面と称する)に、リザーバ13を形成するためのパターニングを行う(図11−h)。
次に、シリコン基板4aのN面を水酸化カリウム(KOH)溶液で130μm程度ウェットエッチングする(図11−i)。
次に、シリコン基板4aから熱酸化膜27を除去して、供給口14及び液滴供給孔10cを貫通させ、その後ドライ酸化でシリコン基板4aの表面に液保護膜28を形成する(図11−j)。以上でリザーバ基板4の加工が完了する。
図10〜図11はリザーバ基板4の製造方法の一例を示す工程図である。以下、これらの図に沿って説明する。まず、リザーバ基板4となるシリコン基板4aの全面に熱酸化膜27を形成し、キャビティ基板3と対峙する側の面(以下、C面と称する)に、ノズル連通孔15、供給口14、液滴供給孔10cをパターニングする(図10-a)。なお、シリコン基板4aは、厚さが例えば180μmで面方位が100の基板とする。
この例では、キャビティ基板3の吐出室12に対応する領域22も凹部(第2キャビティ22と称す)とするようにパターニングしているが、リザーバ基板4に第2キャビティ22は必ずしも必要なものではない。
パターニングした後の熱酸化膜27の厚さは、
ノズル連通孔15部=0、供給口14部=液滴供給孔10c部<第2キャビティ22部
とする。
次に、シリコン基板4aのC面のノズル連通孔15をICPで150μm程度ドライエッチングする(図10−b)。
次に、シリコン基板4aの熱酸化膜27をハーフエッチングする。この場合、供給口14部及び液滴供給孔10c部では熱酸化膜27がない状態とし、他の部分はその厚みを薄くする(図10−c)。
次に、シリコン基板4aのC面のノズル連通孔15、供給口14及び液滴供給孔10cをICPで25μm程度ドライエッチングする(図10−d)。
次に、シリコン基板4aの熱酸化膜27を再びハーフエッチングする。この場合、第2キャビティ部22では熱酸化膜27がない状態とし、他の部分はその厚みを薄くする(図10−e)。
次に、シリコン基板4aのC面のノズル連通孔15、供給口14及び液滴供給孔10cをICP放電で25μm程度ドライエッチングする。この工程により、ノズル連通孔15はシリコン基板4aを貫通する(図11−f)。
次に、シリコン基板4aの熱酸化膜27を剥離する(図11−g)。
次に、シリコン基板4aに再び熱酸化膜27を形成し、ノズル基板5と対峙する面側(以下、N面と称する)に、リザーバ13を形成するためのパターニングを行う(図11−h)。
次に、シリコン基板4aのN面を水酸化カリウム(KOH)溶液で130μm程度ウェットエッチングする(図11−i)。
次に、シリコン基板4aから熱酸化膜27を除去して、供給口14及び液滴供給孔10cを貫通させ、その後ドライ酸化でシリコン基板4aの表面に液保護膜28を形成する(図11−j)。以上でリザーバ基板4の加工が完了する。
(D)ノズル基板5の製造方法
図12はノズル基板5の製造方法の一例を示す工程図である。以下、図12に沿って説明する。まず、ノズル基板5となる例えば厚さ100μmのシリコン基板5aの全面に熱酸化膜27を形成し、ノズル孔16の形状に合わせてその熱酸化膜27をパターニングする(図12-a)。なお、ここではノズル孔16を2つの径を有する第1ノズル孔16aと第2ノズル孔16bの2段構成にするものとし、そのためそれに対応する部分の熱酸化膜27も2段構成にパターニングする。
次に、シリコン基板5aの第1ノズル孔16aの先導部分をICPによるドライエッチングで形成する(図12−b)。
次に、シリコン基板5aの第2ノズル孔16bの先導部分の熱酸化膜27を緩衝ふっ酸水溶液(BHF:NH4F/HF/H2O)でハーフエッチングする(図12−c)。
次に、シリコン基板5aの第1ノズル孔16a及び第2ノズル孔16bに対応する部分をICPによるドライエッチングで形成する(図12−d)。
そして、シリコン基板5aの熱酸化膜27を一旦除去し、その後再びシリコン基板5aの表面を熱酸化して液保護膜28を形成する(図12−e)。以上でノズル基板5の加工が完了する。
図12はノズル基板5の製造方法の一例を示す工程図である。以下、図12に沿って説明する。まず、ノズル基板5となる例えば厚さ100μmのシリコン基板5aの全面に熱酸化膜27を形成し、ノズル孔16の形状に合わせてその熱酸化膜27をパターニングする(図12-a)。なお、ここではノズル孔16を2つの径を有する第1ノズル孔16aと第2ノズル孔16bの2段構成にするものとし、そのためそれに対応する部分の熱酸化膜27も2段構成にパターニングする。
次に、シリコン基板5aの第1ノズル孔16aの先導部分をICPによるドライエッチングで形成する(図12−b)。
次に、シリコン基板5aの第2ノズル孔16bの先導部分の熱酸化膜27を緩衝ふっ酸水溶液(BHF:NH4F/HF/H2O)でハーフエッチングする(図12−c)。
次に、シリコン基板5aの第1ノズル孔16a及び第2ノズル孔16bに対応する部分をICPによるドライエッチングで形成する(図12−d)。
そして、シリコン基板5aの熱酸化膜27を一旦除去し、その後再びシリコン基板5aの表面を熱酸化して液保護膜28を形成する(図12−e)。以上でノズル基板5の加工が完了する。
(E)電極基板2の製造方法
図13は電極基板2の製造方法の一例を示す工程図である。以下、図13に沿って説明する。まず、電極基板2となる例えば厚さ1mmのガラス基板2aの片面にクロム(Cr)膜29をスパッタで形成する(図13-a)。なお、電極基板2のガラス基板は、シリコンと線膨張係数が近い硼珪酸ガラスとするのが好ましい。これにより、キャビテイ基板3となるシリコン基板3aの接合、及びそれ以降の工程で高温プロセスを採用しても、接合界面に応力が発生せず、界面欠陥を減らすことができる。
次に、ガラス基板2aのクロム膜29上に形成したレジスト30を利用して、クロム膜29をガラス基板2aにこれから形成しようとする溝6a,6bの形状に合わせてパターニングする(図13−b)。
次に、ガラス基板2aをフッ酸水溶液を利用したエッチングにより、深さ0.3μm程度の共通電極7用の溝6a及び外部接続端子20用の溝6bを形成する(図12−c)。
次に、クロム膜29及びレジスト30を除去した後、ガラス基板2aの溝6a,6bが形成された側の全面にITO31を成膜する(図12−d)。
次に、共通電極7、外部接続端子20、及びこれらのドライバIC18との接点7a、20aの形状に合わせてITOをパターニングする(図12−e)。
最後、ガラス基板2aに液滴供給孔10aをサンドブラスで形成する(図12−)。以上でガラス基板2の加工が完了する。
図13は電極基板2の製造方法の一例を示す工程図である。以下、図13に沿って説明する。まず、電極基板2となる例えば厚さ1mmのガラス基板2aの片面にクロム(Cr)膜29をスパッタで形成する(図13-a)。なお、電極基板2のガラス基板は、シリコンと線膨張係数が近い硼珪酸ガラスとするのが好ましい。これにより、キャビテイ基板3となるシリコン基板3aの接合、及びそれ以降の工程で高温プロセスを採用しても、接合界面に応力が発生せず、界面欠陥を減らすことができる。
次に、ガラス基板2aのクロム膜29上に形成したレジスト30を利用して、クロム膜29をガラス基板2aにこれから形成しようとする溝6a,6bの形状に合わせてパターニングする(図13−b)。
次に、ガラス基板2aをフッ酸水溶液を利用したエッチングにより、深さ0.3μm程度の共通電極7用の溝6a及び外部接続端子20用の溝6bを形成する(図12−c)。
次に、クロム膜29及びレジスト30を除去した後、ガラス基板2aの溝6a,6bが形成された側の全面にITO31を成膜する(図12−d)。
次に、共通電極7、外部接続端子20、及びこれらのドライバIC18との接点7a、20aの形状に合わせてITOをパターニングする(図12−e)。
最後、ガラス基板2aに液滴供給孔10aをサンドブラスで形成する(図12−)。以上でガラス基板2の加工が完了する。
(F)各基板2〜5の組み付け方法
上記(E)のようにして作成された電極基板は、上記(A)、(B)で説明したように、ドライバIC18が半導体プロセスにより形成されているが吐出室12となる凹部12aなどが形成前のシリコン基板3aに接合される。この接合により、キャビティ基板3の各振動板11及び個別電極17と、電極基板2の共通電極7とが隙間21を介して対峙し、その隙間21は電極基板2の個別電極用の溝6aとシリコン基板3aの底面により密閉される(図2参照)。従って、隙間21の密閉のために封止材を使用する必要はない。
なお、電極基板2とシリコン基板3aの接合には各種の接合方法が利用できるが、接合時、シリコン基板3a中に作り込まれているドライバIC18を破壊しないよう注意する必要がある。このような問題を回避するには、表面活性常温接合の利用が好ましい。表面活性常温接合は、接合の妨げになる各基板2,3aの表面層を除去することにより、常温で表面の原子の結合手同士を直接結合させ強固な接合を形成するもので、表面層の除去には、イオンビームやプラズマなどによるスパッタエッチングを用いる。なお、イオンビームにはアルゴンなどの不活性ガスが用いられ、またそのプロセスは高真空に排気した真空チャンバ中で行う。このように、表面活性常温接合では常温かつ無電界で2つの基板の接合が行われるため、ドライバIC18を破壊するリスクが回避できる。
上記(E)のようにして作成された電極基板は、上記(A)、(B)で説明したように、ドライバIC18が半導体プロセスにより形成されているが吐出室12となる凹部12aなどが形成前のシリコン基板3aに接合される。この接合により、キャビティ基板3の各振動板11及び個別電極17と、電極基板2の共通電極7とが隙間21を介して対峙し、その隙間21は電極基板2の個別電極用の溝6aとシリコン基板3aの底面により密閉される(図2参照)。従って、隙間21の密閉のために封止材を使用する必要はない。
なお、電極基板2とシリコン基板3aの接合には各種の接合方法が利用できるが、接合時、シリコン基板3a中に作り込まれているドライバIC18を破壊しないよう注意する必要がある。このような問題を回避するには、表面活性常温接合の利用が好ましい。表面活性常温接合は、接合の妨げになる各基板2,3aの表面層を除去することにより、常温で表面の原子の結合手同士を直接結合させ強固な接合を形成するもので、表面層の除去には、イオンビームやプラズマなどによるスパッタエッチングを用いる。なお、イオンビームにはアルゴンなどの不活性ガスが用いられ、またそのプロセスは高真空に排気した真空チャンバ中で行う。このように、表面活性常温接合では常温かつ無電界で2つの基板の接合が行われるため、ドライバIC18を破壊するリスクが回避できる。
また、キャビティ基板3を製造するためのシリコン基板3aの加工に、ドライエッチングを使用したことで、次のような効果も得られる。すなわち、ドライエッチングは再度エッチング量が小さく垂直性に優れるため、高密度かつ高精度なキャビティが形成できる。加えて、ドライプロセスのため、アクチュエータが構成されている隙間(振動室)21にエッチング液が侵入するのも防止できる。
以上のようにして電極基板2に接合されたシリコン基板3aに、吐出室12などの必要な凹部(キャビティ)を形成してキャビティ基板3とした後、そのキャビティ基板3に接着剤を利用してリザーバ基板4を接合する。さらに、キャビティ基板3に接合されたリザーバ基板4にノズル基板5を、ノズル連通孔15とノズル孔16とを対応させて、接着剤を利用して接合する。これにより、液滴吐出ヘッド1が完成する。
実施形態2
図14は、実施形態1で説明した液滴吐出ヘッド1を搭載した液滴吐出装置であるインクジェットプリンタ100の斜視図である。
液滴吐出ヘッド1は既に説明したように、静電駆動のためのドライバIC18がキャビティ基板3に半導体プロセスによって予め作り込まれているので、そのサイズが小さくなり、しかもノズル孔16の高密度化が可能となっている。さらに耐久性にも優れている。従って、この液滴吐出ヘッド1を備えたプリンタ100は、小型で多くの色を出すことができ、耐久性にも優れたものとなっている。
なお、実施形態1の液滴吐出ヘッド1は、図14に示すインジェットプリンタの他に、吐出させる液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、基板の配線形成、生体液体のサンプリングなどにおける各種液滴を吐出する装置にも適用することができる。
図14は、実施形態1で説明した液滴吐出ヘッド1を搭載した液滴吐出装置であるインクジェットプリンタ100の斜視図である。
液滴吐出ヘッド1は既に説明したように、静電駆動のためのドライバIC18がキャビティ基板3に半導体プロセスによって予め作り込まれているので、そのサイズが小さくなり、しかもノズル孔16の高密度化が可能となっている。さらに耐久性にも優れている。従って、この液滴吐出ヘッド1を備えたプリンタ100は、小型で多くの色を出すことができ、耐久性にも優れたものとなっている。
なお、実施形態1の液滴吐出ヘッド1は、図14に示すインジェットプリンタの他に、吐出させる液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、基板の配線形成、生体液体のサンプリングなどにおける各種液滴を吐出する装置にも適用することができる。
1 液滴吐出ヘッド、2 電極基板、3 キャビティ基板、4 リザーバ基板、5 ノズル基板、6a 電極形成用の溝、6b 外部接続端子形成用の溝、7 共通電極、7a 接点、9 接続部、10,10a,10b,10c 液滴供給孔、11 振動板、12 吐出室、12a 吐出室用の凹部、13 リザーバ、13a リザーバ用の凹部、14 供給口、15 ノズル連通孔、16 ノズル孔、17 個別電極、17a 接点、18 ドライバIC、19 絶縁膜、20 外部接続端子、20a 接点、21 隙間(振動室)、21a 外部接続端子用開口部、100 液滴吐出装置。
Claims (19)
- 液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、
底壁が振動板を構成し吐出用液滴を溜めておく吐出室となる複数の凹部が形成されたシリコン製のキャビティ基板と、
前記振動板に隙間を介して対向する電極が形成された電極基板と、
前記吐出室に液滴を供給するリザーバとなる凹部、前記リザーバから前記吐出室へ液滴を移送するための供給口、及び前記吐出室から前記ノズル孔へ液滴を移送するノズル連通孔を有するリザーバ基板と、
前記振動板を静電駆動する前記キャビティ基板に作り込まれたドライバICとを備え、 前記電極基板、前記キャビティ基板、前記リザーバ基板、前記ノズル基板が順に積層され、前記電極が密閉されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記電極基板の前記電極を共通電極とし、前記各吐出室の底壁を個別電極としていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記共通電極は前記電極基板の表面の溝内に形成され、かつ前記溝の一端で前記溝の周囲壁にまで乗り上げて形成されており、
前記ICが前記溝の周囲壁に乗り上げて形成された共通電極上に配置されて前記共通電極と直接接続されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記電極の密閉領域とは別の領域に形成された溝内に、前記ICから配線を引き出す外部接続端子を形成していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記個別電極が前記振動板の表面に形成され、前記個別電極を含めて前記振動板が絶縁膜で被膜されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記振動板が前記キャビティ基板に形成されたエッチングストップ層と絶縁膜との間にあることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記個別電極が金属薄膜からなることを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記振動板と前記絶縁膜が同じ物質からなることを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記キャビティ基板は単結晶シリコン、前記振動板は酸化シリコンであることを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記キャビティ基板は単結晶シリコン、前記振動板は窒化シリコンであることを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記キャビティ基板は単結晶シリコン、前記振動板はアルミナであることを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記キャビティ基板は単結晶シリコン、前記振動板はポリシリコンであることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記共通電極及び前記外部接続端子がITOからなることを特徴とする請求項7ないし12のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記電極基板は硼珪酸ガラスであることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 請求項1ないし14のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
- シリコン製のキャビティ基板に、静電駆動用のドライバIC、前記ICで駆動制御される複数の個別電極及び振動板を形成するステップと、
共通電極が形成された電極基板と前記キャビティ基板を、前記共通電極と前記個別電極とを隙間を介して対向させ、かつ前記共通電極と前記ICとを接続させて接合するステップと、
前記電極基板と接合された前記キャビティ基板の個別電極対応部分に、吐出用液滴を溜めておく吐出室となる凹部を形成するステップと、
液滴を貯えておくリザーバとなる凹部、前記リザーバから前記吐出室へ液滴を移送するための供給口、及び前記吐出室からノズル孔へ液滴を移送するノズル連通孔を有するリザーバ基板を、前記キャビティ基板に接合するステップと、
複数の前記ノズル孔が形成されたノズル基板を、前記リザーバ基板に接合するステップと、
を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記個別電極を拡散を利用して形成することを特徴とする請求項16に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記電極基板と前記キャビティ基板とを表面活性常温接合することを特徴とする請求項16または17に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記キャビティ基板の前記吐出室用の凹部をドライエッチングで形成することを特徴とする請求項16ないし18のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
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JP2005234789A JP2007045123A (ja) | 2005-08-12 | 2005-08-12 | 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置並びに液滴吐出ヘッドの製造方法 |
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JP2008265007A (ja) * | 2007-04-16 | 2008-11-06 | Seiko Epson Corp | ノズル基板の製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法 |
JP2018103515A (ja) * | 2016-12-27 | 2018-07-05 | セイコーエプソン株式会社 | 液体吐出ヘッドの製造方法 |
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