JP2007044417A - 医用診断装置 - Google Patents

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敦史 深野
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Abstract

【課題】 視覚及び聴覚に障害がある被検者に対して振動により呼吸指示等を与える場合に、被検者からのメッセージを撮影者側で受信確認できるようにした医用診断装置を提供する。
【解決手段】 診断装置には、被検者を載置する寝台に振動可能なグリップを設けるとともに、被検者によって操作可能な操作ボタンを設ける。また、撮影者の操作に応答してグリップを異なる振動パターンで振動させ被検者に各種の指示を与える振動発生器と、被検者により操作ボタンが操作されたときにその操作結果を検出して表示する表示部を有してなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医用診断装置に係り、特に視覚及び聴覚に障害のある被検者に対して、検査時に触覚を利用して各種の指示を与えるとともに被検者からの応答を確認できるようにした医用診断装置に関する。
従来、医用診断装置として、X線CT装置やMRI装置(磁気共鳴イメージング装置)等が利用されている。例えばX線CT装置を利用して被検者を検査する場合、「息を吸って」「息を吐いて」「呼吸を止めて」といった呼吸指示を音声やモニタによって与えているが、視覚障害及び聴覚障害をもった被検者に対しては的確な指示を与えることができなかった。このため、視覚、聴覚による指示以外に触覚を利用して被検者に呼吸の指示を与える装置が特許文献1に記載されている。
特許文献1には、テーブルに載置された被検者に視覚、聴覚以外の刺激を与える刺激部と、刺激部を駆動する駆動部と、駆動部を制御する制御部を有する呼吸指示装置が記載されている。上記刺激部としては、バイブレータや風船状のグリップを備え、これら刺激部を利用して被検者に息止めや息止め解除等の指示を与えるようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載の例では、撮影者からの指示を刺激部を介して被検者に伝えることができるが、被検者の意思を撮影者に伝えることができないという不具合があった。このため、検査の途中で被検者側にアクシデントが発生した場合(具合が悪くなった場合等)、被検者が検査を中止して欲しくてもうまく伝えられずに検査が続行されることがあった。
特開平7−323026号公報
従来の医用診断装置で、視覚障害及び聴覚障害をもった被検者に対して呼吸の指示を与える方法として、視覚、聴覚以外の刺激を与えて息止めや息止め解除等の指示を与えるものがあったが、被検者の意思を撮影者に伝えることができないという不具合があった。
本発明は、上記事情に鑑み、視覚、聴覚以外の刺激を与えて被検者に呼吸等の指示を与える場合に、被検者からのメッセージを撮影者側で受信確認できるようにした医用診断装置を提供することを目的とする。
本発明の医用診断装置は、被検者を載置する寝台に設けられた振動可能なグリップと、被検者によって操作可能な操作ボタンとを有する診断装置と;前記グリップを異なる振動パターンで振動させ、被検者に各種の指示を与えるための振動発生器と;前記操作ボタンの操作結果を検出し、その検出結果を報知する報知手段と;を具備したことを特徴とする。
また、本発明の医用診断装置は、被検者を載置する寝台に設けられた振動可能なグリップと、被検者によって操作可能な操作ボタンとを有する診断装置と;撮影者によって操作可能な操作部と、前記操作部の操作に応答して前記グリップを異なる振動パターンで振動させ被検者に各種の指示を与えるための振動発生器と、被検者により前記操作ボタンが操作されたときその操作結果を検出して表示する表示部とを有する指示伝達装置と;を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、異なる振動バターンでグリップを振動させることにより、撮影者からの各種の指示を被検者に伝えることができ、被検者からも撮影者に意思を伝えることが可能となり、安全性に優れた医用診断装置を提供することができる。
以下、この発明の医用診断装置の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の医用診断装置の全体構成を示す構成図である。図1において10は診断装置であり、例えばX線CT装置が用いられる。尚、X線CT装置のほかにMRI装置(磁気共鳴イメージング装置)や、X線撮影装置にも適用することができる。
X線CT装置10は、架台11内にX線管及びX線検出器(図示略)を備え、X線検出器からのデータをデータ収集部で収集し、収集したデータを処理して画像診断を行う。架台11には環状の穴部12が設けられ、被検者Pを載せた寝台天板13を矢印x方向に移動することでヘリカルスキャン等を行い、被検者Pの断層像を得ることができる。
前記寝台天板13には、被検者Pが手で握ることができるグリップ14が設けられている。グリップ14は丸円に拡大して示すように、被検者が操作可能な操作ボタン141、142が設けられており、グリップ14内にはバイブレータ15が設けられ、後述する振動発生器によって振動する構造になっている。
操作ボタン141,142は、操作者の意思を撮影者に伝達するため、例えば検査の継続を了承する「OK」ボタンと、検査の中断希望を伝える「NG」ボタンの2種のボタンで構成される。
図2は、指示伝達装置20のブロック図である。指示伝達装置20は、前記グリップ14を振動させて撮影者から被検者Pに対して呼吸指示等を与えるとともに、被検者Pからの意思を撮影者に伝えるためのものである。
図2において、21は指示伝達装置20の動作を制御する制御部であり、制御部21には操作部22と表示部23が接続され、さらに制御部21には振動発生器24が接続され、この振動発生器24によって前記グリップ14内に設けたバイブレータ15を駆動する。また、被検者Pによって操作ボタン141,142が操作されたときに、いずれの操作ボタンが押されたかを検出する検出部25を有し、検出部25の検出結果が制御部21に送られ、被験者Pの意思を表示部23に表示できるようにしている。
次に、図3を参照して本発明の医用診断装置の動作を説明する。本発明では、撮影者が操作部22を操作することにより、振動発生器24を駆動して、被検者Pに各種の指示を与えることができる。振動発生器24は複数の振動パターンでバイブレータ15を駆動し、バイブレータ15は、操作部22の操作に応答していずれかの振動パターンで振動する。
図3(a)は、例えば検査開始を知らせる振動パターンであり、(b)は「息を吸って」の指示、(c)は「呼吸を止めて」の指示、(d)は「息を吐いて」の指示、(e)は検査終了をそれぞれ伝えるための振動パターンである。
振動パターンは、例えば振動する期間とその間隔によってそれぞれ異なる指示を被検者に伝えることができる。例えば図(a)と(e)ではバイブレータ15が比較的長く振動することで、被検者は検査の開始と終了を知ることができる。また(b),(c),(d)ではバイブレータ15が短期間に何回駆動されるかで、いずれの指示がされたかを知ることができる。
尚、振動パターンは図3の例に限られることはなく、振動の期間や間隔を変えるほかに、振動周波数を変えても良い。さらに、振動強度を変化させても良い。但し、被検者が覚えやすい振動パターンにする必要がある。
一方、被検者Pは振動パターンに応じてグリップ14の振動状態を判別し、検査の開始の合図(振動パターン(a))があったとき、検査OKであれば「OK」ボタン141を押す。これにより撮影者は呼吸指示を与えて、息を吸ったり、止めたり、吐いたりといった指示を与え、被検者はそれに応答して呼吸を行う。
また、検査の途中で被検者Pにアクシデントが発生し、検査を中止して欲しい場合は、「NG」ボタン142を押すことで、検査中断のメッセージを伝えることができる。操作ボタン141,142が押された場合、検出部25でいずれのボタンが押されたかを判別し、表示部23にディスプレイされる。例えば、「OK」ボタン141が押された場合はOKのマークが緑色等で表示され、「NG」ボタン142が押された場合には、NGのマークが赤色等で点滅表示される。
こうして撮影者は表示部23での表示状態を見ることで被検者Pの意思を知ることができ、呼吸指示に応答してタイミングよく撮影することができる。また、被検者Pは指示に応じて、呼吸を行い、不具合が発生した場合には即座に撮影者に知らせることができる。
図4は、X線CT装置10による検査開始から検査終了までの間の撮影者と被検者Pの検査対応の流れを示したフローチャートである。検査が開始されると、ステップS1では、被検者Pに振動パターンを点字により覚えてもらう。こうして振動パターンの確認が終了すると、次のステップS2では撮影準備にかかり、被検者Pは寝台天板13に載ってグリップ14を持ち、撮影者は撮影の準備をする。撮影準備が完了すると、撮影者の操作により撮影開始の合図を(振動パターン)被検者に送る。
ステップS3は、被験者Pによる応答を判断するステップであり、操作ボタン14の操作状況を判別する。「OK」ボタン141が操作され、撮影者がそれを確認すると次の撮影開始ステップS4に進み、各種の呼吸指示を送り、グリップ14を通じて呼吸指示がなされ、撮影が行われる。
また、判断ステップS3において、被検者Pが「NG」ボタン142を操作したことが検出されると、ステップS5の検査中断ステップに進む。また、ステップS3とS4は循環し、被検者Pが「NG」ボタン142を操作した場合は撮影途中であっても直ちに検査中断ステップS5に移行するようにしている。
このように、本発明によれば、異なる振動バターンでグリップ14を振動させることにより、撮影者からの各種の指示を被検者Pに伝えることができる。また、被検者も操作ボタン141,142を操作することにより、撮影者に被験者側の意思を伝えることが可能となり、被検者の具合が悪いときなど、すぐに撮影を中断できるため、安全性に優れた医用診断装置を提供することができる。
尚、以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の実施形態が考えられる。例えば、操作ボタン141,142はグリップ14に設ける例を述べたが、操作ボタン141,142は寝台天板13に設け、被検者Pは一方の手でグリップ14を握り、他方の手で操作ボタン141,142を操作するようにしても良い。また、検出器25の検出結果を表示部23にディスプレイして報知する例を述べたが、これに限らず、音により報知したり、音とディスプレイの両者で報知するようにしても良い。
本発明の医用診断装置の一実施形態を説明する全体構成図。 同実施形態の医用診断装置に使用する指示伝達装置の構成を示すブロック図。 同実施形態の医用診断装置に使用するグリップの振動パターンの一例を説明する説明図。 同実施形態の医用診断装置における検査対応の流れを示すフローチャート。
符号の説明
10…X線CT装置(医用診断装置)
11…架台
12…穴部
13…寝台天板
14…グリップ
141,142…操作ボタン
15…バイブレータ
20…指示伝達装置
21…制御部
22…操作部
23…表示部
24…振動発生器
25…検出部

Claims (6)

  1. 被検者を載置する寝台に設けられた振動可能なグリップと、被検者によって操作可能な操作ボタンとを有する診断装置と、
    前記グリップを異なる振動パターンで振動させ、被検者に各種の指示を与えるための振動発生器と、
    前記操作ボタンの操作結果を検出し、その検出結果を報知する報知手段と、を具備したことを特徴とする医用診断装置。
  2. 前記グリップは前記振動発生器によって駆動されるバイブレータを内蔵して成ることを特徴とする請求項1記載の医用診断装置。
  3. 前記操作ボタンは、前記グリップに一体に設けられたことを特徴とする請求項1記載の医用診断装置。
  4. 前記操作ボタンは、被検者が検査の継続を了承する第1ボタンと、検査中断の意思を伝える第2ボタンを含むことを特徴とする請求項1記載の医用診断装置。
  5. 前記報知手段は、前記検出結果をディスプレイして知らせる表示部で成ることを特徴とする請求項1記載の医用診断装置。
  6. 被検者を載置する寝台に設けられた振動可能なグリップと、被検者によって操作可能な操作ボタンとを有する診断装置と、
    撮影者によって操作可能な操作部と、前記操作部の操作に応答して前記グリップを異なる振動パターンで振動させ被検者に各種の指示を与えるための振動発生器と、被検者により前記操作ボタンが操作されたときその操作結果を検出して表示する表示部とを有する指示伝達装置と、を具備したことを特徴とする医用診断装置。
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