JP2007043235A - 圧電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型化しても気密封止の信頼性を維持できるとともに生産性に優れた電子部品用パッケージ及び圧電発振器を提供する。
【解決手段】 容器体と当該容器体の開口部主面周囲に周状に形成された導体層と、前記導体層の少なくとも一部に対応して形成された封止材が形成された蓋体とからなり、前記導体層と前記封止材を熱溶融によって気密接合を行う圧電デバイスであって、前記導体層が容器体の開口部主面の外周縁に沿って導体層が形成されていることを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯用通信機器や電子計算機等の電子機器に用いられる水晶振動子等の圧電デバイスに関するものである。
従来より、圧電振動素子の励振電極を外気から保護するために、気密封止されている。かかる従来の圧電デバイスとしては、蓋体は従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、蓋体の下面には封止材が形成されている。また、圧電振動素子は、導電性接着剤を用いて容器体の凹部に実装・固定した後、上述の蓋体を容器体の開口部主面に接合することによって容器体が組み立てられる。
上記以外の容器体と蓋体との接合方法としては、多種多様の接合方法が検討されており、シーム溶接、半田接合、低融点ガラス接合、電子ビーム溶接、熱溶融接合等各種の接合方法がある。
特開2003−78054号公報
尚、出願人は前記した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を本件出願時までに発見するに至らなかった。
しかしながら、上述した従来の圧電デバイスを小型化する際は、容器体の封止面積も縮小されるので、封止材が該容器体の凹部に収容されている前記圧電振動素子に被着することにより、前記圧電デバイスの発振特性が変動してしまうと言う欠点があった。
これにより圧電デバイスの信頼性を維持することができないという欠点があった。本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、小型化しても気密封止の信頼性を維持できるとともに生産性に優れた圧電デバイスを提供することにある。
本発明の圧電デバイスは、容器体と当該容器体の開口部主面周囲に周状に形成された導体層と、前記導体層の少なくとも一部に対応して形成された封止材が形成された蓋体とからなり、前記導体層と前記封止材を熱溶融によって気密接合を行う圧電デバイスであって、前記導体層が容器体の開口部主面の外周縁に沿って導体層が形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の圧電デバイスは、前記導体層の未形成部分が、容器体の開口部主面の幅方向の内周から20%〜50%を占めることを特徴とするものである。
更に本発明の圧電デバイスは、前記封止材は、金錫等のロウ材から成り、前記封止材の厚さが10〜40μmであることを特徴とするものである。
本発明の圧電デバイスによれば、容器体と当該容器体の開口部主面に周状に形成された導体層と、前記導体層の少なくとも一部に対応して形成された封止材が形成された蓋体とからなり、前記導体層と前記封止材を熱溶融によって気密接合を行う圧電デバイスであって、前記導体層が容器体の開口部主面の外周縁に沿って導体層が形成されていることによって、溶融した封止材が前記容器体の凹部に配置されている該圧電振動素子に付着しないので安定した発振特性を得ることが可能となる。
また、本発明の圧電デバイスによれば、前記導体層の未形成部分が、容器体の開口部主面の幅方向の内周から20%〜50%を占めることにより、内周側には導体層が形成されない領域が20%以上確保することで、導体層に沿って封止材が容器体の凹部に飛散し、圧電振動素子に被着することを防止することが可能となる。
また、導体層の未形成部分が50%以下であることによって、封止に必要な接合幅を確保することができるので、封止性を維持することが可能となる。
更に本発明の圧電デバイスによれば、前記封止材は、金錫等のロウ材から成り、前記封止材の厚さが10〜40μmであることにより、封止材は、導体層の凹凸を緩和し、気密性の低下を防ぐことが可能となる。また、封止材が薄すぎると当該機能を充分に発揮しない。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る水晶振動子の分解斜視図、図2は図1の水晶振動子の断面図であり、これらの図に示す水晶振動子は、内部に水晶振動素子5が収容された矩形状の容器体1を、蓋体2によって気密封止された構造である。
前記容器体1は、例えば、ガラス−セラミック、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成る容器体1と、42アロイやコバール,リン青銅等の金属から成る蓋体2とから成り、前記容器体1の開口面に形成されている導体層3は、タングステン(W)または、モリブデン(Mo)等から成るメタライズ層を形成し、前記メタライズ層の上面には、ニッケル(Ni)層が形成されていおり、前記ニッケル(Ni)層の上面には、金(Au)層を形成することによって構成されている。
前記導体層3が容器体1の開口部主面の外周縁に沿って導体層3が形成することによって、溶融した封止材4が前記容器体1の凹部8に配置されている該水晶振動素子5に付着しないので安定した発振特性を得ることが可能となる。
また前記導体層3が、20%以下の場合には、前記容器体の凹部に飛散し、50%以上の場合には、接合面積を確保することができないので、封止性を維持することができなかった。なお、20%以上とした理由には、容器体の開口部主面の端面部が多少なりとも面ダレを起こしていたとしても、容器体の開口部主面の幅方向の内周の20%以上であれば、導体層に沿って封止材が容器体の凹部に飛散し、圧電振動素子に被着することを防止することができる。(容器体の開口部主面周辺を拡大した図3を参照)
そこで本発明では、A部に示すよう前記導体層3の未形成部分が、容器体主面の幅方向の内周から20%〜50%を占めることにより、内周側には導体層3が形成されない領域が形成されるので導体層3に沿って封止材4が容器体1の凹部8に飛散することを防止すると共に、前記水晶振動素子5に封止材4が被着することを防止することが可能となる。
前記容器体1は、その内部、具体的には、基板の上面と側壁の内面とで囲まれる凹部8に水晶振動素子5を収容して気密封止するためのものであり、前記容器体1の上面には水晶振動素子5の励振電極に接続される一対の搭載パッド9が、容器体1の下面には、入力端子及び出力端子、グランド端子等の外部端子7が形成されている。
これらの端子等は基板表面の配線導体や基板内部に埋設されているビアホール導体等を介して、対応するもの同士、相互に電気的に接続されている。
尚、前記容器体1は、ガラス−セラミック等のセラミック材料から成る場合、例えば、セラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に配線導体となる導体ペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。
前記容器体1の開口面には、導体層3が形成されており、その構成は、タングステン(W)または、モリブデン(Mo)等から成るメタライズ層を形成し、その厚みは、10μm〜20μmであり、前記メタライズ層の上面にニッケル(Ni)層を形成し、その厚みは、8μm〜20μmである。また、前記ニッケル(Ni)層の上面には、金(Au)層が形成されており、その厚みは、0.3μm〜1.0μmである。
また、蓋体2は従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、前記蓋体2の上面には、ニッケル(Ni)層が形成され、更にニッケル(Ni)層の上面の導体層3に対応する箇所に封止材4である金錫(Au−Sn)層が形成される。金錫(Au−Sn)層の厚みは、10μm〜40μmである。例えば、成分比率が、金が80%、錫が20%のものが使用されている。
また、このような封止材4は、導体層3の凹凸を緩和し、気密性の低下を防ぐことが可能となる。なお、封止材が薄すぎると当該機能を充分に発揮しない。
水晶振動素子5は、導電性接着剤6を用いて容器体1の内部に実装・固定した後、上述の蓋体2を従来周知の熱圧着法によって、容器体1の導体層3の上面に接合することによって容器体1が組み立てられる。
このように、金錫(Au−Sn)等のロウ材である封止材4を導体層3の凹凸を緩和し、気密性の低下を防ぐことができる共に、気密性の精度を向上させることが可能となる。
一方、前記容器体1の内部に収容される水晶振動素子5は、所定の結晶軸でカットした水晶片の両主面に一対の励振電極を被着・形成してなり、外部からの変動電圧が一対の励振電極を介して水晶片に印加されると、所定の周波数で厚みすべり振動を起こす。
前記水晶振動素子5は、一対の励振電極を導電性接着剤6を介して基板上面の対応する搭載パッド9に電気的に接続させることによって基板の上面に搭載され、これによって水晶振動素子5と容器体1との電気的接続及び機械的接続が同時になされる。
ここで容器体1の蓋体2を、容器体1の配線導体を介して容器体下面に配されるグランド端子用の外部端子7に接続させておけば、その使用時、蓋体2がアースされることによりシールド機能が付与されることとなるため、水晶振動素子5を外部からの不要な電気的作用より良好に保護することができる。従って、容器体1の蓋体2は容器体1の配線導体を介してグランド端子用の外部端子7に接続させておくことが好ましい。
また、上記容器体内に、IC素子を搭載することによって発振器にすることができる。前記IC素子としては、例えば、容器体の電極パッドと1対1に対応する複数個の接続パッドを有した矩形状のフリップチップ型IC等が用いられ、そのIC素子内では、水晶振動素子5に基いて、発振出力を生成する発振回路等が設けられ、該発振回路で生成された発振出力は、外部に出力された後、例えば、クロック信号等の基準信号として利用されることとなる。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、個片の容器体を使用していたが、多数個取り基板を使用しても問題はなく、さらに生産性を向上する利点がある。
例えば、上述の実施形態においては圧電振動素子として水晶振動素子を用いるようにしたが、これに代えて、圧電振動素子としてSAWフィルタ等の他の圧電振動素子を用いる場合であっても本発明は適用可能である。
本発明の一実施形態に係る圧電デバイス(水晶振動子)の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る圧電デバイス(水晶振動子)の断面図である。 容器体の開口部主面の幅方向部分の面ダレを誇張して描画した拡大図である。
符号の説明
1・・・容器体
2・・・蓋体
3・・・導体層
4・・・封止材
5・・・水晶振動素子
6・・・導電性接着剤
7・・・外部端子
8・・・凹部
9・・・搭載パッド

Claims (3)

  1. 容器体と当該容器体の開口部主面に周状に形成された導体層と、前記導体層の少なくとも一部に対応して形成された封止材が形成された蓋体とからなり、前記導体層と前記封止材を熱溶融によって気密接合を行う圧電デバイスであって、
    前記導体層が容器体の開口部主面の外周縁に沿って導体層が形成されていることを特徴とする圧電デバイス。
  2. 前記導体層の未形成部分が、容器体の開口部主面の幅方向の内周から20%〜50%を占めることを特徴とする請求項1記載の圧電デバイス。
  3. 前記封止材は、金錫等のロウ材から成り、前記封止材の厚さが10〜40μmであることを特徴とする圧電デバイス。
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